JP4373663B2 - 内視鏡の光源用電源 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、照明用光源の電源となるバッテリが操作部に配置された内視鏡の光源用電源に関する。
【0002】
【従来の技術】
患者を病室等から移動させずに内視鏡検査を行うためのいわゆるベッドサイド内視鏡のようなポータブル型の内視鏡においては、照明用光源の電源となるバッテリが操作部に配置されている。
【0003】
しかし、そのような内視鏡の光源用電源は、内視鏡検査中にバッテリの起電力が不足する状態になるとバッテリを交換しなければならず、その度に照明が真っ暗になって内視鏡観察が中断するので、バッテリ交換後に照明を点け直して観察を途中からやり直さなければならない。
【0004】
そこで従来は、複数種類の電源を接続できるようにして、バッテリの起電力が低下した時には、その環境に応じて複数種類の電源の中から適切な電源を選択して使用できるようにしていた(例えば、特許文献1)。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−224906号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述のように複数種類の電源の中からバッテリに代わる電源を選択して使用できるようにしても、内視鏡観察中にバッテリの起電力が低下した時は、バッテリに代えて他の電源につなぎ変える際に照明が真っ暗になってしまうので、照明を点け直して観察を途中からやり直さなければならないことに変わりがない。
【0007】
そこで本発明は、照明用光源を長時間点灯し続けても、内視鏡観察を中断することなく適切なタイミングで燃料を補充してバッテリの起電力不足を回避することができ、しかも特別な付加設備を要しない内視鏡の光源用電源を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の内視鏡の光源用電源は、内視鏡の挿入部の基端に連結された操作部に、照明用光源の電源となるバッテリが配置された内視鏡の光源用電源において、バッテリが、水素ガスを生成するための原料となる燃料を貯蔵及び補充可能な燃料貯蔵部と、燃料貯蔵部から流入した燃料によって発電をする発電部とを有し、燃料貯蔵部には、内部に貯蔵されている燃料の残量を外部から目視するための残量目視部が形成されているものである。
【0009】
なお、残量目視部として燃料貯蔵部の外壁の少なくとも一部が透明な部材により形成されていて、その透明壁を通して燃料の残量を外部から目視することができるようにしてもよい。
【0010】
そして、燃料貯蔵部に外部から燃料を補給するための燃料補給口が設けられていて、その燃料補給口から燃料貯蔵部内に燃料を補充することができるようにしてもよい。
【0011】
或いは、燃料貯蔵部が発電部に対して着脱自在なカートリッジにより形成されていて、そのカートリッジを交換することにより燃料が補充された状態になるようにしてもよく、その場合、燃料貯蔵部が複数設けられていて、そのうちの少なくとも一つが発電部に対して着脱自在であってもよい。
【0012】
また、照明用光源が操作部に配置されていて、その照明用光源から放射された照明光を伝達するためのライトガイドが挿入部内に挿通配置されていてもよく、或いは、照明用光源が挿入部の先端に配置されていて、その照明用光源とバッテリとを電気的に接続するための導電体が挿入部内に挿通配置されていてもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
図面を参照して本発明の実施例を説明する。
図2はポータブル型内視鏡の全体構成を略示しており、可撓性の挿入部1の基端に操作部2が連結され、挿入部1の先端には観察窓3と照明窓4が並んで配置されている。
【0014】
そして、観察窓3の奥には対物光学系5が配置されていて、その対物光学系5による被写体の投影位置にイメージガイドファイババンドル6の入射端面が配置されている。
【0015】
イメージガイドファイババンドル6は挿入部1内の全長にわたって挿通配置されていて、操作部2の上端に突設された接眼部7においてイメージガイドファイババンドル6の射出端面を拡大して観察することができるようになっている。
【0016】
挿入部1内にイメージガイドファイババンドル6と並んで挿通配置されたライトガイドファイババンドル8は、射出端面が照明窓4の裏側に配置され、入射端面8aは操作部2に配置されている。
【0017】
そして、そのライトガイドファイババンドル8の入射端面8aに対向して発光ダイオード又は豆ランプ等からなる照明用光源9が配置され、その照明用光源9の電源であるバッテリ10が操作部2に直接取り付けられている。
【0018】
図1は、バッテリ10とその周辺部分を示しており、水素ガスを生成するための原料となるエタノール又はメタノールのようなアルコールからなる燃料を貯蔵する燃料貯蔵部20と、燃料貯蔵部20から流入した燃料によって発電をする発電部30とが、操作部2の本体カバーに対して着脱自在に螺合連結されたプラスチック製のキャップ状のハウジング11内に収納されている。ただし、ハウジング11を操作部2に固定してしまっても差し支えない。
【0019】
燃料貯蔵部20は、発電部30の負極部31とハウジング11の内壁面との間の空間により形成されており、燃料貯蔵部20内に連通して外面に開口する燃料補給口21がハウジング11に形成されている。
【0020】
燃料補給口21の口元開口部には、ゴム製のOリング21aが配置されると共に、そのOリング21aを押圧して潰した状態にする手動ナット21bが螺合しており、通常は手動ナット21bを締め付けてOリング21aを押し潰した状態にしておくことで燃料補給口21が閉塞されている。
【0021】
また、ハウジング11のうち燃料貯蔵部20の外壁になっている部分の全部又は一部が、透明な部材により透明壁23(残量目視部)に形成されていて、燃料貯蔵部20内に残っている燃料の残量を外部から透明壁23を通して目視することができる。
【0022】
発電部30は、燃料貯蔵部20から流入する燃料から水素イオンと電子を取り出す負極部31と、負極部31で取り出された水素イオンを正極部33に送る電解質部32と、電解質部32から送られた水素イオンと空気中の酸素と電子とを結び付けて水を生成する正極部33とが順に配置された構成になっており、ハウジング11の正極部33に面する部分の壁面に形成された空気取り入れ口34には、空気や水蒸気は通すが水は通さない多孔質膜が装着されている。
【0023】
負極部31から絶縁壁35を貫通して操作部2内側に導かれた負極側導電線36Aは照明用光源9の電極に直接接続され、正極部33から絶縁壁35を貫通して操作部2内側に導かれた正極側導電線36Bは、照明用光源9の電極に対して手動スイッチ37によって接/断自在になっている。
【0024】
手動スイッチ37は、どのような構成をとってもよいが、この実施例においては、正極部33に接続された正極側導電線36Bと照明用光源9の電極との間を電気的に接/断するように矢印S方向にスライド自在な導電片37aが、ハウジング11外に突出配置されたスライド操作片37bに一体に連結されて、スライド操作片37bをシール用のゴムカバー37cで被覆した構成になっている。
【0025】
このような構成により、手動スイッチ37をオン状態にすれば発電部30における電気化学反応によって発電された電気により照明用光源9が点灯して、内視鏡の観察対象である被写体を照明するための照明光がライトガイドファイババンドル8に供給され、手動スイッチ37をオフ状態にすれば照明用光源9が消灯する。
【0026】
そして、透明壁23を通して目視することができる燃料貯蔵部20内の燃料の残量が少なくなってきたら、バッテリ10の起電力が照明用光源9を発光させるのに不足する状態になってしまう前に、燃料貯蔵部20内に燃料補給を行う。
【0027】
それによって、照明用光源9を消灯することなく、従って内視鏡観察を中断することなく、適切なタイミングで燃料貯蔵部20に燃料を補給して、照明用光源9の点灯時間を連続的に延長させることができる。
【0028】
図3は、本発明の第2の実施例のバッテリ10を示しており、燃料貯蔵部20が、肉厚の薄い透明なプラスチック製のカートリッジケース内に燃料が封入されて、発電部30に対して着脱自在に構成されている。
【0029】
具体的には、負極部31から外方に突出形成された中空針状の燃料導入管38を燃料貯蔵部20に突き刺すことにより、燃料貯蔵部20内が負極部31と連通すると同時に、二点鎖線で示されるように燃料貯蔵部20がハウジング11の外面部分に保持された状態になる。22は、燃料貯蔵部20から側方に突出する摘み部である。その他の部分は、前述の第1の実施例と同様の構成である。
【0030】
このように構成された第2の実施例においては、透明なカートリッジケースを通して目視することができる燃料貯蔵部20内の燃料の残量が少なくなってきたら、バッテリ10の起電力が照明用光源9を発光させるのに不足する状態になってしまう前に、素早く燃料貯蔵部20を取り外して新しい燃料貯蔵部20を取り付け、照明用光源9を消灯することなく照明用光源9の点灯時間を延長させることができる。
【0031】
図4は、本発明の第3の実施例のバッテリ10を示しており、第2の実施例の燃料貯蔵部20を複数設けたものである。このように構成することによって、一つの燃料貯蔵部20内の燃料が完全になくなってからでも、照明用光源9を消灯することなくその燃料貯蔵部20を交換して照明用光源9の点灯時間を延長させることができる。
【0032】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、例えば図5に示される第4の実施例のように、照明用光源9を挿入部1の先端に配置して、バッテリ10と照明用光源9との間を導電線36で電気的に接続することにより、ライトガイドファイババンドルを省くこともできる。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、燃料貯蔵部に、その内部に貯蔵されている燃料の残量を外部から目視するための残量目視部を形成したことにより、燃料の残量が乏しくなったことを目視で簡単に確認することができるので、照明用光源を長時間点灯し続けた時でも、内視鏡観察を中断することなく適切なタイミングで燃料を補充してバッテリの起電力不足を回避することができ、しかも特別な付加設備を要しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例のバッテリの側面断面図である。
【図2】本発明の第1の実施例の内視鏡の全体構成を示す略示図である。
【図3】本発明の第2の実施例のバッテリの側面断面図である。
【図4】本発明の第3の実施例のバッテリの正面図である。
【図5】本発明の第4の実施例の内視鏡の全体構成を示す略示図である。
【符号の説明】
1 挿入部
2 操作部
8 ライトガイドファイババンドル
9 照明用光源
10 バッテリ
11 ハウジング
20 燃料貯蔵部
23 透明壁(残量目視部)
30 発電部
Claims (3)
- 内視鏡の挿入部の基端に連結された操作部に、照明用光源の電源となるバッテリが配置された内視鏡の光源用電源において、
上記バッテリが、水素ガスを生成するための原料となる燃料を貯蔵及び補充可能な燃料貯蔵部と、上記燃料貯蔵部から流入した燃料によって発電をする発電部とを有し、
上記燃料貯蔵部には、内部に貯蔵されている燃料の残量を外部から目視するための残量目視部が形成されていて、上記残量目視部として上記燃料貯蔵部の外壁の少なくとも一部が透明な部材により形成され、その透明壁を通して上記燃料の残量を外部から目視することができると共に、
上記発電部のハウジングの下面に沿って上記燃料貯蔵部が複数並列に並んで配置されて、上記各燃料貯蔵部が個別に上記発電部に対し着脱自在に設けられ、上記発電部において発電が行われている間に上記複数の燃料貯蔵部のうちの任意の一つを交換することができるようにしたことを特徴とする内視鏡の光源用電源。 - 上記照明用光源が上記操作部に配置されていて、その照明用光源から放射された照明光を伝達するためのライトガイドが上記挿入部内に挿通配置されている請求項1記載の内視鏡の光源用電源。
- 上記照明用光源が上記挿入部の先端に配置されていて、その照明用光源と上記バッテリとを電気的に接続するための導電体が上記挿入部内に挿通配置されている請求項1又は2記載の内視鏡の光源用電源。
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