JP4608728B2 - 焦点検出装置 - Google Patents
焦点検出装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4608728B2 JP4608728B2 JP2000120732A JP2000120732A JP4608728B2 JP 4608728 B2 JP4608728 B2 JP 4608728B2 JP 2000120732 A JP2000120732 A JP 2000120732A JP 2000120732 A JP2000120732 A JP 2000120732A JP 4608728 B2 JP4608728 B2 JP 4608728B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- photoelectric conversion
- charge accumulation
- accumulation time
- conversion signal
- output
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Landscapes
- Focusing (AREA)
- Automatic Focus Adjustment (AREA)
- Transforming Light Signals Into Electric Signals (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、オートフォーカスカメラの焦点検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
被写体光をCCDのような光電変換素子で受光し、光電変換素子から出力される光電変換信号に基づいて撮影レンズの焦点調節状態を検出する焦点検出装置が知られている。光電変換素子の出力信号レベルは、入射される被写体光量に応じて変化する。入射される被写体光量が多過ぎる場合は出力される信号レベルが高すぎて飽和し、被写体光量が少な過ぎる場合は出力される信号レベルが低くてノイズの影響を受けやすくなる。そこで、被写体輝度に応じて光電変換素子の電荷蓄積時間を変化させることにより、光電変換信号レベルが適正に調整される。被写体輝度を検出する方法として、輝度検出用に専用のセンサを設ける方法と、光電変換素子の出力信号レベルから被写体輝度を検出する方法とがある。一般に、専用のセンサを設けるとコストアップにつながるので、光電変換素子の出力信号レベルから被写体輝度を検出する方法が用いられる。たとえば、特開平2−113215号公報には、光電変換時に光電変換素子から出力される受光素子出力の最大出力値について、次回の光電変換時に適正値として出力されるように電荷蓄積時間を演算して求め、光電変換素子の電荷蓄積時間を制御する焦点検出装置が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の技術による焦点検出装置では、光電変換素子の電荷蓄積時間が所定時間より長くて光電変換信号が飽和してしまうと、電荷蓄積時間に関係なく光電変換信号レベルが飽和レベルにクリップされてしまう。したがって、電荷蓄積時間と信号レベルとの関係がわからなくなるので、次回以降の電荷蓄積時間を適正に制御できないという問題があった。
【0004】
本発明の目的は、光電変換素子から出力される光電変換信号が飽和しても電荷蓄積時間を適正に制御するようにした焦点検出装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明による焦点検出装置は、撮影レンズを通して入射される被写体光に応じて光電変換信号を出力する電荷蓄積型の光電変換素子と、前記光電変換素子に入射する前記被写体光を所定の光束に制限する光束制限手段と、前記光束制限手段によって制限された前記所定の光束を前記光電変換素子の第1領域に導く光学手段と、前記所定の光束を受光する前記光電変換素子の第1領域から出力される光電変換信号に基づいて、前記撮影レンズの焦点調節状態を検出する焦点検出手段と、前記第1領域から出力される光電変換信号が飽和しているか否かを判定し、飽和していないと判定されたとき、前記第1領域から出力される光電変換信号に基づいて、前記光電変換素子の電荷蓄積時間を制御し、飽和していると判定されたとき、光電変換信号の目標出力値と前回の電荷蓄積時に前記光電変換素子の前記第1の領域の近傍の第2領域から出力された光電変換信号の出力値との比率、および前回の電荷蓄積時の電荷蓄積時間に基づいて、前記光電変換素子の電荷蓄積時間を制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
【0006】
【作用】
焦点検出に使用する光電変換素子の所定の領域から出力される光電変換信号レベルは、所定の領域の近傍から出力される光電変換信号レベルよりも高い。したがって、所定の領域の近傍からの光電変換信号は、所定の領域からの光電変換信号に比べると飽和しにくい。本発明は、このような現象を利用することにより、光電変換素子の所定の領域から出力される光電変換信号レベルを飽和レベルに近い値にするように、光電変換素子の電荷蓄積時間を最適な値に設定する。
【0007】
なお、上記課題を解決するための手段の項では、本発明をわかりやすく説明するために実施の形態の図と対応づけたが、これにより本発明が実施の形態に限定されるものではない。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の一実施の形態による焦点検出装置を備える一眼レフカメラである。図1のカメラは、カメラ本体70と、ファインダ装置80と、交換レンズ90とを備える。ファインダ装置80および交換レンズ90は、それぞれカメラ本体70に着脱可能である。交換レンズ90は、レンズ91と絞り92とを内蔵する。
【0009】
図1において、カメラ本体70は、クイックリターンミラー71と、シャッター72と、感光部材73と、ファインダマット81と、ペンタプリズム82と、接眼レンズ83と、プリズム84と、結像レンズ85と、測光用光電変換素子86と、焦点検出装置36とを有する。レリーズ前に交換レンズ90を通してカメラ本体70に入射する被写体光は、点線で示す位置にあるクイックリターンミラー71によりファインダ装置80に導かれる。この被写体光は、ファインダマット81に結像するとともに、焦点検出装置36にも被写体像を結像する。ファインダーマット81に結像する被写体光は、ペンタプリズム82で接眼レンズ83に導かれる。また、ファインダーマット81に結像する被写体光は、プリズム84と結像レンズ85を通って測光用光電変換素子86にも被写体像を結像する。
【0010】
レリーズ後にカメラ本体70に入射する被写体光は、実線で示す位置に回動されるクイックリターンミラー71の下部を通過し、シャッター72を介してフィルムなどの感光部材73上に結像する。
【0011】
図1のカメラで不図示のレリーズスイッチが半押し操作されると、被写体の輝度を検出する測光動作が行われる。被写体の輝度検出は、測光用光電変換素子86から出力される検出信号を用いて不図示のCPUで行われる。CPUは、測光動作をはじめとする全てのカメラ動作を制御する。このCPUが被写体輝度を検出し、検出した輝度を用いて所定の演算を行うことにより、撮影時の制御シャッター時間と制御絞り値とが算出される。
【0012】
焦点検出装置36は、レンズ91の焦点調節状態を検出する。図2は、焦点検出装置36の概要を表すブロック図である。焦点検出装置36は、焦点検出光学系1と、イメージセンサーアレイ2と、焦点検出演算部3と、蓄積時間制御部4とを有し、レンズ91の焦点調節状態を検出する。焦点検出光学系1は、レンズ91を通過する被写体光をイメージセンサーアレイ2上に結像させる。イメージセンサーアレイ2は、CCDなどの電荷蓄積型のラインセンサであり、入射光量に応じた光電変換信号を素子位置に対応して出力する。焦点検出演算部3は、イメージセンサーアレイ2の複数の画素領域から出力される複数の光電変換信号の信号レベルと、各光電変換信号を出力するイメージセンサーアレイ2上の画素領域の位置とを用いて所定の演算を行う。蓄積時間制御部4は、光電変換信号の信号レベルを用いてイメージセンサーアレイ2の電荷蓄積時間を制御する。
【0013】
図3を参照して焦点検出装置36の構成および焦点検出動作の原理を説明する。焦点検出装置36は、上述した不図示のCPUにより制御される。焦点検出光学系1は、視野マスク900、フィールドレンズ300、開口マスク400、再結像レンズ501および502などで構成される。領域800は、レンズ91(図1)の射出瞳である。また、領域801、802は、開口マスク400に穿設される開口部401、402をフィールドレンズ300によってそれぞれ領域800上に逆投影される像が存在する領域である。焦点検出光学系1には、赤外光カットフィルタ700が設けられている。領域801、802を介して入射する光束は、感光部材73(図1)の等価面600上で焦点を結んだ後、赤外光カットフィルタ700、視野マスク900、フィールドレンズ300、開口部401、402および再結像レンズ501、502を介してイメージセンサーアレイ2上の領域201、202にそれぞれ結像する。
【0014】
イメージセンサーアレイ2の領域201、202に結像した一対の被写体像は、レンズ91が感光部材73の等価面600よりも前(被写体側)に被写体の鮮鋭像を結ぶいわゆる前ピン状態では互いに近づき、逆に感光部材73の等価面600よりも後に被写体の鮮鋭像を結ぶいわゆる後ピン状態では互いに遠ざかる。そして、イメージセンサーアレイ2の領域201、202に結像した被写体像が所定の間隔となるとき、被写体の鮮鋭像が感光部材73の等価面600上に位置する。すなわち、一対の被写体像が相対的に一致する。
【0015】
焦点検出演算部3は、イメージセンサーアレイ2上に結像される一対の被写体像が光電変換された電気信号を用いて所定の演算を行うことにより、一対の被写体像の相対距離を求める。一対の被写体像の相対距離が求められると、レンズ91の焦点調節状態、つまり交換レンズ90により鮮鋭な像が形成される位置が、感光部材73の等価面600に対してどの方向にどれだけ離れているか、つまりずれ量が求められる。図3において焦点検出領域は、イメージセンサーアレイ2の領域201,202が再結像レンズ501、502によって逆投影されて、感光部材73の等価面600の近傍で重なる部分に相当する。
【0016】
イメージセンサーアレイ2の電荷蓄積時間の制御を詳細に説明する。イメージセンサーアレイ2の複数の画素から出力される光電変換信号の信号レベルのそれぞれは、イメージセンサーアレイ2に入射される光量が多いとき高くなり、入射される光量が少ないとき低くなる。また、入射される光量が同じでも、電荷蓄積時間が長いとき高くなり、電荷蓄積時間が短いとき低くなる。イメージセンサーアレイ2に蓄積される電荷量は、電荷が蓄積されるコンデンサの容量により制限されるので、蓄積電荷がコンデンサの容量を超えて蓄積されることはない。したがって、イメージセンサーアレイ2に入射される光量が多い場合や電荷の蓄積時間が長い場合は、イメージセンサーアレイ2から出力される光電変換信号の信号レベルが所定の値で制限される。制限される所定の値を飽和レベルと呼ぶ。
【0017】
イメージセンサーアレイ2から出力される光電変換信号にはノイズが存在する。ノイズは光電変換信号の信号レベルに関係なく存在するので、光電変換信号レベルを高めて飽和レベルに近づける方がノイズの影響を受けにくくなる。そこで、光電変換信号レベルを飽和レベルに達しない範囲でできるだけ高めるように、イメージセンサーアレイ2の電荷蓄積時間を変化させることにより、光電変換信号レベルを入射光量にかかわらずほぼ一定にするように制御する。この制御をオートゲインコントロール(AGC)と呼ぶ。
【0018】
図4はイメージセンサーアレイ2から出力される光電変換信号を説明する図である。(a)はイメージセンサーアレイ2の素子列nを表す図、(b)は白い紙のように輝度が均一な被写体をイメージセンサーアレイ2上に結像した場合に(a)の素子列nから出力される光電変換信号D[n]を表す図である。図4(b)の横軸は素子番号、縦軸は信号レベルを表す。図4(a)において、イメージセンサーアレイ2は、素子1〜素子Mで表されるM個の素子列nを有する。このうち、素子Asから素子Aeで示される範囲が領域201に、素子Bs〜素子Beで示される範囲が領域202に相当する。図4(b)において、素子列nの領域201および領域202から光電変換信号D[As]〜D[Ae]およびD[Bs]〜D[Be]がそれぞれ出力される。上述した焦点検出演算部3は、領域201および202を演算領域として、光電変換信号D[As]〜D[Ae]およびD[Bs]〜D[Be]を用いて上述した演算を行う。
【0019】
また、図4(b)において、素子列nの領域201および領域202以外から出力される光電変換信号値は0である。ただし、素子As,Ae,Bs,Beの近傍、すなわち、素子Asの左側、素子Aeの右側、素子Bsの左側および素子Beの右側は、図3の開口部401,402のエッジで生じる回折や、レンズ91(図1)および焦点検出光学系1のレンズ収差などにより、出力される光電変換信号値が階段状に変化する。
【0020】
図2の蓄積時間制御部4は、次回の電荷蓄積時間Tnを次式(1)により算出する
【数1】
Tn=Tp×Lr/Lp (1)
ただし、Tpは前回の光電変換時の電荷蓄積時間、Lrは目標とする光電変換信号D[n]の最大値、Lpは前回の電荷蓄積時に出力された光電変換信号D[n]の最大値である。
【0021】
上式(1)によれば、前回の信号レベルLpが目標信号レベルLrより低い場合には、LrとLpの比率に応じて電荷蓄積時間Tnが前回の電荷蓄積時間Tpより長く設定され、蓄積時間Tnによる蓄積によって得られる信号レベルが目標信号レベルLrに概等しくなることが期待できる。反対に、前回の信号レベルLpが目標信号レベルLrより高い場合には、LrとLpの比率に応じて電荷蓄積時間Tnが前回の電荷蓄積時間Tpより短く設定され、蓄積時間Tnによる蓄積によって得られる信号レベルが目標信号レベルLrに概等しくなることが期待できる。なお、目標信号レベルLrは、イメージセンサーアレイ2が飽和しない範囲でできるだけ大きな値とされる。
【0022】
前回の信号レベルLpが飽和レベル以上の場合は、以下のように次回の電荷蓄積時間を算出する。図5は、図4(b)の素子Asの近傍を拡大した図である。(a)は出力される光電変換信号の最大値が点線で示される飽和レベルに達していない場合の光電変換信号を表す図、(b)は(a)に比べて被写体輝度が2倍の場合に出力される光電変換信号を表す図、(c)は(a)に比べて被写体輝度が4倍の場合に出力される光電変換信号を表す図である。(b)および(c)は光電変換信号の最大値が飽和レベルに達している。なお、(a)〜(c)の電荷蓄積時間は同一である。
【0023】
図5(a)において、素子Asより右側に位置する素子から出力される光電変換信号は、被写体の輝度が均一であることからほぼ同一の信号レベルになる。素子Asより左側に位置する素子は、開口部401を通過する光束の周辺の遮光部に対応するが、上述した回折およびレンズ収差に起因する光の回り込みにより完全に遮光状態にならない。したがって、素子Asに近づくほど光が回り込み、素子Asから離れるにつれて回り込む光量が低下して次第に遮光される。この結果、イメージセンサーアレイ2から出力される光電変換信号は、素子(As-1)から素子(As-4)へと素子Asから離れるにしたがって段階的に信号レベルが低くなる。このように遮光部で段階的に信号レベルが低くなるのは、素子Ae,Bs,Beの近傍に共通である。
【0024】
図5(b)の光電変換信号レベルは、被写体輝度が2倍のため図5(a)の光電変換信号レベルの2倍になる。ところが、素子(As-1)より右側から出力される光電変換信号は、飽和レベルでクリップされるので図5(a)に比べて2倍の出力にはならない。図5(c)の光電変換信号レベルは、被写体輝度が4倍のため図5(b)の光電変換信号レベルのさらに2倍になる。ところが、素子(As-2)より右側から出力される光電変換信号は、飽和レベルでクリップされるので図5(b)に比べて2倍の出力にはならない。
【0025】
一方、素子(As-4)および素子(As-3)のように素子Asから離れて位置する素子は、入射される光量が素子Asに近接する素子に入射される光量に比べて少ないので、出力される光電変換信号が飽和レベルに達しにくい。したがって、前回の電荷蓄積時に得られた光電変換信号D[n]の最大値Lpが飽和レベル以上の場合は、素子Asから離れて位置する素子から出力される光電変換信号の値を用いて、次式(2)により次回の電荷蓄積時間を算出する。
【数2】
Tn=Tp×(Lr×Kb)/Lop (2)
ただし、Tpは前回の光電変換時の電荷蓄積時間、Lrは目標とする光電変換信号D[n]の最大値、Lopは前回の電荷蓄積時に素子Asから離れて位置する素子(As-i)から出力された光電変換信号D[As-i]、係数Kbは、飽和のない状態での素子Asと素子(As-i)の出力比である。
【0026】
たとえば、前回の電荷蓄積時の光電変換信号が図5(b)で表される場合に、次回の電荷蓄積時の光電変換信号が図5(a)で表されるような電荷蓄積時間を算出する場合を考える。この場合には、飽和レベルに達している素子Asの代わりに、飽和レベルに達していない素子(As-2)から出力される光電変換信号D[As-2]を用いて次回の電荷蓄積時間が算出される。素子(As-2)から出力される信号値が素子Asから出力される信号値の1/2倍であるとすれば、次回の電荷蓄積時間Tnは、上式(2)の係数Kb=1/2とおくことにより、前回の電荷蓄積時間Tpの1/2倍の電荷蓄積時間を算出できる。
【0027】
以上のように蓄積時間制御部4でイメージセンサーアレイ2の電荷蓄積時間Tnが算出されると、蓄積時間制御部4が次回の電荷蓄積時間Tnを設定して、イメージセンサアレイ2に電荷の蓄積を行わせる。焦点検出演算部3は、電荷蓄積時間Tnで光電変換された光電変換信号D[As]〜D[Ae]およびD[Bs]〜D[Be]を用いて上述した演算を行う。図1において、焦点検出装置36でレンズ91の焦点調節状態が検出されると、不図示のレンズ駆動装置によりレンズ91の焦点位置が調整される。この後、不図示のレリーズスイッチが全押し操作されると、クイックリターンミラー71が跳ね上がり、絞り92が上述した制御絞り値に制御され、シャッター72が上述した制御シャッター時間で制御されて撮影が行われる。
【0028】
以上説明した動作を図6のフローチャートを参照して説明する。図6は、焦点調節状態を検出する時に電荷蓄積時間を決定する処理手順を説明するフローチャートである。ステップS1において、不図示のレリーズスイッチが半押し操作されると、図6の処理が起動される。蓄積時間制御部4内の不図示のメモリに記憶されている所定値が読み出され、電荷蓄積時間Tnの初期値とされる。続くステップS2では、蓄積時間制御部4がイメージセンサーアレイ2に電荷蓄積時間Tnを設定して電荷を蓄積させ、ステップS3へ進む。ステップS3において、蓄積時間制御部4がイメージセンサーアレイ2から光電変換信号D[1]〜D[M]を読み出す。読み出された光電変換信号D[1]〜D[M]は、焦点検出演算部3にも送られる。
【0029】
ステップS4において、焦点検出演算部3は、光電変換信号D[1]〜D[M]の中からD[As]〜D[Ae]およびD[Bs]〜D[Be]を用いて上述した演算を行い、レンズ91のデフォーカス量を求める。ステップS5において、図6の処理を中止する指令が出されたか否かを検出し、出されていると判定する(ステップS5の肯定判定)と図6の処理を終了し、出されていないと判定する(ステップS5の否定判定)とステップS6に進む。
【0030】
ステップS6において、蓄積時間制御部4は、ステップS2における蓄積動作で用いた電荷蓄積時間を前回の電荷蓄積時間Tpとおく。続くステップS7において、光電変換信号D[As]〜D[Ae]の最大値をDmaxとおき、ステップS8に進む。ステップS8では、最大値Dmaxが飽和レベル以上か否かを判定し、飽和レベル以上と判定する(ステップS8の肯定判定)とステップS11へ進み、飽和レベル未満と判定する(ステップS8の否定判定)とステップS9へ進む。ステップS9では、Dmaxを前回の電荷蓄積時の光電変換信号LpとしてステップS10に進む。ステップ10において、上式(1)で算出される電荷蓄積時間をTnとおき、ステップS2へ戻る。
【0031】
一方、ステップS11において、カウンタiを1にセットしてステップS12に進む。カウンタiは、素子(As)の近傍で光電変換信号レベルを判定する素子の数をカウントするために用いられる。ステップS12では、素子(As-i)から出力される光電変換信号D[As-i]が飽和レベル以上か否かを判定し、飽和レベル以上と判定する(ステップS12の肯定判定)とステップS16へ進み、飽和レベル未満と判定する(ステップS12の否定判定)とステップS13へ進む。ステップS13において、光電変換信号D[As-i]を前回の電荷蓄積時の光電変換信号LopとおいてステップS14に進む。ステップ14において、あらかじめ蓄積時間制御部4内の不図示のメモリに記憶されている出力比Kb[i]を読み出してKbとおく。ステップS15では、上式(2)で算出される電荷蓄積時間をTnとおき、ステップS2へ戻る。
【0032】
ステップS16では、カウンタiが4か否かを判定し、4であると判定する(ステップS16の肯定判定)とステップS17へ進み、4でないと判定する(ステップS16の否定判定)とステップS18へ進む。ステップS17において、あらかじめ蓄積時間制御部4内の不図示のメモリに記憶されている所定値Ckを読み出して、次式(3)により算出される時間を次の電荷蓄積時間TnとおいてステップS2に戻る。
【数3】
Tn=Tp×Ck (3)
ただし、Tpは前回の光電変換時の電荷蓄積時間、Ckは1未満の係数であり、通常、Ck<Kb[4]とされる。上式(3)によれば、次回の電荷蓄積時間Tnが所定の割合で前回の電荷蓄積時間Tpより短縮される。
【0033】
ステップS18では、カウンタiの値を1つ進めてステップS12に戻る。
【0034】
以上説明した実施の形態によれば、焦点検出演算部3でデフォーカス量を演算するために用いるイメージセンサーアレイ2の演算領域、すなわち、素子As〜Aeの光電変換信号D[As]〜D[Ae]の最大値Dmaxが飽和レベル未満のとき、Dmaxを用いて電荷蓄積時間Tnを算出し、Dmaxが飽和レベル以上のとき、素子Asの左側近傍の素子(As-i)の光電変換信号D[As-i]を用いて電荷蓄積時間Tnを求めるようにした。したがって、Dmaxが飽和レベル以上になることにより、前回の光電変換信号Lpと前回の電荷蓄積時間Tpとの関係がわからない場合でも、次回の電荷蓄積時間Tnを算出することが可能になる。この結果、光電変換信号レベルが飽和レベルを超えない範囲で大きくすることが可能になるから、ノイズの影響を少なくしてデフォーカス量を演算することが可能になる。
【0035】
以上の説明では、イメージセンサーアレイ2の素子As〜Aeの光電変換信号D[As]〜D[Ae]、および素子Asの左側近傍の素子(As-i)の光電変換信号D[As-i]を用いて電荷蓄積時間Tnを求めるようにしたが、素子Aeの右側近傍の素子(Ae+i)の光電変換信号D[Ae+i]を用いて電荷蓄積時間Tnを求めるようにしてもよく、両近傍の光電変換信号を併用して求めてもよい。また、素子Bs〜Beの光電変換信号D[Bs]〜D[Be]、素子Bsの左側近傍の素子(Bs-i)の光電変換信号D[Bs-i]、および素子Beの右側近傍の素子(Be+i)の光電変換信号D[Be+i]を用いて求めてもよい。
【0036】
上述したように、素子As,Ae,Bs,Beの近傍で、素子Asの左側、素子Aeの右側、素子Bsの左側および素子Beの右側において出力される光電変換信号値が階段状に変化する。この変化を表す係数Kbは、焦点検出光学系1の組立誤差などにより焦点検出装置36ごとに個体差を有する。したがって、装置ごとにKb[i]をあらかじめ測定して蓄積時間制御部4内のメモリに記憶させておく。
【0037】
上記の説明では、カウンタiを4までカウントするように説明したが、4に限るものではない。
【0038】
また、以上の説明では、イメージセンサーアレイ2にラインセンサを用いて説明したが、2次元の撮像領域を有する面センサを用いることもできる。この場合には、開口マスク400の開口部401および402による2つの光束が面センサ上にならぶ方向のライン上のデータを用いるようにする。
【0039】
さらにまた、上述した説明では、前回の蓄積で得られたイメージセンサーアレイ2の素子As〜Aeの光電変換信号D[As]〜D[Ae]の最大値DmaxをLpとしたが、前回の蓄積で得られた光電変換信号D[As]〜D[Ae]の平均値をLpとおくようにしてもよい。
【0040】
特許請求の範囲における各構成要素と、発明の実施の形態における各構成要素との対応について説明すると、イメージセンサーアレイ2が光電変換素子に、焦点検出光学系1が光学手段に、素子As〜Aeが所定の領域および第1の領域に、焦点検出演算部3が焦点検出手段に、蓄積時間制御部4が制御手段、判定手段および記憶手段に、素子(As-1)〜(As-4)が領域の近傍および第2の領域に、視野マスク900および開口マスク400が光束制限手段に、フィールドレンズ300および再結像レンズ501,502が光学手段に、それぞれ対応する。
【0041】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように本発明によれば、次のような効果を奏する。
(1)請求項1,2,5に記載の発明による焦点検出装置では、撮影レンズの焦点調節状態の検出に用いられる光電変換素子の所定の領域、およびこの領域の近傍から出力される光電変換信号に基づいて光電変換素子の電荷蓄積時間を制御するようにした。したがって、たとえば、低輝度の被写体から高輝度の被写体に変える場合など、光電変換素子の所定の領域から出力される光電変換信号レベルが飽和する場合でも、所定の領域の近傍から出力される光電変換信号を用いて電荷蓄積時間の制御を行うことができる。この結果、従来技術に比べて速く、適正に電荷蓄積時間を制御することが可能になるから、シャッターチャンスを逃すことが防止される。
(2)とくに、請求項2に記載の発明では、光電変換信号が飽和していないとき、所定の領域から出力される光電変換信号を用いて電間蓄積時間の制御を行い、光電変換信号が飽和しているとき、所定の領域の近傍から出力される光電変換信号を用いて電荷蓄積時間の制御を行うようにしたから、光電変換信号の飽和の有無に関係なく電荷蓄積時間を適正に制御することができる。
(3)請求項3〜5に記載の発明による焦点検出装置では、制限光束に対応する光電変換素子の第1領域、および制限光束の周囲に対応する光電変換素子の第2領域から出力される光電変換信号に基づいて光電変換素子の電荷蓄積時間を制御するようにした。したがって、たとえば、低輝度の被写体から高輝度の被写体に変える場合など、制限光束に対応する第1領域から出力される光電変換信号レベルが飽和する場合でも、制限光束の周囲に対応する第2領域の光電変換信号を用いて電荷蓄積時間の制御を行うことができる。この結果、従来技術に比べて速く、適正に電荷蓄積時間を制御することが可能になる。
(4)とくに、請求項4に記載の発明では、光電変換信号が飽和していないとき、制限光束に対応する第1領域から出力される光電変換信号を用いて電間蓄積時間の制御を行い、光電変換信号が飽和しているとき、制限光束の周囲に対応する第2領域から出力される光電変換信号を用いて電荷蓄積時間の制御を行うようにしたから、光電変換信号の飽和の有無に関係なく電荷蓄積時間を適正に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態による焦点検出装置を備える一眼レフカメラを表す図である。
【図2】焦点検出装置の概要を表すブロック図である。
【図3】焦点検出装置の構成および焦点検出動作の原理を説明する図である。
【図4】イメージセンサーアレイから出力される光電変換信号を説明する図であり、(a)はイメージセンサーアレイの素子列を表す図、(b)は被写体の輝度が均一な場合に(a)の素子列から出力される光電変換信号を表す図である。
【図5】図4(b)の素子Asの近傍を拡大した図であり、(a)は光電変換信号の最大値が飽和レベルに達していない場合を表す図、(b)は(a)に比べて被写体輝度が2倍の場合を表す図、(c)は(a)に比べて被写体輝度が4倍の場合を表す図である。
【図6】焦点調節状態検出時の電荷蓄積時間を決定する処理手順を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1…焦点検出光学系、 2…イメージセンサーアレイ、
3…焦点検出演算部、 4…蓄積時間制御部、
36…焦点検出装置、 91…撮影レンズ、
201,202…イメージセンサーアレイ上の領域、
300…フィールドレンズ、 400…開口マスク、
401,402…開口部、 501,502…再結像レンズ、
900…視野マスク、
D[As]〜D[Ae]…領域201の光電変換信号、
D[Bs]〜D[Be]…領域202の光電変換信号
D[As-1]〜D[As-4]…素子As左側近傍の光電変換信号
Claims (1)
- 撮影レンズを通して入射される被写体光に応じて光電変換信号を出力する電荷蓄積型の光電変換素子と、
前記光電変換素子に入射する前記被写体光を所定の光束に制限する光束制限手段と、
前記光束制限手段によって制限された前記所定の光束を前記光電変換素子の第1領域に導く光学手段と、
前記所定の光束を受光する前記光電変換素子の第1領域から出力される光電変換信号に基づいて、前記撮影レンズの焦点調節状態を検出する焦点検出手段と、
前記第1領域から出力される光電変換信号が飽和しているか否かを判定し、飽和していないと判定されたとき、前記第1領域から出力される光電変換信号に基づいて、前記光電変換素子の電荷蓄積時間を制御し、飽和していると判定されたとき、光電変換信号の目標出力値と前回の電荷蓄積時に前記光電変換素子の前記第1の領域の近傍の第2領域から出力された光電変換信号の出力値との比率、および前回の電荷蓄積時の電荷蓄積時間に基づいて、前記光電変換素子の電荷蓄積時間を制御する制御手段とを備えることを特徴とする焦点検出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000120732A JP4608728B2 (ja) | 2000-04-21 | 2000-04-21 | 焦点検出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000120732A JP4608728B2 (ja) | 2000-04-21 | 2000-04-21 | 焦点検出装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001305418A JP2001305418A (ja) | 2001-10-31 |
JP4608728B2 true JP4608728B2 (ja) | 2011-01-12 |
Family
ID=18631493
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000120732A Expired - Lifetime JP4608728B2 (ja) | 2000-04-21 | 2000-04-21 | 焦点検出装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4608728B2 (ja) |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH06258570A (ja) * | 1992-06-26 | 1994-09-16 | Nikon Corp | カメラの焦点検出装置 |
JPH11142723A (ja) * | 1997-11-05 | 1999-05-28 | Canon Inc | 撮像装置 |
JP2000039552A (ja) * | 1998-07-24 | 2000-02-08 | Nikon Corp | 焦点検出装置 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3385181B2 (ja) * | 1996-06-14 | 2003-03-10 | ペンタックス株式会社 | 画像読み取り装置 |
-
2000
- 2000-04-21 JP JP2000120732A patent/JP4608728B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH06258570A (ja) * | 1992-06-26 | 1994-09-16 | Nikon Corp | カメラの焦点検出装置 |
JPH11142723A (ja) * | 1997-11-05 | 1999-05-28 | Canon Inc | 撮像装置 |
JP2000039552A (ja) * | 1998-07-24 | 2000-02-08 | Nikon Corp | 焦点検出装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001305418A (ja) | 2001-10-31 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101395015B1 (ko) | 카메라, 초점 검출방법, 및 제어방법 | |
JP5366643B2 (ja) | 撮像装置 | |
JP2004184952A (ja) | カメラの自動焦点調節装置 | |
JP2006254413A (ja) | 撮像装置およびカメラボディ | |
JP4190086B2 (ja) | 電子的撮像装置 | |
JP2008203428A (ja) | 撮像装置 | |
JP3569973B2 (ja) | 焦点調節装置 | |
JP6512989B2 (ja) | 焦点検出装置及び方法、及び撮像装置 | |
JP4608728B2 (ja) | 焦点検出装置 | |
JP5364983B2 (ja) | 測光装置 | |
JP2011125055A (ja) | 撮像装置およびカメラボディ | |
JP4182546B2 (ja) | 焦点検出装置 | |
JP4310815B2 (ja) | 焦点検出装置 | |
JP2009251164A (ja) | 露出演算装置および撮像装置 | |
JPH0875994A (ja) | 焦点検出装置 | |
JP2000019386A (ja) | カメラ | |
JP2004361809A (ja) | オートフォーカスカメラ | |
JP4882184B2 (ja) | 焦点検出装置 | |
JP4788054B2 (ja) | 焦点検出装置 | |
JP4659197B2 (ja) | 自動焦点調節装置およびカメラ | |
JP2926596B2 (ja) | レンズ交換可能なカメラ | |
JP6660036B2 (ja) | 焦点検出装置及び撮像装置 | |
JP2757396B2 (ja) | カメラ | |
JP4928236B2 (ja) | 撮像装置及び撮像システム | |
JP6455582B2 (ja) | 撮像装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070328 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100126 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20100329 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20100329 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100525 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20100726 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20100914 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20100927 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131022 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4608728 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131022 Year of fee payment: 3 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |