JP4343860B2 - 炭焼風味食品の製造方法および炭焼風味付与装置 - Google Patents

炭焼風味食品の製造方法および炭焼風味付与装置 Download PDF

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この発明は、炭焼風味食品の製造方法および炭焼風味付与装置に関する。
食品を加熱調理する場合に、わが国では古くから囲炉裏や七輪などの木炭を燃料とする加熱設備や器具が用いられてきたが、このように木炭(木やおが屑などのように、木材やその加工品を主原料とする燃料用炭をいう。)を燃料として肉や魚を調理する時には、独特の好ましい香りが付与されることが経験的に認められてきた。
現代の食品産業上の加工食品においても、実際に木炭を燃料とする加熱調理加工を採用するか、または燻製加工で薫液などを用いて好ましい香りを付与する方法が知られている。
食品工業上の加熱方法として木炭を燃料とする場合は、例えば食材を移送するベルトコンベアの下方に燃焼する木炭を入れた炭床を設け、または耐火性コンベア上に炭床を設け、すなわち木炭層をコンベア上に設けて燃焼させ、コンベアの搬送速度等の調整で火力を制御しながら加熱調理する炭火焼き食品の製造方法が知られている(特許文献1)。
このような炭焼食品には、熱せられた食品から流れ出る脂肪を含む肉汁や、タレなどの調味料が炭に付着すると同時に燃焼し、このとき生じた煙の粒子が食品の表面に付着して木炭由来の炭の風味が付着し、また食品が炭からの放射熱で加熱された際に焦げて風味が生じ、これらが混ざりあって特有の香気ある炭焼風味が付与されていると考えられる。
特開2002−28081号公報(請求項1参照)
しかし、上記した炭焼調理による従来の炭焼風味の付与方法では、加熱された食肉などから溶け出た肉汁などが木炭に滴下される量は、常に充分な炭焼風味が定着するほど多くはなく、食肉などの食材の種類や肉の部位によっては煙も少なくて充分な炭焼風味が食品に付与されなかった。
このような従来の炭焼風味の付与方法の欠点を改善し、食品素材の種類を問わず安定して充分な炭焼風味をつけるためには、多量の木炭を燃焼させることができ長い時間をかけて煙に接触させえる炭床と、大がかりな加熱設備とを必要とするが、そのような大がかりな設備を設けることは容易でなく、また小型の炭焼装置でもって安定して多量の食品素材に炭焼風味を付与することはできなかった。
また、従来の炭焼風味の付与手段における加熱雰囲気の温度調整は、炭の燃焼具合で調整せざるを得ず、このような炭の燃焼具合の調整は、大規模の装置では技術的に困難であり、それゆえ製品の安定した品質を制御することも難しいという問題点がある。
また、炭焼風味を充分に付けると加熱量は過剰になる場合もあり、それでは風味付けの強度と加熱強度との調整が容易ではなく、このことからも安定した品質制御が困難であった。
そこで、この発明の課題は上記した問題点を解決し、被加工食品に対して充分な炭焼風味を付与できる方法および装置とし、被加工食品に対する温度の調整やそれに伴う品質制御が容易にでき、また風味付けと加熱の相互強度の調整についても簡単に行なえる炭焼風味食品の製造方法および炭焼風味付与装置とすることである。
上記の課題を解決するために、この発明においては、木炭等を熱源とする燃焼装置に食用油脂もしくはその含有液を滴下または噴霧し、発生した煙を収集すると共に温度調整可能な煙接触室に導入し、予め食品素材を収容しておいた前記煙接触室内で食品素材と煙を接触させて炭焼風味を付与することからなる炭焼風味食品の製造方法としたのである。
上記した製造工程からなるこの発明の炭焼風味食品の製造方法は、燃焼装置で用いられる木炭等の熱源の燃焼ガスに触れて高温(通常では300〜1000℃。)となった食用油脂もしくはその含有液は、濃縮されかつ熱変性し、または瞬時に燃焼し、炭化物も形成されて炭焼風味のある微粒子として発煙する。
この発煙微粒子を煙として収集すると、燃焼中の木炭等からの放射熱等から分離された煙粒子が得られ、この煙を用いて食品素材を加熱することなく炭焼風味を吸収させることができる。
このような発煙微粒子に含まれる炭焼風味を任意の食品素材に付着させるためには、予め、食品素材を収容した温度調整可能な煙接触室内で食品素材に煙を接触させる。
このようにすると、食品素材を木炭の燃焼熱で過剰に加熱することがなく、炭焼風味付けに充分な量の煙を接触させることができるようになり、それにより品質制御が簡便に行なえるようになる。
また、燃焼中の木炭等に対して噴霧する食用油脂もしくはその含有液の単位時間当りの量をポンプの流量調整等で適当に調整しながら、適当な時間をかけて微粒子濃度の高い煙を食品素材に接触させることができる。
特に、木炭を複数の木炭片の集合物とし、この木炭片集合物を継続して燃焼可能な通気孔を有する耐火性容器に収容し、この容器を回転させて木炭片を転動させながら食用油脂またはその含有液を滴下または噴霧すると、木炭片集合物の一部分に食用油脂またはその含有液が溜まることによる発火もなくなり、木炭の表面に偏りなく食用油脂またはその含有液が降りかかり、効率よく炭焼風味を付与するための煙を発生させることができる。
上記のような炭焼風味食品の製造方法において、好ましい炭焼風味を付与するためには、食用油脂が動物性油脂であり、また液状の豚脂または牛脂であることがより好ましく、食品素材は食肉であることが好ましい。
このように炭焼風味食品が製造されるとき、未加熱の食品素材または生鮮食品に対して予め炭焼風味をつけておくことができるので、炭焼風味をつけた未加熱の食品を通常のガスや電気で加熱する方法で加熱調理して、最終的には加熱された食品に炭焼風味が残っている。
そして、上述した炭焼風味食品の製造方法において、炭焼風味を付与した後または付与すると同時に、温度調整可能な煙接触室で食品素材を加熱する炭焼風味食品の製造方法とすることもできる。
このような製造方法を具体化するための炭焼風味付与装置としては、集煙装置の内部に木炭が継続して燃焼可能な通気孔を有する耐火性容器を設置し、この耐火性容器内に入れた木炭に対し前記通気孔を介して食用油脂またはその含有液を吹き付け可能な噴霧装置を設け、前記集煙装置から収集した煙を導入して食品素材に前記煙を接触させる煙接触室を設けると共にこの煙接触室を温度調整可能に設けた炭焼風味付与装置であるものが好ましい。
この装置では、耐火性容器に収容した木炭が通気孔からの大気の供給により継続的に燃焼可能であり、容器外部から通気孔を通して噴霧される食用油脂またはその含有液が木炭の燃焼熱を受けて加熱濃縮され、かつ熱変性し、または燃焼して灰化し、これらは一部が木炭灰と一体となって炭焼風味のある微粒子として発煙する。
この炭焼風味のある煙は、フードなどの集煙装置で収集され、さらに煙接触室に導入され、ここでは予め収容されている被加工食品に煙が接触して炭焼風味が付与される。
また、煙接触室は、温度調整可能であるから、食品素材を適当な温度で加熱調理することができる。
前記した耐火性容器は、耐火性容器が、ほぼ水平な回転軸(例えば、水平回転軸または水平面に対してθ(0°≦θ<90°)だけ傾けた回転軸である。)で支持されて回転する耐火性容器であることが好ましい。このような回転容器を採用すると、容器を回転させて木炭片を転動させながら噴霧液を吹き付けることができ、そのために木炭の表面に偏りなく動物性食用油脂またはその含有液が降りかかり、効率よく炭焼風味を付与するための煙を発生させることができ、木炭の一部に食用油脂またはその含有液が溜まって油脂が発火することもなくなる。さらに、これによって比較的小型の装置で炭焼風味の付与に充分な量の煙を発生させることができるようになる。
この発明は、燃焼する木炭等を熱源とする燃焼装置に食用油脂またはその含有液を滴下し、または噴霧し、そのときに発生した煙を収集して温度調整可能な煙接触室に導入し、この煙接触室に予め食品素材を収容しておいて食品素材と煙を接触させるという炭焼風味食品の製造方法としたので、被加工食品に対して充分な炭焼風味を付与できる製造方法および装置となり、被加工食品に対する温度の調整やそれに伴う品質制御が容易かつ確実にでき、また風味付けと加熱の相互強度の調整についても簡単に行なえる炭焼風味食品の製造方法および炭焼風味付与装置となる利点がある。
この発明の炭焼風味食品の製造方法では、先ず、木炭等を熱源とする燃焼装置に食用油脂もしくはその含有液を滴下しまたは噴霧する。
燃焼装置は、木炭等の固形燃料や液体燃料もしくは気体燃料または電熱などを熱源とするものであり、特に多孔質性の固形燃料である木炭または木炭を含む固形燃料を用いて好ましい結果を得ている。木炭を含む固形燃料としては、ちくわ炭(おが炭とも別称される。)、練炭、豆炭などが挙げられる。
また、セラミック炭(粒状に粉砕した木質チップにセラミック粉末を混ぜて自燃により炭化させたもの)、溶岩セラミック、軽石などの人工物または天然の無機系多孔質体を予め加熱するか、もしくはこれと前記の固形燃料を併用して熱源とした燃焼装置を採用することもできる。
前記した木炭は、木やおが屑などの加工品を原料として、通常、嫌気状態で蒸し焼きにして製造された燃料であり、その他の材料を含む調整品であってもよく、木の種類や産地を限定せず、市販品を採用することもできる。
例えば備長炭と呼ばれる姥目樫(ウバメガシ)を材料として製造された熊野産の良質の木炭を採用することが好ましい。また、ちくわ炭と呼ばれるおが屑を圧縮して棒状(ちくわ状)に固めて焼いた木炭を採用することもできる。このような木炭の大気中での燃焼温度は、300〜1000℃であると考えられる。
この発明に用いる食用油脂またはその含有液は、豚脂、牛脂、羊脂、鯨脂その他動物性油脂、もしくはコーン油、ナタネ油、ゴマ油、オリーブ油などの植物性食用油の一種または二種以上の混合物であり、必要に応じて加熱などして溶解し、さらには醤油、砂糖、塩、香辛料その他の調味液や香り付けのための成分が添加された食用油脂含有液を含めて称するものである。
このような食用油脂またはその含有液を、燃焼中の木炭等を熱源とする燃焼装置に対してまたは燃焼装置中の熱源に対して滴下または噴霧するには、予め食用油脂の加熱溶解装置で液状化しておき、これをスポイトの先端のようなノズルを用いて滴下するか、ノズルから噴出する気流中に微粒子状に分散させて噴霧(スプレー)する。ノズルの大きさやその数、または供給するポンプの流量を制御して噴霧量を可変調整できるが、通常、0.1〜10リットル/時間を使用して好ましい結果を得ている。
この発明により炭焼風味を付与できる食品素材は、広く食品一般に使用できるものを対象としており、豚肉、牛肉、鶏肉などの家禽肉、鯨肉、魚肉その他の食肉の他、乳製品のチーズ、野菜類やその加工品などにも限定されることなく適用できる。なお、野菜類としては、茄子、銀杏、ジャガイモなどのイモ類、米などの穀物調整品(焼きおにぎり、せんべい等)にも適用することができる。
この発明の炭焼風味食品の製造に用いる装置を以下に添付図面を参照して説明する。
図1に示すように、実施形態の炭焼風味付与装置は、方形状箱型の上部にダクト1を備えた集煙装置2と、内部に木炭が継続して燃焼可能な網目状の通気孔3を有する円筒状の金属網籠製の耐火性容器4と、この耐火性容器4内に入れた木炭片5に対し通気孔3を介して食用油脂6を吹き付け可能な噴霧装置7を設け、集煙装置2から収集した煙を導入し被加工食品である食品素材8に煙を接触させる煙接触室9を設け、この煙接触室9は温度調整が可能な炭焼風味付与装置である。
集煙装置2は、例えばステンレス鋼鈑製で方形状箱型の一側面が開放されたものであり、ここから自在に空気を取り入れ可能で燃焼を特に妨げない開放性の構造である。ダクト1は、集煙装置2から吸気収集した煙を煙接触室9に移送するが、ダクト1内に電動の吸気ファン(図示せず。)を設けて強制的に移送可能である。
耐火性容器4は、集煙装置2内にほぼ水平な回転軸10で支持されたものであり、制御機構付きのモーター11等により制御された速度で回転駆動される。図示した耐火性容器4は、目合いが1〜3cm程度の鉄製網で形成されており、蝶番(図示せず。)等を介して開閉可能な扉部分を有し、ここから内部に木炭を補充または入れ替えが可能である。
このような耐火性容器4内に予め所要量の木炭片5を入れておき、耐火性容器4をモーター11で回転軸10を回転させて木炭片5を転動させ、これら耐火性容器4および木炭片5の表面に食用油脂6またはその含有液を滴下もしくは噴霧する。
耐火性容器4を回転させずに木炭片5の表面に食用油脂6を噴霧し続けると、木炭片5の同じ部分に噴霧され、その部分の表面温度が下がって充分に燃焼しなくなる場合があり、そうなると木炭片5の一部に油分が溜まり、そこから発火しやすくなって油煙が生じて好ましくない。このような事態を防ぐために適当な速度で耐火性容器4を連続回転させるか、または適度に間欠的に回転させる。
耐火性容器4の素材は、鉄などの金属の他、セラミックスまたはその他の耐火材を組み合わせた複合材などを採用することができる。その通気孔3は、線状材を編んだり格子状に組み合わせて網目や格子目として形成されたものの他に、エキスパンドメタルやパンチングメタルを採用して得られる孔であってもよい。
食用油脂またはその含有液の噴霧装置7は、動物性油脂など常温で固形状の脂肪を含む食用油脂についてもこれを液状化して使用することができ、通常の食用油脂ならば種類を問わずに噴霧でき、またノズルへの送気量や送油量の調整により噴霧量の調整も可能である。油脂の液状化のためには、タンク12に電熱などを発生させるヒーター13を付設してあり、ノズル14に送気する空気ポンプ15に送気管から空気を送り、ノズル14で液状の食用油脂またはその含有液を吸い上げて送液できる。必要に応じて別途設けたポンプやバルブで食用油脂またはその含有液を流量調整してもよい。
ノズル14は、耐熱性のものを採用することが好ましく、また2連一組のものを図示したが、その配置や数は適宜に変更することができる。
図1に示した集煙装置2で収集した煙を導入し食品素材8に煙を接触させる煙接触室9は、いわゆるスモークチャンバーと称される高濃度の煙を滞留できる気密室、加熱水蒸気や電熱ヒーターなどで加熱可能であり、また必要に応じて空冷式や水冷式などの周知方式の冷却装置を備えておき煙接触室9内の温度調整により食品素材8の加熱調理および冷却を可能にする。
また、煙接触室9は、スモークチャンバーの他、コンベアなどを備えて連続的に処理できるトンネル状のものなどであってもよい。
このような煙接触室9に、発生した煙を導入するに際して、予め食肉などの食品素材8を収容しておくことにより、煙接触室9内で食品素材8と煙を接触させて炭焼風味を付与することができる。
食品素材8に煙接触室9で煙を接触させる時間は、適宜に調整することができ、適当な時間で炭焼風味付けの効果の調整が可能である。
同じく食品素材8が食肉であって煙接触室9で処理と加熱処理を併用する場合には、スモークチャンバー型を採用した場合に50〜150℃、連続式の場合には100〜300℃の加熱処理温度を採用することが好ましい。なお、加湿装置を備えた煙接触室9を設けることがより好ましい。
デンマーク産の豚バラ肉300gに適量の食塩を加えたものを煙接触用のチャンバーに入れて炭焼風味付けを行なった。
炭焼風味付けの材料は、炭ゼネレータのタンクに付設したヒーターでラードを加熱溶解し、燃焼状態の木炭(備長炭)を図1に示した集煙装置2内の耐火性容器(鉄網製)4に入れ、ノズル14から5リットル/時間の割合で液状ラードを90分間にわたって噴霧し、発生した煙を煙接触室(スモークチャンバー)9へ吸引して、90分の煙接触処理を行なった。
次いで、そのまま80℃で蒸煮を行ない、室内5℃の冷蔵庫で冷却し、その後、ガスオーブンを180℃に加熱して40分の表面焼きを行なった。最後に中心温度が10℃以下になるまで冷却した。
得られた炭焼の焼き豚は、炭焼の風味が程よく付与されたものであり、風味付けと加熱の相互強度の調整も容易で多少の焼き具合の変更に拘わらず、良好な炭焼風味が安定して得られることが判明した。
[参考実験1]
以下の実験によって、炭焼風味付けをするために動物性食用油脂等を木炭で焼いて発生させた煙が好ましいことを確認した。
オーブン中にセットした網の下方に市販の木炭を燃焼状態にしておき、網の上には300g程度にカットした豚バラ肉を乗せ、前記の木炭に対して(1)溶解した豚脂、(2)溶解したラード、(3)溶解した牛脂、(4)サラダ油、(5)砂糖、(6)醤油を5分毎にスプレーで吹きかけながら発生した煙を30分間豚バラ肉に接触させた。
次いで、200℃にセットした電気オーブンで前記の豚バラ肉の中心部が72℃になるまで加熱した焼豚を試験片として、これを成人9人で官能評価した。
評価は、炭焼風味が最も強いものから弱いものまでを、0.5点刻みで5点から1点までに段階評価し、その合計点数を図2の棒グラフで示した。
図2の結果からも明らかなように、全ての場合において炭焼風味が付与されることが判明した。特に(1)溶解した豚脂、(2)溶解したラード、および(3)溶解した牛脂を噴霧材とした場合は、炭焼風味が強く付与されている事がわかる。また、(5)砂糖、および(6)醤油を噴霧材とした場合は、発煙量は少ないが使用に耐えるものであり、動物性の油脂(1)〜(3)を炭火に接触させたときに発生する煙は、特に炭焼の風味付けに有効であった。
[参考実験2]
以下の実験によって、炭焼風味付けをするために木炭等の熱源から発生させた煙の適性
評価した。
オーブン中にセットした網の下方に図3に示す9種類の加熱源(1)備長炭(2)雑木炭(3)ちくわ炭(オガ炭)(4)練炭(5)豆炭(6)電熱線(7)セラミック炭(8)溶岩セラミック(9)軽石を燃焼または加熱状態にしておき、網の上には300g程度にカットした豚バラ肉を乗せ、前記の加熱源に対して溶解した豚脂を5分毎にスプレーで吹きかけながら発生した煙を30分間豚バラ肉に接触させた。
次いで、200℃にセットした電気オーブンで前記の豚バラ肉の中心部が72℃になるまで加熱した焼肉を試験片として、これを成人9人で官能評価した。
評価は、炭焼風味が最も強いものから弱いものまでを、0.5点刻みで5点から1点までに段階評価し、その合計点数を図3の棒グラフで示した。
図3の結果からも明らかなように、全ての場合に炭の風味が付与されることが判明した。特に(1)備長炭(2)雑木炭(3)ちくわ炭(オガ炭)を加熱源として使用した場合に、炭の風味が強く付与された。なお、(5)豆炭(6)電熱線を熱源とすると、薬品様の香りも付着し、また(6)電熱線(7)セラミック炭(8)溶岩セラミック(9)軽石を熱源とすると、炭焼風味が弱くて風味付与効率の改善余地も伺えるが、使用に耐えるものと判断される。
実施形態の炭焼風味付与装置の説明図 参考実験1の結果を示す図表 参考実験2の結果を示す図表
符号の説明
1 ダクト
2 集煙装置
3 通気孔
4 耐火性容器
5 木炭片
6 食用油脂
7 噴霧装置
8 食品素材
9 煙接触室
10 回転軸
11 モーター
12 タンク
13 ヒーター
14 ノズル
15 空気ポンプ

Claims (6)

  1. 数の木炭片を熱源として継続して燃焼可能な通気孔を有する耐火性容器に収容した燃焼装置を設け、前記耐火性容器を回転させて木炭片を転動させながら食用油脂またはその含有液を滴下または噴霧し、発生した煙を収集すると共に温度調整可能な煙接触室に導入し、予め食品素材を収容しておいた前記煙接触室内で食品素材と煙を接触させて炭焼風味を付与することからなる炭焼風味食品の製造方法。
  2. 食用油脂が、液状の動物性食用油脂である請求項に記載の炭焼風味食品の製造方法。
  3. 食品素材が食肉である請求項1または2に記載の炭焼風味食品の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の炭焼風味食品の製造方法において、炭焼風味を付与後または付与と同時に、温度調整可能な煙接触室で食品素材を加熱することを特徴とする炭焼風味食品の製造方法。
  5. 集煙装置の内部に木炭が継続して燃焼可能な通気孔を有する耐火性容器を設置し、この耐火性容器を水平回転軸または水平面に対してθ(0°<θ<90°)だけ傾けた回転軸で支持して回転させ、この耐火性容器内に入れた複数の木炭片を転動させながら前記通気孔を介して食用油脂またはその含有液を吹き付け可能な噴霧装置を設け、前記集煙装置から収集した煙を導入し食品素材に前記煙を接触させる煙接触室を設けると共にこの煙接触室を温度調整可能に設けてなる炭焼風味付与装置。
  6. 噴霧装置が、食用油脂の加熱溶解装置を備えると共に噴霧量の調整可能な噴霧装置である請求項に記載の炭焼風味付与装置。
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