JP4340828B2 - ロースター - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、肉、魚介類、野菜などのロースターに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、肉、魚介類、野菜などのロースターは、ガスバーナー、炭、電熱などの加熱部と、肉、魚介類、野菜などの食材を載せる焼き網などである焼き部と、からなる。そして、ロースターから発生した煙については、上方に設置した吸引フードにて吸引し外部に排出する方式と、いわゆる無煙ロースターとして、焼き網の回り上の側方に上方設置の吸引フードに代えて吸気板を設けて、焼き網上の食材から上がる煙を側方の吸気板から直ちに吸引し外部に排出して、煙をロースターから発生させないようにしたものと、がある。
【0003】
上方吸引フード方式は、焼き網上の食材から発生した煙を自然の摂理に逆らわず、上方にて吸引するから、自然体のままで良く、焼き上がった食材も古来からの焼き具合となり、今までと同じ味となる。したがって、例えば、店内にロースターを設置する場合、ロースター毎にその上部に吸引フードを設置する必要があり、店内で模様替えをする場合には、ロースターの移動にあわせて、その上部の吸引フードも移動しなければならない。
【0004】
一方、無煙ロースターは、焼き網上の食材から発生した煙を自然の摂理に逆らい、側方から吸引するから、自然体でなく、焼き上がった食材も古来からの焼き具合と異なるものとなり、今までと異なった味となる。したがって、例えば、店内に無煙ロースターを設置する場合、無煙ロースター毎にその上部に吸引フードを設置する必要が無いが、床に排気ダクト工事が必要となり、この工事は上方吸引フード方式よりも通常手間がかかり、店内で模様替えをする場合も、無煙ロースターの移動に伴い、床の排気ダクト工事も必要となり、いずれにしても、上方吸引フード方式よりも手間がかかる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の上方吸引フード方式は、焼き具合が良く、今までと同じ味が出せるが、無煙ロースターに比べて、煙の吸引具合が不十分に成りやすく、煙が漏れ易い。煙の漏れ量を減らすために、煙の吸引具合を十分にすると、結果的にロースターの設置室内の換気回数が増大し、夏や冬などの季節の冷暖房負荷が増し、冷暖房装置のイニシャルコスト、ランニングコストが莫大となる。
【0006】
また、無煙ロースターは、煙の発生源近くで直接吸引するから、煙の吸引具合が十分と成り、煙の漏れがほとんどなく、都合が良い。しかしながら、煙を側方から吸引するから、焼き具合が古来と異なり、煙で燻されないので味も異なるものとなって、食通にとっては不満足な味となることがある。さらに、無煙ロースターは、上方吸引フード方式よりも、その設置や模様替えに点で厄介となる場合が多い。
【0007】
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、設置や模様替えの面での負荷が比較的少なく、焼き具合が古来と同様で、更にうま味を引き出して、食通にも満足出来る味を得ることが出来、加えて吸引風量が少ないのに煙の漏れがほとんどないロースターを提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、加熱部と食材の焼き部とからなり、該焼き部の回りにリング状スリットに形成したエアー吹出口を設けて、該エアー吹出口からエアーを上方に吹き出し、該吹出エアーの吹出速度を、前記食材を前記焼き部にて焼く際に生ずる煙含有の上昇気流より速く設定して、前記吹出エアーと前記上昇気流との速度差により、前記上昇気流に下降気流を生じさせ、該下降気流に含有する煙を前記食材に接触させて、前記食材を燻すようにしたことを特徴とする。したがって、この特徴によれば、焼き部の回りに位置しているエアー吹出口からの吹出エアーは、円形状の切れ間の無いエアーカーテンとなり、焼き部上の食材から出る煙を覆い外部に漏らさず、この円形状エアーカーテンである吹出エアーと食材からの煙を伴う上昇気流との速度差により、上昇気流が部分的に一旦円形状の下降気流、すなわち、切れ間の無いエンドレス状態の下降気流となり、下降気流中の煙は、焼き部上の食材に戻り接触して、通常より長い時間食材上に留まることになる。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のロースター上方に吸引フードを設けてなることを特徴とする。したがって、この特徴によれば、上記機能に加えて、焼き部の回りのエアー吹出口からのエアーは、円形状の切れ間のないエアーカーテンとなって、焼き部上の食材から出る煙を覆った状態を保持したまま、吸引フードから吸引されるから、単に吸引フードから吸引するより少ない風量で煙を拡散させずに吸引できる。
【0010】
請求項3記載の発明は、前記吹出エアーの吹出角度は、垂直に対して前記焼き部側に5〜20度の角度に傾斜させてなることを特徴とする。したがって、この特徴によれば、焼き部の回りから5〜20度の角度で吹き出たエアーにより、焼き部上の食材から出る煙を覆うから、食材からの煙を伴う上昇気流が焼き部側に狭められ、速度差による下降気流中の煙が焼き部上の食材に戻り接触して、通常より長い時間留まり、フードがある場合はなお一層煙がフードから漏れにくい。
【0011】
請求項4記載の発明は、前記吹出エアーの吹出速度は、前記上昇気流の速度に応じて調節可能としたことを特徴とする。したがって、この特徴によれば、食材による焼き部の温度が変化して、上昇気流の速度が変わっても、吹出エアーの吹出速度を調節可能とすることで、対応出来る。
【0012】
請求項5記載の発明は、前記吹出エアーの吹出速度の調節は、吹出エアー量の調整にて行うことを特徴とする。したがって、この特徴によれば、吹出エアー量の調整にて、上昇気流の速度の変化に対応出来る。
【0013】
請求項6記載の発明は、前記吹出エアーの吹出速度の調節は、前記エアー吹出口の面積調整にて行うことを特徴とする。したがって、この特徴によれば、エアー吹出口の面積調整にて、上昇気流の速度の変化に対応出来る。
【0014】
請求項7記載の発明は、前記加熱部は炭燃焼によることを特徴とする。したがって、この特徴によれば、上記機能に加えて、炭燃焼はガス燃焼の場合に比べて排ガス量が少なく、食材からの煙の発生量は同じであるから、煙の含有比率の高い上昇気流となり、且つ上昇気流量自体も少なくなり、速度差により生じた下降気流中の濃い煙は、焼き部上の食材に戻り接触して、排ガス量が少ない分更に長い時間留まることになる。
【0015】
請求項8記載の発明は、前記加熱部は電熱によることを特徴とする。したがって、この特徴によれば、電熱は原理的に排ガスが発生しないから、上記した下降気流中の煙を更に濃くでき、焼き部上の食材に戻り接触して、更に排ガス量が少なくなってその分より長い時間留まることになる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1〜7に基づいて詳述する。
図1は本発明の実施の形態であるロースターを示す断面図、図2は本発明の実施の形態であるロースターを示す平面図である。図面において、1はロースターを示し、このロースター1は、加熱部2と食材3の焼き部4とを主要な構成要素としてなり、この焼き部4の回りにリング状スリットに形成したエアー吹出口5を設けて、このエアー吹出口5からエアーを上方に吹き出し、該吹出エアー6の吹出速度V1を、食材3を焼き部4にて焼く際に生ずる煙含有の上昇気流7の速度V2より速く設定して、吹出エアー6と上昇気流7との速度差(V1−V2>0)により、上昇気流7に下降気流7aを生じさせ、この下降気流7aに含有する煙を食材3に接触させて、食材3を燻すようにしたものである。
【0017】
前記加熱部2は、焼き網である焼き部4を受けると共に遠赤外線を放出するセラミック体10を収容する容器状受11と、この容器状受11を受けると共にセラミック体10を加熱するガスバーナー12を収容するバーナー容器13とからなる。容器状受11の底は、孔14が開けられ、ガスバーナー12からの火炎が直接セラミック体10を加熱することが出来るようなっている。バーナー容器13は、その両側にパイプ状の耳部15が設けられ、この耳部15から外部の空気を導入できるようになっている。なお、この実施形態ではセラミック体10としたが、これに限定されず、ガスバーナー12の火炎により熱せられて温度上昇して熱媒体となるものであれば、自然石、鉱物、金属など何でも良い。ただし、この熱媒体は遠赤外線を放出するものが望ましい。さらに、このセラミック体10の代わりに炭であっても良い。この場合、炭がガスバーナー12の火炎により熱せられ着火したのち、ガスバーナー12は止められる。
【0018】
前記食材3は、焼き網上で焼けるものであれば、いかなるものであっても良い。たとえば、牛肉、鶏肉、豚肉、これらの内臓肉、魚、貝、エビ、カニ、これらと共に食べる野菜などである。
【0019】
前記焼き部4は、具体的には焼き網であるが、その形状は、限定が無く、上記した食材3の種類により、それらに適合するように変える。
【0020】
前記エアー吹出口5は、前記バーナー容器13の側板20と、バーナー容器13を収容でき、かつテーブルの天板21に支持される風箱22の側板23との間で形成されるリング状スリットである。すなわち、バーナー容器13が風箱22の底に載置された五徳24により支持され、バーナー容器13の両側のパイプ状の耳部15が風箱22の側板23に開けられた孔25に通されることで、エアー吹出口5は形成されるのである。
【0021】
なお、このリング状スリットであるエアー吹出口5は、吹き出されるエアーを整流化させるため、スリット幅の少なくとも4倍以上の長さにわたり同じスリット幅があるのが良い。このようにすると、エアー吹出口5から吹き出されたエアーは、スリット幅をより長く保持しようとするエアーカーテンを形成するようになる。さらに、風箱22の底にはパイプ26が接続され、このパイプ26にはファン27が取り付けられている。そして、このファン27が作動することにより、エアーはパイプ26、風箱22の底部を通り、リング状スリットであるエアー吹出口5から垂直に上方に向かって吹き出され、この吹出エアー6は円形状の切れ間のないエアーカーテンとなるのである。
【0022】
このリング状スリットであるエアー吹出口5には、図2に示すように、放射状の仕切り板28を等間隔にかつ垂直に設けても良い。このようにすることで、エアー吹出口5からの吹出エアー6の吹出方向を安定させることが出来、その吹出速度V1を均一化させ易くなる。
【0023】
上記したロースター1は、吹出エアー6及び食材3を焼き部4にて焼く際の煙を大量に含んだ上昇気流7が発生するから、図1に示すように、ロースター1上方に吸引フード30を設置し、それらを吸引フード30にて吸引してロースター1を囲み食事をしている人々に、煙などがかからないようにしている。そして、この吸引フード30は、その通過する吸引風速が3m/秒以上となるように設定された吸引口が有り、その吸引口にダクト31が接続され、さらに、ダクト31はファン32に接続されている。
【0024】
次に、上記構成になるロースター1の作動状況を説明する。
まず、ガスバーナー12を点火し、ファン27及び32の運転を開始すると、ガスバーナー12からの火炎が直接セラミック体10を加熱して行き、セラミック体10が熱せられ、上昇気流7が生ずる。一方、ファン27からのエアーは、パイプ26、風箱22の底部を通り、リング状スリットであるエアー吹出口5から垂直に上方に向かって吹き出され、円形状の切れ間の無いエアーカーテン状の吹出エアー6となる。セラミック体10がほど良く熱せられ、遠赤外線が十分に放射されるようになったら、焼き網である焼き部4上に、食材3を載せて焼く。食材3を焼く過程で生じた煙は上昇気流7と共に上昇してゆくが、この煙含有の上昇気流7は、焼き部4の回りにあるエアー吹出口5からの円形状エアーカーテンである吹出エアー6により包み込まれ、しかも吹出エアー6の吹出速度V 1 が上昇気流7の速度V 2 より速いから、上昇気流7内に円形状の、換言すればエンドレス状態の下降気流7aが生じ、食材3に再び接触して通常よりも長い時間食材3上に留まるようになる。この下降気流7aには当然煙を含有しているから、食材3を燻すことになり、いわゆる、燻製効果によって、食材3の味が増すことになる。
【0025】
さらに、吹出エアー6に包み込まれ、下降気流7aが生じている上昇気流7は、最終的に吸引フード30にて吸引され、ダクト31を経てファン32により外部に排出される。すなわち、この吹出エアー6は、焼き部4の回りのリング状スリットであるエアー吹出口5からのものであるから、円形状の切れ間の無いエアーカーテンとなって煙含有の上昇気流7を包み込んだままの状態で、吸引フード30にて吸引され外部に排出される。したがって、このロースター1は、吸引フード30との組み合わせで、従来の無煙ロースターの役割を演じ、しかも、単に吸引フード30から吸引するより少ない風量で煙を拡散さずに吸引でき、且つ、食材3を焼く過程で生じた煙は再び食材3に触れ、食材3を燻すことになり、食材3の味をなお一層増すことが出来る。
【0026】
図3は本発明の他の実施形態を示すロースター1aであり、このロースター1aと図1、2の実施形態との相違点は、吹出エアー6の吹出角度が、垂直に対して前記焼き部4側に5〜20度の角度になるような傾斜エアー吹出口5aを有する点にある。すなわち、このロースター1aの焼き部4の回りの傾斜エアー吹出口5aから、5〜20度の角度で吹き出た吹出エアー6により、焼き部4上の食材3から出る煙を覆うから、食材3からの煙を伴う上昇気流7が焼き部4側に狭められ、速度差による下降気流7a中の煙が焼き部4上の食材3に戻り接触して、通常より長い時間留まり、且つ吸引フード30がある場合はなお一層煙が吸引フード30から漏れにくくなる。その他の構成、作用は図1、2の実施形態と同様なので、図面に符号を付してその説明を省略する。
【0027】
図4は本発明の他の実施形態を示すロースター1bであり、このロースター1bと図1、2の実施形態との相違点は、吹出エアー6の吹出速度が、上昇気流7の速度に応じて調節可能とするために、ファン27のデリバリ側にパイプ26にダンパー33を設けた点にある。したがって、食材3による焼き部4の温度が変化して、上昇気流7の速度V2が変わっても、このダンパー33により、エアー吹出口5からの吹出エアー6の吹出速度V1を調節可能することで、対応することが出来る。その他の構成、作用は図1、2の実施形態と同様なので、図面に符号を付してその説明を省略する。
【0028】
同様に、図5は本発明の他の実施形態を示すロースター1cであり、このロースター1cと図4のロースター1bとの相違点は、ダンパー33の代わりに、予めエアー吹出口5を幅広にしておき、幅調整キャップ34を数種類用意して、得たい吹出エアー6の吹出速度V1に合う幅調整キャップ34を選択し、エアー吹出口5に嵌めることで、エアー吹出口5の面積調整を行い、上昇気流7の速度V2の変化に対応する。なお、吹出エアー6の吹出速度が、上昇気流7の速度に応じて調節可能とするための方法は、これらダンパー33及び幅調整キャップ34に限定されず、他の方法でも良い。その他の構成、作用は図4の実施形態と同様なので、図面に符号を付してその説明を省略する。
【0029】
図6は本発明の他の実施形態を示すロースター1dであり、このロースター1dと図1、2の実施形態との相違点は、ガスバーナー12が無く、セラミック体10の代わりに他で着火した炭35を容器状受11内に入れてることで、加熱部2aを構成する点にある。これにより、ガスバーナー12のガス燃焼が無く、それに伴う排ガスの発生が無くなり上昇気流7の量が減るから、食材3を焼く過程で生じた煙はその濃度が相対的に上がり、この煙含有の上昇気流7は、吹出エアー6により包み込まれ、しかも吹出エアー6の速度が上昇気流7より速いから、上昇気流7に下降気流7aが生じ、相対的に濃度の高い煙が上昇気流7量が減った分長く食材3に再び触れるようになり、食材3を燻すことになり、その燻製効果により、食材3の味が一層増すことになる。その他の構成、作用は図1、2の実施形態と同様なので、図面に符号を付してその説明を省略する。
【0030】
図7は本発明の他の実施形態を示すロースター1eであり、このロースター1eと図6のロースター1dとの相違点は、着火した炭35の代わりに電熱器36を容器状受11内に入れてることで、加熱部2bを構成する点にある。これにより、図6のロースター1dと同じような効果が期待でき、さらに、着火炭35の燃焼に伴う排ガスが無いから、その分図6のロースター1dより良い結果が期待できるが、現状の電熱器36では炭のように経済的に高温に保持することがむずかしく、図6のロースター1dより良い結果を得ることが出来ない。その他の構成、作用は図6の実施形態と同様なので、図面に符号を付してその説明を省略する。
【0031】
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体的な構成はこれに限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内での変更、追加は本発明の範囲内である。
【0032】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明のロースターによれば、以下のような効果が期待出来る。
請求項1の発明は、焼き部の回りに位置しているエアー吹出口からの吹出エアーは、円形状の切れ間の無いエアーカーテンとなり、焼き部上の食材から出る煙を覆い外部に漏らさず、この円形状エアーカーテンである吹出エアーと食材からの煙を伴う上昇気流との速度差により、上昇気流が部分的に一旦円形状の下降気流、すなわち、切れ間の無いエンドレス状態の下降気流となり、下降気流中の煙は、焼き部上の食材に戻り接触して、通常より長い時間食材上に留まることになる。したがって、焼き具合が古来と同様であり、更に燻製効果によりうま味を出して、食通にも満足出来る味を得ることが出来、加えて食材を焼く過程での排ガス量をエアーカーテン効果により減らすことが出来る。
【0033】
請求項2の発明は、焼き部の回りのエアー吹出口からのエアーは、円形状の切れ間の無いエアーカーテンとなって、焼き部上の食材から出る煙を覆った状態を保持したまま、吸引フードから吸引されるから、単に吸引フードから吸引するより少ない風量で煙を拡散させずに吸引できる。したがって、上記効果に加えて、吸引フードからの吸引排ガス量が少ないのに、煙の漏れをほとんど無くすことが出来る。
【0034】
請求項3の発明は、焼き部の回りのエアー吹出口から5〜20度の角度で吹き出たエアーは、エアーカーテン状となり、焼き部上の食材から出る煙を覆うから、食材からの煙を伴う上昇気流が焼き部側に狭められ、速度差による下降気流中の煙が焼き部上の食材に戻り接触して通常より長い時間留まり、フードがある場合はなお一層煙がフードから漏れにくい。したがって、上記効果に加えて、なお一層燻製効果によるうま味を引き出し、さらに食材からの煙の漏れを一層減らすことが出来る。
【0035】
請求項4の発明は、食材による焼き部の温度が変化して、上昇気流の速度が変わっても、吹出エアーの吹出速度を調節可能とすることで、対応出来る。したがって、食材の種類により焼き部の温度を変えても、吹出エアーの吹出速度を調節することで、燻製効果によるうま味を確保でき、食材を焼く過程での排ガス量を減らし、且つ吸引フードからの吸引排ガス量が少ないのに煙の漏れをほとんど無くすことが出来る。
【0036】
請求項5の発明は、吹出エアー量の調整にて、上昇気流の速度の変化に対応出来る。したがって、吹出エアーの吹出速度の調節を、吹出エアー量の調整という簡易な方法で出来、上記の燻製効果の確保、排ガス量の減少、煙の漏れの防止が出来る。
【0037】
請求項6の発明は、吹出口の面積調整にて、上昇気流の速度の変化に対応出来る。したがって、吹出エアーの吹出速度の調節を、吹出口の面積調整という簡易な方法で出来、上記と同様に燻製効果の確保、排ガス量の減少、煙の漏れの防止が出来る。
【0038】
請求項7の発明は、炭燃焼はガス燃焼の場合に比べて排ガス量が少なく、食材からの煙の発生量は同じであるから、煙の含有比率の高い上昇気流となり、且つ上昇気流量自体も少なくなり、速度差により生じた下降気流中の濃い煙は、焼き部上の食材に戻り接触して、排ガス量が少ない分更に長い時間留まることになる。したがって、より優れた燻製効果の確保、排ガス量の減少、煙の漏れの防止が出来る。
【0039】
請求項8の発明は、電熱は原理的に排ガスが発生しないから、上記した下降気流中の煙を更に濃くでき、焼き部上の食材に戻り接触して、更に排ガス量が少なくなってその分更に長い時間留まることになる。したがって、電熱により炭燃焼と同様な高温を経済的に確保できれば、炭燃焼より優れた燻製効果の確保、排ガス量の減少、煙の漏れの防止が出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態であるロースターを示す断面図。
【図2】本発明の実施の形態であるロースターを示す平面図。
【図3】本発明の他の実施の形態であるロースターを示す断面図。
【図4】本発明の他の実施の形態であるロースターを示す断面図。
【図5】本発明の他の実施の形態であるロースターを示す断面図。
【図6】本発明の他の実施の形態であるロースターを示す断面図。
【図7】本発明の他の実施の形態であるロースターを示す断面図。
【符号の説明】
1、1a、1b、1c、1d、1e ロースター
2、2a 加熱部
3 食材
4 焼き部
5 エアー吹出口
5a 傾斜エアー吹出口
6 吹出エアー
7 上昇気流
7a 下降気流
10 セラミック体
11 容器状受
12 ガスバーナー
13 バーナー容器
14、25 孔
15 耳部
20、23 側板
21 天板
22 風箱
24 五徳
26 パイプ
27、32 ファン
28 仕切り板
30 吸引フード
31 ダクト
33 ダンパー
34 幅調整キャップ
35 炭
36 電熱器
Claims (8)
- 加熱部と食材の焼き部とからなり、該焼き部の回りにリング状スリットに形成したエアー吹出口を設けて、該エアー吹出口からエアーを上方に吹き出し、該吹出エアーの吹出速度を、前記食材を前記焼き部にて焼く際に生ずる煙含有の上昇気流より速く設定して、前記吹出エアーと前記上昇気流との速度差により、前記上昇気流に下降気流を生じさせ、該下降気流に含有する煙を前記食材に接触させて、前記食材を燻すようにしたことを特徴とするロースター。
- 請求項1記載のロースター上方に吸引フードを設けてなることを特徴とするロースター。
- 前記吹出エアーの吹出角度(α)は、垂直に対して前記焼き部側に5〜20度の角度に傾斜させてなることを特徴とする請求項1又は2記載のロースター。
- 前記吹出エアーの吹出速度は、前記上昇気流の速度に応じて調節可能としたことを特徴とする請求項1乃至3から選択される1項に記載のロースター。
- 前記吹出エアーの吹出速度の調節は、吹出エアー量の調整にて行うことを特徴とする請求項4記載のロースター。
- 前記吹出エアーの吹出速度の調節は、前記エアー吹出口の面積調整にて行うことを特徴とする請求項4記載のロースター。
- 前記加熱部は炭燃焼によることを特徴とする請求項1乃至6から選択される1項に記載のロースター。
- 前記加熱部は電熱によることを特徴とする請求項1乃至6から選択される1項に記載のロースター。
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