JP4343491B2 - インバータ式x線高電圧装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、直流電圧をインバータ回路を用いて高周波の交流電圧に変換し、その出力交流電圧を変圧器を介してX線管に印加するインバータ式X線高電圧装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
インバータ式X線高電圧装置は、商用の交流電源からの交流電圧を交流リアクトルを介してサイリスタまたはダイオードで構成された全波整流回路を用いたコンバータ回路により直流電圧に変換し、これを平滑コンデンサで平滑してインバータ回路に入力し、インバータ回路から出力された高周波の交流電圧を高電圧変圧器で昇圧し、これを高電圧整流器で直流に変換してX線管に印加し、X線管からX線を放射するように構成している。このインバータ回路は、例えば特開昭63−190556号公報に記載されているように、共振コンデンサと高電圧変圧器の漏れインダクタンスとの共振現象を利用してインバータ回路の位相差や周波数を制御することにより負荷であるX線管に直流の高電圧(以下、管電圧と称す)を印加するものである。実際の管電圧は管電圧検出器によって検出し、これと目標値をインバータ制御回路に入力してインバータ回路の位相差や周波数を求めこれを制御するようにしている。
【0003】
このようなインバータ式X線高電圧装置は、一般のX線撮影装置から循環器X線撮影装置、X線CT装置等に広く適用されているが、最近の医療用X線高電圧装置は、性能面だけでなく設置面積の縮減および小型軽量化に対する要求が益々強まる一方であり、なかでも高電圧変圧器が装置体積に占める割合は大きく、高電圧変圧器を小型化することが望まれている。
【0004】
一般に、この高電圧変圧器は、一次側と二次側の磁気結合部に使用している磁性体コアが最大磁束密度を越えると、磁束の飽和領域に達してその機能を失い、さらにコアの磁束密度が飽和すると、一次側のインダクタンスが急激に減少するため、大きな電流が流れるようになり、装置の制御性だけでなく損失や安全面において大きな問題となる。磁束密度は、高電圧変圧器の一次側に流れる電流の大きさ、周波数、コアの外形によって決まるので、一般にはこの磁気飽和を避けるために高電圧変圧器のコアの断面積を大きくし、高電圧変圧器の一次側電流の周波数が一定である場合、電流値が最大のときに磁束密度が最大となり、このときコアの磁気飽和領域に達しないように設計している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、X線管を使用した負荷の変動範囲が大きいインバータ式X線高電圧装置では、高電圧変圧器の一次側に流れる電流値が小さく、すなわち磁束密度が小さい軽負荷条件において使用した場合でも、高電圧変圧器において磁気飽和が生じる場合があることが分かり、これが高電圧変圧器の小型化の障害となることが分かった。しかもこの現象は、半導体スイッチングデバイスのインバータ出力電圧のパルス幅が小さくて駆動時間が短い場合、本来の信号の長さに対して、半導体スイッチングデバイスのばらつきによる時間の長さが割合的に大きくなるインバータ回路の出力が小さい軽負荷の条件において顕著となることが分かった。この高電圧変圧器の磁気飽和を避けるため、インバータ回路の制御をインバータ出力電圧のパルス幅が大きく駆動信号が長い範囲に限定することが考えられるが、これは出力の変動範囲を狭くしてしまい、特に、X線高電圧装置の場合、負荷が最小から最大まで1000倍近く変化する広い範囲において制御する必要があり、これを採用することはできない。従って、負荷の変動範囲が広いX線高電圧装置で、その範囲全域においてコアの磁気飽和を防止することが望まれている。
【0006】
本発明の目的は、磁束密度が小さい軽負荷条件において発生する高電圧変圧器の磁気飽和を防止したインバータ式X線高電圧装置を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載した本発明は上記目的を達成するために、直流電源と、半導体スイッチングデバイスを有し上記直流電源に接続されて直流電圧を交流電圧に変換するインバータ回路と、このインバータ回路の出力側に一次巻線を接続した高電圧変圧器と、この高電圧変圧器の二次巻線側に接続したX線管とを備えたインバータ式X線高電圧装置において、上記インバータ回路の出力側に上記インバータ回路の出力電圧が正負非対称であることを検出する検出器を設け、少なくともこの検出器による検出があったとき上記インバータ回路の出力電圧が正負対称となるように上記インバータ回路を制御する補正手段を設けたことを特徴とする。
【0008】
本発明によるインバータ式X線高電圧装置は、磁束密度が小さい負荷条件において発生する高電圧変圧器の磁気飽和が、インバータ回路の半導体スイッチングデバイスの特性ばらつきによってインバータ回路の出力電圧が完全に正負対称とならないために、高電圧変圧器のコアが偏磁し、コアのヒステリシス特性によりこの偏磁が蓄積されて最終的にコアの磁気飽和領域に達することを究明し、インバータ回路の出力側にインバータ回路の出力電圧が正負非対称であることを直接的もしくは間接的に検出する検出器を設け、少なくともこの検出器による検出があったときインバータ回路の出力電圧が正負対称となるようにインバータ回路を制御する補正手段を設けたため、インバータ回路を構成する半導体スイッチングデバイスの特性ばらつきによるインバータ出力電圧の正負非対称を是正することができ、軽負荷条件において顕著となる高電圧変圧器の偏磁を抑制し、高電圧変圧器の磁気飽和を防止して小型化を図ることができる。
【0009】
また請求項2に記載した本発明は上記目的を達成するために、直流電源と、半導体スイッチングデバイスを有し上記直流電源に接続されて直流電圧を交流電圧に変換するインバータ回路と、このインバータ回路の出力側に一次巻線を接続した高電圧変圧器と、この高電圧変圧器の二次巻線側に接続したX線管と、このX線管の管電圧を検出する管電圧検出器と、この管電圧検出器による検出値を目標値と比較して上記インバータ回路の各半導体スイッチングデバイスに位相シフトPWM信号を与える管電圧フィードバック制御回路とを備えたインバータ式X線高電圧装置において、上記インバータ回路の出力側に上記インバータ回路の出力電圧が正負非対称であることを検出する検出器を設け、少なくともこの検出器による検出があったとき上記インバータ回路の出力電圧が正負対称となるように上記位相シフトPWM信号に補正を与える補正手段を設けたことを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載した本発明によれば、磁束密度が小さい負荷条件において発生する高電圧変圧器の磁気飽和が、インバータ回路の半導体スイッチングデバイスの特性ばらつきによってインバータ回路の出力電圧が完全に正負対称とならないために、高電圧変圧器のコアが偏磁し、コアのヒステリシス特性によりこの偏磁が蓄積されて最終的にコアの磁気飽和領域に達することを究明し、インバータ回路の出力側にインバータ回路の出力電圧が正負非対称であることを検出する検出器を設け、少なくともこの検出器による検出があったときインバータ回路の出力電圧が正負対称となるようにインバータ回路の半導体スイッチングデバイスに与える位相シフトPWM信号に補正を加える補正手段を設けたため、既存の管電圧フィードバック制御回路のための構成を利用して、インバータ回路を構成する半導体スイッチングデバイスの特性ばらつきによるインバータ回路の出力電圧の正負非対称を是正するように位相シフトPWM信号を補正することができ、軽負荷条件において顕著となる高電圧変圧器の偏磁を抑制し、高電圧変圧器の磁気飽和を防止して小型化を図ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施の形態によるインバータ式X線高電圧装置を示すブロック回路図である。
三相または単相の商用電源1には整流回路2が接続され、この整流回路2の出力側には平滑キャパシタ3に接続されている。この平滑キャパシタの正側と負側の間には、フルブリッジ構成の半導体スイッチングデバイス9,10と半導体スイッチングデバイス11,12を有するインバータ回路4が接続されており、この半導体スイッチングデバイス9〜12には、IGBTやMOS−FET、またはハイポーラトランジスタなどを用いることができる。半導体スイッチングデバイス9,10間と、半導体スイッチングデバイス11,12間に高電圧変圧器5の一次側を接続している。
【0012】
この高電圧変圧器5の一次側には電流検出器22が接続されており、この電流検出器22によって半導体スイッチングデバイス9〜12によって構成したインバータ回路4の出力電流を検出している。また高電圧変圧器5の二次側には高電圧整流器6を接続し、高電圧整流器6の出力側に管電圧検出器7とX線管8を接続している。
【0013】
このような構成のX線高電圧装置は、整流回路2からの直流電圧をインバータ回路4を用いて高周波の交流電圧に変換し、その出力電圧を高電圧変圧器5を介して昇圧した後、高電圧整流器6にて整流して直流電圧をX線管8に供給してX線を放射する。このとき管電圧検出器7によりX線管8に印加される電圧を検出し、この検出した管電圧検出値21は管電圧フィードバック制御回路19において管電圧目標値20と比較演算し、X線管8に印加される電圧が所望の電圧になるように、その後に位相シフトPWM信号回路18から位相シフトPWM信号を送出する。この信号は駆動回路13〜16により駆動信号として各半導体スイッチングデバイス9〜12に与える。
【0014】
一方、高電圧変圧器5の一次側には直流成分を検出できるカレントトランス(DC−CT)などの電流検出器22を設け、この電流検出器22によって検出されたインバー夕回路4の出力電流に直流分が含まれることを直流成分積出回路17で検出したとき、半導体スイッチングデバイスの位相シフトPWM信号に補正を加える補正手段を設けている。この補正手段は、詳細を後述するようにインバータ回路4の出力電流の直流成分を検出する直流成分積出回路17で直流分を検出したとき、この直流成分に応じて半導体スイッチングデバイス9と半導体スイッチングデバイス10の駆動回路13,14に入力して位相シフトPWM信号に補正を加えるように構成している。
【0015】
ここで、高電圧変圧器5の一次側を流れるインバータ回路4の出力電流から直流成分を取り出す直流成分検出回路17について、図2に示した回路図を用いて説明する。
同図(a)に示すRCフイルタや、同図(b)に示す一次遅れフィルタ、同図(C)に示す二次遅れフィルタまたはそれ以上の高次遅れフィルタを用いると、インバータ出力電流の平均が得られる。また同図(d)はインバータ回路4の出力電流の最大値と最小値を検出するもので、それらの差よりインバータ回路4の出力電流の偏りを検出することができる。直流成分検出回路17は、これらの例に限らずインバータ回路4の出力電流から直流成分を取り出すものであれぱよい。
【0016】
このような直流成分検出回路17によってインバータ回路4の出力電流における偏りを検出し、補正手段によってこの偏りを無くすように半導体スイッチングデバイス9〜12を制御する位相シフトPWM信号に補正を加える。高電圧変圧器5のコアが磁気飽和すると、インバータ回路4の出力電流は図3(a)のように磁気飽和と同時に直流分が増加する。この場合におけるコアの磁化特性を同図(c)とすると、例えば、領域αにおいて動作しているのを上述のように位相シフトPWM信号に補正を加えることにより、領域βで動作するようになる。この補正は、例えば、インバータ回路4の左側アームの半導体スイッチングデバイス9,10のDuty Factor(時比率)をインバータ回路4の出力電流における平均の偏りに応じて変化させる。この補正によって、インバータ回路4の出力電流は同図(b)のような安定した波形に是正されるようになる。
【0017】
上述したようにX線管8を使用した負荷の変動範囲が大きいインバータ式X線高電圧装置では、高電圧変圧器5の一次側に流れる電流値が小さく、すなわち磁束密度が小さい負荷条件において使用した場合でも、高電圧変圧器5において磁気飽和が生じる場合があることが分かり、これが高電圧変圧器5の小型化の障害となることが分かった。しかもこの現象は、半導体スイッチングデバイス9〜12の駆動時間が短い場合、本来の信号の長さに対して、各半導体スイッチングデバイス9〜12の特性ばらつきによる時間の長さが割合的に大きくなるインバータ回路4の出力が小さい軽負荷の条件において顕著となることが分かった。
【0018】
次に、半導体スイッチングデバイス9〜12を制御する位相シフトPWM信号の補正を行なう補正手段についてより具体的に説明する。
インバータ回路4を構成する各半導体スイッチングデバイスにおいては、図5に示すように半導体スイッチングデバイス9,10では同時にONすることなくDuty Factorを50%で動作させており、また半導体スイッチングデバイス11,12でも同時にONすることなくDuty Factorを50%で動作させている。各半導体スイッチングデバイス9〜12が理想的に全く同じ特性であれば、同図の実線で示すようにON,OFF制御されてインバータ回路4の出力電圧は全く同じパルス幅で正負対称となる。
【0019】
しかしながら、半導体スイッチングデバイスの特性ばらつきにより、図5に示すようにインバータ回路4の各半導体スイッチングデバイス9〜12のうち半導体スイッチングデバイス12のオン期間が点線で示すように短い場合、インバータ回路4の出力電圧は正負対称でなくなり負側に偏りが生じる。この結果、図3(a)に示すようにインバータ回路4の出力電流には負側に直流分が生じ、これが電流検出器22および直流成分検出回路17によって検出される。
【0020】
直流分を検出した直流成分検出回路17は、この直流成分に応じて半導体スイッチングデバイス9と半導体スイッチングデバイス10の駆動回路13,14に入力される位相シフトPWM信号に補正を加える。つまり、ここでは図6に点線で示すように検出した直流成分に応じて半導体スイッチングデバイス9のDuty Factorを大きくし、それに対し半導体スイッチングデバイス10のDuty Factorを小さくする。これによりインバータ出力電圧は、図6に点線で示すように正負対称な波形に是正され、高電圧変圧器5における偏磁をなくし、磁気飽和の発生を防止することができる。
【0021】
このようなインバータ式X線高電圧装置は、少なくとも電流検出器22による直流分の検出があったときその直流分を零に近づくようにインバータ回路4を制御する補正手段を設けたため、高電圧変圧器5における磁気飽和、特に、負荷の変動範囲が大きいインバータ式X線高電圧装置では、高電圧変圧器5の一次側に流れる電流値が小さく、すなわち磁束密度が小さい負荷条件において使用した場合、しかも半導体スイッチングデバイス9〜12の駆動時間が短い場合、本来の信号の長さに対して各半導体スイッチングデバイス9〜12の特性ばらつきによる時間の長さが割合的に大きくなるインバータ回路4の出力が小さい軽負荷の条件において顕著となる磁気飽和を防止することができるようになる。従って、一次側と二次側の磁気結合を良好に保ち高電圧変圧器5の機能を有効に利用することができるうえに、磁気飽和によって発生するインバータ回路4の出力電流の増加を防止することができる。
【0022】
また、インバータ回路4の出力側にその出力電圧が正負非対称であることを検出する電流検出器22を設け、少なくともこの電流検出器22による検出があったときインバータ回路4の出力電圧が正負対称となるようにインバータ回路4の半導体スイッチングデバイス9〜12に与える位相シフトPWM信号に補正を加える補正手段を設けたため、既存の管電圧フィードバック制御回路19のための構成を利用して、インバータ回路4を構成する半導体スイッチングデバイス9〜12の特性ばらつきによるインバータ回路4の出力電圧の正負非対称を是正するように位相シフトPWM信号を補正することができ、軽負荷条件において顕著となる高電圧変圧器の偏磁を抑制し、高電圧変圧器の磁気飽和を防止して小型化を図ることができる。
【0023】
上述した実施の形態においては、位相シフトPWM信号の補正をインバータ回路4の左側アームにおける半導体スイッチングデバイス9,10に対して行なう場合について述べたが、この補正はインバータ回路4の右側アームにおける半導体スイッチングデバイス11,12に対して行なっても、あるいは左右両側アームのそれぞれに対して行なってもよい。
【0024】
図4は、本発明の他の実施の形態によるインバータ式X線高電圧装置を示すブロック構成図であり、図1に示した実施の形態との同等物には同一符号を付けて詳細な説明を省略する。
この実施の形態では、ハーフブリッジ構造のインバータ回路4を用いて構成したもので、図1に示したフルブリッジ構造のインバータ回路4から半導体スイッチングデバイス11,12を除き、直列接続した平滑キャパシタ3a,3b間とは半導体スイッチングデバイス9,10の間に高電圧変圧器5の一次側巻線を接続している。高電圧変圧器5の一次側に設けた電流検出器22から直流分を検出する直流成分検出回路17は、半導体スイッチングデバイス9,10の駆動回路13,14に入力される位相シフトPWM信号を補正するようにしている。
【0025】
このようなハーフブリッジ構造のインバータ回路4を用いた場合も、先の実施の形態の場合とほぼ同様の効果を得ることができる。さらに、プッシュプル構造といったPWM制御を行なうインバータ回路4を用いたり、インバータ回路4の出力電流を検出するためにカレントトランス(DC−CT)に代えてシャント抵抗によるもの、あるいは変圧器の磁束を検出するものといった直流成分を含む出力電流を検出できる電流検出器4を用いてもよい。
【0026】
図7は、本発明のさらに他の実施の形態によるインバータ式X線高電圧装置を示すブロック構成図であり、図1に示した実施の形態との同等物には同一符号を付けて詳細な説明を省略する。
この実施の形態では、インバータ回路4の出力側、つまり高電圧変圧器5の一次側に電圧検出器23を設け、この電圧検出器23によって検出したインバータ回路4の出力電圧を出力電圧パルスアンバランス検出器24に入力している。この出力電圧パルスアンバランス検出器24は、図5に示したインバータ出力電圧の正側と負側とのパルス幅における差の有無を検出している。また、この出力電圧パルスアンバランス検出器24によってパルス幅のアンバランスを検出したとき作動する補正手段が先の実施の形態の場合と同様に構成されており、この補正手段は、パルス幅のアンバランスに応じて半導体スイッチングデバイス9,10の駆動回路13,14に入力される位相シフトPWM信号を補正して、インバータ出力電圧が正負対称となるようにインバータ回路4を制御している。
【0027】
図1に示した実施の形態では、図5に示したインバータ回路4の出力電圧の正側と負側のアンバランスを、その出力側に設けた電流検出器22によってインバータ回路4の出力電流に表れる図3の直流分から検出するようにしたのに対し、この実施の形態では、図5に示したインバータ回路4の出力電圧の正側と負側のアンバランスを、その出力側に設けた電圧検出器23によってインバータ回路4の出力電圧のパルス幅から検出するようにしている。この実施の形態でも、図1に示した実施の形態の場合と同様の効果を得ることができる。
【0028】
この説明から分かるように、高電圧変圧器5の一次側に設ける検出器としては、電流検出器22および電圧検出器23のいずれか一方を使用することができ、図5に示したインバータ回路4の出力電圧の正側と負側のアンバランスを直接的あるいは間接的に検出し、この検出があったときインバータ出力電圧が正負対称となるようにインバータ回路4を制御する補正手段を構成すればよい。
【0029】
尚、上述した各実施の形態では、補正手段により図3(a)に示した直流分が零になるように、あるいはインバータ回路4の出力電圧の正側と負側のパルス幅の差が零になるようにそれぞれ位相シフトPWM信号を補正したが、高電圧変圧器5における偏磁が悪影響を及ばさない直流分あるいはパルス幅の差を所定の目標値として設定し、この所定の目標値内となるように位相シフトPWM信号を補正する補正手段としてもよい。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように本説明のインバータ式X線高電圧装置によれば、インバータ回路を構成する半導体スイッチングデバイスの特性ばらつきによるインバータ回路の出力電圧の正負非対称を補正することにより、軽負荷条件において顕著となる高電圧変圧器の偏磁を抑制して高電圧変圧器の磁気飽和を防止し、高電圧変圧器およびそれを用いたインバータ式X線高電圧装置の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態によるインバータ式X線高電圧装置のブロック構成図である。
【図2】図1に示したインバータ式X線高電圧装置における直流成分検出回路を示す回路図である。
【図3】図1に示したインバータ式X線高電圧装置におけるインバータ出力電流などを示す特性図である。
【図4】本発明の他の実施の形態によるインバータ式X線高電圧装置のブロック構成図である。
【図5】図1に示したインバータ式X線高電圧装置における各半導体スイッチングデバイスに特性ばらつきがあったときの動作特性図である。
【図6】図1に示したインバータ式X線高電圧装置における補正時の各半導体スイッチングデバイスの動作特性図である。
【図7】本発明のさらに他の実施の形態によるインバータ式X線高電圧装置のブロック構成図である。
【符号の説明】
1 商用電源
2 整流回路
3 平滑キャパシタ
4 インバータ回路
5 高電圧変圧器
6 高電圧整流器
7 管電圧検出器
8 X線管
9〜12 半導体スイッチングデバイス
17 直流成分検出回路
18 位相シフトPWM信号回路
19 管電圧フィードパック制御回路
22 電流検出器
Claims (3)
- 一定直流電圧を発生する直流電源と、複数の半導体スイッチングデバイスを有し上記直流電源に接続されて直流電圧を交流電圧に変換するインバータ回路と、上記複数の半導体スイッチングデバイスをそれぞれ駆動する複数の駆動回路と、このインバータ回路の出力側に一次巻線を接続した高電圧変圧器と、この高電圧変圧器の二次巻線側に接続されて交流を直流に変換する整流器と、整流器の出力に接続してX線管電圧が与えられるX線管とを備えたインバータ式X線高電圧装置であって、
上記インバータ回路出力電圧制御用の第1の制御手段と上記X線管管電圧制御用の第2の制御手段と上記インバータ出力電圧が正負非対称であることを検出する正負非対称検出器と上記X線管に接続されてX線管管電圧を検出する管電圧検出器とをさらに設け、上記第1、第2の制御手段からの出力がいずれも上記駆動回路に入力し、上記インバータ回路出力電圧制御用の第1の制御手段からの上記出力は上記インバータ出力電圧が正負非対称であるという検出結果を上記正負非対称検出器が得たときに上記インバータ回路の出力電圧が正負対称となるようにパルス制御するものであり、上記X線管管電圧制御用の第2の制御手段からの出力は上記管電圧検出器からの検出管電圧が目標管電圧となるようにパルス制御し、
上記半導体スイッチングデバイスは第1から第4までの半導体スイッチングデバイスであり、第1と第2のスイッチングデバイスと第3と第4のスイッチングデバイスはそれぞれ直列接続され、かつ、第1と第3のスイッチングデバイスは並列接続され、第1のスイッチングデバイスと第2のスイッチングデバイスはオンオフが互いに反対になるように制御され、第3のスイッチングデバイスと第4のスイッチングデバイスはオンオフが互いに反対になるように制御されるインバータ式X線高電圧装置において、
上記出力電圧の正負非対称を解消するにあたり上記第1と第2のスイッチングデバイスの組み合わせと上記第3と第4のスイッチングデバイスの組み合わせのうち少なくとも一方の組み合わせのスイッチングデバイスのオン時間のオン時間及びオフ時間を合わせた全時間に対する比率である時比率を増減させて上記インバータの出力電圧が正負対称となるように制御するとともに、上記管電圧が所望の電圧になるように上記第1と第2のスイッチングデバイスと上記第3と第4のスイッチングデバイスを駆動するための駆動信号の位相差を制御し、前記一方の組み合わせの時比率を増減させる際には、該一方を構成する2つのスイッチングデバイスの内一方の時比率を変化させて、他方の時比率を該一方と相反するように増減させて上記インバータの出力電圧が正負対称となるように制御することを特徴とするインバータ式X線高電圧装置。 - 上記正負非対称検出器には、少なくとも上記インバータ回路の出力側に設けられた電流検出器あるいは電圧検出手段の一方が含まれることを特徴とする請求項1に記載のインバータ式X線高電圧装置。
- 上記正負非対称検出器に含まれる電流検出器として、RCフィルタ、一次遅れフィルタ、二次遅れフィルタ、または二次以上の高次遅れフィルタのいずれかを用いることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載のインバータ式X線高電圧装置。
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