JP4339727B2 - 炭素繊維の製造方法 - Google Patents

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本発明は炭素繊維を製造する方法に関し、更に詳しくは、熱可塑性樹脂と熱可塑性炭素前駆体とからなる混合物から、炭素繊維より好ましくは極細炭素繊維、具体的には繊維径が2μm未満である炭素繊維を製造する方法に関する。
炭素繊維は高強度、高弾性率、高導電性、軽量等の優れた特性を有している事から、高性能複合材料のフィラーとして使用されている。その用途は、従来からの機械的強度向上を目的とした補強用フィラーに留まらず、炭素材料に備わった高導電性を生かし、電磁波シールド材、静電防止材用の導電性樹脂フィラーとして、あるいは樹脂への静電塗料のためのフィラーとしての用途が期待されている。また炭素材料としての化学的安定性、熱的安定性と微細構造との特徴を生かし、フラットディスプレー等の電界電子放出材料としての用途も期待されている。
このような、高性能複合材料用としての炭素繊維の製造法として、(1)気相法を用いた炭素繊維の製造法、(2)樹脂組成物の溶融紡糸から製造する方法の2つが報告されている。
気相法を用いた製造法としては、たとえばベンゼン等の有機化合物を原料とし、触媒としてフェロセン等の有機遷移金属化合物をキャリアーガスとともに高温の反応炉に導入し、基盤上に生成させる方法(例えば、特許文献1を参照。)、浮遊状態で気相法により炭素繊維を生成させる方法(例えば、特許文献2を参照。)、あるいは反応炉壁に成長させる方法(例えば、特許文献3を参照。)等が開示されている。しかし、これらの方法で得られる炭素繊維は高強度、高弾性率を有するものの、分岐が多く、その分岐のためにグラファイト構造の乱れ、すなわちグレイン構造が観察され、弾性率・強度を低下させるといった問題があり、また、分岐による炭素繊維同士の絡みあいにより、樹脂へのブレンド分散性を低下させるといった問題点を有しており、補強用フィラーとしては性能が非常に低いものであった。更に、コスト高になるという問題もあった。
一方、樹脂組成物の溶融紡糸から炭素繊維を製造する方法としては、フェノール樹脂とポリエチレンの複合繊維から極細炭素繊維を製造する方法(例えば、特許文献4を参照)が開示されている。該方法の場合、分岐構造の少ない炭素繊維が得られるが、フェノール樹脂は完全非晶であるため、配向形成しにくく、且つ難黒鉛化性であるため得られる極細炭素繊維の強度、弾性率の発現は期待できない等の問題があった。また、ポリエチレンを介して安定化処理するために、多大な時間がかかる等の問題を有していた。
特開昭60−27700号公報(第2−3頁) 特開昭60−54998号公報(第1−2頁) 特許第2778434号公報(第1−2頁) 特開2001−73226号公報(第3−4頁)
本発明の目的は、高強度、高弾性率を有する極細炭素繊維を、安定化処理時間を短くすることで、生産性良く製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記従来技術に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の目的は、
本発明の炭素繊維は、(1)30℃における酸素の拡散係数が9.0×10−7〜1.0×10−4(cm/sec)である熱可塑性樹脂100重量部と、ピッチ、ポリアクリロニトリル、ポリカルボジイミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリベンゾアゾール、およびアラミド類からなる群より選ばれる少なくとも一種の熱可塑性炭素前駆体1〜150重量部とからなる混合物からメルトブロー法により前駆体繊維を形成する工程、(2)前駆体繊維を安定化処理に付して前駆体繊維中の熱可塑性炭素前駆体を安定化して安定化前駆体繊維を形成する工程、(3)安定化前駆体繊維から熱可塑性樹脂を除去して繊維状炭素前駆体を形成する工程、そして、(4)繊維状炭素前駆体を炭素化もしくは黒鉛化する工程を経ることによって達成される。
また、本発明の製造方法には、30℃における酸素透過率が9.0×10−10〜1.0×10−5(cm・cm/cm・sec・cmHg)である熱可塑性樹脂を用いること、
(1)の工程において、繊維径が0.01〜20μmである前駆体繊維を形成すること、(1)の工程において、繊維径が0.05〜10μmである前駆体繊維を形成すること、(2)の工程において、安定化処理をハロゲンと酸素との混合ガス下で実施すること、ハロゲンガスとして沃素を使用すること、ピッチがメソフェーズピッチであること、熱可塑性樹脂が下記式(I)で表される熱可塑性樹脂を用いること、
Figure 0004339727
熱可塑性樹脂がポリ−4−メチルペンテン−1またはその共重合体であること、が包含される。
熱可塑性樹脂と熱可塑性炭素前駆体の混合物から炭素繊維を製造する方法において、分岐構造が少ない高強度・高弾性率の炭素繊維であって、かつその繊維径が2μm未満である極細炭素繊維を効率的かつ安価に製造することができる。この極細炭素繊維および炭素繊維からなる不織布は、高機能フィルター、電池用電極基材等に利用することができる。
以下、本発明を(A)熱可塑性樹脂、(B)熱可塑性炭素前駆体、(C)熱可塑性樹脂と熱可塑性炭素前駆体からなる混合物の製造、(D)炭素繊維を製造する方法の順に詳細に説明する。
(A)熱可塑性樹脂
本発明で使用する熱可塑性樹脂は前駆体繊維を製造後、安定化処理により熱可塑性樹脂内に酸素やハロゲンガスを容易に取り込む必要がある。このため、30℃における酸素の拡散係数が9.0×10−7〜1.0×10−4(cm/sec)である熱可塑性樹脂が好適に用いられる。熱可塑性樹脂の30℃における酸素拡散係数が9.0×10−7cm/secより低いと、安定化処理に多大の時間を要し好ましくない。一方、1.0×10−4cm/secを超えると、酸素拡散は非常に優れるものの、熱可塑性樹脂の耐熱性が非常に低くなり、結果として安定化処理に多大な時間を要し好ましくない。
一般に、酸素透過率は熱可塑性樹脂への酸素拡散係数と酸素溶解度の積により評価することができる。先に述べたように、前駆体繊維を製造後、安定化処理により熱可塑性樹脂内に酸素やハロゲンガスを容易に取り込む必要があるため、30℃における酸素透過率が9.0×10−10〜1.0×10−5(cm・cm/cm・sec・cmHg)であることが好ましい。熱可塑性樹脂の酸素透過率が9.0×10−10cm・cm/cm・sec・cmHgより低いと、安定化処理に多大の時間を要し好ましくない。一方、1.0×10−5cm・cm/cm・sec・cmHgを超えると、酸素拡散は非常に優れるものの、熱可塑性樹脂の耐熱性が非常に低くなり、結果として安定化処理に多大な時間を要し好ましくない。
本発明で使用する熱可塑性樹脂は安定化前駆体繊維を製造後、容易に除去される必要がある。このため、酸素または不活性ガス雰囲気下、350℃以上600℃未満の温度で5時間保持することで、初期重量の15wt%以下、より好ましくは10wt%以下、さらには5wt%以下にまで分解する熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。このような熱可塑性樹脂として、ポリオレフィン、ポリメタクリレート、ポリメチルメタクリレート等のポリアクリレート系ポリマー、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、ポリサルホン、ポリイミド、ポリエーテルイミド等が好ましく使用される。これらの中でもガス透過性が高く、容易に熱分解しうる熱可塑性樹脂として、例えば下記式(I)で表されるポリオレフィン系の熱可塑性樹脂が好ましく使用される。
Figure 0004339727
上記式(I)で表される化合物の具体的な例としては、ポリ−4−メチルペンテン−1やポリ−4−メチルペンテン−1の共重合体、例えばポリ−4−メチルペンテン−1にビニル系モノマーが共重合したポリマーなどを例示することができる。
また、本発明の熱可塑性樹脂は熱可塑性炭素前駆体と容易に溶融混煉できるという点から、非晶性の場合、ガラス転移温度が250℃以下、結晶性の場合、結晶融点が300℃以下であることが好ましい。
(B)熱可塑性炭素前駆体
本発明に用いられる熱可塑性炭素前駆体は、酸素または酸素/ハロゲンの混合ガス雰囲気下、200℃以上350℃未満で2〜30時間保持した後、次いで350℃以上500℃未満の温度で5時間保持することで、初期重量の80wt%以上が残存する熱可塑性炭素前駆体を用いるのが好ましい。上記条件で、残存量が初期重量の80%未満であると、熱可塑性炭素前駆体から充分な炭化率で炭素繊維を得ることができず、好ましくない。より好ましくは、上記条件において初期重量の85%以上が残存するのが好ましい。
上記条件を満たす熱可塑性炭素前駆体としては、具体的にはレーヨン、ピッチ、ポリアクリロニトリル、ポリα−クロロアクリロニトリル、ポリカルボジイミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリベンゾアゾール、およびアラミド類等が挙げられ、これらの中でピッチ、ポリアクリロニトリル、ポリカルボジイミドが好ましく、ピッチがさらに好ましい。またピッチの中でも一般的に高強度、高弾性率の期待されるメソフェーズピッチが好ましい。なお、メソフェーズピッチとは溶融状態において光学的異方性相(液晶相)を形成しうる化合物を指す。メソフェーズピッチの原料としては石炭や石油の蒸留残渣を使用してもよく、有機化合物を使用しても良いが、安定化や炭素化もしくは黒鉛化のしやすさから、ナフタレン等の芳香族炭化水素を原料としたメソフェーズピッチを用いるのが好ましい。上記熱可塑性炭素前駆体は熱可塑性樹脂100重量部に対し1〜150重量部、好ましくは5〜100重量部を使用しうる。
(C)熱可塑性樹脂と熱可塑性炭素前駆体からなる混合物の製造
本発明で使用する混合物は、熱可塑性樹脂と熱可塑性炭素前駆体から製造される。本発明で使用する混合物から、繊維径が21μm未満である炭素繊維を製造するためには、熱可塑性炭素前駆体の熱可塑性樹脂中への分散径が0.01〜50μmとなるのが好ましい。
熱可塑性炭素前駆体の熱可塑性樹脂中への分散径が0.01〜50μmの範囲を逸脱すると、高性能複合材料用としての炭素繊維を製造することが困難となることがある。熱可塑性炭素前駆体の分散径のより好ましい範囲は0.01〜30μmである。
また、熱可塑性樹脂と熱可塑性炭素前駆体からなる混合物を、300℃で3分間保持した後、熱可塑性炭素前駆体の熱可塑性樹脂中への分散径が0.01〜50μmであることが好ましい。一般に、熱可塑性樹脂と熱可塑性炭素前駆体の溶融混練で得た混合物を、溶融状態で保持しておくと時間と共に熱可塑性炭素前駆体が凝集する。熱可塑性炭素前駆体の凝集により、分散径が50μmを超えると、高性能複合材料用としての炭素繊維を製造することが困難となることがある。
熱可塑性炭素前駆体の凝集速度の程度は、使用する熱可塑性樹脂と熱可塑性炭素前駆体の種類により変動するが、より好ましくは300℃で5分間、さらに好ましくは300℃で10分間以上0.01〜50μmの分散径を維持していることが好ましい。なお、混合物中で熱可塑性炭素前駆体は島相を形成し、球状あるいは楕円状となる。ここで言う分散径とは混合物中で熱可塑性炭素前駆体の球形の直径または楕円体の長軸径を意味する。
熱可塑性炭素前駆体の使用量は、熱可塑性樹脂100重量部に対して1〜150重量部、好ましくは5〜100重量部である。熱可塑性炭素前駆体の使用量が150重量部を超えると所望の分散径を有する熱可塑性炭素前駆体が得られず、1重量部未満であると目的とする炭素繊維を安価に製造する事ができない等の問題が生じるため好ましくない。
熱可塑性樹脂と熱可塑性炭素前駆体とから混合物を製造する方法は、溶融状態における混練が好ましい。熱可塑性樹脂と熱可塑性炭素前駆体の溶融混練は公知のものを必要に応じて用いる事ができ、例えば一軸押出機、二軸押出機、ミキシングロール、バンバリーミキサー等が挙げられる。これらの中で上記熱可塑性炭素前駆体を熱可塑性樹脂に良好にミクロ分散させるという目的から、同方向二軸押出機が好ましく使用される。
溶融混練温度としては100℃〜400℃で行なうのが好ましい。溶融混練温度が100℃未満であると、熱可塑性炭素前駆体が溶融状態にならず、熱可塑性樹脂とのミクロ分散が困難であるため好ましくない。一方、400℃を超える場合、熱可塑性樹脂と熱可塑性炭素前駆体の分解が進行するためいずれも好ましくない。溶融混練温度のより好ましい範囲は150℃〜350℃である。
また、溶融混練の時間としては0.5〜20分間、好ましくは1〜15分間である。溶融混練の時間が0.5分間未満の場合、熱可塑性炭素前駆体のミクロ分散が困難であるため好ましくない。一方、20分間を超える場合、炭素繊維の生産性が著しく低下し好ましくない。
本発明では、熱可塑性樹脂と熱可塑性炭素前駆体から溶融混練により混合物を製造する際に、酸素ガス含有量10%未満のガス雰囲気下で溶融混練することが好ましい。本発明で使用する熱可塑性炭素前駆体は酸素と反応することで溶融混練時に変性不融化してしまい、熱可塑性樹脂中へのミクロ分散を阻害することがある。このため、不活性ガスを流通させながら溶融混練を行い、できるだけ酸素ガス含有量を低下させることが好ましい。より好ましい溶融混練時の酸素ガス含有量は5%未満、さらには1%未満である。上記の方法を実施することで、炭素繊維からなる不織布を製造するための、熱可塑性樹脂と熱可塑性炭素前駆体から混合物を製造することができる。
(D)炭素繊維を製造する方法
本発明の炭素繊維は、上述熱可塑性樹脂と熱可塑性炭素前駆体からなる混合物から製造することができる。本発明の炭素繊維は、(1)熱可塑性樹脂100重量部と熱可塑性炭素前駆体1〜150重量部からなる混合物から前駆体繊維を形成する工程、(2)前駆体繊維を安定化処理に付して前駆体繊維中の熱可塑性炭素前駆体を安定化して安定化前駆体繊維を形成する工程、(3)安定化前駆体繊維から熱可塑性樹脂を除去して繊維状炭素前駆体を形成する工程、そして、(4)繊維状炭素前駆体を炭素化もしくは黒鉛化する工程を経ることで製造される。各工程について、以下に詳細に説明する。
(1)熱可塑性樹脂と熱可塑性炭素前駆体からなる混合物からメルトブロー法により前駆体繊維を形成する工程
本発明では、熱可塑性樹脂と熱可塑性炭素前駆体の溶融混練で得た混合物から、メルトブロー法により前駆体繊維を形成する。メルトブローの条件としては、口金温度が150〜400℃、ガス温度が150〜400℃の範囲が好適に用いられる。熱可塑性樹脂と熱可塑性炭素前駆体から得られた混合物を溶融混練し、その後紡糸口金より溶融紡糸する際、溶融混練した後溶融状態のままで配管内を送液し紡糸口金まで連続的に送液するのが好ましく、溶融混練から紡糸口金吐出までの移送時間は10分以内である事が好ましい。メルトブローの気体噴出速度は、前駆体繊維の繊維径に影響する。気体噴出速度は、通常2000〜100m/sであり、より好ましくは1000〜200m/sである。
(2)前駆体繊維を安定化処理に付して前駆体繊維中の熱可塑性炭素前駆体を安定化して安定化前駆体繊維を形成する工程
本発明の第二の工程では、前駆体繊維を安定化処理に付して前駆体繊維中の熱可塑性炭素前駆体を安定化して安定化前駆体繊維を形成する。熱可塑性炭素前駆体の安定化は炭素化もしくは黒鉛化された炭素繊維を得るために必要な工程であり、これを実施せず次工程である熱可塑性樹脂の除去を行った場合、熱可塑性炭素前駆体が熱分解したり融着したりするなどの問題が生じる。
安定化の方法としては酸素などのガス気流処理、酸性水溶液などの溶液処理など公知の方法で行なう事ができるが、生産性の面からガス気流下での不融化が好ましい。使用するガス成分としては上記熱可塑性樹脂への浸透性および熱可塑性炭素前駆体への吸着性の点から、また熱可塑性炭素前駆体を低温で速やかに不融化させうるという点から酸素および/またはハロゲンガスを含む混合ガスである事が好ましい。
ハロゲンガスとしては、フッ素ガス、塩素ガス、臭素ガス、沃素ガスを挙げることができるが、これらの中でも臭素ガス、沃素ガス、特に沃素ガスが好ましい。ガス気流下での不融化の具体的な方法としては、温度50〜350℃、好ましくは80〜300℃で、5時間以下、好ましくは2時間以下で所望のガス雰囲気中で処理する事が好ましい。
また上記不融化により前駆体繊維中に含まれる熱可塑性炭素前駆体の軟化点は著しく上昇するが、所望の極細炭素繊維を得るという目的から軟化点が400℃以上となる事が好ましく、500℃以上である事がさらに好ましい。上記の方法を実施することで、前駆体繊維中の熱可塑性炭素前駆体を安定化して安定化前駆体繊維を得ることができる。
(3)安定化前駆体繊維から熱可塑性樹脂を除去して繊維状炭素前駆体を形成する工程
本発明の第三の工程は安定化前駆体繊維に含まれる熱可塑性樹脂を熱分解で除去するものであり、具体的には安定化前駆体繊維中に含まれる熱可塑性樹脂を除去し、安定化された繊維状炭素前駆体のみを分離し、繊維状炭素前駆体を形成する。この工程では、繊維状炭素前駆体の熱分解をできるだけ抑え、かつ熱可塑性樹脂を分解除去し、繊維状炭素前駆体のみを分離する必要がある。熱可塑性樹脂の除去は、酸素雰囲気および不活性ガス雰囲気のどちらでもよい。
酸素雰囲気で熱可塑性樹脂を除去する場合には、350℃以上600℃未満の温度で除去する必要がある。なお、ここで言う酸素雰囲気下とは、酸素濃度が1〜100%のガス雰囲気を指しており、酸素以外に二酸化炭素、窒素、アルゴン等の不活性ガスや、沃素、臭素等の不活性ガスを含有していても良い。これら条件の中でも、特にコストの関係から空気を用いることが特に好ましい。安定化前駆体繊維に含まれる熱可塑性樹脂を除去する温度が350℃未満のとき、繊維状炭素前駆体の熱分解は抑えられるものの、熱可塑性樹脂の熱分解を充分行なうことができず好ましくない。また、600℃以上であると、熱可塑性樹脂の熱分解は充分行なうことができるものの、繊維状炭素前駆体の熱分解も起こってしまい、結果として熱可塑性炭素前駆体から得られる炭素繊維の炭化収率を低下させてしまい好ましくない。
安定化前駆体繊維に含まれる熱可塑性樹脂を分解する温度としては、酸素雰囲気下380〜500℃、さらには400〜450℃の温度範囲で、0.5〜10時間処理するのが好ましい。上記処理を施すことで、使用した熱可塑性樹脂の初期重量の15wt%以下にまで分解される。また、使用した熱可塑性炭素前駆体の初期重量の80wt%以上が繊維状炭素前駆体として残存する。不活性ガス雰囲気下で熱可塑性樹脂を除去する場合には、350℃以上600℃未満の温度で除去する必要がある。なお、ここで言う不活性ガス雰囲気下とは、酸素濃度30ppm以下、より好ましくは20ppm以下の二酸化炭素、窒素、アルゴン等のガスをさすが、沃素、臭素等のハロゲンガスを含有していても良い。なお、本工程で使用する不活性ガスとしては、コストの関係から二酸化炭素と窒素が良く、窒素が特に好ましい。
安定化前駆体繊維からなる不織布に含まれる熱可塑性樹脂を除去する温度が350℃未満のとき、繊維状炭素前駆体の熱分解は抑えられるものの、熱可塑性樹脂の熱分解を充分行なうことができず好ましくない。また、600℃以上であると、熱可塑性樹脂の熱分解は充分行なうことができるものの、繊維状炭素前駆体の熱分解も起こってしまい、結果として熱可塑性炭素前駆体から得られる炭素繊維からなる不織布の炭化収率を低下させてしまい好ましくない。安定化前駆体繊維に含まれる熱可塑性樹脂を分解する温度としては、不活性ガス雰囲気下380〜550℃、さらには400〜530℃の温度範囲で、0.5〜10時間処理するのが好ましい。
上記処理を施すことで、使用した熱可塑性樹脂の初期重量の15wt%以下にまで分解される。また、使用した熱可塑性炭素前駆体の初期重量の80wt%以上が繊維状炭素前駆体として残存する。
(4)繊維状炭素前駆体を炭素化もしくは黒鉛化する工程
本発明の第四の工程は、熱可塑性樹脂を初期重量の15wt%以下にまで除いた繊維状炭素前駆体を不活性ガス雰囲気中で炭素化もしくは黒鉛化し炭素繊維を製造するものである。本発明において繊維状炭素前駆体は不活性ガス雰囲気下での高温処理により炭素化もしくは黒鉛化し、所望の炭素繊維となる。得られる炭素繊維の繊維径としては0.001μm〜2μmであることが好ましい。
繊維状炭素前駆体の炭素化もしくは黒鉛化は公知の方法で行なうことができる。使用される不活性ガスとしては窒素、アルゴン等があげられ、温度は500℃〜3500℃、好ましくは800℃〜3000℃である。なお、炭素化もしくは黒鉛化する際の、酸素濃度は20ppm以下、さらには10ppm以下であることが好ましい。上記の方法を実施することで、炭素繊維を製造することができる。
(5)炭素繊維からなる不織布
本方法を実施することで、繊維径が2μm未満である炭素繊維からなる不織布を製造してもよい。なお、本願発明で言う不織布とは繊維径0.001〜20μmの繊維が複雑に絡み合ってできた厚み1〜100000μmの面状形態を指す。
本方法で得られた炭素繊維からなる不織布は、その繊維径が0.001〜2μmである炭素繊維から構成される。本方法で得られた炭素繊維からなる不織布は、その炭素繊維同士が複雑に絡み合うことで不織布形態を維持しているが、その形態保持をより強固にするために、繊維間で一部融着が起こっていても良い。
本発明の炭素繊維からなる不織布は、炭素繊維からなる不織布数枚を重ねて、一枚のフェルトまたはマットにしても良い。また、炭素繊維の製造過程で形成される前駆体繊維からなる不織布、安定化前駆体繊維からなる不織布、繊維状炭素前駆体からなる不織布を複数枚重ねてから各次工程を経ることで、一枚の炭素繊維からなるフェルトまたはマットを製造しても良い。
以下に本発明の実施例を述べる。尚、以下に記載される内容により本発明が限定されるものではない。前駆体繊維径、炭素繊維径は走査電子顕微鏡S−2400(日立製作所)にて測定した。また、熱可塑性樹脂の酸素透過率および酸素拡散係数は、非定常ステップ法により算出した。以下に非定常ステップ法の試験方法を記す。
試料の厚さ(L)とガス透過面積(A)が既知の試験片を境に、一方には試験ガスを一定圧力で供給し(高圧側)、他方を真空排気により圧力差を生じさせる(低圧側)。ガス透過が定常状態になった後、真空排気を停止し、試験片を透過した試験ガスを計量管に貯え、その時間(t)を計測する。次いで、ガスクロマトグラフに計量管内の試験ガスをキャリアーガスで導き、成分分離後各成分の透過量を、熱伝導型検出器で定量し、透過率を次式で算出する。
ガス透過率=(Q×K×L)/(P×A×t)
(ここで、Q:試験ガス透過量(cc)、K:セル定数=2.35、L:試験片の膜厚(cm)、P:圧力差(kgf/cm、A:透過面積(cm)、t:測定時間(sec))
非定常ステップ法の場合は、試験ガスをステップ状に印加すると同時に透過量の計量を開始し、透過量−時間特性が線形状態に到達した後の勾配から透過率を算出する。また、拡散係数Dは、気体透過曲線において一次式で表した同勾配の切片と試験片の厚さからt=L/6Dによって求められている。
なお、測定装置は株式会社柳本製作所製、差圧式ガス透過率測定システムを、試験ガスには酸素ガス、温度30℃、試験ガス圧力(ゲージ圧)3.0kgf/cm(低圧側:ロータリー真空ポンプで吸引)で実施した。また、ガス透過面積は15.2cm、キャリアーガスにはHeガスを用いた。測定はn=2で実施し、その平均値をとった。なお、ガス体積は23℃・1atmで算出した。また、酸素透過率および酸素拡散係数は、熱可塑性樹脂の溶融押出により50μmのフィルムを作製して、測定用サンプルとした。
[実施例1]
熱可塑性樹脂としてポリ−4−メチルペンテン−1(TPX:グレードRT-18[三井化学株式会社製])100重量部と熱可塑性炭素前駆体としてメソフェーズピッチAR−HP(三菱ガス化学株式会社製)11.1部を同方向二軸押出機(株式会社日本製鋼所製TEX−30、バレル温度290℃、窒素気流下)で溶融混練して混合物を作成した。この条件で得られた熱可塑性炭素前駆体の熱可塑性樹脂中への分散径は0.05〜2μmであった。また、この混合物を300℃で10分保持したが、熱可塑性炭素前駆体の凝集は認められず、分散径は0.05〜2μmであった。なお、ポリ−4−メチルペンテン−1の酸素拡散係数は1.3×10−6(cm/sec)、酸素透過率は2.6×10−9(cm/sec)であった。
上記混合物を330℃で紡糸口金より紡糸し、紡糸直下350℃、500m/分の空気を溶融状態にある繊維に吹き付けることで、繊維径0.5〜5μmの前駆体繊維からなる不織布を作成した。この前駆体繊維からなる不織布10重量部に対して0.5重量部の沃素を空気中1リットルの耐圧ガラス内に仕込み、180℃で10時間安定化処理を施すことで、安定化前駆体繊維からなる不織布を作成した。
次に、安定化前駆体繊維からなる不織布を窒素ガス雰囲気下5℃/分で550℃まで昇温することで熱可塑性樹脂を除去して繊維状炭素前駆体からなる不織布を作成した。この繊維状炭素前駆体からなる不織布を窒素ガス雰囲気下、室温から10℃/分で1000℃まで昇温することで炭素繊維からなる不織布を作成した。得られた不織布の炭素繊維径は、およそ300〜800nmであり、炭素繊維同士の融着は認められなかった。
[比較例1]
熱可塑性樹脂としてポリアリレート(ポリアリレート:グレードU100[ユニチカ株式会社製])100重量部と熱可塑性炭素前駆体としてメソフェーズピッチAR−HP(三菱ガス化学株式会社製)11.1部を同方向二軸押出機(株式会社日本製鋼所製TEX−30、バレル温度290℃、窒素気流下)で溶融混練して混合物を作成した。この条件で得られた熱可塑性炭素前駆体の熱可塑性樹脂中への分散径は0.05〜3μmであった。また、この混合物を300℃で10分保持したが、熱可塑性炭素前駆体の凝集は認められず、分散径は0.05〜2μmであった。なお、ポリアリレートの酸素拡散係数は3.2×10−8(cm/sec)、酸素透過率は1.5×10−10(cm/sec)であった。
上記混合物を330℃で紡糸口金より紡糸し、紡糸口金面直下350℃、500m/分の空気を溶融状態にある繊維に吹き付けることで、繊維径0.5〜5μmの前駆体繊維からなる不織布を作成した。この前駆体繊維からなる不織布10重量部に対して0.5重量部の沃素を空気中1リットルの耐圧ガラス内に仕込み、180℃で10時間安定化処理を施すことで、安定化前駆体繊維からなる不織布を作成した。次に、安定化前駆体繊維からなる不織布を窒素ガス雰囲気下5℃/分で550℃まで昇温することで熱可塑性樹脂を除去して繊維状炭素前駆体からなる不織布を作成した。この繊維状炭素前駆体からなる不織布を窒素ガス雰囲気下、室温から10℃/分で1000℃まで昇温することで炭素繊維からなる不織布を作成したが、炭素繊維同士に極度の融着が認められた。

Claims (10)

  1. (1)30℃における酸素の拡散係数が9.0×10−7〜1.0×10−4(cm/sec)である熱可塑性樹脂100重量部と、ピッチ、ポリアクリロニトリル、ポリカルボジイミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリベンゾアゾール、およびアラミド類からなる群より選ばれる少なくとも一種の熱可塑性炭素前駆体1〜150重量部とからなる混合物からメルトブロー法により前駆体繊維を形成する工程、
    (2)前駆体繊維を安定化処理に付して前駆体繊維中の熱可塑性炭素前駆体を安定化して安定化前駆体繊維を形成する工程、
    (3)安定化前駆体繊維から熱可塑性樹脂を除去して繊維状炭素前駆体を形成する工程、
    (4)繊維状炭素前駆体を炭素化もしくは黒鉛化する工程、
    を経ることで製造される炭素繊維の製造方法。
  2. 30℃における酸素透過率が9.0×10−10〜1.0×10−5(cm・cm/cm・sec・cmHg)である熱可塑性樹脂を用いる請求項1記載の炭素繊維の製造方法。
  3. (1)の工程において、繊維径が0.01〜20μmである前駆体繊維を形成する、請求項1記載の炭素繊維の製造方法。
  4. (1)の工程において、繊維径が0.05〜10μmである前駆体繊維を形成する、請求項1記載の炭素繊維の製造方法。
  5. (2)の工程において、安定化処理をハロゲンと酸素との混合ガス下で実施する、請求項1〜4のいずれかに記載の炭素繊維の製造方法。
  6. ハロゲンガスとして沃素を使用する、請求項5記載の炭素繊維の製造方法。
  7. ピッチがメソフェーズピッチである、請求項1〜6のいずれかに記載の炭素繊維の製造方法。
  8. 熱可塑性樹脂が下記式(I)で表される熱可塑性樹脂を用いる請求項1〜7のいずれかに記載の炭素繊維の製造方法。
    Figure 0004339727
  9. 熱可塑性樹脂がポリ−4−メチルペンテン−1またはその共重合体である請求項8に記載の炭素繊維の製造方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか記載の方法によって得られた繊維径が1μm未満である炭素繊維からなる不織布。
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