JP4339663B2 - 近赤外線吸収積層材 - Google Patents

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Description

本発明は、近赤外線すなわち熱線を吸収することができ、それでいて透明な近赤外線吸収積層材に関する。
太陽光線のうち、約50%の熱エネルギー比率を近赤外線(800〜2000nm)がもつといわれている。このため、近赤外線を遮蔽することができれば、涼しい光線を取り込むことができる。
近赤外線は、硫黄系化合物や銅系化合物などに吸収されることが知られており、これら硫黄系化合物や銅系化合物を樹脂に混錬した樹脂からなる、近赤外線吸収作用を有する透明樹脂が開示されている。(例えば、特許文献1〜3参照)
このような透明樹脂を近赤外線吸収層としてポリカーボネート樹脂などの透明樹脂基材に積層し、例えばテラス、バルコニー、カーポートなどの屋根材、窓材等を形成すれば、太陽光を採り入れつつ、近赤外線は遮蔽することができるから、明るくて過度に温度が上昇しない快適な生活環境を長期に渡り保持することができる。
特開平7−178861号公報 特開平11−181302号公報 特開平11−349818号公報
しかし、このような構成からなる近赤外線吸収層は、テラス、バルコニー、カーポートなどの屋根材、窓材等に使用した場合、雨水や空気と長期に渡って接触するうちに、近赤外線吸収粒子である硫黄系化合物や銅系化合物が溶出或いは酸化され、次第に近赤外線吸収効果が失われるという課題があることが分ってきた。
そこで本発明は、上記課題に鑑み、硫黄系化合物や銅系化合物などを含有する近赤外線吸収層を備えた近赤外線吸収積層材であって、透明で、しかも長期に渡り近赤外線吸収効果を維持することができ、好ましくは防汚効果を備えた近赤外線吸収積層材を提供せんとするものである。
本発明は、透明樹脂からなる基材の少なくとも片側面側に、硫黄系化合物及び/または銅系化合物などの近赤外線吸収粒子を含有する近赤外線吸収層を積層してなる構成を備えた近赤外線吸収積層材であって、近赤外線吸収層の少なくとも片側外側に、酸素及び水分を浸透させない透明バリア層を設けてなる構成を備えた近赤外線吸収積層材を提案する。
本発明はまた、透明樹脂に硫黄系化合物及び/または銅系化合物などの近赤外線吸収粒子を混入して近赤外線吸収機能付基材を形成し、この基材の少なくとも片側外側に、酸素及び水分を浸透させない透明バリア層を設けてなる構成を備えた近赤外線吸収積層材を提案する。
かかる構成とすることにより、近赤外線吸収層は透明バリア層により保護され、近赤外線吸収粒子が酸素及び水分と接触するのを断つことができるから、近赤外線吸収粒子の溶出及び酸化を防止することができ、長期に渡り近赤外線吸収効果を維持することができる。
上記の透明バリア層の少なくとも片側外側に、光触媒を含有する光触媒層を形成することにより、防汚効果、抗菌効果その他の光触媒効果を近赤外線吸収積層材に付与することができる。
この際、光触媒層は、二酸化チタン粒子とシリカ化合物(SiO2)とを配合して形成するのが好ましく、中でも特に、平均粒子径3〜100nmの二酸化チタン粒子とシリカ化合物(SiO2)とを、質量比率で60:40〜90:10の割合で混合するようにして光触媒層を形成するのが好ましい。このように光触媒層を形成すれば、透明で、しかも各種光触媒効果を得ることができる。
光触媒層を形成する場合には、基材と光触媒層との間に、基材を光触媒から保護する基材保護層を介層するのが好ましい。光触媒活性により基材が劣化することを防ぐことができる。
本発明の近赤外線吸収積層材は、波長900〜1200nmの近赤外線を50%以上遮蔽するか、或いは、JIS R 3106による日射透過性が50%以下であって、全光線透過率が40〜100%という物性を備えるように形成することができる。
このような物性を備えた近赤外線吸収積層材であれば、これを成形して、例えばテラス、バルコニー、カーポートなどの屋根材として使用すれば、近赤外線を遮蔽しつつ可視光線は透過するから、屋根下の環境を明るくそれでいて過度に温度が上昇しない環境とすることができる。
なお、本発明における数値範囲の上限値及び下限値は、本発明が特定する数値範囲から外れる場合であっても、当該数値範囲内と同様の作用効果を備えている限り本発明の均等範囲に含める意を包含する。
本発明において「透明性」とは、半透明、色付透明を包含する意である。
また、本明細書において「主成分とする」の意は、その成分が組成物中で50質量%、特に70質量%以上を占める成分である意である。
本発明の一実施形態を図面を用いて説明する。
以下に説明する実施形態は本発明の一例であって、本発明の範囲が以下の実施形態に限定されるものではない。
図1に示した近赤外線吸収積層材1は、接着層15、近赤外線吸収層14、透明バリア層13及び光触媒層12を、基材2上に順次積層してなる積層構造を備えた積層材である。
この近赤外線吸収積層材1は、例えば基材2に、次に説明する光触媒層転写体10を積層することにより形成することができる。但し、近赤外線吸収積層材1の製造方法を転写体による方法に限定するものではない。
(光触媒層転写体)
光触媒層転写体10は、離型フィルム11の片側面に、光触媒層12、透明バリア層13、近赤外線吸収層14及び接着層15を順次積層して形成することができる。
離型フィルム11としては、ポリエチレンテレフタレート、塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエチレン、ポリプロピレンその他の合成樹脂からなる単層又は複数層からなるフィルム乃至シートを好適に用いることができる。紙類を用いることもできる。必要に応じて、適宜表面処理を施してもよい。例えば光触媒層12との剥離性を向上させるため、コロナ処理、シリコン、フッ素その他の離型剤による表面処理を施してもよい。
光触媒層12に配合する光触媒粒子としては、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化鉛、酸化第二鉄、三酸化二ビスマス、三酸化タングステン、チタン酸ストロンチウム等の金属酸化物が挙げることができる。これらにFe、Co、Ni、Cu、Zn、Ru、Rh、Rd、Ag、Pt、Au等を付加してもよい。中でも、二酸化チタンは、無害で化学的に安定しておりかつ安価であるため好ましく、特に二酸化チタン粒子と、シリカ化合物(SiO2)とを含むものが好ましい 。
二酸化チタンとしては、アナターゼ型二酸化チタン、ルチル型二酸化チタン、ブルックライト型二酸化チタンのいずれも使用できるが、光触媒反応の高活性なアナターゼ型二酸化チタンが好ましい。
光触媒の粒子の粒径は、特に限定するものではないが、動的光散乱式粒径分布測定装置より求められる平均粒径が3〜100nm、特に3〜30nmの範囲内であるのが好ましい。平均粒子径3〜100nmの範囲内であれば、光触媒層12の透明性を確保することができる。
また、二酸化チタンの比表面積は、100℃乾燥後で50m2/g以上である必要があるのが好ましい。50m2/g以上であれば、大きな触媒効果を期待することができる。
光触媒層12は、上述のように光触媒粒子を含む光触媒コート液を塗布することにより形成することができる。
光触媒コート液は、有機溶媒及び水を含む溶媒と、光触媒粒子とを混合して調整することができる。
但し、本発明における光触媒層12の形成手段をこの方法に限定する意ではない。
光触媒コート液を調製する際、光触媒は、粉末状態で混合することも可能であるが、次に説明するようにスラリー状或いはゾル状に調整して混合するのが好ましい。
光触媒は、沈降性の少ないスラリーやゾルの状態に調整して添加・混合するのが好ましい。必要な物性が満たされていれば市販の二酸化チタンスラリーやゾルを利用してもよい。
また、粒子の凝集による粒子径の変化および沈降を防ぐために分散安定剤を共存させるのが好ましい。これらの分散安定剤は、粒子の調整時から共存させることもできるし、光触媒コート液を調整する際に添加してもよい。
分散安定剤としては特にこだわらず各種の薬剤が使用できるが、二酸化チタンは中性付近では凝集しやすいので、酸性又はアルカリ性の分散安定剤が好ましく使用される。酸性の分散安定剤としては硝酸、塩酸等の鉱酸、カルボン酸、オキシカルボン酸、ポリカルボン酸などの有機酸などが挙げられる。アルカリ性の分散安定剤としてはカルボン酸、ポリカルボン酸類のアルカリ金属塩やアンモニア、1〜4級のアミン類及びそれらにヒドロキシ基を付加したアルカノールアミン類から選ばれた一種類以上の化合物が好例として挙げられる。特に、有機酸を利用すると、後述する有機溶媒との混和性が良好である上に、pHが極端に低くならずかつ製造時に使用する設備を腐食しにくいので好ましい。有機酸としては酢酸、シュウ酸、グリコール酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸などが好ましく利用でき、これらの中から選ばれた一種類以上の酸で分散安定化させることができる。
有機溶媒としては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピレンアルコール等の一価低級アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等の多価アルコール類及びそれらのエステルであるセルソルブ、酢酸エチル、メチルイソブチルケトン、イソブタノール、メチルエチケトン、トルエン、キシレン等を好適に使用できる。一価低級アルコール、中でもイソプロピルアルコール及びエタノールを用いるのが好ましい。
有機溶媒及び水を含む溶媒には、適宜、シランカップリング剤の無機バインダーを含ませるのが好ましい。無機バインダーは、光触媒粒子の密着を高め、光触媒による膜の強度を向上させる。
無機バインダーとしてはシリカ化合物が好ましい。
シリカ化合物としては、4、3、2官能のアルコキシシラン、およびこれらアルコキシシラン類の縮合物、加水分解物、シリコンワニス等が使用できる。3,2官能のアルコキシシランは、一般的にシランカップリング剤と呼ばれることも多いが、本発明ではシリコン1分子に1つ以上のアルコキシ基が結合している化合物をアルコキシシランと称する。具体的に例示すると4官能アルコキシシランとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、3官能のアルコキシシランとしてはメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、グリシドプロポキシトリメトキシシラン、アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、2官能のアルコキシシランとしてはジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシランなどが挙げられる。
アルコキシシラン類の縮合物としては、エチルシリケート40、エチルシリケート48、メチルシリケート51等の4官能アルコキシシランの縮合物が挙げられるがこれに限定されるものではない。
アルコキシシラン類の加水分解物としては、アルコキシシラン類を有機溶媒と水及び触媒を使用して加水分解させたものが使用できる。これらのシリカ化合物の内、特にテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、エチルシリケート40、エチルシリケート48、メチルシリケート51及びそれらの加水分解生物であるアルコール性シリカゾルは膜を強固に固定でき、かつ比較的安価であることから特に好適である。かかるアルコール性シリカゾルの製造方法は、特に限定されることはなく、光触媒コート液内でアルコキシシランの加水分解反応を行ってもよいし、アルコキシシランを加水分解又は部分加水分解し、既にアルコール性シリカゾルとなったものを光触媒コート液に添加してもよい。
無機バインダーの混合に際しては、バインダー液と水系の二酸化チタン分散液を混和、安定化させるために溶媒を使用するのが好ましい。
溶媒の種類としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどの一価低級アルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコールなどの多価アルコール類及びそれらのエステルであるセルソルブなどが好溶媒として利用できる。
また、無機バインダーは、光触媒コート液に予め混合して貯蔵しておいてもよいが、バインダー成分が通常の保存方法で劣化する場合は、使用直前に二酸化チタン含有光触媒コート液と混合し使用することもできる。
光触媒粒子を含むコート液組成は、光触媒粒子を固形分濃度で0.2〜20質量%、特に5〜10質量%を混合するのが好ましい。5%以上であれば塗布後の光触媒の効果が特に大きく、汚れ防止といった効果をより一層得ることができる。また、10%を超えなければ外観が白くなる(透明でなくなる)ことがなく、温度を高くしても光触媒が脱落しない。また、粘度が高くなり過ぎることもない。
無機バインダー(シリカ化合物)は、0.05〜5質量%、特に1.25〜2質量%を含有するのが好ましい。バインダーは、多過ぎると光触媒コート液の安定性を阻害するだけでなく、二酸化チタンの表面を覆ってしまい触媒効果を大幅に低下させる。
具体的には、平均粒径3〜100nmの二酸化チタン粒子を0.2〜20質量%含み、かつシリカ化合物をSiO2として0.1〜5質量%を含み、二酸化チタン粒子とシリカ化合物(SiO2)との比率が60:40〜100:10となるように光触媒コート液を調整するのが好ましい。
光触媒コート液にバインダーを添加してから長時間貯蔵する場合には、シリカ化合物の含有量を2.5質量%以下とするのがより好ましい。
なお、溶媒の量は光触媒コート液全体に対して5〜90質量%で調整可能である。
光触媒コート液の粘度を上げるために、更に水溶性高分子(例えばポリビニルアルコール)などの増粘剤等を添加してもよい。
増粘剤としては多糖類やポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシドなどが例示できる。
光触媒粒子を含むコート液を塗布する手段は、特に限定するものではない。例えば、グラビアコート、スプレーコート、ディップコート等、各種の塗布方法を選択することができるが、中でもグラビアロールコーターを用いて塗布するのが好ましい。離型フィルム11への光触媒層12形成は、上記コート液を塗布し、加熱乾燥して行うのがよい。
加熱乾燥は、加熱温度80〜180℃で行うのが好ましい。さらには、乾燥熱風風速10〜30m/秒、乾燥時間20〜180秒の条件で行うのがよい。
光触媒コート液のコート膜厚、即ち光触媒層12の厚さは、厚い方が触媒効果を高められるが、3μmを超えると膜厚の増加と触媒効果の増加が比例しなくなるのでこれ以上の膜厚は一般的に不経済となる。また膜厚が厚いとひび割れの原因にもなる。よって、光触媒層12の厚さは、乾燥前のWET状態で5〜50g/m2、乾燥後の被膜の厚さで0.1〜3μm、特に0.2〜1μmが好ましい。0.1〜3μmであれば、光触媒反応の活性が高く、密着強度・表面硬度も好ましく、被膜の剥がれを防止できる。
光触媒粒子を含むコート液の塗布は、一回のみならず、複数回行ってもよい。光触媒層12は、異なる平均粒径の光触媒粒子により構成された複数層で構成されていてもよい。
光触媒層12の乾燥が完了した後、所要時間エージングを行うのが好ましい。これにより、コーティングされた被膜の剥離強度を向上させることができる。エージングは30〜60℃で30時間以上行うのが好ましい。
透明バリア層13は、空気や水を遮蔽する透明な樹脂から適宜選択すればよいが、近赤外線吸収層14と光触媒層12の両方に対し親和性の高いアクリル樹脂を主成分とするのが好ましく、密着性の高い強靭な層を形成できる。密着性を更に増加させたい場合は、シリコン樹脂、アクリルシリコン樹脂、アクリル変性シリコン樹脂、シリコン変性アクリル樹脂、アルコキシシランのいずれか、或いはこれらのうちの2種類以上の組合わせからなる混合成分を主成分とするものとすることができる。
透明バリア層13を積層方法は特に限定するものではなく、例えば、グラビアコート、スプレーコート、ディップコート等各種塗布する方法やアクリル系その他の接着剤を用いて熱接着する方法により積層することができる。
透明バリア層13の厚さは特に限定するものではないが、0.01〜5μm、好ましくは0.1〜3μmとする。
近赤外線吸収層14は、硫黄系化合物、銅系化合物などの近赤外線吸収粒子を含有する透明の樹脂であり、硫黄系化合物としては、硫化鉛、チオ尿素誘導体等があり、銅系化合物としては、ステアリン酸銅、硫化銅、フタロシアニル銅等があり、他の近赤外線吸収粒子としては、六塩化タングステン、塩化スズ、クロム、コバルト錯塩、アントラキノン誘導体等がある。好ましくは、硫黄系化合物及び/または銅系化合物である。
これら1又は2以上の化合物を適宜量、透明の樹脂、例えばポリエチレンテレフタレート、塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエチレン、ポリプロピレンその他の合成樹脂に混合する。混合方法は、従来公知の混合機、バンバリーミキサー、リボンブレンダー等による混合や押出機による溶融混錬により行い、押出機によるTダイ法、インフレーション成形法、カレンダー成形法、圧縮成形法によってフィルム又はシートに成形できる。
近赤外線吸収層14を積層方法は特に限定するものではなく、例えば、グラビアコート、スプレーコート、ディップコート等各種塗布する方法やアクリル系その他の接着剤を用いて熱接着する方法により積層することができる。
近赤外線吸収層14の厚さは、特に限定するものではないが、1〜10μm、好ましくは1.5〜5μmとする。また、近赤外線吸収層14は、900〜1200nmの波長の近赤外線を95%以上遮蔽するものとするのが好ましい。
接着層15は、これが積層される基材2の材質を考慮して、適宜選択するのが好ましい。例えば、基材2が合成樹脂で構成される場合、接着層15は、アクリル樹脂、アクリル変性シリコン樹脂化合物又はシリコン変性アクリル樹脂化合物を主用成分として含むものが好ましい。多木化学社製 商品名:タイノラックプライマーA(固形分としてシリコン変性樹脂20%、コロイダルシリカ30%に溶媒としてエタノール20%、2−プロパノール20%、純水10%を配合したもの)等を好ましく用いることができる。
接着層15の厚さは特に限定するものではないが、0.2μm以上が好ましい。
接着層15を近赤外線吸収層14の上に施す手段は、光触媒粒子を含むコート液を離型フィルム11に塗付する手段と同様、特に限定されるものではない。例えば、グラビアコート、スプレーコート、ディップコート等各種塗布方法を選択し得る。グラビアロールコーターを用いるのが好ましい。接着層15を近赤外線吸収層14上に施し、加熱乾燥することにより、光触媒層転写体10が得られる。
基材2は、接着層15にて積層可能な透明な樹脂であり、ポリカーボネートなどが好適に用いられる。他の例としては、ポリエチレンテレフタレート、塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリイミド、ポリエチレン、ポリプロピレンその他の合成樹脂の単層或いは複数層からなるものでよい。
基材2の厚さは、特に限定するものではないが、1〜50mm、好ましくは2〜20mmとする。
光触媒層転写体10は、接着層15によって基材2に接着され、離型フィルム11により表面が保護された近赤外線吸収積層材1が得られる。
この近赤外線吸収積層材1は、使用するとき、図2に示すように、離型フィルム11を剥がし、光触媒層12を露出させ使用することができる。
上記近赤外線吸収積層材1は、基材2の面上に、接着層15、近赤外線吸収層14、透明バリア層13、光触媒層12の順で積層しているが、これに限定されるものではなく、図3に示すように、近赤外線吸収層14の両面に透明バリア層13を設けて近赤外線吸収層14を保護してもよく、近赤外線吸収層14の少なくとも片側外側に透明バリア層13を積層するようにしてあればいかなる積層の順序でも構わない。また、透明バリア層13の少なくとも片側外側に光触媒層12を積層してあれば、透明バリア層13の両面に光触媒層12を設けて防汚性を高めようにしてもよく、他の層をどのように積層するかは適宜選択可能である。
また、光触媒層12の光触媒活性により、基材2が劣化しまうことがあるため基材2と光触媒層12との間のいずれかの層間に、基材を光触媒から保護する基材保護層16を介層してもよい。例えば、図4に示すように、近赤外線吸収層14と接着層15との間に介層してもよい。
基材保護層16は、無機酸化物粒子、シリコン樹脂、シリコン樹脂の前駆体、シリカ前駆体などから形成することができる。中でも、アクリルシリコン樹脂、アクリル変性シリコン樹脂、アルコキシシランのいずれか或いはこれら2種類以上の組合わせからなる成分を主成分として形成するのが好ましい。
基材保護層16を施す手段は、光触媒粒子を含むコート液を離型フィルム11に塗付する手段と同様、特に限定されるものではない。例えば、グラビアコート、スプレーコート、ディップコート等各種塗布方法を選択し得る。グラビアロールコーターを用いるのが好ましい。基材保護層16を施し、加熱乾燥すればよい。
基材保護層16の厚さは、特に限定するものではないが、0.01〜5μm、好ましくは0.1〜3μmとする。
上記近赤外線吸収積層材1は、視認性を得るために全光線透過率が20〜100%、特に40〜100%であるのが好ましい。ここで全光線透過率は、紫外・可視分光光度計の550nmにおける波長光を、近赤外線吸収積層材1に照射した時、該近赤外線吸収積層材1 を透過した光量の照射光量に対する百分率を示している。
また、上記近赤外線吸収積層材1は、900〜1200nmの波長の近赤外線を50%以上、好ましくは80〜100%遮蔽する。別の視点から言えばJIS R 3106による日射透過性が50%以下、好ましくは10〜30%であり、熱線を効率よく吸収できる特徴を備えるものである。
これらは、分光光度計などにより計測することができる。
以下に光触媒層転写体10を基材2に積層する製造方法の一例を説明する。
図5は、押出しラミネーション法による製造方法を例示した図である。前記光触媒層転写体10は、供給ロール20から繰り出され、プレスロール21を介し、キャストロール22へ導く。一方、基材2は、押出機30を経てダイ31から溶融押し出す。そして、押出しラミネーション法によって、光触媒層転写体10の接着層13と基材2とが積層される。これにより、光触媒層転写体10が基材2に転写、積層された近赤外線吸収積層材1が製造される。
上記押出ラミネーション法による場合、基材2として結晶性樹脂を用いる場合は、基材2の樹脂の結晶化温度以上となる温度で行うのがよい。非晶性樹脂の場合は融点でラミネートする。例えば、基材2としてポリエチレンテレフタレートを用いる場合、約180℃でラミネーションする必要がある。
近赤外線吸収積層材1の製造方法は、上記押出ラミネーション法による他、再加熱(熱)ラミネーション法などによる製造も可能である。
例えば、光触媒層転写体10は、供給ロールからキャストロール(冷却ロール)へ導く一方、基材2となる合成樹脂を、押出機を経てダイから溶融押し出し、そしてキャストロール(冷却ロール)を経て一旦フィルム乃至シート状の基材2を形成してロールを介した後、ヒータにより再加熱して基材2の温度を上昇させ、熱ラミネーション法によって光触媒層転写体10の接着層15と基材2とが積層すれば近赤外線吸収積層材1を得ることができる。
上記のような再加熱ラミネーション法による場合、基材2として結晶性高分子材料を用いる際には、基材2となる合成樹脂の結晶化温度以上となる温度で行うのが好ましい。結晶性樹脂の場合、結晶化開始〜融解までブロードであり、この範囲すべてを融点としているので、このような結晶化温度の範囲内でラミネーションすることができる。非晶性樹脂の場合、融点がシャープであるので、その融点でのみラミネーションすることができる。
上記のように光触媒層転写体10を用いた近赤外線吸収積層材1の製造方法以外にも、従来のフィルム乃至シートの積層方法、例えば、アクリル系その他の接着剤を用いて熱接着する方法などでも積層することは可能である。
このように製造された近赤外線吸収積層材1を用いた成形品、例えば建築物の外装材、内装材としてアーケード、カーポート、テラス、バルコニー、サンルーム等の屋根材や温室の壁材などは、近赤外線を吸収し、温度の上昇を抑え、可視光線による明るさは確保できる建築物とすることができる。
(実施例1)
離型フィルムとしての三菱化学ポリエステル社製PETフィルムH100C12に、多木化学社製光触媒コート剤「CZP−223」を、グラビアコートにより1g/m2の厚さにて塗布して135℃の熱風乾燥炉にて乾燥させた。さらにその上に、多木化学社製「タイノックプライマーA」を1g/m2の厚さにて塗布して135℃の熱風乾燥炉にて乾燥させて透明バリア層を形成し、光触媒層及び透明バリア層を備えた転写体を形成した。
他方、住友ダウ社「カリバーPCX−6396」(近赤外線吸収グレードポリカーボネート樹脂:硫黄化合物及び銅化合物含有)を押出し成形して近赤外線吸収機能付基材を形成し、この基材上に前記転写体を重ねて165℃に加熱した後にラミネートし、次いで、離型フィルムとしてのPETフィルムを剥がして、近赤外線吸収機能付基材上に透明バリア層及び光触媒層を積層してなる構成の近赤外線吸収積層材を形成し、これを実施例1として下記試験に供した。
(比較例)
住友ダウ社「カリバーPCX−6396」(近赤外線吸収グレードポリカーボネート樹脂:硫黄化合物及び銅化合物含有)を押出し成形して近赤外線吸収機能付基材を形成し、これを比較例1として試験に供した。
(耐候性促進試験)
実施例及び比較例をサンシャインウェザー(SW)により2000時間後のサンプルの波長1200nmに於ける赤外光吸収スペクトルを測定し、結果を表1に示した。
Figure 0004339663
表1に示すとおり、バリア層を設けていない比較例では吸収率が低下している事により、熱線遮断効果の低下が見られたが実施例では効果の低下は無かった。
近赤外線吸収積層材の一例を模式的に示した断面図である。 図1の離型フィルムを剥がす手順を模式的に示した断面図である。 近赤外線吸収積層材の他の一例を模式的に示した断面図である。 基材保護層を介層した近赤外線吸収積層材の一例を模式的に示した断面図である。 押出しラミネーション法による製造方法を例示する説明図である。
符号の説明
1 近赤外線吸収積層材
2 基材
10 光触媒層転写体
11 離型フィルム
12 光触媒層
13 透明バリア層
14 近赤外線吸収層
15 接着層
16 基材保護層
20 供給ロール
21 プレスロール
22 キャストロール
30 押出機
31 ダイ

Claims (8)

  1. 透明樹脂からなる基材の少なくとも片側面側に、硫黄系化合物及び/または銅系化合物からなる近赤外線吸収粒子を含有する近赤外線吸収層を積層し、近赤外線吸収層の少なくとも片側外側に、酸素及び水分を浸透させない透明バリア層を設け、さらに透明バリア層の少なくとも片側外側に、光触媒を含有する光触媒層を設けてなる構成を備えた近赤外線吸収積層材であって、
    透明バリア層は、アクリル樹脂、シリコン樹脂、アクリルシリコン樹脂、アクリル変性シリコン樹脂、シリコン変性アクリル樹脂、アルコキシシランのいずれか、或いはこれらのうちの2種類以上の組合わせからなる混合成分を主成分とするものであることを特徴とする近赤外線吸収積層材。
  2. 透明樹脂に硫黄系化合物及び/または銅系化合物からなる近赤外線吸収粒子を混入して近赤外線吸収機能付基材を形成し、この基材の少なくとも片側外側に、酸素及び水分を浸透させない透明バリア層を設け、さらに透明バリア層の少なくとも片側外側に、光触媒を含有する光触媒層を設けてなる構成を備えた近赤外線吸収積層材であって、
    透明バリア層は、アクリル樹脂、シリコン樹脂、アクリルシリコン樹脂、アクリル変性シリコン樹脂、シリコン変性アクリル樹脂、アルコキシシランのいずれか、或いはこれらのうちの2種類以上の組合わせからなる混合成分を主成分とするものであることを特徴とする近赤外線吸収積層材。
  3. 透明バリア層は、アクリルシリコン樹脂、アクリル変性シリコン樹脂、シリコン変性アクリル樹脂、アルコキシシランのいずれか、或いはこれらのうちの2種類以上の組合わせからなる混合成分を主成分とするものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の近赤外線吸収積層材。
  4. 光触媒層は、平均粒子径3〜100nmの二酸化チタン粒子とシリカ化合物(SiO2)とを、質量比率で60:40〜90:10の割合で含むものである請求項1〜3のいずれかに記載の近赤外線吸収積層材。
  5. 基材と光触媒層との間に、基材を光触媒作用から保護する基材保護層を介層してなる構成を有する請求項1〜4のいずれかに記載の近赤外線吸収積層材。
  6. 波長900〜1200nmの近赤外線を50%以上遮蔽し、かつ全光線透過率が40〜100%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の近赤外線吸収積層材。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の近赤外線吸収積層材を成形してなる成形品。
  8. 離型フィルムの片側面側に、光触媒を含有する光触媒層、酸素及び水分を浸透させない透明バリア層及び、硫黄系化合物及び/または銅系化合物からなる近赤外線吸収粒子を含有する近赤外線吸収層を順次積層してなる構成を有する光触媒層転写体であって、
    透明バリア層は、アクリル樹脂、シリコン樹脂、アクリルシリコン樹脂、アクリル変性シリコン樹脂、シリコン変性アクリル樹脂、アルコキシシランのいずれか、或いはこれらのうちの2種類以上の組合わせからなる混合成分を主成分とするものであることを特徴とする光触媒層転写体
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