JP4338382B2 - 内視鏡の光源用電源 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、照明用光源の電源となるバッテリが操作部に配置された内視鏡の光源用電源に関する。
【0002】
【従来の技術】
患者を病室等から移動させずに内視鏡検査を行うためのいわゆるベッドサイド内視鏡のようなポータブル型の内視鏡においては、照明用光源の電源となるバッテリが操作部に配置されている。
【0003】
しかし、そのような内視鏡の光源用電源は、内視鏡検査中にバッテリの起電力が不足する状態になるとバッテリを交換しなければならず、その度に照明が真っ暗になって内視鏡観察が中断するので、バッテリ交換後に照明を点け直して観察を途中からやり直さなければならない。
【0004】
そこで従来は、複数種類の電源を接続できるようにして、バッテリの起電力が低下した時には、その環境に応じて複数種類の電源の中から適切な電源を選択して使用できるようにしていた(例えば、特許文献1)。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−224906号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述のように複数種類の電源の中からバッテリに代わる電源を選択して使用できるようにしても、内視鏡観察中にバッテリの起電力が低下した時は、バッテリに代えて他の電源につなぎ変える際に照明が真っ暗になってしまうので、照明を点け直して観察を途中からやり直さなければならないことに変わりがない。
【0007】
そこで、内視鏡の光源用電源のバッテリとして燃料電池を用いれば、燃料を適宜に補充することによって内視鏡観察を中断することなく起電力不足を回避して照明用光源を長時間点灯し続けることができるが、燃料と共に酸素を供給する必要があるので、装置が大型になってポータブル性が損なわれる可能性がある。
【0008】
そこで本発明は、バッテリとして燃料電池を用いることにより内視鏡観察を中断することなく照明用光源を長時間点灯し続けることができ、しかも簡単な構造で小型化と低価格化を実現することができる内視鏡の光源用電源を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の内視鏡の光源用電源は、内視鏡の挿入部の基端に連結された操作部に、照明用光源の電源となるバッテリが配置された内視鏡の光源用電源において、バッテリが、水素ガスを生成するための原料となる燃料を貯蔵する燃料貯蔵部と、燃料貯蔵部から流入した燃料によって発電をする発電部とを有すると共に、発電部に、水分の出入りを防止して外気を取り入れるための外気取り入れ口が設けられているものである。
【0010】
そして、外気取り入れ口が、発電部を囲むハウジングに開閉自在に設けられた通孔であってもよい。或いは、外気取り入れ口に、空気を通して水を通さない多孔質膜又は水蒸気を通して水を通さない多孔質膜が配置されていてもよい。
【0011】
なお、照明用光源が操作部に配置されていて、その照明用光源から放射された照明光を伝達するためのライトガイドが挿入部内に挿通配置されていてもよく、或いは、照明用光源が挿入部の先端に配置されていて、その照明用光源とバッテリとを電気的に接続するための導電体が挿入部内に挿通配置されていてもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】
図面を参照して本発明の実施例を説明する。
図3はポータブル型内視鏡の全体構成を略示しており、可撓性の挿入部1の基端に操作部2が連結され、挿入部1の先端には観察窓3と照明窓4が並んで配置されている。
【0013】
そして、観察窓3の奥には対物光学系5が配置されていて、その対物光学系5による被写体の投影位置にイメージガイドファイババンドル6の入射端面が配置されている。
【0014】
イメージガイドファイババンドル6は挿入部1内の全長にわたって挿通配置されていて、操作部2の上端に突設された接眼部7においてイメージガイドファイババンドル6の射出端面を拡大して観察することができるようになっている。
【0015】
挿入部1内にイメージガイドファイババンドル6と並んで挿通配置されたライトガイドファイババンドル8は、射出端面が照明窓4の裏側に配置され、入射端面8aは操作部2に配置されている。
【0016】
そして、そのライトガイドファイババンドル8の入射端面8aに対向して発光ダイオード又は豆ランプ等からなる照明用光源9が配置され、その照明用光源9の電源であるバッテリ10が操作部2に直接取り付けられている。
【0017】
図1及び図2は、バッテリ10とその周辺を示しており、水素ガスを生成するための原料となるエタノール又はメタノールのようなアルコールからなる燃料を貯蔵する燃料貯蔵部20と、燃料貯蔵部20から流入した燃料によって発電をする発電部30とが、操作部2の本体カバーに対して着脱自在に螺合連結されたプラスチック製のキャップ状のハウジング11内に収納されている。ただし、ハウジング11を操作部2に固定してしまっても差し支えない。
【0018】
燃料貯蔵部20は、発電部30の負極部31とハウジング11の内壁面との間の空間により形成されており、燃料貯蔵部20内に連通して外面に開口する燃料補給口21がハウジング11に形成されている。
【0019】
燃料補給口21の口元開口部には、ゴム製のOリング21aが配置されると共に、そのOリング21aを押圧して潰した状態にする手動ナット21bが螺合しており、通常は手動ナット21bを締め付けてOリング21aを押し潰した状態にしておくことで燃料補給口21が閉塞されている。
【0020】
そして、燃料貯蔵部20内の燃料の残量が少なくなってきたら、バッテリ10の起電力が照明用光源9を発光させるのに不足する状態になってしまう前に、図示されていない外部の燃料補給器具を燃料補給口21に差し込んで、燃料貯蔵部20に燃料補給を行うことができる。ただし、燃料貯蔵部20をカートリッジ状等に形成して発電部30に対して着脱自在に構成してもよい。
【0021】
発電部30は、燃料貯蔵部20から流入する燃料から水素イオンと電子を取り出す負極部31と、負極部31で取り出された水素イオンを正極部33に送る電解質部32と、電解質部32から送られた水素イオンと空気中の酸素と電子とを結び付けて水を生成する正極部33とが順に配置された構成になっている。
【0022】
そして、正極部33とハウジング11の内壁面との間の空間に外気を取り入れるための通孔34(以下、「外気取り入れ口34」という)が、ハウジング11の内外を連通させる状態にハウジング11を貫通して形成されている。
【0023】
外気取り入れ口34の口元開口部には、ゴム製のOリング34aが配置されると共に、そのOリング34aを押圧して潰した状態にする手動ナット34bが螺合しており、図1に示されるように、手動ナット34bを緩めてOリング34aが環状に開いた状態にしておくことにより、ハウジング11外の空気が外気取り入れ口34からハウジング11内に導入される。
【0024】
そして、内視鏡検査中以外の照明用光源9を点灯させる必要のないときは、図2に示されるように、手動ナット34bを締め付けてOリング34aを押し潰した状態にしておくことにより外気取り入れ口34が閉塞されて、水分の出入りを阻止することができる。
【0025】
このようにして、特別に酸素供給装置等を設けることなく、極めて小型でコストのかからない構成により、バッテリ10に対する水分の出入りを防止して(したがって、内視鏡を使用後に洗浄装置や滅菌装置内等に入れても、バッテリ10が洗浄液や滅菌薬等によって腐食されない)、バッテリ10に発電反応用の酸素を供給することができる。なお、外気取り入れ口34の開閉は、蓋状、栓状等どのような機構を用いてもよい。
【0026】
負極部31から絶縁壁35を貫通して操作部2内側に導かれた負極側導電線36Aは照明用光源9の電極に直接接続され、正極部33から絶縁壁35を貫通して操作部2内側に導かれた正極側導電線36Bは、照明用光源9の電極に対して手動スイッチ37によって接/断自在になっている。
【0027】
手動スイッチ37は、どのような構成をとってもよいが、この実施例においては、正極部33に接続された正極側導電線36Bと照明用光源9の電極との間を電気的に接/断するように矢印S方向にスライド自在な導電片37aが、ハウジング11外に突出配置されたスライド操作片37bに一体に連結されて、スライド操作片37bをシール用のゴムカバー37cで被覆した構成になっている。
【0028】
このような構成により、手動スイッチ37をオン状態にすれば発電部30における電気化学反応によって発電された電気により照明用光源9が点灯して、内視鏡の観察対象である被写体を照明するための照明光がライトガイドファイババンドル8に供給され、手動スイッチ37をオフ状態にすれば照明用光源9が消灯する。
【0029】
図4は、本発明の第2の実施例のバッテリ10を示しており、ハウジング11の正極部33に面する部分の壁面に形成された空気取り入れ口34に、空気を通して水を通さない多孔質膜を装着したものである。
【0030】
このように構成することによって、常時、空気取り入れ口34から水分が出入りすることを防止した状態で、バッテリ10に外部の空気を導入することができる。なお、外気取り入れ口34に、水蒸気を通して水を通さない多孔質膜を装着してもよい。
【0031】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、例えば図5に示される第3の実施例のように、照明用光源9を挿入部1の先端に配置して、バッテリ10と照明用光源9との間を導電線36で電気的に接続することにより、ライトガイドファイババンドルを省くこともできる。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、照明用光源の電源となるバッテリとして燃料電池を用いることにより、内視鏡観察を中断することなく照明用光源を長時間点灯し続けることができ、さらに、発電部に、水分の出入りを防止して外気を取り入れるための外気取り入れ口を設けたことにより、特別な酸素供給装置等を設けることなく極めて簡単な構造で小型化と低価格化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の使用状態のバッテリの側面断面図である。
【図2】本発明の第1の実施例の不使用状態のバッテリの側面断面図である。
【図3】本発明の第1の実施例の内視鏡の全体構成を示す略示図である。
【図4】本発明の第2の実施例のバッテリの側面断面図である。
【図5】本発明の第3の実施例の内視鏡の全体構成を示す略示図である。
【符号の説明】
1 挿入部
2 操作部
8 ライトガイドファイババンドル
9 照明用光源
10 バッテリ
11 ハウジング
20 燃料貯蔵部
30 発電部
31 負極部
34 外気取り入れ口
34a Oリング
34b 手動ナット
Claims (3)
- 内視鏡の挿入部の基端に連結された操作部に、照明用光源の電源となるバッテリが配置された内視鏡の光源用電源において、
上記バッテリが、水素ガスを生成するための原料となる燃料を貯蔵する燃料貯蔵部と、上記燃料貯蔵部から流入した燃料によって発電をする発電部とを有すると共に、上記発電部に、水分の出入りを防止して外気を取り入れるための外気取り入れ口が設けられて、
上記外気取り入れ口が、上記発電部を囲むハウジングに開閉自在に設けられた通孔であって、
上記外気取入口の口元開口部には、弾力性のある部材からなるOリングと、そのOリングを潰した状態にするための手動ナットが螺合して設けられ、
上記手動ナットを緩めて上記Oリングが環状に開いた状態にしておくことにより上記外気取り入れ口から上記発電部に外気が取り入れられ、上記手動ナットを締め付けて上記Oリングを押し潰した状態にしておくことにより上記外気取り入れ口が閉塞されることを特徴とする内視鏡の光源用電源。 - 上記照明用光源が上記操作部に配置されていて、その照明用光源から放射された照明光を伝達するためのライトガイドが上記挿入部内に挿通配置されている請求項1記載の内視鏡の光源用電源。
- 上記照明用光源が上記挿入部の先端に配置されていて、その照明用光源と上記バッテリとを電気的に接続するための導電体が上記挿入部内に挿通配置されている請求項1記載の内視鏡の光源用電源。
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