JPH1073749A - スキャナにおける結像レンズ鏡筒の保持構造 - Google Patents

スキャナにおける結像レンズ鏡筒の保持構造

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JPH1073749A
JPH1073749A JP9166559A JP16655997A JPH1073749A JP H1073749 A JPH1073749 A JP H1073749A JP 9166559 A JP9166559 A JP 9166559A JP 16655997 A JP16655997 A JP 16655997A JP H1073749 A JPH1073749 A JP H1073749A
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JP
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scanning
imaging lens
lens barrel
mirror
filter
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JP9166559A
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Minoru Suzuki
実 鈴木
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Pentax Corp
Original Assignee
Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鏡筒がイメージセンサの画素配列方向に傾斜
するのを防止することができる、スキャナにおける結像
レンズ鏡筒の保持構造を提供すること。 【解決手段】 結像レンズ鏡筒(30)に、イメージセ
ンサ(16)の画素配列方向と直行する面内に延びるア
ーム(32)を設け、結像レンズの光軸方向に延びる貫
通孔(32a)を形成し、該貫通孔を貫通する案内軸
(35)によって、結像レンズ鏡筒を該光軸方向に移動
案内するとともに、付勢手段(64)によってアームを
前記画素配列方向に直行する面内で付勢するよう構成し
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ライン型イメージ
センサを利用して被写体像を二次元的に読み取るスキャ
ナにおいて、被写体像をイメージセンサに結像させる結
像レンズを保持するための結像レンズ鏡筒に関し、より
詳細には、結像レンズ鏡筒を光軸方向に移動可能に保持
するための構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、画素を一次元的に配列したラ
イン型イメージセンサを利用して、被写体像を二次元的
に読み取るスキャナが知られている。このようなスキャ
ナでは、イメージセンサに被写体像を結像させるために
結像レンズが用いられている。結像レンズは、被写体に
ピントを合わせる合焦処理のために、光軸方向に移動す
る必要がある。そのため、従来より、結像レンズを保持
する結像レンズ鏡筒は、光軸方向に延びる外筒の内部に
摺動可能に保持され、光軸方向に移動案内されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、結像レ
ンズ鏡筒と外筒との間には、摺動抵抗を抑えるために僅
かなクリアランスを設ける必要があり、このクリアラン
スの分だけ結像レンズ鏡筒が傾斜する可能性があった。
そして、結像レンズ鏡筒がイメージセンサの画素配列方
向に傾斜した場合には、当該画素配列方向における像面
の倒れを生じることがあり、周辺部の画素においてピン
トが合わなくなる可能性があった。
【0004】本発明は、上記の事情に鑑み、結像レンズ
鏡筒がイメージセンサの画素配列方向に傾斜するのを防
止することができる、スキャナにおける結像レンズ鏡筒
の保持構造を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明によるスキャナにおける結像レンズ鏡筒の保
持構造は、画素を一次元に配列したライン型イメージセ
ンサと、被写体を走査する走査手段と、イメージセンサ
に被写体像を結像させる結像レンズと、を有するスキャ
ナにおいて、結像レンズを保持する結像レンズ鏡筒を、
結像レンズの光軸方向に案内する案内部と、該案内部に
より案内される被案内部と、結像レンズ鏡筒を、イメー
ジセンサの画素配列方向に直交する面内における所定の
方向に付勢する付勢手段と、を設けた構成によって、結
像レンズ鏡筒が画素配列方向に傾斜することを防止する
ものである。
【0006】このように構成すれば、結像レンズ鏡筒
が、イメージセンサの画素配列方向に直交する方向に傾
斜した状態で保持されるため、結像レンズ鏡筒が当該画
素配列方向に傾斜するのを防止することができる。な
お、結像レンズ鏡筒の傾斜の中心が、結像レンズの第1
主点と第2主点の間(第1主点・第2主点も含む)に位
置するよう構成すれば、結像レンズ鏡筒が(上記面内の
所定方向に)ある程度傾斜した場合でも、被写体像をイ
メージセンサ上に結像させることが可能である。
【0007】さらに、結像レンズ鏡筒に、画素配列方向
と直行する面と平行に延びるアームを設け、上記の被案
内部を該アームに形成することができる。この場合、上
記の付勢手段を、アームの所定箇所を付勢するバネ部材
により構成すれば、レンズ鏡筒の付勢を簡単な構成で行
うことが可能になる。
【0008】また、結像レンズ鏡筒を光軸の方向に移動
させるための駆動機構として、光軸の方向に延びる駆動
ネジと、アーム部に設けられ駆動ネジと係合する雌ねじ
部とを設けた場合、上記のバネ部材を、駆動ねじを周回
するコイルバネにより構成することができる。さらに、
コイルバネの端部をアーム部の所定箇所に固定し、コイ
ルバネの付勢力がアームの一点にかかるよう構成すれ
ば、アームに所定のモーメントを与えることが可能にな
り、このモーメントを利用してレンズ鏡筒を傾斜させる
ことができる。この場合、当該所定箇所と案内部とを含
む面が、画素配列方向と直交する面と平行になるように
すると、より効果的にレンズ鏡筒の付勢を行うことが可
能になる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、この発明にかかるスキャナ
における結像レンズ鏡筒の保持構造の実施形態としてカ
メラ型スキャナを説明する。
【0010】実施形態のカメラ型スキャナは、モノクロ
のライン型CCDセンサであるイメージセンサを用いて
離れた位置にある被写体を走査する方式のカメラ型スキ
ャナである。その撮影光学系は図1に概念的に示すよう
に、被写体O側から走査ミラー2、結像レンズ3、イメ
ージセンサ16により構成される。走査ミラー2をイメ
ージセンサ16の画素配列方向に平行な方向の回転軸R
x回りに回動させることにより、被写体Oを順次ライン
状に読み取ってイメージセンサ上に結像させ、被写体の
情報を二次元的に読み取る。この明細書では、イメージ
センサの画素配列方向に相当する方向を「主走査方
向」、走査ミラーの回動により走査される読み取りライ
ン(走査ライン)の移動方向を「副走査方向」と定義す
る。また、図中に、イメージセンサ16の画素配列方向
に平行なy軸と、結像レンズ3の光軸に平行なx軸を定
義する。さらに、以下の説明では、結像レンズ3の光軸
が図中一点鎖線で示したように走査ミラー2により直角
に偏向される際のラインセンサの読み取りラインを「基
準走査ライン」と定義する。
【0011】被写体を走査して情報を読み取る方式とす
ることにより、センサの画素数に対して読み取りの解像
度を高くすることができる。例えば、実施形態における
イメージセンサの有効画素数は2088であり、54.
4度の走査範囲を2870ステップに分解して走査ミラ
ーの回動位置を設定することにより、主走査2088×
副走査2870の約600万画素のエリアセンサを用い
たのと同等の解像度を得ることができる。この解像度
は、例えばB5版の原稿を読み取る際には約300dp
iに相当する。
【0012】また、走査方式として上記のような回転ミ
ラー走査方式を採用したことにより、イメージセンサに
入射する光束を常に一定の角度で結像レンズに入射させ
ることができるため、結像レンズの径を最小限に抑える
ことができる。同様の走査方式でもイメージセンサを走
査させる方式とすると、イメージセンサに入射する光束
の結像レンズに対する入射角度が走査位置に応じて変化
するため、ビネッティングの影響を抑えるために結像レ
ンズに必要とされる径は走査ミラー方式の場合より大き
くなる。また、回転ミラー走査方式では、ラインセンサ
やミラーを平行移動させる走査方式と比較して、可動部
分を小さくすると共に、駆動機構を単純化することがで
きる。
【0013】ただし、走査ミラーを回動させて被写体を
走査する場合、イメージセンサ16と共役な物体面は、
走査ミラー2の回転軸Rxを中心とした円筒面となるた
め、被写体Oが平面である場合には以下の3つの問題が
生じる。第1は、基準走査ラインに焦点を合わせると副
走査方向の周辺部を読み取る際には被写体Oより手前の
位置にピントが合うという焦点ズレの問題、第2は、走
査ミラー2から被写体Oまでの距離が基準走査ラインか
ら副走査方向の周辺部に向かって漸増することにより周
辺部に向けて結像倍率が小さくなるという倍率変化の問
題、そして、第3は、走査ミラー2から被写体Oまでの
距離をLとしたときに走査ラインの副走査方向の位置が
走査ミラー2の回転角度θに対してL・tanθで定まる
ため、走査ミラーの回動角度ピッチが等しいと走査線の
密度が画面中心部と比較して周辺部で粗くなるという走
査線密度の問題が発生する。
【0014】実施形態のカメラ型スキャナでは、焦点ズ
レの問題に関しては、副走査方向の読み取り位置に応じ
て結像レンズを光軸方向に移動させることにより解消し
ており、倍率変化の問題に関しては取り込まれた画像の
信号処理段階において倍率の小さい周辺部でデータを補
完して伸張することにより解消しており、走査線密度の
問題に関しては、ミラー駆動モータ側の等ピッチの回転
を副走査方向の読み取り位置に応じて不等ピッチの回転
に変換する機能を機械系に持たせることにより解消して
いる。これらの解決手段の詳細については、後段の該当
個所において詳述されている。
【0015】また、実施形態のカメラ型スキャナでは、
撮影光学系とファインダー光学系とが独立して設けられ
ているため、これらの光学系の間にパララックスが生じ
る。一般に、例えばレンズシャッターカメラ等のカメラ
では、撮影光学系を基準としてファインダー光学系にパ
ララックス補正用の手段を設け、パララックスの影響を
避けるようにしている。これに対して、実施形態のカメ
ラ型スキャナは、ファインダー系の視野を基準として、
パララックスが生じないよう撮影光学系側の走査範囲を
被写体距離に応じて変化させている。これに伴い、基準
走査ラインに対して撮影範囲が非対称に設定される。
【0016】図2及び図3は、本実施の形態によるカメ
ラ型スキャナの外形及び概略構成を示す斜視図である。
図2に示すように、カメラ型スキャナ1は、略直方体形
状の本体ケース10を有し、本体ケース10の正面には
被写体像を取り込むための窓部12が形成されている。
また、図3に示すように、本体ケース10の内部には、
イメージセンサ16と、イメージセンサ16の画素配列
方向に平行な軸Yの回りで回転する走査ミラー2と、走
査ミラー2からの反射光をイメージセンサ16に結像さ
せるための結像レンズ3とが備えられている。カメラ型
スキャナ1は、走査ミラー2を前記の軸Yを中心として
回転させることによって、被写体像を順次ライン状に読
み取ってイメージセンサ16上に結像させるよう構成さ
れている。
【0017】イメージセンサ16は所謂モノクロセンサ
であり、カラー画像に対応するため、走査ミラー2とイ
メージセンサ16との光路中には、カラーフィルタ4が
設けられている。また、窓部12に隣接して、ファイン
ダー窓13が設けられている。
【0018】本体1には、電源をオンオフするメインス
イッチ310が設けられており、カメラ型スキャナ1の
操作はリモコン5の操作ボタン350により行われる。
図2に示すように、操作ボタン350には、スタートボ
タン51、アップ/テレボタン54、ダウン/ワイドボ
タン55、モードボタン53、ストップ/削除ボタン5
2の5つがある。また、リモコン5は、本体ケース10
の上部に形成されたリモコン装着部17に着脱可能とな
っている。
【0019】リモコン5は赤外LEDを用いて赤外線に
よってカメラ本体に対してコマンド信号を送信する送信
部56を有している。本体ケース10の背面には送信部
からの信号を受信するための赤外線センサである第1受
信部201が設けられ、リモコン装着部17の、リモコ
ン5の送信部56に相当する部分には、第1受信部20
1に比べて感度の弱い赤外線センサである第2受信部2
02が設けられている。つまり、リモコン5をリモコン
装着部17から取り外した状態では、送信部56からの
信号を第1受信部201で受信し、リモコン5をリモコ
ン装着部17に装着した状態では、送信部56からの信
号を第2受信部202で受信することができる。
【0020】また、本体には、リモコン5の着脱を検出
するための反射型フォトセンサである、リモコン着脱セ
ンサ311が設けられており、リモコン着脱センサ31
1はリモコン5が装着されていればオン信号を出す。本
体側の制御回路はリモコンから同一の操作信号が入力さ
れた際にも、リモコン5が本体に装着された状態である
か離脱した状態であるかに応じて異なるコマンドとして
実行することができる。
【0021】図4は、カメラ型スキャナ1の内部構成を
示す平面図である。本体ケース10内には、走査ミラー
2を回転可能に保持するミラーホルダ20が設けられて
いる。ミラーホルダ20は後述のミラー駆動機構によっ
て図中時計回り及び反時計回りに回転駆動される。ま
た、ミラーホルダ20に隣接して、結像レンズ3及びイ
メージセンサ16を収容するためのハウジング120が
設けられており、走査ミラー2からの反射光がハウジン
グ120内の結像レンズ3を通ってイメージセンサ16
に結像するように構成されている。
【0022】結像レンズ3は、3枚のレンズ3a,3
b,3cよりなっており、レンズ鏡筒30に保持されて
いる。また、レンズ鏡筒30はその外周をハウジング1
20に設けられた円筒状の鏡筒保持部121の内周に保
持されている。レンズ鏡筒30は、後述のレンズ駆動機
構6によって走査ミラー3に近接する方向及び離反する
方向に駆動される。
【0023】ハウジング120の、鏡筒保持部121と
イメージセンサ16との間には、赤色フィルタ4a、緑
色フィルタ4b、青色フィルタ4c、及び無色フィルタ
4dからなるカラーフィルタ群4が設けられている。カ
ラーフィルタ群4は、イメージセンサ16の画素配列方
向と平行な回転軸の回りに回転するフィルタホルダ40
によって、90゜間隔で保持されており、フィルタホル
ダ40の回転によって各々フィルタが選択的に、結像レ
ンズ3とイメージセンサ16との間の光路中に配置され
る。
【0024】なお、ミラーホルダ20、ハウジング12
0等は、本体ケース10の下部に設けられた支持フレー
ム130によって支持されている。支持フレーム130
上には、後述の走査用モータ70を支持するためのモー
タフレーム135、バッテリー210を保持するバッテ
リーフレーム136が形成されている。
【0025】次に、ファインダーについて説明する。図
5は、図4のカメラ型スキャナ1の線分A−Aに関する
断面図である。図5に示すように、ファインダーは、フ
ァインダー窓13から入射した光束を取り込む対物レン
ズ141と、この対物レンズ141を透過した光束を上
側のカバーガラス15側に向けて反射させるファインダ
ーミラー145と、ミラー145により反射された光束
を透過させるフレネルレンズ143と、フレネルレンズ
143とカバーガラス15との間に配置された透過型の
液晶表示パネル152とから構成されている。対物レン
ズ141とフレネルレンズ143とは、プラスチックに
より一体のユニット140として成形されている。ファ
インダーが設けられたスペースの後方には、図2に示さ
れるように撮影画像のデータを記録するメモリカード2
20を装着するためのカードスロット230が形成され
ている。なお、ファインダーユニット140は、ビス止
め部146によって、支持フレーム130に固定されて
いる。
【0026】次に、走査ミラー2を走査するためのミラ
ー駆動機構7について説明する。図6は、図4のカメラ
型スキャナ1の線分B−Bに関する断面図である。図6
に示すように、モータフレーム135には、ミラー駆動
モータ70が固定され、ミラー駆動モータ70の出力軸
には、駆動ギア71が固定されている。また、駆動ギア
71の回転を約1/1000に減速するために、歯数の
大きなギアと歯数の小さいギアとを一体として構成した
5組のギア対74〜78が設けられている。ギア対74
〜78のうち、ギア対74,75,76は第1の支軸7
2の回りに回転可能に支持されており、ギア対77,7
8は第2の支軸73の回りに回転可能に支持されてい
る。
【0027】そして、駆動ギア71は、支軸72に支持
された第1のギア対の従動ギア74aに係合し、第1の
ギア対の減速ギア74bは、支軸73に支持された第2
のギア対77の従動ギア77aに係合している。第2の
ギア対77の減速ギア77bは、支軸72に支持された
第3のギア対75の従動ギア75aに係合し、第3のギ
ア対75の減速ギア75bは、支軸73に支持された第
4のギア対78の従動ギア78aに係合している。第4
のギア対78の減速ギア78bは、支軸72に支持され
た第5のギア対76の従動ギア76aに係合し、第5の
ギア対76の減速ギア76bは、支軸73に回転可能に
支持された後述の駆動部材80に係合している。
【0028】図7は、駆動機構7を示す平面図である。
図7に示すように、駆動部材80は、平板状部材に第1
セクタギア82と第2セクタギア83を形成したもので
ある。第1セクタギア82は、前述の第5のギア対76
の減速ギア76bに係合しており、当該減速ギア76b
の回転によって駆動部材80が回動する。第1セクタギ
ア82は支軸73の中心(軸73aとする)に対し中心
角120°を有し、第2セクタギア83は軸73aに対
し中心角20°を有している。両セクタギア82,83
は、軸73aに対し回転方向には隣接している。
【0029】また、第1セクタギア82を挟んで、第2
セクタギア83と反対側には、軸73aに対する中心角
約60°の扇形部80aが形成されている。扇形部80
aにおいて、第1セクタギア82のピッチ円の延長線上
には、駆動ピン81が立設されている。
【0030】ここで、ミラー2を保持するミラーホルダ
20について説明する。図8は、ミラーホルダ20を示
す斜視図である。図8に示すように、ミラーホルダ20
は、ミラー面の4辺を規定する正面フレーム21と、鉛
直方向の両側面を挟んで保持する側面フレーム22と、
Y方向(イメージセンサ16のCCD画素配列方向)に
延びるミラー支軸27とを一体として構成したものであ
る。また、正面及び側面フレーム21,22の下部に
は、ミラー支軸27に直交する平板状部材である連動部
材23、及び円板状部材である支持円板25が設けられ
ている。支持フレーム130には、ミラー支軸27を嵌
挿するための孔139が形成されており、ミラー支軸2
7を孔139に嵌挿すると、支持円板25が支持フレー
ム130上で摺動することによって、ミラーホルダ20
は支持フレーム130上で回転可能となる。
【0031】図7に示すように、連動部材23には、駆
動部材80に立設された駆動ピン81に係合する係合溝
24が形成されている。係合溝24は、ミラー支軸27
の回転中心に向けて長く形成されている。そして、駆動
部材80が時計回りに回転すると、駆動ピン81が係合
溝24の長手方向の一辺を付勢し、これにより連動部材
23は反時計回りに回動付勢される。即ち、連動部材2
3と一体であるミラーホルダ20全体が反時計回りに回
転する。かくして、ミラーホルダ20に保持された走査
ミラー2は、駆動部材80の回動に伴い、駆動ピン81
と係合溝24の係合によって回転する。
【0032】なお、駆動ピン81と係合溝24との間に
は僅かなクリアランスがある。このクリアランスに起因
する駆動ピン81と係合溝24及びギア対74〜78の
がたつきを押さえるため、図8に示すように、ミラー支
軸27には、ミラーホルダ20を一方向に付勢するため
のコイルバネ28が巻き付けられている。コイルバネ2
8の一端は、支持円板25に形成された切り欠き部25
aを介して、支持フレーム130に突設された凸部29
に当接しており、他端は切り欠き部25aの側面に当接
している。このように、コイルバネ28は支持円板25
を常時一定の方向に回動付勢している。
【0033】図9に、駆動部材80が図7の状態から反
時計回りに回転した状態を示す。また、図10に駆動部
材80が図7の状態から時計回りに回転し伝達ギア91
(後述)と係合した状態を示す。走査のための走査ミラ
ー2の回転範囲は、図9に示す状態から図10に示す状
態までの範囲内で設定される。
【0034】ここで、図7に示すように、駆動部材80
及びミラーホルダ20は、駆動部材80の回転中心と駆
動ピン81とミラーホルダ20の回転中心とが略一直線
上に並んだ状態で、走査ミラー2の表面と、X軸(走査
ミラー2の中心とイメージセンサ160とを結んだ直
線)とのなす角度が45°になるように構成されてい
る。
【0035】つまり、駆動部材80の回転中心と駆動ピ
ン81と走査ミラー2の回転中心とが一直線上に並んだ
状態(図7)から、時計回りあるいは反時計回りに駆動
部材80が回転するにつれ、駆動ピン81とミラーホル
ダ20との回転中心との距離が長くなる。従って、駆動
部材80の角度ピッチを一定とすると、走査ミラー2
は、角度のピッチを減少させながら回転する。
【0036】このように、被写体の周辺部を走査してい
る時の走査ミラー2の回転角度ピッチを、中心部を走査
している時よりも小さくすることによって、周辺部と中
心部での走査線の密度が実質的に同じになる。
【0037】以下、駆動部材80と走査ミラー2の角度
ピッチの関係について詳説する。図11は、駆動部材8
0と走査ミラー2の回転位置関係を示す概略図である。
走査ミラー2の表面がX軸に対して45°傾斜した状態
(図11(A))での、被写体上の走査線の位置を基準
走査ラインRとし、この時の走査ミラー2及び駆動部材
80の回転位置を各々のホーム位置とする。また、この
時、結像レンズ3の光軸と、走査ミラー2によって偏向
された当該光軸とは直角になっている。なお、回転角度
の符号は、走査ミラー2の時計回りに対応する方向を正
とし、反時計回りに対応する方向を負とする。
【0038】図11(B)は、基準走査ラインRからフ
ァインダー側(図中左側)の周辺部を走査している状態
を示し、図11(C)は、基準走査ラインRからファイ
ンダーと反対側(図中右側)の周辺部を走査している状
態を示す。
【0039】駆動部材80の回転中心と走査ミラー2の
回転中心との距離をdとし、駆動部材80の回転中心か
ら駆動ピン81までの距離をrとすると、駆動部材80
のホーム位置からの回転角度θと、走査ミラー2のホー
ム位置からの回転角度ωとの間には幾何的に以下の
(1)式の関係が成り立つ。また、走査ミラー2のホー
ム位置からの回転角度ωと、走査線の基準走査ラインR
からの振れ角ω'との間には以下の(2)式の関係が成
り立つ。
【0040】
【数1】
【0041】走査基準ラインRから走査線までの距離Y
は、Y=L・tanωで表されるので、駆動部材80の単
位角度Δθの回転に対する、基準走査ラインR近傍にお
ける走査線の振れ角の変化量をω'1とし、周辺部(基準
走査ラインRからの走査線の振れ角ω'a)における走査
線の振れ角の変化量をω'2とすると、基準走査ラインR
近傍及び周辺部での走査線間隔ΔY1、ΔY2は、夫々以
下の(3)式、(4)式で表される。
【0042】
【数2】
【0043】そのため、基準走査ライン近傍と周辺部と
で走査線間隔を同じとする(即ち、ΔY1=ΔY2)と、
以下の(5)式の関係が得られる。
【0044】
【数3】
【0045】また、ω'1は、走査ミラー2がホーム位置
からΔθだけ回転した時の、基準走査ラインRからの走
査線の振れ角と等しいため、(1)式と(2)式から、
以下の(6)式の関係が成り立つ。
【0046】
【数4】
【0047】ここで、ω'aを27.2°(後述)とし、
ω'2を0.6°と設定すると、(5)式からω'1=0.
82°が得られ、さらに、駆動部材80の単位角度Δθ
を1°とすると、(6)式からd/r=2.2が得られ
る。即ち、d/r=2.2を満足するように、駆動部材
80及びミラーホルダ20の各寸法を設定することによ
り、中心部と周辺部とで、走査線間隔を同じにすること
ができる。
【0048】走査基準ラインRからの走査線の距離はY
=L・tanωで表されるので、(1)式を用いると、駆
動部材80を1°ずつ回転させた場合の、走査線間隔の
変化を計算することができる。図12に計算結果を示
す。なお、駆動部材80の回転角度は+21.5°から
−14.5°までとしたが、これについては後述する。
また、比較のため、走査ミラー2を一定の角度ピッチで
回転させた場合として、駆動部材80に走査ミラーを固
定して一定角度ピッチで回転させた場合の走査線位置
(L・tan2θ)の変化も示す。図12に示すように、走
査ミラー2を一定の角度ピッチで回転させた場合には、
走査線間隔は14.68mmから8.13mmまで大きく変
動するのに対し、本実施形態では最大6.86mm、最小
6.78mmと、実質的に同じ走査線間隔となる。即ち、
中心部と周辺部とで、実質的に同じ走査線間隔となる。
【0049】このように、本実施の形態では、駆動ピン
と係合溝の係合を利用して、走査ミラー2の回転角度ピ
ッチが被写体周辺部ほど小さくなるよう構成しているた
め、中心部と周辺部とで、実質的に同じ走査線間隔が得
られるという効果が達成される。
【0050】ここで、駆動部材80及び走査ミラー2の
回転角度の設定について説明する。図13に、走査ミラ
ー2のホーム位置からの回転角度と、走査線の基準走査
ラインRからの振れ角との関係を示す。カメラ型スキャ
ナ1は、結像レンズ3がX軸方向に移動可能となってお
り、距離Lが23cm〜無限大の距離範囲にある被写体に
対してピントを合わせることができる。走査ミラー2に
よる基準走査ラインRからの走査線の振れ角ω'aは、被
写体までの距離L、及び基準走査ラインRからの像高Y
aから、以下の(7)式で求められる。
【0051】
【数5】
【0052】ここで、カメラ型スキャナ1は、距離L=
23cmにおける(基準走査ラインRからの)像高Ya=
120mmの像に対応するように設定されている。従って
(5)式から、基準走査ラインRからの走査線の振れ角
ω'aは27.2°となる。走査は、基準走査ラインRか
ら、ファインダー側及びその反対側の両方に行われるた
め、走査線の総振れ角は27.2°×2=54.4°と
なる。
【0053】また、走査ミラー2のホーム位置からの回
転角度ωaは(2)式から13.6°となる。さらに
(1)式を変形し、θをωで表すと、以下の(8)式の
ように表すことができる。(8)式のωにωaを代入す
ることにより、駆動部材80のホーム位置からの回転角
度θa=17.5°が得られる。
【0054】
【数6】
【0055】カメラ型スキャナ1は、パララックスが生
じないように、ファインダーの視野を基準とし、基準走
査ラインRに対する走査線の振れ角を被写体距離に応じ
て変化させるよう構成されている。即ち、走査線の総振
れ角(55.4°)を一定とし、基準走査ラインRに対
してファインダー側(図中左側)の走査線の振れ角が大
きくなるように設定する。本実施形態では、被写体距離
が最小(即ち、L=23cm)の場合に、基準走査ライン
Rからファインダー側の像高Yh=147mmに対応でき
るよう走査線の振れ角を設定する。基準走査ラインRか
らファインダー側への走査線の振れ角ω'hは、(7)式
と同様に、以下の(9)式により求められ、ω'h=3
2.3°となる。
【0056】
【数7】
【0057】一方、走査線の総振れ角は54.4°と一
定であるため、基準走査ラインRからファインダーと反
対側の走査線の振れ角ω'kは−22.1°となる。即
ち、基準走査ラインRからの走査線の振れ角は、ファイ
ンダー側が32.3°、ファインダーと反対側がー2
2.1°と非対称になる。なお、基準走査ラインRから
の走査線の振れ角ω'h=32.3°及びω'k=−22.
1°に対応する、走査ミラー2のホーム位置からの時計
回りの回転角度ωh(=ω'h/2)は16.2°とな
り、反時計回りの回転角度ωk(=ω'k/2)は−1
1.2°となる。ωhとωkを上記(2)式のωに代入す
ると、駆動部材80のホーム位置からの反時計回りの回
転角度θhは21.5°、時計回りの回転角度θkは−1
4.5°となる。即ち、駆動部材80は21.5°から
−14.5°まで回転する。
【0058】このように、本実施形態のカメラ型スキャ
ナ1は、被写体距離に応じて、基準走査ラインRに対し
て非対称に振れ角を変化させることにより、パララック
スを補正するよう構成されている。なお、被写体距離は
直接計測するのでは無く、後述するように、結像レンズ
3の位置から求めるものである。
【0059】次に、走査ミラー2のホーム位置について
説明する。駆動部材80の回動は、パルスモータである
ミラー駆動モータ70によってオープンループ制御され
る。図7に示すように、支持フレーム130には、オー
プンループ制御ための走査ミラー2のホーム位置を与え
るための走査基準位置センサ204が設けられている。
走査基準位置センサ204は、発光部と受光部を持つ透
過型フォトセンサであり、駆動部材80に設けられたシ
ャッタープレート85が発光部と受光部の間に介在する
ことによってオフとなるものである。
【0060】シャッタープレート85は、走査ミラー2
とX軸とのなす角度が45°より小さい時(図9)、即
ち、走査線が基準走査ラインRよりもファインダー側
(図11(B))に位置する時には、走査基準位置セン
サ204の発光部と受光部の間に介在しこれを遮ってお
り、走査基準位置センサ204はオフしている。そし
て、当該角度がほぼ45°になった時に、シャッタープ
レート85が走査基準位置センサ204の発光部と受光
部の間から抜け出て、走査基準位置センサ204がオン
となる。そして、当該角度が45°より大きい時(図1
0)、即ち、走査線が基準走査ラインRよりもファイン
ダーと反対側(図11(C))に位置する時には、走査
基準位置センサ204はオンしている。
【0061】ミラー駆動モータ70の駆動制御は、走査
基準位置センサ204がオフからオンに変わった時点か
ら、数パルス(Xc)をカウントしたところをホーム位
置として、ミラー駆動モータ70の駆動制御を行う。こ
のパルス数Xcは、走査ミラー2とX軸とのなす角度が
丁度45°となるように、即ち、走査線が基準走査ライ
ンR(図11)と一致するように設定される。
【0062】このように、走査ミラー2をホーム位置に
位置させた状態で、結像レンズ3の合焦位置を検出する
合焦処理、及び被写体の輝度を検出してイメージセンサ
16の蓄積時間を決定する測光処理が行われる。合焦処
理及び測光処理については、後述する。
【0063】次に、カラーフィルタ群4の切換について
説明する。図10に示すように、駆動部材80が時計回
りに走査範囲の限界まで回動すると、駆動部材80の第
2セクタギア83が、カラーフィルタ群4の切換のため
の伝達ギア91に係合する。カラーフィルター4の切換
のための構成について以下に説明する。
【0064】図14は、図4のカメラ型スキャナ1の線
分C−Cに関する断面図である。図14に示すように、
支持フレーム130には、駆動部材80に係合する伝達
ギア91と、伝達ギア91により回転駆動されるフィル
タ駆動ギア93とが、共通の軸92の回りに各々回転可
能に支持されている。また、フィルタ駆動ギア93は、
カラーフィルタ群4を回転駆動するためのフィルタギア
95に係合している。
【0065】図15に、カラーフィルタ群4とこれを保
持するフィルタホルダ40を示す。フィルタホルダ40
は、カメラ型スキャナ1の前述のハウジング12内部に
おいて、カラーフィルタ群4(4a、4b、4c、4
d)を保持すると共に、カラーフィルタ群4をY軸に平
行な軸の回りに回転させるものである。
【0066】フィルタホルダ40には、回転のための支
軸であるフィルタ支軸45と、各カラーフィルタ群4の
側端部を把持するための、フィルタ支軸45に沿って延
びる4つの把持部46が設けられている。各々のカラー
フィルタ群4は、把持部46に一側端部を把持された状
態で、フィルタ支軸45に対し90°間隔で放射状に保
持される。
【0067】フィルタ支軸45には、フィルタホルダ4
0を回転させるためのフィルタギア95が取り付けられ
る。ここで、フィルタ支軸45の下端部には、外周が平
らに削られた切欠部45aが形成されており、フィルタ
ギア95にはフィルタ支軸45の下端部に下方から係合
する孔95aが形成されている。そして、フィルタ支軸
45の下端部にフィルタギア95の孔95aが下方から
係合すると、フィルタギア95の上面が切欠部45aの
端面45bに当接する。そのため、フィルタギア95は
フィルタ支軸45に回転方向の駆動力を伝達するだけで
なく、下方から上方(鉛直方向)への駆動力も伝達する
ことが可能になる。
【0068】また、フィルタ支軸45には、フィルタ支
軸45と直交する円板48が固定されている。円板48
の下面の外周近傍には、下方に向けて突出した4つの突
起49が周方向に等間隔で形成されており、各突起49
は各フィルタ4の下側に位置している。また、ハウジン
グ12(図14)の底板125には、各突起49が各々
係合する係合穴127が形成されている。即ち、図14
に示すように、突起49が係合穴127に係合すること
によって、フィルタホルダ40を回転させないためのス
トッパーとなる。なお、支軸45の上端部には、コイル
バネ43が巻き付けられており、このコイルバネ43の
上端はハウジング120の天面128に当接している。
即ち、フィルタホルダ40はコイルバネ43によって下
方に付勢されている。
【0069】ここで、フィルタギア95と、これに係合
しているフィルタ駆動ギア93は、はすば歯車である。
そのため、フィルタ駆動ギア93が反時計回り(図15
中矢印方向)に回転すると、フィルタギア95は圧力角
の方向に力を受ける。即ち、フィルタギア95は、上向
きに付勢される。前述の通り、フィルタ支軸45はフィ
ルタギア95に対し、下方から上方に向けての駆動力を
伝達するため、コイルバネ43の付勢力に抗してフィル
タホルダ40が上昇する。
【0070】即ち、フィルタ駆動ギア93が反時計回り
の回転に伴い、フィルタホルダ40が上昇し、円板48
に形成された突起49が係合穴127から抜ける。かく
して、フィルタホルダ40は、時計回り方向に回転可能
となる。
【0071】フィルタ駆動ギア93が停止し駆動力が無
くなると、フィルタギア95を上向きに付勢する力が消
滅する。これに伴い、フィルタホルダ40はコイルバネ
43によって下方に付勢されているため、フィルタホル
ダ40は降下する。フィルタギア95の回転角度が90
°であれば、各突起48がそれまで係合していた係合穴
127に隣接する係合穴127に係合する。これによ
り、フィルタホルダ40は回転しないように再び保持さ
れる。
【0072】なお、図14に示すように、伝達ギア91
とフィルタ駆動ギア93との間には、ワンウェイクラッ
チ94が設けられており、フィルタ駆動ギア93が反時
計回り以外に回転しないようになっている。
【0073】図16に、駆動部材80の回動によって、
カラーフィルタ群4が切り換えられた状態を示す。走査
ミラー2の回転による被写体の走査を完了した状態(図
10)で駆動部材80の第2セクタギア85が伝達ギア
91に係合する。そして、駆動部材80がさらに時計回
りに回動することによって、第2セクタギア85と伝達
ギア91の係合によって、伝達ギア91が反時計回りに
回転する。伝達ギア91の反時計回りの回転は、ワンウ
ェイクラッチ94(図14)を介してフィルタ駆動ギア
93に伝達される。そして、フィルタ駆動ギア93が反
時計回りに回転すると、フィルタ駆動ギア93に係合す
るフィルタギア95を時計回りに回転させると共に、上
方に向けて付勢する。
【0074】そして、図16に示す状態まで、駆動部材
80が回動することによって、伝達ギア91は反時計回
りに数度回転する。伝達ギア91が数度回転すると、フ
ィルタギア95は時計回りに90°回転する。これによ
り、フィルタホルダ40は、90°回転して停止する。
例えば、イメージセンサ16への光路中に無色フィルタ
4aが位置していた場合には、赤色フィルタ4bに切り
替わる。
【0075】カラーフィルタ群4が切り換わった後、駆
動部材80は、図16に示す状態から図9に示す状態ま
で反時計回りに回動するが、この際、伝達ギア91とフ
ィルタ駆動ギア93との間に設けられたワンウェイクラ
ッチ94(図14)の作用により、フィルタ駆動ギア9
3やフィルタギア95が回転することは無い。また、フ
ィルタギア93が時計回りに回転している時以外は、フ
ィルタホルダ40の突起49がハウジング底板125の
係合穴127に係合しているため、フィルタホルダ40
が不必要に回転してしまうことも無い。
【0076】このように、駆動部材80が、走査ミラー
2の回転による走査終了後、さらに回転することによっ
て、カラーフィルタ群4の切換が行われる。つまり、一
つの駆動源(ミラー駆動モータ70)によって、走査ミ
ラー2の回転とカラーフィルタ群4の切換が行われる。
【0077】また、フィルタホルダ40の突起49がハ
ウジング底板125の係合穴127に係合するよう構成
されていると共に、フィルタホルダ40を回転させるた
めのフィルタ駆動ギア93が、ワンウェイクラッチ94
により切換方向にのみ回転可能になっており、さらには
すば歯車であるフィルタ駆動ギア93及びフィルタギア
95の回転によってフィルタホルダ40が上昇して、突
起49が係合穴127から抜けて回転するよう構成され
ているため、伝達ギア91等の回転方向により駆動系の
切り換えを行う必要が無い。即ち、簡単な構成でカラー
フィルタ群4の切換を行うことができる。
【0078】なお、図15に示すように、フィルタギア
95の、無色フィルタ4aの下部に相当する部分には、
開口96が設けられている。また、図14に示すよう
に、支持フレーム130には、無色フィルタ4aが光路
中に位置する時に開口96に面する、反射型フォトセン
サであるフィルタセンサ205が設けられている。従っ
て、無色フィルタ4aが光路中に位置する時には、フィ
ルタセンサ205はオフとなり、それ以外はオンとなっ
ている。つまり、光路中に位置しているフィルタが無色
フィルタであるか否かが、フィルタセンサ205のオン
オフによって判別される。
【0079】次に、結像レンズ3を移動するためのレン
ズ駆動機構6について説明する。図6に示すように、ハ
ウジング120の鏡筒保持部121には、X軸方向に延
びる溝121aが形成され、レンズ鏡筒30には溝12
1aを貫通してハウジング120外部に向けて延びる鏡
筒アーム32が形成されている。また、図4に示すよう
に、レンズ鏡筒30のイメージセンサ16側の端部から
は、溝121aを貫通して、鏡筒アーム32と平行で且
つ鏡筒アーム32よりも短い第2アーム33が形成され
ている。
【0080】また、図4に示すように、鏡筒アーム32
と第2アーム33には、X軸方向に延びる挿通孔32
a,33aが夫々形成されている。挿通孔32a,33
aには、モータフレーム135上に突設された一対の支
柱133、134により支持されてX軸方向に延びるガ
イドバー35が挿通されている。つまり、レンズ鏡筒3
0は、挿通孔32a,33aとガイドバー35との摺動
により、X軸方向に案内される。
【0081】図17は、図4のカメラ型スキャナ1の線
分DーDに関する断面図である。図17に示すように、
モータフレーム135には鉛直フレーム132が立設さ
れており、鉛直フレーム132には、パルスモータであ
るレンズ駆動モータ60が固定されている。レンズ駆動
モータ60の出力軸61には、X軸方向に延びるネジ部
63が固定されている。そして、レンズ鏡筒30の鏡筒
アーム32には、ネジ部63と螺合する雌ネジ部31が
設けられている。
【0082】このように構成されているため、レンズ駆
動モータ60が回転すると、レンズ鏡筒30がX軸に沿
って、走査ミラー2に近接する方向あるいは離反する方
向に移動する。本実施の形態では、レンズ鏡筒30の移
動ストロークは約6mmに設定されている。
【0083】図18にレンズ鏡筒30と鏡筒保持部12
1及びレンズ駆動機構6を示す。図18(a)に示すよ
うに、レンズ鏡筒30の移動による摺動抵抗を少なくす
るため、ガイドバー35と挿通孔32a,33aとの
間、及びレンズ鏡筒30と鏡筒保持部121との間に
は、X軸に直交する面(即ち鉛直面)内における僅かな
クリアランスがある。即ち、レンズ鏡筒30は、当該鉛
直面内のいずれかの方向に僅かに傾斜する可能性があ
る。
【0084】そこで、本実施形態のカメラ型スキャナ1
では、鉛直フレーム132と鏡筒アーム32との間に、
ネジ部63を周回するように巻きバネ64を設けてい
る。図18(b)に示すように、巻きバネ64の一端は
鏡筒アーム32に固定され、その付勢力が鏡筒アーム3
2の一点(作用点W)にかかるよう構成されている。こ
れにより鏡筒アーム32は、図中Mで示す方向にするモ
ーメントを受ける。
【0085】ここで、レンズ鏡筒30と鏡筒保持部12
1との間のクリアランスは比較的大きいため、レンズ鏡
筒30の位置はガイドバー35と挿通孔32a,33a
との係合により決まる。従って、レンズ鏡筒30の傾き
の中心Fは、X軸上において、アーム32の図中左端と
アーム33の図中右端の丁度中心に相当する位置Fとな
る。この傾きの中心Fは、レンズ3の第1主点P1と第
2主点P2の間に位置するため、レンズ鏡筒30がある
程度傾斜した場合でも、被写体像をイメージセンサ16
上に結像させることができる。なお、傾きの中心Fと第
1主点P1・第2主点P2のいずれかとが一致するよう
構成しても良い。
【0086】図18(c)に示すように、巻きバネ64
の作用点Wとガイドバー35の中心を結んだ線がY軸と
直交しているので、レンズ鏡筒32はY軸と直交する方
向に傾斜するよう付勢される。このように構成されてい
るため、レンズ鏡筒30の鏡筒保持部121に対する傾
斜の方向が常に一定(Y軸と直交する方向)となる。さ
らに、当該傾斜の方向は、所謂副走査方向である。な
お、一般に、レンズ鏡筒30が副走査方向に傾斜する
と、副走査方向に対する像面の倒れが生ずるが、イメー
ジセンサ16によって読み取られるのは副走査方向の中
心部分のみなので影響は少ない。
【0087】このように、本実施形態では、レンズ鏡筒
30の移動方向に直交する面内でのクリアランスに対し
て、レンズ鏡筒30が常に副走査方向に傾斜した状態で
保持されているため、レンズ鏡筒30が当該クリアラン
ス内で主走査方向に傾斜するのが防止される。さらに、
巻きバネ64が、ネジ部63を周回しているため、モー
タ60に対するネジ部63のがたつきも防止することが
できる。
【0088】なお、本実施形態では、図18(c)に示
すように、作用点Wとガイドバー35の中心とを結んだ
線がレンズ3の光軸を通っているが、作用点Wとガイド
バー35の中心とを結んだ線がY軸に直交していれば、
他の構成も可能である。また、巻きバネ64の作用点
を、ねじ63よりもガイドバー35側に設け、鏡筒アー
ム32に図中Mと反対方向のモーメントを与えてもよ
い。さらに、巻きバネ64の一端を鏡筒アーム32に固
定する代わりに、鏡筒アーム32に傾斜部を設け巻きバ
ネ64に片当たりするよう構成しても良い。
【0089】なお、図17に示すように、レンズ鏡筒3
0のホーム位置を検出するため、鏡筒アーム32の下部
には、シャッタープレート36が固定されている。ま
た、支持フレーム130には支柱138が立設され、支
柱138には透過型フォトセンサであるレンズ基準位置
センサ203が設けられている。そして、レンズ鏡筒3
0が走査ミラー2側に最も近接した状態で、シャッター
プレート36がレンズ基準位置センサ203を遮断する
よう構成されている。
【0090】なお、図3及び図6に示すように、ハウジ
ング120には、被写体にコントラスト付加用のパター
ンを投影するための補助光ユニット11が設けられてい
る。補助光ユニット11は結像レンズ3に隣接して配置
され、補助光ユニット11からの射出光が走査ミラー2
を介して窓部12から射出されるよう構成されている。
【0091】補助光ユニット11は、コントラストが低
い被写体にイメージセンサ16の画素配列方向に相当す
る方向に直交する縞状のパターンを投影する。このよう
な縞状のパターンは、発光ダイオードと透過パターン、
あるいは電極を櫛型にすることにより発光パターン自体
が縞状になる発光ダイオードを用いることにより形成さ
れる。パターンを含む光は、投影レンズを介して走査ミ
ラーに入射し、走査ミラーで反射されて被写体側に投影
される。
【0092】図19は、実施形態のカメラ型スキャナの
制御系の全体構成を概略的に示すブロック図である。制
御系は、スキャナ本体100に設けられた各回路と、リ
モコン5に設けられた回路とから構成される。まず、ス
キャナ本体100側から説明する。
【0093】本体100側の制御系は、スキャナコント
ロール回路300を中心に、全体の電源のON/OFFを切り
換える電源スイッチ310を備えると共に、情報入力手
段として、画像入力用のCCDイメージセンサ16、レ
ンズ基準位置センサ203、走査基準位置センサ20
4、フィルタセンサ205、リモコン5からの赤外線信
号を受信する第1、第2受信部201,202、リモコ
ン5が本体100に装着された際にオンするリモコン着
脱検出センサ311を有する。
【0094】本体側には情報出力手段として、撮影に関
する設定情報を表示するファインダー系のLCDパネル
152が設けられており、制御対象となる駆動手段とし
てミラーを走査させると共にフィルターを切り換えるミ
ラー駆動モータ70、結像レンズを光軸方向に駆動する
レンズ駆動モータ60、被写体にコントラスト付加用の
パターンを投影するための補助投光ユニット11が接続
されている。
【0095】スキャナコントロール回路300には、全
体の制御を司るCPU301が設けられている。CPU
301は、図中太線で示したアドレス/データバスを介
してプログラムメモリ341に接続されており、このプ
ログラムメモリ341に格納されたプログラムに基づい
て各制御対象を制御する。CPU301には、各情報入
力手段からの信号が入力されると共に、CCDイメージ
センサ16を駆動するCCDドライバ331、ミラー駆
動モータ70を駆動する第1モータドライバ332、レ
ンズ駆動モータを駆動する第2モータドライバ333が
接続されている。
【0096】CCDイメージセンサ16から入力された
信号は、CCD信号処理回路320により画像信号とし
て処理され、CPU301に連なるアドレス/データバ
スにより接続された内部メモリ340に格納される。こ
のアドレス/データバスには、LCDパネル152を駆
動するLCDドライバ334が接続されると共に、画像
信号をメモリカードに記録する際に利用されるメモリス
ロット230と外部のパーソナルコンピュータ等の機器
に出力する際に利用される外部出力端子231とが接続
されている。
【0097】一方、リモコン5には、スイッチ群350
と、このスイッチ群350の各スイッチの操作に応じて送
信部56(図1参照)に設けられた送信用赤外LED351
を駆動する送信LED駆動回路352とが設けられてい
る。
【0098】図20は、イメージセンサからの信号を処
理するCCD信号処理回路320の詳細を示すブロック
図である。CCDイメージセンサ16から出力される画
像信号は、CCDドライバ331から出力されるクラン
プパルスにより電圧の基準レベルが固定され、バッファ
アンプ322で増幅される。バッファアンプ322の出
力は、シリアルに読み出される各画素の読み取りタイミ
ング(蓄積電圧の転送タイミング)に基づいてCCDドラ
イバ331から出力されるサンプルホールドパルスに基
づいてキャパシタンスCに順次アナログ的に保持され、
乗算器324に入力される。
【0099】乗算器324は、各画素の画像データに像
高により異なる係数を乗じてシェーディングによる信号
強度の変化をアナログ的に補正する機能を要しており、
CCDドライバ331から蓄積電圧の転送タイミングに
応じて出力されるパルスをカウンタ327でカウントす
ることにより1ライン中の何れの位置の画素のデータを
読み出しているかを計数し、これをアドレスにしてシェ
ーディングRAM326から補正係数を読み出す。シェ
ーディングRAM326には、補正係数がデジタルデー
タとして保存されており、これをD/A変換器328で
アナログデータに変換して乗算器324に入力させる。
乗算器324から画像データと補正係数との積として出
力される補正された画像データは、A/D変換器325
でデジタルデータに変換されてデータバスを介してCP
U301に入力される。
【0100】LCDパネル152には、図21に示すよう
な第1〜第7の表示セグメント群152a〜152gが被写体に
重ねて表示されるように形成されている。第1のセグメ
ント群152aは、電源関係の情報を表示する領域であり、
設定されるモードの変更とは関係なく表示され、電源ス
イッチがオンされると「pow」が点灯し、バッテリー
の電圧が所定レベルより低くなると「batt」が点灯
して警告する。一方、第2〜第7のセグメント群はリモ
コン5による操作に応じて設定されるモードに対応して
表示される。これらのセグメントについては、フローチ
ャートの説明と共に説明する。
【0101】なお、図21は説明のため全セグメントが
点灯した状態を示しているが、実際の使用時には、いく
つかのセグメントは同時に点灯することはなく、択一的
に点灯する。
【0102】イメージセンサから出力される撮影データ
は、スキャナが単独で用いられる場合には内部メモリ、
またはメモリスロットに挿入されたメモリカードに記録
され、パーソナルコンピュータに接続される場合には撮
影と同時に順次コンピュータ側に出力される。さらに、
スキャナ内にプリンタドライバを組み込んだ場合には、
撮影画像をそのままプリンタに出力することも可能であ
る。
【0103】次に、上述したブロック図に示される実施
形態にかかるカメラ型スキャナの作用を説明する。ま
ず、作用説明の前提となる用語を以下のように定義す
る。結像レンズ3の光軸と走査ミラー2で偏向された光
軸とが直角になる状態での走査ミラー2の回動位置を走
査ミラーの「ホーム位置」と定義する。また、ミラー駆
動モータの回転は、走査開始位置から終了方向に回動さ
せる際の回転を「正転」、反対に走査終了位置から開始
位置側へ回動させる際の回転を「逆転」と定義する。
【0104】図22は、走査ミラー2の回動位置とステ
ッピングモータであるミラー駆動モータ70の回転パル
ス数との関係を示す。走査ミラーの回動位置は、ホーム
位置を基準にしたミラー駆動モータ70の回転パルス数
で規定される。
【0105】走査ミラー2は、開始側、終了側のメカ端
点の間の回動範囲で回動可能であり、実際にはこのメカ
端点により規定される回動範囲より狭い範囲内で回動制
御される。前述のようにミラー駆動モータ70は走査ミ
ラー2の回動とフィルター4の切換とに兼用されている
ため、走査ミラーの回動範囲には走査開始位置から撮影
終了位置までの撮影用走査領域と、撮影終了位置からフ
ィルタ切換完了位置までのフィルタ切換領域とが含まれ
る。フィルタ切換完了位置までミラー駆動モータが回転
すると、フィルタ支持体が90度回転し、光路中に配置
されるフィルタが次のフィルタに切り換えられる。
【0106】走査基準位置センサ204は、撮影用走査
領域のほぼ中心に位置する走査基準位置センサ切り替わ
り位置より走査開始位置側では駆動部材80のシャッタ
ープレート85に遮られてオフ、切換位置より撮影終了
位置側ではオンとなる。走査ミラーのホーム位置は、走
査基準位置センサがオフからオンに切り替わる切換位置
から中心位置補正パルスXcだけ撮影終了位置側に移動
した位置として定義される。この中心位置補正パルスX
cは、個々のカメラ型スキャナの走査基準位置センサの
取付誤差等の個体差に応じて設定される値であり、例え
ば「15」程度の数値となる。走査基準位置センサは、
中心位置補正パルスXcが必ず正の値となるように、す
なわち走査ミラーのホーム位置が必ず走査基準位置セン
サ切り替わり位置より撮影終了位置側になるように取付
位置が定められている。走査ミラーの回動は、このホー
ム位置を基準に定められるため、センサ取付位置に個体
差による誤差がある場合にも個体差による撮影範囲等の
バラツキを抑えることができる。
【0107】走査開始位置は、走査ミラー2のホーム位
置から開始位置パルスXsだけミラー駆動モータ70を
逆転させた際に設定される位置である。開始位置パルス
Xsは、ファインダー系とのパララックスを補正するた
めに被写体距離に応じてこの例では5740〜6942パルスの
間で変化する。この開始位置パルスXsの設定について
は、後述のフローチャートの説明において詳述する。
【0108】撮影終了位置は、この走査開始位置から撮
影用走査パルスXt離れた位置として定義される。撮影
用走査パルスXtは、走査ミラーの撮影用走査領域での
回動幅を規定するパルス数であり、個体差やパララック
ス量などの値によって変化しない固定値である。撮影用
走査パルスXtの値は、この例では11480パルスとな
る。したがって、開始位置パルスXsが5740パルスであ
る場合には、撮影用走査領域は基準走査ラインを境に対
称となるが、それ以外の場合には基準走査ラインより開
始側の領域が終了側の領域より大きくなって基準走査ラ
インを境に非対称となる。撮影用走査領域内では、4パ
ルスに1ラインの割合で画像が取り込まれ、副走査方向
には2870ライン分の画像が入力される。
【0109】走査ミラー2のホーム位置からフィルタ切
換完了位置までを規定する第1フィルタ切換パルスXf1
は固定値(この例では8000パルス)であり、撮影終了位置
からフィルタ切換完了位置までを規定する第2フィルタ
切換パルスXf2は走査開始位置パルスXsの値によりX
s−3480で求められ、この例では3500〜4702パルスの間
で変化する。
【0110】上記の各パルス数は、走査パルスカウンタ
Xにより管理される。例えば、開始位置パルスXsが69
42の場合(これは後述のレンズ位置が最も走査ミラー側
に位置する場合(Paf=460)に相当する)、走査開始位置で
はX=6942、撮影終了位置ではX=-4538となる。ま
た、フィルタ切換完了位置ではX=−8000となる。
【0111】図23は、結像レンズ3の移動位置とステ
ッピングモータであるレンズ駆動モータ60の回転パル
ス数との関係を示す。結像レンズは、走査ミラー側とな
る近接側、イメージセンサ側となる遠方側のメカ端点の
間の領域で移動可能であり、移動ストロークは6mm、
この移動範囲に相当するレンズ駆動モータのステップ数
は480である。したがって、1ステップ当たりの移動
量は12.5μmとなる。レンズ駆動モータの回転方向
は、結像レンズを近接側に移動させる際の回転を「正
転」、遠方側に移動させる際の回転を「逆転」と定義さ
れる。
【0112】図中のレンズホーム位置は、「カメラから
23cm離れた位置に配置された被写体をイメージセン
サ上に合焦状態で結像させることができる結像レンズの
位置」として定義される結像レンズの基準位置である。
結像レンズ3の移動位置を示すレンズ位置カウンタPaf
は、このホーム位置で「460」にセットされ、遠方側
に移動するにしたがって1ステップづつデクリメントさ
れ、最も遠方側のソフト端点で「0」となる。
【0113】ただし、レンズホーム位置をレンズセンサ
の出力の切り替わり点として固定すると、ホーム位置を
正確に出すために各部材の許容取付誤差範囲が狭くな
り、組付けが困難になる。このため、実施形態では、基
準となるホーム位置をレンズセンサの出力の切り替わり
点より遠方側に設定し、切り替わり位置からホーム位置
までのパルスをホーム位置補正パルスPhcとして個々の
スキャナ毎に設定している。これにより、撮影用のイメ
ージセンサ、レンズセンサの取付位置が誤差を含む場合
にも、ホーム位置を前記の定義通りに正確に位置決めす
ることができる。
【0114】次に、前述したブロック図に示される実施
形態にかかるカメラ型スキャナのCPU300の作用を図
24〜図32に示すフローチャートにしたがって説明す
る。スキャナ本体1に設けられた電源スイッチがオンさ
れると、スキャナは図24に示すメインフローチャート
にしたがって制御される。メインフローチャートのステ
ップ(以下、Sと略称する)001において初期化処理(図2
5,26)を呼び出して実行する。初期化処理は、走査
ミラーをホーム位置に配置すると共に、モノクロ用の無
色フィルタ4bが光路中に配置されるよう設定し、結像
レンズ3をホーム位置にセットする処理である。
【0115】初期化処理が終了すると、S003でリモコン
のモードスイッチがオンされたか否かを判断し、オフか
らオンへの変化が検出された場合にS005でモード変更処
理(図27)を呼び出して実行する。S007〜S013では、リ
モコンのアップ/テレスイッチ54、ダウン/ワイドスイ
ッチ55が操作されたか否かを判断し、アップ/テレス
イッチ54がオフからオンに変化した場合には撮影範囲
を縮小し、ダウン/ワイドスイッチ55がオフからオン
に変化した場合には撮影範囲を拡大する。
【0116】実施形態のカメラ型スキャナは、イメージ
センサ上の主走査方向の使用画素数と副走査方向の走査
範囲とを変更することにより、3種類の撮影範囲を選択
できるよう構成されている。主走査方向の画素数と走査
範囲との積で表される撮影画面の画素数は、最も大きい
撮影範囲が選択されている場合には600万画素、中間の
撮影範囲が選択されている場合には200万画素、そし
て、最小の撮影範囲が選択されている場合には50万画素
となる。なお、撮影範囲の切換は以下のフローチャート
の説明では触れられていない。
【0117】これらの撮影範囲は、LCDパネル152上
の第2のセグメント群152bにより表示される。第2のセ
グメント群152bは、それぞれ大きさが異なる相似形の3
つの長方形の4角に配置された合計12のカギ状の領域
から構成され、4つが一組となってファインダー視野内
での長方形の撮影範囲を表示する。これらは上記のスイ
ッチ54,55の操作に応じて選択される撮影範囲の設定に
応じて3組中の1組が選択的に表示される。
【0118】S015では、リモコンのスタートスイッチ51
がオフからオンに変化したか否かが判断される。このス
イッチが操作されずにオフのままであるときには、S003
〜S013の処理が繰り返し実行される。スタートスイッチ
51がオンすると、S017でリモコン着脱検出センサ311の
出力をチェックし、これがオンである場合、すなわちリ
モコンが本体に装着されている場合には、S019でメモリ
スロット230に装填されたメモリカードや内部メモリ3
40から、画像データを外部出力端子231に接続され
たコンピュータ等の外部機器に出力する。なお、リモコ
ン5が本体100に装着された状態で、かつ、後述のモ
ード変更処理で「画像データの削除」、あるいは「内部
メモリから外部記憶手段への転送」が設定されている場
合には、スタートスイッチをオンにすることにより画像
データが削除され、あるいは転送される。
【0119】スタートスイッチ51がオンしたときにリモ
コン着脱検出センサ311の出力がオフである場合、すな
わちリモコンが本体から外されている場合には、S021に
おいて合焦処理(図28,29)、S023において測光処理
(図30)が実行され、結像レンズが合焦位置に移動され
ると共に、被写体の明るさ、白地、黒地のパターンの別
等が判断され、S025で撮影処理(図31,32)が実行さ
れる。撮影処理は、設定された条件にしたがって被写体
を走査することにより画像を取り込む処理であり、この
処理が正常に終了するとS001の初期化処理からの制御が
繰り返される。
【0120】次に、メインフローチャートのS001,S005,
S021,S023,S025に示される各処理の詳細について順に説
明する。図25および図26は、メインフローチャート
のS001で実行される初期化処理の詳細を示す。初期化処
理に入ると、S101でフィルタカウンタFC、モードカウ
ンタMC、レンズパルスカウンタPafの3つのカウンタ
が「0」にリセットされる。S103〜S127では、走査ミラ
ー2がホーム位置に設定され、かつ、モノクロ用の無色
フィルタ4aが光路中に配置されるようミラー駆動モー
タ70が制御される。図26のS129〜S149では、結像レ
ンズ3がホーム位置に設定される。
【0121】まず、S103〜S109では、走査ミラーが当初
から走査基準位置センサ204がオフする領域にある場
合にはミラー駆動モータ70を正転させ、走査基準位置
センサ204がオンする領域にある場合にはミラー駆動
モータ70を一旦逆転させて走査基準位置センサがオフ
する領域まで走査ミラー2を回動させてからミラー駆動
モータ70を正転させる。これは、走査ミラー2のホー
ム位置が走査基準位置センサ204の出力がオフからオ
ンに変化してから中心位置補正パルスXc分正転させた
位置として定義されることから、オフからオンへの変化
を検出するための処理である。
【0122】正転中に走査基準位置センサがオンする
と、その時点からミラー駆動モータの駆動パルスに同期
して走査パルスカウンタXのインクリメントを開始し、
フィルタセンサがオンしている場合には、カウンタXが
中心位置補正パルスXcに等しくなった時点でミラー駆
動モータを停止させる(S111〜S119)。フィルタセンサ2
05がオフしている場合には、無色フィルタ4aが光路
中に配置されていることとなるため、フィルタの切換は
行われない。
【0123】フィルタセンサがオンの場合には、S121で
フィルタカウンタFCが3より小さいか否かを判断す
る。3より小さい場合には、カウンタXが第1フィルタ
切換パルスXf1に等しくなるまでミラー駆動モータを正
転させ続け、フィルタを1枚切り換えてフィルタカウン
タFCをインクリメントし(S123〜S127)、S103からの処
理がフィルタセンサがオフするまで繰り返される。フィ
ルタの数は4枚であるため、最大でもフィルタカウンタ
FCが3になればモノクロフィルタがセットされるはず
であり、フィルタカウンタFCが3以上になってもフィ
ルタセンサがオフしない場合には、何らかの故障がある
ものと考えることができる。そこで、フィルタカウンタ
FCが3以上になった場合には、S121からエラー処理に
入る。
【0124】図26のS129〜S139では、結像レンズが当
初からレンズセンサがオフする領域にある場合にはミラ
ー駆動モータを逆転させ、レンズセンサがオンする領域
にあった場合にはレンズ駆動モータを一旦正転させてレ
ンズセンサがオフしてから3パルス分の位置まで結像レ
ンズを移動してからレンズ駆動モータを逆転させる。こ
れは、結像レンズのホーム位置がレンズセンサの出力が
オフからオンに変化してからホーム位置補正パルスPhc
分逆転させた位置として定義されることから、オフから
オンへの変化を検出するための処理である。
【0125】逆転中にレンズセンサがオンすると、その
時点からレンズ駆動モータの駆動パルスに同期してレン
ズパルスカウンタPafのインクリメントを開始し、カウ
ンタPafの値がホーム位置補正パルスPhcに等しくなっ
た時点でレンズ駆動モータを停止してレンズパルスカウ
ンタPafにホーム位置のカウント「460」をセットす
る(S141〜S149)。この時点で結像レンズはそのホーム位
置に設定されることとなる。
【0126】図27は、メインフローチャートのS005で
実行されるモード変更処理の詳細を示す。ここでは、こ
のフローチャートを図21に示したLCDパネル152上
の表示用セグメント群の表示の形態と共に説明する。モ
ード変更処理は、モードカウンタMCの値に応じて6種
類の項目のそれぞれの細設定を変更する処理である。細
設定の詳細についてはフローチャートには示していな
い。
【0127】モードカウンタは、図25に示される初期
設定のS101で「0」に設定されており、メインフローチ
ャート中では常に「0」であり、モードスイッチのオフ
からオンへの変化が検知されてモード変更処理が実行さ
れた場合にモード変更処理のS201で「1」に設定され
る。モード変更処理内では、モードスイッチのオフから
オンへの変化が検出される度にモードカウンタMCがイ
ンクリメントされ、モードカウンタが5の状態でモード
スイッチが操作された際に0にリセットされてメインフ
ローチャートにリターンする(S203,205,207,209)。
【0128】モードカウンタMCが1のときには、階調
・反転切換の処理が可能となる(S211,213)。S213の階調
・反転切換処理では、リモコンのアップ/テレスイッチ
54、ダウン/ワイドスイッチ55が操作された場合
に、撮影した画像を出力する際の階調、反転に関する設
定を変更する。ここで選択可能なのは、「2値」、「2
値反転」、「256階調」の3種類である。LCDパネ
ル152の第3のセグメント群152cは、この階調・
反転切換に関する情報を表示する領域であり、3つのセ
グメントが選択的に点灯する。図中左側の白色のセグメ
ントは2値データとして出力する場合に点灯し、中央の
陰付の白色のセグメントは2値データを反転させたデー
タとして出力する場合に点灯し、右側の黒色のセグメン
トは256階調の多値データを出力する場合に点灯す
る。
【0129】モードカウンタMCが2のときには、濃度
調整の処理が可能となる(S215,217)。S217の濃度調整で
は、リモコンのアップ/テレスイッチ54、ダウン/ワイ
ドスイッチ55が操作された場合に、一般のカメラの露
出調整に該当する濃度調整の設定が変更される。ここで
選択可能なのは、マニュアルの4段階と測光結果に基づ
いて自動的に調整させる自動調整との5つの設定であ
る。LCDパネル152の第4のセグメント群152d
は、この濃度調整に関する情報を表示する領域であり、
図21中左側の4つの黒色の四角は濃度をマニュアルで
設定する場合に、設定される濃度の濃さに応じて点灯さ
れる個数が1個〜4個の間で変化し、自動調整の場合に
は図中右側の「auto」の領域が点灯する。
【0130】モードカウンタMCが3のときには、デー
タネーム入力の処理が可能となる(S219,221)。データネ
ームは、例えばアルファベットと数字との最大3桁の組
み合わせで構成され、S221の入力処理では、リモコンの
アップ/テレスイッチ54、ダウン/ワイドスイッチ55が操
作された場合には同一桁内で文字がA,B,C…の順、
あるいはC,B,A…の順に切り替わり、ストップ/削
除スイッチ52が操作されるとその桁の文字が確定して
次の桁の入力待ち状態となる。3桁目でストップ/削除
スイッチ52が操作されると、1桁目の入力待ち状態とな
る。入力が終了した場合には、モードスイッチ53を押し
て文字列を確定させ、次のモードに移行する。LCDパ
ネル152の第5のセグメント群152eは、このデータネー
ムを表示する領域である。
【0131】モードカウンタMCが4のときには、デー
タ編集の処理が可能となる(S223,225)。S225のデータ編
集処理では、リモコンのアップ/テレスイッチ54、ダウ
ン/ワイドスイッチ55が操作された場合に、内部メモリ
に記憶された画像データの編集に関する設定を変更す
る。ここで選択可能なのは、「画像データの削除」、お
よび「内部メモリから外部記憶手段への転送」の2種類
である。いずれかの編集モードが選択された状態でスタ
ートスイッチ51が操作されると、選択されている削
除、転送のいずれかの処理が実行される。LCDパネル
152の第6のセグメント群152fは、データ編集に
関する情報を表示する領域であり、画像データを削除す
る場合には「del」、データを転送する場合には「s
end」の各セグメントが択一的に点灯する。
【0132】モードカウンタMCが5のときには、モノ
クロ撮影、カラー撮影の設定変更が可能となる(S227)。
モノクロ/カラー切換処理では、リモコンのアップ/テ
レスイッチ54、ダウン/ワイドスイッチ55が操作された
場合に、モノクロ撮影とカラー撮影とを交互に切り換え
る。LCDパネル152の第7のセグメント群152gは、モ
ノクロ撮影、カラー撮影の設定を表示する領域であり、
モノクロ撮影の際には「mono」、カラー撮影の場合
には「color」が点灯する。
【0133】図28および図29は、メインフローチャ
ートのS021で実行される合焦の処理の詳細を示すフロー
チャートである。実施形態のカメラ型スキャナでは、被
写体の測光情報と被写体に対する合焦状態に関する情報
とを共に撮影用のイメージセンサ16を用いて読み取る
構成である。これらの測光、合焦検出は、いずれも走査
ミラーがホーム位置にあって読み取りラインが基準走査
ラインに一致している状態で行われる。すなわち、被写
体の一部であるホーム位置における1ライン分のコント
ラスト、明るさに基づいて被写体全体に対する合焦状
態、明るさが判定される。
【0134】合焦検出時には、結像レンズを最近接位置
から遠方側に向けて1ステップづつ移動させ、ステップ
毎にセンサ出力を取り込み、対象領域の最大輝度と最小
輝度との差をコントラストと捉え、コントラストが前回
取り込んだステップより低下し始めたステップ、すなわ
ちコントラストのピーク直後のステップを最も良く被写
体にピントが合った位置と判断してその位置に結像レン
ズを設定する。このようなコントラスト法は、焦点位置
を挟む2つの位置に配置されたセンサのコントラストを
比較する従来から知られているコントラスト法と比較す
ると、走査コントラスト法ということができる。
【0135】また、図28の合焦処理では、合焦処理と
同時に被写体がおかれた環境が撮影に適する明るさを満
たしているか否かを判定している。実施形態のカメラ型
スキャナでは、被写体の最大輝度が撮影可能な最低輝度
より低い場合にはマニュアルで蓄積時間を設定する場合
を除いて撮影が禁止される。ただし、1回の測定で検出
された結果からのみでは被写体が黒色の物体であるため
に最大輝度が低いのか、被写体のおかれた環境自体が暗
いために最大輝度が低いのかを判断することができな
い。
【0136】環境自体が暗い場合には撮影を禁止しても
良いが、被写体が黒色の物体である場合には、検出した
範囲以外に高輝度の部分が存在する可能性があり、その
場合には撮影が可能であることが望ましい。そこで、実
施形態では、一回の測定で検出された最大輝度が撮影可
能な最低基準輝度より低い場合にも撮影を禁止せず、合
焦動作のためにレンズが移動する毎に検出された最大輝
度と最低基準輝度との比較を繰り返すよう制御される。
【0137】結像レンズを光軸に沿ってイメージセンサ
側に移動させると、第1に、結像倍率が小さくなる方向
に変化するため、画角が広くなり、イメージセンサ上に
結像する被写体上の範囲が広くなる。したがって、近接
側の端点では検出範囲外にあった輝度の高い領域が結像
レンズを移動させることにより検出範囲にはいってくる
可能性がある。第2に、結像レンズ3が被写体に対する
合焦位置に近づくほど検出される画像が鮮明化するた
め、ピークが明確になり、最大輝度が大きくなる。この
ため、被写体が黒色である場合には、結像レンズの移動
により最大輝度が変化し、環境が暗い場合には結像レン
ズを移動させても最大輝度は変化しないため、結像レン
ズの移動による最大輝度の変化があるか否かを判断する
ことにより、被写体が黒色であるのか環境が暗いのかを
判別することができる。
【0138】実施形態では、結像レンズの可動範囲内で
合焦位置が検出される前に検出された最大輝度が一回で
も最低基準輝度を越えた場合には撮影を可能とし、一回
も越えなかった場合にのみマニュアルで蓄積時間を設定
する場合を除いて撮影を禁止する。
【0139】図28の処理では、まず、デフォルトの一
定蓄積時間でイメージセンサの蓄積信号を読み取り、主
走査方向の中央の画素を中心にした1000ビット分のデー
タを判定対象として入力する(S301)。このとき、走査ミ
ラーはホーム位置に設定されており、結像レンズは撮影
可能範囲の最短距離の被写体にピントが合うようホーム
位置に設定されている。
【0140】続いて、判定対象の1000ビットの輝度の光
量補正(暗電流の補正等)後の輝度から最大輝度Bmaxと
最小輝度Bminとを検出する(S303)。1000ビット中の最
大輝度Bmaxが所定の最低基準輝度Bdより小さい場合
には暗環境フラグFdに1を設定し、最大輝度Bmaxが
所定の最低基準輝度Bdより大きい場合に暗環境フラグ
Fdに0を設定しておく(S305,307,309)。暗環境フラグ
Fdは、被写体を含む環境が暗いか否かの判定結果を保
持するフラグであり、結像レンズが近接側端点にある際
に検出された最大輝度が最低基準輝度より低い場合に
「1」に設定され、レンズを移動させて検出された最大
輝度が一回でも最低基準輝度を越えた場合にS325で
「0」に設定される。なお、最低基準輝度Bdは、例え
ばデフォルトの一定蓄積時間内での蓄積電圧が0.5V
となるような輝度である。
【0141】S311では、S303で求められた最大輝度Bma
xと最小輝度Bminとの差を求め、これを第1の輝度差変
数Bsub1に書き込む。ここで求められる輝度差が、被写
体のコントラストを示す指標として用いられる。続い
て、第1の輝度差変数Bsub1の内容を第2の輝度差変数
Bsub2に移し(S313)、レンズ駆動モータを1パルス逆転
させてレンズパルスカウンタをデクリメントする(S315,
S317)。合焦処理に入った直後のレンズパルスカウンタ
の値は「460」である。
【0142】結像レンズをモータ1パルス分移動させた
後、再びデフォルトの一定蓄積時間蓄積されたイメージ
センサの出力を中心の1000ビット分読み込んで最大輝度
Bmax、最小輝度Bminを検出する(S319,S321)。S323,S3
25では、最大輝度Bmaxが最低基準輝度Bdより大きい
場合に暗環境フラグFdを「0」に設定する。S327で
は、S321で求められた最大、最小輝度の輝度差が第1の
輝度差変数Bsub1に書き込まれる。S313,S327の処理に
より、第1の輝度差変数Bsub1には、第2の輝度差変数
Bsub2に設定されている輝度差を検出したときより結像
レンズを1パルス分イメージセンサ側に移動させた際の
輝度差が常に設定されることになる。
【0143】S313〜S327の処理は、S329においてレンズ
パルスカウントが0より大きいと判断され、かつ、S331
で最新の輝度差信号が1パルス前の結像レンズ位置にお
ける輝度差信号より大きいと判断される間繰り返して実
行される。結像レンズを光軸に沿って一方向に移動させ
る場合、被写体のコントラストは結像レンズが合焦位置
に近接するにしたがって高くなり、合焦位置を越えると
低下し始める。したがって、S331で最新の輝度差信号よ
り前回の輝度差信号の方が大きいと判断された場合に
は、そのときの結像レンズの位置で被写体に対して合焦
していると考えられる。そこで、暗環境フラグが「0」
である場合にはレンズパルスカウンタPafの値を保存し
てメインフローチャートにリターンする(S333,S335)。
【0144】S331において合焦位置が検出される前に、
レンズパルスカウントPafが「0」となり結像レンズが
遠方側の端点に達したとS329において判断された場合に
は、暗環境フラグが「0」である場合にはイメージセン
サの信号を保存して図29のS341に進む(S337,S339)。S
333,S337で暗環境フラグが「1」と判断された場合に
は、被写体を含む環境の輝度が撮影可能なレベルより低
いものと考えられ、かつ、コントラストの変化が検出さ
れた場合にもこれが合焦位置を示さない可能性があるた
め、撮影を禁止してエラー処理に入る。
【0145】図29の処理は、図28の処理で結像レン
ズを最近接側から最遠方側まで1ステップづつ移動させ
てコントラストを検出しても合焦位置を検出できなかっ
た場合に実行される処理であり、この例では補助投光装
置を用いて被写体に積極的にコントラストを付加し、図
28の場合とは逆に結像レンズを最遠方側から最近接側
に向けて1ステップづつ移動させてコントラストの変化
を検出する。
【0146】図29では、まず合焦検出用の補助光を点
灯させて被写体にパターンを投影してイメージセンサの
信号を取り込み、補助光点灯前にS339で保存された信号
と補助光点灯後に取り込まれた信号とを比較する(S341,
S343,S345)。補助光の点灯によってイメージセンサの信
号が変化しない場合には、被写体が補助光が届かない遠
方に位置するものと考えられるため、現在のレンズ位置
(最遠方側)でピントが合うものとして結像レンズをそれ
以上移動させることなく補助光を消灯し、レンズパルス
カウンタPafを保存してメインフローチャートにリター
ンする(S363,S365)。
【0147】補助光の点灯によってイメージセンサの信
号が変化した場合には、被写体が補助光の届く距離にあ
ると考えられるため、S347〜S357において図28のS313
〜S327とは反対にレンズ駆動モータを1パルスづつ正転
させ、パルスカウントをインクリメントしつつ、取り込
まれた画像データからコントラストを求め、コントラス
トが低下し始める点を検出する。S359でレンズパルスカ
ウントPafが最近接側である「460」に達したと判断
される前にS361で前回よりコントラストが低下したと判
断されると、補助光を消灯し、レンズパルスカウンタP
afを保存してメインフローチャートにリターンする(S36
3,S365)。
【0148】S361において合焦位置が検出される前に、
レンズパルスカウントPafが「460」となり結像レン
ズが近接側の端点に達したとS359において判断された場
合には、所定の明るさがある被写体で補助光が届く範囲
に位置するにも拘わらず結像レンズの可動範囲内でコン
トラストのピークが発見できないこととなるため、被写
体が最短撮影距離である23cmより近い位置に配置さ
れているか、スキャナ自体に何らかの支障があるものと
考えられるため、補助光を消灯し、撮影を禁止してエラ
ー処理に入る(S359,S367)。
【0149】図30は、メインフローチャートのS023で
実行される測光処理の詳細を示すフローチャートであ
る。この装置における「測光」は、基準走査ラインの測
光対象領域の最大輝度を検出する処理をいう。検出され
た最大輝度に基づいて、イメージセンサの画素が飽和し
ないよう撮影時のイメージセンサの各ライン毎の蓄積時
間を決定し、決定された設定時間によりミラー駆動モー
タの回転速度を決定する。
【0150】一般に、CCDセンサを利用した画像取り
込み装置では、被写体の明るさに合わせて蓄積時間を変
化させ、これにより最適な画像信号が得られるよう制御
する。実施形態の装置も、同様に被写体の明るさに応じ
て蓄積時間を決定している。ただし、実施形態のような
走査型の画像取り込み装置では、一回の走査における各
ライン毎の蓄積時間を全て一定に保つ必要があり、基準
走査ライン上の対象領域の最大輝度に合わせて蓄積時間
を設定すると、他の領域でより高輝度の部分が存在する
と飽和する画素が現れる可能性がある。そこで、この例
では被写体が白地であるか黒地であるかをセンサ出力に
基づいて判定し、この判定結果により撮影時の蓄積時間
を決定する際の判断基準を異ならせることにより画素の
飽和をできる限り抑えつつ、信号レベルを大きく確保で
きるよう構成している。
【0151】S401では合焦処理の場合と同様にデフォル
トの一定蓄積時間でイメージセンサの蓄積信号を読み取
り、主走査方向の中央の画素を中心にした1000ビット分
のデータを判定対象として入力する。続いて、判定対象
の1000ビットの輝度の光量補正後の輝度から最大輝度B
maxとを検出する(S403)。そして、1000ビットの光量補
正後の輝度と基準輝度Bshとをビット毎に比較し、基準
輝度以下のビット数Ndをカウントする(S405)。基準輝
度Bshは、A/D変換の量子化レベルを256階調に設
定する際には、例えば16/256に設定される。
【0152】基準走査ラインで基準輝度より暗いビット
数Ndが1000ビット中の85%より小さい場合には、被
写体がホワイトボード等の白地であると判断し、検出さ
れたイメージセンサの最大輝度Bmaxに対応する出力電
圧が1Vになるよう撮影時の蓄積時間を設定する(S407,
409)。反対に、ビット数Ndが1000ビット中の85%以
上である場合には、被写体が黒板等の黒地であると判断
し、検出されたイメージセンサの最大輝度Bmaxに対応
する出力電圧が0.5Vになるよう撮影時の蓄積時間を
設定する(S407,411)。
【0153】CCDイメージセンサでは、各画素毎のフ
ォトダイオードに受光量に応じて蓄積された電荷が、シ
フトゲートを通して転送部に転送され、伝送された電荷
は転送パルスにしたがって順次フローティングキャパシ
タに注入され、ここで電圧に変換される。その電位降下
をMOSトランジスタのソースフォロワ回路で順次検出
する。フォトダイオードが飽和しない状態ではイメージ
センサの画素毎の出力電圧は受光量の増加に応じてほぼ
直線的に上昇する。
【0154】イメージセンサの一部のフォトダイオード
が飽和すると、溢れた電荷が周囲のフォトダイオードに
流れ込んでブルーミングが発生して信号が乱れるため、
できるだけフォトダイオードが飽和しないよう蓄積時間
を制御する必要がある。一方、信号のS/N比を向上さ
せるためには、信号のレベルはできる限り高い方が望ま
しい。実施形態で用いるイメージセンサは、飽和電圧が
2.0Vであり、このようなセンサを用いる場合には1
ラインの最大輝度に対応する出力が飽和電圧の半分の
1.0V程度になるよう蓄積時間を制御するのが好まし
い。
【0155】また、実施形態では基準走査ラインの1ラ
インの画像情報に基づいて副走査方向の全ラインにおけ
るイメージセンサの蓄積時間を決定するため、検出され
たラインの情報から全ラインを走査する際に得られるで
あろう輝度を予測して画面全体でフォトダイオードが飽
和しないよう蓄積時間を設定する必要がある。そこで、
被写体が白地であるか、黒地であるかを判断し、その判
断結果に基づいて撮影時の蓄積時間を決定する際の判断
基準を異ならせている。
【0156】基準走査ライン上の輝度分布から白地と判
定される場合には、他のラインでより明るい部分が存在
する可能性が比較的小さいため、基準走査ラインの最大
輝度に適するように蓄積時間を設定しても、他のライン
で飽和する画素が発生する可能性は小さい。そこで、白
地の場合には最大輝度がピーク電圧として適切な1.0
Vになるように撮影時の蓄積時間を設定する。反対に、
基準走査ラインの1ラインの輝度分布から黒地と判定さ
れる場合には、他のラインで、より明るい部分が存在す
る可能性が比較的高いため、白地と同様に基準走査ライ
ン上の最大輝度に適するように蓄積時間を設定すると、
他のラインで飽和する画素が発生する可能性が高い。そ
こで、黒地の場合には最大輝度となる画素の出力が白地
の場合の半分の0.5Vになるように撮影時の蓄積時間
を設定する。CCDセンサの出力は、入射光の強度が等
しいときには蓄積時間にほぼ比例すると考えられるた
め、例えば測光で得られた最大輝度が等しい場合には、
黒地の場合の蓄積時間は白地の場合の蓄積時間の約1/
2となる。
【0157】量子化の段階では、白地、黒地何れの場合
も同様に扱われ、量子化レベルが256階調である場
合、1Vの幅が256階調に量子化される。したがっ
て、白地の場合には基準走査ライン上の最大輝度が最大
階調である256レベルに割り当てられ、黒地の場合に
は基準走査ライン上の最大輝度が最大階調の半分の12
8レベルに割り当てられる。
【0158】前述したように白地の場合には基準走査ラ
イン以外の部分でより明るい部分が存在する可能性が比
較的低いため、基準走査ライン上の最大輝度を量子化の
最大レベルに割り当てても、この最大レベルを越えて飽
和する画素が発生する可能性は小さく、与えられた階調
幅を有効に利用して被写体の明るさの階調をより正確に
読み取ることができる。
【0159】反対に黒地の場合には、基準走査ライン以
外の部分でより明るい部分が存在する可能性が比較的高
いため、基準走査ライン上の最大輝度を量子化の最大レ
ベルの半分のレベルに割り当てることにより、この最大
輝度を越える画素が存在する場合にもその画素の出力が
1Vを越えない範囲では飽和させずに量子化することが
できる。ただし、白地・黒地共に設定された蓄積時間で
読み込まれた全画像データで1V以上の画素の階調は全
て最大レベル256階調となるが、白地および黒地での
蓄積時間設定を上記のようにしたことにより、このよう
な画素が発生する可能性をきわめて小さくできる。
【0160】なお、測光/合焦時におけるイメージセン
サの信号入力は、上記のような設定に基づかずに一定の
基準時間の蓄積結果として出力されるため、例えばS301
における入力で最大輝度となる画素の出力が0.8Vで
ある場合、白地であればこの画素の出力が1Vになるよ
うにS301の基準蓄積時間より長い時間が撮影時の蓄積時
間として設定され、黒地であればこの画素の出力が0.
5Vとなるよう基準蓄積時間より短い時間が撮影時の蓄
積時間として設定される。
【0161】図31、図32は、メインフローチャート
のS025で実行される撮影処理の詳細を示すフローチャー
トである。撮影処理は、合焦処理で設定された結像レン
ズ位置を基準に、各走査ライン毎に測光処理で求められ
た蓄積時間が確保できる走査速度で走査ミラーを回動さ
せながら画像を取り込む処理である。撮影処理に入る
と、S501でフィルタカウンタFCが「0」に初期化さ
れ、S503で基準走査ライン上での合焦時のレンズパルス
カウントPafから基準倍率mbと走査開始パルスXsと
が以下の近似式(10),(11)により求められ、S505で
ミラー駆動モータ70の走査速度fpが算出される。走
査速度fpは、測光処理で設定された蓄積時間から算出
されるモータ駆動用パルスの周期として定義される。実
施形態では、ミラー駆動モータを4パルス駆動する毎に
イメージセンサの出力を読み出すため、蓄積時間/4の
パルス周期が走査速度となる。
【0162】
【数8】
【0163】前述したように、実施形態のカメラ型スキ
ャナは、ファインダー系の視野を基準として、パララッ
クスが生じないよう撮影光学系側の走査範囲を被写体距
離に応じて変化させている。ただし、実施形態のスキャ
ナでは被写体距離そのものは検出していないため、被写
体距離に対応する情報として合焦処理で保存された合焦
時のレンズパルスカウントPafを利用している。結像レ
ンズがホーム位置に近い場合には近距離の被写体にピン
トが合うため、被写体が近くにあるものと考えることが
でき、逆に結像レンズがイメージセンサ側に近い場合に
は遠方の被写体にピントが合うため、被写体が遠くにあ
るものと考えることができる。
【0164】そこで、結像レンズのホーム位置からの移
動パルス数に応じて走査の開始点を変更することによ
り、被写体距離に応じて変化するパララックスを補正す
る。すなわち、ホーム位置からの移動パルス数が小さい
ときには、パララックスが大きいものと判断して走査範
囲の中心が基準走査ラインよりファインダー方向にずれ
るよう走査開始点をずらし、基準走査ラインを境にファ
インダー光学系側の走査範囲が反対側の走査範囲より広
くなるよう基準走査ラインに対して走査範囲を非対称に
設定する。
【0165】結像レンズのホーム位置からの移動パルス
数が大きくなるにしたがって非対称性を小さくし、走査
範囲の中心と基準走査ラインとのズレが小さくなるよう
走査開始点を基準走査ライン側に近づけて設定する。移
動パルス数が最大値となったときにはパララックスがな
いものと判断して走査範囲が基準走査ラインを境として
対称になるよう設定される。合焦時のレンズパルスカウ
ントPafとその際の結像レンズのバックフォーカスf
b、基準走査ライン上の基準倍率mb、走査開始パルス
Xsの対応は以下の表1に示される。
【0166】
【表1】 Paf fb mb Xs 460 35.009 0.165 6942 437 34.722 0.157 6887 414 34.434 0.149 6832 391 34.147 0.141 6777 368 33.859 0.132 6720 345 33.572 0.124 6664 322 33.284 0.116 6606 299 32.997 0.108 6548 276 32.709 0.099 6490 253 32.422 0.091 6431 230 32.134 0.083 6371 207 31.847 0.074 6311 184 31.559 0.066 6250 161 31.272 0.058 6189 138 30.984 0.050 6127 115 30.697 0.041 6064 92 30.409 0.033 6001 69 30.122 0.025 5936 46 29.834 0.017 5872 23 29.547 0.008 5806 0 29.259 0.000 5740
【0167】フィルタ関係の処理は、モノクロ、カラー
のモード設定により異なる。前述の初期化処理でモノク
ロ用の無色フィルター4aが光路中にセットされている
ため、モノクロモードの場合にはフィルターを切り換え
ることなく、S507からS525以下の走査ミラーのホーム位
置への再設定処理が実行される。モノクロモードでない
場合、すなわちカラー撮影のモードに設定されている場
合には、走査ミラーの再設定処理の前にS509〜S523のフ
ィルタの切換処理が実行される。
【0168】フィルタの切換処理では、走査パルスカウ
ンタXを「0」にリセットしてパルスのカウントを開始
させ、ミラー駆動モータを正転させる(S509,S511)。ミ
ラー駆動モータの回転量は、フィルタカウンタFCの値
に応じて選択される。FCの値が「0」である場合に
は、未だ画像の取り込みのためのミラー走査が実行され
ていない状態であり、走査ミラーはホーム位置に設定さ
れている。そこで、この場合には、走査パルスカウンタ
Xが第1のフィルタ切換パルスXf1(=8000パルス)に達
するまで正転させ続ける(S513,S515)。FCが「0」以
外の値である場合には、既に画像の取り込みのためのミ
ラー走査が実行されて走査ミラーは走査終了位置に設定
されている。そこで、この場合には走査パルスカウンタ
Xが第2のフィルタ切換パルスXf2(=Xs-3480)に達する
まで正転させ続ける(S513,S517)。
【0169】ミラー駆動モータの回転パルスが所定のパ
ルス数に達すると、モータを停止させてフィルタカウン
タFCをインクリメントする(S519,S521)。これでフィ
ルタホルダー40が90度回転してフィルタが1枚分切
り換えられたこととなる。S523では、フィルタセンサの
出力をチェックする。フィルタセンサは、モノクロ用の
無色フィルター4aがセットされたときにのみオフする
ため、このステップにおいてオフしていた場合にはフィ
ルターが切り替わらなかったか、複数枚分が一度に切り
換えられたか等の異常が発生したもの捉えられるため、
さらに撮影処理を進めることなくエラー処理に入る。
【0170】S525〜S529、そして図32のS541〜S545
は、前述した初期設定処理のS103〜S119に相当し、走査
ミラーをホーム位置に設定するための処理である。走査
ミラーがホーム位置より走査終了側に位置して走査基準
位置センサがオンしている場合には、走査基準位置セン
サがオフする走査中心付近に戻るまでミラー駆動モータ
を逆転させる(S525,S531,S533)。逆転により走査基準位
置センサがオフした場合、そして、走査ミラーが当初か
らホーム位置より走査開始側に位置して走査基準位置セ
ンサがオフしている場合の何れの場合にも、ミラー駆動
モータを正転させ、走査基準位置センサがオフからオン
に切り替わってから中央位置補正パルスXc分正転させ
てからミラー駆動モータを停止する(S527,S529,S541,S5
43,S545)。これにより走査ミラーがホーム位置に設定さ
れる。
【0171】続いて、このホーム位置を基準にS503で求
めた走査開始パルスXs分ミラー駆動モータを逆転さ
せ、走査ミラーを結像レンズの位置に応じてパララック
スを補正できる走査開始位置まで回動させる(S547,S54
9,S551,S553)。そして、この走査開始位置からS505で測
光データに基づいて求められた走査速度fpによりミラ
ー駆動モータを正転させると共に、走査開始パルスXs
が設定された走査パルスカウンタXの値をミラー駆動モ
ータの回転パルスに応じてデクリメントし始める(S555,
S557)。
【0172】S559〜S571の処理が、被写体の撮影に関す
る処理であり、基本的な動作としては、走査パルスカウ
ンタXの値がXs−Xtとなるまで、ミラー駆動モータ
の駆動パルス4パルス毎にイメージセンサから画像信号
を繰り返し読み取る(S563,S573)。撮影用走査パルスX
tは11480パルスであり、これを4パルス毎にイメージ
センサの画像信号を読み取ることにより、画面全体を副
走査方向に2870ラインで読み取ることとなる。
【0173】また、走査ミラーの回動による走査位置に
応じて被写体距離、結像倍率が変化するため、結像レン
ズを光軸方向に移動させて合焦状態を保つと共に(S559,
S561)、結像倍率の変化による像の歪曲を補正するよう
基準走査ラインに合わせて副走査方向の周辺部のライン
でデータを補完して伸張させる。倍率補正のために利用
される各係数は、S565,S567,S569において計算され、こ
の計算結果に基づいてS575で各ライン単位で結像倍率補
正が行われる。これらの合焦位置、結像倍率の変化の補
正は、被写体が走査ミラーがホーム位置にある際の光軸
に対して垂直な平面であることを前提にして、副走査方
向の各ライン毎に図中に示した近似式を用いた演算結果
に基づいてオープンループ制御により実行される。
【0174】S571では、倍率補正がかけられる前の画像
データに含まれるシェーディングの影響を除去するよう
光量が補正される。シェーディング補正は、結像レンズ
3のコサイン4乗則による光量低下等による主走査方向
の光量ムラを補正するための処理である。また、S573,S
575ではカラー撮影の場合にフィルターへの主走査方向
の入射角度の違いによる透過波長帯のシフトを光量の変
化として捉え、画像データの輝度を各色毎に画素単位で
補正する。
【0175】なお、上記のピント位置補正は、副走査方
向のライン毎に行われる処理であり、倍率補正、シェー
ディング補正はビット毎の処理として行われる。色補正
は、ビット毎、あるいは全ビットを複数のグループに分
割してそのグループ毎の処理として行われる。
【0176】走査パルスカウンタXの値が撮影終了位置
を示す値に達すると、ミラー駆動モータが停止され、撮
影モードがモノクロか否か、カラーの場合には各色成分
の3回の走査が終了したかが判定され、モノクロの場
合、カラーで3回の走査が終了した場合にはメインフロ
ーチャートにリターンする(S579,S581,S583,S585)。カ
ラー撮影のモードで3回の走査が終了していない場合に
は、図31のS509からの処理が繰り返される。
【0177】次に、図32のフローチャートに含まれる
合焦位置、結像倍率の変化の補正について説明する。走
査手段が結像光学系より被写体側に位置する場合、すな
わち、実施形態の装置のように被写体と結像レンズとの
間に配置されたミラーを回転させることにより被写体を
走査して被写体の各部からの光をイメージセンサ上に結
像させる構成を採用する場合、走査により形成されるイ
メージセンサと共役な物体面は走査ミラーの回転軸を中
心軸にした円筒面となる。したがって、被写体がホワイ
トボードや黒板などの平面である場合には、上記の円筒
面と被写体平面との差に相当するピントズレを補正する
必要がある。実施形態の装置では、前述のように基準走
査ライン上でピントが合うように調整しているため、基
準走査ラインから副走査方向の周辺部に向かうにしたが
ってピントをより遠方に合わせるよう補正する必要があ
る。
【0178】合焦位置の変化は、基準走査ライン上での
合焦状態でのレンズパルスカウンタPafの値と、走査パ
ルスカウンタXにより表される副走査方向の走査位置に
基づいて求められる。合焦位置の変化を補正するために
必要とされる結像レンズの移動位置Psは、以下の近似
式(12)により求められる。基準レンズ位置のレンズパ
ルスカウンタPafが「460」である場合、すなわち、
最近距離23cmの被写体に合焦している際の走査パル
スカウンタXに対応するレンズ位置Psの値は以下の表
2に示されている。表2中の記号、Δb、Pit、Ytの求め
方、利用については後述する。
【0179】
【数9】
【0180】
【表2】 X Ps Δb Pit Yt 6948 383 174 6 0 6310 395 147 7 15 5672 406 122 8 68 5034 416 99 10 54 4396 426 77 13 43 3759 434 59 17 41 3121 442 40 26 4 2483 448 27 38 18 1845 453 15 69 9 1208 457 6 174 0 570 459 2 522 0 -68 460 0 - - -706 458 4 261 0 -1344 456 9 116 0 -1981 452 18 58 0 -2619 447 29 36 0 -3257 440 45 23 9 -3895 432 63 16 36 -4532 423 83 12 48
【0181】走査パルスカウントXに応じて結像レンズ
3の位置をレンズ位置パルスPsで示される位置に移動
させることにより、被写体が図1に示すように走査ミラ
ー2のホーム位置での光軸に垂直な平面である場合に
は、何れの走査位置においても合焦状態を保つことがで
きる。
【0182】走査に伴う倍率の変化については、画像デ
ータを処理する際に所定数の補正ビットを挿入すること
により補正している。結像倍率は、走査ミラーの回動に
伴う物体距離の変化と結像レンズ位置の変化とに起因し
て副走査方向の周辺部ほど低くなる。したがって、図3
3(A)に示すような主走査方向に短辺、副走査方向に長
辺を持つ長方形の被写体を撮影すると、撮影された画像
は図33(B)に示されるように副走査方向の周辺部で短
辺が短くなるように樽型に歪曲する。
【0183】このような結像倍率の変化による像の歪曲
を補正するため、実施形態の装置では基準走査ライン上
の結像倍率と走査位置での倍率との比率から、基準走査
ライン上でイメージセンサの有効ビット長に相当する被
写体が副走査方向の任意の走査位置で何画素分縮小され
るかを求めている。ただし、結像倍率自体を比較するの
ではなく、結像倍率に一義的に対応する結像レンズの位
置パルスを用い、基準位置での結像レンズの位置パルス
Pafと任意の走査位置での結像レンズの位置パルスP
sとを用いて以下の式(13)により縮小される画素数Δ
bを求めている。ここでKmは有効画素数である。倍率
補正は、イメージセンサの中心を境にして上下の画素に
ついて同一の方法で行われるため、以下、上側の半分の
画素列についてのみ説明する。
【0184】
【数10】
【0185】S577の倍率補正では、図34に示される上
端のΔbビットの画素のデータを捨て、代わりに同数の
補正データを所定のピッチPitで1ビットづつ挿入す
る。図34では、実際のラインセンサ16の構成を左側
に模式的に示し、補正後の1ライン分の画像データの構
成を右側に示している。原則的には、最初の補正データ
を画像データの第1ビットに入れ、イメージセンサ16
の第Ycビット目からPit−1ビット分の撮影データを
画像データの第2ビット目からセットし、次に補正デー
タを1ビット入れる。この繰り返しにより、主走査方向
の中心部に向けてピッチPitビット毎に1ビットづつ補
正データを挿入してKm/2ビット分の画像データ、この例
では1044ビットの画像データを生成する。ピッチPitお
よび挿入開始ビットYcの値は、上記の式(14),(1
5)により求められる。この例では、K=Km=2088で
あるため、Yc=Δbとなる。Kmの値は、モード設定
による撮影範囲の変更により変化する。
【0186】また、Ytは、ピッチと挿入ビット数との
積で決まる補正後の画素数と片側の有効画素数であるK
m/2との差であり、半分の画素数Km/2をピッチPit
で割ったときの余りを示す。Km/2がPitで割り切れ
ない場合には、画像データの最も中心に近い部分ではP
it−1+Ytビットの撮影データが補正データを介さず
に連続することとなる。
【0187】挿入される補正データの値は、挿入される
手前の画素と同一のデータである。ただし例外として、
ビッチ内に同一のデータがピッチの30%以上連続する部
分があった場合には、この連続部分の最後に同一のデー
タを挿入する。例えばピッチが100である時、35ビット
連続して同一データが存在する場合には、その連続部分
の36ビット目に35ビット目と同一のデータを挿入し、10
0ビット目には追加しない。ここでいう同一のデータと
は、二値の場合には0、1の何れかであるが、多値の場
合には完全に同一ではなく、階調の1/16幅に入る場
合には同一とみなすこととする。例えば256階調の場
合、16階調幅に入るデータは同一のデータとして判断
する。
【0188】図35及び図36は、前記の表2に示され
る具体例において、X=6948のとき、すなわち走査開始
位置と、X=2483のときとにおける倍率補正の具体的な
方法とを示す図34と同様の説明図である。図35の例
では、Δb=Yc=174、ピッチPit=6、Yt=0
である。画像データの第1ビットには第1の補正データ
がセットされる。撮影データの第1〜174ビットは使用
されず、画像データの第2〜6ビットには撮影データの
第175〜179ビットが挿入される。画像データの第7ビッ
トには第2の補正データが挿入され、第8〜12ビット
には撮影データの第180〜184ビットが挿入される。この
ようにして撮影データを5ビットに対して補正データを
1ビットづつ挿入してゆき、画像データの1033ビットに
は第173番目の補正データ、1034〜1038ビットには撮影
データの第1035〜1039ビット、画像データの1039ビット
には第174番目の上側の画素列最後の補正データを挿入
すると共に、撮影データの1040〜1044ビットをそのまま
画像データの同一ビットに挿入する。
【0189】図36の例では、Δb=27、Pit=3
8、Yt=18となるため、画像データの各ビットには
1ビットの補正データと、撮影データの第28ビットか
らのデータ37ビットづつとが繰り返しセットされる。
ただし、図36の例では、最も中心に近い第27撮影デ
ータはPit−1+Ytで55ビット分の撮影データ(第9
89〜1044ビット)が補正データを介さずに連続して設定
される。
【0190】上記のような画像データの倍率補正によ
り、被写体が基準走査ラインを走査する際の光軸に垂直
な平面である場合には、読み取り位置の副走査方向の違
いによる倍率の変化を平均化し、歪曲を補正した画像デ
ータを得ることができる。
【0191】最後に、この発明の特徴部分と実施形態と
の対応関係について説明する。図18(a)に示すよう
に、レンズ鏡筒30には水平に延びる一対のアーム(鏡
筒アーム32と第2アーム33)が設けられており、当
該アームに設けられた挿通孔32a,33aと光軸方向
に延びるガイドバー35との摺動により、レンズ鏡筒3
0は光軸方向に案内される。レンズ鏡筒30の移動によ
る摺動抵抗を少なくするため、ガイドバー35と挿通孔
32a,33aとの間、及びレンズ鏡筒30と鏡筒保持
部121との間には、X軸に直交する面(即ち鉛直面)
内における僅かなクリアランスがある。即ち、レンズ鏡
筒30は、当該鉛直面内のいずれかの方向に僅かに傾斜
する可能性がある。
【0192】そこで、本実施形態のカメラ型スキャナ1
では、鉛直フレーム132と鏡筒アーム32との間に、
ネジ部63を周回するように巻きバネ64を設けてい
る。図18(b)に示すように、巻きバネ64の一端は
鏡筒アーム32に固定され、その付勢力が鏡筒アーム3
2の一点(作用点W)にかかるよう構成されている。こ
れにより鏡筒アーム32は、図中Mで示す方向にするモ
ーメントを受ける。
【0193】ここで、レンズ鏡筒30と鏡筒保持部12
1との間のクリアランスは比較的大きいため、レンズ鏡
筒30の位置はガイドバー35と挿通孔32a,33a
との係合により決まる。従って、レンズ鏡筒30の傾き
の中心Fは、X軸上において、アーム32の図中左端と
アーム33の図中右端の丁度中心に相当する位置Fとな
る。この傾きの中心Fは、レンズ3の第1主点P1と第
2主点P2の間に位置するため、レンズ鏡筒30がある
程度傾斜した場合でも、被写体像をイメージセンサ16
上に結像させることができる。なお、傾きの中心Fと第
1主点P1・第2主点P2のいずれかとが一致するよう
構成しても良い。
【0194】図18(c)に示すように、巻きバネ64
の作用点Wとガイドバー35の中心を結んだ線がY軸と
直交しているので、レンズ鏡筒32はY軸と直交する方
向に傾斜するよう付勢される。このように構成されてい
るため、レンズ鏡筒30の鏡筒保持部121に対する傾
斜の方向が常に一定(Y軸と直交する方向)となる。さ
らに、当該傾斜の方向は、所謂副走査方向である。な
お、一般に、レンズ鏡筒30が副走査方向に傾斜する
と、副走査方向に対する像面の倒れが生ずるが、イメー
ジセンサ16によって読み取られるのは副走査方向の中
心部分のみなので影響は少ない。
【0195】このように、本実施形態では、レンズ鏡筒
30の移動方向に直交する面内でのクリアランスに対し
て、レンズ鏡筒30が常に副走査方向に傾斜した状態で
保持されているため、レンズ鏡筒30が当該クリアラン
ス内で主走査方向に傾斜するのが防止される。さらに、
巻きバネ64によって、モータ60に対するネジ部63
のがたつきも防止することができる。
【0196】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明のスキャ
ナにおける結像レンズ鏡筒の保持構造は、結像レンズを
保持する結像レンズ鏡筒を結像レンズの光軸方向に移動
案内する案内部と、該案内部により案内される被案内部
と、結像レンズ鏡筒をイメージセンサの画素配列方向に
直交する面内における所定の方向に付勢する付勢手段
と、を備えて構成されている。従って、案内部と被案内
部との間のクリアランスにより結像レンズ鏡筒が傾斜す
る方向が、画素配列方向に直交する方向となり、結像レ
ンズ鏡筒が画素配列方向に傾斜することが防止される。
【0197】さらに、結像レンズ鏡筒から画素配列方向
と直行する面内における所定の方向にアームを突出形成
し、付勢手段によりアームの所定箇所を付勢すると共
に、当該所定箇所と結像レンズ鏡筒との間に被案内部を
設けることによって、簡単な構成で、上記の付勢手段を
構成することが可能となる。また、駆動ネジを周回する
コイルバネによって、アームを付勢するよう構成するこ
とによって、モータ軸と駆動ネジとの間のがたを除去す
ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るカメラ型スキャナの実施形態の
撮影光学系を示す図である。
【図2】 図1のカメラ型スキャナの外形を示す斜視図
である。
【図3】 図2のカメラ型スキャナの概略構成を示す斜
視図である。
【図4】 図2のカメラ型スキャナの内部構成を示す平
面図である。
【図5】 図4のカメラ型スキャナの線分A−Aについ
ての断面図である。
【図6】 図4のカメラ型スキャナの線分B−Bについ
ての断面図である。
【図7】 駆動機構を示す平面図である。
【図8】 ミラー保持部を示す斜視図である。
【図9】 駆動機構を示す平面図である。
【図10】 駆動機構を示す平面図である。
【図11】 走査線の振れ角を示す概略図である。
【図12】 走査線密度の変化を示すグラフである。
【図13】 走査線の振れ角のパララックス補正を示す
概略図である。
【図14】 図4のカメラ型スキャナの線分C−Cにつ
いての断面図である。
【図15】 カラーフィルタホルダを示す斜視図であ
る。
【図16】 駆動機構を示す平面図である。
【図17】 図4のカメラ型スキャナの線分D−Dにつ
いての断面図である。
【図18】 レンズ鏡筒の保持構造を示す図である。
【図19】 カメラ型スキャナの制御系を示すブロック
図である。
【図20】 図19に示される画像処理回路の詳細を示
すブロック図である。
【図21】 ファインダーのLCDパネルの表示例を示
す平面図である。
【図22】 走査ミラーの回動位置とミラー駆動モータ
のパルス数の関係を示す概略図である。
【図23】 結像レンズの回動位置とレンズ駆動モータ
のパルス数の関係を示す概略図である。
【図24】 カメラ型スキャナのメインフローチャート
である。
【図25】 初期化処理を示すフローチャートである。
【図26】 初期化処理を示すフローチャートである。
【図27】 モード変更処理を示すフローチャートであ
る。
【図28】 合焦処理を示すフローチャートである。
【図29】 合焦処理を示すフローチャートである。
【図30】 測光処理を示すフローチャートである。
【図31】 撮影処理を示すフローチャートである。
【図32】 撮影処理を示すフローチャートである。
【図33】 撮影時の像倍率の変化を示す矩形の被写体
と被写体像との関係を示す説明図である。
【図34】 撮影時の倍率補正の原理を示す説明図であ
る。
【図35】 撮影時の倍率補正の具体例を示す説明図で
ある。
【図36】 撮影時の倍率補正の他の具体例を示す説明
図である。
【符号の説明】
1 カメラ型スキャナ 2 走査ミラー 4 カラーフィルタ群 3 結像レンズ 5 リモコン 6 レンズ駆動機構 7 ミラー駆動機構 10 本体カバー 11 補助光ユニット 12 窓部 15 ファインダ 16 イメージセンサ 17 リモコン装着部 20 ミラーホルダ 24 係合溝 30 レンズ鏡筒 32 鏡筒アーム 35 ガイドバー 40 フィルタホルダ 60 走査用モータ 64 巻きバネ 70 レンズ駆動モータ 80 駆動部材 81 駆動ピン 91 伝達ギア 93 フィルタ駆動ギア 94 ワンウェイクラッチ 95 フィルタギア 120 ハウジング 121 鏡筒保持部 127 係合穴 201 第1受信部 202 第2受信部 203 レンズ基準位置センサ 204 走査基準位置センサ 300 CPU 310 メインスイッチ 311 リモコンセンサ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画素を一次元に配列したライン型イメー
    ジセンサと、 被写体を走査する走査手段と、 前記イメージセンサに被写体像を結像させる結像レンズ
    と、を有するスキャナにおいて、 前記結像レンズを保持する結像レンズ鏡筒を、前記結像
    レンズの光軸方向に案内する案内部と、 該案内部により案内される被案内部と、 前記結像レンズ鏡筒を、前記イメージセンサの画素配列
    方向に直交する面内における所定の方向に付勢する付勢
    手段と、を設けることによって、 前記結像レンズ鏡筒が前記画素配列方向に傾斜すること
    を防止するよう構成した、結像レンズ鏡筒の保持構造。
  2. 【請求項2】 前記結像レンズ鏡筒の前記傾斜の中心
    が、前記結像レンズの第1主点と第2主点の間にあるこ
    と、を特徴とする請求項1に記載のスキャナにおける結
    像レンズ鏡筒の保持構造。
  3. 【請求項3】 前記結像レンズ鏡筒に、前記画素配列方
    向と直行する前記面と平行に延びるアームをさらに設
    け、 該アームに前記被案内部を形成したことを、を特徴とす
    る請求項1又は2に記載のスキャナにおける結像レンズ
    鏡筒の保持構造。
  4. 【請求項4】 前記付勢手段が、前記アームの所定箇所
    を付勢するよう配置されたバネ部材であること、を特徴
    とする請求項3に記載のスキャナにおける結像レンズ鏡
    筒の保持構造。
  5. 【請求項5】 前記光軸の方向に延びる駆動ネジと、前
    記アーム部に設けられ前記駆動ネジと係合する雌ねじ部
    とをさらに備え、前記駆動ねじの回動により前記結像レ
    ンズ鏡筒を移動するよう構成された、請求項3又は4に
    記載のスキャナにおける結像レンズ鏡筒の保持構造。
  6. 【請求項6】 前記バネ部材は、前記駆動ねじを周回す
    るよう設けられたコイルバネであること、を特徴とする
    請求項5に記載のスキャナにおける結像レンズ鏡筒の保
    持構造。
  7. 【請求項7】 前記コイルバネの端部が前記アーム部の
    所定箇所に固定されていること、を特徴とする請求項5
    又は6に記載のスキャナにおける結像レンズ鏡筒の保持
    構造。
  8. 【請求項8】 前記所定箇所と前記案内部とを含む面
    が、前記画素配列方向と直交する前記面と平行であるこ
    と、を特徴とする請求項7に記載のスキャナにおける結
    像レンズ鏡筒の保持構造。
  9. 【請求項9】 前記案内部を、前記結像レンズの光軸方
    向に延びる案内軸とし、前記被案内部を、前記案内軸に
    より貫通される貫通孔とすること、を特徴とする請求項
    1から8のいずれかに記載のスキャナにおける結像レン
    ズ鏡筒の保持構造。
  10. 【請求項10】 前記アームは、前記光軸の方向に並設
    された平行な一対のアームであること、を特徴とする請
    求項1から9のいずれかに記載のスキャナにおける結像
    レンズ鏡筒の保持構造。
JP9166559A 1996-06-07 1997-06-09 スキャナにおける結像レンズ鏡筒の保持構造 Pending JPH1073749A (ja)

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JP16850196 1996-06-07
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001075140A (ja) * 1999-09-01 2001-03-23 Matsushita Electric Ind Co Ltd カメラ及びその光学フィルタ切換え方法
US6891646B1 (en) 1998-07-28 2005-05-10 Fuji Photo Film Co., Ltd. Image reading apparatus
JP2005338514A (ja) * 2004-05-27 2005-12-08 Sharp Corp レンズ制御装置及び撮像機器

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