JP4347137B2 - 二次電池ケース用高強度アルミニウム合金板の製造方法 - Google Patents

二次電池ケース用高強度アルミニウム合金板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ノート型パーソナルコンピュータや携帯電話などの動力源となる二次電池ケース用アルミニウム合金板製造方法に関し、特にリチウムイオン二次電池ケース用高強度アルミニウム合金板の製造方法に好適なものである。
二次電池は、ノート型パーソナルコンピュータや携帯電話などの携帯機器の電源として使用されるため、小型且つ軽量であることが要求される。こうした要求に対するものの一つとして、二次電池ケースの薄肉化が検討されている。
二次電池ケースの成形は、通常多段プレスによって成形されるために、ケース材料には良好な成形性が求められる。このため、二次電池ケース用の材料には、従来は純アルミニウム系(JIS−1000系)またはAl−Mn系のJIS−3003合金など(例えば特許文献1参照)のような比較的軟質のものが用いられることが多い。さらに最近、強度を高めるために、Al−Mn系合金に少量のMgを添加する合金も用いられるようになっている(例えば特許文献1参照)。
特開2000−129384号公報
ところで、二次電池は、上述材料からなるケースに電極体を入れた後に、レーザ溶接などにより蓋を付けて密封することで製造される。こうして製造された二次電池を携帯電話などに使用するが、放電後に充電する際、ケース内部の温度が上昇して、ケース内部の圧力が上昇する。また、携帯電話などの携帯電子機器を乗用車中に放置する場合があり、夏のときには車内の温度70℃以上にも高くなり、電池ケース内部の圧力が大幅に上昇する。このような場合、上述した比較的軟質のケース材料で製造されたケースでは、上記圧力によって大きな膨れが生じるという問題がある。この膨れの生成を抑制するために、高強度のケース材料が要求される。最近、上記のように、Mgを添加して強度の向上を図った材料が用いられるようになっているが、Mgを多量に添加すると、レーザ溶接時にピンホール等の欠陥が発生しやすくなって、レーザ溶接性が大幅に劣化する問題がある。また、Mgを添加すると、強度の向上とともに加工硬化性が大きく増大し、多段プレスで電池ケースを製造するとき、亀裂が発生して、成形性の低下を招く問題がある。
本発明は、上記の問題点に鑑みて成し遂げられたものであり、その目的は、高強度且つプレス成形性、レーザ溶接性および耐膨れ性に優れた二次電池ケース用高強度アルミニウム合金板製造方法を提供することにある。
すなわち本発明の二次電池ケース用高強度アルミニウム合金板の製造方法のうち、請求項1記載の発明は、質量%で、Mnを0.6〜1.5%、Cuを0.51〜1.0%、Mgを0.21〜0.7%含有し、残部がAlと不可避的不純物からなる組成を有するアルミニウム合金板を冷間圧延する途中で、昇温速度10〜250℃/秒、515〜550℃で5〜60秒保持、冷却速度20〜200℃/秒の中間焼鈍を少なくとも1回行い、最終冷延率10〜60%で冷間圧延を行うことを特徴とする。
請求項2記載の二次電池ケース用高強度アルミニウム合金板の製造方法の発明は、請求項1記載の発明において、前記組成における前記不可避不純物中のSiを質量%で0.2%未満に規制することを特徴とする。
請求項3記載の二次電池ケース用高強度アルミニウム合金板の製造方法の発明は、前記組成に、さらに、質量%で、Zr0.05〜0.2%、Cr0.05〜0.2%の一種または2種を含有することを特徴とする。
請求項4記載の二次電池ケース用高強度アルミニウム合金板の製造方法の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、前記冷間圧延後のアルミニウム合金板は、圧延方向断面において平均結晶粒径が25μm以下であることを特徴とする。
以下に、本発明における成分等の作用および限定理由ならびに製造方法における製造条件の限定理由について説明する。なお、各成分の含有量はいずれも質量%で示している。
Mn:0.6〜1.5%
Mnは、強度を高め、また、結晶粒を微細化してプレス成形性の向上に寄与するので必須の成分として含有する。ただし、Mn量が0.6%未満では、その効果が不十分となり、一方、Mn含有量が1.5%を越えると、鋳造時に粗大な晶出物が生成しやすくなり、マトリックス中に分散してプレス成形性が低下する。このため、Mnの含有量を0.6〜1.5%に限定する。なお、Mn含有量の更に好ましい範囲は、上記と同様の理由により、下限で0.9%、上限で1.3%である。
Cu:0.51〜1.0%
Cuは強度とクリープ性を高め、耐膨れ性の向上に寄与する効果があるので必須成分として含有する。ただし、Cu含有量が0.51%未満では、その効果は不十分となり、一方、Cu含有量が1.0%を超えると、強度とクリープ性は更に向上するが、プレス成形性が顕著に低下するので、Cu含有量は0.51〜1.0%に限定する。なお、Cu含有量の更に好ましい範囲は、上記と同様に理由により、下限で0.6%、上限で0.9%である。
Mg:0.21〜0・7%
Mgは、強度とクリープ性を高め、耐膨れ性の向上に寄与する効果があるので必須の成分として含有する。ただし、Mg含有量が0.21%未満では、その効果は不十分となり、Mg含有量が0.7%を超えると、強度とクリープ性は更に向上するが、レーザ溶接性とプレス成形性が低下するので、Mg含有量を0.21〜0.7%に限定する。なお、Mg含有量の更に好ましい範囲は、上記と同様の理由により、下限で0.21%、上限で0.5%である。
Si:0.2%未満
Siは、不可避不純物として存在し、強度を若干高める効果がある。一方、レーザ溶接性を劣化させる。レーザ溶接性を重視しない場合、Si含有量を制限する必要はないが、高いレーザ溶接性が要求される場合、Si含有量を0.2%未満に規制する。さらに同様の理由で望ましくは0.15%以下に規制し、一層望ましくは0.1%未満に制限する。
Fe:0.5%以下
Feは、Siと同様に不可避不純物として存在し、強度を若干高める効果がある。但し、Fe含有量が高くなると、鋳造時に生じる粗大な晶出物が多くなり、プレス成形性を低下する。本発明は、Fe含有量を特に制限しないが、高いプレス成形性が要求される場合、Fe含有量を0.5%以下に制限することが好ましい。
Zr:0.05〜0.2
Cr:0.05〜0.2
Zr、Crは、結晶粒微細化の効果を高め、プレス成形性を向上させるために、所望によりZr、Crの単独添加または複合添加をする。ただし、それぞれ0.05%未満では、結晶粒微細化の効果が不十分となり、一方、それぞれ含有量が0.2%を超えると、鋳造時に粗大な晶出物が生成しやすくなり、プレス成形性を低下するので、各々0.05〜0.2%に限定する。また、同様に理由により、それぞれ下限を0.06%、上限を0.15%とするのが望ましい。
平均結晶粒径25μm以下
上記本発明のアルミニウム合金板は、圧延方向断面において、下記の方法で求めた平均結晶粒径が25μm以下であることが好ましい。更に好ましい範囲は20μm以下である。
平均結晶粒径は、従来では光学顕微鏡で観察した組織をもとにして切断法によって求める。この場合、結晶粒と亜結晶粒(通常、粒界方位差の15°未満の粒界に囲まれた領域という)を区別できないことがある。本発明の平均結晶粒径は、SEM(Scanning Electron Microscope、走査型電子顕微鏡)につけた結晶方位観察装置(通称EBSP(Electron Back-Scatter diffraction Pattern、反射電子菊池線回折パターン))によって結晶粒の方位差を直接測定したデータをもとに、解析ソフトにより求めた。EBSPは、軽金属学会誌50巻2000年2月号86頁に「SEM−EBSPの使い方」としても紹介されている。結晶方位の測定は、全観察領域を縦横に数万〜数十万のポイントに分割して、1ポイントずつ行う。一般には、方位差15°以上の粒界に囲まれた領域中に、一定の数以上(例えば10個以上)ポイントが含まれるものを結晶粒とする。結晶粒径は、結晶粒中のポイント数および1ポイントあたりの面積から結晶粒の面積を求めてそれを円の面積と考えて算出される。このように各々の結晶粒の粒径を求めてその平均値を算出して平均結晶粒径とする。
平均結晶粒径が25μmを超えると、プレス成形性とレーザ溶接性が低下する。平均結晶粒径の下限値は特に規定しないが、現在のアルミニウム板製造技術では、低コストかつ安定に製造できる最小平均結晶粒径は3μm程度とされている。従って、3μm未満の平均結晶粒径からなるアルミニウム合金板を製造しようとすると、膨大な設備投資と複雑な製造工程が必要となり、製造コストが大幅に増加する。よって、本発明においては、製造上の観点から平均粒径の下限値を3μmとするのが好ましい。ただし、本発明としては、その下限を定めるものではない。
以上の組成からなる本発明のアルミニウム合金板は、強度が高く、耐膨れ性、プレス成形性、及びレーザ溶接性に優れたものである。
ここで、強度とは、引張試験によって得られる引張強さをいう。上記本発明の組成からなるアルミニウム合金板は、引張試験で求めた引張強度が200MPa以上であることが好ましい。引張強度がこの範囲内であれば、本発明のアルミニウム合金板を成形した二次電池ケースには、充放電サイクルに対する十分な耐膨れ性を与えることができる。引張強度の上限値は、特に規定しないが、アルミニウム合金板の特性、製造方法に依存するため、現在のアルミニウム板製造技術で低コストかつ安定に製造できるものの上限値は400MPa程度である。ただし、本発明はこの上限に限定されない。
耐膨れ性とは、二次電池の充放電サイクルを実施する際に、または二次電池を70〜100℃の高温環境中(例えば、夏のパーキングエリヤにある自動車内)に放置する際に、二次電池ケースの内部で圧力が増加したときのケースの膨れを防止できるかどうかをいう。ここで強度が十分高くなると、充放電サイクル時のケースの膨れを防止できる。高温環境中での二次電池ケースの膨れを防止するには、前記環境では高温と圧力が同時に作用するために、70〜100℃での良好なクリープ特性が要求される。本発明のアルミニウム合金板は、高強度と高クリープ特性を備え、従来のケースの膨れを解決したものである。
なお、上記観点から上記本発明のアルミニウム合金板は、負荷荷重180MPa、温度100℃のクリープ試験で求めた定常クリープ速度が0.00005(1/hr)以下であることが好ましい。定常クリープ速度がこの範囲内であれば、本発明のアルミニウム合金板を成形した二次電池ケースには、70〜100℃の高温環境中に放置したときの十分な耐膨れ性を与えることができる。定常クリープ速度の下限値は、特に規定しないが、アルミニウム合金板の成分、製造方法に依存するために、本発明の成分範囲の規定値、製造条件を満足するなら、0.00000001(1/hr)程度である。ただし、本発明では、この下限に限定されない。
また、プレス成形性とは、形付けをプレスによって行う場合の形付けができるかどうかである。本発明のアルミニウム合金板は、プレス成形性に優れているため、二次電池ケースを良好に成形することができる。
また、溶接性とは、二次電池ケース胴体に蓋を接合する際の溶接ができるかどうかといい、レーザ溶接性とは、溶接をレーザによって行う場合の溶接ができるかどうかをいう。本発明のアルミニウム合金板は、溶接性に優れているため、二次電池ケースを良好に作製することができる。
本発明の二次電池ケース用高強度アルミニウム合金板の製造工程において、冷間圧延途中での中間焼鈍は、昇温速度10〜250℃/秒、焼鈍温度515〜550℃、保持時間5〜60秒、冷却速度20〜200℃/秒とする
昇温速度が10℃/秒より遅いと、冷間圧延時に導入された蓄積エネルギーが解放されるために、再結晶核生成率が低下して、焼鈍後の平均結晶粒径が大きくなり、上記のように、平均結晶粒径が25μm以下とはならない。昇温速度が250℃/秒を超えると、高価な設備投入が必要となり、生産コストが増加する。
また、上記焼鈍温度が515℃より低いと、再結晶が終わるまでの時間が長くなってしまうので、生産コストが増えるほか、細長く、粗大な結晶粒が生じる。焼鈍温度が550℃より高くなると、再結晶が短時間で終わって、結晶粒成長が生じるために結晶粒が大きくなる。保持時間が5秒より短くなると、再結晶が完全に完了せず、微細な結晶粒が得られない。保持時間が60秒より長くなると、結晶粒が成長してしまい、平均結晶粒径25μm以下の微細粒組織が得られない。
また、上記冷却速度が20℃/秒より遅いと、冷却中にCuとMgが析出してしまい、強度の低下をもたらすために好ましくない。冷却速度が200℃/秒を超えると、冷却用の設備投資が増し、生産コストが増加する。
以上のように、中間焼鈍工程の昇温速度、焼鈍温度、保持時間および冷却速度を上記範囲とすることで、平均結晶粒径が25μmより大きくならずに、強度が高くプレス成形性に優れたアルミニウム合金板を製造することができる。
更に、最終冷間圧延時の圧下率を10〜60%に制御する圧下率は10%未満では、十分な加工硬化が得られず、強度が低下する。一方、圧下率が60%超えると、更なる加工硬化がそれほど得られない上に、プレス成形性が劣化する。なお、同様の理由で最終冷間圧延での圧下率の下限を10%、上限を45%とするのが一層望ましい。
発明のアルミニウム合金板の製造方法によれば、質量%で、Mnを0.6〜1.5%、Cuを0.51〜1.0%、Mgを0.21〜0.7%含有し、所望によりZr0.05〜0.2%、Cr0.05〜0.2%の一種または2種を含有し、さらに所望により不可避不純物中のSiを質量%で0.2%未満に規制し、残部がAlと不可避的不純物からなる組成を有するアルミニウム合金板を冷間圧延する途中で昇温速度10〜250℃/秒、515〜550℃で5〜60秒保持、冷却速度20〜200℃/秒の中間焼鈍を少なくとも1回行い、最終冷延率10〜60%で冷間圧延を行うので、アルミニウム板の平均結晶粒径を25μm以下にして、引張強度が高く、耐膨れ性に優れ、更にプレス成形性およびレーザ溶接性にも優れた二次電池ケース用アルミニウム合金板が得られる効果がある。
以下に、本発明の二次電池ケース用高強度アルミニウム合金板の製造方法の実施形態について説明する。
本発明のアルミニウム合金板の製造方法は以下の方法により行う
上記本発明の組成が得られるように成分調整したアルミニウム合金を、溶解、鋳造し、さらに均質化処理、熱間圧延、冷間圧延、中間焼鈍、最終冷間圧延の各工程を経て板材とする。
上記冷間圧延に至るまでの工程は常法により実行することができ、本発明としては特定の条件に限定されない。なお、冷間圧延においては、上記したように、昇温速度が10〜250℃/秒、焼鈍温度が515〜550℃、保持時間が5〜60秒、冷却速度が20〜200℃/秒とする中間焼鈍を少なくとも一回行うこの中間焼鈍は、連続焼鈍炉を用いて行うことができる。
以上のように、中間焼鈍工程の昇温速度、焼鈍温度、保持時間および冷却速度を上記範囲とすることで、平均結晶粒径が25μmより大きくならずに、強度が高くプレス成形性に優れたアルミニウム合金板を製造することができる。更に、最終冷間圧延時の圧下率は上記のように10〜60%に制御する
上記で得られたアルミニウム合金板は、プレス成形等の成形加工を必要に応じて行ってケース形状とする。この成形の際に良好なプレス成形性を示し、成形割れなどが発生しにくくなっている。さらに、このケースは必要に応じて溶接がなされる。例えば二次電池構成材料を収容して蓋をレーザ溶接等によって接合する。この溶接の際に良好な溶接性を示し、溶接欠陥が発生しにくくなっている。得られた二次電池ケースは、二次電池として使用される際にも、膨れの発生が抑制されており、車内放置においても良好な耐膨れ性を示す。
以下に実施例および比較例によって本発明を説明する。
(実施例)
表1は、製造された本発明のアルミニウム合金板の成分組成である。なお、表1中の成分含有量の単位は質量%である。
表1に示す組成成分からなるアルミニウム合金板を得るべく配合されたアルミニウム合金の鋳塊を半連続鋳造により鋳造し、得られた鋳塊を面削して表面の不均一層を除去した。その後、595℃の温度に6時間保持する均質化処理を行い、400℃まで冷却して、速やかに熱間圧延を施し、厚さ7mmの板材とした。続いて冷間圧延により、厚さ0.72mmまで圧延し、表2に示す条件で中間焼鈍を行った。その後、厚さ0.55mmまで最終冷間圧延して本発明法を実施した。最終冷間圧延の際の圧下率は23.6%であった。
(比較例)
合金板が表1に示す成分組成となるようにした他は、上記実施例と同様の方法により、比較例1〜6のアルミニウム合金板を製造した。
Figure 0004347137
Figure 0004347137
上記方法によって製造されたアルミニウム合金板について、引張強度、定常クリープ速度、平均粒径、成形性、レーザ溶接性について測定、評価を行った。
(引張強度)
引張強度は、得られた板材からJIS5号試験片を採取し、JIS Z 2241に定めた方法による引張試験を行って測定した。
(クリープ試験)
クリープ試験は、平行部長さ32mm、幅7mmの試験片を用い、100℃雰囲気中で180MPa初期荷重を負荷して行った。
(平均結晶粒径)
平均結晶粒径は、アルミニウム合金板の圧延方向断面において、PHILIPS社のSEM(XL30Fe)につけたTSL社のEBSPシステムにより、0.1μmのポイント間隔で測定した結晶方位データから、TSL社のOIM3.0解析ソフトによって求めた。方位差15°以上の粒界に囲まれた領域中に、10個以上のポイントが含まれるものを結晶粒とした。
(成形性)
成形性については、径33mm、肩R4.5mmポンチと、径57.75〜69.3mmのプランクを用いて深絞り試験を行い、限界絞り比によって評価した。限界絞り比が1.9以上のものを○、1.9未満のものを×とした。
(レーザ溶接性)
レーザ溶接性については、YAG、パルスレーザ溶接機(KYL−500A/BSP、(株)片岡製作所)を用い、突合せ法によって供試材のアルミニウム合金板を溶接して、割れ、ポロシティ、溶け込み不良などの溶接欠陥がないものを○、あるものを×とした。
(評価結果)
表3に、発明法による実施例1〜6および比較法による比較例1〜6の引張強度(機械的性質)、100℃で180MPa初期荷重を負荷したときの定常クリープ速度、平均結晶粒径、プレス成形性およびレーザ溶接性の評価結果を示した。
Figure 0004347137
表3より、本発明に従って製造した実施例2、4、5の板材は全て、引張強度が高く、定常クリープ速度が低く平均結晶粒径が10μm程度と小さかった。また、良好なプレス成形性およびレーザ溶接性を示した。れにより実施例2、4、5においては、引張強度が高く、耐膨れ性、プレス成形性に優れ、溶接性にも優れたアルミニウム合金板が提供でき、二次電池ケース用アルミニウム合金板として適したものである。
一方、本発明の合金組成範囲から外れた比較例1〜6の板材では、引張強度が200MPaより低いか、定常クリープ速度が大きいことによって、耐膨れ性が悪かった。あるいはプレス成形性、レーザ溶接性が劣った。これより、比較例1〜6のアルミニウム合金板は、二次電池ケース用アルミニウム合金板としては、本発明に比べ、劣ったものであった。

Claims (4)

  1. 質量%で、Mnを0.6〜1.5%、Cuを0.51〜1.0%、Mgを0.21〜0.7%含有し、残部がAlと不可避的不純物からなる組成を有するアルミニウム合金板を冷間圧延する途中で昇温速度10〜250℃/秒、515〜550℃で5〜60秒保持、冷却速度20〜200℃/秒の中間焼鈍を少なくとも1回行い、最終冷延率10〜60%で冷間圧延を行うことを特徴とする二次電池ケース用高強度アルミニウム合金板の製造方法。
  2. 前記組成における前記不可避不純物中のSiを質量%で0.2%未満に規制することを特徴とする請求項1記載の二次電池ケース用高強度アルミニウム合金板の製造方法
  3. 前記組成に、さらに、質量%で、Zr0.05〜0.2%、Cr0.05〜0.2%の一種または2種を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の二次電池ケース用高強度アルミニウム合金板の製造方法
  4. 前記冷間圧延後のアルミニウム合金板は、圧延方向断面において平均結晶粒径が25μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の二次電池ケース用高強度アルミニウム合金板の製造方法
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