JP4341944B2 - パチンコ遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、外枠に対して前面枠が開閉自在に軸支されているパチンコ遊技機に関し、特に外枠を各メーカー間で共通使用することができるようにしたパチンコ遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、パチンコ遊技機においては、各種遊技機器の点検や修理のため外枠に対して前面枠が開閉自在に軸支されている。ところで、従来の前面枠の軸支構造は、外枠と前面枠の一側縁を開閉自在に蝶着する上部ヒンジ機構と下部ヒンジ機構とから構成されており、上部ヒンジ機構は、外枠の上部隅部に固着される上部固定金具と前面枠の一側上部に固着される上部可動金具とから構成され、下部ヒンジ機構は、外枠の下部隅部に固着される下部固定金具と前面枠の一側下部に固着される下部可動金具とから構成されている。そして、上部固定金具に設けられた軸孔に上部可動金具の下向きの上ヒンジ軸を嵌め合わせて軸着し、また下部固定金具に上向きに突設した下ヒンジ軸を下部可動金具に設けた軸孔に嵌め合わせて軸着することにより、これらの上下ヒンジ軸を支点に前面枠を外枠に対して開閉自在に軸支するように構成されている。
【0003】
一方、周知のように従来のパチンコ遊技機では、外枠の開放側内側面の上下位置に係止金具を設けると共に、前面枠の開放側内側面に解錠操作により上下方向へ摺動自在な施錠杆を有する施錠機構を設け、施錠杆の上下部に設けられた鉤部を外枠の係止金具にそれぞれ係合させて前面枠体を施錠すると共に、鍵によるシリンダー錠の回動操作により施錠杆を摺動させて鉤部と係止金具との係合を解除することにより前面枠の施錠を解錠するように構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来のパチンコ遊技機にあっては、外枠と前面枠を開閉自在に蝶着する上部ヒンジ機構と下部ヒンジ機構、或いは施錠機構の施錠杆と外枠の係止金具との対応位置関係が各メーカー毎に微妙に異なっているため、例えばパチンコ店に設置されている[A]というパチンコ遊技機を他メーカーの[B]というパチンコ遊技機に機種変更しようとした場合、上述のような構造上の相違からどうしても外枠を含むパチンコ遊技機全体を交換しなくてはならなかった。このため、このような機種変更の作業は非常に煩雑かつ面倒なものとなってパチンコ店側に大きな負担を強いるばかりでなく、パチンコ遊技機の製造コスト高を招く結果となり、さらには交換された外枠は不要物となって廃材として処理する以外に方法がなく、非常に不経済であるばかりか、焼却などの廃材処理に要する手間や環境保護の観点から問題が多いとされていた。
【0005】
本発明は上記のような問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、外枠を交換することなく容易に機種変更することができるようなパチンコ遊技機を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、請求項1記載の発明は、外枠の一側縁の上下部にヒンジ機構を備え、該ヒンジ機構は、外枠に固定するヒンジ保持部材と該ヒンジ保持部材に着脱可能に装着される前面枠取付用ヒンジ部材との2部材から構成されており、前面枠の一側縁の上下部に設けられたヒンジ部材をヒンジ機構の前面枠取付用ヒンジ部材に軸支することにより前面枠を外枠に開閉可能に取り付けるようにしたことを特徴としている。
【0007】
また、請求項2記載の発明は、前記ヒンジ保持部材に係合孔を設けると共に、前面枠取付用ヒンジ部材に嵌合突起を設け、該嵌合突起を係合孔に嵌め合わせることにより前面枠取付用ヒンジ部材をヒンジ保持部材に着脱可能に装着するようにしたことを特徴としている。
【0008】
そして、請求項1又は2記載の発明によれば、各メーカーの前面枠に使用される上下ヒンジ部材にそれぞれ適合可能な軸支構造を備えた前面枠取付用ヒンジ部材をあらかじめ用意して置くことにより、変更する機種の上下ヒンジ部材に適合する前面枠取付用ヒンジ部材を選択して外枠のヒンジ保持部材に装着するだけの簡単な作業で変更する機種の前面枠を外枠に軸支することができるもので、前面枠の軸支構造が異なるパチンコ機であっても外枠を交換することなく容易に機種変更することが可能となる。
【0009】
また、請求項3記載の発明は、前面枠に解錠操作により上下方向へ摺動自在な施錠杆を有する施錠機構を設け、外枠に施錠杆の鉤部と係脱する係止金具を設けた請求項1又は2記載のパチンコ遊技機であって、前記係止金具は、外枠に固定する調節支持板と該調節支持板に着脱可能に装着される係止部材との2部材から構成されており、係止部材に施錠杆の鉤部と係脱する係止部を設けて成ることを特徴としている。
【0010】
この構成によれば、外枠の係止金具と変更する機種の施錠機構の施錠杆との対応位置関係が異なっていても、係止部材を調節支持板に対して変更する機種の施錠杆の鉤部が係合可能な位置に装着することにより、前面枠の施錠機構が異なるパチンコ機であっても外枠を交換することなく容易に機種変更することが可能となる。
【0011】
また、請求項4記載の発明は、前記調節支持板であって、その縦方向に複数の係合孔を設けると共に、係止部材に嵌合突起を設け、該嵌合突起を係合孔に嵌め合わせることにより係止部材を調節支持板に対して着脱可能に装着するようにしたことを特徴としており、請求項5記載の発明は、前記係合孔が、大径孔部と小径孔部とが連通状に設けられた鍵穴形状であり、嵌合突起は、係合孔の大径孔部に嵌合可能な大径頭部と小径孔部に係合可能な細径基部とを有することを特徴としている。
【0012】
この構成によれば、ヒンジ保持部材に対する前面枠取付用ヒンジ部材、或いは調節支持板に対する係止部材の係脱が簡単かつ確実にでき、より一層機種変更が容易に可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、図面を参照して本発明の一実施の形態を説明する。図1は本発明が適用されるパチンコ遊技機の正面図、図2はガラス板保持枠と打球供給皿を有する前面板及び余剰球受皿を有する前面下部板を開いた状態のパチンコ遊技機の斜視図、図3はガラス板保持枠と打球供給皿を有する前面板及び余剰球受皿を有する前面下部板を装着した状態の前面枠を外枠から分離した状態の斜視図、図4は外枠と前面枠を分離した状態の斜視図である。パチンコ遊技機1は、ベニヤ板等の合板により縦長な方形状に枠組み形成される外枠2と、該外枠2の一側縁に設けられた上部ヒンジ機構3a及び下部ヒンジ機構3bによって開閉自在に軸支される前面枠4とを備え、該前面枠4の前面一側にガラス板保持枠5と、打球供給皿6を有する前面板7及び余剰球受皿8を有する前面下部板9とを開閉自在に軸支して構成されている。
【0014】
前記前面枠4は、図4に示すように鉄板等の金属板によって形成されるもので、上部に開口部10が形成され、その下部が板状部11aとして形成された主枠部11と、該主枠部11の裏面側であり、開口部10の上側位置を除く左右両側位置及び下側位置にそれぞれカシメ着されて該主枠部11と一体化される遊技盤取付枠12とを有し、その遊技盤取付枠12であり、かつ主枠部11の開口部10を覆うように遊技盤13が着脱可能に取り付けられるようになっている。この遊技盤13の前面には円形状の誘導レール13aが複数のレール取付ピンで取り付けられており、該誘導レール13aで囲まれる領域が遊技領域として構成されている。
【0015】
また、前記前面枠4には図2に示すようにパチンコ遊技機1の主要な遊技構成部品のほぼすべてが集約して設けられている。すなわち、前面枠4の主枠部11前面には、遊技盤13の遊技領域外を覆うように合成樹脂により形成されたレール飾り部材14と、同じように合成樹脂により形成されたレール変形防止部材15が設けられ、遊技盤13の遊技領域外には証紙貼付部材16が設けられる。また、開口部10の下方の板状部11aに貫通形成された円形状取付孔17には打球発射機構18が設けられ、ほぼ四角状取付孔19には通路構成体20が取り外し自在に装着されるようになっている。
【0016】
前記打球発射機構18は、発射レール21と、該発射レール21の発射位置に臨む打球杆22と、該打球杆22の駆動源としてのロータリーソレノイド23と、打球杆22の発射動作に連動して打球供給皿6に貯留される打球を1個ずつ発射レール21の発射位置に供給する自動球送り装置24とをそれぞれ板状の保持体25に一体に組付けてユニット化されている。そして、円形状取付孔17にロータリーソレノイド23を前面側から臨ませると共に、保持体25の裏面側に突設された複数の嵌合突起(図示せず)を板状部11aに穿設された係合孔26に係合させることによって、打球発射機構18が前面枠4の主枠部11にビス止めすることなくワンタッチで強固に取り付けられるようになっている。
【0017】
前記通路構成体20は、その上部位置にファール球を受けるファール球受皿部27と、前面板7の開放時に零れ落ちる賞球を受ける賞球受皿部28が隔壁29によりそれぞれ分離して設けられており、ファール球受皿部27と連通状にファール球誘導通路31が、また賞球受皿部28と連通状に零れ球誘導通路30がそれぞれ互いに独立して設けられている。そして、ほぼ四角状取付孔19に通路構成体20の後部分を前面側から臨ませると共に、複数の後向き係止爪(図示せず)を板状部11aに穿設された係合溝32に係止されることによって、通路構成体20が前面枠4の主枠部11にビス止めすることなくワンタッチで強固に取り付けられるようになっている。
【0018】
このように、打球発射機構18、或いは通路構成体20をユニット化して鉄板等の金属板によって形成される前面枠4に取り外し自在に装着するようにすることにより、前面枠4と打球発射機構18、或いは通路構成体20の分離仕分け作業が容易となり、パチンコ遊技機を廃棄処分したりリサイクルしたりするのに好都合となる。
【0019】
一方、図3及び図4に示すように前記前面枠4の前面であり、かつその軸支側の上端には、ガラス板保持枠5の一側上端を軸支するための下向きのヒンジ軸33を突設した支持体34が固着されている。また、中程よりやや下方位置にガラス板保持枠5の一側下端と前面板7及び前面下部板9とを軸支するためのヒンジ金具35が固着されている。このヒンジ金具35は、上下両端に水平な支持片36,36を有するコ字形に形成されており、両支持片36,36にヒンジ軸杆37が貫通されている。このヒンジ軸杆37の下端は前面枠4の前方に突出する後述の下部可動金具85の支持板部90に固着されており、その上端が上部の支持片36から上方に突出されている。そして、その上部の支持片36から上方に突出するヒンジ軸杆37にガラス板保持枠5の一側下端が軸支され、両支持片36,36間に位置するヒンジ軸杆37に前面板7が軸支され、さらに下部の支持片36と後述する前面枠4の下部可動金具85の支持板部90間に位置するヒンジ軸杆37に前面下部板9が軸支されるようになっている。
【0020】
前記前面板7の前面に設けられる打球供給皿6は、その左側部分が図1に示すように前面が開放されたドーム状の空間部38が形成されるような膨出部40とされており、その空間部38に灰皿39が前方に回転自在に軸支されている。このように、ドーム状の空間部38に灰皿39を設けることによって、灰皿39を目立たなくすることができると共に、全体的なデザイン効果を高めることができるようになっている。また、前記ドーム状の空間部38が設けられた膨出部40の上部には半透明のレンズカバー41が設けられ、カード式パチンコ機用の残高表示装置42がレンズカバー41の内側に取り付けられている。さらに残高表示装置42の近くにカード式パチンコ機における貸し球ボタン43、カード返却ボタン44等の操作部が設けられている。
【0021】
前記前面下部板9の前面に設けられる余剰球受皿8は、図1に示すようにその右側位置にハンドル装置45が設けられており、該余剰球受皿8の前面を装飾する装飾カバー体46と、ハンドル装置45のカバー部47とが滑らかな湾曲面状で連続性を有する一体形状となるように形成されている。また、余剰球受皿8の前面ほぼ中央部には、多数の透音孔48を設けたパンチングメタル49を介してスピーカー50が取り付けられている。そして、スピーカー50の音がパンチングメタル49を通して余剰球受皿8の前面ほぼ中央部から直接に出されるようになっている。
【0022】
次に、本発明の特徴とする外枠2の上部ヒンジ機構3a及び下部ヒンジ機構3bについて説明する。前記上部ヒンジ機構3aは、図5ないし図7に示すように上ヒンジ保持部材31aと該上ヒンジ保持部材31aにそれぞれ着脱可能に装着される上前面枠取付用ヒンジ部材311aとの2部材から構成されている。前記上ヒンジ保持部材31aは、金属板を折り曲げて略逆L字形に形成されるもので、外枠2の上部水平枠部2aの上面にネジ止め等により固定される水平板部51と、外枠2の左側枠部2bの上部外側にネジ止め等により固定される垂直板部52とを有し、その水平板部51と垂直板部52のそれぞれ前縁を内側に折り曲げて外枠2の上部水平枠部2aの前面縁部に対峙する第1支持部53と、左側枠部2bの前面縁部に対峙する第2支持部54とを一体に設けている。
【0023】
前記第1支持部53及び第2支持部54は上前面枠取付用ヒンジ部材311aを取り付けるためのもので、第1支持部53には2個の係合孔55,55が横に所定間隔を離して穿設されており、第2支持部54には同様に2個の係合孔56,56が縦に所定間隔を離して穿設されている。前記係合孔55、55及び56、56は、大径孔部65と小径孔部66とが連通状に設けられた鍵穴形状に形成されており、前記係合孔56,56は第2支持部54の内縁部分を切欠69,69して外部と連通状に設けられている。なお、第1支持部53と第2支持部54のそれぞれ端部には後方へ直角に折れ曲る折曲部57,57が設けられており、その折曲部57,57を上水平枠部2a及び左側枠部2bの内側にそれぞれ当接することによって外枠2に対する上ヒンジ保持部材31aの固定状態を確固と維持することができるようになっている。
【0024】
一方、前記上前面枠取付用ヒンジ部材311aは、金属板により略逆L字形に形成されており、その横片部58と縦片部59の内側には嵌合突起60,60及び61,61がそれぞれ突設されている。この嵌合突起60、60及び61、61は、前記上ヒンジ保持部材31aに設けられた係合孔55、55及び56、56の大径孔部65に嵌合可能な大径頭部67と小径孔部66に係合可能な細径基部68とを有する。また、横片部58の上縁部分には折り曲げにより前方に向けて水平に突出する軸受片62が一体に形成されており、その軸受片62に外側に向かって開口する切欠き溝63と該切欠き溝63と連通状の軸受孔64が穿設されている。なお、切欠き溝63の両側に位置する軸受片62の上面は、手前下から後方上へ向かう上向き傾斜面62a,62aとして形成されている。
【0025】
上記のように構成された上前面枠取付用ヒンジ部材311aを上ヒンジ保持部材31aに取り付けるには、嵌合突起60、60及び61,61の大径頭部67を係合孔55,55及び56,56の大径孔部65に嵌めて上前面枠取付用ヒンジ部材311aを上ヒンジ保持部材31aに密着させ、この状態で上前面枠取付用ヒンジ部材311aを横方向にスライドさせて図8に示すように嵌合突起60、60及び61,61の細径基部68と係合孔55,55及び56,56の小径孔部66とを係合させる。この際に前記係合孔56,56は切欠69,69により外部と連通状に設けられているので、嵌合突起61,61を係合孔56,56に対してスムーズに嵌合することができ、これによって、上前面枠取付用ヒンジ部材311aを上ヒンジ保持部材31aにワンタッチで強固に取り付けることができる。また、このようにして、上ヒンジ保持部材31aに取り付けられた上前面枠取付用ヒンジ部材311aを取り外すには、上前面枠取付用ヒンジ部材311aを上方へ押し上げて嵌合突起60、60及び61,61の細径基部68を係合孔55,55及び56,56の小径孔部66から外した後、嵌合突起60、60及び61,61の大径頭部67を係合孔55,55及び56,56の大径孔部65に一致させることによって簡単に達せられる。
【0026】
一方、前記外枠2の下部ヒンジ機構3bは、図9ないし図11に示すように上部ヒンジ機構3aと同じように下ヒンジ保持部材31bと該下ヒンジ保持部材31bにそれぞれ着脱可能に装着される下前面枠取付用ヒンジ部材311bとの2部材から構成されている。前記下ヒンジ保持部材31bは、金属板を折り曲げて略L字形に形成されるもので、外枠2の左側枠部2bの下部外側にネジ止め等により固定される垂直板部70と、その垂直板部70の前縁下部から内側に直角状に折り曲げられて外枠2の腰板部71の上方に位置する支持板部72とを有する。この支持板部72は下前面枠取付用ヒンジ部材311bを取り付けるためのもので、大径孔部73と小径孔部74とが連通状に設けられた鍵穴形状の2個の係合孔75,75が横に所定間隔を離して穿設されている。なお、垂直板部70の前縁上部には外枠2の左側枠部2bに前面側から嵌め込むコ字状の折曲部76が形成されており、これによって、下ヒンジ保持部材31bを外枠2に対してがたつかないように確固と固定できるようになっている。
【0027】
また、前記下前面枠取付用ヒンジ部材311bは、金属板により略L字形に形成されるもので、その垂直部77の内側に前記下ヒンジ保持部材31bの係合孔75,75に嵌合する2個の嵌合突起78,78が突設されており、垂直部77の下縁から前方に突出する水平部77aの先端上面に下ヒンジ軸81が上向きに突設されている。なお、前記嵌合突起78,78は大径孔部73に嵌合可能な大径頭部79と小径孔部74に係合可能な細径基部80とを有する。
【0028】
上記のように構成された下前面枠取付用ヒンジ部材311bを下ヒンジ保持部材31bに取り付けるには、嵌合突起78,78の大径頭部79を係合孔75,75の大径孔部73に嵌めて下前面枠取付用ヒンジ部材311bを下ヒンジ保持部材31bに密着させ、この状態で下前面枠取付用ヒンジ部材311bを下方に押し下げて図11に示すように嵌合突起78,78の細径基部80と係合孔75,75の小径孔部74とを係合させる。これによって、下前面枠取付用ヒンジ部材311bを下ヒンジ保持部材31bにワンタッチで強固に取り付けることができる。また、このようにして、下ヒンジ保持部材31bに取り付けられた下前面枠取付用ヒンジ部材311bを取り外すには、下前面枠取付用ヒンジ部材311bを上方へ押し上げて嵌合突起78,78の細径基部80を係合孔75,75の小径孔部74から外した後、嵌合突起78,78の大径頭部79を係合孔75,75の大径孔部73に一致させることによって簡単に達せられる。なお、前記下前面枠取付用ヒンジ部材311bであって、その垂直部77の上縁には後方へ直角に折れ曲る突出片82と上方へ延びる補強片83が形成されており、突出片82を下ヒンジ保持部材31bの垂直板部72の上縁に戴置させると共に、補強片83を下ヒンジ保持部材31bの折曲部76に当接させることによって下前面枠取付用ヒンジ部材311bを下ヒンジ保持部材31bに確固と保持できるようになっている。なお、前記上ヒンジ保持部材31a及び下ヒンジ保持部材31bが固着される外枠2の上下位置には、上前面枠取付用ヒンジ部材311aの嵌合突起60、60、61,61及び下前面枠取付用ヒンジ部材311bの嵌合突起78,78が仕えないようにするための凹段部107,107が形成されている。
【0029】
一方、図3及び図4に示すように前記前面枠4の一側縁の上下部にはヒンジ部材としての上部可動金具84及び下部可動金具85が設けられている。上部可動金具84は、前面枠4の裏面に添わせる取付片86と前面枠4の前方に突出する水平板部87とを有し、その水平板部87の先端下面に上ヒンジ軸88が下向きに突設されている。前記上ヒンジ軸88は、図7に示すように上前面枠取付用ヒンジ部材311aの軸受孔64に嵌合する円形軸部88aと前面枠4をほぼ直角状に開放した状態で切欠き溝63に挿入できる幅に形成した扁平軸部88bを有し、その円形軸部88aと扁平軸部88bとの境界面が後方上から手前下へ向かう下向き傾斜面88cとして形成されている。また、前記下部可動金具85は、前面枠4の裏面側に添わせる垂直な取付片部89と前面枠4の前方に突出する水平な支持板部90とを有し、その支持板部90に前記下前面枠取付用ヒンジ部材311bの下ヒンジ軸81に嵌合する軸孔91が穿設されている。
【0030】
しかして、上記のように構成された外枠2の上部ヒンジ機構3a及び下部ヒンジ機構3bに前面枠4を軸支するには、先ず下部可動金具85の軸孔91を下部ヒンジ機構3bであって、下前面枠取付用ヒンジ部材311bの下ヒンジ軸81に上方から嵌合させて連結し、次に前面枠4をほぼ直角状に開放した状態に位置させて該前面枠4の上部可動金具84を外枠2の上部ヒンジ機構3aに接近させ、上部可動金具84の上ヒンジ軸88に形成された扁平軸部88bを上前面枠取付用ヒンジ部材311aの軸受片62に穿設された切欠き溝63に臨ませて前面枠4を外枠2に押し付ける。これによって、上ヒンジ軸88の扁平軸部88bが切欠き溝63に侵入し、その切欠き溝63の両側の上向き傾斜面62a,62aと上部可動金具84の上ヒンジ軸88に形成された下向き傾斜面88cとによって前面枠4が徐々に上方へ押し上げられ、さらに前面枠4を押し込むと上ヒンジ軸88の円形軸部88aと軸受片62の軸受孔64とが一致する。このため、前面枠4が自重で下がって上ヒンジ軸88の円形軸部88aが軸受片62の軸受孔64に嵌合されることになり、前面枠4は上部ヒンジ機構3aの上前面枠取付用ヒンジ部材311a及び下部ヒンジ機構3bの下前面枠取付用ヒンジ部材311bを介して外枠2に開閉自在に軸支されることになる。
【0031】
なお、前面枠4を外枠2から取り外すには、前面枠4をほぼ直角状に開放した状態に位置させて該前面枠4を上方へ持ち上げ、上部可動金具84の上ヒンジ軸88の円形軸部88aを上前面枠取付用ヒンジ部材311aの軸受孔64から上方へ外す。そして、上部可動金具84の上ヒンジ軸88の扁平軸部88bを上前面枠取付用ヒンジ部材311aの切欠き溝63から外した後、下前面枠取付用ヒンジ部材311bの下ヒンジ軸81と下部可動金具85の軸孔91との嵌合を外すことによって簡単に達せられる。
【0032】
このように、前面枠4の上部可動金具84を軸支する上部ヒンジ機構3aを、外枠2に固着する上ヒンジ保持部材31aと該上ヒンジ保持部材31aにそれぞれ着脱可能に装着される上前面枠取付用ヒンジ部材311aとの2部材から構成し、前面枠4の下部可動金具85を軸支する下部ヒンジ機構3bを上部ヒンジ機構3aと同じように外枠2に固着する下ヒンジ保持部材31bと該下ヒンジ保持部材31bにそれぞれ着脱可能に装着される下前面枠取付用ヒンジ部材311bとの2部材からそれぞれ構成することにより、例えば各メーカーの前面枠に使用される上部可動金具及び下部可動金具にそれぞれ適合可能な軸支構造を備えた上前面枠取付用ヒンジ部材及び下前面枠取付用ヒンジ部材をあらかじめ用意して置くことにより、変更する機種の上下可動金具に適合する上下の前面枠取付用ヒンジ部材を選択して外枠2の上ヒンジ保持部材31a及び下ヒンジ保持部材31bに装着するだけの簡単な作業で変更する機種の前面枠を外枠2に軸支することができるもので、前面枠の軸支構造が異なるパチンコ機であっても外枠2を交換することなく容易に機種変更することができる。
【0033】
一方、前記外枠2の開放側内側面の上下位置には図4及び図12に示すように係止金具92a,92bが取り付けられており、前面枠4の開放側には施錠機構93が組付けられている。この施錠機構93は、上下方向へ摺動自在な施錠杆94を有し、該施錠杆94の上下部に外枠2の上部の係止金具92a及び下部の係止金具92bに下方から係脱する鉤部95、95が設けられている。そして、シリンダー錠96の錠軸97の回動によりカム板98、連動部材99を介して施錠杆94を下方へ移動させ、それによって、鉤部95、95と外枠2の上部の係止金具92a及び下部の係止金具92bとの係合をそれぞれ解除して前面枠4を開放することができるようになっている。
【0034】
しかして、前記係止金具92a,92bは、図13に示すように外枠2の内側面にネジ止め等により固定される調節支持板100と、該調節支持板100に着脱可能に装着される係止部材101との2部材から構成されている。前記調節支持板100は板状を呈しており、その縦方向に一定の間隔で複数の係合孔102が穿設されている。この係合孔102は大径孔部102aと小径孔部102bとが連通状に設けられた横向きの鍵穴形状のものである。また、前記係止部材101は調節支持板100と同じように板状を呈しており、その一側に施錠杆94の鉤部95と係脱する係止部103が折曲により一体に設けられている。また、係止部材101の裏側には調節支持板100の係合孔102に一つ飛ばしで嵌合し得る2個の嵌合突起104,104が上下に突設されている。この嵌合突起104は大径孔部102aに嵌合可能な大径頭部105と小径孔部102bに係合可能な細径基部106とを有する。
【0035】
そして、前記調節支持板100と係止部材101とは、係止部材101の嵌合突起104,104の大径頭部105を調節支持板100の係合孔102の大径孔部102aに嵌めて係止部材101を調節支持板100に密着させ、この状態で係止部材101を横方向にスライドさせて図14に示すように嵌合突起104,104の細径基部106と係合孔102の小径孔部102bとを係合させる。これによって、係止部材101と調節支持板100とを強固に一体化することができる。また、係止部材101の位置変更を行う場合には、係止部材101を横方向にスライドさせて嵌合突起104,104の大径頭部105と係合孔102の大径孔部102aとを一致させることで調節支持板100から一旦取り外し、所定の位置を選択して上述した手順により再度調節支持板100に取り付けることにより簡単に達せられる。なお、本実施の形態の場合、係合孔102が6個であるから調節支持板100に対する係止部材101の装着位置を3段階に変更可能である。
【0036】
このように、係止金具92a、92bを外枠2の内側面に固定される調節支持板100と該調節支持板100に着脱可能に装着される係止部材101との2部材から構成することにより、例えば変更する機種の施錠機構の鉤部と係止金具との対応位置関係が異なっていても、変更する機種の施錠機構の鉤部が係合可能な位置の係合孔102を選択して係止部材101を調節支持板100に装着するだけの簡単な作業で変更する機種の施錠機構の鉤部と係止金具92a,92bとを確実に係脱可能とすることができるもので、前面枠の施錠機構が異なるメーカーのパチンコ機であっても外枠2を交換することなく容易に機種変更することができる。
【0037】
なお、上記した実施の形態では、前面枠4を鉄板等の金属板によって形成したものを示したが、ベニヤ板等の木製或いは、合成樹脂製であっても良い。また、前面枠4をベニヤ板等の木製とし、遊技盤取付枠12を合成樹脂によりそれぞれ別体として形成するようにしても良い。また、前面枠4と遊技盤取付枠12とを合成樹脂により一体形成するようにしても良い。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したところから明らかなように、本発明にあっては、前面枠を開閉自在に軸支する上下のヒンジ機構を、外枠に固定するヒンジ保持部材と該ヒンジ保持部材に着脱可能に装着される前面枠取付用ヒンジ部材との2部材から構成し、前面枠の一側縁の上下部に設けられたヒンジ部材をヒンジ機構の前面枠取付用ヒンジ部材に軸支することにより前面枠を外枠に開閉自在に取り付けるようにしたものであるから、変更する機種の上下のヒンジ部材に適合する前面枠取付用ヒンジ部材を選択して外枠の上下のヒンジ保持部材に装着するだけの簡単な作業で変更する機種の前面枠を外枠に軸支することができるもので、前面枠の軸支構造が異なるメーカーのパチンコ機であっても外枠を交換することなく容易に機種変更することができる。
【0039】
また、前面枠の施錠機構と係脱する係止金具を、外枠に固定する調節支持板と該調節支持板に着脱可能に装着される係止部材との2部材から構成し、係止部材に施錠機構の鉤部と係脱する係止部を設けるようにしたものであるから、変更する機種の施錠機構の鉤部と係止金具との対応位置関係が異なっていても、変更する機種の施錠機構の鉤部が係合可能な位置を選択して係止部材を調節支持板に装着するだけの簡単な作業で変更する機種の施錠機構の鉤部と係止金具とを確実に係脱可能とすることができるもので、前面枠の施錠機構が異なるメーカーのパチンコ機であっても外枠を交換することなく容易に機種変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パチンコ遊技機の正面図である。
【図2】ガラス板保持枠と打球供給皿を有する前面板及び余剰球受皿を有する前面下部板を開いた状態の斜視図である。
【図3】ガラス板保持枠と打球供給皿を有する前面板及び余剰球受皿を有する前面下部板を装着した状態の前面枠を外枠から分離した状態の斜視図である。
【図4】外枠と前面枠を分離した状態の斜視図である。
【図5】外枠の上部ヒンジ機構部分の分解斜視図である。
【図6】外枠に上ヒンジ保持部材を固着した状態の斜視図である。
【図7】外枠の上部ヒンジ機構と前面枠の上部ヒンジ部材とを分離して示す斜視図である。
【図8】外枠の上部ヒンジ機構の取り付け状態を示す平面断面図である。
【図9】外枠の下部ヒンジ機構部分の分解斜視図である。
【図10】外枠に下ヒンジ保持部材を固着した状態の斜視図である。
【図11】外枠の下部ヒンジ機構の取り付け状態を示す側面断面図である。
【図12】前面枠の施錠機構と外枠の係止金具との関連構成を説明する斜視図である。
【図13】外枠の係止金具の分解斜視図である。
【図14】外枠の係止金具の取り付け状態を示す側面断面図である。
【符号の説明】
2 外枠
3a 上部ヒンジ機構
3b 下部ヒンジ機構
4 前面枠
31a 上ヒンジ保持部材
311a 上前面枠取付用ヒンジ部材
31b 下ヒンジ保持部材
311b 下前面枠取付用ヒンジ部材
55,56 上ヒンジ保持部材の係合孔
60,61 上前面枠取付用ヒンジ部材の嵌合突起
65 上ヒンジ保持部材の係合孔の大径孔部
66 上ヒンジ保持部材の係合孔の小径孔部
67 上前面枠取付用ヒンジ部材の嵌合突起の大径頭部
68 上前面枠取付用ヒンジ部材の嵌合突起の細径基部
73 下ヒンジ保持部材の係合孔の大径孔部
74 下ヒンジ保持部材の係合孔の小径孔部
75 下ヒンジ保持部材の係合孔
78 下前面枠取付用ヒンジ部材の嵌合突起
79 下前面枠取付用ヒンジ部材の嵌合突起の大径頭部
80 下前面枠取付用ヒンジ部材の嵌合突起の細径基部
84 上部可動金具(前面枠の上ヒンジ部材)
85 下部可動金具(前面枠の下ヒンジ部材)
92a,92b 係止金具
93 施錠機構
94 施錠杆
95,95 鉤部
100 調節支持板
101 係止部材
102 調節支持板の係合孔
102a 調節支持板の係合孔の大径孔部
102b 調節支持板の係合孔の小径孔部
103 係止部
104 係止部材の嵌合突起
105 係止部材の嵌合突起の大径頭部
106 係止部材の嵌合突起の細径基部
Claims (2)
- 外枠の一側縁の上下部にヒンジ機構を備え、該ヒンジ機構は、外枠に固定するヒンジ保持部材と該ヒンジ保持部材に装着される前面枠取付用ヒンジ部材との2部材から構成されており、
前記ヒンジ保持部材には係合孔を穿設し、前記前面枠取付用ヒンジ部材には嵌合突起を設け、前記前面枠取付用ヒンジ部材の嵌合突起を前記ヒンジ保持部材の係合孔に嵌め合わせることにより該前面枠取付用ヒンジ部材を該ヒンジ保持部材に着脱可能に装着するようにすると共に、
前記前面枠の一側縁の上下部に設けられたヒンジ部材を前記ヒンジ機構の前面枠取付用ヒンジ部材に軸支することにより該前面枠を該外枠に開閉可能且つ着脱可能に取り付けるようにしたことを特徴とするパチンコ遊技機。 - 前記係合孔は、大径孔部と小径孔部とが連通状に設けられた鍵穴形状であり、前記嵌合突起は、該係合孔の大径孔部に嵌合可能な大径頭部と小径孔部に係合可能な細径基部とを有することを特徴とする請求項1記載のパチンコ遊技機。
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