JP2009062368A - 特異的免疫療法のためのイネ科花粉アレルゲン変異体及びそれらの製造及び使用 - Google Patents
特異的免疫療法のためのイネ科花粉アレルゲン変異体及びそれらの製造及び使用 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】オオアワガエリ(Phelum pratense)種の花粉等の天然の原料から抽出によって得たアレルゲンから誘導される組換えアレルゲンから得ることのできる修飾された組換えアレルゲン変異体。これらの修飾された組換えアレルゲンは、花粉アレルギーを患うヒトのリンパ球を刺激し、増殖及びサイトカイン合成をもたらすが、リンパ球ドナーの血清に含まれるIgE抗体及び草花粉アレルゲン特異的IgEとの結合能を顕著に減少させる。従って、修飾された組換えアレルゲンは、特異的な、個々のアレルギー治療のために使用できる。
【選択図】なし
Description
本発明は、価値ある性質を有する新規化合物、特に医薬品を製造するために使用できる化合物を発見するという目的に基づいている。
驚くべきことに、それ自体公知の遺伝子操作方法により、草花粉にアレルギーである患者のTリンパ球と特異的に反応し、すなわち増殖するTリンパ球を刺激したり、サイトカインを合成し、またはTリンパ球においてアネルギーを起こすが、Tリンパ球ドナーの血清に存在するIgE抗体に、および草花粉にアレルギーである他の患者の血清からの草花粉特異的IgEに結合するには著しく減じられた力を示す変異体を構築するために、そのアミノ酸配列が、天然抽出物中でおこるアレルギー分子のそれと同一である組換えアレルゲンを使用する本発明に関連して成功がもたらされた。
− 減感作中におこるIgE仲介副作用が避けられるか、または少なくとも大きく減少する、
− アレルギー患者のTHメモリーリンパ球による修飾された組換えアレルゲンの認識を確かにする、
− アレルギー患者で妨害されている種々に分化したTHサブポピュレーションのバランスを正常化するための条件をつくる、
− アレルゲン反応性T細胞をアネルギー化したり、および/または除いたり、TH0/TH1配列のものにTH2主体の特異的T細胞ポピュレーションを機能的に再配列することによって治療効果を可能にする、
− 免疫グロブリン合成を、アレルギー患者に典型的な特異的IgE抗体(TH2のコントロール)の形成からIgG抗体( TH1のコントロール)の好ましい合成へスイッチできる、
− そして、結果として、患者の状態は、かれらがこの新規な修飾された組換えアレルゲンで治療されると著しく改善されるものと期待できる。
該アミノ酸残基はまた、誘導体化されてもよい。側鎖の修飾は、この意味で特に適当である。
Ala=A アラニン
Asn=N アスパラギン
Asp=D アスパラギン酸
Arg=R アルギニン
Cys=C システイン
Gln=Q グルタミン
Glu=E グルタミン酸
Gly=G グリシン
His=H ヒスチジン
Ile=I イソロイシン
Leu=L ロイシン
Lys=K リジン
Met=M メチオニン
Phe=F フェニルアラニン
Pro=P プロリン
Ser=S セリン
Thr=T スレオニン
Trp=W トリプトファン
Tyr=Y チロシン
Val=V バリン
Ac アセチル
BOC tert−ブトキシカルボニル
CBZ又はZ ベンジルオキシカルボニル
DCCI ジシクロヘキシルカルボジイミド
DMF ジメチルフォルムアミド
EDCI N−エチル−N,N’−(ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
Et エチル
FCA フルオレセインカルボン酸
FITC フルオレセインイソチオシアナート
Fmoc 9−フルオレニルメトキシカルボニル
HOBt 1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
Me メチル
MBHA 4−メチルベンズヒドリルアミン
Mtr 4−メトキシ−2,3,6−トリメチルフェニルスルホニル
HONSu N−ヒドロキシスクシンイミド
OBut tert−ブチルエステル
Oct オクタノイル
OMe メチルエステル
OEt エチルエステル
POA フェノキシアセチル
Sal サリシロイル
TFA トリフルオロ酢酸
Trt トリチル(トリフェニルメチル)
これらのプロドラッグはまた、例えばInt.J.Pharm.115,61−67(1995)に記載されるような新規化合物の生物分解性のポリマー誘導体を含む。
Phl p 5bから誘導されるポリペプチドの以下のグループから誘導される修飾された組換えアレルゲンが特に好適である。即ち、
PM1(N32→D,D49→L,K50→A)
PM2(D49→L,K50→A)
PM3(A13→C)
DM1(ΔK50→P・132, D49→L)
DM2(ΔF51−G178,D49→L,K50→A)
DM2*(ΔF51−G178,179−217変更配列)
DM3(ΔA154−T177,A220→T)
上記の配列において、修飾されるアミノ酸またはアミノ酸配列が各々の場合で示されている。
この配列は、DM2のそれに対応するが、原料ペプチドPhl p 5bの位置179−217のアミノ酸がさらに変更された配列を示し、続く全てのアミノ酸が無い。
トリチル基を、アミノ酸、ヒスチジン、アスパラギン、グルタミンおよびシステインを保護するために用いる。所望の最終製造物によって、TFA/10%チオフェノールを使用して、述べたすべてのアミノ酸からトリチル基が除かれ、TFA/アニソールまたはTFA/チオアニソールを使用して、この場合、トリチル基は、His、Asn、およびGlnからだけ除かれ、Cys側鎖に残る。
水素化分解で除去される保護基(例えば、CBZまたはベンジル)は、例えば、触媒(例えば、好適には炭素のような支持体上のパラジュウム等の貴金属触媒)の存在下、水素と処理して除去できる。この場合の適当な溶媒は、上記の溶媒であり、例えば、メタノールまたはエタノール等のアルコール、またはDMF等のアミドである。原則として、水素化分解は、約0−100°の温度で、そして約1−200気圧の圧力下、好ましくは20−30°および1−10気圧で行われる。CBZ基の水素化分解は、例えば、メタノール中20−30°、5−10%Pd/C、またはメタノール/DMF中20−30°で蟻酸アンモニウム(水素の代り)を使用して満足に行われる。
通常の方法によって製造された抽出物のアレルゲン性構成成分が、同定され、それらの重要な物理化学的パラメターが特定されている。構成成分が、アレルギー患者のIgE抗体に結合するそれらの能力を示すことによってアレルゲンでと同定される。原則として、これはアレルギー患者の血清でSDS−PAGE、等電集中法(isoelectrofocusing)次いでウエスタンブロティングし、IgEイソタイプの結合抗体のみが展開されるそれ自体公知の方法を使用して行われる。この場合、適切な大きさの数のタイプの臨床的に証明されたアレルギー患者(20という値は最低の数として設定すべきである)が使われることを確実にするように注意すべきである。CIEまたはCRIE等の他の方法をまた、代りに使用できる。
このようにして同定および特定されたこれらのイネ科花粉アレルゲンを、N末端アミノ酸決定を行うことができるように分析的に製造できる。さらに、アレルゲンをまた、生化学的に精製し、モノクローナル抗体を製造するために使用できる。これらのモノクローナル抗体を、天然原料からのアレルゲンまたは組換え技術によって製造される分子の免疫学的同定および特定のために使用できる。
新規な修飾された組換えアレルゲンの反応性を確保するために、T細胞エピトープを同定することも必要である。
これらのT細胞クローンを上記オーバーラップペプチドと培養し、T細胞が増殖することを刺激する後者の能力を試験する。増殖は、それ自体通常の方法によって[3H]−チミジンを取り込むことによって決定される。T細胞クローンの適当な増殖を誘導するそれらのオリゴペプチドが、T細胞エピトープに対応するペプチドリガンドと見なされる。このようにして決定されたT細胞エピトープが、その部分で、新規な修飾組換えアレルゲンを構築する基盤を構成するアレルゲンのT細胞反応性領域を決めるために使用される。
このようにして選択された修飾された組換えアレルゲン変種を、それらのT細胞反応性が実際に残っているかどうかを見るためにチェックする。このために、T細胞反応性領域のエピトープと反応する一組のT細胞クローンを、第1相の試験のために取る。
本発明はさらに、少なくとも1つの修飾された組換えアレルゲンおよび/またはその生理学的に無害な塩または溶媒和物が、少なくとも1つの固体、液体または半液体の担体または補助物質と一緒に適当な剤形にされる医薬製剤を製造するための方法に関する。
主草花粉アレルゲンPh1 p5のT細胞反応性領域を決定するためのT細胞エピトープの同定
草花粉アレルギー(鼻炎)の典型的な徴候の病歴を有し、そして陽性皮膚試験(プリック試験)を与えた患者を、オオアワガエリ草(Phleum pratense)Phl p5の主グループ5花粉アレルゲンと反応するT細胞系(TCL)およびT細胞クローン(TCC)を樹立するために選択した。これらの患者は、RASTクラス3以上の循環する特異的IgE抗体を有していた。
TCLをクローン化した(下記参照)後、単離TCCの特異性を述べたようにして決定した。少なくとも5の刺激指数を、TCC陽性であると評価した。グループ5アレルゲン上のT細胞反応性領域を定めるためのT細胞エピトープの決定がまた、特異的増殖試験を使用して行われ、合成ドデカペプチド1−2μg/mlがこの目的のため各々の場合で使用された(下記参照)。
1.Mueller WD,Karamfilov T,Fahlbusch B,Vogelsang H,Jaeger L:
“Analysis of human T cell clones reactive with group V grass pollen allergens”.Int.Arch.Allergy Immunol.1994,105:391−396.
2.Jung K,Fahlbusch B, Mueller WD,Hermann D,Diener C,Jaeger L:
“Isolation of timothy (Phleum pratense) allergens using affinity chromatography with monoclonal antibodies”.Allergy Immunol(Leipzig)1989,35:287−294.
3.Bufe A,Schramm G,Keown MB,Schlaak M,Becker WM:
“Major allergen Ph1 p 5b in timothy grass is a novel pollen Rnase”.FEBS Letters 1995,263:6−12.
rPhl p 5bの変異体PM1、PM2( D49→L,K50→A)およびPM3(A13→C)の製造
PM2:
プラスミドpGS13を出発ベクターとして使用した。これは、Bam HI位とHind III位間にクローン化されるwt rPhl p 5b に対するcDNAを含むpMalcベクター(Biolabs)である。 rPh p 5b に対するcDNAのフラグメント1(bp:1−153)および2(bp:141−1374)をPCR反応によって増幅した。以下のプライマー(制限部位をアンダーラインする)がこの反応に使用された。
増幅されたフラグメント1をBam HIおよびNhe Iで消化し、ベクターpUH89(Jekel et al.,Gene:154,55−59;1995)にクローン化した。得られるプラスミドpGS10を再度Nhe I/Hind IIIで切断し、フラグメント2( Nhe I/Hind III)をこれらの切断部位へ入れた。このプラスミドpGS11は、rPhl p 5bをコードするが、所望の塩基置換を含有する完全なcDNAを含む。点変異体rPhl p 5b PM2を発現するために、変異cDNAを、発現ベクターpMalcのBam HIおよびHind III切断部位間で再クローン化した。得られたプラスミドはpGS21と命名された。
点変異体rPhl p 5b PM1をPM2と同様にして製造した。それは、PCRエラーの結果として、さらなる点変異、即ちN32→Dを含む。
PCysM1:
欠失変異体DM1(ΔK50→P132,D49→L)、DM2(ΔF51−G178,D49→L,K50→A)およびDM3(ΔA154−T177,A220→ )の製造
プラスミドpGS21(上記参照)を欠失変異体DM1をクローン化するための出発ベクターとして使用した。rPhl p 5bに対するcDNAのbp399−1374フラグメントを、以下のプライマーを使用するPCRで増幅した。
MP2 センス:
ベクター pGS21をBam HIおよびNhe Iで切断し、切り出されたフラグメントから分離した。 またNhe IおよびBam HIで切断されたPCR製造物を次いで、残りのベクターに結合した。これ、即ちpDM1から得られるベクターは、252bpの欠失を有し且つ欠失変異体rPhl p 5bDM1をコードするrPhl p 5b cDNAを含有する。欠失変異体DM2およびDM3を同様の方法で製造した。
組換えPhl p 5b変異体の減じられたアレルゲン性(IgE反応性)を示すためのEAST阻害試験の使用
IgE抗体によるアレルゲンの結合は、タイプIアレルギーにおけるエフェクター細胞(肥満細胞、就中好塩基球)のアレルゲン特異的活性化の基本的な必要条件である。酵素/アレルゲン吸収試験(EAST)のアレルゲン特異的阻害が、IgE抗体へのアレルゲンの結合を定性的および定量的に記録するための最良の手段である。EAST阻害試験を以下のように行う。ミクロタイタープレートをアレルゲン(天然または組換えPhl p 5またはPhl p 5b)(1μg/ml)で覆う。非結合アレルゲン分子を洗浄によって除いた後、非特異的プラスチック結合部位を、牛血清アルブミン(0.5%)でブロックする。10−30ドナーの代表的なプールとして、または個々の血清としてアレルギー患者からの抗IgEを、アレルゲン被覆ミクロタイタープレートで適当に希釈して培養する。結合アレルゲン特異的IgE抗体を、酵素結合抗IgE抗体(例えば、アルカリホスファターゼ−a− IgE抗体)を使用して定量する。この結合は、溶解性アレルゲンまたは試験される物質(アレルゲン変異体)によって、濃度に依存して阻害される。精製天然アレルゲンPhl p 5bで得られる阻害カーブを対照として使用する。
rPhl p 5b(野性タイプ)およびPM3は、アフィニティークロマトグラフィーで得られたものに似た結合カーブを示す。低い範囲でよりよい阻害効果そして高い濃度でより不十分な阻害による少しばかりの差異が見られる。この理由は分からぬが、少しばかり程度が異なる立体的なエピトープによって説明されるかもしれない。
Anderson MC and Baer H:Methodology for RAST inhibition.Food and Drug Administration,Bethesda,Maryland,U.S.A.(1986)。
rPhl p 5b変異体による好塩基球からの減少したヒスタミン遊離
製造された点変異体PM3および欠失変異体DM1、DM2、DM2*およびDM3の好塩基球からのヒスタミン遊離能を試験し、野性タイプrPh1 p 5bのそれと比較した。
ヒスタミン遊離試験を行う前に、アレルギー患者(PS−W)のEDTA血から好塩基性白血球を、先ずデキストラン沈降によって濃縮し、次いで最終濃度100,000好塩基球/mlに調整した。好塩基球からヒスタミンを遊離するために、200μlの細胞懸濁液を、各々の場合50μlの抗原溶液と37゜Cで40分培養した。このために、rPh1 p 5bおよび変異体をいろいろの濃度(10−5−10−12 M)で用いた。遊離したヒスタミンを、PharmaciaのメチルヒスタミンRIAを使用し、製造者の指示に従って各上清で決定した。
ヒスタミン遊離試験において、検討されたすべての組換えタンパク質は、濃度が増すごとに典型的なベル形カーブを描いた(図6)。点変異体は、ヒスタミンを遊離能において野性タイプのrPh1 p 5bと比較してなんら有意な差を示さなかった。30%ヒスタミン遊離をもたらすために必要とされる欠失変異体DM3、DM1およびDM2のの濃度は、それぞれ3倍、20倍そして500倍であった。従って、欠失変異体は明白に好塩基球からヒスタミンを遊離能の減少を示した。
草花粉にアレルギーである患者のT細胞クローンとの組換えPhl p 5b変異体の反応性の証明
組換えPhl p 5b変異体の反応性を、知られている特異性の樹立T細胞クローン(TCCs)で試験した。 TCCsは、草花粉にアレルギーである患者から得(実施例1参照)そしてT細胞反応性領域A(図7)、B(図8)およびC(図9)に対して向けられた。T細胞反応性を、クローンを増殖するように刺激することによって測定した。結果は明らかに、TCCsが対応エピトープを変えなければPhl p 5b変異体と特異的に反応し、期待通り、このエピトープが欠如したり、点変異によって変更されていればなんらの反応も示さないことを明確に示している。
草花粉にアレルギーである患者のT細胞系との組換えPhl p 5b変異体の反応性試験
草花粉にアレルギーである8名の患者からのオリゴクローナルT細胞系(TCLs)(実施例1参照)を、天然Phl p 5b(a+b)、または組換えrPhl p 5b、または5a+5bで繰り返し活性化して樹立した。
これらのTCLsの増殖反応を、rPhl p 5b変異体を使用して試験した(図10)。これは、すべての変異体がTCLsを活性化するが、定量的な差があることを示している。欠失変異体DM3は、ほとんどのTCLsとの強い特異的刺激を示している。
草花粉にアレルギーである患者からのTヘルパー細胞によって認識される主アレルゲンPh1 p 5bのエピトープのマッピングは、個々のT細胞系(TCLs)がPh1 p 5bの全配列に分布していることを示した。しかし、85%のTCLsによって認識される3つの免疫優性T細胞反応性領域を困難なく明らかにできる(実施例1)。点変異(実施例2)および欠失変異(実施例3)によって組換えPh1 p 5b変異体を製造しることができた。EAST阻害試験で測定された点変異体(PM1およびPM3)のIgE反応性(実施例4)は、野性タイプのPh1 p 5bのそれと有意には変わらない。欠失変異DM1およびDM3のIgE反応性は大きく減少するが、依然として検出可能である。対照的に、変異体DM2およびDM2*のIgE結合は非常に大きく減少する。rPh1 p 5b変異体のアレルゲン性のこの漸進的な減少はまた、アレルギー患者の血液からの特異的IgE結合好塩基球を使用するヒスタミン遊離試験によって確認される(実施例5)。エピトープ地図化T細胞クローンでのrPh1 p 5b変異体の試験は、点変異および欠失変異が期待するようにTCCsと反応したり、または刺激をできないことを確かめている(実施例6)。草花粉にアレルギーである患者の血液からPh1 p 5での刺激により樹立されたオリゴクローナルT細胞系を使用して、変異体はこの種のオリゴクローナルTCLsを刺激できることを示すことができた(実施例7)。アレルゲン性の減少の結果とT細胞刺激の保持を一緒にすると、特に欠失変異体が、特異的免疫治療に適しそうな組換えアレルゲン変種を構成する。
実施例A:注射バイアル剤
2回蒸留水3リットル中の修飾された組換えアレルゲンに基づく活性化合物または活性化合物混合物100gおよび重リン酸ソーダ5gの溶液を、2N塩酸によりpH6.5に調節し、ろ過滅菌し、注射用バイアルに分注し、無菌条件下に凍結乾燥し、バイアルを次いで無菌的に封をする。各注射用バイアルは5mgの活性化合物を含有する。
修飾された組換えアレルゲンの形の活性化合物20g、大豆レシチン100gおよびココアバター1400gを混合したものを溶かし、型にながし、冷やす。各座剤は20mgの活性化合物を含有する。
修飾された組換えアレルゲンの形の活性化合物1g、NaH2PO4・2H2O 9.38g、 Na2HPO4・12H2O 28.48gおよび塩化ベンザルコニウム0.1gを2回蒸留水940mlに溶かす。溶液はpH6.8に調節され且つ1リットルとされ、照射によって滅菌される。この溶液は点眼剤の形で使用できる。
修飾された組換えアレルゲンの形の活性化合物500mgを無菌条件下に黄色ソフトパラフィン99.5gと混合する。
修飾された組換えアレルゲンの形の活性化合物1kg、ラクトース4kg、ポテト澱粉1.2kg、タルク0.2kg、およびステアリン酸マグネシウム0.1kgの混合物を、通常の方法で圧縮し、各錠剤が10mgの活性化合物を含有するように錠剤とする。
実施例Eで述べた様にして、錠剤は圧縮され、次いでショ糖、ポテト澱粉、タルク、トラガントガムおよび着色料からなるコーティング剤で通常の方法で被覆される。
修飾された組換えアレルゲンの形の活性化合物2kgを、各カプセルが活性化合物20mgを含有するように、硬質ゼラチンカプセルへ通常の方法で分注する。
2回蒸留水60リットル中の修飾された組換えアレルゲンの形の活性化合物1kgの溶液を、ろ過滅菌し、アンプルに分注し、無菌条件下に凍結乾燥し;アンプルを次いで滅菌的に封をする。各アンプルは10mgの活性化合物を含有する。
修飾された組換えアレルゲンの形の活性化合物14gを等張NaCl溶液10リットルに溶解し、そして溶液を、商業的に入手できるポンプ機能を有するスプレー容器に分注する。溶液は、口または鼻にスプレーすることができる。1回のスプレー噴射(約0.1ml)は、約0.14mgの用量に相当する。
Claims (14)
- 天然の原料から抽出によって得ることのできるアレルゲンから誘導される修飾された組換えアレルゲン(mra)、及び/又はそれらの生理学的に無害な塩又は溶媒和物。
- これらのアレルゲンが、グループ1−6の主アレルゲンから誘導されることを特徴とする、請求項1に記載の修飾された組換えアレルゲン。
- 草花粉にアレルギーである患者からのIgE抗体との反応性が取り除かれているか、又は減少されていて、なおTリンパ球との反応性は残されていることを特徴とする、請求項1及び2に記載の修飾された組換えアレルゲン。
- アレルゲンの遺伝子が、それらがコードするポリペプチドが、野性タイプと比較して1個又は数個のアミノ酸の置換、欠失及び/又は付加を示すように、遺伝子操作によって修飾されることを特徴とする、請求項の1−3のいずれかに記載の修飾された組換えアレルゲン。
- アレルゲンの優性T細胞反応性領域(T細胞エピトープ)が、遺伝子操作によって変えられていないことを特徴とする、請求項1−4のいずれかに記載の修飾された組換えアレルゲン。
- アレルゲンが、グループ5の主アレルゲンから誘導されることを特徴とする、請求項2に記載の修飾された組換えアレルゲン。
- アレルゲンが、主Phl p 5bアレルゲンから由来することを特徴とする、請求項6に記載の修飾された組換えアレルゲン。
- 全265アミノ酸からなるPhl p 5bポリペプチドの領域16−42、135−149及び180−206の少なくとも1つ又は組み合わせを変えないことを特徴とする、請求項5に記載の修飾された組換えアレルゲン。
- 以下のグループのポリペプチド、
PM1(N32→D,D49→L,K50→A)
PM2(D49→L,K50→A)
PM3(A13→C)
DM1(Δ K50→PΔ32,D49→L)
DM2(Δ F51−G178,D49−L,K50−A)
DM2*(Δ F51−G178,179−217変更配列)
DM3(Δ A154−T177,A220→T)
から選択される、請求項8に記載の修飾された組換えアレルゲン。 - 種々の異なるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)が使用されることを特徴とする、請求項1−9のいずれかに記載の修飾された組換えアレルゲン、及び/又はそれらの生理学的に無害な塩又は溶媒和物を製造する方法。
- IgE仲介アレルギーを治療するために、請求項1−9のいずれかに記載の1又は2以上の修飾された組換えアレルゲン、及び/又はそれらの生理学的に無害な塩又は溶媒和物の1つを含み、そして適宜、付加的活性化合物及び/又は補助物質を含んでもよい医薬製剤。
- 請求項1−9のいずれかに記載の少なくとも1つの修飾された組換えアレルゲン、及び/又はそれらの生理学的に無害な塩又は溶媒和物の1つが、少なくとも1つの固体、液体又は半液体の担体物質又は補助物質と一緒に適当な剤形にされることを特徴とする、医薬製剤を製造するための方法。
- アレルギーの免疫特異的治療(減感作)用に医薬品を製造するための、請求項1−9のいずれかに記載の修飾された組換えアレルゲン、及び/又はそれらの生理学的に無害な塩又は溶媒和物の1つの使用。
- アレルギーの免疫特異的治療(減感作)ための、請求項1−9のいずれかに記載の修飾された組換えアレルゲンの使用。
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