JP4754745B2 - ストロボ装置付きカメラ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はストロボ装置に係わり、特にそのストロボ装置付きのカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】
カメラの露出補助として、例えばキセノン(Xe)管などを放電発光させる、いわゆるストロボ装置による「ストロボ発光」の技術は古くから知られている。
近年のこの分野の技術として例えば、特公平5−38938号公報などでは、複数のストロボ装置を制御する「多灯ストロボ」の提案を行っている。また、特許3026513号などにおいては、1灯のストロボ装置の構成であっても、複数回発光させることで赤目軽減を行なうという技術も提案されている。
このようなストロボ発光技術によって、被写体がおかれた暗い状況下での撮影が可能となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
一般的に、ストロボ光を必要とする暗い状況下で、強いストロボ光が照射されると、撮影される被写体となる人や動物は非常に強い刺激を眼に感じ、不快感を覚える事があった。しかしながら、前述の従来技術では、そのあたりの事(例えば利用者の使用感など)が充分に配慮されていなかった。
また、ストロボ装置からの発光を弱くし過ぎると、逆光シーンなどでは周囲の光に負けてしまい、被写体像が黒くつぶれた写真となり、期待するきれいに撮影された写真は得られない不具合が多々ある。
【0004】
本発明は、これらの技術を早くから注目し以上の不具合に鑑みて想起に至ったものであり、本発明の目的は、できるだけストロボ光がまぶしく感じられないような発光形態で動作するストロボ装置および、そのストロボ装置付きのカメラを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決し目的を達成するため、本発明では次のような手段を講じている。即ち第1の態様によれば、被写体像の像信号を取得する像検出手段と、上記被写体に対して補助光を照射するストロボ手段と、上記被写体と当該ストロボ装置付きカメラとの間の距離である被写体距離を算出する測距手段と、一回の発光で露光に必要な所定の光量の補助光を発光させる第一の発光形態と、複数回の発光で露光に必要な所定の光量の補助光を分けて発光させる第二の発光形態と、のうち何れかの発光形態で上記ストロボ手段に補助光の発光をさせる制御を行うストロボ制御手段と、を具備し、上記ストロボ制御手段は、上記像検出手段によって取得された像信号に基づいて被写体像の輝度パターンを判定し、該判定結果と、上記測距手段により算出された上記被写体距離とに基づいて、上記第一の発光形態と上記第二の発光形態とを切り替えて、上記ストロボ手段に補助光の発光をさせる制御を行い、該制御においては、上記被写体像の輝度パターンが逆光状態でないことを示す輝度パターンであり、且つ、上記被写体距離が所定値よりも小さい値であると判定した場合には、上記第二の発光形態により、被写体がまぶしさを感じにくい補助光の発光をさせる制御を行うことを特徴とするストロボ装置付きカメラを提案する。
【0007】
【発明の実施の形態】
通常、ストロボ装置の発光量を小さく微小発光すれば、被写体の眼に感じるまぶしさを抑えることはできるが、充分な露出が得られないという不具合を解消できるような工夫を、本発明は次の様な実施形態によって実現している。
本発明に係わるストロボ装置としての基本的な考え方の1つは、近くの被写体に対しては微小発光を繰り返すことによって、カメラが所定の光量を得て、撮影に適当な露出量を期待できるようにするものである。
【0008】
ただし、上述の如き繰返し発光の場合は長い露出時間が必要となる。その露出時間中に主要被写体以外からの光(外光)が入り込み、過剰に露出されてしまい、写真の出来が悪くなるという不具合を回避する必要がある。
【0009】
そこで本発明のストロボ装置付きカメラでは、特にこのような撮影シーンにおいてはその不具合発生を避けるため、例えば遠く離れた被写体に対しては1回の発光で充分な露出が得られるような「1発」発光を行なう大光量発光動作に切り換えるようにその発光形態を適宜制御している。
【0010】
以下に詳しく、図1〜図6を用いて本発明の一実施形態について説明する。図1には、この一実施形態となるオートフォーカスカメラ(AFカメラ)の構成を示している。このAFカメラはストロボ装置をカメラ本体に内蔵するか、必要に応じて外側に取り付け可能に構成されている。
【0011】
またこのAFカメラは、露光検出用の測光装置およびAF用の測距装置を内部に含んで構成されている。すなわち、測距や測光の始動に係わるレリーズSW等のスイッチ5が接続した例えばワンチップマイコンから成る演算制御回路(CPU1)により、各構成要素を図示のように制御可能に接続している。CPU1には所定のチェック機能(詳細後述)を備えたチェック部1aと、RAM6が隣接して設けられている。
【0012】
このAFカメラは、レンズドライバ(LD)7とこれに駆動される撮影レンズ8を備えたカメラであり、一対を成す受光レンズ2a,2bおよびセンサアレイ3a,3bを有し、A/D変換部4を介してCPU1に接続されている。
また、詳しく後に述べるように、ストロボ装置がCPU1により所定の発光形態で駆動可能に接続されている。
【0013】
このように構成されたAFカメラは、撮影レンズ8のピントを正しく被写体100に合焦させるために、2つの受光レンズ2a,2bを介して被写体100の像をセンサアレイ3a,3bに導き、これら受光レンズ2a,2bによる視差Bを利用して「三角測距の原理」に基いて距離L算出を行なうという測距方式のカメラである。よって、センサアレイ各画素の出力はA/D変換部4を介してCPU1に入力される。このとき、チェック部1aを経由することで、測距にふさわしくないデータがチェックされ、RAM6に記憶しないように制限されたり、このRAM6に一時記憶したとしてもその後はクリアしてそのメモリ空間を有効に利用できるようになっている。
【0014】
センサアレイ3a,3bの各画素からの出力データの大小はディジタル値の大小としてCPU1内のRAM6に記憶され、この大小結果より、CPU1が受光レンズ2a,2bの視差Bによって被写体像が相対位置xだけずれた位置に存在すると判断した時に、被写体距離Lを次式に基づく演算によって求める。
L = B・f/x …(式)
但し、fは受光レンズ2a,2bの焦点距離とする。
【0015】
また、CPU1には、図示しない撮影者のレリーズ操作を検出できるスイッチ5が接続されており、このスイッチ5の操作された状態(例えば二段階スイッチの場合は一段階目のレリーズ操作)によって上述した測距装置を作動させて被写体距離Lの算出を行ない、その結果としての被写体距離Lに応じてレンズドライバ(LD)7を介して撮影レンズ8をピントの合うまでズーミングを含む合焦駆動を行なう。
尚、この例では、ストロボ装置の発光管9は撮影状況に応じて露出の補助として発光制御されるが、この発光管9からの光をAFの為の補助光として用いてもよい。
【0016】
上述した如く構成されたAFカメラにおいて、本発明を適用した場合のストロボ装置とその発光制御について詳しく説明する。
図2(a)〜(d)にそれぞれ撮影シーンの実例を示しながら、ストロボ装置を用いる場合を具体的に示す。
【0017】
まず図2(a)のシーンは、ストロボ装置からの強い光を最も防止したい状況である。室内で被写体として赤ちゃんの顔を大きく撮りたい場合には、不足した露出を補うためにストロボ発光が必要となる事が多い。しかし、その際、赤ちゃんの眼は室内の明るさに慣れているため、急にまぶしいストロボ光を照射されると泣き出してしまうおそれがある。こうした状況下においては特に、本実施形態におけるAFカメラは、ストロボ光を弱めに調整し、一方では、その発光回数を増加させることで、露出を無理なく補うように制御するようになっている。
【0018】
また、同じ赤ちゃんを撮影する場合でも、図2(b)に示すように屋外の逆光シーンでは、その赤ちゃんの眼が充分屋外の明るさに慣れている故に、ストロボ光が多少強くてもそれほど大きな刺激にはならず、泣き出す程ではない。
但しこのような場合に多数回発光していると、シャッタが開いている露出時間が長くなって、その期間に周囲の光(外光)が回り込むので露光が進み過ぎ、背景がまっ白になってしまうという副作用が生じるのが普通である。また、ストロボ発光を止めるためにXe管の電流をON/OFF制御する時に生じるエネルギーロスもあり、1発発光の方が大きな光量が取り出せて有利である故に、このようなシーンでは、図5(a)に例示するタイミングのようなシャッタ開放時には、tstの時間だけXe管に電流を流し、大光量を得る方が好ましい。
【0019】
或いは、図2(c)のような花のマクロ撮影シーンでも、被写体の花までの距離は近くとも、背景がまぶしいと充分なストロボ光供給の以前に背景からの光が主被写体に回り込んで図2(d)のような花が黒くつぶれたりして失敗写真(露光不良)となる故に、この場合の近接撮影では多数回発光は好ましくない。
【0020】
このような考え方を基にして、これらの撮影シーンを判別するために、本実施形態では測距用センサアレイの出力に基づき、逆光シーンであるか否かを正確に判定する方法を採用している。
つまり、図2(a),(b),(c)の各撮影シーンでは、例えばセンサアレイ3aから得られるセンサ出力(像信号)は、測光により各々、図3(a),(b),(c)に示すような輝度分布を表わす波形パターンとなり得る。
【0021】
図3(a)が示す如く画面中央部近傍に存在する主要被写体の中央測光部分Cと、周辺の左測光部分L、又は右測光部分Rのセンサ出力差が、逆光時において大きくなる。そこで、図3(b),(c)に示す如くに、これらのセンサデータの出力差ΔBVを求めてその大きさの度合いを判定することによって、その撮影シーンが逆光の状態か否かが判別できる(詳細後述)。
【0022】
そして、このように判定した結果に基づき、ストロボ発光の為に複数設けた発光形態(詳細後述)から適宜に選択的に選んで制御することで、その撮影シーンの状況に最も適した補助光を得ることが可能となる。
その結果、まぶしさが極力ないユーザフレンドリーなストロボ装置付きの電子カメラとなり、しかも常にきれいな被写体像の写真が得られるようになっている。
【0023】
上述したストロボ装置とその発光形態についてさらに詳しく説明する。
図4には、このストロボ装置の構成を図示している。このストロボ装置には、Xe管などの発光管9と、これを発光駆動させる発光駆動系9aを成すトリガ回路22およびパルス回路23と、トリガとしてのIGBT20と、電源供給源としてのメインコンデンサ21とを有している。
メインコンデンサ21に蓄えられた300Vtの電荷が流れる事によって発光管9のXe管内に発光が起こる。この発光は、更に高い電圧をトリガ回路22がそのストロボ装置の発光管9に印加することで、Xe管内のガスをイオン化し、電流が流れ始めることによって引き起こされる。
【0024】
IGBT20がONしていれば、メインコンデンサ21中の電荷が無くなるまで発光が続く、また、IGBT20のゲートをパルス回路23がON/OFFを繰り返せば多数回発光するように制御することができる。また、そのストロボ発光を制御する為のストロボ制御手段をCPU1が所定の制御プログラムの一部として稼動可能に有している。
【0025】
このような本発明の一特徴であるところのストロボ装置による1発の発光と多数回の発光は、図5(a)に示すパターン1および図5(b)に示すパターン2のような発光制御を、CPU1からの指令に従ってトリガ回路22およびパルス回路23が協働して行なうことによって、適宜な発光形態に制御される。これら各回路はCPU1で稼動する後述の制御プログラムに基づいて制御される。
一方、多数回発光時は、図5(b)のパターン2に示した如く、その間、シャッタを開いておく必要があるが、これによって、前述した逆光時の問題が引き起こされる。
【0026】
図6には、本実施形態のAFカメラの制御手順をフローチャートで表わす。これは、CPU1内で稼動する撮影制御プログラムの制御の流れの一部であり、およそ次の様に各部のコントロールが行なわれる。
ステップS1においてまず、測距装置が被写体距離Lを測定算出する(S1)。ステップS2にて、測光装置が画面の明るさを測定する。ここでは、測距用のセンサアレイの出力から平均的な明るさを検出するものとする(S2)。
ステップS3では、上記センサアレイの各センサ出力に基づいて図3で説明のように輝度分布を判定する(S3)。
【0027】
その後、ステップS4において、上記ステップS2の測光で得られた明るさの情報B及びフィルム感度や撮影レンズのFNo に基づき、露出時にストロボ発光が必要か否かを判別する(S4)。もし不要ならばステップS11に分岐して、上記ステップS1で求めた値Lという距離にピント合せを行なう(S11)。
その後は、ストロボ発光無しで露出制御(S12)を行なって、一連の撮影処理を終了する。
一方、フィルム感度が所定より低い値だったり、FNo を加味(考慮)して、画面の明るさが不足し暗くて、ストロボ発光が必要な場合には、次ステップS5へ進む。
【0028】
ステップS5からS6では、L<Loか否かの判定(S5)に続き、被写体が逆光の状態か否かを判別する(S6)。通常のストロボ装置では、照射対象物が遠ければ、前述のように発光ON/OFF時のエネルギーロスで大光量とはならず、遠距離までストロボ光が届かない。したがって、所定距離Lo 以近で、かつ逆光でないという条件の場合のみ上記ステップS6をNOに分岐し、図2(a)に例示したような赤ん坊の撮影シーンに類する場合と判断して、続くステップS7から、被写体距離Lにピント合せした後(S7)、図5(b)に例示のパターン2のような多数回発光によるストロボ補助のもとでの露出を行なう(S8)。
【0029】
しかし、その条件に満たない場合は、図2(b)又は図2(c)のようなシーンであると判断してステップS9へ分岐した後、更に次のように処理される。
即ち、図2(b)のような遠距離で逆光シーンの場合と、図2(c)のような近距離で逆光シーンの場合では、それぞれの距離Lにピント合せをし(S9)、ステップS10にて図5(a)に例示のパターン1のような1発発光のストロボ制御による露光撮影を行なう(S10)。その後、この撮影処理を終了する。
【0030】
このように本実施形態によれば、多数回発光による露出制御が実現し、被写体の顔が黒くつぶれたりせず、かつ、被写体がまぶしさを感じにくいストロボ撮影ができるカメラが提供できる。
しかも、赤ちゃんをはじめとする被写体にとってもまぶしさの少ない多数回発光が有効でしかも、副作用が無い撮影シーンであることを適宜に自動判定して、極力まぶしくないストロボ発光形態によるストロボ撮影を行なうので、その被写体の眼に対して常に刺激の無い写真撮影が可能となる。
【0031】
(変形例)
上述した実施形態は次のように変形実施してもよく、本発明の適用が可能である。図7〜図9の各図面を用いてその変形例について詳しく説明する。
例えば図7にブロック回路図で示す構成のAFカメラもまた、ここではアクティブタイプのAF装置を利用したAFカメラであり、センサアレイを用いるアクティブタイプのAFよりも廉価な部品を用い単純な構成で提供できるものである。
【0032】
すなわち、測距や測光の始動に係わるレリーズスイッチ等のスイッチ5が接続したCPU1によって各構成要素を制御可能に図示の如く接続している。例えば測光系として、測光センサ30、測光回路31および測光レンズ32を有し、投光系としては、投光レンズ33、赤外発光ダイオード(IRED)34および発光回路35を有する。
また受光系として、受光レンズ36および光位置検出素子(PSD)37を有し、その他、距離算出回路38、定常光除去回路39および定常光量検出回路40が図示の如くに接続されている。更に、ストロボ装置の発光管9が発光制御部9aに制御可能に接続されている。
【0033】
このような構成のAFカメラにおいては、赤外発光ダイオード(IRED)34を発光回路35により電流供給して発光させると、測距用光が投光レンズ33を介して被写体100に投射される。その反射信号光は受光レンズ36を介して光位置検出素子(PSD)37に入射する。その入射する光の位置は、三角測距の原理に基づき被写体距離Lによって変化する。
【0034】
光の位置を電流信号に変換するPSD37には、測距用光以外の光も入射するので、測距用光はパルス光とする。定常的な光による光電流は、定常光除去回路39によって除去し、フィルタとして働くこの回路によって分離されたパルス状の信号光成分による光電流のみが距離算出回路38に入力されるので、CPU1は被写体距離Lを検知することができる。この時、除去された定常光電流量は、定常光量検出回路40を経由してCPU1に入力され、判定処理される。
【0035】
PSD37は被写体の一部のみをモニタしているので、定常光量はスポット測光に相当する出力となる。したがって、平均測光用の測光レンズ32と測光センサ30がそれぞれ設けられていると、測光回路31を介してCPU1は、平均測光とスポット測光の結果に基づき判断して、その撮影しようとするシーンが逆光かどうかを判定することができるようになっている。
【0036】
図8に、この変形例のストロボ制御における「逆光判定」ルーチンをフローチャートで表わす。逆光判定を行なうには次の手順に従う。
ステップS20からまず、PSD37に入射する定常光量を判定し(S20)、この定常光量から被写体が存在するあたりの表示状態を測るため、輝度BV1 を算出する(S21)。
【0037】
またステップS22において、測光センサ30の出力に基づき平均測光値BV2を算出する(S22)。
その後、ステップS23では、上述の算出の結果得られた輝度BV1と平均測光値BV2を用いて比較し、大小関係に基づいて、次の場合分けを行なう。このとき、BV1+BV3 < BV2 を比較式として使う(S23)。
もし、所定の差BV3 よりも多く差が生じた場合は、ステップS24に移行して逆光であるとの逆光判定を下す(S24)。
【0038】
このように本変形例によれば、更に簡単な構成で提供可能なアクティブタイプのオートフォーカス機能を搭載したカメラでも、例えば図2(a)のような撮影シーンを判定して、赤ちゃんにとっても目に優しいストロボ撮影を自動的に行なうことができる。
【0039】
(その他の変形例)
さらに次のように変形実施してもよい。図9によりもう1つの変形例を示す。これは、ストロボ発光間隔を変化させながら多数回発光する例であり、まぶしさを起こし難いように、ストロボ光の強さに徐々に慣れさせる発光パターンで照明するものである。すなわち、タイミングチャートの発光周期が示す如く、多数回発光時の1回の発光時間を少しずつ長くしていき、しだいに被写体の目をその光に慣らしていくような、発光制御上の工夫もまた、容易に実施可能である。
【0040】
このように変形実施したことで、被写体にとって刺激の更に少ないストロボ撮影が可能となる。
このほかにも、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形実施が可能である。
【0041】
以上、実施形態に基づき説明したが、本明細書中には次の発明が含まれる。
(1) 被写体までの距離をアクティブ方式で測定するストロボ装置付きAFカメラにおいて、
被写体からの光を感知する受光センサと、この受光センサの出力に基づいて撮影画面内の被写体輝度を測定する輝度測定手段と、
得られたその距離と輝度とに基づいて撮影シーンを判断し、露出時の補助光の発光形態を選択的に切り換えるストロボ制御手段と、
を有するストロボ装置付きAFカメラを提供できる。
【0042】
(2) 上記ストロボ制御手段は、1回の発光で所定以上の光量を得る第1の発光形態と、複数回の発光で所定の光量を得る第2の発光形態を当該撮影シーンに応じて切り換える(1)に記載のAFカメラを提供できる。
(3) 当該被写体が近距離にある場合は、多数回発光で照明し、当該被写体が遠距離にある場合は1発発光で照明するように発光形態を切り換える(1)に記載のAFカメラを提供できる。
【0043】
(4) 広角撮影(Wide)時は多数回発光で照明し、望遠撮影(Tele)時は1発発光で照明する(1)に記載のAFカメラを提供できる。
(5) 撮影に使用するフィルムのISO感度が、所定の値より高いものを使う場合は多数回発光で照明し、所定の値より低いものを使う場合は1発発光で照明する(1)に記載のAFカメラを提供できる。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、できるだけストロボ光がまぶしく感じられないような発光形態で動作するストロボ装置および、そのストロボ装置付きのカメラを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態となるオートフォーカスカメラの主要部の構成を示すブロック構成図。
【図2】 図2(a)〜(d)は本実施形態における撮影シーンの例を示し、
(a)は、室内近接撮影シーンの説明図、
(b)は、野外での逆光撮影シーンの説明図、
(c),(d)は逆光での近接撮影シーンの説明図。
【図3】 図3(a)〜(c)はこのカメラにおけるセンサアレイによる測光結果(輝度分布)を表わし、
(a)は、主要被写体の中央、左右測光部分のセンサ出力波形を示すグラフ、
(b),(c)は、逆光判定のためセンサデータの出力差を示すグラフ。
【図4】 ストロボ発光を制御する回路を示す回路図。
【図5】 図5(a),(b)はストロボ装置における発光形態をパルス、トリガ、シャッタ開閉で示し、
(a)は、1発発光のパターンを表わすタイミングチャート、
(b)は、多数回発光のパターンを表わすタイミングチャート。
【図6】 本実施形態のストロボ制御を表わすフローチャート。
【図7】 本発明の変形例としてのアクティブタイプのオートフォーカスカメラを示すブロック回路図。
【図8】 変形例としてのストロボ制御の逆光判定を表わすフローチャート。
【図9】 変形例としてストロボ発光間隔を変化させるパターンを表わすタイミングチャート。
【符号の説明】
1…演算制御回路(CPU:各種制御手段)、
1a…チェック部
2a,2b…受光レンズ、
3a,3b…センサアレイ(輝度測定手段)、
4…A/D変換部、
5…スイッチ(レリーズSW)、
6…RAM、
7…レンズドライバ(LD)、
8…撮影レンズ、
9…発光管(Xe管)、
20…IGBT(トリガ)、
21…メインコンデンサ、
22…トリガ回路、
23…パルス回路、
30…測光センサ、
31…測光回路、
32…測光レンズ、
33…投光レンズ、
34…赤外発光ダイオード(IRED)、
35…発光回路、
36…受光レンズ、
37…光位置検出素子(PSD)、
38…距離算出回路、
39…定常光除去回路、
40…定常光量検出回路。
S1〜S12…撮影処理手順(カメラシーケンス)、
S20〜S24…逆光判定手順。

Claims (2)

  1. 被写体像の像信号を取得する像検出手段と、
    上記被写体に対して補助光を照射するストロボ手段と、
    上記被写体と当該ストロボ装置付きカメラとの間の距離である被写体距離を算出する測距手段と、
    一回の発光で露光に必要な所定の光量の補助光を発光させる第一の発光形態と、複数回の発光で露光に必要な所定の光量の補助光を分けて発光させる第二の発光形態と、のうち何れかの発光形態で上記ストロボ手段に補助光の発光をさせる制御を行うストロボ制御手段と、を具備し、
    上記ストロボ制御手段は、上記像検出手段によって取得された像信号に基づいて被写体像の輝度パターンを判定し、該判定結果と、上記測距手段により算出された上記被写体距離とに基づいて、上記第一の発光形態と上記第二の発光形態とを切り替えて、上記ストロボ手段に補助光の発光をさせる制御を行い、該制御においては、上記被写体像の輝度パターンが逆光状態でないことを示す輝度パターンであり、且つ、上記被写体距離が所定値よりも小さい値であると判定した場合には、上記第二の発光形態により、被写体がまぶしさを感じにくい補助光の発光をさせる制御を行う
    ことを特徴とするストロボ装置付きカメラ。
  2. 上記ストロボ制御手段は、
    上記ストロボ手段に上記第二の発光形態で補助光の発光をさせる制御を行う際には、上記複数回の発光における各回毎に発光時間を変更していく
    ことを特徴とする請求項1に記載のストロボ装置付きカメラ。
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