JP4342236B2 - 車両用風向調節装置 - Google Patents

Description

空調風を車室内の所定の領域に送風する車両用風向調節装置に関する。

従来から特許文献１の図１に示されるように、車室内に配設されるインストルメントパネルの車両左右方向の端部周辺にサイドベント吹出口が設けられ、このサイドベント吹出口から空調風を車室内に送風することで車室内の温度環境を改善することが行われている。
特開平１１−３１２０２４号公報

車室内温度が乗員にとって快適な温度に保たれている場合でも、たとえば夏季には、サイドガラスから射込む日差しが乗員にあたることで、乗員は加熱され、不快を感じる場合がある。そこで、前記従来の車両用風向調節装置では、サイドベント吹出口から空調風を送風することで不快感を緩和しているが、空調風を送風できる領域が狭いために、このような不快感を十分に緩和することが困難な場合があった。

そこで、本発明は、サイドガラスからの日差し、および冷気などによる不快感を十分に緩和することができる車両用風向調節装置を提供することを目的とする。

請求項１記載の発明は、上記課題を解決するため、車室内に配設され、車両最前部のサイドガラス前縁部の車両上下方向に沿って、且つ車両後方に向かって開口し、前記サイドガラス内面沿って空調風を送風する吹出口を備えたことを特徴とする。

請求項１記載の発明によれば、サイドガラス内面に沿って空調風を送風することによって、サイドガラスからの日射、および冷気等を遮断し、快適な車室内環境を提供することができる。

また、Ａピラー下端部周辺に吹出口が配設されていることにより、乗員の視界を妨げることなく快適な車室内環境を提供することができる。

以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図１は本発明の一実施形態である車両用風向調節装置を備えた車室内の様子を示す図、図２は本実施形態の吹出口の様子を示す図、図３は吹出口から空調風が送風される様子を示す側面図、図４は吹出口から空調風が送風される様子を示す上面図、図５は空調装置と車両用風向調節装置を連通するダクトの様子を示す概要図、図６は空調装置の各送風モードにおける配風マップである。

図１〜図４に示されるように、本実施形態の車両用風向調節装置１の吹出口としてのＡピラー吹出口１０はＡピラー下端部周辺２０の車室内側に配設され、車両最前部のサイドガラス前縁部２３の車両上下方向に沿って、且つ車両後方に向かって開口し、サイドガラス内面２２に沿って空調風を送風するように構成されている。

Ａピラー吹出口１０には、ルーバー１１が設けられ、サイドガラス２１のほぼ全面に亘って空調風が広がるようにルーバー１１の各フィン１２の角度が設定されている。さらに、可動ルーバー（不図示）の角度を調節することで、空調風をサイドガラス内面２２に向けて送風することや、乗員４０に向けて送風することができるように構成されている。

また、図５に示されるように、Ａピラー吹出口１０に供給される空調風は、インストルメントパネル３０の内部に配設された空調装置３１からインストルメントパネル３０の内部に配設されたダクト３３を通じて送風される。このダクト３３は途中でＡピラー吹出口１０とサイドベント吹出口３２に分岐し、分岐後のダクト３３の断面積比に応じてＡピラー吹出口１０に供給される風量とサイドベント吹出口３２に供給される風量が決定される。

空調装置３１の各送風モードにおける配風パターンの一例として、図６に示されるような配風比がある。この配風パターンでは、常にＡピラー吹出口１０から空調風が送風されているが、送風モードに応じてＡピラー吹出口１０に通じるダクト３３を閉じることも可能である。また、Ａピラー吹出口１０にシャットルーバ（不図示）を設け、乗員の要求に応じてＡピラー吹出口１０の開閉を行えるようにすることもできる。

以上のように構成された車両用風向調節装置においては、サイドガラス内面２２に沿って空調風を送風し、サイドガラス２１サイドガラス内面２２と乗員４０との間にいわゆる風のカーテンを形成することによって、サイドガラス２１からの日射、および冷気等を遮断し、快適な車室内環境を提供することができる。

Ａピラー下端部周辺２０にＡピラー吹出口１０が配設されていることにより、乗員４０の視界を妨げることなく快適な車室内環境を提供することができる。

また、サイドガラス２１の全面に亘って空調風を送風することによって、窓曇りをすばやく取除くことができる。

なお、本実施形態ではＡピラー下端部周辺２０にＡピラー吹出口１０が設けられているが、Ａピラーの中央部、および上端部等に吹出口を設けても同様の効果を得ることができる。

本発明の一実施形態である車両用風向調節装置を備えた車室内の様子を示す概要図である。 本実施形態の吹出口の様子を示す図である。 吹出口から空調風が送風される様子を示す側面図である。 吹出口から空調風が送風される様子を示す上面図である。 空調装置と車両用風向調節装置を連通するダクトの様子を示す概要図である。 空調装置の各送風モードにおける配風マップである。

符号の説明

１…車両用風向調節装置
１０…Ａピラー吹出口（吹出口）
２０…Ａピラー下端部周辺
２２…サイドガラス内面
２３…サイドガラス前縁部

Claims (1)

1. インストルメントパネル（３０）の車両左右方向の端部周辺に開口するサイドベント吹出口（３２）と、
   車室内のＡピラー下端部周辺（２０）の該インストルメントパネル（３０）上に突設され、車両最前部のサイドガラス前縁部（２３）の車両上下方向と車両左右方向に沿って、且つ車両後方に向かって開口し、前記サイドガラス内面（２２）に沿って空調風を送風する吹出口（１０）と、
   該インストルメントパネル（３０）の内部に配設され、該サイドベント吹出口（３２）、および該吹出口（１０）に分岐するダクト（３３）とを備え、
   該吹出口（１０）から常に空調風が送風されることを特徴とする車両用風向調節装置。

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