JP4263122B2 - 炭素繊維及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は炭素繊維、特に極細炭素繊維に関し、更に詳しくは熱可塑性樹脂と熱可塑性炭素前駆体からなる混合物から製造した炭素繊維に関する。
炭素繊維は高強度、高弾性率、高導電性、軽量等の優れた特性を有している事から、高性能複合材料のフィラーとして使用されている。その用途は、従来からの機械的強度向上を目的とした補強用フィラーに留まらず、炭素材料に備わった高導電性を生かし、電磁波シールド材、静電防止材用の導電性樹脂フィラーとして、あるいは樹脂への静電塗料のためのフィラーとしての用途が期待されている。また炭素材料としての化学的安定性、熱的安定性と微細構造との特徴を生かし、フラットディスプレー等の電界電子放出材料としての用途も期待されている。
このような、高性能複合材料用としての炭素繊維の製造法として、(1)気相成長法を用いた炭素繊維の製造法、(2)樹脂組成物の溶融紡糸から製造する方法の2つが報告されている。
気相法を用いた製造法としては、たとえばベンゼン等の有機化合物を原料とし、触媒としてフェロセン等の有機遷移金属化合物をキャリアーガスとともに高温の反応炉に導入し、基盤上に生成させる方法(例えば、特許文献1を参照。)、浮遊状態で生成させる方法(例えば、特許文献2を参照。)、あるいは反応炉壁に成長させる方法(例えば、特許文献3を参照。)等が開示されている。しかし、これらの方法で得られる炭素繊維は高強度、高弾性率を有するものの、分岐が多く、補強用フィラーとしては性能が非常に低いといった問題があった。また、コスト高になるといった問題があった。また、この方法で製造した炭素繊維は、グラファイト層のエッジ面が炭素繊維の末端にのみ存在し、ガス吸着特性、有機化合物の反応場としては非常に乏しいといった問題点があった。
一方、樹脂組成物の溶融紡糸から炭素繊維を製造する方法としては、フェノール樹脂とポリエチレンの複合繊維から極細炭素繊維を製造する方法(例えば、特許文献4を参照)が開示されている。該方法の場合、分岐構造の少ない炭素繊維が得られるが、フェノール樹脂は完全非晶であるため、配向形成しにくく、且つ難黒鉛化性であるため得られる極細炭素繊維の強度、弾性率の発現は期待できない等の問題があった。
特開昭60−27700号公報(第2−3頁) 特開昭60−54998号公報(第1−2頁) 特許第2778434号公報(第1−2頁) 特開2001−73226号公報(第3−4頁)
本発明の目的は、ガス吸着特性および有機化合物の反応場として好適に用いることのできる、分岐構造の無い高強度・高弾性率の炭素繊維を提供することにある。
本発明の他の目的は、上記の炭素繊維を製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記従来技術に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。即ち本発明の目的は、
複数のグラファイト層が集束されて構成された炭素繊維であって、繊維径(D)が0.001μm〜2μmの範囲にあり、繊維長(L)と繊維径(D)との間に下記関係式(1)が成り立ち、かつ該炭素繊維の表面にグラファイト層のエッジ面が露出していることを特徴とする炭素繊維により達成される。
また、本発明には、炭素繊維が分岐構造を有しないこと、が包含される。
また、本発明の他の目的は、(1)熱可塑性樹脂100重量部並びにピッチ、ポリカルボジイミド、およびポリベンゾアゾールよりなる群から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性炭素前駆体1〜150重量部からなる混合物から前駆体繊維を形成する工程、(2)前駆体繊維を酸素または酸素/沃素の混合ガス雰囲気下で安定化処理に付して安定化前駆体繊維を形成する工程、(3)安定化前駆体繊維から熱可塑性樹脂を除去して繊維状炭素前駆体を形成する工程、(4)繊維状炭素前駆体を炭素化もしくは黒鉛化する工程を経る、上記の炭素繊維の製造方法により達成される。
本発明の製造方法には、熱可塑性樹脂が下記式(I)で表されること、
Figure 0004263122
熱可塑性樹脂がポリ−4−メチルペンテン−1またはその共重合体であること、熱可塑性樹脂がポリエチレンであること、熱可塑性炭素前駆体がメソフェーズピッチであること、が包含される。
本発明の炭素繊維は、炭素繊維表面にグラファイト層のエッジ面が露出しており、このため、グラファイト層のエッジ面をガス吸着、反応場として有効に利用することができる。
また、気相成長法で得られる従来の炭素繊維よりも分岐構造が少ないためグラファイトの乱れが少なく、高強度・高弾性率が期待でき、また、分岐構造を有しないため、炭素繊維同士の絡み合いが殆どなく、樹脂へのブレンド分散性も非常に良好である。このため、補強用フィラーとして非常に有用である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の炭素繊維は、複数のグラファイト層が集束されて構成された炭素繊維であって、該炭素繊維の表面にグラファイト層のエッジ面が露出していることを特徴とする。
グラファイト層を有する極細炭素繊維としては、気相成長法で製造した炭素繊維(昭和電工株式会社製「VGCF」)やカーボンナノチューブが公知であるが、これら炭素繊維の表面はグラファイト層で覆われた構造を有しており、そのエッジ面が繊維表面に露出しておらず、本発明の炭素繊維とは明らかにその構造が異なっている。
本発明の炭素繊維は、上記のようなグラファイト層のエッジ面が繊維表面に露出した構造を有していることから、ガスの吸着、化学反応場として有効に利用することができる。
また、本発明の炭素繊維は、分岐構造が全く観測されず、透過型電子顕微鏡や電子線回折の結果から、気相成長法により得られる炭素繊維で観測されるグレイン構造は非常に少ないことがわかり、高強度・高弾性率が期待されるだけでなく、樹脂へのブレンド分散性も好ましく良好である。
本発明の炭素繊維の繊維表面にグラファイト層のエッジ面が露出していることは、走査型電子顕微鏡による直接観察に加え、ラマン分光法から確認することができる。
1580cm−1付近のラマンバンドの半値全幅(Δ1580)は、一般的に黒鉛化度に依存し、黒鉛化度が高くなるにつれてシャープになる。また、1355cm−1付近のラマンバンドの強度(I1355)と1580cm−1付近のラマンバンドの強度(I1580)の比、R(I1355/I1580)は黒鉛化度の高い試料の評価に有効なパラメーターであり、同じ黒鉛化度を有する試料であっても、グラファイト層の表面を見ているのか、グラファイト層のエッジ面を見ているのかでその値は大きく異なることが公知である。
このことから、ラマンバンドパラメーターを詳細に解析することで、グラファイト層のエッジ面、あるいはグラファイト層の表面のどちらを観察しているのかを判断することができる。
本発明の炭素繊維は、ラマン分光法で評価したR値が0.08〜0.2の範囲にあり、かつΔ1580が25cm−1以下であることが好ましい。
ここで、Rは1355cm−1付近のラマンバンドの強度(I1355)と1580cm−1付近のラマンバンドの強度(I1580)の比(I1355/I1580)を、Δ1580は1580cm−1付近のラマンバンドの半値全幅を意味する。
ラマン分光法で評価したR値が0.08以上の場合には、繊維表面にグラファイトのエッジ面が十分に露出しており好ましく、一方、0.2以下の場合には黒鉛化度も十分な高いものとなるので好ましい。R値の更に好ましい範囲としては、0.09〜0.18、特に0.10〜0.17である。
さらに、本発明の炭素繊維は、1580cm−1付近のラマンバンドの半値全幅、Δ1580が25cm−1以下であることが好ましい。この範囲内にあるときには、黒鉛化度がより十分なものとなる。Δ1580のより好ましい範囲は23cm−1以下である。
本発明の炭素繊維は、その繊維径(D)が0.001μm〜2μmの範囲にあることが好ましい。該炭素繊維の繊維径が2μm以下であると、高性能複合材料用フィラーとしての性能が更に向上し、一方、繊維径が0.001μm以上であると、嵩密度が適度なものとなり、ハンドリング性に優れたものになる。
また、本発明の炭素繊維は、繊維長(L)と繊維径(D)との間に下記関係式(1)が成り立つことが好ましい。
30 < L/D (1)
ここで、上記関係式を満足する場合には、高性能複合材料用フィラーとしての性能が更に向上する。より好ましくはL/Dが50以上である。
上記条件を満足する炭素繊維は、熱可塑性樹脂と熱可塑性炭素前駆体の混合物から製造される。
以下、本発明で使用する(1)熱可塑性樹脂、(2)熱可塑性炭素前駆体について説明し、次いで(3)熱可塑性樹脂と熱可塑性炭素前駆体から混合物を製造する方法、次いで(4)混合物から炭素繊維を製造する方法、の順に詳細に説明する。
(1)熱可塑性樹脂
本発明で使用する熱可塑性樹脂は、安定化前駆体繊維を製造後、容易に除去される必要がある。このため、酸素または不活性ガス雰囲気下、350℃以上600℃未満の温度で5時間保持することで、初期重量の15wt%以下、より好ましくは10wt%以下、さらには5wt%以下にまで分解する熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。このような熱可塑性樹脂として、ポリオレフィン、ポリメタクリレート、ポリメチルメタクリレート等のポリアクリレート系ポリマー、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステルカーボネート、ポリサルホン、ポリイミド、ポリエーテルイミド等が好ましく使用される。これらの中でもガス透過性が高く、容易に熱分解しうる熱可塑性樹脂として、例えば下記式(I)で表されるポリオレフィン系の熱可塑性樹脂やポリエチレンなどが好ましく使用される。
Figure 0004263122
上記式(I)で表される化合物の具体的な例としては、ポリ−4−メチルペンテン−1やポリ−4−メチルペンテン−1の共重合体、例えばポリ−4−メチルペンテン−1にビニル系モノマーが共重合したポリマーなどや、ポリエチレンを例示することができ、ポリエチレンとしては、高圧法低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンなどのエチレンの単独重合体またはエチレンとα−オレフィンとの共重合体;エチレン・酢酸ビニル共重合体などのエチレンと他のビニル系単量体との共重合体等が挙げられる。
エチレンと共重合されるα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどが挙げられる。他のビニル系単量体としては、例えば、酢酸ビニル等のビニルエステル;(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル等の(メタ)アクリル酸およびそのアルキルエステルなどが挙げられる。
また、本発明の熱可塑性樹脂は熱可塑性炭素前駆体と容易に溶融混練できるという点から、非晶性の場合、ガラス転移温度が250℃以下、結晶性の場合、結晶融点が300℃以下であることが好ましい。
(2)熱可塑性炭素前駆体
本発明に用いられる熱可塑性炭素前駆体は、酸素または酸素/沃素の混合ガス雰囲気下、200℃以上350℃未満で2〜30時間保持した後、次いで350℃以上500℃未満の温度で5時間保持することで、初期重量の80wt%以上が残存する熱可塑性炭素前駆体を用いるのが好ましい。上記条件で、残存量が初期重量の80%未満であると、熱可塑性炭素前駆体から充分な炭化率で炭素繊維を得ることができず、好ましくない。
より好ましくは、上記条件において初期重量の85%以上が残存することである。上記条件を満たす熱可塑性炭素前駆体としては、具体的にはレーヨン、ピッチ、ポリアクリロニトリル、ポリα−クロロアクリロニトリル、ポリカルボジイミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリベンゾアゾール、およびアラミド類等が挙げられ、これらの中でピッチ、ポリアクリロニトリル、ポリカルボジイミドが好ましく、ピッチがさらに好ましい。
またピッチの中でも一般的に高強度、高弾性率の期待されるメソフェーズピッチが好ましい。なお、メソフェーズピッチとは溶融状態において光学的異方性相(液晶相)を形成しうる化合物を指す。メソフェーズピッチの原料としては石炭や石油の蒸留残渣を使用してもよく、有機化合物を使用しても良いが、安定化や炭素化もしくは黒鉛化のしやすさから、ナフタレン等の芳香族炭化水素を原料としたメソフェーズピッチを用いるのが好ましい。上記熱可塑性炭素前駆体は熱可塑性樹脂100重量部に対し1〜150重量部、好ましくは5〜100重量部を使用しうる。
(3)熱可塑性樹脂と熱可塑性炭素前駆体とからなる混合物の製造
本発明で使用する混合物は、熱可塑性樹脂と熱可塑性炭素前駆体から製造される。本発明で使用する混合物から、繊維径が2μm未満である炭素繊維を製造するためには、熱可塑性炭素前駆体の熱可塑性樹脂中への分散径が0.01〜50μmとなるのが好ましい。熱可塑性炭素前駆体の熱可塑性樹脂(I)中への分散径が0.01〜50μmの範囲を逸脱すると、高性能複合材料用としての炭素繊維を製造することが困難となることがある。熱可塑性炭素前駆体の分散径のより好ましい範囲は0.01〜30μmである。また、熱可塑性樹脂と熱可塑性炭素前駆体からなる混合物を、300℃で3分間保持した後、熱可塑性炭素前駆体の熱可塑性樹脂中への分散径が0.01〜50μmであることが好ましい。
一般に、熱可塑性樹脂と熱可塑性炭素前駆体との溶融混練で得た混合物を、溶融状態で保持しておくと時間と共に熱可塑性炭素前駆体が凝集するが、熱可塑性炭素前駆体の凝集により、分散径が50μmを超えると、高性能複合材料用としての炭素繊維を製造することが困難となることがある。熱可塑性炭素前駆体の凝集速度の程度は、使用する熱可塑性樹脂と熱可塑性炭素前駆体との種類により変動するが、より好ましくは300℃で5分以上、さらに好ましくは300℃で10分以上、0.01〜50μmの分散径を維持していることが好ましい。
なお、混合物中で熱可塑性炭素前駆体は島相を形成し、球状あるいは楕円状となるが、本発明で言う分散径とは混合物中で熱可塑性炭素前駆体の球形の直径または楕円体の長軸径を意味する。
熱可塑性炭素前駆体の使用量は、熱可塑性樹脂100重量部に対して1〜150重量部、好ましくは5〜100重量部である。熱可塑性炭素前駆体の使用量が150重量部を超えると所望の分散径を有する熱可塑性炭素前駆体が得られず、1重量部未満であると目的とする炭素繊維を安価に製造する事ができない等の問題が生じるため好ましくない。
熱可塑性樹脂と熱可塑性炭素前駆体とから混合物を製造する方法は、溶融状態における混練が好ましい。熱可塑性樹脂と熱可塑性炭素前駆体の溶融混練は公知の方法を必要に応じて用いる事ができ、例えば一軸式溶融混練押出機、二軸式溶融混練押出機、ミキシングロール、バンバリーミキサー等が挙げられる。
これらの中で上記熱可塑性炭素前駆体を熱可塑性樹脂に良好にミクロ分散させるという目的から、同方向回転型二軸式溶融混練押出機が好ましく使用される。溶融混練温度としては100℃〜400℃で行なうのが好ましい。
溶融混練温度が100℃未満であると、熱可塑性炭素前駆体が溶融状態にならず、熱可塑性樹脂とのミクロ分散が困難であるため好ましくない。一方、400℃を超える場合、熱可塑性樹脂と熱可塑性炭素前駆体の分解が進行するためいずれも好ましくない。溶融混練温度のより好ましい範囲は150℃〜350℃である。
また、溶融混練の時間としては0.5〜20分間、好ましくは1〜15分間である。溶融混練の時間が0.5分間未満の場合、熱可塑性炭素前駆体のミクロ分散が困難であるため好ましくない。一方、20分間を超える場合、炭素繊維の生産性が著しく低下し好ましくない。
本発明では、熱可塑性樹脂と熱可塑性炭素前駆体から溶融混練により混合物を製造する際に、酸素ガス含有量10%未満のガス雰囲気下で溶融混練することが好ましい。本発明で使用する熱可塑性炭素前駆体は酸素と反応することで溶融混練時に変性不融化してしまい、熱可塑性樹脂中へのミクロ分散を阻害することがある。
このため、不活性ガスを流通させながら溶融混練を行い、できるだけ酸素ガス含有量を低下させることが好ましい。より好ましい溶融混練時の酸素ガス含有量は5%未満、さらには1%未満である。上記の方法を実施することで、目的とする炭素繊維を製造するための、熱可塑性樹脂と熱可塑性炭素前駆体との混合物を製造することができる。
(4)炭素繊維を製造する方法
本発明の炭素繊維は、上述の熱可塑性樹脂と熱可塑性炭素前駆体とからなる混合物から製造することができる。即ち、本発明の炭素繊維は、(4−1)熱可塑性樹脂100重量部と熱可塑性炭素前駆体1〜150重量部からなる混合物から前駆体繊維を形成する工程、(4−2)前駆体繊維を安定化処理に付して前駆体繊維中の熱可塑性炭素前駆体を安定化して安定化前駆体繊維を形成する工程、(4−3)安定化前駆体繊維から熱可塑性樹脂を除去して繊維状炭素前駆体を形成する工程、そして、(4−4)繊維状炭素前駆体を炭素化もしくは黒鉛化する工程を経ること製造される。各工程について、以下に詳細に説明する。
(4−1)熱可塑性樹脂と熱可塑性炭素前駆体からなる混合物から前駆体繊維を形成する工程
本発明では、熱可塑性樹脂と熱可塑性炭素前駆体の溶融混練で得た混合物から前駆体繊維を形成する。前駆体繊維を製造する方法としては、熱可塑性樹脂と熱可塑性炭素前駆体とからなる混合物を紡糸口金より溶融紡糸することにより得る方法などを例示することができる。溶融紡糸する際の紡糸温度としては150℃〜400℃、好ましくは180℃〜350℃である。紡糸引取り速度としては10m/分〜2000m/分である事が好ましい。
また、別法として熱可塑性樹脂と熱可塑性炭素前駆体の溶融混練で得た混合物から、メルトブロー法により前駆体繊維を形成する方法も例示することができる。メルトブローの条件としては、吐出ダイ温度が150〜400℃、ガス温度が150〜400℃の範囲が好適に用いられる。メルトブローの気体噴出速度は、前駆体繊維の繊維径に影響するが、気体噴出速度は、通常2000〜100m/sであり、より好ましくは1000〜200m/sである。
熱可塑性樹脂と熱可塑性炭素前駆体との混合物を溶融混練し、その後ダイより吐出する際、溶融混練した後溶融状態のままで配管内を送液し吐出ダイまで連続的に送液するのが好ましく、溶融混練から紡糸口金吐出までの移送時間は10分以内である事が好ましい。
(4−2)前駆体繊維を安定化処理に付して前駆体繊維中の熱可塑性炭素前駆体を安定化して安定化前駆体繊維を形成する工程
本発明の製造方法における第二の工程では、上記で作成した前駆体繊維を安定化処理に付して前駆体繊維中の熱可塑性炭素前駆体を安定化して安定化前駆体繊維を形成する。熱可塑性炭素前駆体の安定化は炭素化もしくは黒鉛化された炭素繊維を得るために必要な工程であり、これを実施せず次工程である熱可塑性樹脂の除去を行った場合、熱可塑性炭素前駆体が熱分解したり融着したりするなどの問題が生じる。
該安定化の方法としては酸素などのガス気流処理、酸性水溶液などの溶液処理など公知の方法で行なう事ができるが、生産性の面からガス気流下での不融化が好ましい。使用するガス成分としては上記熱可塑性樹脂への浸透性および熱可塑性炭素前駆体への吸着性の点から、また熱可塑性炭素前駆体を低温で速やかに不融化させ得るという点から酸素および/またはハロゲンガスを含む混合ガスである事が好ましい。ハロゲンガスとしては、フッ素ガス、塩素ガス、臭素ガス、沃素ガスを挙げることができるが、これらの中でも臭素ガス、沃素ガス、特に沃素ガスが好ましい。ガス気流下での不融化の具体的な方法としては、温度50〜350℃、好ましくは80〜300℃で、5時間以下、好ましくは2時間以下で所望のガス雰囲気中で処理する事が好ましい。
また、上記不融化により前駆体繊維中に含まれる熱可塑性炭素前駆体の軟化点は著しく上昇するが、所望の極細炭素繊維を得るという目的から軟化点が400℃以上となる事が好ましく、500℃以上である事がさらに好ましい。上記の方法を実施することで、前駆体繊維中の熱可塑性炭素前駆体を安定化して安定化前駆体繊維を得ることができる。
(4−3)安定化前駆体繊維から熱可塑性樹脂を除去して繊維状炭素前駆体を形成する工程
本発明の製造方法における第三の工程は安定化前駆体繊維に含まれる熱可塑性樹脂を熱分解で除去するものであり、具体的には安定化前駆体繊維中に含まれる熱可塑性樹脂を除去し、安定化された繊維状炭素前駆体のみを分離し、繊維状炭素前駆体を形成する。この工程では、繊維状炭素前駆体の熱分解をできるだけ抑え、かつ熱可塑性樹脂を分解除去し、繊維状炭素前駆体のみを分離する必要がある。
熱可塑性樹脂の除去は、酸素存在雰囲気および不活性ガス雰囲気のどちらでもよい。酸素存在雰囲気で熱可塑性樹脂を除去する場合には、350℃以上600℃未満の温度で除去する必要がある。なお、ここで言う酸素存在雰囲気下とは、酸素濃度が1〜100%のガス雰囲気を指しており、酸素以外に二酸化炭素、窒素、アルゴン等の不活性ガスや、沃素、臭素等の不活性ガスを含有していても良い。これら条件の中でも、特にコストの関係から空気を用いることが特に好ましい。
安定化前駆体繊維に含まれる熱可塑性樹脂を除去する温度が350℃未満のときには、繊維状炭素前駆体の熱分解は抑えられるものの、熱可塑性樹脂の熱分解を充分行なうことができず好ましくない。また、600℃以上であると、熱可塑性樹脂の熱分解は充分行なうことができるものの、繊維状炭素前駆体の熱分解も起こってしまい、結果として熱可塑性炭素前駆体から得られる炭素繊維の炭化収率を低下させてしまい好ましくない。
安定化前駆体繊維に含まれる熱可塑性樹脂を分解する温度としては、酸素雰囲気下380〜500℃であることが好ましく、特に400〜450℃の温度範囲で、0.5〜10時間処理するのが好ましい。上記処理を施すことで、熱可塑性樹脂は使用した初期重量の15wt%以下にまで分解される。また、熱可塑性炭素前駆体は使用した初期重量の80wt%以上が繊維状炭素前駆体として残存する。
また、不活性ガス雰囲気下で熱可塑性樹脂を除去する場合には、350℃以上600℃未満の温度で除去する必要がある。なお、ここで言う不活性ガス雰囲気下とは、酸素濃度30ppm以下、より好ましくは20ppm以下の二酸化炭素、窒素、アルゴン等のガスをさす。なお、沃素、臭素等のハロゲンガスを含有していても良い。
なお、本工程で使用する不活性ガスとしては、コストの関係から二酸化炭素と窒素が好ましく用いることができ、窒素が特に好ましい。安定化前駆体繊維からなる不織布に含まれる熱可塑性樹脂を除去する温度が350℃未満のとき、繊維状炭素前駆体の熱分解は抑えられるものの、熱可塑性樹脂の熱分解を充分行なうことができず好ましくない。
また、600℃以上であると、熱可塑性樹脂の熱分解は充分行なうことができるものの繊維状炭素前駆体の熱分解も起こってしまい、結果として熱可塑性炭素前駆体から得られる炭素繊維からなる不織布の炭化収率を低下させてしまい好ましくない。
安定化前駆体繊維に含まれる熱可塑性樹脂を分解する温度としては、不活性ガス雰囲気下380〜550℃とすることが好ましく、特に400〜530℃の温度範囲で、0.5〜10時間処理するのが好ましい。上記処理を施すことで、使用した熱可塑性樹脂の初期重量の15wt%以下にまで分解される。また、使用した熱可塑性炭素前駆体の初期重量の80wt%以上が繊維状炭素前駆体として残存する。
また、安定化前駆体繊維から熱可塑性樹脂を除去して繊維状炭素前駆体を形成する別の方法として、熱可塑性樹脂を溶剤で除去する方法を採択しても良い。この方法では、繊維状炭素前駆体の溶剤への溶解をできるだけ抑え、かつ熱可塑性樹脂を分解除去し、繊維状炭素前駆体のみを分離する必要がある。
この条件を満たすために、本発明では、繊維状炭素前駆体に含まれる熱可塑性樹脂を、30〜300℃の温度を有する溶剤で除去するのが好ましい。溶剤の温度が30℃未満であると、前駆体繊維に含まれる熱可塑性樹脂を除去するのに多大の時間を有し好ましくない。一方、300℃以上であると、短時間により熱可塑性樹脂を除去することは可能だが、繊維状炭素前駆体(I)も溶解させ、その繊維構造を破壊するだけでなく、最終的に得られる炭素繊維の原料に対する炭化収率を低下させ好ましくない。安定化前駆体繊維から熱可塑性樹脂を溶剤で除去する温度としては、50〜250℃、さらには80〜200℃が特に好ましい。
(4−4)繊維状炭素前駆体からなる不織布を炭素化もしくは黒鉛化する工程
本発明の製造方法における第四の工程は、熱可塑性樹脂を初期重量の15wt%以下にまで除いた繊維状炭素前駆体を不活性ガス雰囲気中で炭素化もしくは黒鉛化し炭素繊維を製造するものである。本発明において繊維状炭素前駆体は不活性ガス雰囲気下での高温処理により炭素化もしくは黒鉛化し、所望の炭素繊維となる。得られる炭素繊維の繊維径としては0.001μm〜1μmであることが好ましい。
繊維状炭素前駆体の炭素化もしくは黒鉛化は公知の方法で行なうことができる。使用される不活性ガスとしては窒素、アルゴン等があげられ、温度は500℃〜3500℃、好ましくは800℃〜3000℃である。なお、炭素化もしくは黒鉛化する際の、酸素濃度は20ppm以下、さらには10ppm以下であることが好ましい。上記の方法を実施することで、本発明の炭素繊維を製造することができる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれにより何等限定を受けるものではない。
なお、本実施例中の、熱可塑性樹脂と熱可塑性炭素前駆体との混合物中の熱可塑性炭素前駆体の分散粒子径および安定化前駆体繊維、炭素繊維の繊維径は、超高分解能電解放出型走査電子顕微鏡(株式会社日立製作所製(UHR−FE−SEM S−5000))にて測定した。
また、炭素繊維表面のグラファイト観察は透過型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製(H−9000UHR))でおこなった。
更に、炭素繊維のラマン測定は、ラマン分光測定装置(Ramanor T−64000(Jobin Yvon社製)にて測定した。
なおR(I1355/I1580)値、Δ1580のラマンバンドパラメーターはスペクトルの形状を最小二乗法によってローレンツ関数でフィッティングすることにより求めた。
[実施例1]
熱可塑性樹脂としてポリ−4−メチルペンテン−1(TPX:グレードRT−18[三井化学株式会社製])100重量部と熱可塑性炭素前駆体としてメソフェーズピッチAR−HP(三菱ガス化学株式会社製)11.1部を同方向二軸押出機(株式会社日本製鋼所製TEX−30、バレル温度290℃、窒素気流下)で溶融混練して混合物を作成した。この条件で得られた混合物の、熱可塑性炭素前駆体の熱可塑性樹脂中への分散径は0.05〜2μmであった。また、この混合物を300℃で10分間保持したが、熱可塑性炭素前駆体の凝集は認められず、分散径は0.05〜2μmであった。
次いで、上記混合物をメルトブロー法により不織布としたが、その際には、330℃で吐出孔より吐出し、吐出孔直下で350℃、500m/分の空気を溶融状態にある繊維に吹き付けることで、繊維径0.5〜5μmの前駆体繊維からなる不織布を作成した。
この前駆体繊維からなる不織布10重量部に対して0.5重量部の沃素とが含有されるように、空気とともに1リットル容積の耐圧ガラス内に仕込み、180℃で20時間保持して安定化処理を施すことで、安定化前駆体繊維からなる不織布を作成した。
次に、安定化前駆体繊維からなる不織布を窒素ガス雰囲気下、昇温速度5℃/分で550℃まで昇温することで熱可塑性樹脂を除去して繊維状炭素前駆体からなる不織布を作成した。この繊維状炭素前駆体からなる不織布をアルゴンガス雰囲気下、室温から3時間で2800℃まで昇温することで炭素繊維を作成した。
得られた炭素繊維表面の走査型電子顕微鏡写真図(図1)と透過型電子顕微鏡写真図(図2)とを掲載する。図1より炭素繊維表面にグラファイト層のエッジ面を観測することができる。
ラマン分光法から評価したR値は0.152、Δ1580値は21.6であった。なお、得られた炭素繊維径(D)は、100〜800nm前後であり、炭素繊維長(L)は100μm以上であり、L/Dは30より大きいことが確認できた。
[比較例1]
気相法で製造された炭素繊維(昭和電工株式会社製「VGCF」)のラマン測定を行った。ラマン分光法から評価したR値は0.073、Δ1580値は21.6であった。走査型電子顕微鏡図(図2)から評価した炭素繊維表面は平滑であり、グラファイト層のエッジ面は繊維表面に露出していなかった。
実施例1の操作で得られた炭素繊維末端を走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製「UHR−FE−SEM S−5000」)により撮影した写真図(撮影倍率3万倍)である。 比較例1の炭素繊維末端を走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製「UHR−FE−SEM S−5000」)により撮影した写真図(撮影倍率5万倍)である。

Claims (7)

  1. 複数のグラファイト層が集束されて構成された炭素繊維であって、繊維径(D)が0.001μm〜2μmの範囲にあり、繊維長(L)と繊維径(D)との間に下記関係式(1)が成り立ち、かつ該炭素繊維の表面にグラファイト層のエッジ面が露出していることを特徴とする炭素繊維。
    30 < L/D (1)
  2. 炭素繊維が分岐構造を有しないことを特徴とする請求項1記載の炭素繊維。
  3. (1)熱可塑性樹脂100重量部並びにピッチ、ポリカルボジイミド、およびポリベンゾアゾールよりなる群から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性炭素前駆体1〜150重量部からなる混合物から前駆体繊維を形成する工程、(2)前駆体繊維を酸素または酸素/沃素の混合ガス雰囲気下で安定化処理に付して安定化前駆体繊維を形成する工程、(3)安定化前駆体繊維から熱可塑性樹脂を除去して繊維状炭素前駆体を形成する工程、(4)繊維状炭素前駆体を炭素化もしくは黒鉛化する工程を経る、請求項1または2に記載の炭素繊維の製造方法。
  4. 熱可塑性樹脂が下記式(I)で表される請求項3記載の炭素繊維の製造方法。
    Figure 0004263122
  5. 熱可塑性樹脂がポリ−4−メチルペンテン−1またはその共重合体である請求項4記載の炭素繊維の製造方法。
  6. 熱可塑性樹脂がポリエチレンである請求項4記載の炭素繊維の製造方法。
  7. 熱可塑性炭素前駆体がメソフェーズピッチである請求項3記載の炭素繊維の製造方法。
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