JP4340337B2 - セメント及びセメント系固化材の製造装置 - Google Patents

セメント及びセメント系固化材の製造装置 Download PDF

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    • Y02P40/125Fuels from renewable energy sources, e.g. waste or biomass

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、セメント及びセメント系固化材の製造装置、特に、都市ゴミ焼却灰などの塩素を多量に含む原料を用いたセメント及びセメント系固化材の製造において、コーティングトラブルやダイオキシンの再合成を抑制したセメント及びセメント系固化材の製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、社会の進展に伴い、一般廃棄物及びこれらを焼却処理する際に発生する焼却灰が著しく増加している。都市ゴミ焼却灰の殆どは埋め立て処分されているが、最終処分場である埋め立て地の不足や、埋め立て地周辺土壌への有害物質の溶出等が深刻な社会問題になっている。
【0003】
都市ゴミ焼却灰の化学成分は発生源及び季節により多少変化するが、SiO2、Al23、CaO、アルカリ(Na2OまたはK2O)、塩素、重金属等を含む。このような組成物を有する都市ゴミ焼却灰は、従来、セメントの増量材として混合使用されたり、透水性のブロック用骨材または増量材として一部使用又は開発されつつあるが、現状では大部分がそのまま埋め立て処分されている。また、都市ゴミ焼却灰を溶融処理して、重金属の溶出が発生しないような形で減容化処理される方法もあるが、この場合も大部分は埋め立て処分されている。
【0004】
さらには、これらの焼却灰をセメント原料として積極的に活用することも提案されている(特公昭59−11545号、特開昭49−131959号)。原料として利用する都市ゴミ焼却灰には、塩素が1〜10重量%含有されており、この値は通常のセメント原料中における塩素含有量の数百倍に相当する。この塩素は、他の原料成分と結合し、カルシウムクロロアルミネートなどの主要なセメントクリンカ鉱物を形成するが、一方で、クリンカ鉱物形成する塩素の割合は多くなく、残りの塩素はアルカリや重金属とともにキルン内で揮散し、排気ガスと共にキルン下流側に導かれる。この間、特にキルンインレットフッドに続くダクトや冷却塔や冷却塔に続くダクトにおいて、塩化化合物が凝縮し、ダクト内壁面上にコーティングを形成する。コーティングを形成すると、通風障害やダクト詰まり等を引き起こし、操作中断に至る場合もある。また、特に排ガス冷却塔出口からサイクロン間のダクトにコーティングが付着し、その一部が塊状となって剥離し、サイクロンまで到達し、サイクロンの底部を塞ぎ、サイクロン回収粉が出なくなるいわゆるサイクロン詰まりが生じる場合もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このようなコーティング付着問題に対して、従来、運転中に高圧空気や高圧水を吹き付けてコーティングを除去したり、また人的に突棒等を利用してコーティングを掻き落とすことが行われている。しかしながら、上記方法によるコーティング除去作業は、いずれも厳しい環境での危険作業であるほか、コーティング物の系内への脱落は、キルンの安定運転を阻害する。
【0006】
また、都市ゴミ焼却灰は少量のダイオキシン生成物を有する。一般にセメント製造においては、キルン内の温度がダイオキシンの分解温度以上で操業されるため、ダイオキシン生成を特に問題とする必要はない。しかし、一方で、ダイオキシンは300℃付近、470℃付近で再合成されるので、排ガス中のダイオキシン類の再合成には特に注意を要する。
【0007】
本発明は上記事情に鑑み、簡単にしかも効率よく、コーティングトラブルを解消し、キルンの安定運転を可能とすると共に、ダイオキシンの再合成を抑制するセメント及びセメント系固化材の製造装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のセメント及びセメント系固化材の製造装置によれば、キルンを備えるセメント及びセメント系固化材の製造装置において、キルンの排ガスを空冷した後に水冷することにより温度250〜280℃に急冷する手段がキルンに直接連通して設置され、キルンの排ガスを急冷する手段がキルンと排ガスダクトとの間に設置され、排ガスを急冷する手段が、排ガスを温度400〜600℃まで空冷する手段と、排ガスを空冷する手段により空冷された排ガスをさらに温度250〜280℃まで水冷する手段とからなることを特徴とする(請求項1)。また、排ガスを空冷する手段が空気を吹き込む手段であること(請求項2)、排ガスを水冷する手段が散水する手段であること(請求項3)、排ガスを水冷する手段が水と圧縮空気の二流体噴霧を行うこと(請求項4)、排ガスを水冷する手段が同一平面内に複数設けられること(請求項5)、排ガスを水冷する手段が散水された水が干渉しないような間隔をおいて同一平面内に複数設けられること(請求項6)、排ガスを水冷する手段が上下に複数段設けられること(請求項7)、排ガスを水冷する手段において、散水された水が装置の壁面まで300mm以上離れていること(請求項8)、排ガスを水冷する手段において、散水された水の粒子が面積平均径30〜100μであること(請求項9)が好ましい。
【0009】
都市ゴミ焼却灰は少量のダイオキシン生成物を含有する。一般にセメント製造においては、キルンによりダイオキシンの分解温度以上で操業されるため、ダイオキシン生成を特に問題とする必要はない。しかし、一方で、ダイオキシンは300℃付近、470℃付近で再合成されるので、排ガス中のダイオキシン類の再合成には特に注意を要する。本発明の製造装置においてはセメント原料として、都市ゴミ焼却灰、下水汚泥焼却灰等の廃棄物を原料としたセメント及びセメント系固化材の製造を目的とし、キルンの排ガスを280℃以下に急冷するので、ダイオキシンの合成温度域を短時間に通過させ、排ガス中のダイオキシンの再合成を抑制することができる。また、都市ゴミ焼却灰には塩素が含まれており、この塩素はキルン内で塩素化合物となって揮散する。この揮散した塩素化合物を含む排ガスは、特にキルンインレットフッドからサイクロンに至る過程で塩素化合物が飛散ダストに凝縮、吸着されて溶融状態でダクト内壁面上にコーティングを形成するが、本発明においては排ガス温度を250〜280℃に急冷することで揮発性物質が融点以下の付着しにくい状態になり、コーティングを防止することができる。
【0011】
本発明のセメント及びセメント系固化材の製造装置によれば、排ガス急冷手段をキルンと排ガスダクトの間にキルンに直接連通するように設置することで、排ガス中の粗大粒子を直接キルンに戻すことができ、排ガス中のダスト量を減らせると共に、キルンからの排ガスを直接急冷手段に導入し、ダイオキシンの再合成温度域を短時間に通過させ、急冷することでダイオキシンの再合成を抑制できる。この排ガス急冷手段によれば、冷却用空気を吹き込み、キルン排ガスを冷却する空冷手段か又は、水の散水または、水および圧縮空気の噴霧による水冷手段、さらに好ましくは空冷手段と水冷手段の併用によりキルン排ガスを効果的に急冷するのでダイオキシンの再合成を抑制し、排ガス中には有害なダイオキシンが含有されない。また排ガス中に揮散した塩素化合物も、融点以下の固相状態になり、付着しにくいのでキルンインレットフッドからサイクロンに至る過程で、ダクト等にコーティングを起こさない。またこの手段において、大型の装置では前記排ガスを水冷する手段を同一平面内に複数設置し、または、上下に複数段設置することにより、効果的に急冷することができ、ダイオキシンの再合成をより確実に抑制できる。複数の冷却手段を設置する場合は互いに干渉しないように所定の間隔をおけば効率的に冷却できるので好ましい。またこの装置において、散水された水が装置の壁面より300mm以上離れてるように前記冷却手段を設置する場合には、散水により吸水した排ガス中のダストが装置壁面に付着するのを防止できる。また散水された水の粒子が、面積平均径で30〜100μである場合には短時間で蒸発するため、天井や側壁の濡れを防止でき、また装置を小型化できる。
【0012】
本発明の排ガスを水冷する手段において、排ガスの気流速度を0.5〜5.0m/sに抑制すること(請求項10)、水冷手段が排ガス流入管と該排ガス流入管に連通する重力分離管と該重力分離管の上部に連通して設けられた排ガス流出管からなる水冷装置であること(請求項11)、水冷装置において、重力分離管が排ガス流入管より断面積の大きい管であること(請求項12)が好ましい。
【0013】
本発明のセメント及びセメント系固化材の製造装置において、排ガスの上昇気流速度を0.5〜5.0m/sに抑制すると、この気流速度では排ガス中の粗大粒子は上昇気流に乗れず、分離され、落下する。粗大粒子が除かれた排ガスは、ダスト負荷の軽減された排ガスとなり、後続のサイクロン、及び集塵機に送られる排ガス中のダスト量が少なくなり、後続のサイクロン、集塵機の負荷を減少させることができる。水冷手段が排ガス流入管と該排ガス流入管に連通する重力分離管と該重力分離管の上部に連通して設けられた排ガス流出管からなる水冷装置であり、排ガスの上昇気流速度を0.5〜5.0m/sに抑える手段として、排ガス入口より断面積の大きい筒状の重力分離管を備えると、単位時間内の排ガス流入量と排ガス流出量が同じであるため流路が広い箇所では排ガス流速が流路の面積に比例して減少するので、排ガス入口と重力分離管の断面積の比に比例して排ガスの流速が変えることができ、重力分離管における排ガス気流速度を任意の速度に抑制できる。
【0014】
前記水冷装置において、排ガス中の粗大粒子を再び直接キルンへ戻す手段を有すること(請求項13)、前記粗大粒子を直接キルンへ戻す手段が前記水冷装置下部の前記排ガス流入管が下から上にゆくに従って漏斗 状に広がり、その傾斜角度が45℃以上であること(請求項14)、前記粗大粒子を直接キルンへ戻す手段が空気を吹き付ける手段であること(請求項15)が好ましい。
【0015】
排ガス中の粗大粒子を再びキルンに戻せば粗大粒子をセメント原料として利用できると共に、排ガス中のダスト量が軽減され、後続のサイクロンや集塵機での負荷が軽減され好ましい。またこの排ガス中の粗大粒子をキルンへ戻す手段が、前記水冷装置がキルンインレットフッドの直上に連通して設けられ、水冷装置下部に設けられた排ガス流入管の形状を下から上にゆくに従って漏斗状に広がり、その傾斜角度を45°以上傾斜させるようにすれば簡単な構造で実施可能であり、余計な輸送機を必要とせず安価に実施でき、また粗大粒子が底部に堆積する場合には傾斜角度の調整で容易に対応できる。傾斜角度が45°未満では粗大粒子が排ガス流入管に堆積することがあるので好ましくない。さらに、排ガス流入管が上記形状である場合には、排ガス流入管は重力分離手段を兼ねることができ、流入した排ガスが下から上に流れるにつれて、流路が広がるために徐々に流速が落ち、粗大粒子が分離され、落下する。また、さらに好ましくは圧縮空気を吹き付ける手段を設け、底面に沿って空気を吹きつけ、底部に堆積した粗大粒子を吹き飛ばし、キルンへ戻すようにすればより確実である。
【0016】
前記水冷装置において、排ガス流出管が下から上にゆくに従って緩やかに狭くなること(請求項16)、前記排ガス流出管が段階的に傾斜角度が急になる二段階以上の傾斜角度を有すること(請求項17)が好ましい。
【0017】
本発明のセメント及びセメント系固化材の製造装置において、水冷装置の排ガス流出管が緩やかに狭くなる場合には、乱気流が発生せず、排ガスが淀むことなくスムーズに排出される。また、排ガス中に低融点の塩化物が含まれる場合には排ガス流出管の傾斜を変え、最初は緩やかで徐々に急に狭くなるように段階的に絞るようにすれば乱気流が発生せず、流れが淀む部位で塩化物が滞留し、冷却され、付着するのを防止できるので好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明のセメント及びセメント系固化材の製造方法を示す概略図である。図1において、1は原料タンク、4は原料を焼成するキルン、2は原料をキルン4に運ぶスクリュウコンベヤ、3はキルン4に連通するキルンインレットフッド、5はキルン4で焼成されたクリンカを冷やすクーラである。都市ゴミ焼却灰、下水汚泥、その他産業廃棄物などに、従来周知のセメント原料である石灰石、粘土、珪石、アルミ灰、ボーキサイト等を調整成分材として加えた調合原料Aは粉末状で、この原料タンク1に貯蔵される。調合原料Aは前記原料タンク1からキルンインレットフッド3に連通するスクリュウコンベヤ2を通じてロータリキルンなどのキルン4に供給される。調合原料Aは、キルン4でクリンカに焼成された後、クリンカクーラ5で冷却される。冷却されたクリンカは、図示しない仕上げ工程で粉砕調整されて最終製品であるセメント及びセメント系固化材が製造される。
【0019】
一方、クリンカクーラ5に流入した空気の一部はクリンカと熱交換し、ロータリキルン4内に入り、バーナ6で重油等の燃焼空気として利用される。バーナ6で燃焼後の排ガスはロータリキルン4内で調合原料Aと熱交換後、キルンインレットフッド3より排出される。この時の排ガス温度は通常700℃〜900℃である。また、キルンインレットフッド3内でこの排ガスは空冷手段である冷却ファン9から流入した冷却用の空気と素早く混合冷却され、400〜600℃まで冷却され、キルンインレットフッド3から排出される。冷却用空気と混合冷却された排ガスはキルンインレットフッド3に連通された水冷装置10内に入り、250℃〜280℃まで冷却される。水冷装置10を経た排ガスはサイクロン11で除塵した後、バグフィルター13を保護するために設置された冷気導入ダンパー12から空気を取り込み、バグフィルター13の入り口で110〜180℃まで冷却される。さらに、冷却後の排ガスはバグフィルター13でダストを除塵後、ファン14を経て煙突15より排出される。
【0020】
本発明の排ガス急冷装置を図2に基づいてさらに詳細に説明する。図2(a)は本発明の急冷装置における水冷手段の断面図である。図2(b)は側面図である。図2において、3はキルン4に連通するキルンインレットフッド3である。本発明の水冷装置10はキルンインレットフッド3の上部に連通され、キルン4より排出された排ガスはこのキルンインレットフッド3を通り、本発明の水冷装置10に導かれる。この水冷装置10の下部には散水用のノズル16が少なくとも1箇所以上設置され、例えば17に示すような円錐状の形状に水が噴出され、キルンインレットフッド3で冷却ファン9により400℃〜600℃まで冷却された排ガスが本水冷装置10の下部入口から流入すると、鉛直方向下方から上方に流れ、散水17を通過し、この時散水17によって250〜280℃までさらに冷却される。冷却された排ガスは水冷装置上端の排ガス出口管19から排出される。
【0021】
また水冷装置10の散水ノズル16は、水と圧縮空気の二流体噴霧方式の散水ノズルを使用し、水の粒子が面積平均径で30〜100μとなるようにすれば、水の粒子の蒸発が早く、装置がコンパクトになると共に、水漏れが生じても、圧縮空気によって冷却されるのでより確実に冷却され、トラブルが発生せず、より好ましい。また散水17がダストと接触して、ダストが壁面へ付着するのを防止するため、散水17と水冷装置壁面のクリアランスを少なくとも300mm以上とるのが望ましい。
【0022】
水冷装置10は漏斗状に下方から上方へ行くに従って広がる排ガス流入管18からなる下部と、排ガス流入管に連通する筒状の中央部と、ダクトに連通するため漏斗を逆さまにした形状で、下方から上方に行くに従って狭まる排ガス流出管19からなる上部で構成されている。
【0023】
水冷装置10に流入したダストを随伴した排ガスは水冷装置10の下部に設置された排ガス流入管18の形状が漏斗状であるため、10〜20m/sから徐々に流速が低下し、0.5m/s〜5m/sまで低下する。この作用によって、排ガス中に含まれる粗大粒子は重力分離され、直接キルンインレットフッド3に落下し、キルン4内に入るか、一旦排ガス流入管18に堆積してからキルンインレッドフッド3に入る。この結果、ダスト負荷の軽減された排ガスが排ガス出口から後続のサイクロンや集塵機13に搬送される。また、散水部でもダスト負荷が軽減され、ダストの付着トラブルを回避できる。
【0024】
また、この排ガス流入管18の傾斜角度は少なくとも45°以上(好ましくは50°以上)必要である。45°以下の場合は図6に示すようにダストが堆積し、排ガス流入管18が詰まり、キルン4内へ落下しない。さらに好ましくはダストの堆積を防止するために、排ガス流入管18の上部にエアーブラスター23等を設置し、エアーブラスター23のノズル24の先端を底面に沿って下向きに設置し、圧縮空気で堆積物を吹き飛ばす方法がより確実で効果的である。図6に示すように4カ所にエアーブラスターを設置した結果、ダストの詰まりの問題は解消された。
【0025】
水冷装置10の上部は排ガスの出口ダクトに連通するため、上記排ガス流入管18を上下反転した形状の排ガス流出管19で構成されている。排ガス中に低融点の塩素・アルカリ・重金属を含む場合には排ガス流出管19の狭まりを急激にして、乱流が生じると低融点物質が壁面に付着し、コーティングが生じる。このため、この部位を急激に絞らず、図3に示すように段階的に緩やかに絞るのが望ましい。このようにすれば、排ガスが乱流を起こさず、塩化物等が滞留し、冷却され、壁面へ付着するのを防止できる。
【0026】
図4は別の実施の形態を示す断面図(a)とA−A線で切った断面図(b)である。大型の装置においては、図4に示すように、水冷装置10の下部に設置された散水用ノズル16は所定の散水量を確保するために、ノズル16を複数個並列もしくは上下に設置することが望ましい。並列に設置する場合には互いの散水が干渉しないように所定の間隔をおいて散水ノズルを配置する必要がある。
【0027】
以上説明したように排ガスは瞬時に空気または水によって冷却されるため、ダイオキシン類の再合成は抑制されると共にコーティングの問題も解決される。ダイオキシンの発生をなくすため、水冷装置10の出口排ガス温度およびバグフィルター13の入口排ガス温度は低い方がよい。ダイオキシンの発生が問題となるケースでは活性炭をバグフィルター13入口に噴霧する。
【0028】
バグフィルター13前の冷気導入ダンパー12はサイクロン11〜バグフィルター13間でも良く、また、水冷装置10〜サイクロン11間に設置してもよい。
【0029】
水冷装置10の出口温度を300℃以上にすると、ZnCl2を主体とする、重金属、アルカリの塩化物のヒュームが水冷装置10の排ガス流出管19の流れの淀む部位で付着し、固結を生じ、運転が不能になるケースがあったが、水冷装置10の出口排ガス温度を280℃以下とすることで、管内のコーティングによる詰まりや、管内に堆積した塊がサイクロン11に飛散し、サイクロン詰まりを生じるなどのトラブルを回避できるようになった。また、図3のように流れの淀みをなくすように排ガス流出管19を二段階に絞る方法も効果的である。
【0030】
排ガス流入管18は45°以上の傾斜が必要で、(好ましくは50°以上)この角度が取れない場合は図5に示すようにダストによる詰まりを生じた。この対策として、エアーブラスター22等の圧縮空気で吹き飛ばす設備を設置し、エアーブラスターノズル24の先端は排ガス流入管18の壁面に沿って下向きに設置するのが効果的であり、図5(b)に示すように4箇所のエアーブラスターノズル24を設置した結果、問題は解消された。
【0031】
実際に運転した一例を図6に示した。実験に使用した装置は排ガス量58m3N/minで、キルン排ガス温度737℃を空気、水によって冷却したものであるが、排ガス量が多い場合など、スケールを大きくする場合には図4に示すように並列および直列に散水ノズルを配置する。この場合、すでに述べたように互いに干渉しないクリアランスを保つ必要がある。
【0032】
これまでセメント及びセメント系固化材の製造装置における排ガス急冷装置として本発明を説明してきたが、本発明の急冷装置はセメント製造装置の他にも排ガス中のダイオキシンの再合成が考えられるすべての装置に適用可能である。また排ガスに揮散した塩素化合物が含まれ、ダクト等でコーティングが問題となるすべての装置に適用可能である。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は極めて簡単な方法及び装置により、塩素を多量に含む排ガスを急冷することにより、コーティングトラブルを解消すると共に、ダイオキシンの再生成を抑制し、キルンの安定運転を可能とする一方、排ガスダストを効率的に処理して活用し、都市ゴミ焼却灰などの塩素を多量に含む原料を用いて安定したセメント及びセメント系固化材を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセメント製造装置の実施例を示す概略図である。
【図2】本発明の急冷装置である水冷手段を示す断面図(a)とその側面図(b)である。
【図3】本発明の急冷装置の別の実施例の断面図である。
【図4】本発明の急冷装置の他の実施例の断面図(a)とA−A線で切った断面図(b)である。
【図5】本発明の急冷装置においてダストが付着した断面図(a)とそのB−B線で切った断面図である。
【図6】本発明のセメント製造装置を実際に運転した結果を示すデータである。
【符号の説明】
1 原料タンク
2 スクリューコンベヤ
3 キルンインレットフッド
4 キルン
5 クーラ
6 バーナ
7 バグフィルタ
8 ファン
9 冷却用ファン
10 水冷装置
11 サイクロン
12 冷気ダンパー
13 バグフィルター
14 ファン
15 煙突
16 散水ノズル
17 散水フレーム
18 排ガス流入管
19 排ガス流出管
20 重力分離管
21 排ガス入口
22 コーティング
23 エアーブラスタ
24 エアーブラスタノズル
A 調合原料

Claims (17)

  1. キルンを備えるセメント及びセメント系固化材の製造装置において、
    前記キルンの排ガスを空冷した後に水冷することにより温度250〜280℃に急冷する手段が前記キルンに直接連通して設置され
    排ガスダクトをさらに備え、前記排ガスを急冷する手段が前記キルンと前記排ガスダクトとの間に設置され、
    前記排ガスを急冷する手段が、
    前記排ガスを温度400〜600℃まで空冷する手段と、
    前記排ガスを空冷する手段により空冷された前記排ガスをさらに温度250〜280℃まで水冷する手段と
    からなることを特徴とするセメント及びセメント系固化材の製造装置。
  2. 前記排ガスを空冷する手段が空気を吹き込む手段であることを特徴とする請求項1に記載のセメント及びセメント系固化材の製造装置。
  3. 前記排ガスを水冷する手段が散水する手段であることを特徴とする請求項1に記載のセメント及びセメント系固化材の製造装置。
  4. 前記排ガスを水冷する手段が水と圧縮空気の二流体噴霧を行うことを特徴とする請求項3に記載のセメント及びセメント系固化材の製造装置。
  5. 前記排ガスを水冷する手段が同一平面内に複数設けられることを特徴とする請求項又は4に記載のセメント及びセメント系固化材の製造装置。
  6. 前記排ガスを水冷する手段が、散水された水が互いに干渉しないような間隔をおいて同一平面内に複数設けられることを特徴とする請求項5に記載のセメント及びセメント系固化材の製造装置。
  7. 前記排ガスを水冷する手段が上下に複数段設けられることを特徴とする請求項6のいずれか一項に記載のセメント及びセメント系固化材の製造装置。
  8. 前記排ガスを水冷する手段において、散水された水が装置の壁面まで300mm以上離れていることを特徴とする請求項7のいずれか一項に記載のセメント及びセメント系固化材の製造装置。
  9. 前記排ガスを水冷する手段において、散水された水の粒子が面積平均径で30〜100μであることを特徴とする請求項8のいずれか一項に記載のセメント及びセメント系固化材の製造装置。
  10. 前記排ガスを水冷する手段において、排ガスの気流速度を0.5〜5.0m/sに抑制することを特徴とする請求項9のいずれか一項に記載のセメント及びセメント系固化材の製造装置。
  11. 前記排ガスを水冷する手段が排ガス流入管と該排ガス流入管に連通する重力分離管と該重力分離管の上部に連通して設けられた排ガス流出管からなる水冷装置であることを特徴とする請求項10のいずれか一項に記載のセメント及びセメント系固化材の製造装置。
  12. 前記水冷装置において、重力分離管が排ガス流入管より断面積の大きい管であることを特徴とする請求項11に記載のセメント及びセメント系固化材の製造装置。
  13. 前記水冷装置において、排ガス中の粗大粒子を再び直接キルンへ戻す手段を有することを特徴とする請求項11又は12に記載のセメント及びセメント系固化材の製造装置。
  14. 前記水冷装置において、前記粗大粒子を直接キルンへ戻す手段が前記水冷装置下部の前記排ガス流入管が下から上にゆくに従って漏斗状に広がり、その傾斜角度が45℃以上であることを特徴とする請求項13に記載のセメント及びセメント系固化材の製造装置。
  15. 前記水冷装置において、前記粗大粒子を直接キルンへ戻す手段が空気を吹き付ける手段であることを特徴とする請求項13又は14に記載のセメント及びセメント系固化材の製造装置。
  16. 前記水冷装置において、前記排ガス流出管が下から上にゆくに従って緩やかに狭くなることを特徴とする請求項1115のいずれか一項に記載のセメント及びセメント系固化材の製造装置。
  17. 前記排ガス流出管が傾斜角度の異なる二段階の傾斜で排ガス出口を緩やかに狭くすることを特徴とする請求項1116のいずれか一項に記載のセメント及びセメント系固化材の製造装置。
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