以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1ないし図19は本発明の一実施形態に係り、図1は本発明の内視鏡装置の構成を説明する図、図2は操作部及び内視鏡用バッテリ光源の接続部の外観を説明する図、図3は内視鏡用バッテリ光源の全体構成を示す図、図4は内視鏡用バッテリ光源のランプ室を主とする長手方向断面図、図5は操作部と内視鏡用バッテリ光源との相対位置の違いによる内視鏡用バッテリ光源のスイッチ操作を説明する図、図6は電池蓋及びバックル固定部の断面図、図7は電池蓋に設けられる接点部材の分解図、図8は電池蓋に当接するバッテリの両極の範囲を示す図、図9は図8のF−F線断面図、図10はスイッチ接点部の形状、位置関係を説明する図、図11はオフ状態のスイッチ位置を説明する図、図12はオン状態の一スイッチ位置を説明する図、図13はオン状態の他のスイッチ位置を説明する図、図14は内視鏡用バッテリ光源の電源回路を説明する図、図15はクリック機構を構成する部品の分解図、図16は基板収納室を隔てる隔壁部材を説明する図、図17は内視鏡の把持方法の1例を示す図、図18は内視鏡の把持方法の他の例を示す図、図19は内視鏡装置を患者に使用するときの向きを示す図である。
なお、図11(a)は図4のB−B線断面図でありスイッチOFF状態における位置関係を説明する図、図11(b)は図4のC−C線断面図でありスイッチOFF状態における位置関係を説明する図、図12(a)は図4のB−B線断面図でありスイッチON状態における一つの位置関係を説明する図、図12(b)は図4のC−C線断面図でありスイッチON状態における一つの位置関係を説明する図、図13(a)は図4のB−B線断面図でありスイッチON状態における他の位置関係を説明する図、図13(b)は図4のC−C線断面図でありスイッチON状態における他の位置関係を説明する図、図19(a)は横になっている患者に内視鏡を使用する状態を説明する図、図19(b)は対面した患者に内視鏡を使用する状態を説明する図、図19(c)は内視鏡の把持方法の1例を示す図である。
図1に示すように本実施形態の内視鏡装置1は、水密構造の内視鏡2と、この内視鏡2に着脱自在に接続されるライトガイドケーブル3と、この内視鏡2に着脱自在に接続される水密構造の内視鏡用バッテリ光源(以下、バッテリ式光源とも記載する)4とで構成されている。
前記内視鏡2は、細長の挿入部5と、この挿入部5の基端部に設けた操作部6と、この操作部6の後端部に設けた接眼部7とで構成されている。前記挿入部5は、先端側から順に硬質の先端部8と、湾曲自在な湾曲部9と、柔軟性を有する可撓管部10とを連設している。
前記操作部6の側面には熱伝導性の良好な部材で形成したライトガイド口金11が設けてある。このライトガイド口金11は側方に突出している。このライトガイド口金11には前記ライトガイドケーブル3の接続部3a又は、前記バッテリ式光源4の接続部12が着脱自在に接続される。
前記操作部6には術者が把持する把持部13が設けてある。この把持部13の後方側には前記ライトガイド口金11、前記湾曲部9の湾曲操作を行う湾曲操作レバー14及び吸引操作を行う吸引ボタン15が設けてある。この吸引ボタン15の基端付近からは、前記内視鏡2に設けた吸引チャンネル(不図示)に連通する吸引口金16が突出している。この吸引口金16には図示しないチューブを介して吸引装置(図示せず)に接続されている。したがって、前記吸引ボタン15を適宜操作することによって、吸引チャンネル、吸引口金16を介して体腔内の液体などの吸引排出を行える。
前記把持部13の前方側には鉗子挿入口17が突設している。この鉗子挿入口17は、通常、鉗子栓18で閉塞される。また、鉗子挿入口17の反対側には、例えば通気口金19が設けてある。この通気口金19から内視鏡2の内部に空気を送り込むことによって、内視鏡2の水漏れ検査を行える。
前記挿入部5内には照明光を伝送する図示しないライトガイドファイバが挿通している。このライトガイドファイバの基端部は、前記操作部6内部で屈曲され、ライトガイド口金11内にその基端部が固定されている。そして、このライトガイドファイバの先端部は、前記挿入部5の先端部8に設けた照明窓20に固定されている。
前記ライトガイド口金11の外周部には接続用の雄ネジ部11aが設けてある。この雄ネジ部11aには、前記ライトガイドケーブル3の接続部3a、又はバッテリ式光源4の接続部12の外周部にそれぞれ移動自在に設けられている接続環3c、24の内周面に形成されている雌ネジ部が螺合する。前記接続管3c、24を前記接続部3aに螺合固定することによって、内視鏡2とライトガイドケーブル3又は内視鏡2とバッテリ式光源4とが一体になる。
図2ないし図4に示すように前記バッテリ式光源4の接続環24は、ネジ本体24aと、ネジカバー24bとで構成されている。前記ネジ本体24aには前記雌ネジ部が形成されている。前記ネジカバー24bは、前記ネジ本体24aの外周部を被覆し、ゴムなどの低熱伝達性で弾性を有する素材で形成されている。このネジカバー24bの先端側端部は、前記ネジ本体24aの先端部よりも先端側に延長しており、その内周面には凸部24cが一体に形成されている。
図2に示すように前記内視鏡2と前記バッテリ式光源4とを連結するとき、前記ライトガイド口金11の接続筒11cに設けられている指標11bと、バッテリ式光源4に設けられている指標4aとを一致させて取り付ける。このことによって、前記バッテリ式光源4に設けられている位置きめピン26がライトガイド口金11の接続筒11cに設けられているピン受け部11dに係入する。このことによって、内視鏡2とバッテリ式光源4とは一定した位置関係で位置決めされる。
この状態で接続環24を所定方向に回転する。すると、ネジ本体24aの内周面に形成されている雌ネジ24dとライトガイド口金11の雄ネジ部11aとが螺合状態になる。このことによって、内視鏡2とバッテリ式光源4とが一体的に固定される。このとき、接続環24の内周側の接続口金27に設けた水密リング28が接続筒11c内周面に密着する。したがって、連結部における水密が確保される。
また、前述した螺合が完了する際、前記ネジカバー24bの内周面に成形された凸部24cは、操作部6の側面から凸設した口金台座6cの外周面に弾性力を持って当接する。このことにより、接続環24とライトガイド口金11との螺合固定状態が容易に緩まない構造になっている。
なお、前記ネジカバー24bの内周面全面を口金台座6cに当接させるのではなく、部分的に凸部24cだけを当接させたことによって、強い締め付け力を加えることなく、確実に螺合を完了させることができる。加えて、ネジカバー24bと口金台座6cとが擦れ合ったとき、不快な音の発生が防止される。
また、この螺合固定の際、照明ランプ21が点灯しないようにバッテリ式光源4をOFF状態にしておく。つまり、図5の一点鎖線に示す位置関係、つまりバッテリ式光源4の光源本体30を内視鏡2の長手軸方向に対して平行な相対位置関係にしておく。
そして、このOFF位置を基準にして、光源本体30を正、逆方向にそれぞれ90°回転させて、図5の実線又は破線に示す位置に光源本体30を配置することにより、前記照明ランプ21が点灯するON状態になる。
したがって、前記ライトガイド口金11に例えばバッテリ式光源4を装着して、図5の実線又は破線で示す位置に前記光源本体30を配置することにより、このバッテリ式光源4の内部に設けられた照明ランプ21が発光状態になる。
前記照明ランプ21の照明光は、バッテリ式光源4内の集光レンズ22で集光されて、ライトガイド口金11のライトガイドファイバ光入射端面に設けられている透明のガラス部材で形成されたライトガイドカバー(図示せず)を通ってライトガイドファイバに供給される。そして、このライトガイドファイバにより先端部まで伝送されて、前記照明窓20から前方側に向かって出射されて検査部位を照らす。
一方、前記図1に示したライトガイドケーブル3の後端部に設けられているライトガイドコネクタ3bは、図示しない既存の光源装置に接続されるようになっている。したがって、このライトガイドコネクタ3bを光源装置に接続することによって、光源装置の内部に設けられている照明ランプからの照明光がライトガイドコネクタ3b、ライトガイドケーブル3内の図示しないライトガイドファイバ、接続部3aを介して内視鏡2のライトガイドファイバに供給される。
つまり、この内視鏡2にライトガイドケーブル3を接続することにより、通常の内視鏡と同様に光源装置に接続して内視鏡検査を行える。
ここで、バッテリ式光源4の構成を具体的に説明する。
図3に示すようにバッテリ式光源4は、光源本体30と、この光源本体30に対して、例えば蝶番式で開閉自在に連結された蓋体31と、前記光源本体30に着脱自在に装着可能な照明ランプ21を保持するランプ装着部材であるランプホルダ32とで構成されている。
前記蓋体31を開放状態にすることによって、乾電池33の交換を行える。また、前記ランプホルダ32を光源本体30から取り外すことによって、照明ランプ21の交換を行える。なお、本実施形態においては、バッテリ式光源4の電源として2本の乾電池33として、例えば単3形ニッケル水素充電池を使用する。
前記光源本体30は、絶縁性の樹脂部材で形成された外装部材34によって主に構成されている。この外装部材34には、前記乾電池33を収納するバッテリ収納部35と、前記照明ランプ21を収納するランプ室36とが形成されている。
前記バッテリ収納部35の内部には、使用する乾電池33の残量を検出する残量検出回路25が設けられている。この残量検出回路25による検出結果は、複数のLED29a、29bを点灯させて、乾電池33の残量として、術者に告知される。
図2に示すように前記外装部材34の前記LED29a等に対向する位置には、これらLEDの光を透過する複数の表示窓37a、37bを配置して構成した残量表示部38が設けられている。本実施形態においては、前記乾電池33の容量が十分な状態であるとき、表示窓37aに対応する発光色が緑色の2つのLED29aが同時に点灯する。
前記乾電池33の容量が低下するにしたがって、1つずつLED29aが消灯する構成になっており、前記乾電池33の容量が残り僅かになったときには、緑色のLED29aから、表示窓37bに対応する発光色が例えば黄色のLED29bに切り換わる。そして、このLED29bが点滅して術者に電池切れ警告を促すようになっている。
なお、視認性の向上を目的にして、前記表示窓37a近傍にはレベルゲージ40を設けている。
また、LEDによる表示例は上述した形態に限定されるものではなく、発光色の変更や、LEDの数量の変更等が可能である。また、LEDによる表示の他に液晶によって、容量を例えばバーグラフ的に表示するようにしてもよい。
さらに、前記バッテリ収納部35に2本の乾電池33を収納し、蓋体31を閉めたとき、後述する図16に示すコイルバネ44a、44bの弾性力によって、乾電池33が導電板41に接触するように付勢されて、直列状態で接続される。したがって、前記2本の乾電池33の装填向きは互いに異なっている。
図3及び図6に示すように前記蓋体31には固定爪部31aが設けてある。これに対して、前記外装部材34には前記蓋体31を閉状態にしたとき前記固定爪部31aに係合するロック爪42が設けてある。このロック爪42は、前記外装部材34に対して回動する開放レバー43に回動自在に設けられている。このため、このロック爪42は、開放レバー43の動作に連動して固定爪部31aに対して固定した状態、又は開放した状態になる。つまり、前記蓋体31は、いわゆるバックル式のロック機構によって光源本体30に一体固定される。
前記蓋体31の内面側にはパッキン46が設けられている。この蓋体31を閉状態にしたとき、前記パッキン46がバッテリ収納部35の開口部の水密面35aに密着する。このことによって、バッテリ収納部35内は水密に保持される。
なお、前記水密面35aは、前記蓋体31が閉じられる方向に対して傾斜している。つまり、開口側から奥方向に向かって内寸が徐々に小さくなる傾斜面である。このことにより、例えば開放レバー43が閉状態のとき、蓋体31を開放する方向に付勢力を発生させる役割をし、前記バックル式のロック機構が上手く働くようにしている。
また、前記ロック爪42及び前記開放レバー43は閉状態において、前記外装部材34に一体的に設けられている堤部34aに対し凹凸がないように収納配置される構成になっている。このことにより、使用中、或いは洗滌中等に、誤って開放レバー43が開放操作されることを防止している。
図7に示すように前記蓋体31には導電板41と導電パネル47とがビス70によって固定されている。前記導電板41は電気的接続手段を構成する導電性が良好で剛性を有する板材で形成されている。前記導電パネル47は、前記導電板41の下側に重ねるように配置される。この導電パネル47は、導電性が良好でばね弾性を有する板材で形成されており、前記乾電池33の電極部に当接する後述する腕部が形成されている。なお、蓋体31自体は非導電部材で形成されている。
図3及び図7、図8に示すように前記導電板41の一端側部は段付形状である。この導電板41の端面側には前記乾電池33の陽極が対向する領域53に重ならないように半弧状部41cが形成されている。この半弧状部41c近傍の所定位置には、前記導電パネル47に形成された細い帯状の弾性接点部となる第1弾性腕部47aが配置される切り欠き部41aが形成してある。この切り欠き部41aは、乾電池33の陰極が対向する領域54に重なって位置している。
前記導電板41のビス穴70aを挟んだ他方側部には、前記導電パネル47に形成された細い帯状の弾性接点部となる第2弾性腕部47bが配置される、略長方形の開口部41bが形成してある。
前記導電パネル47と前記導電板41とを重ね合わせた状態にして蓋体31にビス70で一体固定することにより、前記導電板41の切り欠き部41a及び開口部41bにそれぞれ前記導電パネル47の第1弾性腕部47a及び第2弾性腕部47bが配置される。
このとき、前記第1弾性腕部47aは、乾電池33の陽極が対向する領域53に重ならない。すなわち、乾電池33の陰極のみが対向する領域54に位置している。そして、図9に示すように前記弾性腕部47a、47bの乾電池33と接触する接点部がそれぞれ導電板41の上面より突出した位置になる。
なお、図7に示した前記蓋体31の乾電池33に対向する内面側には、前記導電板41、導電パネル47を位置決め配置するための凹部31bが形成されている。
また、前記弾性腕部47a、47bが乾電池33と当接して押圧されたとき、弾性変形するように、前記弾性腕部47a、47bのそれぞれの変形方向には逃げ部49a、49bが設けてある。
さらに、前記開口部41bが配置される側の内面には、前記乾電池33の陽極は接触することなく通過するが、陰極は当接して通過することのできない略C字状の凸部31cが形成されている。このことにより、前記図9に示すように前記導電板41の上面から凸部31cの上面までの高さが乾電池33の陽極の突出高さより低く、かつ導電パネル47の第2弾性腕部47bの突出部が凸部31cの上面よりも低い位置になるように設定される。
又、前記パッキン46は、前記凹部31bの外周側に形成された略長円形状の段部に配置される。
また、図4に示すように、前記良導電性素材で形成されたコイルバネ44a、44bは、前記バッテリ収納部35の底部に配置されて電源回路45に接続されており、直列に繋がれた乾電池33の電力が前記電源回路45に供給される。この電源回路45には前記乾電池33の電圧を、照明ランプ21の定格電圧に変換する図14に示す変圧回路39が搭載されている。
図4及び図10に示すように前記電源回路45とランプ室36との間には弾性力を有する導電接点板40a、40b、40cが配置されている。前記導電接点板40aの端部は、後述するスイッチ操作により、弾性範囲内で絶縁ブロック52に乗り降りする構成である。図11(b)に示すように絶縁ブロック52に乗り上げた状態では、導電接点板40bと導電接点板40aとが切り離されて、スイッチOFF状態になる。
そして、図12(b)及び図13(b)に示すように絶縁ブロック52から降りた状態では、導電接点板40bと導電接点板40aとが押圧接触して、スイッチON状態になる。
前記導電接点板40aと絶縁ブロック52との摺動部は、前記導電接点板40aのエッジ部分によってこの絶縁ブロック52を削られないよう導電接点板40aの端部を幅広に形成してある。また、前記導電接点板40aの端部のエッジ部分に対して中央寄りに絶縁ブロック52の摺動凸部52aが当接するようにしている。このことにより、削りカス発生による接点の接触不良を防止している。そして、この導電接点板40aの幅広部は、前記導電接点板40bとの接触部分でもある。
前記導電接点板40bは、後述するスイッチ操作にかかわらず、良導電素材からなるランプ収納筒50に常に押圧接触している。そして、その端部であるランプ収納筒50及び導電接点板40aとの接触部を幅広に形成して、スイッチ操作してOFF状態のとき、その一部が絶縁ブロック52の下に潜り込んで、ランプ収納筒50との間に設けた隙間に収まる構成になっている。
前記導電接点板40cは、幅広の端部を屈曲させて形成した屈曲部40dをランプ室36の内部に突出するように配置している。この屈曲部40dは、図4に示すように、ランプホルダ32をランプ室36に装着したとき、ランプホルダ32に設けたランプ接点バネ55のリング形状部55aに押圧接触する。
図14に示すように本実施形態における乾電池33は、ニッケル水素充電池で、単電池あたり1.2Vの起電力を有する。このため、直列に繋がれることで2.4Vの電源電圧になる。そして、この乾電池33の陽極側は変圧回路39に接続され、陰極側は前記導電接点板40aに接続されている。
一方、前記導電接点板40aが接触する導電接点板40bは、前記変圧回路39に接続され、導電接点板40aと導電接点板40bとが接触した状態で変圧回路39への電源供給回路が構成される。また、前記導電接点板40b、40cは、定格電圧4.8vの照明ランプ21の電極にそれぞれ電気的に接続されている。前記導電接点板40b、40cは、前記変圧回路39の出力ラインである。
このことによって、前記導電接点板40aがスイッチ操作されることにより、変圧回路39が起動し、4.8Vに昇圧した電力が照明ランプ21へ供給される回路構成になる。
なお、前記導電接点板40bは、乾電池33、変圧回路39のループ及び変圧回路39、照明ランプ21のループに対する共通のグランドになっている。
また、前記電源回路45には図示しないショート保護回路が搭載されており、電源である乾電池33の電流が最大に流れた時の電圧降下を検知して、照明ランプ21への電源供給を停止させるようになっている。これは、バッテリ式光源4のスイッチがON位置にある場合でも回路上で照明ランプ21への電源供給を停止させる。
さらに、図示しないが、電源回路45と残量検出回路25とはL字型に接合され、残量検出回路25の起電力は前記電源回路45より供給されるようになっている。
前記図3に示すように前記ランプホルダ32は、ホルダ本体51と、水密リング56と、ランプ接点バネ55とで構成されている。前記ホルダ本体51は、絶縁性の例えば樹脂素材で太径部と細径部とを設けて形成されている。水密リング56は、前記ホルダ本体51の太径部外周に配置されている。前記ランプ接点バネ55は、前記ホルダ本体51の細径部に嵌合配置されるリング形状部55a及びこのリング形状部55aから前記照明ランプ21の基端側電極にバネ弾性力を持って当接する腕部55bを備えている。
前記ホルダ本体51の細径部の根元側外周には前記外装部材34に螺合する雄ネジ部51aが形成されている。この雄ネジ部51aのネジ形状は、ネジ山が台形な、所謂台形ネジとして形成されている。このため、外装部材34に強くねじ込んでいった場合でも螺合状態が強く食い付いた状態になることを防止、ランプホルダ32の着脱を常にスムーズに行える。
前記ホルダ本体51の細径部先端部には、管状部分に複数のスリットを設けて形成したランプ固定爪部51bが設けられている。このランプ固定爪部51bの端部の内周面には、前記照明ランプ21の取付け部の外周面にリング状に突出したランプ凸部21aを係止するランプ係止部51c(図4参照)が形成されている。
前記ランプ固定爪部51bの内周側の径寸法は、これに係合する照明ランプ21の基端部の取付け部外径寸法より僅かに大きく設定され、かつランプ係止部51cは図3に示す照明ランプ21のランプ凸部21aと段付き部21bとの間に位置する状態になる。
このため、照明ランプ21をランプホルダ32に装着したとき、照明ランプ21はこの照明ランプ21の光軸方向周りに自由に回転可能で、かつランプ光軸方向に対しても移動可能になっている。
前記ランプ係止部51cより後方位置に腕部55bが配置され、その前方側にバネ付勢されるようになっているため、ランプ凸部21aがランプ係止部51cを乗り越えて保持された状態では、この腕部55bの付勢力によってランプ係止部51cにランプ凸部21aが当接するように保持される。なお、このとき、前記外装部材34にランプホルダ32を取り付けていない状態とする。
一方、この腕部55bの付勢力に抗する力が加わった場合には、ランプ凸部21aをランプ固定爪部51bの深部側に移動させることができるようになっている。
前記ランプ凸部21aの外径寸法は、ランプ係止部51cの内周面の径寸法より僅かに大きく、これを押し広げるようにして押し込むことができる。そして、このときにクリック感を生じさせることによって、作業者はランプ装着作業が確実に行われたことを認識できる。
なお、前記照明ランプ21を保持したランプホルダ32を外装部材34に螺合し、照明ランプ21がランプ収納筒50内部のランプ当接部50aに当接し、かつランプホルダ32の螺合が完了した装着状態のとき、前記照明ランプ21のランプホルダ32に対する光軸方向の移動範囲内であるランプ凸部21aと段付き部21bとの間に、ランプ係止部51cが収まるように各々の寸法を設定している。
また、前記ランプ係止部51cによる照明ランプ21のランプ凸部21aの係合は、ランプ接点バネ55のバネ力より強い力で係合するようになっている。
さらに、前記ランプ接点バネ55の腕部55bは、前記ランプ固定爪部51bのスリットを通ってホルダ本体51の略中央まで延出している。前記照明ランプ21をランプホルダ32に装着したとき、前記腕部55bが前記照明ランプ21底部にある一方の電極に弾性力を持って当接する。
又、ホルダ本体51の基端には図4に示すようにマイナスドライバーの先端部やコイン等が配置される溝部51dが形成されている。この溝部51dにコイン等を係入させてホルダ本体51を回転させることによって、着脱操作を行えるようになっている。
また、ランプホルダ32を外装部材34に螺合装着したとき、前記水密リング56によって、バッテリ式光源4内部の水密が保持される。
また、前記照明ランプ21は、電極の一方をなす金属製の筒体21cの外周部に、そのランプ前端側付近を露出させるようにして非導電性で熱を伝えにくい樹脂チューブ57を被覆している。
図4は、照明ランプ21を装着したランプホルダ32を、バッテリ式光源4に装着した状態でのランプ室36の断面図である。この図4が示している状態は、照明ランプ21が点灯した状態である。そして、本実施形態においてはON状態スイッチ位置は2箇所であり、この図4のC−C断面である図12(b)の状態及び図13(b)の状態がそれである。なお、このときの全体構成を示す図は図5の実線及び破線の位置関係である。
このON状態から以下に説明するランプ収納筒50に対して、外装部材34をそれぞれ正・逆方向に90°回転させて、図11(b)に示す状態にすることにより、照明ランプ21が消灯するOFF状態スイッチ位置になる。
前記ランプ室36の内部には導電性の良好な素材で形成した略円筒形状のランプ収納筒50が配置されている。このランプ収納筒50の基端部は、フランジ形状をしており、弾性を有し摺動抵抗を増加させるリング48を挟んで外装部材34に回動自在に配置されている。
前記導電接点板40aを弾性変形させる絶縁ブロック52がランプ収納筒50の所定の位置に固定されている。この固定位置は、後述する照明ランプ21のON状態、OFF状態になるスイッチ位置に対応している。
前記ランプ収納筒50の略中央部内孔は、照明ランプ21の筒体21c外周が略ぴったりと嵌挿される寸法に形成されている。このランプ収納筒50の端部側内周の所定位置には、照明ランプ21の筒体21cの前端周縁部が当接して位置決め部となるランプ当接部50aが形成されている。なお、前記筒体21cは、前記照明ランプ21の底部側に設けられた一方の電極に対応する他方の電極になっている。
図15に示すように前記外装部材34のランプホルダ装着口34bに嵌入されるランプ収納筒50の一端部の外周に対して、このランプホルダ装着口34bとは反対側の開口部から、クリック機構部を構成するための円盤状のクリック板58、スプリング59、接続口金27の順で挿嵌されている。
前記接続口金27には位置決めピン26が、この接続口金27の内周面より突出するようにネジ固定されいる(図4参照)。したがって、前記位置決めピン26の突出部26aを、前記ランプ収納筒50の端部に設けた切り欠き部50bに係入させて接続口金27をランプ収納筒50にスライド嵌入させる。
また、前記クリック板58には略コの字形のスリット58aが形成されている。このスリット58aに、前記接続口金27の基端部側から、その円筒部分の一部を延出させた回転規制部27aを通過させる。
さらに、内視鏡2のライトガイド口金11が挿入される円筒中空の底部には集光レンズ22が水密的に接着固定されたレンズ保持筒60がランプ収納筒50に螺合することによって、前記接続口金27をランプ収納筒50に一体的に固定される。
又、前記ランプホルダ装着口34bに、前記ホルダ本体51の雄ネジ部51aが螺合する非導電性の雌ネジブロック66を嵌合固定している。また、外装部材34に嵌入した接続口金27の基端部側に水密リング61を設けて水密構造にしている。さらに、レンズ保持筒60の先端側外周に水密リング62を介挿して水密を確保する構成になっている。
この状態で、前記クリック板58は、前記スプリング59のバネ弾性力により、外装部材34の内周段付き部34cに設けられた2箇所の突起部34dに常に付勢される。(図15及び図11(a)参照)
前記クリック板58は、前記スプリング59の付勢力に抗する方向に対して移動できるようになっている。また、このクリック板58には前記突起部34dと同じ角度位置に溝部58bが形成されている。スイッチ操作によって、前記突起部34dが溝部58bに落ち込むことによって、クリック感が生じるようになっている。(図11(a)参照)
前記段付き部34cは、前記接続口金27の嵌入する内径深さを所定の角度範囲で異ならせたもので、図11(a)に示すようにその内周方向に突き出した段部の両側面は、前記回転規制部27aが当接する回転止め34eになっている。
以上の構造によって、ランプ収納筒50を軸として外装部材34が所定の角度範囲内で回動し、かつその角度範囲内でクリック感を持って所定の相対位置に保持するクリック固定位置を設けている。
本実施形態においては、このクリック固定位置をOFF状態スイッチ位置とし、この位置を中心に正・逆方向にそれぞれ90°の範囲で回動して、規制位置であるON状態スイッチ位置に移動する構成になっている。そして、この回動角度を適宜変更することは可能である。
なお、前記ランプ室36周辺の外装部材34の外周面には、大気との接触面積を増やすための凹凸部67が形成してある。この凹凸部67によって、照明ランプ21から発する熱は、効率的に外部に放出させるようになっている。
図6及び図16に示すように前記残量検出回路25及び電源回路45を備えた基板が配置される基板収納室64と、前記乾電池33とが収納される電池室63のスペースは、非導電部材よりなる隔壁部材65により隔てられている。
この隔壁部材65の辺縁部65aは、リブ状に成形され、外装部材34と隙間なく組み付くように構成されている。このことにより、電池室63から浸入する異物が基板収納室64に入ることを防止することができ、導電異物が侵入することによる回路ショート等の不具合を防止することができる。なお、この隔壁部材65は、前記残量検出回路25を保持、固定する機能を有している。
ここで、本実施形態のバッテリ式光源4の作用を説明する。
まず、図3に示すように光源本体30の蓋体31を開放し、バッテリ収納部35に2本の乾電池33を互いの極性を逆にして収納し、前記蓋体31を閉じる。その後、開放レバー43を動かしながらロック爪42を前記蓋体31の固定爪部31aに係合し、前記開放レバー43を外装部材34の側面側に倒し、ロック爪42で蓋体31を光源本体30側に引き寄せるように固定する。
このことにより、蓋体31に設けたパッキン46がバッテリ収納部35の開口部に密着して水密状態になる。また、蓋体31に設けた導電板41及び導電パネル47は、前記乾電池33の対向する電極に接触して、2本の乾電池33が直列状態につながる。このとき、前記乾電池33の両極は、バッテリ収納部35内部のコイルバネ44a、44bと蓋体31の弾性腕部47a,47bの付勢力で挟み付けられた状態になる。
次に、照明ランプ21の基端側をランプホルダ32のランプ固定爪部51bに差し込む。このとき、照明ランプ21の凸部21aが前記ランプ固定爪部51bの内周面にあるランプ係止部51cを押圧しながら嵌入し、凸部21aが前記ランプ係止部51cを乗り越える。このことにより、クリック感を持って固定状態になる。
また、このとき、ランプ接点バネ55の腕部55bは、照明ランプ21の基端部電極に弾性的に当接する。なお、この状態で、照明ランプ21は、ランプホルダ32に対し光軸周りに回転か可能であり、かつランプ接点バネ55の弾性力に抗する光軸方向に移動可能である。
次いで、前記ランプホルダ32の溝部51dにコイン等を配置して回転させ、ランプホルダ32の雄ネジ部51aを外装部材34の雌ネジ部に螺合する。このことによって、光源本体30のランプ室36に照明ランプ21が装填される。
このとき、前記ランプホルダ32の外装部材34への螺合が完了する前に、照明ランプ21の他方の電極である先端側周縁部をランプ収納筒50に設けた位置決め用のランプ当接部50aに当接させて位置決めする。すなわち、ランプ凸部21aがランプ係止部51cに当接した状態で、ランプホルダ32を外装部材34へ螺合する。
このことにより、螺合の初期の段階で照明ランプ21がランプ当接部50aに当接し、その後、照明ランプ21の基端電極部が、ランプ固定爪部51bの深部に移動して、腕部55bを弾性変形させ、螺合を完了すると図4に示す装着状態になる。
なお、前記ランプ当接部50aは、照明ランプ21からの出射光を、最も効率よく内視鏡のライトガイドファイバ入射端に集光する位置に照明ランプ21を位置決めする機能を有している。
また、このとき、ホルダ本体51は、外装部材34に一体的に固定され、変圧回路39の出力につながる導電接点板40cが図4に示すようにランプ接点バネ55のリング形状部55aに弾性的に接触する。
さらに、前記照明ランプ21装填状態のランプ室36内部は、水密リング56によって水密状態になる。
続いて、内視鏡2のライトガイド口金11に前記バッテリ式光源4の接続部12を接続する。これにより、前記接続部12と一体化したランプ収納筒50までが前記ライトガイド口金11に対して一体的に固定される。
図5の一点鎖線に示す位置においては、ランプ点灯スイッチがOFF位置である。この状態においては、図11(b)に示すように導電接点板40aが絶縁ブロック52に乗り上げて、導電接点板40a、40bどうしが切り離された状態になって、変圧回路39は起動しない。つまり、照明ランプ21は点灯しない。また、このランプ消灯状態では残量検出回路25への電源供給も行われないので、残量表示部38における残量表示も行われない。
加えて、同じくOFF状態における接続口金27の回転規制部27aは、図11(a)に示すように回転止め34eの中間位置にある。このとき、クリック板58は、その溝部58bが突起部34dに係合する位置にある。即ち、クリック機構部によって保持された状態であり、その保持状態にスイッチOFFの機能を割り付けている。
次に、光源本体30を操作部6に対して回動させて、図5で示す実線位置又は破線位置にする。なお、残量表示部38が接眼部7側に向く回転方向を正方向とする。このとき、ランプ収納筒50を軸にして回動する外装部材34の回動範囲は、図12(a)に示すように回転規制部27aに当接する回転止め34eにより決められる。本実施形態においてはOFF位置から略90°の回動角に設定してある。
このOFF位置からの回動操作においては、前記クリック板58の溝部58bに位置する突起部34dを、スプリング59の弾性力に抗して溝部58bから乗り上げるように操作しなければならない。そのため、OFF位置からの最初の動作時には強めの回動力量が必要になる。しかし、前記突起部34dが溝部58bから乗り上がれば、動作初期時よりも軽い安定した一定力量で回動操作を行える。
また、このクリック固定の際の力量は、クリック板58を押圧するスプリング59の力量を変更したり、溝部58bと突起部34dとの係合形状を変更することによって適宜調節可能である。
さらに、クリック板58と摺動する突起部34dが摩耗しないように、このクリック板58の表面に滑り性を向上させるコーティングを施すようにしてもよい。
図12(b)に示すように正方向のON状態においては、前記導電接点板40aは絶縁ブロック52から降りた状態になって、前記導電接点板40bに接する。この状態では、乾電池33からの電力が変圧回路39に供給されて、照明ランプ21の定格電圧に昇圧された電力が供給される。すなわち、変圧回路39、導電接点板40c、ランプ接点バネ55、照明ランプ21、ランプ収納筒50、導電接点板40b、変圧回路39からなる閉回路が構成されて前記照明ランプ21が点灯する。
また、前記照明ランプ21の点灯と同時に、残量検出回路25が起動して乾電池33の出力電圧値などをモニタリングし、その電圧値から電池残量を換算して随時、残量表示部38に表示する。
前記照明ランプ21から出射された照明光は、集光レンズ22により集光され、内視鏡2のライトガイド口金11に配置されたライトガイドファイバに効率よく入射される。そして、このライトガイドファイバに入射した照明光は、その先端側に伝送され、照明窓20から前方側に出射されて、挿入部5が挿入された体腔内の患部等の被写体を照明する。
一方、この照明光で照明された被写体の光学像は、対物レンズ23によりイメージガイドファイバの先端面に結像して、その基端側に伝送され、接眼部7を覗くことにより観察されて、患部等の内視鏡診断などを行うことができる。
このとき、前記照明ランプ21が点灯中に発生する熱は、ランプ収納筒50に伝わり、さらに接続部12から内視鏡2のライトガイド口金11へ伝わる。そして、ライトガイド口金11から操作部6内部の金属部品へ熱が拡散していく。
なお、集光効率をさらに向上させるため、前記照明ランプ21のガラス球自体に、レンズ状の厚さを持たせ、照明ランプ21から出射される光をよりスポット光線に近いものにしてもよい。
このように、本実施形態においては発熱源である照明ランプ21を導電金属部材であるランプ収納筒50に収納したことによって、照明ランプ21で発生する余分な熱を積極的にランプ収納筒50を介して内視鏡本体内部に拡散することができる。
また、ランプ収納筒50と外装部材34との間に空気の層を設けて、熱が直接外装部材34に伝わらない構成になっている。
さらに、たとえ長時間の使用によって、ランプ室36周辺の外装部材34に熱が伝導されることがあっても、凹凸部67から効率良く大気中に熱が放出される。
また、照明ランプ21を装着するランプホルダ32は、ホルダ本体51を熱を伝えにくい樹脂部材により形成しているので、溝部51dが面している外観表面が高温になることはない。このことによって、術者の手に触れるランプ室36周辺の外装部材34表面が、使用を妨げるほどの高温状態になることが防止される。
このように、内部に熱がこもることがないので、内部に配置される電気回路等に熱による悪影響が及ぶことを防止することができる。
また、接続環24のネジカバー24bを熱伝導率の低いゴム素材で形成しているので、術者の手に熱が伝わることを防止することができる。
観察終了後、光源本体30をOFF位置に回動させると、クリック機構によってOFF位置に位置決め固定されるとともに、導電接点板40aが絶縁ブロック52に乗り上げて照明ランプ21及び残量表示部38が同時に消灯状態になる。
なお、前述したON/OFF回動操作時、前記ランプホルダ32は外装部材34と一体的に回動するが、照明ランプ21は前記ランプホルダ32との係合よりランプ収納筒50との摺動抵抗が大きいため回動しない。
また、このとき、照明ランプ21からランプホルダ32に伝わる回転力が微小である。このため、ON操作、OFF操作を繰り返し行っても、ランプホルダ32の外装部材34に対する螺合状態に緩みが生じることはない。
さらに、ライトガイド口金11と接続口金27とを固定している接続環24は、ネジカバー24bを弾性的に操作部6の口金台座6cに密着させた状態で雄ネジ部11aに螺合している。このため、上述したON/OFF操作を繰り返し行っても、この螺合状態に緩みが生じることはない。
一方、光源本体30を内視鏡2に対して例えば上述とは逆方向に回動させて、図5の破線に示す位置に配置して、第2のランプON状態に設定することもできる。
このとき、ランプ収納筒50を軸にして回動する外装部材34の回動範囲は、回転規制部27aとこれに当接する回転止め34eにより決められており、OFFスイッチ位置から略90°の回転角に設定してある。
したがって、内視鏡2の操作部6に対する光源本体30の回動角度は、OFFスイッチ位置を中心にした場合、正、逆方向にそれぞれ90°、すなわち、合計180°が全回動角度になっている。
また、逆方向に回動させたときの導電接点板40a、40bの接触状態は、前記図13(b)に示す通りである。この逆方向のスイッチ操作機構については、前述した正方向のスイッチ操作機構と回転方向が異なるだけで、同じ構成であるため説明は省略する。
なお、前述した全回動角度及びクリック固定されるOFFスイッチ位置は、段付き部34cにより形成される角度及びクリック板58の溝部58bの位置を変えることによって、適宜調節可能である。
また、前記段付き部34c及び溝部58bの数や配置位置を変更することによって、全回動角度範囲内に複数のクリック固定位置を設定することもできる。そして、このクリック固定位置に所定の機能を果たす複数のスイッチ機能を割り付けるようにしてもよい。
上述したように2箇所のONスイッチ位置及びOFFスイッチ位置を備えたバッテリ式光源4は、図17及び図18に示すような2通りの把持、操作方法が可能である。
図19(a)に示すように横になっている患者に使用する場合、図19(c)に示すように操作部6を手のひらで握り、親指で湾曲操作レバー14を操作することが一般的に行われていた。このため、図17に示すように正方向に光源本体30を回動させ、図5の実線に示す状態にして照明ランプ21をON状態にする。このことにより、挿入部5を水平面より下方に向けた状態で操作、観察する場合にもっとも自然な状態で把持することができる。
これに対して、図19(b)に示すように対面した患者に使用する場合、挿入部5を略水平状態にして操作、観察しなければならない。このとき、前記図19(c)に示した把持方法では、挿入部5を水平方向にした状態で湾曲操作レバー14を親指で操作する動作が非常に不自然で行い難い。
このときには前記光源本体30を逆方向に回動させて、図5の破線に示す位置に移動させてON状態にするとともに、前記湾曲操作レバー14が上方になるように操作部6を反転させ、この状態で内視鏡2を図18に示すように把持する。すなわち、手のひらでバッテリ式光源4を包み込むように把持して、人差し指で湾曲操作レバー14を操作する。この把持方法では光源本体30を手のひらでしっかりと把持して、人差し指の自然な動作で湾曲操作レバー14を操作することができるので、操作性が非常に向上する。
なお、前記OFFスイッチ位置は、バッテリ光源4を内視鏡2に取り付けた状態で保管場所に収納し易いように、光源本体30が操作部6に対して平行状態になる位置としている。
このように、内視鏡の操作部に対する内視鏡用バッテリ光源の配置位置を、規制位置の他に全回動範囲の中途部に設け、それぞれの配置位置に所望のスイッチ機能を割り付け、各スイッチ位置で位置決め、保持される構成にしたことによって、内視鏡の操作性及び使い勝手を大幅に向上させることができる。
このことにより、内視鏡の操作部に接続された内視鏡用バッテリ光源の相対位置を変えてスイッチ操作を行うようにした内視鏡装置では、相対位置変化範囲内に複数のスイッチ位置を割り付けられ、かつそのスイッチ位置でクリック機構が働くようにしたことにより、複数のスイッチの切り換えを迅速かつ確実容易に行える。加えて、内視鏡の操作部に対する内視鏡用バッテリ光源の相対位置を使用状況を考慮して、最適な位置に所望の機能のスイッチ位置を選択的に配置して、さらに操作性及び使い勝手を大幅に向上させた内視鏡装置となる。
特に、本実施形態においては、内視鏡2の挿入部5を下方に向けて把持し、親指で湾曲操作レバー14を操作する把持方法と、内視鏡2の挿入部5を水平方向に向けて把持した状態で、人差し指で湾曲操作レバー14を操作する把持方法の2通りに適したポジションにスイッチON位置を割り付けたので、術者は、状況に応じて相対位置を変化させることにより、最適な使い勝手を得られる。
また、内視鏡用バッテリ光源が接眼部と平行になる位置をスイッチOFF位置に設定するとともに、このスイッチ位置でもクリック機構が働くようにしたので、使用後、内視鏡の操作部内視鏡用バッテリ光源を接続した状態での収納や保管を容易に行うことができる。
さらに、電池室に乾電池を収納して蓋体で密閉した状態では、電池室の内部にあるコイルバネと蓋体に設けた導電パネルの両接点部材とによって乾電池の両極が弾性的に挟んだ状態で保持して電気的な導通状態を図っているので、バッテリ光源に外部から強い衝撃が加わって内部の乾電池が慣性によって動くような場合でも、弾性力によって乾電池との電気的接触状態を確実に保持することができる。
このことによって、たとえ照明ランプ21点灯時に、光源本体30に外部からの衝撃が加わって電池室63内部の乾電池33が動くような場合でも、電池33の電極と電池接点間との接触不良が発生することがないので、瞬間的な接触不良による電源の電圧降下を保護回路がショートと誤認識して、照明ランプをOFF状態にする保護回路の誤動作が防止される。
なお、本実施形態では、コイルバネ44と導電パネル47の2つのバネである弾性腕部によって保護回路の誤動作防止を行っているが、図2に示すようにランプ室36の上部に衝撃吸収部材68を設けることで、外部衝撃が加わってもコイルバネ44を押しつぶす方向の慣性力の発生を和らげることができる。このため、前記導電パネル47は不要になる。
又、蓋体に設けた導電板と、導電パネル及び蓋体の凸部との組合せにより、乾電池の装填方向を誤った場合に電気的な接続が行われない構成であるので、乾電池の装填方向を誤って、回路に逆電流が流れることを確実に防止して、乾電池の誤装填による故障を防止することができる。
また、内視鏡用バッテリ光源を内視鏡の操作部に接続、固定する接続環のネジ本体を金属部材とし、その外周をゴム素材のネジカバーで覆うとともに、その端部の突出した部分を、螺合に伴い内視鏡の操作部に弾性的に当てつける構成したことによって、使用中、接続環が緩むことを確実に防止することができる。
このことによって、接続状態が不確実になることによって、照明ランプ21からライトガイド入射部への集光効率が低下することがなくなり、観察光が暗くなることが防止される。加えて、照明ランプ21の熱による接続環24外表面の温度上昇が防止される。
なお、本発明は、以上述べた実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
[付記]
以上詳述したような本発明の上記実施形態によれば、以下の如き構成を得ることができる。
(1)内視鏡操作部との相対位置を変化させて、照明ランプを点灯状態又は消灯状態に切り換える内視鏡用バッテリ光源において、
前記照明ランプを点灯させる電力を供給するバッテリを内蔵した光源本体と、
この光源本体と前記内視鏡操作部との相対位置が変化する変化範囲に設けた複数のスイッチ位置と、
前記光源本体の前記内視鏡操作部に対する相対位置を所定状態に保持し、その保持状態で前記照明ランプを所定状態に切り換え動作させる少なくとも1つのスイッチ位置に設けたクリック機構部と、
を具備する内視鏡用バッテリ光源。
(2)前記光源本体を前記内視鏡操作部に対して回動させて相対位置の変化を行う付記1に記載の内視鏡用バッテリ光源。
(3)前記クリック機構部に保持された光源本体と内視鏡操作部との相対位置関係は、前記内視鏡操作部の長手軸の方向と前記光源本体の長手軸の方向とが略平行な位置関係である付記1に記載の内視鏡用バッテリ光源。
(4)前記クリック機構部に保持された前記光源本体の長手軸方向と前記内視鏡操作部の長手軸方向とが略平行になるときのスイッチ位置は、前記照明ランプを消灯状態にする付記3に記載の内視鏡用バッテリ光源。
(5)前記内視鏡操作部の長手軸方向と前記光源本体の長手軸方向とが略直交する相反する対称な位置を、前記照明ランプを点灯状態にするスイッチ位置にした付記3に記載の内視鏡用バッテリ光源。
(6) 内視鏡操作部と内視鏡用バッテリ光源との相対位置を変化させて、照明ランプを点灯状態又は消灯状態に切り換える内視鏡装置において、
内視鏡は検査部位を照明する照明光を導光するライトガイドと、操作部と、前記操作部に配置した照明光入射端面とを有し、前記バッテリ光源が内視鏡操作部の照明光入射端面近傍に接続されるとき、
前記バッテリ式光源は、
前記照明光入射端面に対向して配置されて前記照明光を発光する照明ランプと、
前記照明ランプを点灯させる電力を供給するバッテリと、
前記バッテリを収容する光源本体と、
前記内視鏡操作部に対する前記光源本体の相対位置を所定の範囲だけ移動させることによって前記照明ランプを点灯状態又は消灯状態に切り換えるスイッチ位置と、
前記内視鏡操作部に対する前記光源本体の相対位置を前記所定の範囲だけ移動したスイッチ位置に設けられて、前記光源本体をクリック固定するクリック機構部と、
を具備する内視鏡装置。
(7)前記内視鏡用バッテリ光源は、前記内視鏡操作部に対して着脱可能である付記6に記載の内視鏡装置。
(8)前記光源本体は、前記内視鏡操作部の長手軸に直交する直線を中心軸にし、この操作部の長手軸に対して所定の角度の範囲で回動し、
前記光源本体の長手軸を前記操作部の長手軸に対して相対的に所定角度回動させた位置を前記スイッチ位置とし、このスイッチ位置に前記光源本体を配置させると、前記照明ランプは点灯状態又は消灯状態になる付記6に記載の内視鏡装置。
(9)前記クリック機構部に前記光源本体をクリック固定したとき、前記操作部の長手軸と前記光源本体の長手軸とが略平行な位置関係になる付記6に記載の内視鏡装置。
(10)前記クリック機構部にクリック固定された前記光源本体の長手軸と前記内視鏡操作部の長手軸とが略平行な位置関係のとき、前記照明ランプが消灯状態になるスイッチ位置である付記9に記載の内視鏡装置。
(11)前記光源本体の長手軸が前記操作部の長手軸に対して互いに対称になる位置は、前記照明ランプを点灯状態にするスイッチ位置である付記9に記載の内視鏡装置。
(12)内視鏡操作部と内視鏡用バッテリ光源との相対位置を変化させて、照明ランプを点灯状態又は消灯状態に切り換える内視鏡装置において、
内視鏡は検査部位を照明する照明光を導光するライトガイドと、操作部と、前記操作部に配置した照明光入射端面とを有し、前記バッテリ式光源は前記内視鏡操作部の前記照明光入射端面近傍に着脱可能に接続されるとき、
前記バッテリ式光源は、
前記照明光入射端面に対向して配置されて照明光を発光する照明ランプと、
前記照明ランプを収容するランプ収容ユニットと、
前記照明ランプを点灯させる電力を供給するバッテリと、
前記ランプ収容ユニットの長手軸を中心軸にして、このランプ収容ユニットに対して回動可能に構成された前記バッテリを収容する光源本体と、
前記光源本体が回動する範囲に少なくとも3つ設けられ、前記照明ランプを点灯状態又は消灯状態に切り換えるスイッチ位置と、
前記光源本体を前記ランプ収容ユニットにクリック固定する、回動範囲内の所定回動位置のスイッチ位置に設けたクリック機構部と、
を具備する内視鏡装置。
(13)前記クリック機構部によって前記光源本体をクリック固定したとき、前記内視鏡操作部の長手軸と前記光源本体の長手軸とが略平行になる付記12に記載の内視鏡装置。
(14)少なくとも2つのスイッチ位置は前記回動範囲端部であり、これらのスイッチ位置は前記クリック機構部を設けたスイッチ位置に配置された前記光源本体の長手軸に対して、互いに対象な位置である付記13に記載の内視鏡装置。
(15)前記回動範囲端部に設けた2つのスイッチ位置は、前記照明ランプを点灯状態にする付記14に記載の内視鏡装置。