JP3811325B2 - 内視鏡装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯使用に適する内視鏡装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
医療分野及び工業用分野で広く用いられるようになった内視鏡は、検査対象部位が生体、プラント等の内部であるため、照明する手段が必要である。そのため、一般的な内視鏡では、内視鏡の外部装置として光源装置を用意し、この光源装置内のランプの照明光を内視鏡に設けたライトガイドファイバに導光していた。
【0003】
前記光源装置は、一般的に商用電源から供給される電源を利用して光源装置内部のランプを発光させるものである。これに対し、特開平10−201710号公報には光源装置として電源に乾電池等のバッテリを用いたバッテリ型光源装置を設け、このバッテリ型光源装置を内視鏡の操作部に着脱自在に構成した内視鏡装置が開示されている。このバッテリ型光源装置が取り付けられる内視鏡では持ち運びが容易であるとともに、電源のない所での使用が可能になるので緊急時の使用等に適している。
【0004】
前記バッテリ型光源装置は、電源である乾電池が容量不足になったとき、乾電池収納部の蓋体を取り外すことによって、新品の乾電池と交換できるようになっている。このとき、新しい乾電池を電池収納部に所定向きで装填し、前記蓋体を再び取り付け密閉することによって、前記蓋体の裏面に設けられている電気接点が2本の乾電池に接触して直列接続される構成になっている。
【0005】
なお、従来のバッテリ型光源装置では、乾電池を所定の向き以外で電池収納部に装填した場合でも、乾電池の電極と接点部とが必ず接触する構成になっていた。このため、2本の乾電池を共に所定の向きとは逆向きで電池収納部に装填した場合には、ランプに定格と同じ逆電流が流れた状態で、ランプが通常通りに点灯した。
【0006】
また、2本の乾電池のうち一方を逆向きにして電池収納部に装填した場合には、容量の多い乾電池が容量の少ない乾電池に充電を行う充電回路を構成する。このため、2つの乾電池の容量か平衡状態になるまで、容量の多い乾電池側から少ない乾電池側に電流が流れて、ランプは極端に暗い状態で点灯する。
【0007】
つまり、従来のバッテリ型光源装置では乾電池によって供給されるエネルギーを必要とする電気部品がランプだけであったため、例え前述のように電流が逆方向に流れてしまった場合でも、定格以上の電流がランプに流れないかぎり装置の故障、つまり、ランプ切れ等の不具合が発生しなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、本出願人は、例えば特願平10−308856号にバッテリ型光源装置で使用されているバッテリの残量を術者に告知するバッテリ残量表示手段としてバッテリ容量検出回路(以下検出回路と略記する)を設けた内視鏡装置を提案している。この検出回路は、前記バッテリ型光源装置に収納されるバッテリを電源としているため、電池収納部に装填される乾電池の向きを誤ることによって電流の流れる方向を変化させてしまうと、前記検出回路に逆電流が流れることにより、検出回路が破損されて、バッテリの容量チェックを行えなくなるおそれがある。
【0009】
また、前記検出回路に逆電流が流れる不具合を無くすために例えば逆電流保護回路等を搭載したのでは、回路構成が複雑になることからバッテリ型光源装置の小型化を図るうえで不具合が生じるおそれがある。
【0010】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、乾電池等、バッテリ交換の際にバッテリ収納部に収納されるバッテリの装填方向を誤った場合に、電気回路中に逆電流が流れることを確実に防止したバッテリ型光源装置を備えた内視鏡装置を提供することを目的にしている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の内視鏡装置は、内視鏡を備え、2つのバッテリによって照明ランプに電力を供給する内視鏡装置において、一端にプラス極、及び他端にマイナス極を有する前記2つのバッテリの異なる電極を同一面に指向させた状態で収納可能なバッテリ収納部と、前記バッテリ収納部内の前記2つのバッテリの電極が露呈されている面に対向する位置に設けられ、一方の前記バッテリの前記マイナス極が位置するマイナス極領域内で、且つ前記一方のバッテリの前記プラス極が位置するプラス極領域外に形成された長孔を有する絶縁部材で形成されたカバー部材と、前記カバー部材に収納され、前記長孔から突出する第 1 の接点部、及び他方の前記バッテリの前記プラス極と接触する位置に配設される第2の接点部を有する導電性の弾性変形可能な接点部材と、を具備する。
【0012】
第2の内視鏡装置は、第1の内視鏡装置において、前記カバー部材は、前記他方のバッテリの前記プラス極が挿通可能な透孔を有し、前記接点部材の前記第2の接点部が前記透孔内に配置されていることを特徴とする。
【0013】
第3の内視鏡装置は、第2の内視鏡装置において、前記カバー部材は、前記バッテリ収納部の開口部を水密状態で密閉する蓋体に設けられており、前記接点部材は前記蓋体とカバー部材との間に収納されると共に、該接点部材の前記第2の電極側が前記蓋体に形成された凸部と前記カバー部材の内面とで挟持固定されていることを特徴とする。
【0014】
この構成によれば、バッテリ型光源に対し正規の方向にバッテリを装填したときに電気的導通状態になる。また、バッテリをバッテリ収納部に正規の方向で装填した後、蓋体で密閉することによって、電気的導通状態になる。さらに、2つのバッテリをバッテリ収納部に正規の方向で装填した後、蓋体で密閉することによって、2つのバッテリが直列状態で電気的導通状態になる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1ないし図9は本発明の一実施形態に係り、図1は本発明の内視鏡装置の構成を説明する図、図2は操作部及びバッテリ型光源装置の接続部近傍を説明する図、図3は照明ランプの点灯又は消灯時における内視鏡装置の外観の違いを説明する図、図4はバッテリ型光源装置の全体構成を説明する図、図5はバッテリ型光源装置の蓋体に配設される接点部材とカバー部材とを説明する図、図6は蓋体の電気接点部と、当接する乾電池との関係を説明する図、図7は蓋体を解放するときの動作を説明する図、図8はバッテリ型光源装置の蓋体周辺の断面図、図9は図8に示したA−A線断面図である。
【0016】
なお、図3(a)は内視鏡に対する光源装置本体の移動位置と照明ランプの点灯・消灯との関係を説明する図、図3(b)は光源装置本体の基端部を矢印A方向から見た図、図3(c)は光源装置本体の基端部を矢印B方向から見た図である。
【0017】
図1に示すように内視鏡装置1は、先端側から順次、先端部21、湾曲自在な湾曲部22、柔軟性を有する可撓管部23を連接して細長な挿入部24及びこの挿入部24の基端側に位置して後端部に設けた接眼部25及び側方から突設する熱伝導率の良好な部材で形成したライトガイド口金26を設けた把持部を兼ねる操作部27を備えた水密構造の内視鏡2と、この内視鏡2の操作部27に設けたライトガイド口金26に接続部3aを介して、商用電源を利用する図示しない光源装置に、接続されて照明光を伝送するライトガイドケーブル3と、このライトガイドケーブル3と選択的に前記ライトガイド口金26に接続部41を介して着脱自在に接続され、後述する照明ランプ及びバッテリを内蔵した光源装置本体40を備えた水密構造のバッテリ型光源装置4とで主に構成されている。
【0018】
前記内視鏡2の操作部27には湾曲操作レバー28が設けられており、この湾曲操作レバー28を回動操作することによって、前記湾曲部22が湾曲動作するようになっている。
【0019】
また、前記操作部27には吸引操作を行うための吸引ボタン29と、この吸引ボタン29の基端付近から側部方向に突出して、内視鏡2に設けた図示しない吸引チャンネルに連通する吸引口金31とが設けられている。前記吸引口金31は、図示しないチューブを介して吸引装置(不図示)に接続され、前記吸引ボタン29を適宜操作することによって吸引チャンネル、吸引口金31を介して体腔内の液体などを吸引することができるようになっている。
【0020】
さらに、前記操作部27の先端側には鉗子などの処置具を挿入するための鉗子挿入口32が設けられている。この鉗子挿入口32は、内視鏡2に設けられている吸引チャンネルに連通している。前記鉗子挿入口32には鉗子栓33が取り付けられている。
【0021】
又、前記鉗子挿入口32と反対側の位置には、通気口金37が突設しており、この通気口金37から内視鏡2の内部に空気を送り込むことによって内視鏡2の水漏れ検査を行える。
【0022】
前記挿入部24内には照明光を導光(伝送)するライトガイドファイバ(不図示)が挿通されており、このライトガイドファイバの基端側は操作部27に設けた前記ライトガイド口金26内に固定されている。一方、ライトガイドファイバの先端側は、前記挿入部先端部21に設けた照明窓(不図示)に対向するように固定されている。
【0023】
図1及び図2に示すように前記光源装置本体40の基端部には蝶番式で回動自在に連結されて、後述するバッテリ収納部に対して開閉自在な蓋体45が設けられ、側壁部には光源装置本体40内に装填されているバッテリの残量を目視にて確認を行えるレベルゲージ10,後述するLEDの光を透過する複数の表示窓8,…,8等を設けたバッテリ残量表示部9及びバッテリの電圧を切り換え操作する電圧切り替えボタン52が設けられている。
【0024】
なお、前記バッテリ収納部7の内部には、使用するバッテリである後述する乾電池の容量を検出するバッテリ容量検出回路(以下検出回路と略記する)を有し、この検出回路での検出結果にしたがって、表示窓8に対応するように配置されているLEDが点灯又は消灯して術者に乾電池の残量レベルを告知するようになっている。
【0025】
一方、前記ライトガイド口金26の外周部には、前記ライトガイドケーブル3の接続部の外周側に回動自在に設けられた接続環3c及び前記バッテリ型光源装置4の接続部41の接続口金43の外周側に回動自在に設けられた接続環44の内周面に形成されている雌ネジ部と螺合する雄ネジ部26aが形成されている。
【0026】
また、前記内視鏡2と前記バッテリ型光源装置4とを所定の位置関係で連結させるため、前記ライトガイド口金26の接続筒26cに指標26bを設ける一方、前記バッテリ型光源装置4の接続口金43に指標4aを設けている。
【0027】
このため、前記指標26b、4aとを一致させた状態にし、前記ライトガイド口金26に前記バッテリ型光源装置4を取り付けることによって、バッテリ型光源装置4に設けられている位置決めピン43aがライトガイド口金26の接続筒26cに設けられているピン受け部26dに係入して、所定の位置関係に位置決め固定される。
【0028】
そして、この状態で接続環44の内周面に形成されている雌ネジをライトガイド口金26の雄ネジ部26aに螺合して固定することにより、内視鏡2の操作部27にバッテリ型光源装置4が一体的に固定される。このとき、前記接続口金43に設けられている水密リング34が前記接続筒26c内周面に密着して連結部内の水密が確保される。
【0029】
この連結状態のとき、バッテリ型光源装置4の光源装置本体40は、図3(a)の破線に示すように前記操作部27に対して平行な位置関係で配置されて、照明ランプ5(図2参照)が点灯しないオフ状態の位置である。
【0030】
なお、前記バッテリ型光源装置4は、図3(a)の実線に示すように光源装置本体40を矢印に示すように回動させてON位置に配置させることによって、オン状態になって、このバッテリ型光源装置4の内部に配置されている照明ランプ5が点灯する。この照明ランプ5から発せられた照明光は、集光レンズ39によりライトガイド口金26に配置されている透明のガラス材からなるライトガイドカバー(不図示)を通過してライトガイドファイバ光入射端面に集光されて入射する。
【0031】
そして、このライトガイドファイバに入射した照明光は、ライトガイドファイバ内を伝送されて、挿入部先端部21に臨まれている照明窓から検査対象部位に向かって照射されていく。この照明光によって照らされた被写体は、照明窓近傍に設けられている対物レンズ系(不図示)によりその結像位置に光学像を結び、この結像位置に結んだ光学像は図示しないイメージガイドファイバを介して接眼部25まで伝送されて、この接眼部25に設けられている接眼レンズを介して術者に拡大観察される。
【0032】
また、前記ライトガイドケーブル3の後端部に設けられているライトガイドコネクタ3bを図示しない光源装置に接続することによって、光源装置内部に設けられている照明ランプからの照明光がライトガイドコネクタ3b、ライトガイドケーブル3内の図示しないライトガイドファイバ、接続部3aを介して内視鏡2のライトガイドファイバ光入射端面に入射して上述と同様に、検査対象部位に向かって照射されて観察を行える。
【0033】
図3(a),(b),(c)及び図4に示すようにバッテリ型光源装置4の外装部材である光源装置本体40にはバッテリである乾電池6を収納するバッテリ収納部7及び照明ランプ5を収納するランプ室30が設けられている。また、前記バッテリ収納部7近傍には固定部14と開放レバー15とでバックル式ロック機構によって固定保持される蓋体45が回動自在に連結されている。また、前記ランプ室30には照明ランプ5が着脱自在に装着可能なランプホルダ42が配置されるようになっている。
【0034】
前記バッテリ収納部7には例えば単3型電池等2本の乾電池6a,6bが収納されるようになっており、前記蓋体45を開状態にすることによって乾電池6a,6bの交換を行えるようになっている。前記バッテリ収納部7に装填される乾電池6a,6bは、互いの向きを変えた所定状態でバッテリ収納部7内に装填されるようになっており、装填後、前記蓋体45の固定爪部45aに固定部14を係合させて、開放レバー15を所定位置に配置することによって閉状態になる。このとき、前記蓋体45に設けられている接点部材11の後述する電気接点部が各乾電池6a,6bのプラス極及びマイナス極の接点部に電気的に接触して直列状態で導通する。
【0035】
なお、前記乾電池6は、装填時、バッテリ収納部7内に設けられているガイド部53によって所定位置まで案内されるようになっている。また、前記バッテリ収納部7の開口部近傍には前記蓋体45に配置したパッキン部材16が押圧状態で密着する水密面46が形成されている。この水密面46は、前記蓋体45が閉まる方向に対して傾斜しており、つまり、開口側から奥行き方向に向かって内側寸法が徐々に小さくなる傾斜面(図7ないし図9参照)になっている。
【0036】
一方、前記ランプ室30に着脱自在なランプホルダ42は、絶縁性を有する樹脂部材で形成されたホルダ本体17と、このホルダ本体17の外周に嵌合するリング形状部18a及びこのリング形状部18aから照明ランプ5の後端側電極にバネ弾性力によって当接する腕部18bを設けたランプ接点バネ18と、前記ホルダ本体17の基端側外周に配置した水密リング19とで主に構成されている。
【0037】
前記ホルダ本体17の外周には前記光源装置本体40に螺合する雄ネジ部17aが形成され、このホルダ本体17の先端部には円筒部分に複数の軸方向スリットを形成したランプ固定爪部17bが設けられている。なお、このランプ固定爪部17b端部の内部には照明ランプ5の突部5aに係合する図示しない凹部が形成されている。
【0038】
前記ランプ接点バネ18の腕部18bは、前記ランプ固定爪部17bの軸方向スリットを通ってホルダ本体17の略中央まで延出しており、前記照明ランプ5をランプホルダ42に装着したとき、前記腕部18bが前記照明ランプ5の一方の電極に弾性力によって当接するようになっている。
【0039】
そして、前記照明ランプ5を装着した状態のランプホルダ42を光源装置本体40に螺合固定することによって、この照明ランプ5がランプ室30内に配置されている集光レンズ39の光学焦点位置に固定配置される。この状態で、前記ランプ室30内に設けられている図示しないスイッチ機構を操作して前記ランプ接点バネ18及び前記照明ランプ5の他方の電極であるランプ側面に電気的に接触させることによって、前記乾電池6からの電力供給路を形成して照明ランプ5が点灯するようになっている。
【0040】
なお、前記ランプホルダ42を光源装置本体40に螺合装着したとき、前記水密リング19によって水密が保たれる。また、前記ホルダ本体17の他端部にはコイン等が係合する溝部17dが形成されている。
【0041】
図5及び図6を参照して前記蓋体45の構成を説明する。
まず、図5に示すように前記蓋体45には電気的接続手段を構成する良導電の弾性ワイヤ部材で形成された接点部材11と、この接点部材11を覆うように配置される絶縁部材で形成したカバー部材54とが配設されるようになっている。
【0042】
前記接点部材11は、中央部に折り曲げ部11aを設けてV字形状に形成されており、この接点部材11の両端部には前記V字形状面に対して垂直方向に突出するように折り曲げ形成したU字接点部11bが設けられている。なお、このU字接点部11bは前記バッテリ収納部7に装填配置される一方の乾電池6a,6bのマイナス極が接触する電気接点部であり、前記折り曲げ部11aは一方の乾電池6a,6bのプラス極が接触する電気接点部である。
【0043】
前記カバー部材54は、断面形状が略凹字形状の長円箱型形状に形成され、平行な位置関係の側周部には一対の切欠爪部54aが形成されている。また、このカバー部材54の上面には前記U字接点部11bの曲部が突出して遊嵌配置される一対の長孔54c及び前記バッテリ収納部7に装填配置される乾電池6a,6bのプラス極だけが通過することが可能な大きさに形成した円形透孔54dが形成されている。つまり、この円形透孔54dには乾電池6のマイナス極側が通過できないようになっている。さらに、前記カバー部材54の前記長孔54cから離れた曲面側周部には前記折り曲げ部11aを配置する横孔54bが形成されている。
【0044】
前記一対の長孔54cは、前記バッテリ収納部7に装填配置される乾電池6a,6bのプラス極と電気的に接触することなく、かつマイナス極には確実に電気的に接触する位置関係で形成されている。
【0045】
一方、前記蓋体45の前記乾電池6a,6bに対向する一面側には前記接点部材11及び前記カバー部材54を配置するための凹部を形成する略長円を形成する長円凸部45bが設けられている。この長円凸部45bの外周面側には段部が形成されており、この段部に前記パッキン部材16を装着される。また、この長円凸部45bの略中央部底面近傍には前記切欠爪部54aがクリック係合する一対の係入穴45cが形成されている。さらに、前記長円凸部45b内には前記凹部底面から所定量突出した円柱凸部45dが設けられている。この円柱凸部45dは、前記バッテリ収納部7に装填配置される一方の乾電池6a,6bのプラス極に対向する位置、つまり、前記カバー部材54の円形透孔54dに対向して突設している。
【0046】
ここで、図6を参照して前記接点部材11及び前記カバー部材54を配置した前記蓋体45の構成を説明する。
前記カバー部材54の開口側から接点部材11を挿入し、折り曲げ部11aを横孔54bに配置するとともに、2つのU字接点部11bをそれぞれ長孔54cに配置して、前記長円凸部45bが形成する凹部内にこのカバー部材54を配置する。そして、前記カバー部材54を押し込んで、前記切欠爪部54aを前記長円凸部45bの係入穴45cにクリック係合させる。このことによって、前記蓋体45に接点部材11及びカバー部材54が一体化される。
【0047】
このとき、前記蓋体45には露出したU字接点部11b及び前記円形透孔54dを通して円柱凸部45dの上面に接点部材11が配置される。
【0048】
つまり、図6に示すように前記U字接点部11bは、バッテリ収納部7に装填配置される乾電池6のマイナス極が位置する左斜め斜線に示すマイナス極領域55内に位置する一方、前記乾電池6のプラス極が配置されたときの右斜め斜線に示すプラス極領域56より外ずれた位置になっている。このため、前記U字接点部11bは、前記乾電池6a,6bのマイナス極が装填配置されているときだけ、前記接点部材11の弾性力に付勢された状態でマイナス極に接触するが、前記乾電池6a,6bが逆向きに装填配置されてプラス極が位置しているときには前記U字接点部11bと前記プラス極とが接触しない。
【0049】
一方、前記折り曲げ部11a近傍においては、前記円形透孔54dを通して円柱凸部45dの上面に接点部材11が配置されている。つまり、この接点部材11は、円形透孔54d内、即ち、プラス極領域56に位置している。このため、前記乾電池6a,6bのプラス極が装填配置されているときだけ、前記円形透孔54dを通過した乾電池6a,6bのプラス極と接点部材11とが接触する。しかし、前記乾電池6a,6bが逆向きで装填配置されているときには、前記円形透孔54dによって乾電池6a,6bのマイナス極と前記接点部材とが接触できないようになっている。
【0050】
なお、前記接点部材11の折り曲げ部11a側は、前記円柱凸部45dとカバー部材54の内側面とで狭持固定されるので、前記長孔54cから突出するU字接点部11bは後述する図9の二点鎖線で示すように弾性変形可能になっている。
【0051】
つまり、上述のように前記蓋体45を構成したことによって、2つの乾電池6a,6bを正規の向きで装填したときだけ、乾電池6a,6bを直列に配列して電力を供給する電気回路が構成される。
【0052】
次に、図7ないし図9を参照して蓋体45のロック機構及びバッテリ収納部7近傍の内部構成を簡単に説明する。
【0053】
図7及び図8に示すように前記固定部14は、光源装置本体40の本体凹部40aに回動自在に配設された開放レバー15に回動自在に設けられており、この開放レバー15の図7の矢印に示す動作に連動させて前記固定爪部45aを図8に示す固定状態或いは図7に示す開放状態にする構成になっている。
【0054】
前記蓋体45に設けられているパッキン部材16は、図8及び図9に示す閉状態において水密面46の前面に渡って密着して水密に保っている。また、このパッキン部材16は、傾斜を持つ水密面46に押圧されているため、前記蓋体45が閉状態であるとき、常に蓋体45を開放する方向へ付勢する役割を持っている。このため、前記開放レバー15を開放動作させたとき、図8に示すように蓋体45がスムーズに移動するようになっている。
【0055】
また、図8に示すように前記固定部14及び前記開放レバー15は、閉状態において、前記本体凹部40a内に配置されるようになっている。このため、前記蓋体45を閉状態したとき、光源装置本体40の表面には前記固定部14及び前記開放レバー15による凹凸がない。このため、使用中に誤って開放レバー15を開放操作することが防止されている。
【0056】
なお、万一、誤って前記開放レバー15が外れる等の不具合が発生して、図示しない付勢手段によって前記乾電池6a,6bが蓋体45を図に示すように押し上げられて開放状態になった場合、前記固定部14が蓋体45の固定爪部45aに係合した状態を維持して、いきなり蓋体45が全開状態になって乾電池6a,6bが外部に飛出すことがないようになっている。
【0057】
前記乾電池6a,6bをバッテリ収納部7から取り出す場合には、図7に示す位置に開放レバー15を移動させた後、前記蓋体45を光源ランプ側に一度戻すようにし、この状態でロック爪14と固定爪部45aとの係合状態を解除した後、全開状態にして行う。
【0058】
図7及び図8に示すように光源装置本体40の内部には電気部品49a,49b,49c等を搭載して乾電池6a,6bの出力電圧値をモニターする検出回路及びその電圧値を電池残量に換算して残量を表示させる換算表示回路とを備えた残量検出表示基板49が配置されており、この残量検出表示基板49には例えば4つのLED50が配置されている。そして、このLED50は表示窓8に対応する位置に配置されている。この残量検出表示基板49には前記乾電池6a,6bの電力が供給されるようになっている。
【0059】
本実施形態においては、前記乾電池6a,6bが新品状態のとき、つまり、電池容量が満状態であるときには4つのLED50が同時に点灯し、乾電池6a,6bの容量が徐々に低下していくにしたがってLED50が1つずつ消灯する構成になっている。
【0060】
なお、前記レベルゲージ10は視認性を向上させるため、前記表示窓8,…,8近傍に設けてある。また、LEDによる表示例はこれに限定されるものではなく、発光色の異なるLEDを使用し、例えば容量が十分である状態では緑のLEDを点灯させ、容量が残り僅かになったときに赤のLEDを点灯させるように切り換える構成にしてもよい。
【0061】
また、前記残量検出表示基板49には前記乾電池6a,6bから照明ランプ5に印加する電圧レベルを切り換える電圧切り替えスイッチ部材51が設けられており、この電圧切り替えボタン52を適宜操作することによって、図示しない抵抗素子が照明ランプ5までの電流路に接続されて電圧を切り換えられるようになっている。
【0062】
このことにより、電圧切り替えボタン52を操作して抵抗素子を接続した状態では、照明ランプ5への印加電圧が低下するため照明ランプ5の輝度が低下するが、乾電池6a,6bの電力消費速度が遅くなるので、乾電池6a,6bの持続時間を長くすることができる。つまり、明るさと乾電池6a,6bの持続時間との関係を用途により適宜設定することを可能にしている。
【0063】
なお、本実施形態においては、前記照明ランプ5のスイッチ操作を図3(a)に示したように略90°の回動角をもってON、OFFさせるようにしているが、この角度を90度に限定されるものではなく、適宜変更可能である。
【0064】
上述のように構成したバッテリ型光源装置4の作用を説明する。
まず、光源装置本体40の蓋体45を開放状態にして、バッテリ収納部7に乾電池6a,6bを収納して蓋体45を閉じ、さらに開放レバー15を動かしながら固定部14を前記蓋体45の固定爪部45aに係合させ、前記開放レバー15を光源装置本体40の本体凹部40a内に倒し、前記固定部14で蓋体45を光源装置本体40側に引き寄せるようにして固定する。このことによって、前記蓋体45に設けたパッキン部材16がバッテリ収納部7の水密面46に密着して水密状態になる。
【0065】
また、前記乾電池6a,6bが所定の位置関係で装填配置されていれば、蓋体45の接点部材11の折り曲げ部11a側に乾電池6aのプラス極が接触するとともに、接点部材11のU字接点部11bに乾電池6bのマイナス極が接触して2本の乾電池を直列状態で接続した回路が構成される。そして、前記乾電池6a,6bの少なくとも一方が所定の向きとは逆向きで装填配置されているときには、U字接点部11bと乾電池6a,6bのプラス極又は折り曲げ部11a近傍の接点部材11と乾電池6a,6bのマイナス極とが接触しないので、電気的回路が構成されない。
【0066】
次に、照明ランプ5の後端側をランプホルダ42のランプ固定爪部17bに差し込みクリック固定する。このとき、ランプ接点バネ18の腕部18bは、照明ランプ5後端部の電極に弾性力をもって当接している。
【0067】
この状態で、前記のランプホルダ42の溝部17dにコイン等を係合して、このランプホルダ42を回転させ、光源装置本体40に一体的に螺合固定する。このことによって、光源装置本体40のランプ室30の所定位置に照明ランプ5が配置されて、この照明ランプ5からの出射光が最も効率よく内視鏡のライトガイドファイバ入射端に集光される位置になる。また、前記リング形状部18a及び照明ランプ5の一方の電極であるランプ側面に、乾電池6からの電源供給路が不図示のスイッチ部材を介して接続される。
【0068】
続いて、内視鏡2のライトガイド口金26と前記バッテリ型光源装置4の接続部41とを接続する。この接続状態のとき、ランプ点灯スイッチがOFF位置にあるので、乾電池6a,6bから照明ランプ5までの電流の経路は絶たれるとともに、電池残量表示機能が働かない回路構成である。
【0069】
次に、光源装置本体40を内視鏡2に対し回動させてON位置に配置する。すると、乾電池6a,6bからの電力が照明ランプ5に供給されてランプが点灯すると同時に、検出回路が起動されて、乾電池6a,6bの残量がバッテリ残量表示部9に表示される。
【0070】
前記照明ランプ5から出射された照明光は、集光レンズ39により集光され、内視鏡2のライトガイド口金26に配置されたライトガイドファイバに効率よく入射していく。
【0071】
なお、集光効率をさらに向上させるためには、照明ランプのガラス球自体にレンズ状の厚みを持たせて、ランプから出射される光をよりスポット光線に近いものにさせるようにするとよい。
【0072】
また、乾電池6の持続時間を延長させたい場合は、電圧切り替えボタン52を適宜操作して、ランプの定格より低めに電圧を設定し、本来の明るさが必要な場合にはランプの定格通りの電圧を照明ランプ5に印加するように操作する。
【0073】
観察終了後は、再び光源装置本体40をOFF位置に回動させて照明ランプ5を消灯させる。
【0074】
なお、使用中に、乾電池6a,6bの残量が不足してきたときには、前記電圧切り替えボタン52を操作して乾電池6の持続時間を延長させたり、或いは乾電池6a,6bを新品のものに替えるようにしてもよい。
【0075】
このように、本実施形態においてはバッテリ収納部の開口部を閉塞する蓋体に接点部位とカバー部材とを設けて、バッテリ収納部内に2つの乾電池を所定の向きに装填配置したとき、2つの乾電池を直列配列させた電気回路を構成する電気接点を設けたことにより、何らかの要因で乾電池を逆向きに装填した場合でも、バッテリ型光源装置内部の回路に逆電流が流れることを確実に防止することができる。
【0076】
このことによって、装置の故障が防止される。また、蓋体に配置する接点部位とカバー部材とで簡単且つ小スペースで逆電流の流れることを防止することができるので、検出回路に逆電流保護機能等を付加する必要がないので、検出回路を小型化して、バッテリ光源装置の小型化及び安価な構成が実現される。
【0077】
また、蓋体を水密的に光源装置本体に固定したとき、バックル式の開放レバーが光源装置本体の側面に凹凸が無いよう収納されるので、内視鏡装置使用中及び洗浄中に、誤って開放レバーに触れて、蓋体を開放状態にすることを防止することができる。
【0078】
このことによって、内視鏡操作中の不具合や洗浄中に液体が浸入することが確実に防止される。
【0079】
さらに、開放レバーを開放したとき、固定部が蓋体に係合していることにより、瞬時に全開状態になることが防止されているので、開放レバーを開放させたとき、いきなり蓋が全開して電池が飛出す等の不具合を防止することができる。
【0080】
また、蓋体に設けたパッキン部材を光源装置本体に形成した傾斜面に押し当てて水密を保持するように構成したことにより、パッキン部材の変形ストロークを多く取ることができるので、このパッキン部材のへたり等によるパックル機能の確実性の低下及び水密性の悪化を確実に防止することができる。
【0081】
なお、本発明は、以上述べた実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
【0082】
[付記]
以上詳述したような本発明の前記実施形態によれば、以下の如き構成を得ることができる。
【0083】
(1)照明光を導光するライトガイドファイバを有する内視鏡と、この内視鏡に着脱自在に接続され、前記ライトガイドファイバの光入射端に照明光を供給する照明ランプ及びこの照明ランプに電力を供給するバッテリを内蔵したバッテリ型光源装置とを備えた内視鏡装置において、
前記バッテリ型光源装置に、前記バッテリを所定の向きで装填したとき、電気的導通状態を構成させる電気的接続手段を設けたことを特徴とする内視鏡装置。
【0084】
(2)前記電気的接続手段を前記バッテリが収納されるバッテリ収納部を水密状態に密閉する蓋体に設けた付記1記載の内視鏡装置。
【0085】
(3)前記電気的接続手段は、複数のバッテリを直列に接続する付記2記載の内視鏡装置。
【0086】
(4)前記電気的接続手段は、略V字形に折り曲げ形成した導電性を有する弾性ワイヤと、この弾性ワイヤを所定位置関係に保持して、2つのバッテリと前記弾性ワイヤとの電気接点部を形成するカバー部材とを備える付記3記載の内視鏡装置。
【0087】
(5)前記蓋体は、前記バッテリ型光源装置本体に対して蝶番構造で開閉自在である付記2記載の内視鏡装置。
【0088】
(6)前記バッテリ型光源にバッテリの容量を検出するバッテリ容量検出回路を設け、
このバッテリ容量検出回路は、前記バッテリから供給される電力によって駆動される付記1記載の内視鏡装置。
【0089】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、乾電池等、バッテリ交換の際にバッテリ収納部に収納されるバッテリの装填方向を誤った場合に、電気回路中に逆電流が流れることを確実に防止したバッテリ型光源装置を備えた内視鏡装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1ないし図9は本発明の一実施形態に係り、図1は本発明の内視鏡装置の構成を説明する図
【図2】操作部及びバッテリ型光源装置の接続部近傍を説明する図
【図3】照明ランプの点灯又は消灯時における内視鏡装置の外観の違いを説明する図
【図4】バッテリ型光源装置の全体構成を説明する図
【図5】バッテリ型光源装置の蓋体に配設される接点部材とカバー部材とを説明する図
【図6】蓋体の電気接点部と当接する乾電池との関係を説明する図
【図7】蓋体を解放するときの動作を説明する図
【図8】バッテリ型光源装置の蓋体周辺の断面図
【図9】図8に示したA−A線断面図
【符号の説明】
11…接点部材
11b…U字接点部
45…蓋体
45b…長円凸部
45c…係入穴
45d…円柱凸部
54…カバー部材
54a…切欠爪部
54c…長孔
54d…円形透孔

Claims (3)

  1. 内視鏡を備え、2つのバッテリによって照明ランプに電力を供給する内視鏡装置において、
    一端にプラス極、及び他端にマイナス極を有する前記2つのバッテリの異なる電極を同一面に指向させた状態で収納可能なバッテリ収納部と、
    前記バッテリ収納部内の前記2つのバッテリの電極が露呈されている面に対向する位置に設けられ、一方の前記バッテリの前記マイナス極が位置するマイナス極領域内で、且つ該一方のバッテリの前記プラス極が位置するプラス極領域外に形成された長孔を有する絶縁部材で形成されたカバー部材と、
    前記カバー部材に収納され、前記長孔から突出する第 1 の接点部、及び他方の前記バッテリの前記プラス極と接触する位置に配設される第2の接点部を有する導電性の弾性変形可能な接点部材と、
    を具備することを特徴とする内視鏡装置。
  2. 前記カバー部材は、前記他方のバッテリの前記プラス極が挿通可能な透孔を有し、
    前記接点部材の前記第2の接点部が前記透孔内に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置。
  3. 前記カバー部材は、前記バッテリ収納部の開口部を水密状態で密閉する蓋体に設けられており、前記接点部材は前記蓋体とカバー部材との間に収納されると共に、該接点部材の前記第2の電極側が前記蓋体に形成された凸部と前記カバー部材の内面とで挟持固定されていることを特徴とする請求項2に記載の内視鏡装置。
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