JP2018111638A - 炭素材料とその製造方法 - Google Patents

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和直 晴山
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学 山谷
友義 山下
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友義 山下
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Abstract

【課題】炭素化収率を向上させ、より効率的に炭素材料を製造する方法、および前記方法により得られた炭素材料を提供する。
【解決手段】アセチレンおよびアセチレン誘導体の少なくとも一方からなるガス状物質(A)を含む非酸化性雰囲気中で、BET法での比表面積が0.15m/g以上の有機系高分子物質を400℃超に加熱して炭素化処理する工程を含む、炭素材料の製造方法。および前記方法により得られた炭素材料。前記有機系高分子材料がビニル系重合体又はオレフィン系重合体及びオレフィン系重合体の少なくとも一方を含むことが好ましく、更に好ましくは、アクリルニトリル系重合体及びアクリルニトリル系重合体の一方を少なくとも含む又はポリエチレン及び又はポリプロピレンの少なくとも一方を含む、炭素材料の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、炭素材料とその製造方法に関する。
炭素材料、例えば炭素繊維は優れた機械的強度を有するため、自動車用部材、航空宇宙素材、スポーツ・レジャー用素材、圧力容器等の工業用素材などとして極めて有用であり、需要が拡大している。また、今後はさらに幅広い分野で利用されることが期待されている。
一般に、炭素繊維は、ポリアクリロニトリルなどの前駆体フィラメントを束ねた前駆体繊維を、酸化性雰囲気で満たした耐炎化炉で加熱して耐炎化処理した後、得られた耐炎化繊維を窒素などの不活性雰囲気で満たした炭素化炉で加熱して炭素化処理することによって得られる(例えば特許文献1)。
特開2009−256831号公報
しかしながら、従来の炭素繊維の製造方法では、炭素化処理中の耐炎化繊維の熱分解量が大きく、炭素原子の脱離も生じるため、炭素化収率が低い。そのため、耐炎化繊維を炭素化する炭素繊維の製造コストを低減することは困難である。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、炭素化収率を向上させ、より効率的に炭素材料を製造する方法、および前記方法により得られた炭素材料を提供することを目的とする。
本発明は、以下の態様を有する。
[1] アセチレンおよびアセチレン誘導体の少なくとも一方からなるガス状物質(A)を含む非酸化性雰囲気中で、BET法での比表面積が0.15m/g以上の有機系高分子物質を400℃超に加熱して炭素化処理する工程を含む、炭素材料の製造方法。
[2] 前記有機系高分子物質がビニル系重合体を含む、[1]に記載の炭素材料の製造方法。
[3] 前記ビニル系重合体が、アクリロニトリル系重合体およびアクリロニトリル系重合体の誘導体の少なくとも一方を含む、[2]に記載の炭素材料の製造方法。
[4] 前記ビニル系重合体が、オレフィン系重合体およびオレフィン系重合体の誘導体の少なくとも一方を含む、[2]に記載の炭素材料の製造方法。
[5] 前記オレフィン系重合体が、ポリエチレンおよびポリプロピレンの少なくとも一方を含む、[4]に記載の炭素材料の製造方法。
[6] 前記炭素化処理する工程の前に、有機系高分子物質前駆体を酸化処理して前記有機系高分子物質を得る工程を含む、[1]に記載の炭素材料の製造方法。
[7] 前記酸化処理が、有機系高分子物質前駆体を酸化性雰囲気中で200〜350℃に加熱して酸化処理する工程である、[6]に記載の炭素材料の製造方法。
[8] 前記有機系高分子物質前駆体がビニル系重合体を含む、[6]または[7]に記載の炭素材料の製造方法。
[9] 前記ビニル系重合体が、アクリロニトリル系重合体およびアクリロニトリル系重合体の誘導体の少なくとも一方を含む、[8]に記載の炭素材料の製造方法。
[10] 前記ビニル系重合体が、オレフィン系重合体およびオレフィン系重合体の誘導体の少なくとも一方を含む、[8]に記載の炭素材料の製造方法。
[11] 前記オレフィン系重合体が、ポリエチレンおよびポリプロピレンの少なくとも一方を含む、[10]に記載の炭素材料の製造方法。
[12] 前記非酸化性雰囲気を形成するガスの全体体積に対して、ガス状物質(A)の体積濃度が2体積%以上である、[1]〜[11]のいずれか1つに記載の炭素材料の製造方法。
[13] 前記非酸化性雰囲気は窒素ガスを含む、[1]〜[12]のいずれか1つに記載の炭素材料の製造方法。
[14] 前記非酸化性雰囲気中で有機系高分子物質を400℃超に加熱した後に、窒素雰囲気中で1000℃以上にさらに加熱する工程を含む、[1]〜[13]のいずれか1つに記載の炭素材料の製造方法。
[15] 前記有機系高分子物質が繊維状である、[1]〜[14]のいずれか1つに記載の炭素材料の製造方法。
[16] 前記有機系高分子物質が単繊維繊度1.0dtex以下の繊維状である、[1]〜[14]のいずれか1つに記載の炭素材料の製造方法。
[17] [1]〜[16]のいずれか1つに記載の炭素材料の製造方法により得られた、炭素材料。
本発明によれば、炭素化収率を向上させ、より効率的に炭素材料を製造する方法、および前記方法により得られた炭素材料を提供できる。
実施例1〜5について、温度(横軸)に対して炭素化収率(縦軸)をプロットしたグラフである。 比較例1〜5について、温度(横軸)に対して炭素化収率(縦軸)をプロットしたグラフである。 比較例6〜9について、温度(横軸)に対して炭素化収率(縦軸)をプロットしたグラフである。 実施例5で用いた有機系高分子物質の走査型電子顕微鏡写真(倍率5000)である。
「炭素材料の製造方法」
以下、本発明の炭素材料の製造方法の一実施形態について説明する。
本実施形態の炭素材料の製造方法は、有機系高分子物質を加熱処理して炭素材料を得るものであり、以下に説明する炭素化工程を含む。また、炭素材料の製造方法は、炭素化工程の前に、以下に説明する酸化工程を含んでいてもよい。
<有機系高分子物質>
有機系高分子物質としては、ビニル系モノマーを原料としたビニル系重合体、木材から抽出されるリグニン、セルロース、またはレーヨン等の再生セルロース、石油、石炭等を原料としたピッチなどの有機系高分子物質が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、工業規模における生産性及び機械的特性に優れている点で、ビニル系重合体の有機系高分子物質が好ましい。
ビニル系重合体としては、アクリロニトリル系重合体およびアクリロニトリル系重合体の誘導体の少なくとも一方を含む重合体(以下、「重合体A」ともいう。)、オレフィン系重合体およびオレフィン系重合体の誘導体の少なくとも一方を含む重合体(以下、「重合体B」ともいう。)などが挙げられる。
アクリロニトリル系重合体としては、アクリロニトリルの単独重合体でもよいし、アクリロニトリルおよびアクリロニトリルと共重合可能なビニル系モノマーの共重合体でもよい。アクリロニトリル系重合体を構成する全ての単位の合計(100質量%)に対して、アクリロニトリル単位の割合は70質量%以上が好ましく、ビニル系モノマー単位の割合は30質量%以下が好ましい。さらに好ましくは、アクリロニトリル単位の割合は90〜98質量%であり、ビニル系モノマー単位の割合は2〜10質量%である。
ビニル系モノマーとしては、アクリロニトリルと共重合可能であれば特に限定されないが、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル等のアクリル酸エステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ウラリル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル類;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、臭化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、ブタジエン等の不飽和モノマー類;p−スルホフェニルメタリルエーテル、メタリルスルホン酸、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、およびこれらのアルカリ金属塩が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
アクリロニトリル系重合体は、それ自体、溶液重合、懸濁重合、乳化重合など公知の重合方法により得ることができる。重合により得られたアクリロニトリル系重合体からは、未反応モノマーなどの不純物を除く処理をすることが望ましい。
アクリロニトリル系重合体の誘導体としては、上述したアクリロニトリルの単独重合体の誘導体、アクリロニトリルおよび前記ビニル系モノマーの共重合体の誘導体などが挙げられる。
アクリロニトリルの単独重合体の誘導体としては、例えば、硫黄変性ポリアクリロニトリルなどが挙げられる。
アクリロニトリルおよび前記ビニル系モノマーの共重合体の誘導体としては、例えば、水素化ニトリルゴムなどが挙げられる。
重合体Aは、アクリロニトリル系重合体およびアクリロニトリル系重合体の誘導体の少なくとも一方のみで構成されていてもよいし、これら以外の成分(以下、「他の成分A」ともいう。)を含んでいてもよい。
重合体Aに含まれる他の成分Aとしては、例えば、シリコーン系油剤、リン酸エステル、リン酸などが挙げられる。
重合体Aの総質量に対して、アクリロニトリル系重合体およびアクリロニトリル系重合体の誘導体の少なくとも一方の割合は70〜100質量%が好ましく、他の成分Aの割合は0〜30質量%が好ましい。
オレフィン系重合体としては、エチレンの単独重合体(ポリエチレン)、プロピレンの単独重合体(ポリプロピレン)、エチレンとプロピレンの共重合体、エチレン、プロピレンおよびこれらと共重合可能なモノマーの共重合体、またはこれら重合体の混合物などが挙げられる。これらの中でも、生産コストの点で、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンおよびポリプロピレンの混合物が好ましい。
エチレンおよびプロピレンと共重合可能なモノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、メタクリル酸メチル、アクリル酸メチルなどが挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
オレフィン系重合体は、それ自体、気相重合、溶液重合、懸濁重合など公知の重合方法により得ることができる。重合により得られたオレフィン系重合体からは、副生成物などの不純物を除く処理をすることが望ましい。
オレフィン系重合体の誘導体としては、ポリエチレンの誘導体、ポリプロピレンの誘導体、エチレンと酢酸ビニルの共重合体の誘導体などが挙げられる。
ポリエチレンの誘導体としては、例えば、無水マレイン酸変性ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレンなどが挙げられる。
ポリプロピレンの誘導体としては、例えば、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、クロロスルホン化ポリプロピレン、塩素化ポリプロピレンなどが挙げられる。
重合体Bは、オレフィン系重合体およびオレフィン系重合体の誘導体の少なくとも一方のみで構成されていてもよいし、これら以外の成分(以下、「他の成分B」ともいう。)を含んでいてもよい。
重合体Bに含まれる他の成分Bとしては、例えば、各種エラストマー、各種無機フィラーなどが挙げられる。
重合体Bの総質量に対して、オレフィン系重合体およびオレフィン系重合体の誘導体の少なくとも一方の割合は70〜100質量%が好ましく、他の成分Bの割合は0〜30質量%が好ましい。
有機系高分子物質は、上述した重合体以外の成分(以下、「任意成分」ともいう。)を含んでいてもよい。
任意成分としては、例えばカーボンブラック、カーボンナノチューブ、フラーレン等の他の炭素材料、コロイダルシリカ、ガラス繊維等のガラス材料などが挙げられる。
有機系高分子物質の総質量に対して、任意成分の割合は0〜30質量%が好ましい。
有機系高分子物質の質量平均分子量は、5000〜800000が好ましく、10000〜400000がより好ましい。質量平均分子量が上記範囲内であれば、加熱した際の流動性が適切な領域であるため、成形性が容易となる傾向にある。
なお、本明細書において、「質量平均分子量」はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定した分子量をポリスチレン換算した値である。
また、有機系高分子物質としては、各種重合体を有機系高分子物質前駆体とし、前記有機系高分子物質前駆体を酸化して得られる有機系高分子物質を用いることができる。
有機系高分子物質前駆体としては、有機系高分子物質の説明において先に例示した、ビニル系モノマーを原料としたビニル系重合体、木材から抽出されるリグニン、セルロース、またはレーヨン等の再生セルロース、石油、石炭等を原料としたピッチなどが挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、工業規模における生産性及び機械的特性に優れている点で、ビニル系重合体の有機系高分子物質前駆体が好ましい。
ビニル系重合体としては、先に例示したアクリロニトリル系重合体およびアクリロニトリル系重合体の誘導体の少なくとも一方を含む重合体(重合体A)、オレフィン系重合体およびオレフィン系重合体の誘導体の少なくとも一方を含む重合体(重合体B)などが挙げられる。
有機系高分子物質の形状および有機系高分子物質前駆体の形状としては特に制限されないが、繊維状、粉体状、フィルム状などが挙げられる。
繊維状の有機系高分子物質を用いた場合、繊維状の炭素材料を得ることができる。以下、繊維状の炭素材料を「炭素繊維」ともいい、繊維状の有機系高分子物質を「有機系高分子物質からなる繊維」または「前駆体繊維」ともいう。なお、繊維状の有機系高分子物質前駆体も「前駆体繊維」という。
前駆体繊維は、有機系高分子物質前駆体または有機系高分子物質(以下、総称して「有機系高分子物質(前駆体)」と表記する。)を含む紡糸原液を紡糸して得られる。有機系高分子物質(前駆体)の種類に応じて適切な紡糸方法で前駆体繊維を製造することができる。
有機系高分子物質(前駆体)が石油、石炭等を原料としたピッチである場合、溶融紡糸により前駆体繊維を得ることができる。
有機系高分子物質(前駆体)がレーヨン等の再生セルロースである場合、ビスコースレーヨンを紡糸ノズルから希硫酸中に紡出して製造する方法などにより、前駆体繊維を得ることができる。
有機系高分子物質(前駆体)が溶剤に可溶である場合、有機系高分子物質(前駆体)を一旦溶剤に溶解させた後、紡糸を行うことで、前駆体繊維を得ることができる。
紡糸原液に用いられる溶剤としては特に限定されないが、例えば有機系高分子物質(前駆体)が前記重合体Aを含む場合は、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等の有機溶剤;塩化亜鉛、チオシアン酸ナトリウム等の無機化合物の水溶液などが挙げられる。作製される繊維中に金属が混入されにくく、また、工程が簡略化される点で、有機溶剤が好ましい。
有機系高分子物質(前駆体)が前記重合体Bを含む場合、溶剤としてはノルマルヘキサン、ベンゼン、キシレン、トルエン、クロロホルムなどが挙げられる。
有機系高分子物質(前駆体)がリグニンである場合、溶剤としてはアセトン、クロロホルム、2−ブタノンなどが挙げられる。
紡糸原液中の有機系高分子物質(前駆体)の濃度は、紡糸工程上、その重合度にもよるが、紡糸原液の総質量に対して、17質量%以上が好ましく、19質量%以上がより好ましい。上限としては、30質量%以下が好ましく、25質量%以下がさらに好ましい。
紡糸原液を紡糸する方法としては特に限定されないが、湿式紡糸法、乾湿式紡糸法、乾式紡糸法などを適用することができる。
そして、湿式紡糸法、乾湿式紡糸法、乾式紡糸法などで得られた凝固糸を必要に応じて従来公知の水洗、浴延伸、油剤付与、乾燥緻密化、延伸などを施すことにより、所定の繊度を有する前駆体繊維とする。
油剤としては、従来公知のシリコーン系油剤、ケイ素を含まない有機化合物からなる油剤などが挙げられるが、これら以外にも後述する酸化工程や炭素化工程での単繊維間の接着を防止できるものであれば、油剤として好適に使用できる。
油剤を付与された前駆体繊維は、加熱により乾燥緻密化するのが好ましい。乾燥処理は50〜200℃に加熱されたロールに接触させて行うのが効率的である。
また、乾燥された前駆体繊維は、引き続き延伸を施すのが好ましい。延伸する方法としては特に限定されないが、乾熱延伸法、熱板延伸法、スチーム延伸法などを適用することができる。
前駆体繊維の単繊維数は200〜300000本が好ましく、1000〜200000本がより好ましく、12000〜100000本がさらに好ましい。単繊維数が上記範囲内であれば、酸化工程および炭素化工程での前駆体繊維の取り扱いが容易であるとともに、得られる炭素繊維を複合材料に成形する際の取り扱いも容易である。
有機系高分子物質(前駆体)が粉体状の場合、粉末状の炭素材料を得ることができる。
有機系高分子物質(前駆体)がペレット状の場合、ペレット状の炭素材料を得ることができる。ペレット状の有機系高分子物質(前駆体)は、例えば有機系高分子物質(前駆体)が含まれる重合体を製造した後、この重合体を造粒機などでペレット状に成形することで得られる。
有機系高分子物質(前駆体)がフィルム状の場合、フィルム状の炭素材料を得ることができる。フィルム状の有機系高分子物質(前駆体)は、例えば有機系高分子物質(前駆体)の粉体を溶剤に溶解してキャスト溶液を調製し、このキャスト溶液を基材上に塗布し、乾燥させて溶剤を除去する方法や、前記キャスト溶液をTダイなどで押し出して凝固液中で凝固させた後、引き続き溶剤を水洗等にて除去し、乾燥する方法などにより得られる。
溶剤としては、紡糸原液の説明において先に例示した溶剤を用いることができる。
<酸化工程>
酸化工程は、有機系高分子物質前駆体を酸化して有機系高分子物質を得る工程である。
酸化工程では、有機系高分子物質前駆体を酸化性雰囲気中で200〜350℃に加熱して酸化処理することが好ましい。
ここで、「酸化性雰囲気」とは、空気雰囲気、もしくは、酸素、二酸化窒素などの公知の酸化性物質を含む雰囲気のことである。これらの中でも、経済性の面から、酸化性雰囲気としては空気雰囲気が好ましい。
また、「酸化処理」とは、有機系高分子物質前駆体がアクリロニトリル系重合体を含む場合は「耐炎化処理」のことであり、有機系高分子物質前駆体が石油、石炭等を原料としたピッチである場合は「不融化処理」のことである。
以下、アクリロニトリル系重合体を含む有機系高分子物質前駆体からなる前駆体繊維を耐炎化処理して得た前駆体繊維を「耐炎化繊維」ともいい、石油、石炭等を原料としたピッチを含む有機系高分子物質前駆体からなる前駆体繊維を不融化処理して得た前駆体繊維を「不融化繊維」ともいう。
酸化性雰囲気中での酸化処理の温度は200〜350℃であることが好ましい。酸化処理の温度が200℃以上であれば、酸化反応速度が遅くなるのを抑制できるので、短時間で酸化処理できる。一方、酸化処理の温度が350℃以下であれば、有機系高分子物質が熱分解するのを抑制できる。
前駆体繊維がアクリロニトリル系重合体を含む場合、前駆体繊維の酸化処理に要する時間は、炭素繊維の生産性および性能を高める観点から10分以上が好ましく、15分以上がより好ましく、20分以上がさらに好ましい。酸化処理に要する時間が10分以上であれば、酸化反応が十分に進行し、斑が生じにくくなる。また、酸化工程の後に行われる炭素化工程で毛羽、束切れが生じにくくなり、生産性を良好に維持できる。酸化処理に要する時間の上限は、80分が好ましく、60分がより好ましい。酸化処理に要する時間が80分以下であれば、十分な強度を有する炭素繊維が得られやすくなる。
酸化処理の方法としては特に限定されず、従来公知の熱風循環炉(例えば耐炎化炉など)を用いる方法や加熱固体表面に接触させる方法を採用できる。
熱風循環炉を用いる方法では、通常、熱風循環炉に入った前駆体繊維を一旦熱風循環炉の外部に出した後、熱風循環炉の外部に配設された折り返しロールによって折り返して熱風循環炉に繰り返し通過させる方法が採られる。
加熱固体表面に接触させる方法では、前駆体繊維を間欠的に加熱固体表面に接触させる方法が採られる。
前駆体繊維がアクリロニトリル系重合体を含む場合、酸化工程では、酸化処理後の繊維の密度(ρ)が1.25〜1.45g/cmになるまで加熱することが好ましく、より好ましくは1.28〜1.40g/cmである。酸化処理後の繊維の密度(ρ)が上記範囲内であれば、後述する炭素化工程での炭素繊維の残存量が多くなるため、経済性の面でも有利である。
なお、繊維の密度(ρ)は、密度勾配管法により測定される値である。
<有機系高分子物質の比表面積>
本発明で炭素材料を製造するために用いる有機系高分子物質の比表面積は、0.15m/g以上が好ましく、1m/g以上がより好ましく、10m/g以上がより好ましい。
なお、本明細書において、比表面積の値はクリプトン吸着によるBET法で求めたものである。
比表面積を大きくする方法として、多孔質化、表面の凹凸増大、細分化(粉砕・切断)などが挙げられる。
有機系高分子物質の比表面積が大きくなる程、得られる炭素材料の炭素化収率がより向上する。
有機系高分子物質として、繊維状の有機系高分子物質を用いた場合、前駆体繊維の単繊維繊度は、1dtex以下が好ましく、0.6dtex以下より好ましく、0.3dtex以下がさらに好ましい。
なお、単繊維繊度(dtex)は繊維1本の10000m当りの重さ(g)を意味する。
単繊維繊度を低くするには、繊維を1本1本細くしてもよいし、繊維の構造を多孔質にてもよい。単繊維繊度が低く、有機系高分子物質の比表面積が大きくなる程、得られる炭素繊維の炭素化収率がより向上する。
炭素化収率の向上と生産性のバランスを考慮すると、単繊維繊度は0.4dtex〜1.0dtexが好ましく、0.5dtex〜0.9dtexがより好ましく、0.6dtex〜0.8dtexがさらに好ましい。
前駆体繊維の単繊維繊度を低くする方法として、紡糸原液の吐出量を低下させるか、延伸倍率を上げる事などが挙げられる。また、後工程で溶解あるいは分解する添加剤の導入により、得られる繊維を多孔質化することができる。
他には、比表面積が向上するような断面形状を有する前駆体繊維を用いてもよい。縦長長方形型、星型、十字架型、菊型などの断面形状を有する前駆体繊維が挙げられる。
<炭素化工程>
炭素化工程は、アセチレンおよびアセチレン誘導体の少なくとも一方からなるガス状物質(A)を含む非酸化性雰囲気中で、有機系高分子物質を400℃超に加熱して炭素化処理する工程である。
また、得られる炭素材料の耐熱性や機械的特性がより向上する観点から、炭素化工程は、前記非酸化性雰囲気中で有機系高分子物質を400℃超に加熱した後に、窒素雰囲気中で1000℃以上にさらに加熱する工程を含んでいてもよい。
なお、炭素化工程の前に上述した酸化工程を行う場合は、酸化処理後の有機系高分子物質前駆体(例えば耐炎化繊維、不融化繊維など)を炭素化処理する。
以下、非酸化性雰囲気中で有機系高分子物質を400℃超に加熱する工程を「第一の炭素化工程」ともいい、この第一の炭素化工程の後に、窒素雰囲気中で1000℃以上に加熱する工程を「第二の炭素化工程」ともいう。
(第一の炭素化工程)
第一の炭素化工程は、ガス状物質(A)を含む非酸化性雰囲気中で行われる。
ガス状物質(A)は、アセチレンおよびアセチレン誘導体の少なくとも一方からなる。
アセチレン誘導体としては、分子中に炭素原子と炭素原子の間の三重結合を含み、かつ炭素化工程を行う温度で気体である物質であれば特に制限されないが、エチルアセチレン、tert−ブチルアセチレンなどが挙げられる。
ガス状物質(A)は、アセチレンの単独ガスでもよいし、アセチレン誘導体の単独ガスでもよいし、アセチレンおよびアセチレン誘導体の混合ガスでもよい。アセチレンおよびアセチレン誘導体の混合ガスの場合、該混合ガスを構成する全ての分子の合計(100モル%)に対して、アセチレンの割合は50〜99モル%が好ましく、アセチレン誘導体の割合は1〜50モル%が好ましい。
経済性の観点からは、ガス状物質(A)はアセチレンガスであることが好ましい。
ここで、「非酸化性雰囲気」とは、酸素、二酸化窒素などの公知の酸化性物質を実質的に含まない雰囲気のことである。「実質的に」とは、非酸化性雰囲気を形成するガスの全体体積に対して、酸化性物質の体積濃度が1.0体積%以下であることを意味する。
非酸化性雰囲気に含まれるガス状物質(A)以外の成分としては、窒素、アルゴン、ヘリウムなど酸化性を持たない気体(以下、「非酸化性気体」ともいう。)が挙げられる。これらの中でも、経済性の面から窒素であることが好ましい。非酸化性雰囲気に含まれるガス状物質(A)以外の成分(100モル%)中に窒素が占める割合としては、99モル%以上が好ましい。
ガス状物質(A)の体積濃度は、非酸化性雰囲気を形成するガスの全体体積に対して、1体積%以上が好ましく、2体積%以上がより好ましく、5体積%以上がさらに好ましい。ガス状物質(A)の体積濃度が1体積%以上の非酸化性雰囲気中で有機系高分子物質を炭素化処理すれば、炭素化収率がより向上する。特に、ガス状物質(A)の体積濃度が2体積%以上であれば、炭素化収率がさらに向上する。製造コストの観点から、ガス状物質(A)の体積濃度は、非酸化性雰囲気を形成するガスの全体体積に対して、30体積%以下が好ましく、20体積%以下がより好ましく、15体積%以下がさらに好ましい。
炭素化収率の向上と製造コストのバランスを考慮すると、ガス状物質(A)の体積濃度は、非酸化性雰囲気を形成するガスの全体体積に対して、2〜30体積%が好ましく、2〜20体積%がより好ましく、2〜15体積%がさらに好ましい。
非酸化性気体の体積濃度は、非酸化性雰囲気を形成するガスの全体体積に対して、99体積%以下が好ましく、98体積%以下がより好ましく、95体積%以下がさらに好ましい。非酸化性気体の体積濃度は、非酸化性雰囲気を形成するガスの全体体積に対して、70体積%以上が好ましく、80体積%以上がより好ましく、85体積%以上がさらに好ましい。
炭素化収率の向上と製造コストのバランスを考慮すると、非酸化性気体の体積濃度は、非酸化性雰囲気を形成するガスの全体体積に対して、70〜98体積%が好ましく、80〜98体積%がより好ましく、85〜98体積%がさらに好ましい。
第一の炭素化工程における炭素化処理の温度は400℃超であり、450℃以上が好ましい。炭素化処理の温度が400℃超であれば、炭素化収率が向上する。 第一の炭素化工程における炭素化処理の温度は1000℃以下が好ましい。炭素化処理の温度が1000℃以下であれば、炭素化収率を良好に維持できる。
特に、第一の炭素化工程の後に第二の炭素化工程を行わない場合、炭素化収率を良好に維持できる点で、第一の炭素化工程における炭素化処理の温度は1000℃以下が好ましく、800℃以下がより好ましい。
第一の炭素化工程の後に第二の炭素化工程を行う場合であって、第二の炭素化工程における炭素化処理の温度が1000℃以上1200℃未満の場合は、炭素化収率を良好に維持できる点で、第一の炭素化工程における炭素化処理の温度は850℃以下が好ましく、800℃以下がより好ましい。
また、第二の炭素化工程における炭素化処理の温度が1200℃以上1400℃未満の場合、炭素化収率を良好に維持できる点で、第一の炭素化工程における炭素化処理の温度は850℃以下が好ましく、800℃以下がより好ましい。
また、第二の炭素化工程における炭素化処理の温度が1400℃以上2000℃以下の場合、炭素化収率を良好に維持できる点で、第一の炭素化工程における炭素化処理の温度は850℃以下が好ましく、580℃以下がより好ましい。
第一の炭素化工程における炭素化処理の時間は、0.5分以上が好ましく、1分以上がより好ましく、5分以上がさらに好ましく、10分以上が特に好ましく、15分以上が最も好ましい。第一の炭素化工程における炭素化処理の時間が、0.5分以上であれば、炭素化収率が高くなるために好ましい。第一の炭素化工程における炭素化処理の時間が長くなるほど炭素化収率はより向上する傾向にあるが、長すぎても炭素化収率の向上は頭打ちとなる。生産性の観点から、第一の炭素化工程における炭素化処理の時間は300分以下が好ましく、240分以下がより好ましく、180分以下がさらに好ましい。
炭素化収率の向上と生産性のバランスを考慮すると、第一の炭素化工程における炭素化処理の時間は、0.5〜300分が好ましく、1〜240分がより好ましく、5〜180分がさらに好ましく、10〜180分が特に好ましく、15〜180分が最も好ましい。
第一の炭素化工程における炭素化処理の方法としては、例えば400℃超に設定した炭素化炉にガス状物質(A)と非酸化性気体との混合ガスを導入した状態で、有機系高分子物質(炭素化工程の前に上述した酸化工程を行う場合は、有機系高分子物質前駆体を酸化処理することによって得た有機系高分子物質)を通過させることで、有機系高分子物質を加熱して炭素化処理する。
炭素化処理の温度は400℃超であれば、一定でもよいし、昇温させてもよい。昇温させる場合、例えば炭素化炉内に複数の加熱ゾーンを設置し、上流側の加熱ゾーンから下流側の加熱ゾーンに向かって温度が高くなるように各加熱ゾーンの温度を設定して、上流側の加熱ゾーンから下流側の加熱ゾーンに向かって順次通過させて処理することで実現できる。
(第二の炭素化工程)
第二の炭素化工程における炭素化処理の温度は1000℃以上であり、1200℃以上が好ましい。炭素化処理の温度が1000℃以上であれば、耐熱性や機械的特性の向上効果が十分に得られる。
炭素化収率と、耐熱性や機械的特性とのバランスを考慮すると、第二の炭素化工程における炭素化処理の温度は、2000℃以下が好ましく、1600℃以下がより好ましい。
第二の炭素化工程における炭素化処理の時間は、0.5〜30分が好ましく、1〜20分がより好ましい。第二の炭素化工程における炭素化処理の時間が、0.5分以上であれば、得られる炭素材料の機械特性が向上するために好ましく、30分以下であれば、得られる炭素材料の機械特性が向上することと、生産性が高くなるために好ましい。
第二の炭素化工程における炭素化処理の方法としては、例えば窒素ガスが満たされた、1000℃以上に設定した炭素化炉に、第一の炭素化工程を行った後の有機系高分子物質を通過させることで、有機系高分子物質を加熱して炭素化処理する。
炭素化処理の温度は1000℃以上であれば、一定でもよいし、昇温させてもよい。昇温させる場合、例えば炭素化炉内に複数の加熱ゾーンを設置し、上流側の加熱ゾーンから下流側の加熱ゾーンに向かって温度が高くなるように各加熱ゾーンの温度を設定して、上流側の加熱ゾーンから下流側の加熱ゾーンに向かって順次通過させて処理することで実現できる。
<その他の工程>
炭素化工程により得られた炭素材料は、そのまま炭素材料として用いることができるが、必要に応じて公知の方法により黒鉛化したものを炭素材料として用いてもよい。例えば炭素材料を不活性雰囲気中、最高温度が2000℃を超えて3000℃以下で加熱することにより黒鉛化された炭素材料が得られる。
また、炭素材料が炭素繊維である場合は、炭素繊維に集束性を付与するために、サイジング処理をすることもできる。
サイジング処理に用いるサイジング剤としては、所望の特性を得ることができれば特に限定されないが、例えばエポキシ樹脂、ポリエーテル樹脂、エポキシ変性ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂を主成分としたサイジング剤が挙げられる。サイジング処理の方法としては、公知の方法を用いることができる。
<作用効果>
以上説明した、本発明の炭素材料の製造方法によれば、アセチレンおよびアセチレン誘導体の少なくとも一方からなるガス状物質(A)を含む非酸化性雰囲気中で、BET法での比表面積が0.15m/g以上の有機系高分子物質を400℃超に加熱して炭素化処理するので、炭素化収率が向上し、効率的に炭素材料を製造することができ、ひいては炭素材料の製造コストを低減できる。炭素化収率が高くなる理由については、以下のように考えられる。
すなわち、前記非酸化性雰囲気中で有機系高分子物質を400℃超に加熱して炭素化処理すると、アセチレンまたはアセチレン誘導体が接着剤のような役割を果たし、炭素原子の脱離が抑制され、炭素化収率の低下を抑制できると考えられる。また、炭素化処理中に有機系高分子物質を構成するポリマー鎖の一部が熱分解して脱離し易い状態になっても、アセチレンまたはアセチレン誘導体の作用により脱離し易い状態になったポリマー鎖が炭素材料に取り込まれることでも、炭素化収率の低下を抑制できると考えられる。ここで、本発明で用いる有機系高分子物質の比表面積が大きくなる程、アセチレンまたはアセチレン誘導体との有機系高分子物質の反応する面積が増え、得られる炭素材料の炭素化収率がより向上する。
なお、上述した酸化工程では、有機系高分子物質前駆体からなる前駆体繊維(すなわち、繊維状の有機系高分子物質前駆体)を酸化処理しているが、繊維状以外の形状の、または融解または溶解した、有機系高分子物質前駆体を炭素化処理する前に、酸化処理を行ってもよい。
「炭素材料」
本発明の炭素材料は、上述した本発明の炭素材料の製造方法により得られるものである。
例えば、炭素材料が炭素繊維である場合は、マトリックス樹脂と組み合わされて、複合材料として成形され、様々な用途に利用される。
マトリックス樹脂としては特に制限されないが、例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂、アクリル樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等のラジカル重合系樹脂、熱可塑性アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂等の熱可塑性樹脂などが挙げられる。また、これらの樹脂の変性体を用いることもできる。また、マトリックス樹脂としては市販品を用いてもよい。
本発明の炭素材料からなる炭素繊維を用いた複合材料の用途としては特に限定されず、例えば、自動車用部材、航空宇宙素材、スポーツ・レジャー用素材、圧力容器等の工業用素材など、幅広い用途に使用できる。
本発明の炭素材料の炭素繊維以外の用途としては、透明導電膜、トランジスタ、キャパシタなどのエレクトロニクス用部材、強化フィラー、導電性フィラーなどのフィラー剤などが挙げられ、本発明の炭素材料は幅広い用途に使用できる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、実施例中の測定項目は、次の方法に拠った。
<BET法での比表面積の測定方法>
前駆体繊維を約1.0g採取し、雰囲気温度60℃で12時間真空乾燥してから秤量し、比表面積・細孔分布測定装置(日本ベル株式会社製、BELSORP-max)を使用して比表面積をBET法により測定した。クリプトンガス吸着量の相対圧が0.05〜0.4の範囲で測定し、吸着等温線を作成し、BET法により比表面積(m/g)を測定した。
<単繊維繊度の測定方法>
得られた繊維の重量(g)を測定して、口金の孔数で除した後、10000倍して、単繊維繊度(dtex)算出した。
「実施例1」
<前駆体繊維の製造>
アクリロニトリル系重合体(アクリロニトリル単位の含有量:96質量%、アクリルアミド単位の含有量:3質量%、メタクリル酸単位の含有量:1質量%)を、濃度が22質量%になるようにジメチルアセトアミド(DMAc)に溶解し、紡糸原液を調製した。この紡糸原液を孔径60μm、孔数6000の紡糸口金を通し、温度35℃、濃度67質量%のDMAc水溶液を満たした凝固浴中で凝固させ、凝固糸とした。得られた凝固糸を温水中で脱溶媒しながら延伸した。次に、得られた6000本の糸を二束合糸し、12000本とした後、アミノ変性シリコーン油剤を付与し、さらに、加圧スチーム中で延伸して、単繊維数12000本、単繊維繊度0.3dtex、総繊維繊度3600dtexの有機系高分子物質からなる前駆体繊維を得た。
<炭素繊維の製造>
得られた前駆体繊維を空気中、温度260℃、緊張下で、加熱時間を30分として加熱して、密度(ρ)が1.34g/cmの前駆体繊維(耐炎化繊維)を得た(酸化工程)。
ついで、熱重量測定装置(株式会社日立ハイテクノロジーズ製、「STA7300」)に混合ガスの導入経路を設けたものを用い、この装置にガス状物質(A)としてアセチレンガス(大陽日酸ガス&ウェルディング株式会社製、「超高純度アセチレンHA−5N」)と、非酸化性気体として窒素ガスからなる混合ガス(アセチレンガスの体積濃度:20体積%、窒素ガスの体積濃度:80体積%)を導入しつつ、耐炎化繊維を加熱した。まず、30℃から150℃まで、昇温速度100℃/分で昇温し、150℃で30分間保持した(前駆体繊維の脱水乾燥)。次いで、150℃から600℃まで昇温速度50℃/分で昇温した。600℃に到達した後、600℃で1分間保持した(第一の炭素化工程)。
引き続き、装置内の雰囲気を混合ガスから窒素ガスに置換し、600℃で20分間保持した後、最高到達温度1350℃まで昇温速度10℃/分で昇温し、炭素繊維を得た。
雰囲気温度の上昇による繊維の重量変化から炭素化収率を算出した。具体的には、1350℃における繊維の重量を、150℃の耐炎化繊維の重量で除して炭素化収率を算出した。
図1に、温度(横軸)に対して炭素化収率(縦軸)をプロットしたグラフを示す。また、表1に、前駆体単繊維繊度、1350℃における炭素化収率を示す。
「実施例2」
実施例1と同様に耐炎化繊維を得た。
ついで、実施例1と同様の装置に、前記混合ガスを導入しつつ、耐炎化繊維を加熱した。具体的には、まず、30℃から150℃まで、昇温速度100℃/分で昇温し、150℃で30分間保持した(前駆体繊維の脱水乾燥)。次いで、150℃から500℃まで昇温速度50℃/分で昇温した。500℃に到達した後、500℃で150分間保持した(第一の炭素化工程)。
引き続き、装置内の雰囲気を混合ガスから窒素ガスに置換し、500℃で20分間保持した後、最高到達温度1350℃まで昇温速度10℃/分で昇温し、炭素繊維を得た。
図1に、温度(横軸)に対して炭素化収率(縦軸)をプロットしたグラフを示す。また、表1に、前駆体単繊維繊度、1350℃における炭素化収率を示す。
「実施例3」
実施例1と同様に紡糸原液を調整した。
この紡糸原液を孔径60μm、孔数6000の紡糸口金を通し、温度35℃、濃度67質量%のDMAc水溶液を満たした凝固浴中で凝固させ、凝固糸とした。得られた凝固糸を温水中で脱溶媒しながら延伸した後、アミノ変性シリコーン油剤を付与した。さらに、加圧スチーム中で延伸して、単繊維数6000本、単繊維繊度0.6dtex、総繊維繊度3600dtexの有機系高分子物質からなる前駆体繊維を得た。
得られた前駆体繊維を空気中、温度260℃、緊張下で、加熱時間を20分として加熱して耐炎化処理し、密度(ρ)が1.34g/cmの前駆体繊維(耐炎化繊維)を得た(酸化工程)。
ついで、実施例1と同様の方法で炭素繊維を得た。
図1に、温度(横軸)に対して炭素化収率(縦軸)をプロットしたグラフを示す。また、表1に、前駆体単繊維繊度、1350℃における炭素化収率を示す。
「実施例4」
実施例3と同様に耐炎化繊維を得た。
ついで、実施例1と同様の装置に、前記混合ガスを導入しつつ、耐炎化繊維を加熱した。具体的には、まず、30℃から150℃まで、昇温速度100℃/分で昇温し、150℃で30分間保持した(前駆体繊維の脱水乾燥)。次いで、150℃から500℃まで昇温速度50℃/分で昇温した。500℃に到達した後、500℃で150分間保持した(第一の炭素化工程)。
引き続き、装置内の雰囲気を混合ガスから窒素ガスに置換し、500℃で20分間保持した後、最高到達温度1350℃まで昇温速度10℃/分で昇温し、炭素繊維を得た。
図1に、温度(横軸)に対して炭素化収率(縦軸)をプロットしたグラフを示す。また、表1に、前駆体単繊維繊度、1350℃における炭素化収率を示す。
「実施例5」
有機系高分子物質として、後述する比較例1と同様の方法で作製した耐炎化繊維を、凍結粉砕機(株式会社FreezerMill製、「SPEX67500」)により、液体窒素を用いて、予冷時間5分、粉砕時間2分、凍結時間5分、粉砕サイクル10の設定で凍結粉砕を行った。粉砕した耐炎化繊維を、実施例2と同様の方法で炭素材料を作製した。
なお、粉砕した耐炎化繊維を、走査電子顕微鏡(株式会社日立ハイテクノロジーズ製、「S−3400N」)により観察した。観察像を図4に示す。
図1に、温度(横軸)に対して炭素化収率(縦軸)をプロットしたグラフを示す。また、表1に1350℃における炭素化収率を示す。
「比較例1」
実施例1と同様に紡糸原液を調整した。
この紡糸原液を孔径60μm、孔数3000の紡糸口金を通し、温度35℃、濃度67質量%のDMAc水溶液を満たした凝固浴中で凝固させ、凝固糸とした。得られた凝固糸を温水中で脱溶媒しながら延伸した後、アミノ変性シリコーン油剤を付与した。さらに、加圧スチーム中で延伸して、単繊維数3000本、単繊維繊度1.2dtex、総繊維繊度3600dtexの有機系高分子物質からなる前駆体繊維を得た。
得られた前駆体繊維を空気中、温度260℃、緊張下で、加熱時間を20分として加熱して耐炎化処理し、密度(ρ)が1.34g/cmの前駆体繊維(耐炎化繊維)を得た(酸化工程)。
ついで、実施例1と同様の方法で炭素繊維を得た。
図2に、温度(横軸)に対して炭素化収率(縦軸)をプロットしたグラフを示す。また、表1に、前駆体の単繊維繊度、1350℃における炭素化収率を示す。
「比較例2」
比較例1と同様に耐炎化繊維を得た。
ついで、実施例1と同様の装置に、前記混合ガスを導入しつつ、耐炎化繊維を加熱した。具体的には、まず、30℃から150℃まで、昇温速度100℃/分で昇温し、150℃で30分間保持した(前駆体繊維の脱水乾燥)。次いで、150℃から500℃まで昇温速度50℃/分で昇温した。500℃に到達した後、500℃で150分間保持した(第一の炭素化工程)。
引き続き、装置内の雰囲気を混合ガスから窒素ガスに置換し、500℃で20分間保持した後、最高到達温度1350℃まで昇温速度10℃/分で昇温し、炭素繊維を得た。
図2に、温度(横軸)に対して炭素化収率(縦軸)をプロットしたグラフを示す。また、表1に、前駆体単繊維繊度、1350℃における炭素化収率を示す。
「比較例3」
第一の炭素化工程で、混合ガスの代わりに窒素ガスを用いた以外は、実施例1と同様にして炭素繊維を製造した。図2に、温度(横軸)に対して炭素化収率(縦軸)をプロットしたグラフを示す。また、表1に、前駆体単繊維繊度、1350℃における炭素化収率を示す。
「比較例4」
第一の炭素化工程で、混合ガスの代わりに窒素ガスを用いた以外は、実施例2と同様にして炭素繊維を製造した。図2に、温度(横軸)に対して炭素化収率(縦軸)をプロットしたグラフを示す。また、表1に、前駆体単繊維繊度、1350℃における炭素化収率を示す。
「比較例5」
第一の炭素化工程で、混合ガスの代わりに窒素ガスを用いた以外は、実施例3と同様にして炭素繊維を製造した。図2に、温度(横軸)に対して炭素化収率(縦軸)をプロットしたグラフを示す。また、表1に、前駆体単繊維繊度、1350℃における炭素化収率を示す。
「比較例6」
第一の炭素化工程で、混合ガスの代わりに窒素ガスを用いた以外は、実施例4と同様にして炭素繊維を製造した。図3に、温度(横軸)に対して炭素化収率(縦軸)をプロットしたグラフを示す。また、表1に、前駆体単繊維繊度、1350℃における炭素化収率を示す。
「比較例7」
第一の炭素化工程で、混合ガスの代わりに窒素ガスを用いた以外は、比較例1と同様にして炭素繊維を製造した。図3に、温度(横軸)に対して炭素化収率(縦軸)をプロットしたグラフを示す。また、表1に、前駆体単繊維繊度、1350℃における炭素化収率を示す。
「比較例8」
第一の炭素化工程で、混合ガスの代わりに窒素ガスを用いた以外は、比較例2と同様にして炭素繊維を製造した。図3に、温度(横軸)に対して炭素化収率(縦軸)をプロットしたグラフを示す。また、表1に、前駆体単繊維繊度、1350℃における炭素化収率を示す。
「比較例9」
第一の炭素化工程で、混合ガスの代わりに窒素ガスを用いた以外は、実施例5と同様にして炭素材料を製造した。図3に、温度(横軸)に対して炭素化収率(縦軸)をプロットしたグラフを示す。また、表1に、1350℃における炭素化収率を示す。
本発明の炭素材料の製造方法によれば、炭素化収率を向上させ、より効率的に炭素材料を製造できる。

Claims (17)

  1. アセチレンおよびアセチレン誘導体の少なくとも一方からなるガス状物質(A)を含む非酸化性雰囲気中で、BET法での比表面積が0.15m/g以上の有機系高分子物質を400℃超に加熱して炭素化処理する工程を含む、炭素材料の製造方法。
  2. 前記有機系高分子物質がビニル系重合体を含む、請求項1に記載の炭素材料の製造方法。
  3. 前記ビニル系重合体が、アクリロニトリル系重合体およびアクリロニトリル系重合体の誘導体の少なくとも一方を含む、請求項2に記載の炭素材料の製造方法。
  4. 前記ビニル系重合体が、オレフィン系重合体およびオレフィン系重合体の誘導体の少なくとも一方を含む、請求項2に記載の炭素材料の製造方法。
  5. 前記オレフィン系重合体が、ポリエチレンおよびポリプロピレンの少なくとも一方を含む、請求項4に記載の炭素材料の製造方法。
  6. 前記炭素化処理する工程の前に、有機系高分子物質前駆体を酸化処理して前記有機系高分子物質を得る工程を含む、請求項1に記載の炭素材料の製造方法。
  7. 前記酸化処理が、有機系高分子物質前駆体を酸化性雰囲気中で200〜350℃に加熱して酸化処理する工程である、請求項6に記載の炭素材料の製造方法。
  8. 前記有機系高分子物質前駆体がビニル系重合体を含む、請求項6または7に記載の炭素材料の製造方法。
  9. 前記ビニル系重合体が、アクリロニトリル系重合体およびアクリロニトリル系重合体の誘導体の少なくとも一方を含む、請求項8に記載の炭素材料の製造方法。
  10. 前記ビニル系重合体が、オレフィン系重合体およびオレフィン系重合体の誘導体の少なくとも一方を含む、請求項8に記載の炭素材料の製造方法。
  11. 前記オレフィン系重合体が、ポリエチレンおよびポリプロピレンの少なくとも一方を含む、請求項10に記載の炭素材料の製造方法。
  12. 前記非酸化性雰囲気を形成するガスの全体体積に対して、ガス状物質(A)の体積濃度が2体積%以上である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の炭素材料の製造方法。
  13. 前記非酸化性雰囲気は窒素ガスを含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の炭素材料の製造方法。
  14. 前記非酸化性雰囲気中で有機系高分子物質を400℃超に加熱した後に、窒素雰囲気中で1000℃以上にさらに加熱する工程を含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の炭素材料の製造方法。
  15. 前記有機系高分子物質が繊維状である、請求項1〜14のいずれか一項に記載の炭素材料の製造方法。
  16. 前記有機系高分子物質が単繊維繊度1.0dtex以下の繊維状である、請求項1〜14のいずれか一項に記載の炭素材料の製造方法。
  17. 請求項1〜16のいずれか一項に記載の炭素材料の製造方法により得られた、炭素材料。
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