JP2008073682A - アスベスト系廃棄物の処理システム及び処理方法 - Google Patents

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Junichi Chiba
順一 千葉
Akira Noma
野間  彰
Tadahachi Goshima
忠八 五島
Tomohiro Harada
朋弘 原田
Norio Yoshimitsu
範雄 吉光
Masayasu Kimura
真康 木村
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Abstract

【課題】各装置のメンテナンス時における作業員の安全性を確保できるとともに、処理室内の装置周辺空間に浮遊するダストの除去効率を向上することができるアスベスト系廃棄物の処理システム及び処理方法を提供する。
【解決手段】アスベスト系廃棄物の処理装置が存在する処理空間にて、該処理装置のメンテナンス計画に基づいてメンテナンス区域が設定され、この区域毎に密閉状の仕切り空間が形成されている。さらに仕切り空間の上方に水噴霧ノズル40を設け、水噴霧ノズルにて、水粒径100μm以下の水粒子を噴霧する。好適には、メンテナンス区域毎に、水噴霧ノズル40により水粒径100μm以下の水粒子を噴霧する微粒子モードと、水粒径100μ以上の水粒子を噴霧する粗粒子モードとから選択するモード選択手段を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、アスベスト系廃棄物を熱処理して無害化する技術に関し、特にアスベストの飛散を防止し、メンテナンス時等に作業員が処理空間に侵入する際にその安全性を確保することができるアスベスト系廃棄物の処理システム及び処理方法に関する。
アスベスト(石綿)は天然の繊維性鉱物で、耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性などの優れた特性を有しており、従来は建築物の保護材や種々の保温材などとして広範囲で使用されていたが、現在は発ガン性等の人体の健康に対する影響が指摘され、アスベストの使用、生産は規制されている。そこで、近年は大量に使用されてきたアスベスト材の廃棄処理が問題となっている。
アスベストは非常に微細な繊維であり、飛散したアスベストの粉塵を人が吸引すると疾病を引き起こす惧れがあるため、現在アスベスト系廃棄物は特別管理産業廃棄物に指定され、アスベスト系廃棄物の処理に際しては、所要の措置を講じる必要がある。また、過去に一般廃棄物、通常の産業廃棄物として埋め立てられたアスベスト系廃棄物も存在し、これについても無害化処理することが望まれている。
従来の代表的なアスベスト系廃棄物の処理方法としては、特別管理産業廃棄物としてセメント固化若しくは密閉梱包した後に最終処分場に埋め立てる方法、溶融或いは焼成に代表される熱処理により分解無害化する方法が挙げられる。最終処分場に埋め立てる場合には埋立地の枯渇化、管理体制による費用増大等の問題から埋立処理には限界がある。一方、熱処理による中間処理を行い、分解無害化されたアスベスト系廃棄物は、通常の産業廃棄物として取り扱うことができるようになる。
一般的に溶融処理は、アスベスト系廃棄物を1500℃以上の炉内で溶融した後固化するもので、これによりセメント固化する場合に比べて極めて容積を小さくすることができる。溶融処理を行う方法として、特許文献1(特開平10−337547号公報)では、アスベスト系廃棄物を処理設備への搬送中に飛散しないように二重のプラスチック袋に詰めて搬送し、処理設備ではアスベスト系廃棄物を袋ごと溶融炉に投入し、溶融処理する方法が開示されている。溶融固化後に、スラグは最終処分場に埋立られる。
また、特許文献2(特開2000−79380号公報)には、廃アスベスト材を破砕機で細かくし接着剤と混練してペレット化してから溶融炉に投入する技術が開示されている。しかし、この方法では廃アスベスト材を破砕する際に飛散するダストについては防止する手段を備えていない。
これに対して、特許文献3(特開平4−18974号公報)には、負圧密閉状態に維持された外郭体内に破砕機が配置され、該破砕機の破砕物投入口に液体を噴霧して石綿セメント管を破砕する技術が開示されている。これは破砕時におけるアスベス飛散を防止する。
特開平10−337547号公報 特開2000−79380号公報 特開平4−18974号公報
上記したように、アスベスト系廃棄物の処理において、アスベストを含有したダストの飛散を防止する技術が種々提案されている。
しかしながら、特許文献1ではプラスチック袋に封入できないスレート材のような大径物には適用できず、アスベストの飛散を確実に防止することはできない。また、大径のアスベスト系廃棄物の場合は溶融前に破砕する必要があるが、破砕時にアスベスト含有ダストが飛散する可能性が高い。同様に、特許文献2でも破砕時のダスト飛散が問題となる。さらに、特許文献3ではアスベスト系廃棄物の破砕物が水浸しとなり、これを溶融処理する場合にエネルギーが増大してしまうという問題がある。また、破砕機のホッパ上部にのみ水スプレーが設置されているが、外郭体の空間内に浮遊するダストを捕獲する構成は開示されていない。
特許文献3に記載されるように、アスベスト系廃棄物を処理する際には大気中にダストが放散しないように、装置が設置される空間は密閉された処理室(外郭体)で囲繞されている。しかし、装置のメンテナンスや緊急時等には処理室内に作業員が入るため、処理室内空間もアスベスト濃度を低くする必要があるが、従来はその対策は採られていないのが実状であった。
従って、本発明は上記従来技術の問題点に鑑み、各装置のメンテナンス時における作業員の安全性を確保できるとともに、処理室内の装置周辺空間に浮遊するダストの除去効率を向上することができるアスベスト系廃棄物の処理システム及び処理方法を提供することを目的とする。
そこで、本発明はかかる課題を解決するために、アスベスト系廃棄物の処理装置が存在する処理空間にて、前記処理装置のメンテナンス計画に基づいてメンテナンス区域が設定され、該メンテナンス区域毎に密閉状の仕切り空間が形成されており、
前記仕切り空間の上方に水噴霧ノズルを設け、
前記水噴霧ノズルは、水粒径100μm以下の水粒子を噴霧する構成としたことを特徴とする。
これは、仕切り空間に水を噴霧することにより浮遊ダストを補足して、処理室内のアスベスト濃度を低下させるものである。本発明では仕切り空間毎に独立して水を噴霧する構成としたため、メンテナンス頻度が低い仕切り空間では水噴霧を控えることができ、排水発生量を低減できる。
さらに本発明では、水粒径100μm以下の水粒子を噴霧することにより、水粒子とアスベスト粒子との衝突率が向上し、アスベスト含有粉塵の捕集効率が向上する。従って、安全性の高い処理空間とすることが可能である。
また、前記メンテナンス区域毎に、前記水噴霧ノズルにより水粒径100μm以下の水粒子を噴霧する微粒子モードと、水粒径100μ以上の水粒子を噴霧する粗粒子モードとから選択するモード選択手段を備えることを特徴とする。
前記微粒子モードでは、水粒子とアスベスト粉塵の衝突率が高いため、粉塵除去効率を高くすることができる。
一方、前記粗粒子モードでは、水粒子とアスベスト粉塵の衝突率は微粒子モードよりも低いが、アスベスト粉塵を捕捉した水粒子の質量が増大するため、落下しやすくなり、短時間でアスベスト粉塵を除去することができる。
従って、これらのモードを適宜使い分けることにより、使用目的に応じた適切な浄化処理が可能となる。
さらに、前記仕切り空間に、流速0.5m/s以下の下降流を発生させる下降流発生手段を設けたことを特徴とする。
本発明では、下降流を形成することによりダストの沈降速度を増加させ、空間内のアスベスト濃度を低下させることができ、且つ下降流の流速を0.5m/s以下とすることにより、アスベスト粒子と水粒子の衝突率を大幅に低下させることなく、粉塵除去効率を維持することが可能である。
さらにまた、前記仕切り空間内に水噴霧ノズルが複数設置され、該水噴霧ノズルは垂直方向下向きより上方へ角度を以って設置されるとともに、前記仕切り空間内に旋回状の水粒子流れが形成されるように夫々のノズルが設置されるようにしたことを特徴とする。
これにより、水噴霧ノズルから噴霧される水粒子が真下に落下することなく、空間での滞留時間が増加してアスベスト粉塵との衝突率が増大するとともに、水粒子が仕切り空間内に万遍なく分散され、アスベスト含有粉塵との衝突率が増大し、粉塵除去効率が向上する。
また、アスベスト系廃棄物の処理装置を備えた処理空間にて、該処理装置のメンテナンス計画に基づいてメンテナンス区域が設定され、該メンテナンス区域毎に密閉状の仕切り空間が形成されており、
前記仕切り空間の上方に水噴霧ノズルが設けられ、
前記メンテナンス区域毎に、前記水噴霧ノズルから噴霧する水粒径を100μm以下とした微粒子モードと、水粒径100μ以上とした粗粒子モードとからモードを選択するようにしたことを特徴とする。
また、前記仕切り空間が無人状態のとき、前記微粒子モードとするとともに該空間内に流速0.5m/s以下の下降流を発生させるようにしたことを特徴とする。
さらに、前記仕切り空間のメンテナンス前に、前記微粒子モードとしてアスベスト含有粉塵に水粒子を衝突させた後、前記粗粒子モードとして前記粉塵を捕捉した水粒子を落下させるようにしたことを特徴とする。さらにまた、前記粗粒子モード時に、流速0.5m/s以下の下降流を発生させることが好ましい。
以上記載のごとく本発明によれば、メンテナンス区域毎に形成された仕切り空間に水を噴霧することにより浮遊ダストを補足して、処理室内のアスベスト濃度を低下させるようにし、水噴霧ノズルにより水粒径100μm以下の水粒子を噴霧することにより、水粒子とアスベスト粒子との衝突率が向上し、アスベスト含有粉塵の捕集効率が向上する。従って、安全性の高い処理空間とすることが可能である。
また、水粒径100μm以下の水粒子を噴霧する微粒子モードと、水粒径100μ以上の水粒子を噴霧する粗粒子モードとから選択可能な構成とし、これらのモードを適宜使い分けることにより、使用目的に応じた適切な浄化処理が可能となる。
さらに、仕切り空間内に下降流を形成することによりダストの沈降速度を増加させ、空間内のアスベスト濃度を低下させることができ、且つ下降流の流速を0.5m/s以下とすることにより、アスベスト粒子と水粒子の衝突率を大幅に低下させることなく、粉塵除去効率を維持することが可能である。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
図1は本発明の実施例に係る処理システムの全体構成図、図2は水噴霧ノズルの設置構成を示す側面図、図3は水噴霧ノズルの設置構成を示す平面図、図4〜図6は水粒子とアスベスト含有粉塵との衝突割合を示すグラフである。
アスベスト系廃棄物の処理システムには、図1に示すように、アスベスト系廃棄物の破砕機10、搬送コンベア17、21、サイロ19、ホッパ25、溶融炉30等の各種の処理装置が存在する。尚、ここではアスベスト系廃棄物の溶融若しくは焼成等の熱処理を行うことによりアスベストを無害化するシステムにつき説明するが、これに限定されるものではなく、アスベスト系廃棄物の各種処理にてアスベスト含有粉塵(以下、アスベスト粉塵と称する)が飛散する可能性のある処理空間全般に適用可能である。
本実施例では、このような各種の処理装置が存在する処理空間にて、アスベスト系廃棄物の粉塵が発生する部位を密閉状に仕切り、この仕切り空間内に水を噴霧してアスベスト粉塵の飛散を防止する構成となっている。
前記仕切り空間は、該空間内に存在する処理装置のメンテナンス計画に基づいてメンテナンス区域が設定され、該メンテナンス区域毎に設けられることが好ましい。この詳細については後述する。
本実施例では、仕切り空間の上方に設置された水噴霧ノズル40を備える。該水噴霧ノズル40では、水粒径100μm以下の水粒子を噴霧する構成とする。さらに好ましくは、水粒子の粒径を調整可能な水噴霧ノズル40とし、二流体ノズル等が用いられる。
この水噴霧40ノズルは、一つの仕切り空間内に複数設置される。設置例としては、仕切り空間の天井付近若しくは壁面上方に水を送給する配管を配設し、該配管にノズルを吊設する構成、或いはこの配管を仕切り空間の天井若しくは壁面に埋設し、天井若しくは壁面に直接ノズルを配設する構成などが挙げられる。
図2に、水噴霧ノズル40の設置例を示す。この水噴霧ノズル40は、壁面8に配設されたヘッダ401に固定され、そのノズル口が垂直方向下向きより上方へ角度を以って配置される。さらに好適には、ノズル口が略水平方向に向くように設置する。これにより、水噴霧ノズル40から噴霧される水粒子が真下に落下することなく、空間での滞留時間が増加してアスベスト粉塵との衝突率が増大し、粉塵除去効率が向上する。尚、前記水噴霧ノズル40は、その角度を可動自在に構成することもできる。
また図3に示すように、水噴霧ノズル40により、仕切り空間内に旋回状の水粒子流れが形成されるようにしてもよい。これは、例えば複数の水噴霧ノズル40を、旋回円の略接線方向に向けて配置することにより可能となる。これにより、水粒子が仕切り空間内に万遍なく分散され、アスベスト含有粉塵との衝突率が増大し、粉塵除去効率が向上する。
また、仕切り空間に、流速0.5m/s以下の下降流を発生させる下降流発生手段を設けた構成とする。この下降流発生手段は、仕切り空間の下部に排気部6、39(図1参照)を設け、該排気部6、39より空間内部を吸引することにより可能となる。このとき、仕切り空間上部に、通風口を設けるようにしてもよい。
さらに、本実施例では、水噴霧ノズル40を粒径調整可能な構成とするとともに、メンテナンス区域毎に、水噴霧ノズル40により水粒径100μm以下の水粒子を噴霧する微粒子モードと、水粒径100μ以上の水粒子を噴霧する粗粒子モードとから選択するモード選択手段を備える。
前記微粒子モードでは、水粒子とアスベスト粉塵の衝突率が高いため、粉塵除去効率を高くすることができる。
一方、前記粗粒子モードでは、水粒子とアスベスト粉塵の衝突率は微粒子モードよりも低いが、アスベスト粉塵を捕捉した水粒子の質量が増大するため、落下しやすくなり、短時間でアスベスト粉塵を除去することができる。
従って、これらのモードを適宜使い分けることにより、使用目的に応じた適切な浄化処理が可能となる。
モード選択手段の使用条件として、以下の条件が挙げられる。
仕切り空間が無人状態のとき、前記微粒子モードとするとともに該空間内に流速0.5m/s以下の下降流を発生させる。
これにより、アスベスト粉塵の除去効率を向上させ、さらに下降流を発生させることによりアスベスト粉塵を捕捉した水粒子を強制的に落下させることが可能となる。
また、仕切り空間のメンテナンス前に、前記微粒子モードとしてアスベスト含有粉塵に水粒子を衝突させた後、前記粗粒子モードとして前記粉塵を捕捉した水粒子を落下させるようにする。
これにより、仕切り空間内に作業員が侵入するメンテナンス時に、該空間内のアスベスト濃度を低くすることが可能である。
次いで、図1を参照して、本実施例が適用されるシステムの一例につき説明する。
アスベスト系廃棄物は、少なくともアスベストを含む廃棄物であり、例えばスレート材等の建築廃材、保温材或いは断熱材等の各種工業製品などが挙げられる。
この処理システムでは、アスベスト系廃棄物63の破砕から溶融、排ガス処理、スラグ処理までの各工程で必要とされる各種装置が密閉空間である処理室100内に収容されている。処理室100には、集積されたアスベスト系廃棄物63を貯留するピット室1、該アスベスト系廃棄物63を破砕する破砕機10、破砕物を搬送する搬送コンベア17、21、破砕物を溶融する溶融炉30からなる主要装置類が設けられている。
ピット室1の入り口にはダブルシャッタ61が設置され、搬送車両60が出入する際にアスベストが外部へ放散しないようになっている。ピット室1上部にはクレーン2が設けられ、該クレーン2によりアスベスト系廃棄物63は粗破砕されるとともに、粗破砕したアスベスト系廃棄物63が破砕機10のホッパ11に投入される。
破砕機10は、最上部にホッパ11が位置し、該ホッパ11の下方に回転刃13が設けられている。
破砕機10から排出されたアスベスト系廃棄物の破砕物は、搬送コンベア17、21により溶融炉30へ搬送される。搬送コンベア17、21は、アスベストが飛散しないようにケーシング18、22により密閉されている。また、搬送コンベア17と搬送コンベア21の間にはサイロ19が設けられる。
搬送コンベア21の終端側には、溶融炉30に連結したホッパ25が設けられている。搬送コンベア21の終端とホッパ25の間には、二重ダンパ23が設置される。
溶融炉30は、炉内はアスベストが溶融する温度として予め設定された規定温度以上、好適には1500℃以上に維持され、溶融後は、適宜溶融スラグをオーバーフローさせ出滓口より流出させる。
溶融炉30から排出された溶融スラグは水砕槽35内に流下する。高温の溶融スラグは、水砕槽35内に貯留された冷却水によって急冷され、粒上の塊である水砕スラグとなって水砕コンベア34により搬送され排出される。
一方、溶融炉30から排ガスダクト31を介して排出された排ガスは、二次燃焼室32、減温塔33、バグフィルタ36、HEPAフィルタ37、湿式洗煙塔38の順に接続された排ガス処理設備により処理された後、煙突54から大気放出される。ここで、HEPAフィルタ(High Efficiency ParticulateAir Filter)37とは、空気中からゴミ、塵埃などを取り除き、清浄空気にする目的で使用する高性能フィルタの一種であり、空気清浄機やクリーンルームのメインフィルタとして用いられる公知のフィルタである。
上記した構成が、アスベスト系廃棄物の処理システムに具備される一般的な装置構成の例である。本実施例では上記構成に加えて、各部位のメンテナンス区域毎に仕切り空間を形成し、該仕切り空間のうち少なくとも破砕機10及び溶融炉30が存在する空間を負圧に維持する構成を備える。
処理システムの各部位のメンテナンス頻度、時期等は異なる。従って、メンテナンス計画に基づいてメンテナンス区域を設定し、該メンテナンス区域毎に複数の仕切り空間を形成するようにした。仕切り空間は夫々密閉されている。仕切り空間は少なくとも、ピット室1、破砕機19を備える前処理室5、溶融炉30を備える炉室30が、夫々異なる仕切り空間に存在するように形成する。ピット室1と前処理室の間は仕切り壁7で分離され、前処理室5と炉室20の間は仕切り壁8で分離される。
また、仕切り空間を負圧に維持する手段として、各仕切り空間に排気部3、6、39が設けられている。このとき、ピット室1の排気部3は仕切り空間上部に設け、その他の仕切り空間の排気部は空間下部に設ける。ピット室1は、唯一仕切り空間内にてアスベスト系廃棄物63が露出しているため、下部から排気すると大径のアスベスト系廃棄物を吸引してしまう惧れがある。従って、上方より排気することによりアスベスト系廃棄物の吸引量を少なくする。
前処理室5の排気部6及び炉室20の排気部39は底面に近い下方に位置する。これにより、仕切り空間内に下降流が形成される。
また、図1に示すように、前処理室5及び炉室20の底面には、再飛散防止帯が形成されている。本実施例では図示されるように、底面に敷設したグレーチング70の下方に水流71を形成している。
下降流により落下したアスベストを含むダストが、グレーチング70を介して水流71に捕獲されるため、ダストが再飛散することを防止できる。グレーチング70下方には、運転時に浅い水溜めを形成し、定期的若しくは間欠的、或いはメンテナンス直前に水流71を発生させてダストを含む水を排出するようにしてもよい。尚、上記した以外にも、再飛散防止帯として、粘着面を有する床面としてもよい。
また、夫々の仕切り空間には、排気部に対応した吸込み口(不図示)を設けることが好ましい。吸込み口は、前処理室5、炉室20等の下降流を形成する空間においては、空間上方に設ける。好ましくは、吸込み口は大気から空気を吸引するようにし、吸込み管路上にはHEPAフィルタ等の高性能フィルタを設置する。これにより、空気が逆流した場合にもアスベストが大気放散されることを防げる。また、吸込み口には圧損調整手段を設け、仕切り空間内が負圧に維持できるように調整する。
各仕切り空間の排気部3、6、39は排気管4、9に接続され、排気管4、9を介してバグフィルタ51、HEPAフィルタ52に順次導入され除塵される。バグフィルタ51で捕集したダストは、サイロ19に導入して粉砕物とともに溶融処理することが好ましい。
HEPAフィルタ52の後方には誘引ファン53が設置されている。誘引ファン53を通った排ガスは、煙突54より大気放出される。排気通路にはアスベスト濃度計若しくは煤塵濃度計41eが設置され、大気放出される排ガスが規定濃度以下のアスベスト濃度であることを監視するとよい。これらの排気系装置は、独立した仕切り空間である排気室50内に設置される。
ここで、アスベスト粉塵と水粒子との衝突率(割合)について検証した。図4乃至図6に水粒子とアスベスト粉塵の衝突割合に関するグラフを示す。
図4は、水粒径と衝突割合の相関関係を示すグラフであり、このグラフに示されるように、水粒径が小さくなるほどアスベスト粉塵との衝突割合は増大する。これは、水粒径が小さくなることで重量あたりの断面積が大きくなること、及び終末速度が遅くなり、滞留時間が長くなるためと考えられる。また、衝突割合が1を超えるためには、粒径を100μm以下にすることが必要であることがわかる。
尚、衝突割合にて1を超える場合があるが、これは水粒子が同じ軌跡を通らずに単位体積中を通過すると仮定し、実際には1つのアスベスト粒子に1回しか衝突しないが、1つのアスベスト粒子に何度も水粒子が衝突する回数を積算しているためである。
ここで、水粒子とアスベスト粉塵の衝突割合を増大させる方法として、水供給量を増加させる方法が考えられる。そこで、図5に、水供給量と衝突割合の相関関係を示すグラフである。このグラフに示されるように、水供給量を増加させることにより、衝突割合が増大することがわかる。しかし、水粒径を小さくすると衝突割合が指数関数的に急激に増大するのに比べて、水供給量の増加による衝突割合の増大は比例的関係である。従って、水供給量を増加させることより、水粒径を小さくすることが、衝突割合を増大させるのに効果的なであることがわかる。
また、図6に下降流速度と衝突割合の相関関係を示す。同図に示されるように、下降流速度は速いほど衝突割合が低くなる結果であった。これは、下降流によって水粒子の滞留時間が短くなるためと考えられる。しかし、アスベスト粉塵を捕捉した水粒子を素早く除去したい場合には、下降流を用いることが効果的である。そこで、衝突割合が大幅に低減することなく、且つ下降流を用いるためには、図6より1m/s以下、好ましくは0.5m/s以下とするとよい。
本発明の実施例に係る処理システムの全体構成図である。 水噴霧ノズルの設置構成を示す側面図である。 水噴霧ノズルの設置構成を示す平面図である。 水粒径と衝突割合の相関関係を示すグラフである。 水供給量と衝突割合の相関関係を示すグラフである。 下降流速度と衝突割合の相関関係を示すグラフである。
符号の説明
1 ピット室
3、6、14、39 排気部
4、9、15 排気管
5 前処理室
7、8 仕切り壁
10 破砕機
17、21 搬送コンベア
18、22 ケーシング
20 炉室
30 溶融炉
40 水スプレー
41a〜41e アスベスト濃度計又は煤塵濃度計
50 排気室

Claims (7)

  1. アスベスト系廃棄物の処理装置が存在する処理空間にて、前記処理装置のメンテナンス計画に基づいてメンテナンス区域が設定され、該メンテナンス区域毎に密閉状の仕切り空間が形成されており、
    前記仕切り空間の上方に水噴霧ノズルを設け、
    前記水噴霧ノズルは、水粒径100μm以下の水粒子を噴霧する構成としたことを特徴とするアスベスト系廃棄物の処理システム。
  2. 前記メンテナンス区域毎に、前記水噴霧ノズルにより水粒径100μm以下の水粒子を噴霧する微粒子モードと、水粒径100μ以上の水粒子を噴霧する粗粒子モードとから選択するモード選択手段を備えることを特徴とする請求項1記載のアスベスト系廃棄物の処理システム。
  3. 前記仕切り空間に、流速0.5m/s以下の下降流を発生させる下降流発生手段を設けたことを特徴とする請求項1若しくは2記載のアスベスト系廃棄物の処理システム。
  4. 前記仕切り空間内に水噴霧ノズルが複数設置され、該水噴霧ノズルは垂直方向下向きより上方へ角度を以って設置されるとともに、前記仕切り空間内に旋回状の水粒子流れが形成されるように夫々のノズルが設置されるようにしたことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のアスベスト系廃棄物の処理システム。
  5. アスベスト系廃棄物の処理装置を備えた処理空間にて、該処理装置のメンテナンス計画に基づいてメンテナンス区域が設定され、該メンテナンス区域毎に密閉状の仕切り空間が形成されており、
    前記仕切り空間の上方に水噴霧ノズルが設けられ、
    前記メンテナンス区域毎に、前記水噴霧ノズルから噴霧する水粒径を100μm以下とした微粒子モードと、水粒径100μ以上とした粗粒子モードとからモードを選択するようにしたことを特徴とするアスベスト系廃棄物の処理方法。
  6. 前記仕切り空間が無人状態のとき、前記微粒子モードとするとともに該空間内に流速0.5m/s以下の下降流を発生させるようにしたことを特徴とする請求項5記載のアスベスト系廃棄物の処理方法。
  7. 前記仕切り空間のメンテナンス前に、前記微粒子モードとしてアスベスト含有粉塵に水粒子を衝突させた後、前記粗粒子モードとして前記粉塵を捕捉した水粒子を落下させるようにしたことを特徴とする請求項5記載のアスベスト系廃棄物の処理方法。
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