JP4347418B2 - 特異的免疫療法のためのイネ科花粉アレルゲン変異体及びそれらの製造及び使用 - Google Patents
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Description
検査および治療用途のために用いられるイネ科花粉の抽出物は、タンパク質および糖タンパク質の不均一な混合物からなり、そのいくつかはアレルギー患者のIgE抗体と反応し、定義によってアレルゲンと名づけられる。これらの抗原の分子的性質によって、問題のイネ科種の交差反応性が相対的に高いことに伴い、それらを6グループに分類することができる。優性アレルゲングループ(主アレルゲン)は、通常のアレルゲン分類(Liebers et al.,Clin.Exper.Allergy,26,494−516(1996))によってグループ5および1である。N末端アミノ酸配列および/または主アレルゲンのグループ5および1の部分的または完全推定アミノ酸配列が知られている(Vrtala et al.,J.Immunology 151,4773−4781(1993)およびBufe et al.FEBS.Lett.263,6−12(1995))。さらに、これらの主アレルゲンをクローニングする方法が記載されている(Scheiner et al.Int.Arch Allergy Immunol.98,93−96(1992))。
現在、イネ科花粉の水抽出物が、タイプ1アレルギーの体外診断に使用されている。これらの水抽出物はまた、体外診断および続く特異的免疫療法の基礎である(Fiebig.H.,Allergo Journal 7,377−382(1995))。
特異的免疫療法のために天然のアレルゲン抽出物を使用することは、これらの状況において誘発されるIgE依存性アレルギー反応(副作用)によって制限される。この理由で、天然のアレルゲン抽出物を副作用閾値以下の用量しか投与できない。治療効果に必要とされる高いアレルゲン濃度を得るためには、抽出物を維持用量まで増加する濃度に数回の連続的注射によって達成される。ゲルに吸収させることによって、より効果的で副作用をより起さない方法で減感作のアレルゲン抽出物を使用することが可能である。
さらなる改良は、IgEとはより低い反応性を有するが、免疫原性を大部分残しているアレルゴイドを生成するためにアレルゲンを化学的に修飾することによって達成された(Fiebig H.,Allergo Journal 7,377−382(1995)およびMaasch et al.,Clin.Ref.Allergy 5,89−106(1987))。
ハウスダストダニアレルゲンに関する初期の研究において、IgE反応性の減少は、指向されたアミノ酸置換によって達成できるという証拠がある(Smith et al.,Mol.Immunol.33,339−405(1996)およびNishiyama et al.,Mol.Immunol.32,1021−1029(1995))。
現時点では、イネ科花粉にアレルギーである患者の確立された減感作は、すべての知られたアレルゲンそしてまた非アレルギー性だが免疫原性のマイナー成分をある程度の濃度で含む天然抽出物を使用して行われるが、アレルゲン特異的療法には、特定の患者が実際に感作されているアレルゲン分子だけが必要とされる。このことはアレルギー患者が彼の減感作に寄与しないそして副作用を起しうる成分で不可避的に治療されていることを意味する。
修飾された組換えアレルゲンの入手の結果として、個々のアレルゲンまたは特定の混合物を、個々の感作スペクトルに合わせた減感作のための医薬品として使用できる。
このことは特異的で適切な治療の可能性を提供する。
本発明は、価値ある性質を有する新規化合物、特に医薬品を製造するために使用できる化合物を発見するという目的に基づいている。
修飾された組換えアレルゲンの形態の本発明の化合物、そしてそれらの塩および溶媒和物は、非常に価値ある薬理学的性質を有すると同時に良好な耐容性を有することが分かった。特に、それらは減感作効果を有する。
この化合物は、ヒト医学および獣医学において、特にアレルギー疾患の治療および減感作アレルギー患者のための医薬活性化合物として使用できる。
驚くべきことに、それ自体公知の遺伝子操作方法により、草花粉にアレルギーである患者のTリンパ球と特異的に反応し、すなわち増殖するTリンパ球を刺激したり、サイトカインを合成し、またはTリンパ球においてアネルギーを起こすが、Tリンパ球ドナーの血清に存在するIgE抗体に、および草花粉にアレルギーである他の患者の血清からの草花粉特異的IgEに結合するには著しく減じられた力を示す変異体を構築するために、そのアミノ酸配列が、天然抽出物中でおこるアレルギー分子のそれと同一である組換えアレルゲンを使用する本発明に関連して成功がもたらされた。
天然におこるアレルゲンの場合または組換えアレルゲンの場合のいずれにおいても見られないこの効果は次の理由により、望ましい。
− 減感作中におこるIgE仲介副作用が避けられるか、または少なくとも大きく減少する、
− アレルギー患者のTHメモリーリンパ球による修飾された組換えアレルゲンの認識を確かにする、
− アレルギー患者で妨害されている種々に分化したTHサブポピュレーションのバランスを正常化するための条件をつくる、
− アレルゲン反応性T細胞をアネルギー化したり、および/または除いたり、TH0/TH1配列のものにTH2主体の特異的T細胞ポピュレーションを機能的に再配列することによって治療効果を可能にする、
− 免疫グロブリン合成を、アレルギー患者に典型的な特異的IgE抗体(TH2のコントロール)の形成からIgG抗体(TH1のコントロール)の好ましい合成へスイッチできる、
− そして、結果として、患者の状態は、かれらがこの新規な修飾された組換えアレルゲンで治療されると著しく改善されるものと期待できる。
本発明は、天然の原料から抽出により得られるアレルゲンから誘導される修飾された組換えアレルゲンに関する。とりわけオオアワガエリ、ホソムギ、カモガヤ、ナガハグサ、ギョギシバ、およびシラゲガヤ等のイネ科からの花粉粒子が天然の原料として使用される。特に、本発明は、グループ1−6の主アレルゲンから誘導される修飾された組換えアレルゲンに関し、そして草花粉にアレルギーである患者のIgE抗体との反応性が除かれているか、または少なくとも減じられているが、一方Tリンパ球とのそれは未だ残っている。修飾された組換えアレルゲンは、アレルゲンの遺伝子が遺伝子操作法によって修飾されているため、それらがコードするポリペプチドが野性タイプと比較して1個または数個のアミノ酸の置換、欠失、および/または付加を示すという点で、野性型と異なる。同時に、修飾された組換えアレルゲンの主たるT細胞反応性領域(T細胞エピトープ)は、遺伝子操作によって変えられていない。
好ましくは、修飾された組換えアレルゲンは、グループ5または他にはグループ1の主アレルゲンから誘導される。特に、新規アレルゲンは、主Phl p 5bアレルゲンから誘導される。
アミノ酸の単一文字コードを使用すると、Phl p 5bの配列は以下のようである。即ち、
本発明は、特に全体で265個のアミノ酸からなるPhl p 5bポリペプチドの領域16−42、135−149および180−206の少なくとも1つまたは組み合わせたものが変えられていない修飾された組換えアレルゲンに関する。保存されるべきセグメントは、T細胞エピトープ領域である。
該アミノ酸残基はまた、誘導体化されてもよい。側鎖の修飾は、この意味で特に適当である。
本明細書中、アミノ酸残基の略号は、以下のアミノ酸の残基を表わす。即ち、
Ala=A アラニン
Asn=N アスパラギン
Asp=D アスパラギン酸
Arg=R アルギニン
Cys=C システイン
Gln=Q グルタミン
Glu=E グルタミン酸
Gly=G グリシン
His=H ヒスチジン
Ile=I イソロイシン
Leu=L ロイシン
Lys=K リジン
Met=M メチオニン
Phe=F フェニルアラニン
Pro=P プロリン
Ser=S セリン
Thr=T スレオニン
Trp=W トリプトファン
Tyr=Y チロシン
Val=V バリン
加えて、下記の略号は以下の意味を有する。即ち、
Ac アセチル
BOC tert−ブトキシカルボニル
CBZ又はZ ベンジルオキシカルボニル
DCCI ジシクロヘキシルカルボジイミド
DMF ジメチルフォルムアミド
EDCI N−エチル−N,N’−(ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
Et エチル
FCA フルオレセインカルボン酸
FITC フルオレセインイソチオシアナート
Fmoc 9−フルオレニルメトキシカルボニル
HOBt 1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
Me メチル
MBHA 4−メチルベンズヒドリルアミン
Mtr 4−メトキシ−2,3,6−トリメチルフェニルスルホニル
HONSu N−ヒドロキシスクシンイミド
OBut tert−ブチルエステル
Oct オクタノイル
OMe メチルエステル
OEt エチルエステル
POA フェノキシアセチル
Sal サリシロイル
TFA トリフルオロ酢酸
Trt トリチル(トリフェニルメチル)
上記アミノ酸がいくつかの鏡像異性体型でおこるかぎり、これらすべての型およびまたそれらの混合物(例えばDL体)を本明細書中において含む。さらに、アミノ酸は、例えば化合物の成分として、それ自体公知の適当な保護基を付けることができる。
所謂プロドラッグ誘導体、即ち例えば、アルキル基またはアシル基、糖またはオリゴペプチドで修飾され、器官内で活性な新規化合物を生成するように速やかに分割される化合物がまた、新規化合物に含まれる。
これらのプロドラッグはまた、例えばInt.J.Pharm.115,61−67(1995)に記載されるような新規化合物の生物分解性のポリマー誘導体を含む。
新規アレルゲンは、1または2以上のカイラル中心を有してもよく、従って異なる立体異性体型になってもよい。本発明は、これらすべての型を含む。
Phl p 5bから誘導されるポリペプチドの以下のグループから誘導される修飾された組換えアレルゲンが特に好適である。即ち、
PM1(N32→D,D49→L,K50→A)
PM2(D49→L,K50→A)
PM3(A13→C)
DM1(ΔK50→P・132,D49→L)
DM2(ΔF51−G178,D49→L,K50→A)
DM2*(ΔF51−G178,179−217変更配列)
DM3(ΔA154−T177,A220→T)
上記の配列において、修飾されるアミノ酸またはアミノ酸配列が各々の場合で示されている。
これに関連して、PM1はポイント変異1を示し、以下の配列を有する(Phl p 5bと比較して置き換えられているアミノ酸が太字で印刷されている)。即ち、
他の特に好ましいペプチドは、以下の配列を有する。即ち、
PM2(D49→L,K50→A):
PM3(A13→C):
DM1(ΔK50→P・132,D49→L):
DM2(ΔF51−G178,D49→L,K50−A):
DM2*(ΔF51−G178,179−217変更配列):
この配列は、DM2のそれに対応するが、原料ペプチドPhl p 5bの位置179−217のアミノ酸がさらに変更された配列を示し、続く全てのアミノ酸が無い。
DM3(ΔA154−T177,A220→T):
本発明はさらに、ポリメラーゼ連鎖反応および/またはその変法を使用することによって修飾された組換えアレルゲンを製造する方法に関する。ペプチド配列が知られると、アレルゲンはまた、それ自体公知のペプチド合成法、例えば、文献(例えば、Houben−Weyl,Methoden der organischen Chemie(Methods of Organic Chemistry),Georg−Thieme−Verlag,Stuttgart;のような標準的学術書)に記載されているような改変Merrifield法により、該反応に知られていて且つ適当な反応条件下に製造できる。これに関連して、それ自体公知であるが、ここでは詳しく述べられていない変法も使用できる。さらに、それらの官能基誘導体のひとつから、それを加溶媒分解剤または水素化分解剤で処理することによってペプチドを遊離し、および/または塩基性または酸性のペプチドをそれと酸または塩基で処理してその塩または溶媒和物のひとつに変換することができる。
加溶媒分解または水素化分解のための好ましい原料は、1または2以上の遊離アミノ基および/または遊離ヒドロキシル基の代りに対応する保護されたアミノ基および/または保護されたヒドロキシル基を含むものであり、好ましくはN原子に結合しているH原子の代りに、例えば、NH2基の代りにNHR′基(R′はアミノ保護基、例えばBOCまたはCBZである)を含むアミノ保護基をもつものである。
ヒドロキシル基のH原子の代りに、例えばヒドロキシフェニル基の代りにR″O−フェニル基(R″はヒドロキシル保護基である)を含むヒドロキシル保護基をもつ出発化合物がまた、好ましい。
いくつかの、同一または異なる保護アミノ基および/または保護ヒドロキシル基が、出発化合物の分子中に存在してもよい。存在する保護基が互いに異なるならば、それらは多くの場合、選択的に除去できる。
“アミノ保護基”という表現は、一般的に知られており、アミノ基を化学反応から保護する(ブロックする)ために適しているが、所望の化学反応が分子の他の位置で行われた後容易に除くことができる基を言う。この種の典型的な基は、特に、非置換または置換アシル基、アリール基、アルアルコキシメチル基またはアルアルキル基である。アミノ保護基は、所望の反応(または一連の反応)が起った後、取り除かれるので、それらの性質およびサイズは、別に重大ではない;しかし、1−20個のC原子、とくに1−8個のC原子を有するそれらのアミノ保護基が好ましい。本方法に関連して、“アシル基”という表現は、最も広い可能な意味で解釈されるべきである。それは、脂肪族、芳香族脂式、芳香族または複素環式のカルボン酸またはスルホン酸から誘導されるアシル基、そして特にアルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基および、特にアルアルコキシカルボニル基を含む。この種のアシル基の例は、アセチル、プロピオニルまたはブチリル等のアルカノイル;フェニルアセチル等のアルアルカノイル;ベンゾイルまたはトルイル等のアロイル;POA等のアリールオキシアルカノイル;メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、BOC又は2−ヨードエトキシカルボニル等のアルコキシカルボニル;CBZ(“カルボベンゾキシ”)、4−メトキシベンジルオキシカルボニルまたはFMOC等のアルアルコキシカルボニル;Mtr等のアリールスルホニルである。好ましいアミノ保護基は、BOCおよびMtr、そしてまたCBZ、Fmoc、ベンジルおよびアセチルである。
“ヒドロキシル保護基”という表現は、同様にして一般的に知られており、ヒドロキシル基を化学反応から保護するために適するが、所望の化学反応が分子の他の位置で行われた後、容易に除去される基を言う。この種の典型的な基は、上記の非置換または置換アリール基、アルアルキル基またはアシル基、そしてまたアルキル基である。ヒドロキシル保護基の性質およびサイズは、それらが所望の反応または一連の反応が起きた後再び取り除かれるので、重大でない;1−20個のC原子、とくに1−10個のC原子を有する基が好ましい。ヒドロキシル保護基の例は、就中ベンジル、p−ニトロベンゾイル、p−トルエンスルホニル、tert−ブチルおよびアセチルであり、ベンジルおよびtert−ブチルが特に好ましい。アスパラギン酸およびグルタミン酸のCOOH基は、tert−ブチルエステル(例えば、Asp(OBut))の形で好ましく保護される。
用いられる保護基によって、例えば強酸、適宜TFAまたは過塩素酸、のみならず塩酸または硫酸等の他の強酸、トリクロロ酢酸等の強有機カルボン酸、またはベンゼンスルホン酸またはp−トルエンスルホン酸等のスルホン酸を使用して、化合物を官能基誘導体から遊離する。加えられる不活性溶媒の存在は可能であるが、必ずしも必要ではない。好ましい適当な不活性溶媒は、例えば、酢酸等のカルボン酸、テトラヒドロフランまたはジオキサン等のエーテル、DMF等のアミド、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素、そしてさらにメタノール、エタノールまたはイソプロパノール等のアルコール、および水である。上記溶媒の混合物も適当である。TFAは、好ましくは他の溶媒を加えること無く過剰に用いられ、過塩素酸は、酢酸と70%過塩素酸が9:1の比率からなる混合物の形で使用される。解裂の反応温度は、好適には約0−50°であり、反応は好ましくは15−30°または室温で行われる。
BOC、OButおよびMtr基は例えば、15−30°でジクロロメタン中のTFAまたはジオキサン中約3−5N塩酸を使用して好ましく取り除くことができる;FMOC基は、15−30°でDMF中のジメチルアミン、ジエチルアミンまたはピペリジンの約5−50%溶液を使用して取り除くことができる。
トリチル基を、アミノ酸、ヒスチジン、アスパラギン、グルタミンおよびシステインを保護するために用いる。所望の最終製造物によって、TFA/10%チオフェノールを使用して、述べたすべてのアミノ酸からトリチル基が除かれ、TFA/アニソールまたはTFA/チオアニソールを使用して、この場合、トリチル基は、His、Asn、およびGlnからだけ除かれ、Cys側鎖に残る。
水素化分解で除去される保護基(例えば、CBZまたはベンジル)は、例えば、触媒(例えば、好適には炭素のような支持体上のパラジュウム等の貴金属触媒)の存在下、水素と処理して除去できる。この場合の適当な溶媒は、上記の溶媒であり、例えば、メタノールまたはエタノール等のアルコール、またはDMF等のアミドである。原則として、水素化分解は、約0−100°の温度で、そして約1−200気圧の圧力下、好ましくは20−30°および1−10気圧で行われる。CBZ基の水素化分解は、例えば、メタノール中20−30°、5−10%Pd/C、またはメタノール/DMF中20−30°で蟻酸アンモニウム(水素の代り)を使用して満足に行われる。
例えば、エタノール等の不活性溶媒中当量の塩基と酸を反応させ、次いで蒸発により濃縮して、酸は塩基をその関連酸付加塩に変換するために使用できる。生理学的に有害で無い塩を生じる酸が、特にこの反応に適する。従って、例えば、硫酸、硝酸、塩酸または臭化水素酸等のハロゲン化水素酸、オルトリン酸等のリン酸、またはスルファミン酸等の無機酸、そしてまた有機酸、特に脂肪族、脂環式、芳香族脂式、芳香族または複素環モノ塩基性または多塩基性カルボン酸、スルホン酸またはスルフリル酸、例えば蟻酸、酢酸、プロピオン酸、ピバル酸、ジエチル酢酸、マロン酸、コハク酸、ピメリン酸、フマール酸、マレイン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、グルコン酸、アスコルビン酸、ニコチン酸、イソニコチン酸、メタンスルホン酸またはエタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンモノ−およびジスルホン酸およびラウリルスルホン酸を使用することができる。生理学的に有害で無いことのない酸との塩、例えばピクリン酸塩は、式Iの化合物を単離したり、および/または精製したりするために使用してもよい。
他方、式Iの酸を塩基と反応させることにより生理学的に有害で無い金属塩またはアンモニウム塩に変換できる。この場合、適当な塩は、特にナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩およびアンモニウム塩、そしてまた、例えばジメチル−、モノエチル−、ジエチル−またはジイソプロピル−アンモニウム塩、シクロヘキシル−またはジシクロヘキシル−アンモニウム塩のような置換されているアンモニア塩、またはジベンジルエチレンジアンモニウム塩、そしてさらに、例えば、アルギニンまたはリジンとの塩である。
以下の工程は、DNAまたはアミノ酸配列を確かめるために必要である。
通常の方法によって製造された抽出物のアレルゲン性構成成分が、同定され、それらの重要な物理化学的パラメターが特定されている。構成成分が、アレルギー患者のIgE抗体に結合するそれらの能力を示すことによってアレルゲンでと同定される。原則として、これはアレルギー患者の血清でSDS−PAGE、等電集中法(isoelectrofocusing)次いでウエスタンブロティングし、IgEイソタイプの結合抗体のみが展開されるそれ自体公知の方法を使用して行われる。この場合、適切な大きさの数のタイプの臨床的に証明されたアレルギー患者(20という値は最低の数として設定すべきである)が使われることを確実にするように注意すべきである。CIEまたはCRIE等の他の方法をまた、代りに使用できる。
このようにして同定および特定されたこれらのイネ科花粉アレルゲンを、N末端アミノ酸決定を行うことができるように分析的に製造できる。さらに、アレルゲンをまた、生化学的に精製し、モノクローナル抗体を製造するために使用できる。これらのモノクローナル抗体を、天然原料からのアレルゲンまたは組換え技術によって製造される分子の免疫学的同定および特定のために使用できる。
アレルゲンに関するこの情報およびそれらを同定するための方法に基づいて、公知の遺伝子操作方法を使用してクローンしたり、それらを組換えアレルゲンとして発現させることができる。通常の方法を使用して単離され、特定された組換えアレルゲンのDNAクローンが、遺伝子操作によって行われ且つ新規な修飾され組換えられて製造されたアレルゲン分子を生じる修飾の基盤である。
新規な修飾された組換えアレルゲンの反応性を確保するために、T細胞エピトープを同定することも必要である。
このための基礎は、問題のアレルゲンのアミノ酸配列または対応する基礎になるDNA配列の知識である。通常、アミノ酸配列は組換えアレルゲンのDNA配列から推定される。従って、本発明の範囲内で、挙げられる全てのペプチド配列の関連DNA配列が、これらのDNA配列が明確に開示されていなくても含まれるのは、それらが公知且つ簡単な方法でペプチド配列から誘導できるからである。
アミノ酸配列に基づいて、一連の重なるオリゴペプチドを、改変Merrifield法を使用する固相合成等の通常の方法によって製造し、アレルゲンの全体配列がカバーされる。各場合6−20個、好ましくは9−15個のアミノ酸残基を有するオリゴペプチドが、これに関連して適切に製造される。各々の場合3つのアミノ酸によりオフセットされ、対象アレルゲンの全配列をオーバーラップしてカバーするドデカペプチドが特に適する。
T細胞エピトープを同定するために、イネ科花粉にアレルギーの患者からのT細胞クローンを、通常の方法(文献)を使用して問題の精製した天然または組換え的に製造されたアレルゲンで繰り返し刺激によって樹立する。このため、十分な数のドナーから由来する相当数のT細胞クローンを樹立する必要がある。
これらのT細胞クローンを上記オーバーラップペプチドと培養し、T細胞が増殖することを刺激する後者の能力を試験する。増殖は、それ自体通常の方法によって[3H]−チミジンを取り込むことによって決定される。T細胞クローンの適当な増殖を誘導するそれらのオリゴペプチドが、T細胞エピトープに対応するペプチドリガンドと見なされる。このようにして決定されたT細胞エピトープが、その部分で、新規な修飾組換えアレルゲンを構築する基盤を構成するアレルゲンのT細胞反応性領域を決めるために使用される。
修飾組換えアレルゲンがアレルギー患者で見い出されるTリンパ球と反応することを確実にするため、免疫優性T細胞エピトープを含むT細胞反応性領域の1次構造は、部分的または完全に変更から除かれる。
遺伝子操作は、変更された1次構造を得るためにポリペプチド(アレルゲン)の残りの領域にあるDNA配列に変異を起すために使用される。この変更された1次構造は、IgE抗体に結合する配列依存連続B細胞エピトープの能力を破壊するか、または限定し、そして1次修飾の結果として修飾された3次構造のため、それらの抗体と反応する立体配座依存の、おそらく非連続的エピトープの力を完全または部分的になくす。
変異は、T細胞反応性領域以外の1つまたは数個のアミノ酸の置換であることができる。そのような点変異が、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を使用する位置特異的変異により、例えば、rPhl p 5bをコードするDNAに誘導される。rPhl p 5bのcDNAを含む発現ベクター(pMalc)であるプラスミドpGS13を、この場合テンプレートとして使用できる。適当な塩基置換そしてまた新しい制限部位(Nhe IまたはSph I)を含む遺伝子特異的プライマーをPCRに使用する。PCRで増幅され、変異をおこすフラグメントをクローニングベクターに次々結合し、完成物を次いでpMalc発現ベクターへ再クローンする。
さらに、変異を特異的に設定した欠失によって行うことができる。欠失変異体を製造するために、rPhl p 5bのcDNAの切断3′−末端フラグメントを、遺伝子特異的プライマーを使用してPCRで製造する。比較的大きな3′−末端フラグメントを、内部切断部位で制限によって出発ベクター(pGS12またはpGS13)から除き、そしてPCRで増幅し、各ケースでより小さいフラグメントを、それらを置換するため結合する。
同様の方法で、1又は2以上のアミノ酸の付加を含む変異は、付加的DNAフラグメントを挿入することにより製造できる。
遺伝子操作によって変異され、修飾された組換えアレルゲンをコードするDNAクローンを、適当な発現ベクターに再クローンし、適当なホスト生物体で発現させる。融合タンパク質を、これらホスト生物体の上清または破壊物から通常の方法で精製し、そして融合部分を取り除いた後、修飾された組換えアレルゲンを通常の生化学的方法を使用して純粋状態で製造する。修飾された組換えアレルゲンが、天然アレルゲンに対応する純粋成分としてさらなる試験に使用されることが重要である。
修飾された組換えアレルゲンのアレルゲン性、即ちアレルギー患者のIgE抗体に結合する力、に関する誘導された変異の効果は、EAST阻害試験によって定性的および定量的に決定される。この検定は、試験される物質(修飾された組換えアレルゲン)が天然アレルゲンおよび/または組換え野性型に等しいか、または異なるかを示す。免疫化学的関連性(交差反応性)の程度はまた、定量できる。このEAST阻害試験は、IgE抗体との反応だけを計る。
50%阻害でPrelと測定される阻害効果を示し、天然アレルゲンおよび/または組換え野性型と比較して少なくとも102のファクターで減少するそれらの修飾された組換えアレルゲン変種が、適当なものとして選択される。
このようにして選択された修飾された組換えアレルゲン変種を、それらのT細胞反応性が実際に残っているかどうかを見るためにチェックする。このために、T細胞反応性領域のエピトープと反応する一組のT細胞クローンを、第1相の試験のために取る。
選択されたクローンが増殖するように刺激するそれら選択された修飾された組換えアレルゲンだけが考慮される。
第2相において、相当するアレルゲンで繰り返し刺激して樹立されたオリゴクローンT細胞系を試験のために用いる。再び、野性型の刺激インデックス(SI)の50%のSIを少なくとも与えるそれら選択され修飾された組換えアレルゲンだけが考慮される。
第3相において、アレルギー患者の末梢血からのポリクローンの短時間T細胞培養を試験のために用いる。
特異的IgEへのアレルゲンの結合とは別に、アレルギー作用または細胞によるヒスタミンのアレルゲン誘起のIgEによる遊離が、アレルギー反応(副作用)に対して病理生理学的に重要である。エフェクター細胞(好塩基球および肥満細胞)の反応性およびFcεRIによって結合されるIgE抗体のエピトープ特異性もこの場合重要である。この理由で、修飾された組換えアレルゲン変種は、アレルギー患者の血液から単離されるIgEを担う好塩基球の脱顆粒によるヒスタミン遊離を誘起するそれらの力の試験をする。この機能試験において、上記選択方式によって選ばれた修飾された組換えアレルゲン変種は、著しく減じられたヒスタミン遊離力を示さなければならない。
これら要求に合う修飾された組換えアレルゲンは、制御作用を有するTH細胞の大部分との反応性を確かめ、それらの減じられたIgE反応性により、イネ科花粉にアレルギーの患者のアレルゲン特異的免疫療法(減感作)の治療剤として用いられるための必要な性質を有する。
本発明はさらに、IgE仲介アレルギーを治療するための、本発明による1又は2以上の修飾された組換えアレルゲン、および/またはその生理学的に無害な塩または溶媒和物、および/または適宜付加的活性化合物、および/または補助物質を含む医薬製剤に関する。
本発明はさらに、少なくとも1つの修飾された組換えアレルゲンおよび/またはその生理学的に無害な塩または溶媒和物が、少なくとも1つの固体、液体または半液体の担体または補助物質と一緒に適当な剤形にされる医薬製剤を製造するための方法に関する。
本発明はさらに、特に非化学的ルートによって医薬製剤を製造するための修飾された組換えアレルゲンおよび/またはその生理学的に無害な塩または溶媒和物の使用に関する。これに関連して、それらは、少なくとも1つの固体、液体または半液体の担体または補助物質と一緒に、そして適宜、1又は2以上の付加的活性物質と組み合わせて適当な剤形にすることができる。医薬品は、免疫特異的治療、即ちアレルギーと関連して減感作に使用される。アレルギーの免疫特異的治療(減感作)用に修飾された組換えアレルゲンを直接使用することを考えることは同様にして可能である。
これらの製剤を、医薬品としてヒトまたは動物の医療において使用できる。適当な担体は、経腸(例えば経口)、非経腸または局所投与又は吸入スプレー形態での投与に適し、新規化合物と反応しない有機または無機物質であり、例えば水、植物油、ベンジルアルコール、アルキレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロールトリアセテート、ゼラチン、乳糖またはデンプンのような炭水化物、ステアリン酸マグネシウム、タルクまたは黄色ソフトパラフィンである。錠剤、ピル剤、被覆錠剤、カプセル剤、粉剤、顆粒剤、シロップ剤、ジュース剤またはドロップ剤は特に、経口用途に用いられ、一方座剤は経腸用途に用いられ、溶液剤、好ましくは油性または水性溶液剤、さらに懸濁剤、乳剤または埋め込み剤は非経腸用途に用いられ、そして軟膏剤、クリーム剤または粉剤は局所用途に用いられる。本新規化合物はまた、凍結乾燥でき、そして得られた凍結乾燥体は、例えば注射用の製剤を製造するために使用できる。上述の製剤は、滅菌することができ、および/または潤滑剤、保存料、安定剤および/または湿潤剤、乳化剤、浸透圧に影響する塩、緩衝剤、着色料、矯味剤および/またはいくつかの付加的活性化合物、例えば、1または2以上のビタミン、等の補助的物質を含んでいてもよい。吸入スプレーとしての投与には、噴射ガスまたは噴射ガス混合物(例えばCO2またはフルオロクロロ炭化水素)中に溶解または懸濁されている活性成分を含むスプレー剤が使用される。この場合、活性化合物は好適には微粒子化されて使用され、1または2以上の付加的な生理学的に許容される溶媒、例えばエタノールが存在していてもよい。吸入液は、通常の吸入器を使用して投与できる。
本化合物およびその生理学的に無害な塩を、アレルギー疾患、特に草類および草の花粉によって引き起こされるアレルギーをコントロールすることに関連してアレルギー患者を減感作するために使用できる。
この場合、新規物質は、通常、他の知られている市販ペプチドと同様にして、特にUS−A−4 472 305に記載されている化合物と同様にして投与され、そして好ましくは用量単位当たり0.05−500mg、特に0.5−100mgの用量で投与される。1日用量は、好ましくは約0.01−2mg/kg体重である。しかし、個々の患者に対する特定の用量は、非常に広い種類の因子、例えば、使用される特定の化合物の効力、年齢、体重、一般健康状態そして患者の性、食事、投与の時間および経路、排泄速度、薬剤の組み合わせおよび治療の対象である特定の疾患の重症度による。非経腸投与が好ましい。
本明細書中、全ての温度は℃である。製造物を単離するために、必要なら水を加え、そして必要なら、混合物を最終製造物の構成によって、2−10のpH値に調整し、酢酸エチルまたはジクロロメタンで抽出する;相を分離し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、そして蒸発によって濃縮する;残渣を次いで、シリカゲルのクロマトグラフィーおよび/または結晶化によって精製する。
実施例1
主草花粉アレルゲンPh1 p5のT細胞反応性領域を決定するためのT細胞エピトープの同定
草花粉アレルギー(鼻炎)の典型的な徴候の病歴を有し、そして陽性皮膚試験(プリック試験)を与えた患者を、オオアワガエリ草(Phleum pratense)Phl p5の主グループ5花粉アレルゲンと反応するT細胞系(TCL)およびT細胞クローン(TCC)を樹立するために選択した。これらの患者は、RASTクラス3以上の循環する特異的IgE抗体を有していた。
ヘパリン血40mlを各患者から得た。末梢単核細胞(PBMC)を次いで、密度勾配遠心分離を使用する通常の方法によって、この血液サンプルから単離した。同様の細胞分離を、さらにTCLおよびTCCを特定するために照射された自己抗原提示細胞(APC)を得ることが必要な後の段階で行った。PBMCを数えた後、インヴィトロでグループ5アレルゲンに反応するTCLを、以下のようにそして他(文献1)に既に詳しく記載されているように樹立した:24穴マイクロカルチャープレートの各ウェルに培養培地(Ultra Culture)1ml中1.5−2.0×106PBMCを、免疫親和性クロマトグラフィーにより精製された天然Ph1 p5アレルゲン(各場合、10μg/ウェル)を加えて7日刺激した。これら培養の全部で8から10が設定された。免疫親和性クロマトグラフィーによるPh1 p5の単離は、詳しく記載されている(文献2)。培養の7日の終わりに、IL−2(10−20IU/ウェル)を、さらに5−7日の培養に対して細胞培養物に加えた。次いで個々の培養物すべてを集め、そしてT幼若細胞を密度勾配遠心分離によって集めた;次いで得られたTCLを、特異的リンパ球増殖試験(同様に文献1を参照)で試験した。このため、2×104/mlのTCL幼若細胞を、各場合5×104/mlの照射された自己APCと96穴マイクロカルチャープレート中の3重のサンプルで培養した。Phl p5アレルゲン10−20μgを特異的抗原刺激として加えた。56時間培養後、3Hラベル化チミジン(1μCi/ウェル)をマイクロカルチャーへピペットで入れた。さらに16時間後、増殖T幼若細胞へとりこまれた放射活性を、ベーターカウンター(Matrix 96)で測定した。結果は、1分当たりのカウント(cpm)で多重サンプルの算術平均として計算された。TCLの品質の基準は、Phl p5添加のcpm値をPhl p5を加えないものと関連して得られた刺激指数であった。
それらを選んだ後、TCLをクローン化した(文献1参照)。このため、0.3[ラクナ(lacuna)]のTCL幼若細胞/ウェルを、照射同種PBMC(5×104/ウェル)、PHA(1.5g/ml)およびIL−2(25IU/ml)を加えて、96穴マイクロカルチャープレート(丸底)中、最終容量0.2mlで培養した。12−14日後、培養物に、新鮮な照射PBMC、PHAおよびIL−2を加えた。さらに、IL−2(25IU/ml)を加えて培地交換を4−5日毎に行った。照射同種PBMCを加えずに約10日が、Phl p5特異的増殖試験を行う前に過ぎた。選択されたTCCを、PHA、照射同種PBMCおよびIL−2(50IU/ml)で繰り返し刺激することによって24穴マイクロカルチャープレート中で増殖した。
TCLをクローン化した(下記参照)後、単離TCCの特異性を述べたようにして決定した。少なくとも5の刺激指数を、TCC陽性であると評価した。グループ5アレルゲン上のT細胞反応性領域を定めるためのT細胞エピトープの決定がまた、特異的増殖試験を使用して行われ、合成ドデカペプチド1−2μg/mlがこの目的のため各々の場合で使用された(下記参照)。
Bufeら(文献3)によって決定されたPhl p 5bアレルゲンの公知1次構造に基づいて製造された全部で86個の重なる合成ドデカペプチドを、T細胞エピトープの決定のために使用した。これらペプチドは、CHIRON Mimotopes Peptide Systems/Clayton,Australiaによって供給される市販の合成キットを使用して製造される。これらのペプチドのアミノ酸配列は9個のアミノ酸の重なり程度であった(表1)。特異的増殖試験で使用されるペプチドの1つに対するTCCの反応を、計算した刺激指数が少なくとも5であると陽性であるとして評価した。
草花粉にアレルギーであった18名の患者が研究に含められた。これらから、Phl p 5b配列に基づくドデカペプチドと特異的に反応した54のT細胞クローンを単離することに成功した。これらのTCCの分析は、ペプチドリガンドの認識は、3つの免疫優性T細胞反応性領域に明らかに集中していることを示す。54個のT細胞クローンのうち、85%に相当する46個は、Phl p 5bの3つの免疫優性T細胞反応性領域A、BおよびCのペプチドと反応する(表1a)。8個のT細胞クローンだけが、5つの異なるペプチドリガンドと反応し、各場合3個のペプチドが2つの異なるクローンによって認識された。免疫優性T細胞反応性領域Aは、位置181−207に対応し、アミノ酸181−195からなるコア領域を有するペプチド(27mer)を包含する。51%に相当する54Phl p 5b反応性TCCの28個だけが、この免疫優性T細胞反応性領域Aと反応する。
T細胞クローンの9個(17%)と9個(17%)とが、T細胞反応性領域C(位置16−48;33mer)およびT細胞反応性領域B(位置133−150)それぞれと反応する。主アレルゲンPhl p 5bの3つの免疫優性T細胞反応性領域の認識についての研究された枠の濃度のTH細胞は、これらの領域が点変異、欠失変異または付加変異によって影響されないPhl p 5b変異体を構築することを可能にする。このことが、アレルギー患者に存在するアレルゲン反応性TH細胞と反応し、そしてこれらの細胞に治療的影響を与えるこれらアレルゲン変異体の必要条件をつくる。
文献:
“Analysis of human T cell clones reactive with group V grass pollen allergens”.Int.Arch.Allergy Immunol.1994,105:391−396.
“Isolation of timothy(Phleum pratense)allergens using affinity chromatography with monoclonal antibodies”.Allergy Immunol(Leipzig)1989,35:287−294.
3.Bufe A,Schramm G,Keown MB,Schlaak M,Becker WM:
“Major allergen Ph1 p 5b in timothy grass is a novel pollen Rnase”.FEBS Letters 1995,263:6−12.
実施例2
rPhl p 5bの変異体PM1、PM2(D49→L,K50→A)およびPM3(A13→C)の製造
PM2:
プラスミドpGS13を出発ベクターとして使用した。これは、Bam HI位とHind III位間にクローン化されるwt rPhl p 5bに対するcDNAを含むpMalcベクター(Biolabs)である。rPhl p 5bに対するcDNAのフラグメント1(bp:1−153)および2(bp:141−1374)をPCR反応によって増幅した。以下のプライマー(制限部位をアンダーラインする)がこの反応に使用された。
フラグメント1:
Ph1 p 5b センス:
MP1 アンチセンス:
フラグメント2:
MP1 センス:
Ph1 p 5b アンチセンス:
wt配列と比較して、2つの変異プライマーMP1センスおよびMP1アンチセンスが、酵素Nhe Iの新しい制限切断部位をさらに与える6塩基置換を含む。
増幅されたフラグメント1をBam HIおよびNhe Iで消化し、ベクターpUH89(Jekel et al.,Gene:154,55−59;1995)にクローン化した。得られるプラスミドpGS10を再度Nhe I/Hind IIIで切断し、フラグメント2(Nhe I/Hind III)をこれらの切断部位へ入れた。このプラスミドpGS11は、rPhl p 5bをコードするが、所望の塩基置換を含有する完全なcDNAを含む。点変異体rPhl p 5b PM2を発現するために、変異cDNAを、発現ベクターpMalcのBam HIおよびHind III切断部位間で再クローン化した。得られたプラスミドはpGS21と命名された。
点変異体rPhl p 5b PM1をPM2と同様にして製造した。それは、PCRエラーの結果として、さらなる点変異、即ちN32→Dを含む。
この点変異体をクローン化するために、ベクターpGS13中のrPhl p 5bに対する全cDNAを以下のプライマーを使用するPCRで増幅した。
PCysM1:
Phl p 5b アンチセンス:上記参照。
wt配列と比較して、変異プライマーPCysM1は、アラニン残基がシステイン残基で置き換えられ、そして同時に酵素Sph Iに対する新しい制限切断部位を与える3塩基置換を含む。PCR製造物は、pMalc発現ベクター(Bam HI/Hind III)へ直接クローン化された。得られるベクターを、pCysM1と命名した。変異の成功は、Sph Iを使用する切断分析でチェックされた。
実施例3
欠失変異体DM1(ΔK50→P132,D49→L)、DM2(ΔF51−G178,D49→L,K50→A)およびDM3(ΔA154−T177,A220→)の製造
プラスミドpGS21(上記参照)を欠失変異体DM1をクローン化するための出発ベクターとして使用した。rPhl p 5bに対するcDNAのbp399−1374フラグメントを、以下のプライマーを使用するPCRで増幅した。
MP2 センス:
Ph p 5b アンチセンス:上を参照。
ベクターpGS21をBam HIおよびNhe Iで切断し、切り出されたフラグメントから分離した。またNhe IおよびBam HIで切断されたPCR製造物を次いで、残りのベクターに結合した。これ、即ちpDM1から得られるベクターは、252bpの欠失を有し且つ欠失変異体rPhl p 5bDM1をコードするrPhl p 5b cDNAを含有する。欠失変異体DM2およびDM3を同様の方法で製造した。
実施例4
組換えPhl p 5b変異体の減じられたアレルゲン性(IgE反応性)を示すためのEAST阻害試験の使用
IgE抗体によるアレルゲンの結合は、タイプIアレルギーにおけるエフェクター細胞(肥満細胞、就中好塩基球)のアレルゲン特異的活性化の基本的な必要条件である。酵素/アレルゲン吸収試験(EAST)のアレルゲン特異的阻害が、IgE抗体へのアレルゲンの結合を定性的および定量的に記録するための最良の手段である。EAST阻害試験を以下のように行う。ミクロタイタープレートをアレルゲン(天然または組換えPhl p 5またはPhl p 5b)(1μg/ml)で覆う。非結合アレルゲン分子を洗浄によって除いた後、非特異的プラスチック結合部位を、牛血清アルブミン(0.5%)でブロックする。10−30ドナーの代表的なプールとして、または個々の血清としてアレルギー患者からの抗IgEを、アレルゲン被覆ミクロタイタープレートで適当に希釈して培養する。結合アレルゲン特異的IgE抗体を、酵素結合抗IgE抗体(例えば、アルカリホスファターゼ−a−IgE抗体)を使用して定量する。この結合は、溶解性アレルゲンまたは試験される物質(アレルゲン変異体)によって、濃度に依存して阻害される。精製天然アレルゲンPhl p 5bで得られる阻害カーブを対照として使用する。
図1に表わされている阻害カーブは、代表的なアレルギー患者血清プールBor 18/100(20ドナー)で得られる。
rPhl p 5b(野性タイプ)およびPM3は、アフィニティークロマトグラフィーで得られたものに似た結合カーブを示す。低い範囲でよりよい阻害効果そして高い濃度でより不十分な阻害による少しばかりの差異が見られる。この理由は分からぬが、少しばかり程度が異なる立体的なエピトープによって説明されるかもしれない。
点変異体PM1は、この効果を高い範囲でいくらかより大きな程度まで効果を示す。欠失変異体DM1およびDM3は、著しく減じられた阻害効果を示す。このことは、これらのアレルゲン変異体の強く減じられたアレルゲン性を立証していて、その結果、化学的に修飾されたアレルゲン(アレルゴイド)と同程度である。
欠失変異体DM2およびDM2*は、アレルゲン−IgE反応に極めて低い阻害効果を示す。このことは、これらの変異体のアレルゲン性が大部分除去されていることを示す。アレルギー患者(We 6/97)からの異なる血清そしてまたアレルギー患者II3、II12およびII17からの各血清は、変異体とその阻害カーブにおいて少し変化を示すが、それにもかかわらずそれらは、欠失変異体DM1およびDM3が大きく減じられたアレルゲン性(図2−5)を示すことを確かめている。低い残存活性は別にして、欠失変異体DM2およびDM2*の阻害効果は除去されている。点変異体PM1およびPM3は、全く減少を示さないか、またはアレルゲン性(例えば、プールWe 6/97および各血清II 17についてのPM1)において,大部分わずかな減少を示す。修飾アレルゲンの阻害能を、25%または50%阻害でのPrel値を計算して定量できる(1)。対応阻害値そしてまた25%または50%阻害で測定されたアレルゲン性力価(Prel)を、表2−6に血清プールおよび各血清に対して示す。
欠失変異体DM2およびDM2*は、極めて低いかまたは意味ある方法で決定できないそれらのPrel値によってアレルゲン性の失活を示す。点変異体PM1およびPM3は、アレルゲン性の部分的な失活を示すが、この失活は実際の使用にとって適当でない。欠失変異体DM1およびDM3は、アレルゲン性の著しい減少を示す。IgE反応性の減少は、以前に知られている化学的に修飾されたアレルゲンのそれよりも優れているかまたは同程度であり、それによってこれらの変異体を免疫療法に対して特に適する候補にするものである。
文献
Anderson MC and Baer H:Methodology for RAST inhibition.Food and Drug Administration,Bethesda,Maryland,U.S.A.(1986)。
実施例5
rPhl p 5b変異体による好塩基球からの減少したヒスタミン遊離
製造された点変異体PM3および欠失変異体DM1、DM2、DM2*およびDM3の好塩基球からのヒスタミン遊離能を試験し、野性タイプrPh1 p 5bのそれと比較した。
ヒスタミン遊離試験を行う前に、アレルギー患者(PS−W)のEDTA血から好塩基性白血球を、先ずデキストラン沈降によって濃縮し、次いで最終濃度100,000好塩基球/mlに調整した。好塩基球からヒスタミンを遊離するために、200μlの細胞懸濁液を、各々の場合50μlの抗原溶液と37℃で40分培養した。このために、rPh1 p 5bおよび変異体をいろいろの濃度(10-5−10-12M)で用いた。遊離したヒスタミンを、PharmaciaのメチルヒスタミンRIAを使用し、製造者の指示に従って各上清で決定した。
ヒスタミン遊離試験において、検討されたすべての組換えタンパク質は、濃度が増すごとに典型的なベル形カーブを描いた(図6)。点変異体は、ヒスタミンを遊離能において野性タイプのrPh1 p 5bと比較してなんら有意な差を示さなかった。30%ヒスタミン遊離をもたらすために必要とされる欠失変異体DM3、DM1およびDM2のの濃度は、それぞれ3倍、20倍そして500倍であった。従って、欠失変異体は明白に好塩基球からヒスタミンを遊離能の減少を示した。
実施例6
草花粉にアレルギーである患者のT細胞クローンとの組換えPhl p 5b変異体の反応性の証明
組換えPhl p 5b変異体の反応性を、知られている特異性の樹立T細胞クローン(TCCs)で試験した。TCCsは、草花粉にアレルギーである患者から得(実施例1参照)そしてT細胞反応性領域A(図7)、B(図8)およびC(図9)に対して向けられた。T細胞反応性を、クローンを増殖するように刺激することによって測定した。結果は明らかに、TCCsが対応エピトープを変えなければPhl p 5b変異体と特異的に反応し、期待通り、このエピトープが欠如したり、点変異によって変更されていればなんらの反応も示さないことを明確に示している。
実施例7
草花粉にアレルギーである患者のT細胞系との組換えPhl p 5b変異体の反応性試験
草花粉にアレルギーである8名の患者からのオリゴクローナルT細胞系(TCLs)(実施例1参照)を、天然Phl p 5b(a+b)、または組換えrPhl p 5b、または5a+5bで繰り返し活性化して樹立した。
これらのTCLsの増殖反応を、rPhl p 5b変異体を使用して試験した(図10)。これは、すべての変異体がTCLsを活性化するが、定量的な差があることを示している。欠失変異体DM3は、ほとんどのTCLsとの強い特異的刺激を示している。
実施例1−7に記載された結果の概括的評価
草花粉にアレルギーである患者からのTヘルパー細胞によって認識される主アレルゲンPh1 p 5bのエピトープのマッピングは、個々のT細胞系(TCLs)がPh1 p 5bの全配列に分布していることを示した。しかし、85%のTCLsによって認識される3つの免疫優性T細胞反応性領域を困難なく明らかにできる(実施例1)。点変異(実施例2)および欠失変異(実施例3)によって組換えPh1 p 5b変異体を製造しることができた。EAST阻害試験で測定された点変異体(PM1およびPM3)のIgE反応性(実施例4)は、野性タイプのPh1 p 5bのそれと有意には変わらない。欠失変異DM1およびDM3のIgE反応性は大きく減少するが、依然として検出可能である。対照的に、変異体DM2およびDM2*のIgE結合は非常に大きく減少する。rPh1 p 5b変異体のアレルゲン性のこの漸進的な減少はまた、アレルギー患者の血液からの特異的IgE結合好塩基球を使用するヒスタミン遊離試験によって確認される(実施例5)。エピトープ地図化T細胞クローンでのrPh1 p 5b変異体の試験は、点変異および欠失変異が期待するようにTCCsと反応したり、または刺激をできないことを確かめている(実施例6)。草花粉にアレルギーである患者の血液からPh1 p 5での刺激により樹立されたオリゴクローナルT細胞系を使用して、変異体はこの種のオリゴクローナルTCLsを刺激できることを示すことができた(実施例7)。アレルゲン性の減少の結果とT細胞刺激の保持を一緒にすると、特に欠失変異体が、特異的免疫治療に適しそうな組換えアレルゲン変種を構成する。
次の実施例は医薬製剤に関するものである。
実施例A:注射バイアル剤
2回蒸留水3リットル中の修飾された組換えアレルゲンに基づく活性化合物または活性化合物混合物100gおよび重リン酸ソーダ5gの溶液を、2N塩酸によりpH6.5に調節し、ろ過滅菌し、注射用バイアルに分注し、無菌条件下に凍結乾燥し、バイアルを次いで無菌的に封をする。各注射用バイアルは5mgの活性化合物を含有する。
実施例B:座剤
修飾された組換えアレルゲンの形の活性化合物20g、大豆レシチン100gおよびココアバター1400gを混合したものを溶かし、型にながし、冷やす。各座剤は20mgの活性化合物を含有する。
実施例C:溶液剤
修飾された組換えアレルゲンの形の活性化合物1g、NaH2PO4・2H2O 9.38g、Na2HPO4・12H2O 28.48gおよび塩化ベンザルコニウム0.1gを2回蒸留水940mlに溶かす。溶液はpH6.8に調節され且つ1リットルとされ、照射によって滅菌される。この溶液は点眼剤の形で使用できる。
実施例D:軟膏剤
修飾された組換えアレルゲンの形の活性化合物500mgを無菌条件下に黄色ソフトパラフィン99.5gと混合する。
実施例E:錠剤
修飾された組換えアレルゲンの形の活性化合物1kg、ラクトース4kg、ポテト澱粉1.2kg、タルク0.2kg、およびステアリン酸マグネシウム0.1kgの混合物を、通常の方法で圧縮し、各錠剤が10mgの活性化合物を含有するように錠剤とする。
実施例F:被覆錠剤
実施例Eで述べた様にして、錠剤は圧縮され、次いでショ糖、ポテト澱粉、タルク、トラガントガムおよび着色料からなるコーティング剤で通常の方法で被覆される。
実施例G:カプセル剤
修飾された組換えアレルゲンの形の活性化合物2kgを、各カプセルが活性化合物20mgを含有するように、硬質ゼラチンカプセルへ通常の方法で分注する。
実施例H:アンプル剤
2回蒸留水60リットル中の修飾された組換えアレルゲンの形の活性化合物1kgの溶液を、ろ過滅菌し、アンプルに分注し、無菌条件下に凍結乾燥し;アンプルを次いで滅菌的に封をする。各アンプルは10mgの活性化合物を含有する。
実施例I:吸入スプレー剤
修飾された組換えアレルゲンの形の活性化合物14gを等張NaCl溶液10リットルに溶解し、そして溶液を、商業的に入手できるポンプ機能を有するスプレー容器に分注する。溶液は、口または鼻にスプレーすることができる。1回のスプレー噴射(約0.1ml)は、約0.14mgの用量に相当する。
Claims (5)
- 主Phl p 5bアレルゲンポリペプチドから誘導される修飾された組換えアレルゲン(mra)又はそれらの生理学的に無害な塩又は溶媒和物であって、配列番号87で示されるアミノ酸配列において、領域16−42、135−149及び180−206のアミノ酸配列の少なくとも一つが変更されておらず、該修飾された組み換えアレルゲンが、以下のポリペプチド:
DM1(Δ K50−P132,D49→L)
DM2(Δ F51−G178,D49 →L,K50 →A)
DM3(Δ A154−T177,A220→T)
の群より選択され、
草花粉にアレルギーである患者からのIgEとの反応性が取り除かれているか又は低下しているが、なおTリンパ球との反応性は残されている、前記組換えアレルゲン。 - 種々の異なるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)が使用されることを特徴とする、請求項1に記載の修飾された組換えアレルゲン又はそれらの生理学的に無害な塩又は溶媒和物を製造する方法。
- IgE仲介アレルギーを治療するために、請求項1に記載の1又は2以上の修飾された組換えアレルゲン又はそれらの生理学的に無害な塩又は溶媒和物の1つを含み、そして適宜、付加的活性化合物及び/又は補助物質を含んでもよい医薬製剤。
- 請求項1に記載の少なくとも1つの修飾された組換えアレルゲン又はそれらの生理学的に無害な塩又は溶媒和物の1つが、少なくとも1つの固体、液体又は半液体の担体物質又は補助物質と一緒に適当な剤形にされることを特徴とする、医薬製剤を製造するための方法。
- アレルギーの免疫特異的治療(減感作)用に医薬品を製造するための、請求項1に記載の修飾された組換えアレルゲン又はそれらの生理学的に無害な塩又は溶媒和物の1つの使用。
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