JP4338214B2 - エリトロポエチンの肺投与 - Google Patents

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Description

発明の分野
本発明は、治療用タンパク質を哺乳動物に肺投与すること、特に治療上有効量のエリトロポエチン(EPO)を呼吸系を介して全身投与することに係わる。
発明の背景
全ての哺乳動物は、白血球(好中球、マクロファージ及び好塩基球/肥満細胞)、血餅形成細胞(巨核球、血小板)及び赤血球(erythrocyte)を含む、健康な動物に見られる多様な血液細胞系を補充する造血(血液形成)系を有する。平均的なヒト男性の造血系は顆粒球及び赤血球を年間4.5×1011のオーダーで生成すると推定されており、これは1年間で全体重を置き換えることに相当する〔Dexterら,(1985)BioEssays,vol.:154−158〕。
最近の科学的理解によれば、少量の特定の造血成長因子(hematopoietic growth factors)が、小集団をなす多能性造血幹細胞からの種々の造血細胞系の各々の増殖、分化及び成熟を支配するということがいわれている。これらの種々の成長因子は種々の時点で種々の細胞集団に作用し、最終的に機能性造血系を生じる。
哺乳動物造血系の1つの特有かつ重要な役割は、動物体内の種々の組織に酸素を運搬する赤血球を産生することである。赤血球を産生する過程(赤血球新生)は動物が生きている間ずっと連続的に起こっており、赤血球破壊が補償されている。赤血球の寿命は一般に比較的短く、通常は100〜120日である〔Gray’s Anatomy,Williamsら編,Churchill Livingstone,1989,p.665〕。赤血球新生は厳密に制御された生理的機構であり、組織へ適正に酸素投与し得るには十分であるが、循環を妨害するほど多くはない数の赤血球が産生される。
赤血球新生は、主として酸性糖タンパク質であるポリペプチド エリトロポエチン(EPO)によって制御されていることが知られている。エリトロポエチンは、哺乳動物の染色体中に位置する単一コピー遺伝子が発現することにより産生される。ヒトEPOのDNA配列をコードするDNA分子は単離されており、米国特許第4,703,008号明細書に記載されている。該特許は参照により本明細書に包含されるものとし、以降はこれを「Lin特許」と表記する。更にサル〔Linら,(1986)Gene,vol.44,pp:201−209〕及びマウス〔McDonaldら,(1986)Mol.Cell Biol.,pp:842〕由来のEPOをコードするDNA分子も記載されている。組換えヒトEPO(“rHuEPO”)のアミノ酸配列はヒト尿から得られるEPOの配列と同一である。しかしながら、予想される通り、rHuEPOのグリコシル化は尿EPO及びヒト血清EPOのそれとは異なる。例えばStarringら(1992),J.Endocrin.,vol.134,pp:459−484;Stricklandら(1992),J.Cell.Biochem.,suppl.16D,p.324;Wideら(1990),Br.J.Haematol.,vol.76,121−127参照。
健康な哺乳動物においては、組織は現存する数の循環赤血球によって十分に酸素投与されているので、EPOは血漿中に極めて低濃度でしか存在しない。EPOの存在により新たな赤血球の産生が刺激され、老化の過程で失われたものが置き換えられる。また血液の組織潅流が適正であるにも拘わらず体組織への酸素供給が正常生理レベル以下に低下する低酸素症の状態下でも、EPO産生は刺激される。低酸素症は、出血、放射線で誘発される赤血球破壊、種々の貧血、高高度、または長時間の意識不明によって惹起され得る。これに対して、循環中の赤血球数が正常組織酸素投与に必要な数を超えると、EPO産生は低減する。
しかしながら、ある種の疾患状態には異常な赤血球新生が伴なう。組換えDNA技術が出現するまで、EPOを治療に使用することはできなかった。今日では状況は異なり、組換えヒトEPO(rHuEPO)は多くの国で治療に使用されている。米国では、米国食品医薬品局(FDA)が、終期腎疾患に関連する貧血を治療する際のrHuEPOの使用を認めている。この疾患を治療すべく血液透析を受けている患者は一般に、透析治療の結果として赤血球の破壊及び早発性の死滅によって惹起される重度の貧血に悩まされている。EPOは更に他のタイプの貧血の治療にも有用である。例えば、化学療法誘発の貧血、脊髄形成異常関連の貧血、種々の先天性障害に関連するもの、AIDS関連貧血、及び早産に伴う貧血をEPOを用いて治療し得る。更にEPOは、骨髄移植患者、自己輸血準備中の患者、及び鉄過剰障害を患う患者において正常なヘマトクリットをより迅速に取り戻すことを助けるなど、他の領域でも一役を果たし得る。例えば参照により本明細書に包含されるものとする米国特許第5,013,718号明細書参照。
EPOを治療剤として有効使用するには、安定な医薬上容認可能な製剤として、該タンパク質を少量だが高度に精確な用量で投与する必要がある。現在のEPO製剤の例については、Sobata,J.,Erythropoietin in Clinical Applications,Garnick,M.,編,Marcel Dekker,Inc.,N.Y.(1990)参照。現在の終期腎疾患治療では、1週間に3回、透析後12時間以内にEPOを静脈投与する必要がある。或いはEPOは、かかる患者に静脈内、筋肉内、皮内または皮下注射によって投与してもよい。
本発明は、EPOを患者の肺に直接投与する(以降は「肺投与」と記す)ことにより、該タンパク質を治療上有効に送達し得るという予想外の知見に基づいている。このように肺に送達されたEPOは、全身に分配されるよう患者の血流中に吸収される。この新規のEPO投与経路により、注射を必要とせずに特定の医薬用量を患者に迅速に送達し得るようになる。更に肺投与では、患者が自己投与するのがずっと容易になる。
低分子量薬剤からなる医薬組成物の肺投与はこれまでにも幾つか成功が見られており、最も顕著には喘息を治療するためのβ−アンドロゲンアンタゴニストの領域で成功している。コルチコステロイド及びクロモリンナトリウム(cromolyn sodium)を含む他の低分子量の非タンパク質性化合物も肺吸収によって全身投与されている。しかしながら、全ての低分子量薬剤が肺を通して効果的に投与され得るわけではない。例えば、全身作用のためのアミノグリコシド抗生物質、抗ウイルス剤及び抗癌剤の肺投与はうまく行くこともあるし行かないこともある。薬剤が肺胞上皮を通過できないために血流への送達が欠如する場合もあるし、薬剤が刺激性であり、気管支を収縮させる場合もある。即ち、低分子量物質であったとしても、かかる化合物の肺送達が有効な投与手段であるとは全く予測し得ない。概略はPeptide and Protein Drug Delivery,V.Lee編,Marcel Dekker,N.Y.,1990,pp1−11参照。
タンパク質のようなより高分子量の医薬に関しては、かかる分子の肺送達が知られていないわけではないが、数例しか定量的に立証されていない。酢酸ロイプロリド(leuprolide acetate)は、経口利用可能性の低い、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)アゴニスト活性を有するノナペプチドである。動物実験では、酢酸ロイプロリドのエーロゾル製剤を吸入すると有意なレベルの血液中濃度が得られることが示されている。Adjeiら,Pharmaceutical Research,Vol.,No.6,pp.565−569(1990)及びAdjeiら,International Journal of Pharmaceutics,Vol.63,pp.135−144(1990)参照。
これに対して、内皮細胞によって生成される21アミノ酸の血管収縮性ペプチドであるエンドテリン−1(ET−1)は、モルモットにエーロゾルによって投与した場合には、肺膨張圧力を上昇するが、動脈血圧には有意な作用を及ぼさないことが判った。しかしながら、静脈投与した場合には動脈血圧に大きな持続的な上昇が認められた。Braquetら,Journal of Cardiovascular Pharmacology,Vol.13,suppl.5,s.143−146(1989)参照。
ヒト血漿α1−抗トリプシンをエーロゾル投与によって肺系に送達し、薬剤の一部を全身循環に到達させ得る可能性が、Hubbardら,Annals of Internal Medicine,Vol.III,No.3,pp.206−212(1989)によって報告されている。
α1−プロテイナーゼインヒビターをイヌ及びヒツジに肺投与すると、該物質の一部が血流中に到達することが判った。Smithら,J.Clin.Invest.,vol.84,pp.1145−1154(1989)参照。同様に、ヒツジ及びヒトにおいて、エーロゾル化したα1−抗トリプシンは肺上皮を通して拡散し、全身循環中に進入した。Hubbardら,(1989)Ann.Intern.Med.,vol.111,pp.206−212参照。しかしながら、ヒトを含む動物において静脈投与した場合には気管支拡張を惹起する分子量3,450ダルトン(D)の小ポリペプチドであるバソアクティブ・インテスティナル・ペプチドは、吸入により投与した場合には有効性にかける。Barrowcliffeら,Thorax,vol.41/2,pp.88−93(1986)参照。
試験動物による実験では、組換えヒト成長ホルモンは、エーロゾルにより送達した場合に肺から迅速に吸収され、皮下注射で見られるものに匹敵するほど急速な成長を生み出すことが判った。Osweinら,“Aerosolization of Proteins”,Proceedings of Symposium on Respiratory Drug Delivery II,Keystone,Colorado,1990年3月参照。サイトカインγ−インターフェロン(IFN−γ)及び腫瘍壊死因子α(TNF−α)の組換え体は、肺にエーロゾル投与した後に血流中に認められた。Debsら,The Journal of Immunology,Vol.140,pp.3482−3488(1988)参照。同様に、Pittらは最近、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)を哺乳動物に肺送達し得る可能性を示している。本出願人らの共有に係る1991年3月15日出願米国特許出願第07/669,792号明細書参照。
これらの肺経路によるタンパク質送達例に拘わらず、特定のポリペプチドをかかる方法で全身作用のために送達し得るかどうかは予測不可能である。ポリペプチド自体、送達装置、及び特に肺に固有の種々の要因、またはこれら要因の組合せが、肺投与の成功に影響を及ぼし得る。
肺に関しては、その複雑さが肺投与に対して幾つかの障害を与えている。まず、鼻腔または口腔を通過した後、吸引された空気(及びそれに含まれる全ての粒子)は気管から肺胞までの間にある多数の二叉気管支からなる呼吸樹状構造中に移動する。気管支、細気管支及び終末細気管支は導管ゾーンを含む。かかる導管気道の上皮は偽層化されており、大部分は繊毛をもつ。より遠位レベルにある分岐は、呼吸細気管支、肺胞管及び肺胞からなる遷移ゾーン及び呼吸ゾーンを形成しており、ここで気体交換と肺吸収が行われる。呼吸ゾーンは導管ゾーンとは対照的に繊毛はなく、単一細胞層からなる。
正常のヒト男性では、肺は3×108個の肺胞を含み、総表面積は約140m2であると推算されている。肺胞は、雰囲気と血液との間の気体交換に対して、肺の完全性を損なうことなく可能な限り最小の障壁を与える薄い壁をもつ袋状構造体である。これに対応し、肺胞に隣接する毛細血管床は125m2の表面積を肺胞と共有すると推算されている〔Gray’s Anatomy,前出〕。各肺胞は、遠位体組織から来る酸素欠乏血液を運ぶ多数の血液の流れる毛細血管と緊密な関係にある。
この空気−血液障壁は、肺胞上皮と、毛細血管内皮と、これら2つの細胞層を分離するリンパ液で満たされた介在スペースとからなる。ヒトの空気−血液障壁の平均の厚さは2.2μmであり〔Gehrら(1978),Resp.Physiol.,vol.32,pp.121−140〕、肺胞上皮自体は0.05μmほどの薄いものである。肺胞上皮においては隣り合う細胞は一部重なり合い、すき間のない非漏出性接合部によって結合されており、これが、毛細血管内皮を構成する非漏出性の単一細胞層と一緒になって、血液及び細胞間空間から肺胞腔中への液体、細胞、塩、タンパク質及び多数の他の巨大分子の移動を制限している。タンパク質及びポリペプチドを含むほとんどの分子は、肺の損傷のない状態でこの障壁を通して能動的または受動的に運搬され得る必要がある。
更に肺内では所定の上皮細胞が粘液(mucous)を分泌して肺全体に連続水性ライニングを形成し、酸素の血液中への拡散を促進している。肺胞内で常に表面張力を有するこの湿分層に対して、この表面張力を低下させるために界面活性物質が分泌される必要がある。そうしなければ肺胞は潰れてしまうであろう。哺乳動物においてはほとんどは脂質からなるこの界面活性物質は5つの層からなるように見えるが〔Stratton,C.J.,Cell Tissue Res.,vol.193,pp.219−229(1978)〕、空気−血液障壁を通したタンパク質運搬の強力なインヒビターとなり得る。
肺によって使用される別の防御系は導管ゾーンの繊毛による除去流である。ここでは多数の繊毛をもつ上皮細胞が律動的に一方向に脈動し、導管気道を覆っている粘液ライニングを食道に向かって強制的に動かし、異物を呼吸系から排出し、消化管内に移動させる。こうしてかかる表面に衝突した粒子は、肺に更に浸透する前に効果的に除去され得る。
肺胞腔内及び、肺胞上皮を毛細血管内皮から分離する間質スペース内に存在する他の細胞系は、肺を外来物質、例えばタンパク質含有粒子から保護すると共にそれらを排除するための効果的な機構として作用し得る。肺胞マクロファージは血液から空気−血液障壁を通して移動する。かかるマクロファージは、吸入され肺胞に到達した粒子を食作用により取込み得る。かかる食細胞は、リンパ液の通路に戻るか、または気管樹状構造の根部に移動し、繊毛による除去流によって肺から一掃され得る。更に、好中球及びリンパ球のごとき他の細胞系は血液から肺胞内に移動し、感染に応戦し得る。
上記を鑑み、全身作用を有すると見込まれる特定の治療用タンパク質を肺経路でうまく送達し得るかどうかは予測し得ない。
発明の要約
本発明は、EPOを哺乳動物に肺経路で全身投与し得ること、及びかかる送達が、現在のEPO投与方法と比較したときにそれに匹敵し得るレベルの治療効果をもたらすという新規知見に基づいている。肺投与は、治療上有効量のEPOの流れを吸入中の哺乳動物の呼吸管内に導くことにより行われる。重要な、そして驚くべきことには、これによってかなりの量のEPOが肺内に滞積され、肺から血流中に吸収され、その結果赤血球新生レベルが上昇する。更にこれは、吸収増強剤または、吸収を改善するよう特別に設計されたタンパク質誘導体を使用するなどの特別策に頼る必要なしに行われる。EPOの肺投与は、注射によるEPOの全身送達法に替わる有効な非観血的代替法を与える。
前記に照らし、本発明の目的は、治療上有効量のEPOを哺乳動物、例えばヒトに肺投与する方法を提供することである。本発明の1つの態様においては、本発明方法は吸入の間に治療上有効量のEPOを患者の口腔内に導入することを含む。このような送達は機械装置を使用して行い得る。本発明方法に有用な機械装置の例としては、計量用量吸入器(metered dose inhaler)、粉末吸入器及びネブライザー、特にジェットネブライザー及び超音波ネブライザーが挙げられる。
本発明に有効なEPOは天然資源から得ることができるが、ヒトEPOをコードするDNA分子を用いて安定に形質転換された真核宿主細胞から誘導されるのがより好ましい。特に好ましい実施態様においては、組換えヒトEPOは、ヒトEPOをコードするDNA分子を用いて安定に形質転換されたCHO細胞から誘導される。
本発明の別の態様においては、肺経路で送達されるEPOは、EPOと医薬上容認可能な担体とを含む医薬組成物中のものである。該組成物は、具体的には水性もしくは非水性溶液または特に乾燥粉末がある。乾燥粉末からなる場合、粒子は患者の肺の遠位領域に送達し得るよう小さくあらねばならない。好ましくは粒子は約10μより小さい粒径を有するべきであり、特に好ましい粒径範囲は約0.5〜5μの範囲である。
本発明の更に別の態様は、EPO肺投与後の血液1μl当たりの赤血球の数に係わる。1つの実施態様においては、治療上有効量のEPOを肺投与すると、赤血球レベルは血液1μl当たり約1,000を超えるものとなる。本発明の好ましい実施態様においては、血液1μl当たり約5,000〜6,000の赤血球レベルが得られる。本発明方法に従って治療され得る障害には、慢性貧血及び急性貧血を含む種々の貧血が含まれる。同様に、鉄過剰障害を特徴とする疾患も本発明方法を使用して効果的に治療され得る。
【図面の簡単な説明】
図1は、正常ラットのヘマトクリットに及ぼす皮下投与rHuEPOの作用のグラフを示す。500、1,500及び4,500IU/kgの3種類の用量を試験した。結果は平均ヘマトクリット(%)±標準偏差で表わす。
図2は、3種類のエーロゾル組成物(A、B1及びB2)をそれぞれ投与した場合の正常ラットのヘマトクリットに及ぼすrHuEPOの作用を、皮下投与の作用と比較して示す棒グラフである。結果は平均ヘマトクリット(%)±標準偏差で表わす。
図3は、3種類の組成物の各々において生成されたエーロゾル中で測定されたEPO濃度を示す。組成物A(1,500IU/kg)は
Figure 0004338214
で表わされており、組成物B1(1,500IU/kg)は
Figure 0004338214
で表わされており、
Figure 0004338214
は組成物B2(4,500IU/kg)を表わす。
図4は、肺投与
Figure 0004338214
または皮下投与
Figure 0004338214
で得られたヘマトクリットの増加を示すグラフである。
本発明の多数の態様及び利点は、本発明の実施をその好ましい実施態様において明示する以下の詳細説明を考慮すれば当業者には明らかであろう。
詳細説明
本明細書において使用される“EPO”及び“エリトロポエチン”なる用語は、Lin特許及び/または米国特許第4,667,016号明細書(「Lai特許」、該特許明細書は参照により本明細書に包含されるものとする)に教示のごときrHuEPOのみならず、その生物学的に活性な類縁体をも指す。一般に、本発明の実施に有用なEPOは、哺乳動物から単離された天然形態のもの、或いは、化学合成生成物、またはゲノムもしくはcDNAクローニングまたは遺伝子合成によって得られたエリトロポエチンアミノ酸配列をコードする外来DNA分子の真核宿主細胞発現の産物であり得る。適当な真核宿主としては酵母(例えばS.cerevisiae)及び哺乳動物(例えばチャイニーズハムスター卵巣(CHO)、サル)細胞が挙げられる。使用する宿主によって、EPO発現産物は哺乳動物または他の真核生物性炭水化物でグリコシル化されることもあるし、またはグリコシル化されないこともある。本発明は、上記形態のEPOであればどのようなものでも全て使用することを意図するものであるが、特にCHO誘導された組換えEPOは商業的実用性が最も高いので好ましい。
本発明の実施に有用なEPO類縁体としては、天然誘導体またはrHuEPOと比較して1個以上のアミノ酸の追加、置換及び/または欠失を有するものが挙げられる。追加アミノ酸を含む類縁体の1つの特定の実施態様は、最初のメチオニンアミノ酸残基がアミノ酸位置−1に存在するものである。置換類縁体は、天然誘導体またはrHuEPOと比較してより多くの及び/またはいろいろな炭水化物修飾が可能となる点で特に有効であり得る。
他の有用なEPO類縁体としては、例えば1つ以上のオリゴ糖鎖を追加または欠失させてシアル化(sialation)の程度を変化させるなどの異なるグリコシル化パターンを含むEPO分子を含む、いろいろな炭水化物修飾を有するものが挙げられる。概要にはProtein Glycosylation:Cellular,Biotechnical,and Analytical Aspects(1991),H.S.Conradt編,VCH,N.Y.,N.Y.参照。
更に、他のEPO類縁体を生成することもできる。それらには、タンパク質が別の化学物質、例えばポリエチレングリコール(PEG)と複合している類縁体が含まれる。詳細は、参照により本明細書に包含されるものとする米国特許第4,179,337号明細書参照。他の有用な化学的複合としてはメチル化、アミド化などが挙げられる。更に、別のタンパク質分子と複合しているEPO(またはその生物学的に活性なフラグメント)も「エリトロポエチン」または「rHuEPO」なる用語の範囲に含まれるものとする。例えばかかる複合は化学的リンカー(linker)またはペプチドリンカーによって行い得る。概要にはChemical Reagents for Protein Modification,第2版,(1991)R.L.Lundblad,CRC,Boca Raton,FL,pp.287−304参照。本明細書において使用される「EPO」なる用語は、エリトロポエチンの全部または一部の一次アミノ酸配列が、連続ポリペプチド鎖内において、1つ以上の他のポリペプチドの一部または全部の一次アミノ酸配列と組み合わされているキメラタンパク質分子をも指す。キメラタンパク質分子の生成に関する論議については、参照により本明細書に包含されるものとするChemical Reagents for Protein modification,前出が参照される。複合体形成またはキメラ生成のいずれかによりEPOを結合し得るタンパク質としては、G−CSF、GM−CSF、M−CSF、SCF、P−DGF、インターロイキン群に属するタンパク質、FGF群に属するタンパク質が挙げられる。
患者に全身投与するよう意図された医薬組成物の肺投与には、治療上有効な物質を、該有効成分を含む容器から、該物質を患者の血液に能動的または受動的に移入し得る患者の肺の領域に滞積する必要がある。滞積は、有効成分を含む水性エーロゾルまたは固体粒子からなる製剤を患者の肺中に噴射することにより最も良く行われる。
肺の中央気道内で空気流は急速で且つ乱流をなすが、より遠位の気道において横断面積が増加するにつれ、空気は円滑な層状の流れとなる〔Fennら,(1973)Handbook of Physiology:Respiration,Am.Physiol.Soc.,Washington,D.C.〕。このような円滑な層状の流れならば、被治療者である患者の肺胞内でEPOを含む微粒子は滞積し得る。
遠位肺領域内に粒子を滞積させる上で粒径を考慮することは重要である。Porushらは、肺胞に到達するためには、小粒子は粒径が0.5μm〜7μmであらねばならないと報告している〔(1960)Amer.Pharm.Assoc.Sci.Ed.,vol.49,p.70〕。後に、かかる滞積に好ましい粒径は5μm未満であると報告された〔Newmanら,(1983)Thorax,vol.38,p.881〕。この線に沿って、Utsumiら(PCT国際特許出願公開WO 91/16038号明細書)は、肺投与のための固体の微粒子化ヒトインターフェロンまたはインターロイキンからなるエーロゾル組成物の製造を開示している。彼らの製剤では粒子はメジアン径で0.5μm〜10μmの範囲である。
エーロゾル化されたEPO組成物を患者の肺胞内に滞積し得る装置としては、ネブライザー、計量用量吸入器、及び粉末吸入器が挙げられる。EPOの肺投与を行うのに適した他の装置も当分野において公知である。かかる装置は全てが、EPOをエーロゾルで分配するのに適した組成物を使用する必要がある。エーロゾルは(水性及び非水性)溶液または固体粒子からなり得る。ネブライザーは溶液からエーロゾルを生成する上で有効であり、一方、計量用量吸入器、乾燥粉末吸入器などは、小粒子エーロゾルを生成する上で有効である。一般的には、各組成物は使用する装置のタイプによって特定され、EPO治療に有用な慣用の希釈剤、アジュバント及び/または担体のほかに、適当な噴射剤の使用を伴ない得る。本発明を実施するのに最も一般的なタイプの肺分配装置に使用され得るEPO組成物を以下に記載する。
ネブライザー用EPO組成物
ジェット式または超音波式のネブライザーに使用するのに適したEPO組成物は典型的には、溶液1ml当たり例えば約0.1〜25mgの濃度で水に溶解したEPOを含む。組成物は更に緩衝剤及び単純な糖(例えばタンパク質安定化及び浸透圧調節のため)、並びに/または0.1〜10mg/mlの範囲の濃度のヒト血清アルブミンを含んでもよい。使用し得る緩衝剤の例は酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム及びグリシンである。緩衝剤は、溶液をpH5〜7の範囲に調整するのに適した組成及びモル濃度を有するのが好ましい。通常は2mM〜50mMの緩衝剤モル濃度がこの目的に適している。使用し得る糖の例としては、通常は組成物の1〜10重量%の範囲の量のラクトース、マルトース、マンニトール、ソルビトール、トレハロース及びキシロースが挙げられる。
ネブライザー用組成物は、エーロゾルを形成する際に溶液を霧化することにより惹起されるタンパク質の表面誘導凝集(surface induced aggregation)を低減または防止すべく界面活性剤を含んでもよい。ポリオキシエチレン脂肪酸エステル及び脂肪アルコール、並びにポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルといった種々の慣用界面活性剤を使用し得る。量は通常は組成物の0.001〜4重量%の範囲である。本発明に特に好ましい界面活性剤はポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートである。
本発明の実施に適した市販ネブライザーの2つの特定の例として、Mallinckrodt,Inc.,St.Louis,Missouriによって製造されているUltraventネブライザー及びMarquest Medical Products,Englewood,Coloradoによって製造されているAcorn IIネブライザーが挙げられる。
計量用量吸入器用EPO組成物
計量用量吸入器に使用されるEPO組成物は通常は微細粉末からなる。この粉末は、液体EPO組成物を凍結乾燥してから微粉砕することにより製造し得、ヒト血清アルブミン(HSA)のごとき安定剤を含んでもよい。一般的には0.5%(w/w)を超えるHSAが添加される。更に、必要によっては1種以上の糖または糖アルコールを製剤に添加してもよく、その例としては、ラクトース、マルトース、マンニトール、ソルビトール、ソルビトース、トレハロース、キシリトール及びキシロースが挙げられる。組成物に添加する量は存在するEPOの約0.01〜200%(w/w)の範囲、好ましくは約1〜50%の範囲とし得る。次いでかかる組成物を凍結乾燥し、所望の粒径に微粉砕する。
次いで、適当な粒径が与えられた粒子を界面活性剤の助けにより噴射剤中に懸濁させる。噴射剤は、トリクロロフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタノール及び1,1,1,2−テトラフルオロエタンを含むクロロフルオロカーボン、ヒドロクロロフルオロカーボン、ヒドロフルオロカーボン、または炭化水素、或いはこれらの組合せといった、この目的で使用される慣用物質とし得る。適当な界面活性剤としてはトリオレイン酸ソルビタン及び大豆レシチンが挙げられる。オレイン酸も界面活性剤として有効であり得る。次いでこの混合物を分配装置内に装填する。本発明に使用するのに適した市販の計量用量吸入器の例としてはGlaxo Inc.,Research Triangle Park,North Carolinaによって製造されているVentolin計量用量吸入器が挙げられる。
粉末吸入器用EPO組成物
かかるEPO組成物はEPOを含む微細乾燥粉末からなり、更にラクトース、ソルビトール、スクロースまたはマンニトールといった増量剤(bulking agent)を、装置からの粉末の分散を促進し得る量、例えば組成物の50〜90重量%の量で含んでもよい。肺の遠位領域に最も有効に送達するためには、EPOは約10μm(マイクロメートル)未満、最も好ましくは1〜5μmの平均粒径を有する顆粒形態で製造されるのが最も有利である。
本明細書の教示に従って使用するのに適した粉末吸入器の例としてはFisons Corp.,Bedford,Massachusettsによって製造されているSpinhaler粉末吸入器が挙げられる。
本発明は、治療上有効量のエリトロポエチンを肺経路によって投与しようとするものである。EPOの治療上有効量を決定するものは、治療しようとする特定の疾患の状態または病状による。例えば貧血の場合では、EPOの治療上有効量は血液中の赤血球レベルを上昇させるのに十分な量である。特定のケースにおいて治療上有効量を決定するものは、当該患者の正常赤血球レベル、治療しようとする病状または疾患の重症度、赤血球新生機能不全の程度、患者の身体的条件などを含む、所望の投与計画に到達する上で熟練実施者が考慮する種々の要因である。
一般に投与計画は、少なくとも赤血球数が異常に低下または抑制されている場合には、被治療個体の正常赤血球レベルが回復されるように実施される。本明細書において使用される「貧血」とは、赤血球数(またはヘマトクリット)がその特定の種及び性の正常範囲よりも低下した身体的状態を指す。「ヘマトクリット」は、血液試料を低速遠心することにより決定される患者の血液の赤血球含有量の測定値であり、圧縮された細胞容積を試料の全容積と比較するものである。自動血液細胞カウントを含む別の方法を使用してヘマトクリットを測定することもできる。ヒトの正常赤血球レベルは、成人男性で血液1μl当たり赤血球が約4.1〜6.0×106個であり、成人女性で赤血球が3.9〜5.5×106個/μlである。これに対応してヒトのヘマトクリットレベルも変化する。成人男性では正常ヘマトクリットは39.8〜52.2%の範囲であり、平均は46%である。これに対して平均ヒト成人女性のヘマトクリットは40.9%であり、通常は34.9〜46.9%の範囲である。定期的な腎透析の結果慢性的に重度の貧血(ヘマトクリット30%以下)にみまわれている終期腎疾患を有する患者の臨床研究から、体重1kg当たり10〜1500μgのrHuEPOを週3回静脈投与することが、貧血患者の赤血球レベルを上昇及び/または維持する上で有効であることが判った。Eschbach,J.,Erythropoietin,Erslevら編,The Johns Hopkins University Press,1991。
当業者には認識されるように、適当な吸入量を送達するための操作条件は使用する機械装置のタイプによって変化する。ネブライザーのような一部のエーロゾル送達システムにおいては、投与頻度及び操作時間は主にエーロゾル中の単位容積当たりのEPOの量によって左右される。一般に、ネブライザー溶液、従ってエーロゾル中のタンパク質濃度が高いほど操作時間は短くてよい。計量用量吸入器のような装置は、他よりも高いエーロゾル濃度を生成し得、従ってより短い時間の操作で所望の結果が与えられる。
他の装置、例えば粉末吸入器は、所与の量の有効物質が装置から排出されるまで使用されるよう設計されている。装置に装填される量は、一回の投与で送達するのに適正な吸入用量を含むよう処方される。
EPOは、腎透析に関連する貧血のごとき赤血球欠乏状態を治療する上で有効であることが判っているが、赤血球レベルが基準以下に低下する化学療法並びに他の細胞毒性及び/または細胞成長抑制治療に伴なう貧血に対処する上でも有効であることが期待される。更にEPOは、体内に過剰量の鉄分が蓄積されることを特徴とする所謂鉄過剰障害のごとき障害を治療することにも有用である(米国特許第5,013,718号明細書参照)。更に研究を行えば、これら後者のケースで適当なEPO投与レベルに関する情報が得られるであろう。本発明は、EPOが治療目的で注射によって投与されるほとんどの場合に非観血的な代替法として適用可能であることが期待される。
上述したように、EPOを非経口投与すると血液中の循環赤血球数を増加させることが知られている。組換えヒトEPO(rHuEPO)のエーロゾルを吸入しても赤血球数が増加することを示すべく研究を実施した。かかる吸入実験は、鼻のみが挿入される吸入チャンバにおいてラットをrHuEPOを含むエーロゾルに繰返し暴露することにより実施した。比較のため、ラットにEPO皮下投与も行った。
使用したrHuEPOは、rHuEPOポリペプチド全体を含む上述のLin特許の図6に示されたアミノ酸配列のアミノ酸+1〜+166を有するCHO誘導組換え発現産物であった。ここで使用したrHuEPOは、前出のLin特許に記載の方法に従って製造した。Linの方法に従って製造されたrHuEPOを次いで、参照により本明細書に包含されるものとするLaiらの米国特許第4,667,016号明細書に記載の方法に従って精製した。精製後、rHuEPOを、脱イオン水1ml当たり2.34mgのrHuEPOを含む水溶液に調製した。この溶液をMillex−GV(0.22μmPVDF)フィルターで濾過すると、119,000IU/mgの比活性を有していた。
実施例1
ラットにおけるEPO皮下投与
rHuEPOがラットに及ぼすヘマトクリット上昇効果を測定するため、体重130〜200gの雄Sprague−Dawleyラット(Simonsen Laboratories Inc.,Gilroy,California)にrHuEPOを3種類の用量レベルで皮下投与した。rHuEPOを、0.025%ラット血清アルブミンを含むpH7.4の滅菌リン酸緩衝塩溶液(PBS)で希釈し、容積200μl中に適当なrHuEPO用量(500、1,500、4,500IU/kg)を得た。1グループの10匹の雄ラットには、pH7.4のPBS中に0.025%ラット血清アルブミンのみを含む対照溶液を皮下注射した。10匹ずつ3つのグループの被検動物には3種のrHuEPO用量のいずれかを各グループに皮下注射した。各用量レベルで被検動物に1日おきに3回注射した。注射後、被検動物をケージに戻し、餌及び水を自由に与えた。最初のrHuEPO投与から7日後、心臓穿刺によって各被検動物から採血し、ヘマトクリットを測定した。
500IU/kgのrHuEPOを皮下に注射されたラットは、プラシーボ処理した対照と比較して25%のヘマトクリットレベル増加を示した(図1参照)。より高い用量のrHuEPOを注射された被検動物は、1投与当たり500IU/kgを注射されたグループと比較し、有意な、但し非線形的なヘマトクリット増加を示した(図1参照)。
実施例2
EPOエーロゾルの特性分析及び投与
被処理ラットにおいてrHuEPO皮下投与がヘマトクリット増加を誘起したことを示した後、EPOが肺経路によって全身送達され得るかどうかを判定した。かかる実験を行うため、鼻のみ挿入される暴露チャンバ(In−Tox Products,Albuquerque,New Mexico)を取り付けた前出のAcorn IIジェットネブライザーを使用した。
Acorn IIに使用したEPOは2種の組成物のいずれかであった。組成物Aは0.67mg/mlのrHuEPO、0.025%ラット血清アルブミン、15mMのpH7.4リン酸緩衝液、及び2%マンニトールを含んでいた。組成物Bは、濃厚rHuEPOを脱イオン水で希釈することにより調製された濃度0.67mg/ml(組成物B1)または2.34mg/ml(組成物B2)の純粋rHuEPOを含んでいた。0.67mg/ml EPO溶液は、1回のエーロゾル暴露の間に各ラットに1,500IU/kg用量が与えられると推算された。同様に、2.34mg/mlの組成物は暴露の間に4,500IU/kgの用量を送達するよう設計されたものであった。rHuEPOを除く組成物Aの成分からなる対照エーロゾルも調製した。
Acorn IIに5mlのEPO組成物の1つまたは対照溶液を装填することによりエーロゾル暴露を実施した。圧縮空気ライン圧力を、ネブライザーを通して10L/分の空気流を送達するよう調整した。20匹のラットを筒状拘束容器内に入れ、In−Tox暴露チャンバ内に装填した。エーロゾルを被検動物に10分間投与したが、この間にEPO含有溶液はネブライザーから完全に分配された。暴露後、各被検動物をケージに戻し、餌及び水を自由に与えた。
各エーロゾル組成物は一日おきに合計で3用量送達した。最初の暴露から7日後、被検動物から心臓穿刺によって採血し、血液のヘマトクリットレベルを分析した。
各暴露の間に、QMCカスケードインパクター(California Measurements,Sierra Madre,California)を装着することにより暴露チャンバにある未使用の鼻挿入口の1つから粒径分布を測定した。粒径分布の質量メジアン空気力学的直径(MMAD)及び幾何標準偏差(GSD)をDISTFITコンピュータープログラム(TSI,St.Paul,Minnesota)を用いて計算した。表1は各組成物において得られた結果を示す。
Figure 0004338214
更に、もう1つの未使用のチャンバ挿入口に取付けた0.45μm細孔ポリビニリデン(PVDF)低タンパク質結合フィルター(Millipore,Bedford,Massachusetts)を通して1L/分でサンプリングすることにより、チャンバ内のエーロゾル濃度を推算した。フィルターの重量増加を測定すると共にそこに回収されたEPOを分析することによりエーロゾル濃度を推算した。50mMのpH7.2のTris緩衝液及び0.9%NaCl中に5mM CHAPS〔参照により本明細書に包含されるものとする米国特許第4,372,888号明細書;Hjelmeland,L.(1980),Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA,vol.77,p.6368;Hjelmelandら,(1983)Anal.Biochem.,vol.130,p.72参照〕を含む溶液1.5mlを使用してフィルターからEPOを抽出した。フィルター抽出物を逆相高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、ラジオイムノアッセイ(RIA)及びバイオアッセイによって分析した。
フィルター抽出物の逆相HPLC分析は、以下のように較正した4.6×250mm C4結合シリカカラム(Vydac 214TP54)を備えたHewlett Packard(Mountain View,California)モデル1050 HPLCにおいて実施した。カラムの較正は以下のように行った。0.025%ラット血清アルブミン及びリン酸緩衝液を含む濾過脱イオン水で希釈した精製rHuEPOを基準物とし、0.1%トリフルオロ酢酸水溶液中0%から55%までアセトニトリル(ACN)の濃度を1%/分で直線的に増加させつつ、0.5ml/分の流量でカラムに添加した。デュアルチャンネルUV検出器により220及び280nmにおける吸収を記録した。280nmにおいては、HPLC応答は15〜100μgのrHuEPOの範囲で線形であった。かかる条件下でrHuEPOは52.3±1.5分でカラムから溶出した。
フィルター抽出物を分析するため、各々1.5mlの上記抽出物の200μlをカラムに注入し、基準物と同様に分析した。表2は、フィルターについて測定された合計質量及びEPO濃度を示す。
Figure 0004338214
種々のエーロゾルrHuEPO組成物から生じた暴露チャンバ内のEPOエーロゾルレベルを図3に示す。最初のエーロゾル処理から7日後、組成物B2を投与された20匹の被検動物の平均ヘマトクリット(51.2±1.58%)は、10匹の皮下注射対照被検動物(47.1±2.00%)及びエーロゾル対照グループ(44.3±1.70%)において測定された平均値より有意に高かった(p>0.001)。
上記データから、EPOが治療有効量で全身に送達され得ることが立証された。更にrHuEPOのみを含む組成物B1と比較したとき、マンニトールの存在はEPOエーロゾルの有効性に明らかな影響は及ぼさなかった。
以上をまとめると、表1及び2並びに図3に示した結果から、エーロゾル用量は十分に制御されたことが判る。対照エーロゾルの合計質量濃度は、増量剤としてマンニトール(これは対照にも含まれる)を含む組成物Aにおいて得られたものとほぼ等価である。更に予想されたように、組成物B2は組成物B1の3倍のエーロゾルEPO濃度を生成した。組成物B1と比較して組成物Aに僅かに高いエーロゾル濃度が認められたことは、恐らく組成物A中の増量剤の存在に起因するものである。
エーロゾルによりラット肺に送達されたrHuEPO量を、エーロゾル中の平均EPO濃度、肺滞積率(0.29)〔Dahlbackら,American Association of Aerosol Research,Reno,NV,1990〕、ラットの安静時換気速度(169ml/分)及び暴露時間(10分間)から推算した。これらの推定量を表3に示すが、目標の用量レベルと十分に相関している。
Figure 0004338214
図4は、種々のEPO濃度で、EPOエーロゾル組成物暴露後に測定されたヘマトクリットと、ラットに皮下投与した後に見られたヘマトクリットとの比較を示す。かかる結果から、4,500IU/kgのエーロゾルEPOは、500IU/kg皮下注射によって得られるものと等価のヘマトクリットを生じさせたことが判る。
ラジオイムノアッセイ(RIA)は、組成物A、組成物Aをエーロゾル化した後にネブライザー内に残っていた残留rHuEPO、及び組成物Aのエーロゾル投与の過程でPVDFフィルター上に捕獲されたrHuEPOの量において実施した。RIAは以下のように実施した。EPO試料(実験試料及び基準試料)をウサギ抗EPO抗血清と一緒に全容積0.5mlとして37℃で2時間インキュベートした。各試料を、0.1%ウシ血清アルブミンを含むpH7.4のPBSからなる反応希釈液を使用して終容積に希釈した。2時間インキュベートした後、125I−rHuEPO(Amersham Corp.)を添加し、インキュベーションを4℃で一晩続行した。Tachisorb(Staphylococcus aureus細胞に複合させたヤギ抗ウサギIgG抗体,Calbiochem,La Jolla,CA,USA)を添加することにより、抗体が結合した125I−rHuEPOを遊離125I−rHuEPOから分離した。試験管を遠心してTachisorbをペレット化し、得られたペレットを、150mM NaCl、2mM EDTA及び0.05% Triton X−100を含むpH8.2の10mM Tris−HCl中で洗浄した。抗体結合125I−rHuEPOをγ計数器によって定量した。
RIAのほかに、噴霧化によって送達された組成物A中のrHuEPOのin vivo生物学的活性を、もと低酸素症であった赤血球増加症マウスのバイオアッセイを使用して測定した(Cotesら,Nature,vol.191,pp.1065−1067,1961)。この分析により、rHuEPOがエーロゾル化されたときにその生物学的活性を維持するかどうかを判定し得る。かかるアッセイによって得られたin vivo活性を、rHuEPOの比活性である119,000IU/μg EPOで除算することにより質量濃度に変換した。表4は、RIA及びin vivo測定の結果を示す。
Figure 0004338214
RIA及びin vivoバイオアッセイの両方で、暴露後にネブライザー内に残っていた溶液中のEPO濃度の増加が検出されたが、これらは水の蒸発によるものと見られる。Mercerら,Am.Ind.Hyg.Assoc.J.,vol.29,p.66,1968参照。RIAの結果とバイオアッセイの結果が極めて一致することから、EPOの比活性はエーロゾルの生成及び乾燥により悪影響を受けないことが示された。
本発明を特にエーロゾル溶液及びネブライザーの使用に関して説明したが、生物学的物質の肺送達に適した任意の慣用手段を使用し、本発明に従ってEPOを投与し得ることを理解されたい。実際、特別な要求に対しては、計量用量吸入器もしくは粉末吸入器または他の装置が好ましかったり、最適である場合もある。前記説明は、これらの装置の幾つかの使用についての指針を与える。更に他の装置を適用することも当業者には可能である。即ち本発明は、上述の特定の実施態様のみの適用による実施に制限されるものではない。

Claims (10)

  1. 吸収増強剤を含まない、肺投与又は吸入のためのエリトロポエチンの医薬組成物。
  2. 溶液、非水性懸濁液及び乾燥粉末からなる群から選択される請求項に記載の医薬組成物
  3. エーロゾル製剤の形態である請求項1又は2に記載の医薬組成物。
  4. 前記乾燥粉末がエリトロポエチン含有粒子を含み、前記粒子が10ミクロンより小さい粒径を有する請求項2又は3に記載の医薬組成物
  5. 前記エリトロポエチン含有粒子が1〜5ミクロンの範囲の粒径を有する請求項に記載の医薬組成物
  6. 記エリトロポエチンが、ヒトエリトロポエチンをコードするDNA分子を用いて安定に形質転換された真核宿主細胞中で産生される請求項に記載の医薬組成物
  7. 前記宿主細胞がチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞である請求項に記載の医薬組成物
  8. 前記組成物が、ネブライザー、計量吸入器及び粉末吸入器からなる群から選択される機械装置に収容されている、請求項に記載の吸入用医薬組成物
  9. 前記機械装置が、ジェットネブライザー及び超音波ネブライザーからなる群から選択されるネブライザーである請求項に記載の医薬組成物
  10. 噴射剤を含む請求項1に記載の医薬組成物。
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