JP3385181B2 - 画像読み取り装置 - Google Patents

画像読み取り装置

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JP3385181B2
JP3385181B2 JP14581597A JP14581597A JP3385181B2 JP 3385181 B2 JP3385181 B2 JP 3385181B2 JP 14581597 A JP14581597 A JP 14581597A JP 14581597 A JP14581597 A JP 14581597A JP 3385181 B2 JP3385181 B2 JP 3385181B2
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幹生 堀江
実 鈴木
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、イメージセンサ
を用いて被写体を二次元的に読み取る画像読み取り装置
に関し、より詳細には、この装置における合焦判定に関
する。
【0002】
【従来の技術】被写体距離が固定されないカメラ型の画
像読み取り装置では、被写体に対する結像レンズのピン
トを合わせるために何らかの被写体距離に関する情報が
必要とされる。一般のフィルムカメラでは、赤外線の反
射を用いて被写体距離を検出するアクティブ方式の検出
手段や、被写体像の位相差やコントラストの分布を検出
することによりピントズレを検出するパッシブ方式の検
出手段が用いられている。オートフォーカス機構は、検
出された被写体距離の被写体に合焦するよう結像レンズ
を移動し、あるいは検出された位相差やコントラスト分
布に基づいてピントズレが解消する位置に結像レンズを
移動させる。
【0003】フィルムカメラに用いられているパッシブ
方式の検出手段は、位相差を検出する場合にはセパレー
タレンズにより一対の像を形成して相互の位置関係が求
められ、コントラスト分布を検出する場合にはハーフミ
ラーを用いて光束を分離し、結像レンズからの光路長が
異なる2つの位置で被写体像のコントラスト分布を検出
している。
【0004】一方、CCD等のイメージセンサを用いた
画像読み取り装置では、撮影のための結像系を利用して
パッシブ方式の検出系を構成できれば装置の小型化のた
めには望ましいが、撮影のための結像系には光束を分離
するセパレータレンズやハーフミラー等の素子を配置で
きないため、従来のフィルムカメラに用いられているパ
ッシブ方式の検出手段を採用することができない。その
ため、従来の画像読み取り装置では、撮影用のイメージ
センサとは別個に設けられた検出手段を用いて被写体距
離に関する情報を検出している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
画像読み取り装置のように撮影用のイメージセンサとは
別個に設けられた検出手段により被写体距離に関する情
報を検出する構成では、装置全体の小型化が妨げられる
という問題がある。
【0006】この発明は、上述した従来技術の課題に鑑
みてなされたものであり、フィルムカメラ用のパッシブ
方式の検出手段とは異なる新規な検出手段を採用するこ
とにより、イメージセンサを被写体に対する合焦の検出
にも兼用し、装置全体の小型化を達成することができる
画像読み取り装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明にかかる画像読
み取り装置は、被写体像を形成する結像レンズと、結像
レンズにより形成された被写体像の一次元的な画像情報
を電子的に読み取るライン型イメージセンサと、被写体
と結像レンズとの間に設けられ、イメージセンサの画素
配列方向とほぼ平行な回動軸回りに回動することにより
イメージセンサ上に被写体像を走査させ、イメージセン
サに被写体像の二次元的な画像情報を読み取らせる走査
ミラーと、イメージセンサの出力に基づいて被写体の二
次元的な画像データを生成する画像生成手段と、結像レ
ンズと前記イメージセンサとの相対距離を変更するレン
ズセンサ間距離変更手段と、イメージセンサにより読み
取られた被写体像のコントラストを検出するコントラス
ト検出手段と、レンズセンサ間距離変更手段を制御して
前記相対距離を変更しつつ前記コントラスト検出手段の
出力を繰り返し検知することによりコントラストの変化
を検出し、検出された変化に基づいて前記被写体に対し
て合焦したか否かを判定する合焦判定手段とを備えるこ
とを特徴とする。
【0008】上記の構成によれば、フィルムカメラ用の
検出手段に設けられているセパレータレンズやハーフミ
ラー等の素子を結像系中に配置することなく、撮影のた
めの結像系をそのまま利用してコントラストの分布を検
出し、結像レンズを被写体に合焦させることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、この発明にかかる画像読み
取り装置の実施形態としてカメラ型スキャナーを説明す
る。
【0010】実施形態のカメラ型スキャナーは、モノク
ロのライン型CCDセンサであるイメージセンサを用い
て離れた位置にある被写体を走査する方式のカメラ型ス
キャナーである。その撮影光学系は図1に概念的に示す
ように、被写体O側から走査ミラー2、結像レンズ3、
イメージセンサ16により構成される。走査ミラー2を
イメージセンサ16の画素配列方向に平行な方向の回転
軸Rx回りに回動させることにより、被写体Oを順次ラ
イン状に読み取ってイメージセンサ上に結像させ、被写
体の情報を二次元的に読み取る。この明細書では、イメ
ージセンサの画素配列方向に相当する方向を「主走査方
向」、走査ミラーの回動により走査される読み取りライ
ン(走査ライン)の移動方向を「副走査方向」と定義す
る。また、図中に、イメージセンサ16の画素配列方向
に平行なy軸と、結像レンズ3の光軸に平行なx軸を定
義する。さらに、以下の説明では、結像レンズ3の光軸
が図中一点鎖線で示したように走査ミラー2により直角
に偏向される際のラインセンサの読み取りラインを「基
準走査ライン」と定義する。
【0011】なお、結像レンズ3の近傍には、被写体O
に縞状のコントラストパターンPを投影するための補助
光ユニット11が配置されている。実施形態のカメラ型
スキャナーは、撮影用のイメージセンサ16の出力を用
いて被写体のコントラストを検出することにより被写体
に対して結像レンズのピントを合わせるよう構成されて
いる。補助光ユニット11により被写体にコントラスト
を付与することにより、例えば白い壁等のコントラスト
の小さい被写体に対してもピントを合わせることができ
る。
【0012】補助光ユニット11は、縞状のパターンを
持つ補助光を発する発光ダイオード11aと、この補助
光を投影する投影レンズ11bとから構成されており、
走査ミラー2に対してイメージセンサ16と同一側に配
置されている。投影レンズ11bを透過した補助光は、
走査ミラー2により反射されて被写体O上に投影され
る。補助光ユニット11は、少なくとも被写体O上でイ
メージセンサ16により読み取られる部分を中心にパタ
ーンPを投影するよう配置されている。
【0013】実施形態のカメラ型スキャナーは、被写体
を走査して情報を読み取る方式を採用しているため、セ
ンサの画素数に対して読み取りの解像度を高くすること
ができる。例えば、実施形態におけるイメージセンサの
有効画素数は2088であり、54.4度の走査範囲を
2870ステップに分解して走査ミラーの回動位置を設
定することにより、主走査2088×副走査2870の
約600万画素のエリアセンサを用いたのと同等の解像
度を得ることができる。この解像度は、例えばB5版の
原稿を読み取る際には約300dpiに相当する。
【0014】また、走査方式として上記のような回転ミ
ラー走査方式を採用したことにより、イメージセンサに
入射する光束を常に一定の角度で結像レンズに入射させ
ることができるため、結像レンズの径を最小限に抑える
ことができる。同様の走査方式でもイメージセンサを走
査させる方式とすると、イメージセンサに入射する光束
の結像レンズに対する入射角度が走査位置に応じて変化
するため、ビネッティングの影響を抑えるために結像レ
ンズに必要とされる径は回転ミラー走査方式の場合より
大きくなる。また、回転ミラー走査方式では、ラインセ
ンサやミラーを平行移動させる走査方式と比較して、可
動部分を小さくすると共に、駆動機構を単純化すること
ができる。
【0015】ただし、走査ミラーを回動させて被写体を
走査する場合、イメージセンサ16と共役な物体面は、
走査ミラー2の回転軸Rxを中心とした円筒面となるた
め、被写体Oが平面である場合には以下の3つの問題が
生じる。第1は、基準走査ラインに焦点を合わせると副
走査方向の周辺部を読み取る際には被写体Oより手前の
位置にピントが合うという焦点ズレの問題、第2は、走
査ミラー2から被写体Oまでの距離が基準走査ラインか
ら副走査方向の周辺部に向かって漸増することにより周
辺部に向けて結像倍率が小さくなるという倍率変化の問
題、そして、第3は、走査ミラー2から被写体Oまでの
距離をLとしたときに走査ラインの副走査方向の位置が
走査ミラー2の回転角度θに対してL・tanθで定まる
ため、走査ミラーの回動角度ピッチが等しいと読み取り
ラインの密度が画面中心部と比較して周辺部で粗くなる
という読み取り密度の問題が発生する。
【0016】実施形態のカメラ型スキャナーでは、焦点
ズレの問題に関しては、副走査方向の読み取り位置に応
じて結像レンズを光軸方向に移動させることにより解消
しており、倍率変化の問題に関しては取り込まれた画像
の信号処理段階において倍率の小さい周辺部でデータを
補完して伸張することにより解消しており、読み取り密
度の問題に関しては、ミラー駆動モータ側の等ピッチの
回転を副走査方向の読み取り位置に応じて不等ピッチの
回転に変換する機能を機械系に持たせることにより解消
している。
【0017】また、実施形態のカメラ型スキャナーで
は、撮影光学系とファインダー光学系とが独立して設け
られているため、これらの光学系の間にパララックスが
生じる。一般に、例えばレンズシャッターカメラ等のカ
メラでは、撮影光学系を基準としてファインダー光学系
にパララックス補正用の手段を設け、パララックスの影
響を避けるようにしている。これに対して、実施形態の
カメラ型スキャナーは、ファインダー系の視野を基準と
して、パララックスが生じないよう撮影光学系側の走査
範囲を被写体距離に応じて変化させている。これに伴
い、基準走査ラインに対して撮影範囲が非対称に設定さ
れる。
【0018】図2及び図3は、本実施の形態によるカメ
ラ型スキャナの外形及び概略構成を示す斜視図である。
図2に示すように、カメラ型スキャナ1は、略直方体形
状の本体ケース10を有し、本体ケース10の正面には
被写体像を取り込むための窓部12が形成されている。
また、図3に示すように、本体ケース10の内部には、
イメージセンサ16と、イメージセンサ16の画素配列
方向に平行な軸Rxの回りで回転する走査ミラー2と、
走査ミラー2からの反射光をイメージセンサ16に結像
させるための結像レンズ3とが備えられている。
【0019】補助光ユニット11は、結像レンズ3に隣
接して配置され、補助光ユニット11からの射出光が走
査ミラー2を介して窓部12から射出されるよう構成さ
れている。補助光ユニット11は、被写体にイメージセ
ンサ16の画素配列方向に相当する方向に直交する縞状
のパターンを投影する。パターンを含む光は、投影レン
ズ11bを介して走査ミラー2に入射し、走査ミラー2
で反射されて被写体側に投影される。
【0020】イメージセンサ16は所謂モノクロセンサ
であり、カラー画像に対応するため、走査ミラー2とイ
メージセンサ16との光路中には、カラーフィルタ4が
設けられている。また、窓部12に隣接して、ファイン
ダー窓13が設けられている。
【0021】本体1には、電源をオンオフするメインス
イッチ310が設けられており、カメラ型スキャナ1の
操作はリモコン5の操作ボタン350により行われる。
図2に示すように、操作ボタン350には、スタートボ
タン51、アップ/テレボタン54、ダウン/ワイドボ
タン55、モードボタン53、ストップ/削除ボタン5
2の5つがある。また、リモコン5は、本体ケース10
の上部に形成されたリモコン装着部17に着脱可能とな
っている。
【0022】リモコン5は赤外LEDを用いて赤外線に
よってカメラ本体に対してコマンド信号を送信する送信
部56を有している。本体ケース10の背面には送信部
からの信号を受信するための赤外線センサである第1受
信部201が設けられ、リモコン装着部17の、リモコ
ン5の送信部56に相当する部分には、第1受信部20
1に比べて感度の弱い赤外線センサである第2受信部2
02が設けられている。つまり、リモコン5をリモコン
装着部17から取り外した状態では、送信部56からの
信号を第1受信部201で受信し、リモコン5をリモコ
ン装着部17に装着した状態では、送信部56からの信
号を第2受信部202で受信することができる。
【0023】また、本体には、リモコン5の着脱を検出
するための反射型フォトセンサである、リモコン着脱セ
ンサ311が設けられており、リモコン着脱センサ31
1はリモコン5が装着されていればオン信号を出す。本
体側の制御回路はリモコンから同一の操作信号が入力さ
れた際にも、リモコン5が本体に装着された状態である
か離脱した状態であるかに応じて異なるコマンドとして
実行することができる。
【0024】図4は、カメラ型スキャナ1の内部構成を
示す平面図である。本体ケース10内には、走査ミラー
2を回転可能に保持するミラーホルダ20が設けられて
いる。ミラーホルダ20は後述のミラー駆動機構によっ
て図中時計回り及び反時計回りに回転駆動される。ま
た、ミラーホルダ20に隣接して、結像レンズ3及びイ
メージセンサ16を収容するためのハウジング120が
設けられており、走査ミラー2からの反射光がハウジン
グ120内の結像レンズ3を通ってイメージセンサ16
に結像するように構成されている。
【0025】結像レンズ3は、レンズ鏡筒30に保持さ
れた3枚のレンズ3a,3b,3cより構成されてい
る。また、レンズ鏡筒30はその外周をハウジング12
0に設けられた円筒状の鏡筒保持部121の内周に保持
されている。レンズ鏡筒30は、後述のレンズ駆動機構
6によって走査ミラー3に近接する方向及び離反する方
向に駆動され、これにより結像レンズ3を光軸方向に移
動させる。
【0026】ハウジング120の、鏡筒保持部121と
イメージセンサ16との間には、無色フィルタ4a、赤
色フィルタ4b、緑色フィルタ4c、及び青色フィルタ
4dからなるカラーフィルタ群4が設けられている。カ
ラーフィルタ群4は、イメージセンサ16の画素配列方
向と平行な回転軸の回りに回転するフィルタホルダ40
によって、90゜間隔で保持されており、フィルタホル
ダ40の回転によって各々フィルタが選択的に、結像レ
ンズ3とイメージセンサ16との間の光路中に配置され
る。
【0027】なお、ミラーホルダ20、ハウジング12
0等は、本体ケース10の下部に設けられた支持フレー
ム130によって支持されている。支持フレーム130
上には、後述の走査用モータ70を支持するためのモー
タフレーム135、バッテリー210を保持するバッテ
リーフレーム136が形成されている。
【0028】次に、ファインダーについて説明する。図
5は、図4のカメラ型スキャナ1の線分A−Aに関する
断面図である。図5に示すように、ファインダーは、フ
ァインダー窓13から入射した光束を取り込む対物レン
ズ141と、この対物レンズ141を透過した光束を上
側のカバーガラス15側に向けて反射させるファインダ
ーミラー145と、ミラー145により反射された光束
を透過させるフレネルレンズ143と、フレネルレンズ
143とカバーガラス15との間に配置された透過型の
液晶表示パネル152とから構成されている。対物レン
ズ141とフレネルレンズ143とは、プラスチックに
より一体のユニット140として成形されている。ファ
インダーが設けられたスペースの後方には、図2に示さ
れるように撮影画像のデータを記録するメモリカード2
20を装着するためのカードスロット230が形成され
ている。なお、ファインダーユニット140は、ビス止
め部146によって、支持フレーム130に固定されて
いる。
【0029】次に、走査ミラー2を回動させると共にフ
ィルター群4を切り換えるためのミラー駆動機構7につ
いて説明する。図6は、図4のカメラ型スキャナ1の線
分B−Bに関する断面図である。図6に示すように、モ
ータフレーム135には、ミラー駆動モータ70が固定
され、ミラー駆動モータ70の出力軸には、駆動ギア7
1が固定されている。また、駆動ギア71の回転を約1
/1000に減速するために、歯数の大きなギアと歯数
の小さいギアとを一体として構成した5組のギア対74
〜78が設けられている。ギア対74〜78のうち、ギ
ア対74,75,76は第1の支軸72の回りに回転可
能に支持されており、ギア対77,78は第2の支軸7
3の回りに回転可能に支持されている。
【0030】そして、駆動ギア71は、支軸72に支持
された第1のギア対の従動ギア74aに係合し、第1の
ギア対の減速ギア74bは、支軸73に支持された第2
のギア対77の従動ギア77aに係合している。第2の
ギア対77の減速ギア77bは、支軸72に支持された
第3のギア対75の従動ギア75aに係合し、第3のギ
ア対75の減速ギア75bは、支軸73に支持された第
4のギア対78の従動ギア78aに係合している。第4
のギア対78の減速ギア78bは、支軸72に支持され
た第5のギア対76の従動ギア76aに係合し、第5の
ギア対76の減速ギア76bは、支軸73に回転可能に
支持された後述の駆動部材80に係合している。なお、
支軸73の中心軸を軸73aとする。
【0031】図7は、駆動機構7を示す平面図である。
図7に示すように、駆動部材80は、平板状部材に第1
セクタギア82と第2セクタギア83を形成したもので
ある。第1セクタギア82は、前述の第5のギア対76
の減速ギア76bに係合しており、当該減速ギア76b
の回転によって駆動部材80が回動する。第1セクタギ
ア82は支軸73の中心軸73aに対し中心角120°
を有し、第2外周ギア部83は軸73aに対し中心角2
0°を有している。両セクタギア82,83は、軸73
aに対し回転方向には隣接している。
【0032】また、第1セクタギア82を挟んで、第2
セクタギア83と反対側には、軸73aに対する中心角
約60°の扇形部80aが形成されている。扇形部80
aにおいて、第1セクタギア82のピッチ円の延長線上
には、駆動ピン81が立設されている。
【0033】次に、ミラー2を保持するミラーホルダ2
0について説明する。図8は、ミラーホルダ20を示す
斜視図である。図8に示すように、ミラーホルダ20
は、ミラー面の4辺を規定する正面フレーム21と、鉛
直方向の両側面を挟んで保持する側面フレーム22と、
Y方向(イメージセンサ16のCCD画素配列方向)に
延びるミラー支軸27とを一体として構成したものであ
る。また、正面及び側面フレーム21,22の下部に
は、ミラー支軸27に直交する平板状部材である連動部
材23、及び円板状部材である支持円板25が設けられ
ている。支持フレーム130には、ミラー支軸27を嵌
挿するための孔139が形成されており、ミラー支軸2
7を孔139に嵌挿すると、支持円板25が支持フレー
ム130上で摺動することによって、ミラーホルダ20
は支持フレーム130上で回転可能となる。
【0034】図7に示すように、連動部材23には、駆
動部材80に立設された駆動ピン81に係合する係合溝
24が形成されている。係合溝24は、ミラー支軸27
の回転中心に向けて長く形成されている。そして、駆動
部材80が時計回りに回転すると、駆動ピン81が係合
溝24の長手方向の一辺を付勢し、これにより連動部材
23は反時計回りに回動付勢される。すなわち、連動部
材23と一体であるミラーホルダ20全体が反時計回り
に回転する。かくして、ミラーホルダ20に保持された
走査ミラー2は、駆動部材80の回動に伴い、駆動ピン
81と係合溝24の係合によって回転する。
【0035】なお、駆動ピン81と係合溝24との間に
は僅かなクリアランスがある。このクリアランスに起因
する駆動ピン81と係合溝24及びギア対74〜78の
がたつきを押さえるため、図8に示すように、ミラー支
軸27には、ミラーホルダ20を一方向に付勢するため
のコイルバネ28が巻き付けられている。コイルバネ2
8の一端は、支持円板25に形成された切り欠き部25
aを介して、支持フレーム130に突設された凸部29
に当接しており、他端は切り欠き部25aの側面に当接
している。このように、コイルバネ28は支持円板25
を常時一定の方向に回動付勢している。
【0036】駆動部材80及びミラーホルダ20は、図
7に示される駆動部材80の回転中心と駆動ピン81と
ミラーホルダ20の回転中心とが略一直線上に並んだ状
態で、走査ミラー2の表面と、X軸とのなす角度が45
°になるように構成されている。
【0037】つまり、駆動部材80の回転中心と駆動ピ
ン81と走査ミラー2の回転中心とが一直線上に並んだ
状態(図7)から、時計回りあるいは反時計回りに駆動
部材80が回転するにつれ、駆動ピン81とミラーホル
ダ20との回転中心との距離が長くなる。従って、駆動
部材80の角度ピッチを一定とすると、走査ミラー2
は、角度のピッチを減少させながら回転する。
【0038】このように、被写体の周辺部を走査してい
る時の走査ミラー2の回転角度ピッチを、中心部を走査
している時よりも小さくすることによって、周辺部と中
心部での読み取りラインの密度が実質的に同じになる。
【0039】次に、走査ミラー2のホーム位置について
説明する。駆動部材80の回動は、パルスモータである
ミラー駆動モータ70によってオープンループ制御され
る。図7に示すように、支持フレーム130には、オー
プンループ制御のため、走査ミラー2のホーム位置を与
えるための走査基準位置センサ204が設けられてい
る。走査基準位置センサ204は、発光部と受光部を持
つ透過型フォトセンサであり、駆動部材80に設けられ
たシャッタープレート85が発光部と受光部の間に介在
することによってオフとなるものである。
【0040】シャッタープレート85は、走査ミラー2
とX軸とのなす角度が45°より小さい時、すなわち、
読み取りラインが基準走査ラインを境としてファインダ
ー側に位置する時には、走査基準位置センサ204の発
光部と受光部の間に介在しこれを遮っており、走査基準
位置センサ204はオフしている。そして、当該角度が
ほぼ45°になった時に、シャッタープレート85が走
査基準位置センサ204の発光部と受光部の間から抜け
出て、走査基準位置センサ204がオンとなる。そし
て、当該角度が45°より大きい時、すなわち、読み取
りラインが基準走査ラインRよりもファインダーの反対
側に位置する時には、走査基準位置センサ204はオン
している。
【0041】ミラー駆動モータ70の駆動制御は、走査
基準位置センサ204がオフからオンに変わった時点か
ら、数パルス(Xc)をカウントしたところをホーム位
置として、ミラー駆動モータ70の駆動制御を行う。こ
のパルス数Xcは、走査ミラー2とX軸とのなす角度が
45°となるように、すなわち、読み取りラインが基準
走査ラインRと一致するように設定される。
【0042】このように、走査ミラー2のホーム位置が
基準走査ラインRに対応しているため、走査ミラー2を
ホーム位置に位置させた状態で、結像レンズ3の合焦位
置を検出する合焦処理、及び被写体の輝度を検出してイ
メージセンサ16の蓄積時間を決定する測光処理を行う
ことができる。合焦処理及び測光処理については後述す
る。
【0043】次に、カラーフィルタ群4の切換について
図7及び図4の線分C−Cに関する断面図である図9に
したがって説明する。駆動部材80が図7に示される時
計回りに走査範囲の限界まで回動すると、駆動部材80
の第2セクタギア83が、カラーフィルタ群4の切換の
ための伝達ギア91に係合してこれを反時計回りに回動
させる。
【0044】図9に示すように、支持フレーム130に
は、上記の伝達ギア91と、伝達ギア91により回転駆
動されるフィルタ駆動ギア93とが、共通の軸92の回
りに各々回転可能に支持されている。フィルタ駆動ギア
93は、カラーフィルタ群4を回転駆動するためのフィ
ルタギア95に係合している。伝達ギア91とフィルタ
駆動ギア93とは、ワンウェイクラッチ94を介して係
合しており、伝達ギア91の反時計回り(図7において)
の回転のみがフィルタ駆動ギア93に伝達される。すな
わち、駆動部材80が時計回りに回動して伝達ギア91
を反時計回りに回動させる際にはフィルタ駆動ギア93
も反時計回りに回動するが、駆動部材80が反時計回り
に回動して伝達ギア91が時計回りに回動する際には、
フィルタ駆動ギア93は回転しない。
【0045】図10に、カラーフィルタ群4とこれを保
持するフィルタホルダ40を示す。フィルタホルダ40
は、カメラ型スキャナ1の前述のハウジング120内部
において、カラーフィルタ群4(4a、4b、4c、4
d)を保持すると共に、カラーフィルタ群4をY軸に平
行な軸の回りに回転させる。
【0046】フィルタホルダ40には、回転のための支
軸であるフィルタ支軸45と、各カラーフィルタ群4の
側端部を把持するための、フィルタ支軸45に沿って延
びる4つの把持部46が設けられている。各々のカラー
フィルタ群4は、把持部46に一側端部を把持された状
態で、フィルタ支軸45に対し90°間隔で放射状に保
持される。
【0047】フィルタ支軸45には、フィルタホルダ4
0を回転させるためのフィルタギア95が取り付けられ
る。ここで、フィルタ支軸45の下端部には、外周が平
らに削られた切欠部45aが形成されており、フィルタ
ギア95にはフィルタ支軸45の下端部に下方から係合
する孔95aが形成されている。そして、フィルタ支軸
45の下端部にフィルタギア95の孔95aが下方から
係合すると、フィルタギア95の上面が切欠部45aの
端面45bに当接する。そのため、フィルタギア95は
フィルタ支軸45に回転方向の駆動力を伝達するだけで
なく、下方から上方(鉛直方向)への駆動力も伝達する
ことが可能になる。
【0048】また、フィルタ支軸45には、円板48が
フィルタ支軸45と直交するように固定されている。円
板48の下面の外周近傍には、下方に向けて突出した4
つの突起49が周方向に等間隔で形成されており、各突
起49は各フィルタ4の下側に位置している。また、ハ
ウジング120の底板125には、各突起49が各々係
合する係合穴127が形成されている。すなわち、図9
に示すように、突起49が係合穴127に係合すること
によって、フィルタホルダ40を回転させないためのス
トッパーとなる。なお、支軸45の上端部には、コイル
バネ43が巻き付けられており、このコイルバネ43の
上端はハウジング120の天面128に当接している。
すなわち、フィルタホルダ40はコイルバネ43によっ
て下方に付勢されている。
【0049】ここで、フィルタギア95と、これに係合
しているフィルタ駆動ギア93は、はすば歯車である。
そのため、フィルタ駆動ギア93が反時計回り(図10
中矢印方向)に回転すると、フィルタギア95は圧力角
の方向に力を受ける。すなわち、フィルタギア95は、
上向きに付勢される。前述の通り、フィルタ支軸45は
フィルタギア95に対し、下方から上方に向けての駆動
力を伝達するため、コイルバネ43の付勢力に抗してフ
ィルタホルダ40が上昇する。
【0050】すなわち、フィルタ駆動ギア93が反時計
回りの回転に伴い、フィルタホルダ40が上昇し、円板
48に形成された突起49が係合穴127から抜ける。
かくして、フィルタホルダ40は、時計回り方向に回転
可能となる。
【0051】フィルタ駆動ギア93が停止し駆動力が無
くなると、フィルタギア95を上向きに付勢する力が消
滅する。これに伴い、フィルタホルダ40はコイルバネ
43によって下方に付勢されているため、フィルタホル
ダ40は降下する。フィルタギア95の回転角度が90
°であれば、各突起48がそれまで係合していた係合穴
127に隣接する係合穴127に係合する。これによ
り、フィルタホルダ40は回転しないように再び保持さ
れる。
【0052】駆動部材80が走査ミラー2の回転による
走査終了後、さらに回転することによって、カラーフィ
ルタ群4の切換が行われる。つまり、一つの駆動源(ミ
ラー駆動モータ70)によって、走査ミラー2の回転と
カラーフィルタ群4の切換が行われる。
【0053】なお、図9に示すように、フィルタギア9
5の、無色フィルタ4aの下部に相当する部分には、開
口96が設けられている。また、図9に示すように、支
持フレーム130には、無色フィルタ4aが光路中に位
置する時に開口96に面する、反射型フォトセンサであ
るフィルタセンサ205が設けられている。従って、無
色フィルタ4aが光路中に位置する時には、フィルタセ
ンサ205はオフとなり、それ以外はオンとなってい
る。つまり、光路中に位置しているフィルタが無色フィ
ルタであるか否かが、フィルタセンサ205のオンオフ
によって判別される。
【0054】次に、結像レンズ3を移動するためのレン
ズ駆動機構6について説明する。図6に示すように、ハ
ウジング120の鏡筒保持部121には、X軸方向に延
びる溝121aが形成され、レンズ鏡筒30には溝12
1aを貫通してハウジング120外部に向けて延びる鏡
筒アーム32が形成されている。また、図4に示すよう
に、レンズ鏡筒30のイメージセンサ16側の端部から
は、溝121aを貫通して、鏡筒アーム32と平行で且
つ鏡筒アーム32よりも短い第2アーム33が形成され
ている。
【0055】また、図4に示すように、鏡筒アーム32
と第2アーム33には、X軸方向に延びる挿通孔32
a,33aが夫々形成されている。挿通孔32a,33
aには、モータフレーム135上に突設された一対の支
柱133、134により支持されてX軸方向に延びるガ
イドバー35が挿通されている。つまり、レンズ鏡筒3
0は、挿通孔32a,33aとガイドバー35との摺動
により、X軸方向に案内される。
【0056】図11は、図4のカメラ型スキャナ1の線
分DーDに関する断面図である。図11に示すように、
モータフレーム135には鉛直フレーム132が立設さ
れており、鉛直フレーム132には、パルスモータであ
るレンズ駆動モータ60が固定されている。レンズ駆動
モータ60の出力軸61には、X軸方向に延びるネジ部
63が固定されている。そして、レンズ鏡筒30の鏡筒
アーム32には、ネジ部63と螺合する雌ネジ部31が
設けられている。
【0057】このように構成されているため、レンズ駆
動モータ60が回転すると、レンズ鏡筒30がX軸に沿
って、走査ミラー2に近接する方向あるいは離反する方
向に移動する。本実施の形態では、レンズ鏡筒30の移
動ストロークは約6mmに設定されている。
【0058】なお、図11に示すように、レンズ鏡筒3
0のホーム位置を検出するため、鏡筒アーム32の下部
には、シャッタープレート36が固定され、支持フレー
ム130からはシャッタープレート36により遮られる
位置に透過型フォトセンサであるレンズ基準位置センサ
203が設けられている。そして、レンズ鏡筒30が走
査ミラー2側に最も近接した状態で、シャッタープレー
ト36がレンズ基準位置センサ203を遮断するよう構
成されている。
【0059】図12は、実施形態のカメラ型スキャナー
の制御系の全体構成を概略的に示すブロック図である。
制御系は、スキャナー本体100に設けられた各回路
と、リモコン5に設けられた回路とから構成される。ま
ず、スキャナー本体100側から説明する。
【0060】本体100側の制御系は、スキャナーコン
トロール回路300を中心に、全体の電源のON/OFFを切
り換える電源スイッチ310を備えると共に、情報入力
手段として、画像入力用のCCDイメージセンサ16、
レンズ基準位置センサ203、走査基準位置センサ20
4、フィルタセンサ205、リモコン5からの赤外線信
号を受信する第1、第2受信部201,202、リモコ
ン5が本体100に装着された際にオンするリモコン着
脱検出センサ311を有する。
【0061】本体側には情報出力手段として、撮影に関
する設定情報を表示するファインダー系のLCDパネル
152が設けられており、制御対象となる駆動手段とし
てミラーを走査させると共にフィルターを切り換えるミ
ラー駆動モータ70、結像レンズを光軸方向に駆動する
レンズ駆動モータ60、被写体にコントラスト付加用の
パターンを投影するための補助投光ユニット11が接続
されている。
【0062】スキャナーコントロール回路300には、
全体の制御を司るCPU301が設けられている。CP
U301は、図中太線で示したアドレス/データバスを
介してプログラムメモリ341に接続されており、この
プログラムメモリ341に格納されたプログラムに基づ
いて各制御対象を制御する。CPU301には、各情報
入力手段からの信号が入力されると共に、CCDイメー
ジセンサ16を駆動するCCDドライバ331、ミラー
駆動モータ70を駆動する第1モータドライバ332、
レンズ駆動モータを駆動する第2モータドライバ333
が接続されている。
【0063】CCDイメージセンサ16から入力された
信号は、CCD信号処理回路320により画像信号とし
て処理され、CPU301に連なるアドレス/データバ
スにより接続された内部メモリ340に格納される。こ
のアドレス/データバスには、LCDパネル152を駆
動するLCDドライバ334が接続されると共に、画像
信号をメモリカードに記録する際に利用されるメモリス
ロット230と外部のパーソナルコンピュータ等の機器
に出力する際に利用される外部出力端子231とが接続
されている。
【0064】一方、リモコン5には、スイッチ群350
と、このスイッチ群350の各スイッチの操作に応じて送
信部56(図1参照)に設けられた送信用赤外LED351
を駆動する送信LED駆動回路352とが設けられてい
る。
【0065】図13は、イメージセンサからの信号を処
理するCCD信号処理回路320の詳細を示すブロック
図である。CCDイメージセンサ16から出力される画
像信号は、CCDドライバ331から出力されるクラン
プパルスにより電圧の基準レベルが固定され、バッファ
アンプ322で増幅される。バッファアンプ322の出
力は、シリアルに読み出される各画素の読み取りタイミ
ング(蓄積電圧の転送タイミング)に基づいてCCDドラ
イバ331から出力されるサンプルホールドパルスに基
づいてキャパシタンスCに順次アナログ的に保持され、
乗算器324に入力される。
【0066】乗算器324は、各画素の画像データに像
高により異なる係数を乗じてシェーディングによる信号
強度の変化をアナログ的に補正する機能を要しており、
CCDドライバ331から蓄積電圧の転送タイミングに
応じて出力されるパルスをカウンタ327でカウントす
ることにより1ライン中の何れの位置の画素のデータを
読み出しているかを計数し、これをアドレスにしてシェ
ーディングRAM326から補正係数を読み出す。シェ
ーディングRAM326には、補正係数がデジタルデー
タとして保存されており、これをD/A変換器328で
アナログデータに変換して乗算器324に入力させる。
乗算器324から画像データと補正係数との積として出
力される補正された画像データは、A/D変換器325
でデジタルデータに変換されてデータバスを介してCP
U301に入力される。
【0067】次に、上述したブロック図に示される実施
形態にかかるカメラ型スキャナーの作用を説明する。ま
ず、作用説明の前提となる用語を以下のように定義す
る。結像レンズ3の光軸と走査ミラー2で偏向された光
軸とが直角になる状態での走査ミラー2の回動位置を走
査ミラーの「ホーム位置」と定義する。また、ミラー駆
動モータの回転は、走査開始位置から終了方向に回動さ
せる際の回転を「正転」、反対に走査終了位置から開始
位置側へ回動させる際の回転を「逆転」と定義する。
【0068】図14は、走査ミラー2の回動位置とステ
ッピングモータであるミラー駆動モータ70の回転パル
ス数との関係を示す。走査ミラーの回動位置は、ホーム
位置を基準にしたミラー駆動モータ70の回転パルス数
で規定される。
【0069】走査ミラー2は、開始側、終了側のメカ端
点の間の回動範囲で回動可能であり、実際にはこのメカ
端点により規定される回動範囲より狭い範囲内で回動制
御される。前述のようにミラー駆動モータ70は走査ミ
ラー2の回動とフィルター4の切換とに兼用されている
ため、走査ミラーの回動範囲には走査開始位置から撮影
終了位置までの撮影用走査領域と、撮影終了位置からフ
ィルタ切換完了位置までのフィルタ切換領域とが含まれ
る。フィルタ切換完了位置までミラー駆動モータが回転
すると、フィルタ支持体が90度回転し、光路中に配置
されるフィルタが次のフィルタに切り換えられる。
【0070】走査基準位置センサ204は、撮影用走査
領域のほぼ中心に位置する走査基準位置センサ切り替わ
り位置より走査開始位置側では駆動部材80のシャッタ
ープレート85に遮られてオフ、切換位置より撮影終了
位置側ではオンとなる。走査ミラーのホーム位置は、走
査基準位置センサがオフからオンに切り替わる切換位置
から中心位置補正パルスXcだけ撮影終了位置側に移動
した位置として定義される。この中心位置補正パルスX
cは、個々のカメラ型スキャナーの走査基準位置センサ
の取付誤差等の個体差に応じて設定される値であり、例
えば「15」程度の数値となる。走査基準位置センサ
は、中心位置補正パルスXcが必ず正の値となるよう
に、すなわち走査ミラーのホーム位置が必ず走査基準位
置センサ切り替わり位置より撮影終了位置側になるよう
に取付位置が定められている。走査ミラーの回動は、こ
のホーム位置を基準に定められるため、センサ取付位置
に個体差による誤差がある場合にも個体差による撮影範
囲等のバラツキを抑えることができる。
【0071】走査開始位置は、走査ミラー2のホーム位
置から開始位置パルスXsだけミラー駆動モータ70を
逆転させた際に設定される位置である。開始位置パルス
Xsは、ファインダー系とのパララックスを補正するた
めに被写体距離に応じてこの例では5740〜6942パルスの
間で変化する。ただし、実施形態のスキャナーでは被写
体距離そのものは検出していないため、被写体距離に対
応する情報として合焦処理で保存された合焦時のレンズ
パルスカウントPafを利用している。結像レンズがホー
ム位置に近い場合には近距離の被写体にピントが合うた
め、被写体が近くにあるものと考えることができ、逆に
結像レンズがイメージセンサ側に近い場合には遠方の被
写体にピントが合うため、被写体が遠くにあるものと考
えることができる。
【0072】そこで、結像レンズのホーム位置からの移
動パルス数に応じて走査の開始点を変更することによ
り、被写体距離に応じて変化するパララックスを補正す
る。すなわち、ホーム位置からの移動パルス数が小さい
ときには、パララックスが大きいものと判断して走査範
囲の中心が基準走査ラインよりファインダー方向にずれ
るよう走査開始点をずらし、基準走査ラインを境にファ
インダー光学系側の走査範囲が反対側の走査範囲より広
くなるよう基準走査ラインに対して走査範囲を非対称に
設定する。
【0073】結像レンズのホーム位置からの移動パルス
数が大きくなるにしたがって非対称性を小さくし、走査
範囲の中心と基準走査ラインとのズレが小さくなるよう
走査開始点を基準走査ライン側に近づけて設定する。移
動パルス数が最大値となったときにはパララックスがな
いものと判断して走査範囲が基準走査ラインを境として
対称になるよう設定される。
【0074】撮影終了位置は、この走査開始位置から撮
影用走査パルスXt離れた位置として定義される。撮影
用走査パルスXtは、走査ミラーの撮影用走査領域での
回動幅を規定するパルス数であり、個体差やパララック
ス量などの値によって変化しない固定値である。撮影用
走査パルスXtの値は、この例では11480パルスとな
る。したがって、開始位置パルスXsが5740パルスであ
る場合には、撮影用走査領域は基準走査ラインを境に対
称となるが、それ以外の場合には基準走査ラインより開
始側の領域が終了側の領域より大きくなって基準走査ラ
インを境に非対称となる。撮影用走査領域内では、4パ
ルスに1ラインの割合で画像が取り込まれ、副走査方向
には2870ライン分の画像が入力される。
【0075】走査ミラー2のホーム位置からフィルタ切
換完了位置までを規定する第1フィルタ切換パルスXf1
は固定値(この例では8000パルス)であり、撮影終了位置
からフィルタ切換完了位置までを規定する第2フィルタ
切換パルスXf2は走査開始位置パルスXsの値によりX
s−3480で求められ、この例では3500〜4702パルスの間
で変化する。
【0076】上記の各パルス数は、走査パルスカウンタ
Xにより管理される。例えば、開始位置パルスXsが69
42の場合(これは後述のレンズ位置が最も走査ミラー側
に位置する場合(Paf=460)に相当する)、走査開始位置で
はX=6942、撮影終了位置ではX=-4538となる。ま
た、フィルタ切換完了位置ではX=−8000となる。
【0077】図15は、結像レンズ3の移動位置とステ
ッピングモータであるレンズ駆動モータ60の回転パル
ス数との関係を示す。結像レンズは、走査ミラー側とな
る近接側、イメージセンサ側となる遠方側のメカ端点の
間の領域で移動可能であり、移動ストロークは6mm、
この移動範囲に相当するレンズ駆動モータのステップ数
は480である。したがって、1ステップ当たりの移動
量は12.5μmとなる。レンズ駆動モータの回転方向
は、結像レンズを近接側に移動させる際の回転を「正
転」、遠方側に移動させる際の回転を「逆転」と定義さ
れる。
【0078】図中のレンズホーム位置は、「カメラから
23cm離れた位置に配置された被写体をイメージセン
サ上に合焦状態で結像させることができる結像レンズの
位置」として定義される結像レンズの基準位置である。
結像レンズ3の移動位置を示すレンズ位置カウンタPaf
は、このホーム位置で「460」にセットされ、遠方側
に移動するにしたがって1ステップづつデクリメントさ
れ、最も遠方側のソフト端点で「0」となる。
【0079】ただし、レンズホーム位置をレンズセンサ
の出力の切り替わり点として固定すると、ホーム位置を
正確に出すために各部材の許容取付誤差範囲が狭くな
り、組付けが困難になる。このため、実施形態では、基
準となるホーム位置をレンズセンサの出力の切り替わり
点より遠方側に設定し、切り替わり位置からホーム位置
までのパルスをホーム位置補正パルスPhcとして個々の
スキャナー毎に設定している。これにより、撮影用のイ
メージセンサ、レンズセンサの取付位置が誤差を含む場
合にも、ホーム位置を前記の定義通りに正確に位置決め
することができる。
【0080】次に、前述したブロック図に示される実施
形態にかかるカメラ型スキャナーのCPU300の作用を
図16〜図22に示すフローチャートにしたがって説明
する。スキャナー本体1に設けられた電源スイッチがオ
ンされると、スキャナーは図16に示すメインフローチ
ャートにしたがって制御される。メインフローチャート
のステップ(以下、Sと略称する)001において初期化処理
(図17,18)を呼び出して実行する。初期化処理は、
走査ミラーをホーム位置に配置すると共に、モノクロ用
の無色フィルタ4aが光路中に配置されるよう設定し、
結像レンズ3をホーム位置にセットする処理である。
【0081】初期化処理が終了すると、S003でリモコン
のモードスイッチがオンされたか否かを判断し、オフか
らオンへの変化が検出された場合にS005でモード変更処
理を呼び出して実行する。モード変更処理についての詳
細は省略するが、この処理はモードスイッチとアップ/
テレスイッチ54、ダウン/ワイドスイッチ55の操作
により、スキャナーの撮影モードを変更するための処理
である。
【0082】S007〜S013では、リモコンのアップ/テレ
スイッチ54、ダウン/ワイドスイッチ55が操作され
たか否かを判断し、アップ/テレスイッチ54がオフか
らオンに変化した場合には撮影範囲を縮小し、ダウン/
ワイドスイッチ55がオフからオンに変化した場合には
撮影範囲を拡大する。
【0083】実施形態のカメラ型スキャナーは、イメー
ジセンサ上の主走査方向の使用画素数と副走査方向の走
査範囲とを変更することにより、3種類の撮影範囲を選
択できるよう構成されている。主走査方向の画素数と走
査範囲との積で表される撮影画面の画素数は、最も大き
い撮影範囲が選択されている場合には600万画素、中間
の撮影範囲が選択されている場合には200万画素、そし
て、最小の撮影範囲が選択されている場合には50万画素
となる。なお、撮影範囲の切換は以下のフローチャート
の説明では触れられていない。
【0084】S015では、リモコンのスタートスイッチ51
がオフからオンに変化したか否かが判断される。このス
イッチが操作されずにオフのままであるときには、S003
〜S013の処理が繰り返し実行される。スタートスイッチ
51がオンすると、S017でリモコン着脱検出センサ311の
出力をチェックし、これがオンである場合、すなわちリ
モコンが本体に装着されている場合には、S019でメモリ
スロット230に装填されたメモリカードや内部メモリ3
40から、画像データを外部出力端子231に接続され
たコンピュータ等の外部機器に出力する。
【0085】スタートスイッチ51がオンしたときにリモ
コン着脱検出センサ311の出力がオフである場合、すな
わちリモコンが本体から外されている場合には、S021に
おいて合焦処理(図19,20)、S023において測光処理
が実行され、結像レンズが合焦位置に移動されると共
に、被写体の明るさが判断され、S025で撮影処理(図2
2)が実行される。撮影処理は、設定された条件にした
がって被写体を走査することにより画像を取り込む処理
であり、この処理が正常に終了するとS001の初期化処理
からの制御が繰り返される。
【0086】なお、この装置における「測光」は、基準
走査ラインの測光対象領域の最大輝度を検出する処理を
いう。検出された最大輝度に基づいて、イメージセンサ
の画素が飽和しないよう撮影時のイメージセンサの各ラ
イン毎の蓄積時間を決定し、決定された設定時間により
ミラー駆動モータの回転速度を決定する。
【0087】次に、メインフローチャートのS001,S021,
S025に示される各処理の詳細について順に説明する。図
17および図18は、メインフローチャートのS001で実
行される初期化処理の詳細を示す。初期化処理に入る
と、S101でフィルタカウンタFC、モードカウンタM
C、レンズパルスカウンタPafの3つのカウンタが
「0」にリセットされる。S103〜S127では、走査ミラー
2がホーム位置に設定され、かつ、モノクロ用の無色フ
ィルタ4aが光路中に配置されるようミラー駆動モータ
70が制御される。図18のS129〜S149では、結像レン
ズ3がホーム位置に設定される。
【0088】まず、S103〜S109では、走査ミラーが当初
から走査基準位置センサ204がオフする領域にある場
合にはミラー駆動モータ70を正転させ、走査基準位置
センサ204がオンする領域にある場合にはミラー駆動
モータ70を一旦逆転させて走査基準位置センサがオフ
する領域まで走査ミラー2を回動させてからミラー駆動
モータ70を正転させる。これは、走査ミラー2のホー
ム位置が走査基準位置センサ204の出力がオフからオ
ンに変化してから中心位置補正パルスXc分正転させた
位置として定義されることから、オフからオンへの変化
を検出するための処理である。
【0089】正転中に走査基準位置センサがオンする
と、その時点からミラー駆動モータの駆動パルスに同期
して走査パルスカウンタXのインクリメントを開始し、
フィルタセンサがオフしている場合には、カウンタXが
中心位置補正パルスXcに等しくなった時点でミラー駆
動モータを停止させる(S111〜S119)。フィルタセンサ2
05がオフしている場合には、無色フィルタ4aが光路
中に配置されていることとなるため、フィルタの切換は
行われない。
【0090】フィルタセンサがオンの場合には、S121で
フィルタカウンタFCが3より小さいか否かを判断す
る。3より小さい場合には、カウンタXが第1フィルタ
切換パルスXf1に等しくなるまでミラー駆動モータを正
転させ続け、フィルタを1枚切り換えてフィルタカウン
タFCをインクリメントし(S123〜S127)、S103からの処
理がフィルタセンサがオフするまで繰り返される。フィ
ルタの数は4枚であるため、最大でもフィルタカウンタ
FCが3になればモノクロフィルタがセットされるはず
であり、フィルタカウンタFCが3以上になってもフィ
ルタセンサがオフしない場合には、何らかの故障がある
ものと考えることができる。そこで、フィルタカウンタ
FCが3以上になった場合には、S121からエラー処理に
入る。
【0091】図18のS129〜S139では、結像レンズが当
初からレンズセンサがオフする領域にある場合にはミラ
ー駆動モータを逆転させ、レンズセンサがオンする領域
にあった場合にはレンズ駆動モータを一旦正転させてレ
ンズセンサがオフしてから3パルス分の位置まで結像レ
ンズを移動してからレンズ駆動モータを逆転させる。こ
れは、結像レンズのホーム位置がレンズセンサの出力が
オンからオフに変化してからホーム位置補正パルスPhc
分逆転させた位置として定義されることから、オンから
オフへの変化を検出するための処理である。
【0092】逆転中にレンズセンサがオンすると、その
時点からレンズ駆動モータの駆動パルスに同期してレン
ズパルスカウンタPafのインクリメントを開始し、カウ
ンタPafの値がホーム位置補正パルスPhcに等しくなっ
た時点でレンズ駆動モータを停止してレンズパルスカウ
ンタPafにホーム位置のカウント「460」をセットす
る(S141〜S149)。この時点で結像レンズはそのホーム位
置に設定されることとなる。
【0093】図19および図20は、メインフローチャ
ートのS021で実行される合焦処理の第1の例の詳細を示
すフローチャートである。実施形態のカメラ型スキャナ
ーでは、被写体の測光情報と被写体に対する合焦状態に
関する情報とを共に撮影用のイメージセンサ16を用い
て読み取る構成である。これらの測光、合焦検出は、い
ずれも走査ミラーがホーム位置にあって読み取りライン
が基準走査ラインに一致している状態で行われる。すな
わち、被写体の一部であるホーム位置における1ライン
分のコントラスト、明るさに基づいて被写体全体に対す
る合焦状態、明るさが判定される。
【0094】合焦検出時には、結像レンズを最近接位置
から遠方側に向けて1ステップづつ移動させ、ステップ
毎にセンサ出力を取り込み、対象領域の最大輝度と最小
輝度との差をコントラストと捉え、コントラストが前回
取り込んだステップより低下し始めたステップ、すなわ
ちコントラストのピーク直後のステップを最も良く被写
体にピントが合った位置と判断してその位置に結像レン
ズを設定する。このようなコントラスト法は、焦点位置
を挟む2つの位置に配置されたセンサのコントラストを
比較する従来から知られているコントラスト法と比較す
ると、走査コントラスト法ということができる。
【0095】図19の処理では、まず、デフォルトの一
定蓄積時間でイメージセンサの蓄積信号を読み取り、主
走査方向の中央の画素を中心にした1000ビット分のデー
タを判定対象として入力する(S301)。このとき、走査ミ
ラーはホーム位置に設定されており、結像レンズは撮影
可能範囲の最短距離の被写体にピントが合うようホーム
位置に設定されている。
【0096】続いて、判定対象の1000ビットの輝度の光
量補正(暗電流の補正等)後の輝度から最大輝度Bmaxと
最小輝度Bminとを検出する(S303)。S305では、S303で
求められた最大輝度Bmaxと最小輝度Bminとの差を求
め、これを第1の輝度差変数Bsub1に書き込む。ここで
求められる輝度差が、被写体のコントラストを示す指標
として用いられる。続いて、第1の輝度差変数Bsub1の
内容を第2の輝度差変数Bsub2に移し(S307)、レンズ駆
動モータを1パルス逆転させてレンズパルスカウンタを
デクリメントする(S309,S311)。合焦処理に入った直後
のレンズパルスカウンタの値は「460」である。
【0097】結像レンズをモータ1パルス分移動させた
後、再びデフォルトの一定蓄積時間蓄積されたイメージ
センサの出力を中心の1000ビット分読み込んで最大輝度
Bmax、最小輝度Bminを検出する(S313,S315)。S317で
は、S315で求められた最大、最小輝度の輝度差が第1の
輝度差変数Bsub1に書き込まれる。S307,S317の処理に
より、第1の輝度差変数Bsub1には、第2の輝度差変数
Bsub2に設定されている輝度差を検出したときより結像
レンズを1パルス分イメージセンサ側に移動させた際の
輝度差が設定されることになる。
【0098】S307〜S317の処理は、S319においてレンズ
パルスカウントが0より大きいと判断され、かつ、S321
で最新の輝度差信号が1パルス前の結像レンズ位置にお
ける輝度差信号より大きいと判断される間繰り返して実
行される。結像レンズを光軸に沿って一方向に移動させ
る場合、被写体のコントラストは結像レンズが合焦位置
に近接するにしたがって高くなり、合焦位置を越えると
低下し始める。したがって、S321で最新の輝度差信号よ
り前回の輝度差信号の方が大きいと判断された場合に
は、そのときの結像レンズの位置で被写体に対して合焦
していると考えられる。そこで、レンズパルスカウンタ
Pafの値を保存してメインフローチャートにリターンす
る(S323)。
【0099】S321において合焦位置が検出される前に、
レンズパルスカウントPafが「0」となり結像レンズが
遠方側の端点に達したとS319において判断された場合に
は、イメージセンサの信号を保存して図20のS341に進
む(S325)。
【0100】図20の処理は、図19の処理で結像レン
ズを最近接側から最遠方側まで1ステップづつ移動させ
てコントラストを検出しても合焦位置を検出できなかっ
た場合に実行される処理であり、この例では補助光ユニ
ットを用いて被写体に積極的にコントラストを付加し、
図19の場合とは逆に結像レンズを最遠方側から最近接
側に向けて1ステップづつ移動させてコントラストの変
化を検出する。
【0101】図20では、まず合焦検出用の補助光を点
灯させて被写体にパターンを投影してイメージセンサの
信号を取り込み、補助光点灯前にS325で保存された信号
と補助光点灯後に取り込まれた信号とを比較する(S341,
S343,S345)。補助光の点灯によってイメージセンサの信
号が変化しない場合には、被写体が補助光が届かない遠
方に位置するものと考えられるため、現在のレンズ位置
(最遠方側)でピントが合うものとして結像レンズをそれ
以上移動させることなく補助光を消灯し、レンズパルス
カウンタPafを保存してメインフローチャートにリター
ンする(S363,S365)。
【0102】補助光の点灯によってイメージセンサの信
号が変化した場合には、被写体が補助光の届く距離にあ
ると考えられるため、S347〜S357においてレンズ駆動モ
ータを1パルスづつ正転させ、パルスカウントをインク
リメントしつつ、取り込まれた画像データからコントラ
ストを求め、コントラストが低下し始める点を検出す
る。S359でレンズパルスカウントPafが最近接側である
「460」に達したと判断される前にS361で前回よりコ
ントラストが低下したと判断されると、その位置を合焦
位置と判断して補助光を消灯し、レンズパルスカウンタ
Pafを保存してメインフローチャートにリターンする(S
363,S365)。
【0103】S361において合焦位置が検出される前に、
レンズパルスカウントPafが「460」となり結像レン
ズが近接側の端点に達したとS359において判断された場
合には、所定の明るさがある被写体で補助光が届く範囲
に位置するにも拘わらず結像レンズの可動範囲内でコン
トラストのピークが発見できないこととなるため、被写
体が最短撮影距離である23cmより近い位置に配置さ
れているか、スキャナー自体に何らかの支障があるもの
と考えられるため、補助光を消灯し、撮影を禁止してエ
ラー処理に入る(S359,S367)。
【0104】図21は、メインフローチャートのS021で
実行される合焦処理の第2の例の詳細を示すフローチャ
ートである。図21の処理は、コントラストの捉え方、
および合焦の判断が前述の図19、20に示される例と
異なるが、結像レンズを1ステップづつ移動させながら
コントラストを検出する原理は同一である。すなわち、
図19、20に示した処理では、読み取られた1ライン
内の最大輝度と最小輝度との差をコントラストと捉え、
かつ、このコントラストが最大となる位置を合焦位置と
判定している。これに対して図21の処理では、読み取
られた1ライン内の隣接する画素どうしの差の総和をコ
ントラストとして捉え、かつ、このコントラストが所定
の基準値を越えた位置を合焦位置と判定している。
【0105】図21の合焦処理が図19、20の処理に
代えて用いられる場合、S601で1000ビット分のデータを
判定対象として入力し、判定対象の1000ビットの各画素
毎に隣接する画素との輝度差を求めてその総和を算出
し、差分総和Btotalに書き込む(S603)。ここで求めら
れる差分総和Btotalが、被写体のコントラストを示す
指標として用いられる。続いて、求められた差分総和B
totalが所定の基準値Brefより大きいか否かが判断さ
れ、差分総和Btotalが所定の基準値Brefより小さいと
判断される場合には、レンズ駆動モータを1パルス逆転
させてレンズパルスカウンタをデクリメントし(S607,S6
09)、再びイメージセンサの出力を中心の1000ビット分
読み込んで差分総和Btotalを求める(S601,S603)。
【0106】S601〜S609の処理は、S611においてレンズ
パルスカウントが0より大きいと判断され、かつ、S605
で差分総和Btotalが所定の基準値Brefより小さいと判
断される間繰り返して実行される。差分総和Btotalが
所定の基準値Brefより大きいと判断されると、被写体
に対して結像レンズが合焦したものと判断してレンズパ
ルスカウンタPafの値を保存してメインフローチャート
にリターンする(S635)。
【0107】S605において合焦位置が検出される前に、
レンズパルスカウントPafが「0」となり結像レンズが
遠方側の端点に達したとS611において判断された場合に
は、イメージセンサの信号を保存し、補助光を点灯させ
て被写体にパターンを投影してイメージセンサの信号を
取り込み、補助光点灯前に保存された信号と補助光点灯
後に取り込まれた信号とを比較する(S613,S615,S617,S6
19)。補助光の点灯によってイメージセンサの信号が変
化しない場合には、被写体が補助光が届かない遠方に位
置するものと考えられるため、現在のレンズ位置(最遠
方側)でピントが合うものとして結像レンズをそれ以上
移動させることなく補助光を消灯し、レンズパルスカウ
ンタPafを保存してメインフローチャートにリターンす
る(S633,S635)。
【0108】補助光の点灯によってイメージセンサの信
号が変化した場合には、被写体が補助光の届く距離にあ
ると考えられるため、S621〜S631においてレンズ駆動モ
ータを1パルスづつ正転させ、パルスカウントをインク
リメントしつつ、取り込まれた画像データから差分総和
Btotalを求め、差分総和Btotalと基準値Brefとを比
較する。S629でレンズパルスカウントPafが最近接側で
ある「460」に達したと判断される前にS631で差分総
和Btotalが基準値Brefより大きいと判断されると、補
助光を消灯し、レンズパルスカウンタPafを保存してメ
インフローチャートにリターンする(S633,S635)。
【0109】S631において合焦位置が検出される前に、
レンズパルスカウントPafが「460」となり結像レン
ズが近接側の端点に達したとS329において判断された場
合には、補助光を消灯し、撮影を禁止してエラー処理に
入る(S637)。
【0110】図22〜24は、メインフローチャートの
S021で実行される合焦処理の第3、第4、第5の例の詳
細を示すフローチャートである。これらの例は、被写体
が蛍光灯のような高周波のちらつきを持つ光源で照明さ
れている場合にも正確な合焦位置の検出ができる。
【0111】被写体が蛍光灯で照明されている場合、ラ
インセンサからの信号の読み取りタイミングと蛍光灯の
ちらつきのタイミングとのズレにより、レンズ位置が一
定であってもコントラスト信号にバラツキが生じる。レ
ンズの移動を横軸、コントラスト信号を縦軸にしてグラ
フを描くと、照明光のちらつきがなければコントラスト
信号は滑らかな山形の曲線となるが、照明光にちらつき
があると、コントラスト信号が滑らかな曲線とならず、
より周波数の高い細かな凹凸が現れる。前述した第1の
例で示す合焦処理では、コントラスト信号が低下し始め
た位置を合焦位置と判断するため、照明光のちらつきに
よるコントラスト信号の低下をコントラストの低下と判
断する可能性がある。すなわち、実際にコントラストが
最大となる位置ではなく、コントラスト信号を示す曲線
上の一つの極大値を合焦位置として判断する可能性があ
る。
【0112】図22に示される合焦処理の第3の例で
は、結像レンズの単位移動毎にコントラストを検出し、
移動範囲全域にわたって移動させた後に、最大のコント
ラストが得られた位置を合焦位置とする。最初に、S701
〜705で第1の例と同様にラインセンサの中心1000ビッ
ト分の信号を入力して輝度の最大値と最小値との差をコ
ントラスト信号として第2の輝度差変数Bsub2に書き込
む。
【0113】続いて、S709,711ではレンズ移動モータを
1パルス逆転させてレンズパルスカウンタPafをデクリ
メントし、S713〜717で再度S701〜705と同様にコントラ
スト信号を入力して第1の輝度差変数Bsub1に書き込
む。S719〜S723では、新たに入力された第1の輝度差変
数Bsub1の値が、書き込まれている第2の輝度差変数B
sub2の値より大きい場合にBsub2の値がBsub1で置き換
えられ、その際のレンズパルスカウントPafの値が保存
される。第2の輝度差変数Bsub2の値の方が大きい場合
には書き換えが行われずにS725に進む。S709〜723の処
理は、S725でレンズパルスカウントPafが0より大きい
と判断される間繰り返し実行される。
【0114】すなわち、図22のフローチャートに従う
と、結像レンズの移動範囲全域にわたって1パルスの移
動毎にコントラストが検出され、最大のコントラストが
得られた位置のレンズパルスカウントPafが合焦位置を
示す信号として求められる。このように移動範囲全域に
わたってコントラストを検出することにより、蛍光灯に
より照明された被写体のように検出されるコントラスト
信号にばらつきがある場合にも、極小値への落ち込みを
防ぎ、コントラストの最大位置を合焦位置として正確に
判定することができる。
【0115】図23に示される合焦処理の第4の例で
は、結像レンズの単位移動毎にコントラストを複数回検
出し、複数回の検出結果の平均値を当該移動位置におけ
るコントラストとする。具体的には、結像レンズの1パ
ルスの移動毎に10回コントラスト信号を検出し、これ
を平均することによりその移動位置におけるコントラス
ト信号としている。また、第4の例でも、第3の例と同
様に結像レンズを全移動範囲にわたって移動させ、その
中でコントラスト信号が最大となる位置を合焦位置と判
断している。
【0116】第4の例では、図23に示されるように、
S801でカウンタiと合計輝度変数Btotalを0に初期化
し、S803〜S807で第1の例と同様にラインセンサの中心
1000ビット分の信号を入力して輝度の最大値と最小値と
の差をコントラスト信号として輝度差変数Bsubに書き
込む。この輝度差変数BsubをS809で合計輝度変数Btot
alに積算し、S811でカウンタiをインクリメントする。S
813でカウンタiが10に達したと判断されるまでS803〜S8
11の処理が繰り返される。
【0117】したがって、カウンタiが10に達する時に
は10回分のコントラスト信号の合計が合計輝度変数B
totalに累積されていることとなる。S815では、この合
計輝度変数Btotalを10で割ることにより求めた平均値
を第2の輝度差変数Bsub2に書き込む。
【0118】S817,819ではレンズ移動モータを1パルス
逆転させてレンズパルスカウンタPafをデクリメント
し、S821〜835で再度S803〜815と同様に10回分のコン
トラスト信号を合計して10で割ることにより求めた平均
値を第1の輝度差変数Bsub1に書き込む。S837〜S841で
は、新たに入力された第1の輝度差変数Bsub1の値が、
書き込まれている第2の輝度差変数Bsub2の値より大き
い場合にBsub2の値がBsub1で置き換えられ、その際の
レンズパルスカウントPafの値が保存される。第2の輝
度差変数Bsub2の値の方が大きい場合には書き換えが行
われずにS843に進む。S817〜841の処理は、S843でレン
ズパルスカウントPafが0より大きいと判断される間繰
り返し実行される。
【0119】すなわち、図23のフローチャートに従う
と、結像レンズの移動範囲全域にわたって1パルスの移
動毎に10回分のコントラスト信号の平均値としてコント
ラスト信号が得られ、最大のコントラスト信号が得られ
た位置のレンズパルスカウントPafが合焦位置を示す信
号として求められる。このように複数回の検出により得
られたコントラスト信号を平均することにより、蛍光灯
により照明された被写体のように一回一回の検出で得ら
れるコントラスト信号にバラツキがある場合にも、バラ
ツキによる信号変化を平滑化し、コントラストの最大位
置を合焦位置として正確に判定することができる。ま
た、この例のように移動範囲全域にわたってコントラス
トを検出することにより、極小値への落ち込みを防ぐこ
とができる。
【0120】図24に示される合焦処理の第5の例で
は、結像レンズの単位移動毎にコントラストを検出し、
複数の移動位置における検出結果の平均値を複数の移動
位置を含むグループのコントラストとする。具体的に
は、結像レンズの1パルスの移動毎にコントラストを検
出し、10パルス分の移動位置における検出結果の平均
値をそのグループのコントラストとする。第5の例で
も、第3の例と同様に結像レンズを全移動範囲にわたっ
て移動させ、その中でコントラスト信号が最大となる位
置を合焦位置と判断する。
【0121】第5の例では、図24に示されるように、
S901でカウンタiと合計輝度変数Btotalを0に初期化
し、S903〜S907で第1の例と同様にラインセンサの中心
1000ビット分の信号を入力して輝度の最大値と最小値と
の差をコントラスト信号として輝度差変数Bsubに書き
込む。この輝度差変数BsubをS909で合計輝度変数Btot
alに積算し、S911でカウンタiをインクリメントし、S91
3でレンズ駆動モータを1パルス逆転させる。S915でカ
ウンタiが10に達したと判断されるまでS903〜S913の処
理が繰り返される。
【0122】したがって、カウンタiが10に達する時に
は10回分のコントラスト信号の合計が合計輝度変数B
totalに累積されていることとなる。S917では、この合
計輝度変数Btotalを10で割ることにより求めた平均値
を第2の輝度差変数Bsub2に書き込み、S919でレンズパ
ルスカウンタPafから移動分の10パルスをマイナスす
る。
【0123】S921〜939で再度S903〜919と同様に10回分
のコントラスト信号を合計して10で割ることにより求め
た平均値を第1の輝度差変数Bsub1に書き込み、レンズ
パルスカウンタPafから移動分の10パルスをマイナスす
る。S941〜S945では、新たに入力された第1の輝度差変
数Bsub1の値が、書き込まれている第2の輝度差変数B
sub2の値より大きい場合にBsub2の値がBsub1で置き換
えられ、その際のレンズパルスカウントPafの値が保存
される。第2の輝度差変数Bsub2の値の方が大きい場合
には書き換えが行われずにS947に進む。S921〜945の処
理は、S947でレンズパルスカウントPafが0より大きい
と判断される間繰り返し実行される。
【0124】すなわち、図24のフローチャートに従う
と、結像レンズの移動範囲全域にわたって1パルスの移
動毎に検出されたコントラスト信号を10パルス分平均
してコントラスト信号が得られ、最大のコントラスト信
号が得られた位置のレンズパルスカウントPafが合焦位
置を示す信号として求められる。このように複数回の検
出により得られたコントラスト信号を平均することによ
り、蛍光灯により照明された被写体のように一回一回の
検出で得られるコントラスト信号にバラツキがある場合
にも、バラツキによる信号変化を平滑化し、コントラス
トの最大位置を合焦位置として正確に判定することがで
きる。また、この例のように移動範囲全域にわたってコ
ントラストを検出することにより、極小値への落ち込み
を防ぐことができる。
【0125】なお、図22〜24の例では、補助投光に
ついては考慮していないが、図19,20の例と同様に
補助投光を利用することもできる。また、図23,24
の例は、全範囲を移動させる図22の方式を踏襲してい
るが、これらを図19,20の例と同様にコントラスト
信号が低下し始めた時点を合焦位置と判断するアルゴリ
ズムにも適用することができる。平均化により照明光の
ちらつきによる影響が低減されるため、図19,20の
アルゴリズムに適用した場合にもコントラスト信号の極
大値に陥らずに最大値が検出される位置を合焦位置と判
断することができる。
【0126】図25は、メインフローチャートのS025で
実行される撮影処理の詳細を示すフローチャートであ
る。撮影処理は、合焦処理で設定された結像レンズ位置
を基準に、各走査ライン毎に測光処理で求められた蓄積
時間が確保できる走査速度で走査ミラーを回動させなが
ら画像を取り込む処理である。
【0127】撮影処理に入ると、S501でフィルタカウン
タFCが「0」に初期化され、S503において撮影がモノ
クロモードか否かが判断される。前述の初期化処理でモ
ノクロ用の無色フィルター4aが光路中にセットされて
いるため、モノクロモードの場合にはフィルターを切り
換えることなく、S509の走査ミラーの走査開始位置への
設定が実行される。モノクロモードでない場合、すなわ
ちカラー撮影のモードに設定されている場合には、走査
ミラーの開始位置への設定前にミラー駆動モータを回転
させてフィルタを切り換え、フィルタカウンタFCをイ
ンクリメントする(S505,S507)。
【0128】続いて、走査ミラーを結像レンズの位置に
応じてパララックスを補正できる走査開始位置まで回動
させ(S509)、この走査開始位置から測光データに基づい
て求められた走査速度fpによりミラー駆動モータを正
転させる(S511)。
【0129】S513〜S525の処理が、被写体の撮影に関す
る処理である。走査ミラーの回動による走査位置に応じ
て変化する被写体距離に応じて合焦状態が保たれるよう
結像レンズを移動させつつ(S513)、走査終了位置に達す
るまでミラー駆動モータの駆動パルス4パルス毎にイメ
ージセンサから画像信号を繰り返し読み取る(S515,S52
5)。また、S517では、画像データに含まれるシェーディ
ングの影響を除去するよう光量が補正される。シェーデ
ィング補正は、結像レンズ3のコサイン4乗則による光
量低下等による主走査方向の光量ムラを補正するための
処理である。さらに、S519,S521ではカラー撮影の場合
にフィルターへの主走査方向の入射角度の違いによる透
過波長帯のシフトを光量の変化として捉え、画像データ
の輝度を各色毎に画素単位で補正する。
【0130】S523では、走査ミラーの回動による走査位
置に応じた結像倍率の変化による像の歪曲を補正するよ
う基準走査ラインに合わせて副走査方向の周辺部のライ
ンでデータを補完して伸張させる。なお、S513における
レンズ移動量、およびS523におけるデータ伸張量は、被
写体が走査ミラーがホーム位置にある際の光軸に対して
垂直な平面であることを前提にして、副走査方向の各ラ
イン毎に所定の近似式を用いた演算結果に基づいてオー
プンループ制御により実行される。
【0131】走査ミラーが走査終了位置に達すると、ミ
ラー駆動モータが停止され、撮影モードがモノクロか否
か、カラーの場合には各色成分の3回の走査が終了した
かが判定され、モノクロの場合、カラーで3回の走査が
終了した場合にはメインフローチャートにリターンする
(S527,S529,S531)。カラー撮影のモードで3回の走査が
終了していない場合には、S505からの処理が繰り返され
る。
【0132】最後に、この発明の特徴部分と実施例との
対応関係について簡単に説明する。図19、図20に示
される合焦処理(1)、あるいは図21に示される合焦処
理(2)は、結像レンズを最短撮影距離にある被写体に合
焦する第1の端点から無限遠に合焦する第2の端点に向
けて1ステップづつ光軸方向に移動させつつコントラス
トの変化を検出する処理である。レンズ駆動モータ60
は、結像レンズを光軸方向に移動させるレンズセンサ間
距離変更手段に該当する。
【0133】コントラストは、合焦処理(1)では読み取
られたイメージセンサの出力の最大輝度Bmaxと最低輝
度Bminとの差として捉えられており、合焦処理(2)で
は隣接する画素間の差分の総和として捉えられている。
合焦処理(1)では、上記の差を求めるS305,317がコント
ラスト検出手段に相当し、その変化から最大位置を検出
するS321の処理は合焦判定手段に該当する。合焦処理
(2)では、上記の差分総和を求めるS603がコントラスト
検出手段に相当し、求められた総和が所定の基準値より
大きいか否かを判断するS605の処理が合焦判定手段に該
当する。
【0134】なお、補助光を点灯させる合焦処理(1)の
S341、合焦処理(2)のS615、補助光を消灯させる合焦処
理(1)のS363,367、合焦処理(2)のS633,637は、補助光
制御手段に該当する。実施形態では、結像レンズが第1
の端点から第2の端点に移動する間に合焦位置を検出で
きなかった場合に補助光が点灯され、その後、結像レン
ズは第2の端点から第1の端点側に向けて移動される。
また、補助光の点灯前後のイメージセンサの出力の変化
が検出されており(S345,S619)、この変化がなかった場
合には第2の端点が合焦位置として判定される。さら
に、補助光を点灯させて第2の端点から第1の端点まで
結像レンズを移動させる間にも合焦位置が検出されなか
った場合には、被写体が合焦可能な範囲外にあると判断
され、補助光が消灯されてエラー処理が実行される(S36
7,S637)。
【0135】合焦処理(3)では、最大輝度Bmaxと最低
輝度Bminとの差を求めるS705,S717がコントラスト検出
手段に相当し、レンズ駆動モータの1パルスの移動毎に
結像レンズの全移動範囲にわたってコントラストを検出
して最大値を求めるS709,S719-725が合焦判定手段に該
当する。合焦処理(4)においても、最大輝度Bmaxと最
低輝度Bminとの差を求めるS807,S827がコントラスト検
出手段に相当し、レンズ駆動モータの1パルスの移動毎
に複数回検出を実行して平均値を当該位置のコントラス
トとするS809-815、S829-835が合焦判定手段に該当す
る。さらに、合焦処理(5)では、最大輝度Bmaxと最低
輝度Bminとの差を求めるS907,S927がコントラスト検出
手段に相当し、レンズ駆動モータの1パルスの移動毎に
検出を実行して複数パルス分の平均値を当該位置のコン
トラストとするS909-917、S929-937が合焦判定手段に該
当する。
【0136】合焦処理は、走査ミラーがホーム位置(基
準回動位置)に設定されている際のイメージセンサの出
力、すなわち基準走査ラインを読み取ったイメージセン
サの出力に基づいて実行される。
【0137】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、撮影のための結像系をそのまま利用してコントラス
トの分布を検出し、結像レンズを被写体に合焦させるこ
とができる。したがって、被写体距離に関する情報を検
出するために別個の検出手段を設ける必要が無く、装置
全体を小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るカメラ型スキャナの実施形態の
撮影光学系を示す図である。
【図2】 図1のカメラ型スキャナの外形を示す斜視図
である。
【図3】 図2のカメラ型スキャナの概略構成を示す斜
視図である。
【図4】 図2のカメラ型スキャナの内部構成を示す平
面図である。
【図5】 図4のカメラ型スキャナの線分A−Aについ
ての断面図である。
【図6】 図4のカメラ型スキャナの線分B−Bについ
ての断面図である。
【図7】 駆動機構を示す平面図である。
【図8】 ミラー保持部を示す斜視図である。
【図9】 図4のカメラ型スキャナの線分C−Cについ
ての断面図である。
【図10】 カラーフィルタホルダを示す斜視図であ
る。
【図11】 図4のカメラ型スキャナの線分D−Dにつ
いての断面図である。
【図12】 カメラ型スキャナの制御系を示すブロック
図である。
【図13】 図12に示される画像処理回路の詳細を示
すブロック図である。
【図14】 走査ミラーの回動位置とミラー駆動モータ
のパルス数の関係を示す概略図である。
【図15】 結像レンズの回動位置とレンズ駆動モータ
のパルス数の関係を示す概略図である。
【図16】 カメラ型スキャナのメインフローチャート
である。
【図17】 初期化処理を示すフローチャートである。
【図18】 初期化処理を示すフローチャートである。
【図19】 合焦処理の第1の例を示すフローチャート
である。
【図20】 合焦処理の第1の例を示すフローチャート
である。
【図21】 合焦処理の第2の例を示すフローチャート
である。
【図22】 合焦処理の第3の例を示すフローチャート
である。
【図23】 合焦処理の第4の例を示すフローチャート
である。
【図24】 合焦処理の第5の例を示すフローチャート
である。
【図25】 撮影処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 カメラ型スキャナ 2 走査ミラー 4 カラーフィルタ群 3 結像レンズ 5 リモコン 6 レンズ駆動機構 7 ミラー駆動機構 11 補助光ユニット 12 窓部 15 ファインダ 16 イメージセンサ 60 走査用モータ 70 レンズ駆動モータ 203 レンズ基準位置センサ 204 走査基準位置センサ 300 CPU 310 メインスイッチ 311 リモコンセンサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 5/232 G02B 7/36 H04N 1/19

Claims (19)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被写体像を形成する結像レンズと、 前記結像レンズにより形成された被写体像の一次元的な
    画像情報を電子的に読み取るライン型イメージセンサ
    と、 前記被写体と前記結像レンズとの間に設けられ、前記イ
    メージセンサの画素配列方向とほぼ平行な回動軸回りに
    回動することにより前記イメージセンサ上に前記被写体
    像を走査させ、前記イメージセンサに前記被写体像の二
    次元的な画像情報を読み取らせる走査ミラーと、 前記イメージセンサの出力に基づいて前記被写体の二次
    元的な画像データを生成する画像生成手段と、 前記結像レンズと前記イメージセンサとのいずれか一方
    を移動させることにより相対距離を変更するレンズセン
    サ間距離変更手段と、 前記イメージセンサにより読み取られた被写体像のコン
    トラストを検出するコントラスト検出手段と、 前記レンズセンサ間距離変更手段を制御して前記相対距
    離を変更しつつ前記コントラスト検出手段の出力を繰り
    返し検知することにより前記コントラストの変化を検出
    し、検出された変化に基づいて前記被写体に対して合焦
    したか否かを判定する合焦判定手段と、を備え、 前記合焦判定手段は、前記結像レンズあるいは前記イメ
    ージセンサの単位移動毎に前記コントラストを複数回検
    出し、 該複数回の検出結果の平均値を当該移動位置におけるコ
    ントラストとすること、を特徴とする画像読み取り装
    置。
  2. 【請求項2】 被写体像を形成する結像レンズと、 前記結像レンズにより形成された被写体像の一次元的な
    画像情報を電子的に読み取るライン型イメージセンサ
    と、 前記被写体と前記結像レンズとの間に設けられ、前記イ
    メージセンサの画素配列方向とほぼ平行な回動軸回りに
    回動することにより前記イメージセンサ上に前記被写体
    像を走査させ、前記イメージセンサに前記被写体像の二
    次元的な画像情報を読み取らせる走査ミラーと、 前記イメージセンサの出力に基づいて前記被写体の二次
    元的な画像データを生成する画像生成手段と、 前記結像レンズと前記イメージセンサとのいずれか一方
    を移動させることにより相対距離を変更するレンズセン
    サ間距離変更手段と、 前記イメージセンサにより読み取られた被写体像のコン
    トラストを検出するコントラスト検出手段と、 前記レンズセンサ間距離変更手段を制御して前記相対距
    離を変更しつつ前記コントラスト検出手段の出力を繰り
    返し検知することにより前記コントラストの変化を検出
    し、検出された変化に基づいて前記被写体に対して合焦
    したか否かを判定する合焦判定手段と、を備え、 前記合焦判定手段は、前記結像レンズあるいは前記イメ
    ージセンサの単位移動毎に前記コントラストを検出し、 複数の移動位置における検出結果の平均値を該複数の移
    動位置を含むグループのコントラストとすること、を特
    徴とする画像読み取り装置。
  3. 【請求項3】 前記合焦判定手段は、前記コントラスト
    が最大となる移動位置を合焦位置と判定すること、を特
    徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の画
    像読み取り装置。
  4. 【請求項4】 前記合焦判定手段は、前記結像レンズあ
    るいは前記イメージセンサの単位移動毎に前記コントラ
    ストを検出し、 移動後のコントラストが移動前のコントラストより低い
    と判断された位置を合焦位置と判定すること、を特徴と
    する請求項1または請求項2のいずれかに記載の画像読
    み取り装置。
  5. 【請求項5】 前記合焦判定手段は、前記結像レンズあ
    るいは前記イメージセンサの単位移動毎に前記コントラ
    ストを検出し、 前記レンズセンサ間距離変更手段による移動範囲全域に
    わたって移動させた後に、最大のコントラストが得られ
    た位置を合焦位置とすること、を特徴とする請求項1ま
    たは請求項2のいずれかに記載の画像読み取り装置。
  6. 【請求項6】 前記合焦判定手段は、前記コントラスト
    が所定の基準値より大きくなる位置を合焦位置と判定す
    ること、を特徴とする請求項1または請求項2のいずれ
    かに記載の画像読み取り装置。
  7. 【請求項7】 前記コントラスト検出手段は、前記イメ
    ージセンサに読み取られた被写体像の最大輝度と最小輝
    度との差をコントラストとして捉えること、を特徴とす
    る請求項1から請求項6のいずれかに記載の画像読み取
    り装置。
  8. 【請求項8】 前記コントラスト検出手段は、前記イメ
    ージセンサに読み取られた被写体像の隣接する画素間の
    出力差の総和をコントラストとして捉えること、を特徴
    とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の画像読
    み取り装置。
  9. 【請求項9】 前記レンズセンサ間距離変更手段は、前
    記結像レンズを光軸方向に移動させること、を特徴とす
    る請求項1または請求項2のいずれかに記載の画像読み
    取り装置。
  10. 【請求項10】 前記レンズセンサ間距離変更手段は、
    前記結像レンズを可動範囲の一方側の第1の端点から他
    方側の第2の端点に向けて所定のピッチで移動させるこ
    と、を特徴とする請求項9に記載の画像読み取り装置。
  11. 【請求項11】 前記被写体にコントラストパターンを
    投影するための補助光を投光する補助光ユニットと、 前記合焦判定手段の作動中の所定のタイミングで補助光
    を点灯、消灯させるよう前記補助光ユニットを制御する
    補助光制御手段と、を備え、 前記補助光制御手段は、前記結像レンズが前記第1の端
    点から前記第2の端点まで移動する間に前記合焦判定手
    段が合焦位置を検出できなかった場合に前記補助光を点
    灯させ、 前記合焦判定手段は、前記補助光が点灯された後に前記
    レンズセンサ間距離変更手段を制御して前記結像レンズ
    を前記第2の端点から前記第1の端点側に向けて移動さ
    せること、を特徴とする請求項10に記載の画像読み取
    り装置。
  12. 【請求項12】 前記第2の端点は、前記結像レンズが
    遠方の被写体に合焦する位置であり、 前記合焦判定手段は、前記補助光の点灯前後で前記イメ
    ージセンサの出力に変化がなかった場合には、前記第2
    の端点を合焦位置と判定すること、を特徴とする請求項
    11に記載の画像読み取り装置。
  13. 【請求項13】 前記合焦判定手段は、前記補助光が点
    灯された後、前記結像レンズが前記第2の端点から前記
    第1の端点まで移動する間に合焦位置を検出できなかっ
    た場合には、前記被写体が合焦可能な範囲外にあると判
    断すること、を特徴とする請求項11に記載の画像読み
    取り装置。
  14. 【請求項14】 前記コントラスト検出手段は、前記走
    査手段の所定の基準走査位置において前記イメージセン
    サに取り込まれた前記被写体の画像情報に基づいて前記
    コントラストを検出すること、を特徴とする請求項1ま
    たは請求項2のいずれかに記載の画像読み取り装置。
  15. 【請求項15】 前記走査手段の基準走査位置は、前記
    イメージセンサが走査範囲のほぼ中心部を読み取る位置
    であること、を特徴とする請求項14に記載の画像読み
    取り装置。
  16. 【請求項16】 被写体像を形成する結像レンズと、 前記結像レンズにより形成された被写体像の画像情報を
    電子的に読み取るイメージセンサと、 前記イメージセンサの出力に基づいて前記被写体の二次
    元的な画像データを生成する画像生成手段と、 前記結像レンズと前記イメージセンサとのいずれか一方
    を移動させることにより相対距離を変更するレンズセン
    サ間距離変更手段と、 前記イメージセンサにより読み取られた被写体像のコン
    トラストを検出するコントラスト検出手段と、 前記レンズセンサ間距離変更手段を制御して前記相対距
    離を変更しつつ前記コントラスト検出手段の出力を繰り
    返し検知することにより前記コントラストの変化を検出
    し、検出された変化に基づいて前記被写体に対して合焦
    したか否かを判定する合焦判定手段と、を備え、 前記合焦判定手段は、前記結像レンズあるいは前記イメ
    ージセンサの単位移動毎に前記コントラストを複数回検
    出し、 該複数回の検出結果の平均値を当該移動位置におけるコ
    ントラストとすること、を特徴とする画像読み取り装
    置。
  17. 【請求項17】 被写体像を形成する結像レンズと、 前記結像レンズにより形成された被写体像の画像情報を
    電子的に読み取るイメージセンサと、 前記イメージセンサの出力に基づいて前記被写体の二次
    元的な画像データを生成する画像生成手段と、 前記結像レンズと前記イメージセンサとのいずれか一方
    を移動させることにより相対距離を変更するレンズセン
    サ間距離変更手段と、 前記イメージセンサにより読み取られた被写体像のコン
    トラストを検出するコントラスト検出手段と、 前記レンズセンサ間距離変更手段を制御して前記相対距
    離を変更しつつ前記コントラスト検出手段の出力を繰り
    返し検知することにより前記コントラストの変化を検出
    し、検出された変化に基づいて前記被写体に対して合焦
    したか否かを判定する合焦判定手段と、を備え、 前記合焦判定手段は、前記結像レンズあるいは前記イメ
    ージセンサの単位移動毎に前記コントラストを検出し、 複数の移動位置における検出結果の平均値を該複数の移
    動位置を含むグループのコントラストとすること、を特
    徴とする画像読み取り装置。
  18. 【請求項18】 前記イメージセンサはラインセンサで
    あり、前記イメージセンサと前記被写体像とを相対的に
    走査させて前記イメージセンサに前記被写体像の二次元
    的な画像情報を読み取らせる走査手段が備えられている
    こと、を特徴とする請求項16または請求項17のいず
    れかに記載の画像読み取り装置。
  19. 【請求項19】 前記走査手段は、前記結像レンズと前
    記被写体との間に配置され、前記イメージセンサの画素
    配列方向とほぼ平行な回動軸回りに回動する走査ミラー
    であること、を特徴とする請求項18に記載の画像読み
    取り装置。
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