JP3330894B2 - 乾燥具材の製造方法および装置 - Google Patents

乾燥具材の製造方法および装置

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JP3330894B2
JP3330894B2 JP03338299A JP3338299A JP3330894B2 JP 3330894 B2 JP3330894 B2 JP 3330894B2 JP 03338299 A JP03338299 A JP 03338299A JP 3338299 A JP3338299 A JP 3338299A JP 3330894 B2 JP3330894 B2 JP 3330894B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、常圧低酸素状態の
過熱水蒸気装置を利用した乾燥具材の製造方法および装
置に関し、特に装置内の酸素濃度を可変設定できるよう
にした乾燥具材の製造方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、例えばインスタントラーメンの具
のように、オニオン、ガーリック、キャベツなどの野菜
類をはじめ、肉類、魚貝類などの乾燥具材よりなる即席
食品が普及してきている。
【0003】ここで、このような乾燥具材は熱湯をかけ
るなどしてそのまま食用に供することができるが、さら
に調理感のある乾燥具材を作ろうとする試みもなされて
いる。
【0004】この場合、乾燥する前の段階で、直火釜あ
るいは二重釜で長時間ソテーやフライをするなどの前処
理を行ない、その後、熱風乾燥、凍結乾燥、減圧乾燥等
の乾燥加工を行なっていた。
【0005】しかしながら、このような方法では、以下
の問題点があった。 (1)長時間のソテーやフライなど時間がかかる。 (2)食品の酸化作用は避けられず条件によっては焦げ
付きが発生したり油の劣化を発生させる。 (3)洗浄等に時間がかかる。
【0006】一方、調理というものを化学的に検討する
と、その実質はでんぷん質のα化、たんぱく質の変性等
であるが、これらの反応速度は温度と相関関係があり、
温度が高いと操作時間が短縮される。
【0007】そこで、上記酸化、調理温度等の問題に鑑
み、近年、特開平3−83547号公報、特開平8-1
73059号公報、特開平8−252177号公報等に
記載されているように、酸化作用を伴わない高温による
調理等を目的として過熱水蒸気を用いて食品を製造する
技術が開発されている。
【0008】ここで、過熱水蒸気について簡単に説明す
ると、一般に、水蒸気とは加圧下で蒸発させた「飽和水
蒸気」をさすが、過熱水蒸気とは飽和水蒸気をさらに過
熱した水蒸気であり、常圧過熱水蒸気とは、常圧におい
てその飽和温度(100℃)以上に熱せられた水蒸気を
いう。
【0009】過熱水蒸気と飽和水蒸気の温度差を過熱度
(℃)といい、過熱度が大きいほど対象物質を乾燥させ
る能力は高くなる。
【0010】図6は、水の温度と圧力との関係を示すグ
ラフであるが(健康産業新聞社発行、山中良郎著「食品
と開発」より)、飽和水蒸気曲線60によって水は熱水
域61と過熱水蒸気域62に分離され、例えば2気圧
(2.0kg/cm2)では飽和水蒸気の温度は133℃で
あるので、例えば180℃の過熱水蒸気の過熱度は47
℃であることが分かる。
【0011】また、図7は気流温度と蒸発速度との関係
を示すグラフであるが(化学工業社発行、吉田哲夫、兵
働務共著「化学工業」(1965年)より)、圧力一
定、質量速度一定という条件では、例えば湿度H1>湿
度H2の場合、温度が170℃〜180℃以上になる
と、湿度が高いほど乾燥速度が速くなる。また、この分
岐点を逆転点というが、逆転点以上の温度では過熱水蒸
気の方が空気雰囲気中よりも乾燥速度が速いことが分か
る。
【0012】また、空気による伝熱は対流に限られる
が、過熱水蒸気では放射が加わって伝熱する。従って、
魚や肉を加熱する場合は、直火や電熱オーブンで焼いた
のと同じように焼くことができ、こげ等を作ることがで
きる。
【0013】また、常圧過熱水蒸気による加熱はほぼ空
気遮断の状態で行われるので、油の酸化等を防止でき
る。
【0014】また、過熱水蒸気による調理はほぼ無酸素
状態で食品を処理するため、火災や爆発などの危険性が
ない。
【0015】また、高温の水蒸気のため、熱交換が容易
で、省エネルギー化が図られ、温度制御も比較的簡単に
行える。
【0016】このように、過熱水蒸気を調理に利用する
とさまざまな長所がある。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】ところで、過熱水蒸気
を使用した調理は、上記のごとくほぼ空気遮断の状態で
行い、酸素濃度も低い。
【0018】一方、過熱水蒸気を利用した調理は、低酸
素状態で行われるが、わずかな酸素濃度の変化によっ
て、処理時間、処理温度、収率、風味等が顕著に異な
る。
【0019】しかしながら、上記従来の過熱水蒸気を利
用した調理方法では、バッチ式、連続式にしても単に無
酸素状態を目標とした過熱水蒸気雰囲気を作成している
にすぎなく、酸素濃度を可変設定するという構成は採用
されていない。
【0020】このため、全ての調理対象物は酸素濃度を
意識することなく調理されており、低酸素状態とはいえ
それぞれの調理対象物ごとに最適な酸素濃度を設定する
ことができないという問題点があった。
【0021】また、酸素濃度が一定に制御できないため
に、調理対象物が一定の品質で調理できないという問題
点があった。
【0022】そこで、この発明は、低酸素状態を低コス
トに実現できるとともに、酸素濃度を可変設定でき、調
理対象物ごとに最適な酸素濃度で製造できる乾燥具材の
製造方法および装置を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係わる
乾燥具材の製造方法は、常圧下かつ低酸素状態の過熱水
蒸気装置本体内に食品載置コンベアに載せられた乾燥具
材を導き、110℃〜400℃に加熱した過熱水蒸気を
10秒〜60分間、噴射ないしは同環境下で処理して乾
燥具材を製造する乾燥具材の製造方法において、上記過
熱水蒸気装置本体の入口側および出口側に隣接して食品
導入室および食品排出室を設けて上記食品載置コンベア
に載せられた乾燥具材の導入および排出を行うステップ
と、上記過熱水蒸気装置本体内の入口側および出口側で
装置本体内の排気を行うステップと、上記過熱水蒸気装
置本体内の排気量を検出し、予め用意された上記過熱水
蒸気装置本体内の排気量と酸素濃度の関係テーブルに基
づき、排気量から酸素濃度を検出するステップと、上記
関係テーブルに基づき、上記過熱水蒸気装置本体内の排
気量を可変設定することにより上記過熱水蒸気装置本体
内の酸素濃度を可変設定するステップと、を有し、上記
食品導入室では、食品載置コンベアの装置本体内への導
入口付近に過熱水蒸気を供給することにより装置本体内
に流入しようとする空気を遮断するとともに室内の空気
および過熱水蒸気を排気し、上記食品排出室では、食品
載置コンベアの装置本体外への排出口付近に過熱水蒸気
を供給することにより装置本体内に流入しようとする空
気を遮断するとともに室内の空気および過熱水蒸気を排
気する、ことを特徴とする。
【0024】また、請求項2の発明に係わる乾燥具材の
製造方法は、請求項1記載の発明において、酸素濃度を
検出するステップは、上記過熱水蒸気装置本体内と上記
食品導入室と上記食品排出室の排気量を検出し、上記過
熱水蒸気装置本体内と上記食品導入室および上記食品排
出室の排気量に対する酸素濃度の関係を示す予め用意さ
れた関係テーブルに基づき、排気量から酸素濃度を検出
するステップであり、酸素濃度を可変設定するステップ
において、上記関係テーブルに基づき、上記過熱水蒸気
装置本体内と上記食品導入室と上記食品排出室の排気量
を可変設定することにより上記過熱水蒸気装置本体内の
酸素濃度を可変設定するステップである、ことを特徴と
する。
【0025】また、請求項3の発明は、請求項1又は2
記載の発明において、上記食品載置コンベアは、上記装
置本体内に導入されるまではわずかに上向きに傾斜して
導かれ、装置本体外に排出されるときにはわずかに下向
きに傾斜して導かれることを特徴とする。
【0026】また、請求項4の発明は、請求項1記載の
発明において、上記装置本体内の排気量が小さいほど装
置本体内の酸素濃度を低下させることを特徴とする。
【0027】また、請求項5の発明は、請求項1乃至4
記載の発明において、上記乾燥具材は、即席食品用の野
菜類、肉類または魚貝類であることを特徴とする。
【0028】また、請求項6の発明に係わる乾燥具材の
製造装置は、常圧下かつ低酸素状態の過熱水蒸気装置本
体内に食品載置コンベアに載せられた乾燥具材を導き、
110℃〜400℃に加熱した過熱水蒸気を10秒〜6
0分間、噴射ないしは同環境下で処理して乾燥具材を製
造する乾燥具材の製造装置において、上記過熱水蒸気装
置本体の入口側および出口側に隣接して設けられ、上記
食品載置コンベアに載せられた乾燥具材の導入および排
出を行う食品導入室および食品排出室と、上記過熱水蒸
気装置本体内の入口側および出口側に設けられて装置本
体内の排気を行う装置本体内排気装置と、を有し、上記
食品導入室は、食品載置コンベアの装置本体内への導入
口付近に過熱水蒸気を供給する第1の過熱水蒸気供給手
段と、室内の空気および過熱水蒸気を排気する第1の排
気装置と、を有し、上記食品排出室は、食品載置コンベ
アの装置本体外への排出口付近に過熱水蒸気を供給する
第2の過熱水蒸気供給手段と、室内の空気および過熱水
蒸気を排気する第2の排気装置と、を有し、上記過熱水
蒸気装置本体内に設けられた酸素濃度検出手段は、排気
量を制御する制御部と、上記制御部に設けられ、上記装
置本体内排気装置の排気量と酸素濃度との関係を示す関
係テーブルとで構成され、上記酸素濃度検出手段は、上
記装置本体内排気装置の排気量を検出し、上記関係テー
ブルに基づき、排気量から酸素濃度を検出し、上記関係
テーブルに基づき、上記装置本体内排気装置の排気量を
可変設定することにより上記本体内の酸素濃度を可変設
定することを特徴とする。
【0029】また、請求項7の発明は、請求項6記載の
発明において、上記関係テーブルは、上記装置本体内排
気装置の排気量に加えて、上記第1の排気装置および上
記第2の排気装置の排気量に対する酸素濃度の関係を示
し、上記酸素濃度検出手段は、上記装置本体内排気装置
の排気量に加えて、上記第1の排気装置と上記第2の排
気装置の排気量を検出し、上記関係テーブルに基づき、
上記装置本体内排気装置の排気量に加えて、上記第1の
排気装置と上記第2の排気装置の排気量を可変設定する
ことにより上記本体内の酸素濃度を可変設定することを
特徴とする。
【0030】また、請求項8の発明は、請求項1乃至5
記載の発明において、乾燥具材を予め油脂と混合ないし
は噴霧コーティングさせることを特徴とする。
【0031】
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。
【0033】図1は本発明に係わる乾燥具材の製造方法
および装置が適用された過熱水蒸気装置の概略構成を示
す断面図である。なお、本発明において調理対象となる
乾燥具材とは、オニオン、ガーリック、キャベツなどの
野菜類をはじめ、肉類、魚貝類などのすでに製造された
即席食品としての乾燥具材をいう。
【0034】図1において、過熱水蒸気装置10は略直
方体状で、内部には乾燥具材(図示せず)が載せられた
食品載置コンベア11が図示しない搬送手段によって矢
印A方向に搬送されている。
【0035】ここで、過熱水蒸気装置10は過熱水蒸気
装置本体12と、過熱水蒸気装置本体12に隣接して食
品載置コンベア11の導入側に設けられた食品導入室1
3と、過熱水蒸気装置本体12に隣接して食品載置コン
ベア11の排出側に設けられた食品排出室14を有して
いる。
【0036】ここで、過熱水蒸気装置本体12は、その
天井部分から外部の図示しない過熱水蒸気生成装置で生
成された過熱水蒸気15が注入されて、食品載置コンベ
ア11に載せられた乾燥具材に噴射されるもので、食品
載置コンベア11が通過できるよう入口側には入口側開
口部12aが設けられるとともに出口側には出口側開口
部12bが設けられ、内部には食品載置コンベア11の
進行方向に沿って上下に4箇所の過熱水蒸気噴射部16
−1、16−2、16−3、16−4が設けられて、こ
の4箇所の過熱水蒸気噴射部16−1、16−2、16
−3、16−4から過熱水蒸気が噴射されるよう構成さ
れている。
【0037】すなわち、上側過熱水蒸気噴射部16aと
下側過熱水蒸気噴射部16bより過熱水蒸気噴射部16
−1が構成され、上側過熱水蒸気噴射部16cと下側過
熱水蒸気噴射部16dより過熱水蒸気噴射部16−2が
構成され、上側過熱水蒸気噴射部16eと下側過熱水蒸
気噴射部16fより過熱水蒸気噴射部16−3が構成さ
れ、上側過熱水蒸気噴射部16gと下側過熱水蒸気噴射
部16hより過熱水蒸気噴射部16−4が構成され、そ
れぞれの過熱水蒸気噴射部16a、16b、16c、1
6d、16e、16f、16g、16hから過熱水蒸気
が噴射されるよう構成されている。
【0038】なお、過熱水蒸気装置本体12内であっ
て、食品載置コンベア11の入口側の天井部分にはダン
パー等より構成される装置本体内入口側排気装置21が
設けられるとともに、出口側の天井部分にも同じくダン
パー等より構成される装置本体内出口側排気装置22が
設けられ、後述するようにその排気量を制御することに
よって過熱水蒸気装置本体12内の酸素濃度を制御でき
るように構成されている。
【0039】また、食品導入室13は、食品載置コンベ
ア11が過熱水蒸気装置本体12内に導入される前に導
入される部屋で、食品が載置されたコンベアが通過でき
るよう入口側に入口側開口部13aが設けられ、天井部
分にはダンパー等より構成される食品導入室排気装置2
3が設けられるとともに、過熱水蒸気装置本体12側の
天井付近からは過熱水蒸気25が注入されるよう構成さ
れている。これによって、後述するように過熱水蒸気装
置本体12内への空気の侵入を遮断するとともに過熱水
蒸気装置本体12内の酸素濃度を制御し、かつ食品導入
室13内の換気をするよう構成されている。
【0040】また、食品排出室14は、食品載置コンベ
ア11が過熱水蒸気装置本体12の出口側開口部12b
から排出後に導入される部屋で、食品が載置されたコン
ベア11が通過できるよう、出口側に出口側開口部14
aが設けられ、天井部分にはダンパー等より構成される
食品排出室排気装置24が設けられるとともに、過熱水
蒸気装置本体12側の天井付近からは過熱水蒸気26が
注入されるよう構成されている。これによって、後述す
るように過熱水蒸気装置本体12内への空気の侵入を遮
断するとともに過熱水蒸気装置本体12内の酸素濃度を
制御し、かつ、食品排出室14内の換気をするように構
成されている。
【0041】なお、食品載置コンベア11は、過熱水蒸
気装置本体12内に設けられた2つの小径ローラー3
0、31と、過熱水蒸気装置本体12の外に設けられた
4つの大径ローラー32、33、34、35に懸架され
たエンドレスのコンベアであるが、このうち過熱水蒸気
装置本体12の入口側に設けられた大径ローラー35と
装置本体12内の小径ローラー30とでは小径ローラー
30の方が大径ローラー35よりわずかに高く位置し、
食品載置コンベア11が大径ローラー35と小径ローラ
ー30間を進行するときはわずかに上昇しながら進行す
るようになっている。
【0042】そして、過熱水蒸気装置本体12内では食
品載置コンベア11はそのまま高い位置を保持したまま
進行する。
【0043】次に、過熱水蒸気装置本体12の出口側に
設けられた大径ローラー32と装置本体12内の小径ロ
ーラー31とでは、大径ローラー32の方がわずかに低
く位置している。従って、食品載置コンベア11が小径
ローラー31と大径ローラー32間を進行するときはわ
ずかに下降しながら進行するようになっている。
【0044】図2は、過熱水蒸気装置本体12内の一部
詳細図であり、食品載置コンベア11が過熱水蒸気噴射
部16−1,16−2部分を進行する部分の詳細図を示
している。
【0045】食品載置コンベア11は一対のコンベアベ
ルト11a、11bより構成され、一対のコンベアベル
ト11a、11b上に加工対象となる乾燥具材37が載
置されたパレット36が載せられている。
【0046】この状態で、パレット36は過熱水蒸気噴
射部16−1を構成する上側過熱水蒸気噴射部16aと
下側過熱水蒸気噴射部16bの間、および過熱水蒸気噴
射部16−2を構成する上側過熱水蒸気噴射部16cと
下側過熱水蒸気噴射部16dの間を通過し、パレット3
6上に載置された乾燥具材37は上下の過熱水蒸気噴射
部から過熱水蒸気の噴射を受けることになる。
【0047】ここで、各過熱水蒸気噴射部は全て同じ構
成であるが、そのうちの過熱水蒸気噴射部16−1を例
にとって過熱水蒸気噴射部の構成を説明すると、過熱水
蒸気噴射部16−1は上記のごとく上側過熱水蒸気噴射
部16aと下側過熱水蒸気噴射部16bより構成され、
上側過熱水蒸気噴射部16aは長方形状の枠体16a−
10と、この枠体16a−10内に並列に取り付けられ
て過熱水蒸気を噴射する6本の筒状噴射部16a−1、
16a−2、16a−3、16a−4、16a−5、1
6a−6を具備して構成される。また、下側過熱水蒸気
噴射部16bも長方形状の枠体16b−10と、この枠
体16b−10内に並列に取り付けられて過熱水蒸気を
噴射する6本の筒状噴射部16b−1、16b−2、1
6b−3、16b−4、16b−5、16b−6を具備
して構成される。
【0048】図3は、図2に示した筒状噴射部の詳細構
成を示すもので、上側過熱水蒸気噴射部16aの筒状噴
射部16a−1と下側過熱水蒸気噴射部16bの筒状噴
射部16b−1が対向配置されて、その間を食品載置コ
ンベア11が通過する状態を模式的に示している。
【0049】ここで、全ての筒状噴射部は同一構成なの
で、下側過熱水蒸気噴射部16bの筒状噴射部16b−
1を例にとって筒状噴射部の構成を説明すると、筒状噴
射部16b−1は筒状の円筒体16b−1Dより構成さ
れ、円筒体16b−1Dの両端は図1に示した過熱水蒸
気15が注入される過熱水蒸気注入口16b−1Aと1
6b−1Bとされるとともに、円筒体16b−1Dの表
面で食品載置コンベア11が通過する対向面側には過熱
水蒸気を噴射するための円形の過熱水蒸気噴射ノズル1
6b−11、16b−12、16b−13、16b−1
4、16b−15、16b−16、16b−17が一列
に設けられている。
【0050】図4は図1に示した過熱水蒸気装置10の
電気的な構成を示すブロック図である。図4において、
過熱水蒸気装置10は、制御部50、温度センサ51、
タイマ52、食品導入室排気装置23、装置本体内入口
側排気装置21、装置本体内出口側排気装置22、食品
排出室排気装置24を具備して構成される。
【0051】ここで、制御部50はCPU等より構成さ
れて装置全体を統括制御するもので、本実施形態では、
特にダンパー等より構成される装置本体内入口側排気装
置21、装置本体内出口側排気装置22、食品導入室排
気装置23、食品排出室排気装置24の排気量およびを
制御して、過熱水蒸気装置本体12内の酸素濃度を可変
設定できるように構成されている。
【0052】温度センサ51は、過熱水蒸気装置本体1
2内の温度を検出するものである。
【0053】タイマ52は、装置が稼動してからの経過
時間を検出するものである。
【0054】なお、上記温度センサ51は、過熱水蒸気
装置本体12内の乾燥具材通過部分に配置されて、乾燥
具材通過部分のセンサ値を収集する。
【0055】食品導入室排気装置23は、食品導入室1
3内の空気を排気する。
【0056】装置本体内入口側排気装置21は、過熱水
蒸気装置本体12内の入口側の空気を排気する。
【0057】装置本体内出口側排気装置22は、過熱水
蒸気装置本体12内の出口側の空気を排気する。
【0058】食品排出室排気装置24は、食品排出室1
4内の空気を排気する。
【0059】以上が本実施形態の構成であるが、次に、
食品導入室13や食品排出室14を設けた理由について
説明する。
【0060】まず、食品導入室13を設けたのは、食品
載置コンベア11が食品導入室13を通過することな
く、過熱水蒸気装置本体12の入口側開口部12aから
直接過熱水蒸気装置本体12内に導かれると、入口側開
口部12aから同時に外部の空気が侵入し、過熱水蒸気
装置本体12内の酸素濃度が高くなるからである。
【0061】そこで、食品載置コンベア11は直接過熱
水蒸気装置本体12内に導くのではなく、その前段に食
品導入室13を設け、まず食品導入室13に導くように
する。この場合も食品載置コンベア11の導入に伴って
食品導入室13の入口側開口部13aから空気は侵入す
る。
【0062】しかし、本実施形態では、さらに、食品導
入室13内の過熱水蒸気装置本体12側の天井部分から
過熱水蒸気25を注入するようにし、過熱水蒸気装置本
体12内への空気の侵入を防止するようにしている。こ
れは、注入された過熱水蒸気25をエアカーテンとし
て、食品導入室13内の空気が過熱水蒸気装置本体12
の入口側開口部12aから入り込まないようにしたもの
である。
【0063】また、装置本体12の入口側では、大径ロ
ーラー35と小径ローラー30とでは小径ローラー30
の方が大径ローラー35よりわずかに高い所に位置し、
食品載置コンベア11が大径ローラー35と小径ローラ
ー30間を進行するときはわずかに上昇しながら進行す
るようになっている。
【0064】そして、過熱水蒸気装置本体12内では食
品載置コンベア11はそのまま高い位置を保持したまま
進行する。
【0065】つまり、最初に空気が侵入する食品導入室
13の入口側開口部13aの高さより過熱水蒸気装置本
体12内の食品載置コンベア11の位置、正確にはコン
ベア11上のパレット36に載置された乾燥具材37の
位置の方が相対的に高い。
【0066】一方、過熱水蒸気は高温の水蒸気なので空
気より軽い。従って、過熱水蒸気装置本体12内では、
その大部分の領域を占める過熱水蒸気成分は比較的上方
域にあり、わずかな侵入空気は低層域にある。
【0067】従って、過熱水蒸気装置本体12内のパレ
ット36に載置された乾燥具材37の周辺部分はほぼ過
熱水蒸気に覆われることになる。
【0068】なお、食品排出室14を設けたのも、上記
食品導入室13を設けたのと同様、食品載置コンベア1
1が食品排出室14を通過することなく、過熱水蒸気装
置本体12の出口側開口部12bから直接外部に導かれ
ると、出口側開口部12bから外部の空気が侵入し、過
熱水蒸気装置本体12内の酸素濃度が高くなるからであ
る。
【0069】そこで、食品載置コンベア11は直接外部
に導くのではなく、まず食品排出室14に導くようにす
る。この場合も食品載置コンベア11の排出に伴って食
品排出室14の出口側開口部14aから空気は侵入す
る。
【0070】しかし、本実施形態では、さらに、食品排
出室14内の過熱水蒸気装置本体12側の天井部分から
過熱水蒸気26を注入するようにし、過熱水蒸気装置本
体12内への空気の侵入を防止するようにしている。こ
れは、注入された過熱水蒸気26をエアカーテンとし
て、食品排出室14内の空気が過熱水蒸気装置本体12
の出口側開口部12bから入り込まないようにしたもの
である。
【0071】一方、装置本体12の出口側では、小径ロ
ーラー31と大径ローラー32とでは大径ローラー32
の方が小径ローラー31よりわずかに低く位置し、食品
載置コンベア11が小径ローラー31と大径ローラー3
2間を進行するときはわずかに下降しながら進行するよ
うになっている。
【0072】また、過熱水蒸気装置本体12内では食品
載置コンベア11は高い位置を保持したまま進行する。
【0073】つまり、空気が侵入する食品排出室14の
出口側開口部14aの高さより過熱水蒸気装置本体12
内の食品載置コンベア11の位置、正確にはコンベア1
1上のパレット36に載置された乾燥具材37の位置の
方が相対的に高い。
【0074】従って、食品排出室14の作用によっても
過熱水蒸気装置本体12内のパレット36に載置された
乾燥具材37の周辺部分はほぼ過熱水蒸気に覆われるこ
とになる。
【0075】本実施形態では、上記のごとき構成を採用
することにより過熱水蒸気装置本体12内への空気の侵
入を高精度に防ぐことができる。
【0076】ところで、上記のごとき構成を採用する
と、装置本体12内はほぼ無酸素状態となる。
【0077】しかし、装置本体内の装置本体内入口側排
気装置21および装置本体内出口側排気装置22の排気
量を大きくすると装置本体12の入口側開口部12a及
び出口側開口部12bから外部の空気が入り込み、装置
本体内の酸素濃度は高くなる。
【0078】従って、装置本体12内の装置本体内入口
側排気装置21および装置本体内出口側排気装置22の
排気量を可変設定することにより装置本体内の酸素濃度
を可変設定できる。
【0079】なお、食品導入室排気装置23および食品
排出室排気装置24はそれぞれ食品導入室13および食
品排出室14内の過熱水蒸気及び空気を上方に排出する
ために使用される。食品導入室13および食品排出室1
4内の過熱水蒸気及び空気は入口側開口部13aおよび
出口側開口部14aから排出することもできるが、入口
側開口部13aおよび出口側開口部14aは低い位置に
あるので入口側開口部13aおよび出口側開口部14a
から過熱水蒸気等を排出すると周囲の作業環境が悪くな
る。そこで、食品導入室排気装置23および食品排出室
排気装置24を設けて上方に食品導入室13および食品
排出室14内の過熱水蒸気及び空気を排出するようにし
ている。
【0080】また、食品導入室排気装置23および食品
排出室排気装置24の排気量を大きくすると、食品導入
室13および食品排出室14内の空気の排気量が大きく
なる。
【0081】従って、結果として過熱水蒸気装置本体1
2内への空気の侵入を防ぐことができ、過熱水蒸気装置
本体12内の酸素濃度を低下させる。
【0082】こうして、装置本体内入口側排気装置2
1、装置本体内出口側排気装置22、食品導入室排気装
置23および食品排出室排気装置24の排気量を制御す
ることによって、過熱水蒸気装置本体12内の空気量、
すなわち酸素濃度を可変設定できる。
【0083】なお、上記酸素濃度の可変設定は、予め図
4に示した制御部50に、酸素濃度と装置本体内入口側
排気装置21、装置本体内出口側排気装置22、食品導
入室排気装置23および食品排出室排気装置24の排気
量との関係テーブルを用意し、そのテーブルに基づいて
各排気装置の排気量を制御するとよい。
【0084】なお、このようなソフトウェア制御による
ことなく、各排気装置の排気量をマニアルで制御するよ
うにしてもよい。
【0085】次に、制御部50で過熱水蒸気装置本体1
2内の空気量、すなわち酸素濃度を自動的に可変設定す
る場合の処理手順を図5のフローチャートを参照しなが
ら説明する。
【0086】この処理では、まず乾燥具材の処理温度、
処理時間、酸素濃度を初期設定する(ステップ10
0)。
【0087】こうして運転が開始されると(ステップ1
01)、次に、処理温度が設定値か否かが調べられる
(ステップ102)。これは、温度センサ51の検出値
とステップ100の設定値を比較することによって行わ
れる。
【0088】ここで、処理温度が設定値でない場合は
(ステップ102でNO)、処理温度の補正を行う(ス
テップ103)。これは、過熱水蒸気装置本体12内に
供給される過熱水蒸気15の温度調整を行うことによっ
て行う。
【0089】また、処理温度が設定値の場合(ステップ
102でYES)および処理温度の補正が行われた場合
は、次に、酸素濃度が設定値か否かが調べられる(ステ
ップ104)。これは、装置本体内入口側排気装置2
1、装置本体内出口側排気装置22、食品導入室排気装
置23および食品排出室排気装置24の排気量とステッ
プ100の設定値を比較することによって行われる。
【0090】ここで、酸素濃度が設定値でない場合は
(ステップ104でNO)、酸素濃度の補正を行う(ス
テップ105)。これは、すでに述べたように、装置本
体内入口側排気装置21および装置本体内出口側排気装
置22の排気量を自動設定またはマニアル設定すること
によって行われる。
【0091】次に、酸素濃度が設定値の場合(ステップ
104でYES)および酸素濃度の補正が行われた場合
は、次に、タイマ終了か否かが調べられる(ステップ1
06)。これは、タイマ52のタイマ値とステップ10
0の設定値を比較することによって行われる。
【0092】ここで、タイマ52のタイマ値が設定値に
達していない場合は(ステップ106でNO)、ステッ
プ102の処理に戻るが、タイマ52のタイマ値が設定
値に達している場合(ステップ106でYES)、すな
わちタイムアップの場合は当処理を終了する。
【0093】このように、本実施形態では、精度のよい
低酸素状態を得ることができ、しかも酸素濃度を微妙に
コントロールできる。
【0094】従って、過熱水蒸気の特徴を生かしつつ、
オニオン、ガーリック、キャベツなどの野菜類をはじ
め、肉類、魚貝などの即席食品に使用されている各種乾
燥具材の調理において、ロースト感のある香ばしい乾燥
具材を得たり、焦げ目のある乾燥具材を得たりすること
ができる。形状は、ホール、フレーク、コース、ミンス
など限定はされない。
【0095】また、従来のように、乾燥する前の段階
で、直火釜あるいは二重釜で長時間ソテーやフライをす
るなどの前処理を行なうのではなく、すでに製造された
乾燥具材を再加工するので、取り扱いが簡単で、低コス
トに乾燥具材の再調理ができる。
【0096】また、乾燥具材を予め油脂と混合ないしは
噴霧コーティングさせることで、均一な加熱状態および
均一な伝熱機構を有する状態を作成できるとともに、加
熱蒸気の効果の1つである脱油現象により最終的に含有
油脂量を制御できる。
【0097】以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳
述する。
【0098】
【実施例1】過熱水蒸気装置本体12の酸素濃度をN
o.1、No.2は6%、No.3は0%に設定して、
乾燥したオニオンフレークをトレイ36に重ならないよ
うに均一に広げ、表1の処理温度、処理時間で調理し
た。なお、フレークに対して、No.2、No.3は各
々サラダ油を10%配合して処理した。この場合の収
率、風味を表1に示す。
【0099】なお、No.2をコンソメスープに加えた
ところ、玉ねぎをフライしたような風味が加わり、浮き
身として良く合っていた。
【0100】また、No.3をバターライスに対し1.
5%加えて混ぜ合わせたところ、生の玉ねぎをサラダ油
で均一なきつね色にソテーしたような香ばしい色と風味
が加わったオニオンライスが出来上がった。
【0101】一方、No.1について、牛の玉ねぎで同
等の風味を有するよう、スライスして二重釜で炒めた
が、焦げ付きが生じてしまった。
【0102】また、No.3について、牛の玉ねぎで同
等の風味を有するよう、スライスして直火釜でサラダ油
とソテーしたが、2時間以上要し、一部焦げた部位も認
められた。
【0103】
【表1】
【0104】
【実施例2】過熱水蒸気装置本体12の酸素濃度をN
o.1、No.2は6%、No.3は0%に設定して、
乾燥したガーリックフレークをトレイ36に重ならない
ように均一に広げ、表2の処理温度、処理時間で調理し
た。なお、フレークに対して、No.2、No.3は各
々サラダ油を10%配合して処理した。この場合の収
率、風味を表2に示す。
【0105】なお、No.3をバターライスに対し1%
加えて混ぜ合わせたところ、生のニンニクをサラダ油で
きつね色にソテーしたような香ばしい色と風味が加わっ
たニンニクライスが出来上がった。
【0106】一方、No.1〜3について、生のニンニ
クから同等の風味になるよう試みたが、実現できなかっ
た。
【0107】
【表2】
【0108】ところで、上記各実施例でも明らかなよう
に、過熱水蒸気を用いて調理した場合、香ばしい風味が
得られるが、その原因について考察してみると、以下の
理由が考えられる。
【0109】一般に、食品はアミノ酸やペプタイドを含
めた蛋白質、炭水化物、脂質を中心に構成されており、
加熱による風味(香り)の変化はこれらの成分による化
学反応によって引き起こされた結果である。
【0110】例えば、食品の色の変化である褐変は、原
因となる物質や条件はさまざまであるが、一般的に、褐
変の前駆物質として反応活性の強いカルボニル化合物が
生成し、これが単独または共存するアミノ化合物と反応
して生じたものである。
【0111】特に、メイラード反応として知られている
蛋白質と炭水化物の相互作用は、加熱調理時の風味形成
に大きく関係している。
【0112】その形成パターンは、糖、アミノ酸の種
類、組成比、加熱温度、時間、水分含量、油脂の存在、
pH、金属イオンなどに大きく作用される。
【0113】ここで、常圧過熱水蒸気を用いて調理した
場合、以下の原因で香ばしい風味に変化するものと推察
される。
【0114】すなわち、対象物に上下から常圧過熱水蒸
気を噴射すると、放射によって表面が加熱調理されるこ
とは勿論、その遠赤外効果で内部成分(主に単糖類や遊
離アミノ酸)も速やかにメイラード反応によって変化す
ることが考えられる。
【0115】玉ねぎを例にとると、甘味成分であるブド
ウ糖、果糖、ショ糖などの単糖類、オリゴ糖を始めとし
た多くの糖類とグルタミン、リジン、アスパラギンなど
の遊離アミノ酸が上記の反応により特有の調理風味を醸
し出したり、辛味成分であるジスルフィドが過熱水蒸気
によって還元され、甘味の強いメルカプタンになったこ
とが推測される。
【0116】他の野菜類、肉類、魚介類の乾燥具材につ
いても同様の作用があると推測される。
【0117】この場合、酸素が介在する割合が高いほ
ど、対象物の表面の焼き目、焦げ目が強くなる。
【0118】このように、本実施形態では、(1)過熱
水蒸気装置本体12の食品載置コンベア11の導入側お
よび排出側に食品導入室13および食品排出室14を設
ける、(2)食品載置コンベア11の導入側および排出
側で傾斜を設ける、(3)装置本体内入口側排気装置2
1および装置本体内出口側排気装置22の排気量を制御
して、過熱水蒸気装置本体12内の空気量を可変設定す
る、という構成を採用したので、以下の効果を奏する。
【0119】(1)過熱水蒸気装置本体12の中を無酸
素状態から任意の酸素濃度まで、目的によって任意にコ
ントロールできる。 (2)従来、火力を必要とする調理加工食品を工場レベ
ルで大量生産する場合、熱効率の面で充分な調理ができ
ていなかったが、本実施形態では、酸素濃度、処理温
度、処理時間を任意に選択することによって熱効率に優
れた調理を実現でき、広範囲にわたって従来より調理の
自由度が向上した。 (3)従来、香ばしい調理感のある乾燥具材の加工にお
いては、前処理、収率、作業性の面で限界があったが、
本実施形態では、極めて短時間に、収率よく加工できる
ようになった。 (4)調理中、酸素が介在しないか非常に少ないので、
油脂の酸化等、品質の劣化が抑えられる。 (5)調理中、酸素が介在しないか非常に少ないので、
爆発等は発生せず、安全な作業環境を提供できる。 (6)過熱水蒸気は高温の水蒸気のため、熱交換が容易
で、省ネルギーができ、温度制御も比較的簡単にでき
る。 (7)乾燥具材を予め油脂と混合ないしは噴霧コーティ
ングさせることで、均一な加熱状態および均一な伝熱機
構を有する状態を作成できるとともに、加熱蒸気の効果
の1つである脱油現象により最終的に含有油脂量を制御
できる。
【0120】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、常圧
下かつ低酸素状態の過熱水蒸気装置本体内に食品載置コ
ンベアに載せられた乾燥具材を導き、110℃〜400
℃に加熱した過熱水蒸気を10秒〜60分間、噴射ない
しは同環境下で処理して乾燥具材を製造する乾燥具材の
製造方法において、上記過熱水蒸気装置本体の入口側お
よび出口側に隣接して食品導入室および食品排出室を設
けて上記食品載置コンベアに載せられた乾燥具材の導入
および排出を行うステップと、上記過熱水蒸気装置本体
内の入口側および出口側で装置本体内の排気を行うステ
ップと、を有し、上記食品導入室では、食品載置コンベ
アの装置本体内への導入口付近に過熱水蒸気を供給する
ことにより装置本体内に流入しようとする空気を遮断す
るとともに室内の空気および過熱水蒸気を排気し、上記
食品排出室では、食品載置コンベアの装置本体外への排
出口付近に過熱水蒸気を供給することにより装置本体内
に流入しようとする空気を遮断するとともに室内の空気
および過熱水蒸気を排気するようにしたので、低酸素状
態を低コストに実現できるとともに、酸素濃度を可変設
定でき、調理対象物ごとに最適な酸素濃度で製造できる
乾燥具材の製造方法を得ることができる等の効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる乾燥具材の製造方法および装置
が適用された過熱水蒸気装置の概略構成を示す断面図。
【図2】図1に示した過熱水蒸気装置本体内の一部詳細
図であり、食品載置コンベアが過熱水蒸気噴射部部分を
進行する部分の詳細図。
【図3】図2に示した筒状噴射部の詳細構成を示すもの
で、上側過熱水蒸気噴射部の筒状噴射部と下側過熱水蒸
気噴射部の筒状噴射部が対向配置されて、その間を食品
載置コンベアが通過する状態を模式的に示す図。
【図4】図1に示した過熱水蒸気装置の電気的な構成を
示すブロック図。
【図5】図4に示した制御部で過熱水蒸気装置本体内の
空気量、すなわち酸素濃度を自動的に可変設定する場合
の処理手順を示すフローチャート。
【図6】水の温度と圧力との関係を示すグラフで、飽和
水蒸気曲線によって水は熱水域と過熱水蒸気域に分離さ
れ、例えば2気圧(2.0kg/cm2)では飽和水蒸気の
温度は133℃であるので、例えば180℃の過熱水蒸
気の過熱度は47℃であることを示す図。
【図7】気流温度と蒸発速度との関係を示すグラフで、
逆転点以上の温度では過熱水蒸気の方が空気雰囲気中よ
りも乾燥速度が速いことを示す図。
【符号の説明】
10 過熱水蒸気装置 11 食品載置コンベア 12 過熱水蒸気装置本体 12a 入口側開口部 12b 出口側開口部 13 食品導入室 13a 入口側開口部 14 食品排出室 14a 出口側開口部 15 過熱水蒸気 16−1、16−2、16−3、16−4 過熱水蒸気
噴射部 16−a、16−c、16−e、16−g 上側過熱水
蒸気噴射部 16−b、16−d、16−f、16−h 下側過熱水
蒸気噴射部 16a−1、16a−2、16a−3、16a−4、1
6a−5、16a−6 筒状噴射部 16a−10 長方形状の枠体 16b−1、16b−2、16b−3、16b−4、1
6b−5、16b−6 筒状噴射部 16b−10 長方形状の枠体 16b−1A 過熱水蒸気注入口 16b−1B 過熱水蒸気注入口 16b−1D 円筒体 16b−11、16b−12、16b−13、16b−
14、16b−15、16b−16、16b−17 過
熱水蒸気噴射ノズル 21 装置本体内入口側排気装置 22 装置本体内出口側排気装置 23 食品導入室排気装置 24 食品排出室排気装置 25 過熱水蒸気 26 過熱水蒸気 30、31 小径ローラー 32、33、34、35 大径ローラー 50 制御部 51 温度センサ 52 タイマ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 3/00 - 3/40 A23L 1/01 A47J 27/16 F26B 17/04

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 常圧下かつ低酸素状態の過熱水蒸気装置
    本体内に食品載置コンベアに載せられた乾燥具材を導
    き、110℃〜400℃に加熱した過熱水蒸気を10秒
    〜60分間、噴射により処理して乾燥具材を製造する乾
    燥具材の製造方法において、 上記過熱水蒸気装置本体の入口側および出口側に隣接し
    て食品導入室および食品排出室を設けて上記食品載置コ
    ンベアに載せられた乾燥具材の導入および排出を行うス
    テップと、 上記過熱水蒸気装置本体内の入口側および出口側で装置
    本体内の排気を行うステップと、 上記過熱水蒸気装置本体内の排気量を検出し、予め用意
    された上記過熱水蒸気装置本体内の排気量と酸素濃度の
    関係テーブルに基づき、排気量から酸素濃度を検出する
    ステップと、 上記関係テーブルに基づき、上記過熱水蒸気装置本体内
    の排気量を可変設定することにより上記過熱水蒸気装置
    本体内の酸素濃度を可変設定するステップと、を有し、 上記食品導入室では、 食品載置コンベアの装置本体内への導入口付近に過熱水
    蒸気を供給することにより装置本体内に流入しようとす
    る空気を遮断するとともに室内の空気および過熱水蒸気
    を排気し、 上記食品排出室では、 食品載置コンベアの装置本体外への排出口付近に過熱水
    蒸気を供給することにより装置本体内に流入しようとす
    る空気を遮断するとともに室内の空気および過熱水蒸気
    を排気する、 ことを特徴とする乾燥具材の製造方法。
  2. 【請求項2】 酸素濃度を検出するステップは、 上記過熱水蒸気装置本体内と上記食品導入室と上記食品
    排出室の排気量を検出し、上記過熱水蒸気装置本体内と
    上記食品導入室および上記食品排出室の排気量に対する
    酸素濃度の関係を示す予め用意された関係テーブルに基
    づき、排気量か ら酸素濃度を検出するステップであり、 酸素濃度を可変設定するステップは、 上記関係テーブルに基づき、上記過熱水蒸気装置本体内
    と上記食品導入室と上記食品排出室の排気量を可変設定
    することにより上記過熱水蒸気装置本体内の酸素濃度を
    可変設定するステップである、 ことを特徴とする請求項1に記載の乾燥具材の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 上記食品載置コンベアは、 上記装置本体内に導入されるまではわずかに上向きに傾
    斜して導かれ、装置本体外に排出されるときにはわずか
    に下向きに傾斜して導かれることを特徴とする請求項1
    又は2に記載の乾燥具材の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記装置本体内の排気量が小さいほど装
    置本体内の酸素濃度を低下させることを特徴とする請求
    項1に記載の乾燥具材の製造方法。
  5. 【請求項5】 上記乾燥具材は、即席食品用の野菜類、
    肉類または魚貝類であることを特徴とする請求項1乃至
    4に記載の乾燥具材の製造方法。
  6. 【請求項6】 常圧下かつ低酸素状態の過熱水蒸気装置
    本体内に食品載置コンベアに載せられた乾燥具材を導
    き、110℃〜400℃に加熱した過熱水蒸気を10秒
    〜60分間、噴射ないしは同環境下で処理して乾燥具材
    を製造する乾燥具材の製造装置において、 上記過熱水蒸気装置本体の入口側および出口側に隣接し
    て設けられ、上記食品載置コンベアに載せられた乾燥具
    材の導入および排出を行う食品導入室および食品排出室
    と、 上記過熱水蒸気装置本体内の入口側および出口側に設け
    られて装置本体内の排気を行う装置本体内排気装置と、 を有し、 上記食品導入室は、 食品載置コンベアの装置本体内への導入口付近に過熱水
    蒸気を供給する第1の過熱水蒸気供給手段と、 室内の空気および過熱水蒸気を排気する第1の排気装置
    と、 を有し、 上記食品排出室は、 食品載置コンベアの装置本体外への排出口付近に過熱水
    蒸気を供給する第2の過熱水蒸気供給手段と、 室内の空気および過熱水蒸気を排気する第2の排気装置
    と、 を有し、 上記過熱水蒸気装置本体内に設けられた酸素濃度検出手
    段は、 排気量を制御する制御部と、 上記制御部に設けられ、上記装置本体内排気装置の排気
    量と酸素濃度との関係を示す関係テーブルとで構成さ
    れ、 上記酸素濃度検出手段は、上記装置本体内排気装置の排
    気量を検出し、上記関係テーブルに基づき、排気量から
    酸素濃度を検出し、 上記関係テーブルに基づき、上記装置本体内排気装置の
    排気量を可変設定することにより上記本体内の酸素濃度
    を可変設定することを特徴とする乾燥具材の製造装置。
  7. 【請求項7】 上記関係テーブルは、 上記装置本体内排気装置の排気量に加えて、上記第1の
    排気装置および上記第2の排気装置の排気量に対する酸
    素濃度の関係を示し、 上記酸素濃度検出手段は、 上記装置本体内排気装置の排気量に加えて、上記第1の
    排気装置と上記第2の排気装置の排気量を検出し、 上記関係テーブルに基づき、上記装置本体内排気装置の
    排気量に加えて、上記第1の排気装置と上記第2の排気
    装置の排気量を可変設定することにより上記過熱水蒸気
    装置本体内の酸素濃度を可変設定することを特徴とする
    請求項6に記載の乾燥具材製造装置。
  8. 【請求項8】 乾燥具材を予め油脂と混合ないしは噴霧
    コーティングさせることを特徴とする請求項1乃至請求
    項5に記載の乾燥具材の製造方法。
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CN105078219A (zh) * 2015-09-28 2015-11-25 南京乐鹰商用厨房设备有限公司 一种超高温蒸汽连续蒸烤机

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