JP4341082B2 - 焦点検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カメラの焦点検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
カメラの自動焦点検出装置に於ける焦点検出方式の1つとして、位相差検出方式のものが知られている。この位相差検出方式は、撮影レンズにより形成される被写体像を瞳分割して1対のイメージセンサーアレイ上に再結像させ、イメージセンサーアレイの出力信号に基づいて各イメージセンサアレイ上に再結像される被写体像の相対的ずれ量を算出して撮影レンズの焦点位置を求めるものである。
【0003】
上述の位相差検出方式による焦点検出において、焦点検出の可否や、検出された焦点位置の信頼性などは被写体の光輝度分布であるコントラストの高さに大きく依存している。つまり、各イメージセンサアレイ上に再結像される被写体像の相対的ずれ量を算出するにあたっては、各イメージセンサアレイから出力される信号にめりはりがあると相関が取り易くなる。
【0004】
従って被写体の有するコントラストを、各イメージセンサーから出力される信号にできるだけ高く反映させることにより焦点検出精度を高めることができる。このため、イメージセンサには駆動制御部が接続され、この駆動制御部により入射光量制御が行われる。
【0005】
この入射光量制御について説明する。イメージセンサは、駆動制御部により蓄積動作と信号出力動作とを繰り返し行うように制御されるが、このときに蓄積動作に係る時間も制御される。一定照度の光がイメージセンサに入射する状態では、蓄積時間を延ばす程イメージセンサから出力される信号レベルは高まり、信号のめりはりがつく。しかし、入射光量が多すぎればイメージセンサから出力される信号は飽和してしまって信号のめりはりが無くなる。逆に、蓄積時間が短ければ信号レベルは低くなり、信号のめりはりが無くなる。このため、駆動制御部は、イメージセンサに入射する光の照度に応じて蓄積時間を変化させる。具体的には、前回の蓄積時間と、このときの蓄積動作に基づいてイメージセンサから出力される信号とに基づいて、次の蓄積動作に際しての蓄積時間を決定する。これを繰り返し行なって、イメージセンサから出力される信号が焦点検出に適した状態となるように収束させる。これが駆動制御部により行われる入射光量制御である。
【0006】
ところで、被写体輝度が低い場合には上述の蓄積時間を長くする必要があるが、この蓄積時間があまりにも長いと焦点検出動作が遅くなって使い勝手が低下するので、蓄積時間には制限時間が設けられる。この制限時間を短くすることにより焦点検出動作を早めることができる。しかし、制限時間が短かいと低輝度の被写体に対して精度よく焦点検出を行うことができず、すなわち低輝度側の焦点検出可能な被写体輝度範囲が狭まり、カメラの使い勝手が低下する。
【0007】
この不具合を解決する一つの方法として、焦点検出動作用の補助光として照明光を照射する方法がある。この照明光の照射は、被写体輝度が低く、撮影距離がさほど遠くない場合に有効で、照明光の照射によって蓄積時間を短くすることができ、イメージセンサからは適度な出力信号を得ることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述の照明光を用いる場合であっても焦点検出動作完了までに要する時間が長くなると云う問題点があった。以下、これについて説明する。
【0009】
上述の入射光量制御に際し、カメラの電源が投入された直後の状態やレリーズ釦が半押しされた直後の状態などのように、「前回の蓄積時間と、このときの蓄積動作に基づいてイメージセンサから出力される信号」が得られない場合がある(以後、これを単に「前回の蓄積結果」と称する)。このような場合、測光素子から出力される被写体の輝度に関する信号、すなわち測光出力に基づいて蓄積時間を決める。この場合、測光出力に基づいて決定される蓄積時間が必ずしも最適なものであるとは限らず、上述した前回の蓄積結果に基づく入射光量制御を繰り返す必要のある場合もある。これは、被写体に輝度の分布が存在するからで、イメージセンサにより焦点検出される被写体上の領域、すなわち焦点検出領域の輝度が、測光出力から求められる被写体輝度とは必ずしも一致しないからである。
【0010】
同様の理由により、照明光を用いるかどうかについての判定は測光出力に基づいて行うことはせず、先ず1回目の蓄積動作は照明光を用いずに行い、その際の蓄積時間とイメージセンサからの出力信号とに基づいて上記判定を行っていた。これにより、被写体の焦点検出領域に対応する部分の輝度が本当に焦点検出に適さないほど低い場合にのみ照明光が用いられるようになる。
【0011】
ここで、低輝度下の被写体に対して上述した焦点検出を行う場合を考える。この場合、測光出力に基づいて算出される1回目の蓄積時間は長くなり、蓄積動作が制限時間一杯で行われる場合もある。このときさらに、被写体輝度が低いために制限時間一杯の蓄積動作によってもイメージセンサからは十分な出力が得られない場合もある。
【0012】
1回目の蓄積動作で得られるイメージセンサからの出力が上述のように十分でない場合、2回目以降の蓄積動作に際しては照明光が用いられる。しかし、1回目の蓄積動作はいわば「無駄」となる。このような場合、撮影者がレリーズ釦を操作してから照明光の発光、そして焦点調節の完了までに要する時間がかかり、操作性が低下することは避けられない。
【0013】
本発明は、低輝度の被写体に対して焦点検出を行う場合であっても、照明光の点灯までに要する時間が長くなることを抑制し、応答性の高い焦点検出装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
一実施の形態を示す図1に対応付けて本発明を説明する。
(1) 請求項1に記載の発明は、光学系1を介した被写体からの光束を結像する焦点検出光学系2と、焦点検出光学系2により結像された被写体像の光強度に対応した信号を出力する光電変換手段3と、被写体の輝度に基づく第1の蓄積時間で光電変換手段3を蓄積制御するとともに、第1の蓄積時間での光電変換手段3の出力と該出力の目標値との比と、第1の蓄積時間との積である第2の蓄積時間で光電変換手段3を蓄積制御する蓄積制御手段11と、被写体に向けて照明光を発する発光手段10が照明光を発することが可能な場合、焦点検出動作が開始されてから繰り返し行われる光電変換手段3の蓄積動作に際し、第1の蓄積時間に対する第1の制限時間を、第2の蓄積時間に対する第2の制限時間よりも短く、かつ被写体に対して照明光を発する発光手段10を発光させるか否かを判定するための所定の判定時間とほぼ等しい時間に設定する設定手段5と、蓄積制御手段11によって蓄積制御された光電変換手段3の出力に基づいて、光学系1の焦点調節状態を検出する焦点検出手段5とを備えることを特徴とする。
(2) 請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の焦点検出装置において、第1の蓄積時間と判定時間とに基づいて、発光手段10を発光させるか否かを判定する判定手段5をさらに有するものである。
(3) 請求項3の発明は、請求項1または2に記載の焦点検出装置において、所定の判定時間は、発光手段10を発光させるか否かの判定を行う際の判定境界となる所定の明るさの下で、光電変換手段3より焦点検出に適した出力が得られるような蓄積時間を予め求めたものである。
(4) 請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の焦点検出装置において、発光手段10が照明光を発することが不可能な場合は、第1の蓄積時間を第2の制限時間で制限するようにしたものである。
(5) 請求項5の発明によるカメラは、請求項1〜4のいずれか一項に記載の焦点検出装置を備えたことを特徴とする。
【0015】
なお、本発明の構成を説明する上記課題を解決するための手段の項では、本発明を分かり易くするために発明の実施の形態の図を用いたが、これにより本発明が実施の形態に限定されるものではない。
【0016】
【発明の実施の形態】
− 第1の実施の形態 −
− 焦点検出装置の構成 −
本発明の第1の実施の形態に係る焦点検出装置30が組み込まれるカメラ100の構成を示す図1において、被写界中の複数の焦点検出領域に対応する位置からの光束は対物レンズ1を通り、焦点検出光学系2を通ってイメージセンサ3上に結像される。本実施の形態において、焦点検出光学系2およびイメージセンサ3等で構成される焦点検出ユニット20は、位相差検出方式のものである。なお、焦点検出ユニット20の構成およびこの焦点検出ユニット20による焦点検出の原理については後で説明する。
【0017】
焦点検出装置30は、焦点検出ユニット20、A/D変換部4、演算部5およびセンサ制御部11などで構成される。A/D変換部4は、イメージセンサ3から順次出力される信号(アナログ信号)をディジタル信号に変換して演算部5に入力する。演算部5は、A/D変換部4でA/D変換されたイメージセンサ3の出力信号に基づいて焦点検出演算を行い、デフォーカス量を算出する。
【0018】
焦点検出装置30には補助光源ユニット40、駆動制御部13、測光回路12などが接続される。補助光源ユニット40は、補助光制御部9および補助光源10を有し、被写体の輝度が低い場合には後述するようにイメージセンサ3の蓄積動作に同期して照明光を発する。この補助光源ユニット40はカメラ100に内蔵される。演算部5は、イメージセンサ3の蓄積時間と出力信号とに基づいて補助光源10の発光の要否を判定し、補助光源10を発光させると判定すると補助光源ユニット40の補助光制御部9に制御信号を発する。補助光制御部9は、演算部5から出力される制御信号に応答して補助光源10を発光させる。センサ制御部11は、演算部5からの出力に基づいてイメージセンサ3を駆動制御する。レンズ駆動制御部13は、演算部5から出力される制御信号に基づいてモータ14を駆動し、対物レンズ1を合焦駆動する。測光回路12は被写体の輝度を測定し、この測定結果に基づく被写体輝度情報を演算部5に出力する。
【0019】
− 焦点検出ユニットによる焦点検出の動作原理 −
図2を参照し、焦点検出ユニット20の構成およびこの焦点検出ユニット20による焦点検出動作の原理について説明する。
【0020】
焦点検出ユニット20は、赤外光カットフィルタ700、視野マスク200、フィールドレンズ300、開口マスク400、再結像レンズ501および502、そしてイメージセンサ3などで構成される。
【0021】
領域100は対物レンズ1(図1)の射出瞳である。また、領域101、102は、開口マスク400に穿設される開口部401、402をフィールドレンズ300によって領域100上に逆投影した像の存する領域である。なお、赤外光カットフィルタ700の位置は視野マスク200の右側でも左側でも構わない。
【0022】
領域101、102を介して入射した光束は、フィルム等価面600上で焦点を結んだ後、赤外光カットフィルタ700、視野マスク200、フィールドレンズ300、開口部401、402及び再結像レンズ501、502を通りイメージセンサアレイ3a、3b上に再結像する。
【0023】
これらイメージセンサアレイ3a、3b上に結像した一対の被写体像は、対物レンズ1がフイルム等価面600よりも前(被写体側)に被写体の鮮鋭像を結ぶいわゆる前ピン状態では互いに近づき、逆にフイルム等価面600よりも後に被写体の鮮鋭像を結ぶいわゆる後ピン状態では互いに遠ざかる。そして、イメージセンサアレイ3a、3b上に結像した被写体像が所定の間隔となるときに被写体の鮮鋭像はフイルム等価面600上に位置する。従ってこの一対の被写体像をイメージセンサアレイ3a、3bで光電変換して電気信号に換え、これらの信号を演算処理して一対の被写体像の相対距離を求めることにより対物レンズ1の焦点調節状態、つまり対物レンズ1により鮮鋭な像が形成される位置が、フイルム等価面600に対してどの方向にどれだけ離れているか、つまりズレ量が求められる。以下、本明細書中ではこのズレ量を「デフォーカス量」と称する。図3において焦点検出領域は、イメージセンサアレイ3a、3bが再結像レンズ501、502によって逆投影されて、フイルム等価面600の近傍で重なった部分に相当する。
【0024】
次に、イメージセンサアレイ3a、3bより出力されるデフォーカス量を求める演算処理方法について述べる。イメージセンサアレイ3a、3bは、それぞれ複数の光電変換素子から成っており、図3(a)、(b)に示すように、複数のデータ列a1、a2、…、an、b1、b2、…、bnを出力する。そしてそれぞれのデータ列を相対的に所定のデータ分Lずつシフトしながら相関演算を行う。具体的には相関量C(L)を式(1)で算出する。
【数1】
【0025】
ここでLは上述のごとくデータ列のシフト量に当たる整数であり、初項kと最終項rはシフト量Lに依存して変化させてもよい。こうして得られた相関量C(L)の中で極小値となる相関量を与えるシフト量に、図2に示すフィールドレンズ300および再結像レンズ501、502からなる光学系の諸元数値や、イメージセンサアレイ3a、3bの光電変換素子のピッチ幅などによって定まる定数を掛けたものがデフォーカス量となる。しかしながら相関量C(L)は、図3(c)の白丸で示されるように離散的な値であり、検出可能なデフォーカス量の最小単位はイメージセンサアレイ3a、3bの光電変換素子のピッチ幅によって制限されてしまう。
【0026】
そこで離散的な相関量C(L)より補間演算を行うことにより新たに極小値Cexを算出し、綿密な焦点検出を行う方法が提案されている。(特開昭60−37513号公報参照)。これは図3(c)を部分的に拡大した図4に示すように極小値である相関量C0とその両側のシフト量での相関量C1、C-1によって算出する方法で、極小値Cexを与えるシフト量Fmとデフォーカス量DFは次式により求められる。
【数2】
Fm =L+DL/E … 式(2)
DF=Kf*Fm … 式(3)
E=MAX{(C1−C0)、(C-1−C0)} … 式(4)
DL=(C-1−C1)/2 … 式(5)
Cex=C0−|DL| … 式(6)
ここでMAX{Ca、Cb}は、CaとCbの内の大きい方を選択することを意味し、Kfは図2に示す光学系300、501、および502、そしてイメージセンサアレイ3a、3bの光電変換素子のピッチ幅によって定まる定数である。
【0027】
こうして得られたデフォーカス量DFが真にデフォーカス量を示しているのか、それともノイズ等による相関量の揺らぎによるものなのかを判定する必要があり、次の条件を満たした時にデフォーカス量は信頼ありとする。
【数3】
E>E1 … 式(7)
且つ
Cex/E<G1 … 式(8)
ここでE1、G1は所定値である。
【0028】
Eは被写体のコントラストに依存する値であり、値が大きいほどコントラストが高く信頼性が高いことになり、Cex/Eは像の一致度に主に依存し、0に近い程信頼性が高いことになる。そして信頼性ありと判定されるとデフォーカス量DFに基づいて対物レンズ1を駆動する。
【0029】
− イメージセンサ3から出力される信号の調節 −
以上のような焦点調節状態の検出ができるか否か、あるいは得られた検出結果の信頼性などは被写体の光輝度分布であるコントラストの高さに大きく依存している。従って被写体の有するコントラストをイメージセンサ3からの出力に最適に反映させる必要がある。
【0030】
例えば図5(a)のようなパターンがイメージセンサ3で捉えられた場合、このイメージセンサ3からは図5(c)のような信号が出力されるのが望ましい。なお、図5において、Vsatは光電変換素子の飽和電圧を示す。
【0031】
図5(c)に示される理想状態に対し、蓄積時間が短いと図5(b)のようにコントラストが低くなってしまう。逆に蓄積時間が長いと図5(d)のように本来あるべきコントラストがなくなってしまうこともある。そのため、イメージセンサ3から出力される信号が適当な大きさ、すなわち後述する焦点検出演算に適した大きさとなるように制御する必要がある。このために行われるのが蓄積時間の制御である。この蓄積時間の制御は、前回の蓄積動作における蓄積時間とイメージセンサから出力される信号のレベルに基づいて次回の蓄積動作における出力のピーク値等が適当な値になるような蓄積時間を算出して制御を行うものである。これにより、イメージセンサ3より出力される信号からコントラストが得られるようにする。
【0032】
例えばイメージセンサ3から図5(b)のような出力が得られ、その時の蓄積時間がTb、ピーク出力(イメージセンサ3から出力される信号のうちのピーク値)がVbであったとする。この場合、次回の蓄積動作によってイメージセンサ3から図5(c)に示されるような出力を得るには蓄積時間Tcを以下の式で求めればよい。
【数4】
Tc=(Vc/Vb)×Tb … 式(9)
【0033】
式(9)において、Vcは次回の蓄積動作における目標ピーク出力値である。この目標ピーク出力値Vcは、カメラの組立/調整工程においてイメージセンサ3で飽和状態を作り出し、その時のイメージセンサ3からの出力をVsatとして、以下の式よりVcを算出してカメラ内部に記憶する。
【数5】
Vc=A×Vsat … 式(10)
ここでAは1未満の正の実数であり、このAの大きさでイメージセンサ3から出力される信号のレベルが決定する。つまり、このAが小さいとイメージセンサ3から出力される信号のコントラストが常に低くなってしまい、逆に大きいと被写体の明るさが少し明るく変化しただけでイメージセンサ3から出力される信号はすぐに飽和してしまう。
【0034】
以下、本明細書中では式(9)に基づいて次回の蓄積動作における蓄積時間を定めることを以後「AGC処理をする」(Automatic Gain Control)と称する。また、目標ピーク出力値Vcを「AGC目標値」と称する。
【0035】
ここで演算部5によるAGC可否判定動作について説明する。演算部5は、A/D変換部4を介してイメージセンサ3から入力した信号の中からピーク値を求める。そして、このピーク値に基づき、イメージセンサ3の出力がAGCのかかった状態にあるか否かを判定する。ここで「AGCがかかっている」とは、上述のピーク値が以下の式を満足することを意味する。
【数6】
|Vpeak−Vc|<B … 式(11)
ここでVpeakは上述のピーク値、Vcはイメージセンサ3のAGC目標値、Bは許容値である。
【0036】
なお、AGC可否判定動作に際して演算部5は、イメージセンサ3から出力される信号のピーク値ではなく、平均値に基づいて判断してもよい。
【0037】
− 焦点検出手順 −
焦点検出プログラムのフローチャートを示す図6と、この焦点検出プログラム実行にともなうイメージセンサ3での蓄積動作のタイミングを示す図7とを図1とともに参照し、演算部5で実行される焦点検出プログラムについて説明する。図6のフローチャートに示される焦点検出プログラムは、不図示のレリーズ釦を撮影者が半押しすることにより演算部5で実行が開始される。
【0038】
ステップS701において演算部5は、測光回路12およびイメージセンサ3のICの初期化を行う(図7の「初期化」のタイミングに相当)。ステップS702において演算部5は、測光回路12で測定された被写体輝度測定結果、すなわち測光結果を入力する(図7の「測光1」のタイミングに相当)。なお、測光回路12は、図7で「測光1」、「測光2」、「測光3」と示すように所定のタイミングで測光動作を繰り返す。ステップS703において演算部5は、ステップS702で測光回路12より入力した測光結果に基づいて1回目の蓄積動作の蓄積時間Tを以下に説明するように算出する。これは、1回目の蓄積動作に際しては前回の蓄積動作の結果に基づいてAGC処理を行うことができないからである。蓄積時間Tの算出方法は以下のとおりである。
【0039】
演算部5に接続されるメモリ(不図示)には、ある被写界輝度に対して最適な蓄積時間が、たとえば、BV0の被写体輝度に対する蓄積時間が50ms、というように記憶されている。このように記憶されている被写体輝度と蓄積時間との関係と、測光回路12より入力した測光結果とに基づいて演算部5は蓄積時間Tを以下の式(12)で算出する。
【数7】
T=50×20-BV (msec.) … 式(12)
ここで、BVは測光回路12より出力される測光結果(BV値)を示す。たとえば、測光回路12より出力される測光結果BVが−1であれば、
【数8】
T=50×20+1=100(msec.) … 式(13)
となる。
【0040】
ステップS704において演算部5は、ステップS703で算出された蓄積時間Tが制限時間TL1よりも長いか否かを判定し、肯定されるとステップS705に分岐してT=TL1としてステップS706に進む一方、否定されると何もせずにステップS706に進む。この初回蓄積時間Tに対して設けられる制限時間TL1は、後述する2回目以降の蓄積時間Tに対して設けられる制限時間TL2よりも短く設定される。
【0041】
ステップS706において演算部5は、レリーズボタンが半押し状態にあるかどうかを判定し、否定されるとリターンする一方、半押し状態にあると判定されるとステップS707に進む。ステップS707において演算部5は、上述のようにして求めた蓄積時間Tでイメージセンサ3が蓄積動作を行うようセンサ制御部11に制御信号を発する。これに応答してイメージセンサ3は蓄積動作を開始する(図7の「蓄積1」のタイミングに相当)。
【0042】
ステップS708において演算部5は、先に説明した焦点検出演算を行い、デフォーカス量を算出する。ステップS709において演算部5は、ステップS708で算出されたデフォーカス量は信頼性があり、焦点検出が可能かどうかを式(7)および式(8)に基づいて判定する。ステップS709での判定が肯定されると演算部5はステップS710に分岐する一方、否定されるとステップS713に分岐する。なお、ステップS710〜S712の処理については後で説明する。
【0043】
ステップS713において演算部5は、上述の式(9)に基づいて次回蓄積時の蓄積時間Tを算出する。すなわちこの処理が上述したAGC処理に相当する。ステップS714において演算部5は、ステップS713における蓄積時間Tの算出結果が制限時間TL2よりも長いか否かを判定し、肯定されるとステップS715に分岐してT=TL2としてステップS716に進む一方、否定されると何もせずにステップS716に進む。
【0044】
ステップS716において演算部5は、補助光源10が消灯状態に設定されているか否かを判定し、否定されるとステップS706に戻る。ここで、「消灯状態に設定されている」とは、ステップS707で行われるイメージセンサ3の蓄積動作に連動して補助光源10は発光させないように設定されていることを意味する。
【0045】
ステップS716での判定が肯定されると演算部5はステップS717に進み、蓄積時間Tが判定時間TL3よりも長いか否かを判定する。演算部5は、ステップS717での判定が否定されるとステップS706に戻る一方、肯定されるとステップS718に進む。ここで判定時間TL3は、イメージセンサの蓄積動作に連動して補助光源10を発光させた方が好ましい結果が得られると判定される程度の被写体輝度であるかどうかを判定するための判定基準である。ステップS718において演算部5は、補助光源10を点灯状態に設定、すなわちステップS707において行われるイメージセンサ3の蓄積動作に連動して補助光源10を点灯させるように設定し、ステップS706に戻る。
【0046】
ステップS709での判定が肯定された場合の分岐先であるステップS710以降の演算部5の動作について説明する。ステップS710において演算部5は、ステップS708での焦点検出演算結果に基づき、対物レンズ1を駆動する。ステップS711において演算部5は、レリーズボタンが全押し状態にあるか否かを判定し、肯定されるとステップS712に進む一方、否定されるとステップS713に分岐する。演算部5は、ステップS712おいてシャッタ開閉等、一連の撮影動作に関連する動作の制御を行い、リターンする。
【0047】
撮影者によってレリーズボタンが半押しされると、演算部5は以上に説明したように焦点検出および対物レンズ1の駆動を繰り返し行い、レリーズボタンの半押し状態が解除されるか、あるいは全押しされるまでの間、図7の「蓄積1」、「蓄積2」、…を繰り返す。
【0048】
以上の焦点検出プログラムについてさらに説明する。演算部5は、測光回路12より入力した測光結果に基づいて初回蓄積時間Tを算出する(ステップS701〜703)。そして、被写体輝度が低いために、算出された初回蓄積時間Tが所定の制限時間TL1よりも長くなると判定した場合には初回蓄積時間TをTL1に制限する(ステップS704〜S705)。以上ようにして求められた蓄積時間Tに基づき、蓄積動作および焦点検出演算を行い、焦点検出可能であると判定されれば対物レンズ1の駆動を行う(ステップS706〜S710)。そして、焦点検出が不可能であった場合、あるいは対物レンズ1の駆動後にレリーズ釦が全押しされていない場合には次の蓄積動作時の蓄積時間を算出する(ステップS713)。この蓄積時間が制限時間TL2よりも長い場合には蓄積時間をTL2とし(ステップS714〜S715)、補助光源10が「消灯状態」に設定されているかどうかを判定する(ステップS716)。もし「消灯状態」に設定されていれば「点灯状態」に設定するかどうかの判定を行い(ステップS717〜S718)、ステップS706に戻って焦点検出動作を繰り返す。なお、図6のフローチャート中では補助光の消灯制御について特に触れてていないが、ステップS706での判定が否定されてリターンする際や、ステップS712のレリーズ処理を終えてリターンする際に、必要に応じて適宜消灯制御を行えばよい。
【0049】
上記制限時間TL1は、上述したように2回目以降の蓄積動作に対して設けられる制限時間TL2よりも短く設定される。これは、被写体輝度が相当低い場合に、たとえ制限時間一杯の時間TL2で蓄積動作を行って算出したデフォーカス量が信頼性ありと判定される可能性が低いからである。すなわち、被写体輝度が低い場合には1回目の蓄積動作および焦点検出演算で信頼性のあるデフォーカス量が得られる可能性は低いので、1回目の蓄積動作に設定される制限時間TL1を短くする。これについて図7を参照して説明する。図7中のイメージセンサの蓄積動作に係るタイミングチャートにおいて破線で示すように、従来の技術に係る焦点検出装置では制限時間TL2で1回目の蓄積動作を行うので2回目の蓄積動作開始タイミング(補助光源10の発光タイミング)はt2となる。これに対し、本発明の実施の形態に適用される焦点検出装置によれば2回目の蓄積動作タイミングをt1へと早めることができ、より早く焦点調節を完了させることが可能となる。
【0050】
制限時間TL1を制限時間TL2よりも短くすることについてさらに説明すると、被写体輝度が相当低い場合、この制限時間TL1はできるだけ短くした方が焦点調節完了までの時間短縮のために有利である。つまり、被写体輝度が相当低いために1回目の蓄積動作結果に基づいて焦点検出が可能となる確率が低いと予想される場合には、1回目の蓄積動作は早々に打ち切ってしまって2回目以降の蓄積動作で補助光源10を用いる方が効率的である。しかし、被写体輝度はさまざまであり、制限時間TL1をあまり短くすると補助光源10を用いないでも精度よく焦点検出検出可能な状況にもかかわらず、1回目の蓄積動作を打ち切ってしまうことになる。すると、1回目の蓄積動作の結果に基づいて焦点検出が可能となる確率を下げることになり、効率的でない。
【0051】
ところで、演算部5はステップS717において、ステップS713で算出された次回蓄積時の蓄積時間Tが判定時間TL3よりも長いか否かの判定を行う。つまり、被写体の焦点検出範囲の輝度がある程度暗いか否かを判定する。この判定時間TL3は、焦点検出精度や焦点調節完了までに要する時間を勘案し、補助光源10を用いた方がより好ましい結果が得られるような被写体輝度に対応して決められている。そこで、制限時間TL1は上述の判定時間TL3とほぼ等しくすることが望ましい。つまり、ステップS703で算出された1回目の蓄積時間Tが判定時間TL3よりも長くなければ、被写体の焦点検出範囲の輝度は「補助光源10を使わなくても高精度の焦点検出が可能な程の高さ」にあることが予想される。そこで制限時間TL1を判定時間TL3に等しくすることにより、1回目の蓄積動作で焦点検出が可能となる確率を増し、焦点調節完了までに要する時間の期待値を短縮することが可能となる。
【0052】
− 第2の実施の形態 −
本発明の第2の実施の形態において、図8に示されるように補助光源ユニット40Aはカメラ100Aに内蔵されず、たとえばエレクトロニック・フラッシュユニット(以下、これを「フラッシュユニット」と称する)に内蔵されてカメラ100Aに挿脱可能に取り付けられる。なお、図8において、上記以外の構成要素は第1の実施の形態に係る焦点検出装置30が組み込まれるカメラ100の構成を示す図1のものと同じであり、同じ符号を付してその説明を省略する。
【0053】
演算部5で実行される焦点検出プログラムについて図9を参照して説明する。上述のように、本実施の形態において補助光源ユニット40Aは、カメラ100Aに対して挿脱可能に装着されるものである。そのため、本実施の形態において演算部5で実行される焦点検出プログラム(図9)は、補助光源ユニット40Aの装着の有無を判定するステップを有する点が第1の実施の形態の演算部5で実行される焦点検出プログラム(図6)と異なる。その他のステップについては図6に示す焦点検出プログラムと同様である。
【0054】
ステップS901において演算部5は、測光回路12およびイメージセンサ3のICの初期化を行う。ステップS902において演算部5は、測光回路12より測光結果を入力する。ステップS903において演算部5は、ステップS902で測光回路12より入力した測光結果に基づいて1回目の蓄積動作の蓄積時間Tを算出する。なお、この蓄積時間Tの算出方法は、第1の実施の形態で説明したものと同様であるのでその説明は省略する。
【0055】
ステップS904において演算部5は、カメラ100Aに補助光源ユニット40Aが装着されているか否かを判定し、肯定されるとステップS905に進む一方、否定されるとステップS915に分岐する。
【0056】
ステップS905において演算部5は、ステップS903で算出された蓄積時間Tが制限時間TL1よりも長いか否かを判定し、肯定されるとステップS906に分岐してT=TL1としてステップS907に進む一方、否定されると何もせずにステップS907に進む。この初回蓄積時間Tに対して設けられる制限時間TL1は、後述する2回目以降の蓄積時間Tに対して設けられる制限時間TL2よりも短く設定される。
【0057】
ステップS907において演算部5は、レリーズボタンが半押し状態にあるかどうかを判定し、否定されるとリターンする一方、半押し状態に状態にあると判定されるとステップS908に進む。ステップS908において演算部5は、上述のように求めた蓄積時間Tでイメージセンサ3が蓄積動作を行うようセンサ制御部11に制御信号を発する。これに応答してイメージセンサ3は蓄積動作を開始する。
【0058】
ステップS909において演算部5は、第1の実施の形態で説明した焦点検出演算を行い、デフォーカス量を算出する。ステップS910において演算部5は、ステップS909で算出されたデフォーカス量は信頼性があり、焦点検出が可能かどうかを式(7)および式(8)に基づいて判定する。ステップS910での判定が肯定されると演算部5は、ステップS911に分岐する一方、否定されるとステップS914に分岐する。なお、ステップS911〜S913の処理については後で説明する。
【0059】
ステップS914において演算部5は、式(9)に基づいて次回蓄積時の蓄積時間Tを算出する。すなわちAGC処理を行う。ステップS915において演算部5は、ステップS914における蓄積時間Tの算出結果が制限時間TL2よりも長いか否かを判定し、肯定されるとステップS916に分岐してT=TL2としてステップS917に進む一方、否定されると何もせずにステップS917に進む。
【0060】
ステップS917において演算部5は、カメラ100Aに補助光源ユニット40Aが装着されているか否かを判定し、肯定されるとステップS918に進む一方、否定されるとステップS907に戻る。
【0061】
ステップS918において演算部5は、補助光源10が消灯状態に設定されているか否かを判定し、否定されるとステップS907に戻る。ステップS918での判定が肯定されると演算部5はステップS919に進み、蓄積時間Tが判定時間TL3よりも長いか否かを判定する。演算部5は、ステップS919での判定が否定されるとステップS907に戻る一方、肯定されるとステップS920に進む。ここで判定時間TL3は、第1の実施の形態で説明したのと同様にイメージセンサの蓄積動作に連動して補助光源10を発光させた方が好ましい結果が得られると判定される程度の被写体輝度であるかどうかを判定するための判定基準である。ステップS920において演算部5は、補助光源10を点灯状態に設定、すなわちステップS908において行われるイメージセンサ3の蓄積動作に連動して補助光源10を点灯させるように設定し、ステップS907に戻る。
【0062】
ステップS910での判定が肯定された場合の分岐先であるステップS911以降の演算部5の動作について説明する。ステップS911において演算部5は、ステップS909での焦点検出演算結果に基づき、対物レンズ1を駆動する。ステップS912において演算部5は、レリーズボタンが全押し状態にあるか否かを判定し、肯定されるとステップS913に進み、否定されるとステップS914に分岐する。演算部5は、ステップS913おいてシャッタ開閉等、一連の撮影動作に関連する動作の制御を行い、リターンする。
【0063】
図9に示す焦点検出プログラムについてさらに説明する。演算部5は、測光回路回路12より入力した測光結果に基づいて初回蓄積時間Tを算出する(ステップS901〜903)。次に演算部5は、補助光源ユニット40Aが装着されているか否かを判定し(ステップS904)、肯定されると、第1の実施の形態と同様の処理を行う。すなわち演算部5は、初回の蓄積時間Tが制限時間TL1よりも長い場合には蓄積時間TをTL1として蓄積動作を行う(ステップS908)。一方、補助光源ユニット40Aが装着されていないと判定された場合、演算部5はステップS915に分岐して蓄積時間Tが制限時間TL2よりも長いか否かを判定し、肯定されると蓄積時間Tを制限時間TL2とする(ステップS915〜S916)。演算部5はさらにステップS917で補助光源ユニット40Aがカメラ100Aに装着されているか否かを判定し、否定された場合にはステップS917〜S920の処理は行わず、ステップS907に戻る。
【0064】
つまり、補助光源ユニット40Aが装着されていない場合、換言すれば補助光源10が発光可能でない場合には、初回の蓄積時間に設定する制限時間を2回目以降の蓄積時間に設定する制限時間よりも短くすることの意味がない。意味がないばかりか、逆に被写体輝度が低い場合に、焦点調節完了までに要する時間が延びてしまうこともある。そのため、本実施の形態において演算部5は、補助光源ユニット40Aの装着の有無を判定し、装着されていると判定されれば第1の実施の形態で説明したのと同様の手順で焦点調節に係る処理を行う一方、装着されていないと判定されれば初回および2回目以降の蓄積時間に対して同じ制限時間を設ける。このため、被写体輝度がある程度暗い状況で、補助光源ユニット40Aが装着されている場合には初回の蓄積時間を短縮でき、焦点調節完了までに要する時間を短縮することが可能であるとともに、補助光源ユニット40Aが装着されていない場合に焦点調節完了までに要する時間が不所望に延びてしまうこともない。
【0065】
以上の実施の形態において、補助光源ユニット40Aはフラッシュユニットに内蔵される例について説明したが、カメラ100Aに挿脱可能に装着可能な他のアタッチメントに内蔵されるものであってもよい。あるいは、補助光源ユニット40A単体がカメラ100Aに挿脱可能に装着されるものであってもよい。また、補助光源としてフラッシュユニットの放電管を兼用し、この放電管より光を出射させるものであってもよい。
【0066】
以上の発明の実施の形態と請求項との対応において、フィールドレンズ300および再結像レンズ501、502が焦点検出光学系を、イメージセンサ3が光電変換手段を、補助光源10が発光手段を、制限時間TL1が第1の制限時間を、制限時間TL2が第2の制限時間を、演算部5による図6のステップS717〜S718の処理または演算部5による図9のステップS919〜S920の処理が判定手段をそれぞれ構成する。
【0067】
【発明の効果】
以上に説明したように、
本願発明によれば、被写体に向けて照明光を発することの可能な場合に、第1の蓄積時間に対する第1の制限時間を、第2の蓄積時間に対する第2の制限時間よりも短く、かつ発光手段を発光させるか否かを判定するための所定の判定時間とほぼ等しい時間に設定することにより、第1の蓄積時間による蓄積動作に基づいて焦点検出が可能となる確率を増し、焦点調節完了までに要する時間の期待値を短縮することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る焦点調節装置が組み込まれるカメラの構成を説明する図である。
【図2】焦点検出ユニットの光学系およびイメージセンサを示す図である。
【図3】 一対のイメージセンサアレイから出力される信号に対して相関演算を行う様子を説明する図であり、(a)および(b)がイメージセンサからの出力信号の一例を示し、(c)が相関量の変化を示す。
【図4】 相関演算によりデフォーカス量を求める様子を説明する図である。
【図5】イメージセンサから出力される信号を説明する図であり、(a)が被写体の焦点検出領域のコントラストパターンを示し、(b)、(c)および(d)が蓄積時間に応じてイメージセンサより出力される信号の変化する様子を示す。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る焦点検出装置の演算部で実行される焦点検出プログラムを説明するフローチャートである。
【図7】図6に示す焦点検出プログラムの実行にともない、イメージセンサの蓄積動作および補助光源の点灯制御が行われる様子を示すタイミングチャートである。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る焦点調節装置が組み込まれるカメラの構成を説明する図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る焦点検出装置の演算部で実行される焦点検出プログラムを説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1 対物レンズ
2 焦点検出光学系
3 イメージセンサ
3a、3b イメージセンサアレイ
4 A/D変換部
5 演算部
9 補助光制御部
10 補助光源
11 センサ制御部
12 測光回路
13 駆動制御部
14 モータ
20 焦点検出ユニット
30 焦点検出装置
40、40A 補助光源ユニット
100、100A カメラ
Claims (5)
- 光学系を介した被写体からの光束を結像する焦点検出光学系と、
前記焦点検出光学系により結像された被写体像の光強度に対応した信号を出力する光電変換手段と、
前記被写体の輝度に基づく第1の蓄積時間で前記光電変換手段を蓄積制御するとともに、前記第1の蓄積時間での前記光電変換手段の出力と該出力の目標値との比と、前記第1の蓄積時間との積である第2の蓄積時間で前記光電変換手段を蓄積制御する蓄積制御手段と、
被写体に向けて照明光を発する発光手段が前記照明光を発することが可能な場合、焦点検出動作が開始されてから繰り返し行われる前記光電変換手段の蓄積動作に際し、前記第1の蓄積時間に対する第1の制限時間を、第2の蓄積時間に対する第2の制限時間よりも短く、かつ前記被写体に対して照明光を発する発光手段を発光させるか否かを判定するための所定の判定時間とほぼ等しい時間に設定する設定手段と、
前記蓄積制御手段によって蓄積制御された前記光電変換手段の出力に基づいて、前記光学系の焦点調節状態を検出する焦点検出手段とを備えることを特徴とする焦点検出装置。 - 請求項1に記載の焦点検出装置において、
前記第1の蓄積時間と前記判定時間とに基づいて、前記発光手段を発光させるか否かを判定する判定手段をさらに有することを特徴とする焦点検出装置。 - 請求項1または2に記載の焦点検出装置において、
前記所定の判定時間は、前記発光手段を発光させるか否かの判定を行う際の判定境界となる所定の明るさの下で、前記光電変換手段より焦点検出に適した出力が得られるような蓄積時間を予め求めたものであることを特徴とする焦点検出装置。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の焦点検出装置において、
前記設定手段は、前記発光手段が前記照明光を発することが不可能な場合は、前記第1の蓄積時間を前記第2の制限時間で制限することを特徴とする焦点検出装置。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載の焦点検出装置を備えたことを特徴とするカメラ。
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