JP4336623B2 - シークインテープ供給装置 - Google Patents

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本発明は、シークインを連ねたテープをミシンの縫付位置に供給するシークインテープ供給装置に関するものである。
特許文献1には、シークインテープを受けるベースと、ベースの上にテープガイド溝を形成する左右一対の案内部材と、案内部材に添わせてテープをミシンの縫付位置に向けて送り出す送出部材とを備えた装置が記載されている。案内部材にはテープの幅方向に長い長孔が形成され、長孔の長さ範囲内で左右の案内部材の間隔を変えることにより、テープガイド溝の幅を調整して、シークインのサイズ変更に対応できるようになっている。
欧州特許出願公開第0768417号明細書
ところが、従来装置によると、左右の案内部材が分離しているので、シークインのサイズ変更に際し、二つの案内部材を別々に調整する必要があり、テープガイド溝の幅調整に手間がかかるという問題点があった。また、二つの案内部材を手加減で調整しているため、調整量の違いによってテープガイド溝の中心線位置が変わりやすく、テープの先頭のシークインを縫製位置に正確に供給することが困難であった。
本発明の目的は、上記課題を解決し、シークインのサイズ変更に際し、テープガイド溝の中心線位置を変えずに、その幅を簡単に調整することができるシークインテープ供給装置を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明は、シークインを連ねたテープを受けるベースと、ベースの上でテープを案内する案内部材と、案内部材に添わせてテープをミシンの縫付位置に向けて送り出す送出部材とを備えたシークインテープ供給装置において、以下の手段を設けたことを特徴とする。
(1)案内部材の表面及び裏面にテープガイド溝を互いに異なる幅で中心線を揃えて形成し、ベースにテープガイド溝の中心線を送出部材の移動軸線と整合させる取付部を設け、取付部に案内部材を表裏反転可能に取り付ける。この場合、複数の案内部材にそれぞれ異なる幅のテープガイド溝を形成し、各案内部材をベースの取付部に交換可能に取り付けてもよい。
(3)案内部材が相対面間にテープガイド溝を形成する一対のガイド板と、両方のガイド板に架かるブリッジ板とを含み、ブリッジ板の表面及び裏面にガイド板の間隔を規制する規制部を互いに異なる幅で中心線を揃えて形成し、ベースに規制部の中心線を送出部材の移動軸線と整合させる取付部を設け、取付部にブリッジ板を表裏反転可能に取り付ける。この場合、複数のブリッジ板にそれぞれ異なる幅の規制部を形成し、各ブリッジ板をベースの取付部に交換可能に取り付けてもよい。
(4)案内部材が相対面間にテープガイド溝を形成する一対のガイド板と、両方のガイド板に架かるブリッジ板とを含み、ブリッジ板にガイド板の間隔を規制する規制部を形成し、ベースに規制部の中心線を送出部材の移動軸線と整合させる取付部を設け、取付部にブリッジ板を規制部の幅が異なる別のブリッジ板と交換可能に取り付ける。この場合、ブリッジ板の表面及び裏面に互いに異なる幅の規制部を形成し、各ブリッジ板をベースの取付部に表裏反転可能に取り付けてもよい。
上記(1)の手段を備えたシークインテープ供給装置によれば、案内部材の表裏に異なる幅のテープガイド溝を形成したので、シークインのサイズ変更に際し、案内部材を反転するだけのワンタッチ操作で、テープガイド溝の幅を簡単に調整できる。また、ガイド溝の中心線がベースの取付部により送出部材の移動軸線と整合するように位置決めされるので、案内部材の反転に伴ってガイド溝の中心線がずれるおそれがなく、テープ先頭のシークインを縫付位置に正確に供給することができる。
上記(3)の手段を備えたシークインテープ供給装置によれば、ブリッジ板の表裏に異なる幅の規制部を形成したので、シークインのサイズ変更に際し、ブリッジ板を反転するだけのワンタッチ操作で、一対のガイド板の間隔を変更して、テープガイド溝の幅を簡単に調整できる。また、規制部の中心線がベースの取付部により送出部材の移動軸線と整合するように位置決めされるので、ブリッジ板の反転に伴ってガイド溝の中心線がずれるおそれがなく、テープ先頭のシークインを縫付位置に正確に供給することができる。
上記(4)の手段を備えたシークインテープ供給装置によれば、シークインのサイズ変更に際し、ブリッジ板を規制部の幅が異なる別のブリッジ板と交換するだけのワンタッチ操作で、一対のガイド板の間隔を変更して、テープガイド溝の幅を簡単に調整できる。また、規制部の中心線がベースの取付部により送出部材の移動軸線と整合するように位置決めされるので、ブリッジ板の交換に伴ってガイド溝の中心線がずれるおそれがなく、テープ先頭のシークインを縫付位置に正確に供給することができる。
図3に本発明を実施するための最良の形態を示す。このシークインテープ供給装置は、シークインSを連ねたテープTを受けるベース10と、ベース10の上でテープTを直進案内する案内部材25と、案内部材25に添わせてテープTをミシンの縫付位置に向けて送り出す送出部材20とを備える。案内部材25の表面及び裏面には、幅狭のテープガイド溝27と幅広のテープガイド溝28とが中心線を揃えて形成される。ベース10にはテープガイド溝27,28の中心線を送出部材20の移動軸線と整合させる取付部32が設けられ、この取付部32に案内部材25が表裏反転可能に取り付けられる。また、複数の案内部材25にそれぞれ異なる幅のガイド溝27,28が形成され、各案内部材25が取付部32に交換可能に取り付けられる。
以下、本発明の実施例1を図1〜図8に基づいて説明する。図1,図2に示すように、このシークインテープ供給装置1は、刺繍ミシンのヘッド2に取り付けられるフレーム3を備えている。フレーム3にはスライドカバー4が斜めに昇降可能に支持され、エアシリンダ(図示略)によって駆動される。スライドカバー4には、シークインSを連ねたテープTを収納するリール5と、テープTを案内する回転子6と、テープTを刺繍ミシンの縫付位置(針棒7の下側)に供給する供給機構8とが設けられている。
供給機構8は垂直なブラケット9を備え、ブラケット9の下端にテープTを受けるベース10が水平に取り付けられている。ブラケット9の前面にはブロック11によりロッド12が保持され、ロッド12にスライダ13が前後方向(テープTの送り方向)へ摺動可能に支持されている。ブラケット9の裏面にはモータ14が取り付けられ、モータ軸15がアーム16とリンク17を介してスライダ13に連結されている。スライダ13には給送部材18が軸19により上下に揺動可能に取り付けられ、給送部材18の前端にL字形の送出ピン20が下向きに突設されている。
ブラケット9の前端部には送出ピン20に係合可能な部材21と、テープTを切断するカッタ22とが配設されている。給送部材18はスライダ13と共にモータ14により前後方向に駆動され、給送部材18の前進時に、送出ピン20が係合部材21により押し下げられ、送出ピン20の下端がシークインSの穴h(図3参照)に挿入される。そして、送出ピン20がテープTを案内部材25に添わせて縫付位置に向けて送り出し、先頭のシークインSを針棒7の下側に供給し、針棒7の下降時に、針止め23がカッタ22を踏み下げ、カッタ22が先頭シークインSをテープTから切断するようになっている。
図3,図4,図5に示すように、案内部材25はベース10の開口部26に収められ、テープTをベース10の上面において直進案内する。開口部26はベース10の前端部において、送出ピン20の移動軸線A(図4参照)に関し左右対称となる長方形に透設されている。案内部材25は開口部26と略同じ大きさの長方形の板状に形成されている。案内部材25の幅方向(左右方向)の中心位置において表面及び裏面には、幅狭のテープガイド溝27と幅広のテープガイド溝28とが互いに中心線を揃えて前後方向に延びるように凹設されている。テープガイド溝27,28の底面には、送出ピン20の下端が嵌入するスリット33が形成されている。
案内部材25の前後両端には、耳部29がガイド溝27,28の底面を延長するように突設され、耳部29の中心に係止孔30が形成されている。ベース10には耳部29が嵌合する凹部31と、係止孔30が嵌合するピン32とが共に開口部26の中心線上に位置するように設けられている。そして、ピン32がテープガイド溝27,28の中心線を送出ピン20の移動軸線Aと整合させる取付部として機能し、ピン32に案内部材25が表裏反転可能に取り付けられている(図5参照)。また、図6に示すように、テープガイド溝27,28の幅が異なる複数の案内部材25が用意され、各案内部材25がピン32に交換可能に取り付けられる。
この実施例のシークインテープ供給装置1によれば、案内部材25を反転して、幅狭のテープガイド溝27又は幅広のテープガイド溝28を上向きにすることにより、一つの案内部材25でシークインSの直径が異なる二種類のテープTを案内できる。また、案内部材25をガイド溝27,28の幅が異なる別の案内部材25と交換すれば、さらに多種類のテープTを案内できる。従って、シークインSのサイズ変更に際し、案内部材25を反転又は交換するだけのワンタッチ操作で、テープガイド溝27,28の幅を幾通りにも簡単に調整することができる。
また、案内部材25の取付状態では、テープガイド溝27,28の中心線がピン32により送出ピン20の移動軸線Aと整合する位置に位置決めされる。このため、案内部材25の反転又は交換に伴ってガイド溝27,28の中心線位置がずれるおそれがない。従って、サイズ変更に付帯する調整作業を省略できるとともに、先頭のシークインSを縫付位置に正確に供給して針24で加工布Wに見栄えよく縫い付けることができる。なお、サイズ変更に際しては、モータ14の回転数制御により送出ピン20のストロークが調整され、先頭のシークインと次のシークインとの接続部がカッタ22に位置決めされる。
図7,図8に案内部材の変更例を示す。この案内部材35には表面のみにテープガイド溝36が形成されている。そして、ガイド溝36の幅が異なる複数の案内部材35が用意され、各案内部材35がベース10のピン32に交換可能に取り付けられる。従って、このシークインテープ供給装置によれば、シークインSのサイズ変更に際し、案内部材35を交換するだけのワンタッチ操作でガイド溝36の幅を簡単に変更できるうえ、交換時にガイド溝36の中心線位置がずれるおそれもない。
次に、本発明の実施例2を図9〜図15に基づいて説明する。この実施例のシークインテープ供給装置は、主に案内部材の構成において実施例1の装置と相違する。図9〜図12に示すように、この案内部材38は、テープガイド溝39を形成する左右一対のガイド板40と、両方のガイド板40に架かるブリッジ板41とから構成されている。ガイド板40は相対向して前後方向へ延びるようにベース10の上面に滑動可能に載置されている。テープガイド溝39はガイド板40の相対面間に形成され、ガイド溝39の下側において、ベース10に送出ピン20の下端が嵌入するスリット42が形成されている。
ブリッジ板41の前後両端にはガイド板40を跨ぐ架橋部43が設けられている。架橋部43の表面及び裏面には、ガイド板40の間隔を規制してテープガイド溝39の幅を決める規制部44,45が互いに異なる幅で中心線を揃えて形成されている。ガイド板40の前後両端部には、架橋部43に係止される突縁46と長孔47とが共に左右方向に長く形成され、架橋部43に長孔47に重なる挿通孔48が設けられている。そして、挿通孔48と長孔47を通りベース10のネジ孔49に螺合するボルト50により、ガイド板40がベース10に対し移動可能に、ブリッジ板41がベース10の定位置に組み付けられている。
ネジ孔49はスリット42の左右両側においてスライダ13(図9参照)の下側を除くベース10の3箇所に形成され、ネジ孔49に螺合するボルト50が規制部44,45の中心線を送出ピン20の移動軸線A(図11参照)と整合させる取付部として機能する。そして、ボルト50によりブリッジ板41が表裏反転可能に取り付けられ(図12参照)、下向きの規制部45,44によりガイド溝39の幅がテープTの幅(シークインSの直径)に応じて決められるようになっている。また、図13に示すように、規制部44,45の幅が異なる複数のブリッジ板41が用意され、各ブリッジ板41がボルト50によってベース10に交換可能に取り付けられる。
この実施例2のシークインテープ供給装置によれば、ブリッジ板41を反転して、幅狭の規制部45又は幅広の規制部44を下向きにすることにより、一枚のブリッジ板41でテープガイド溝39の幅を二通りに変更して、シークインSの直径が異なる二種類のテープTを案内できる。また、ブリッジ板41を規制部44,45の幅が異なる別のブリッジ板41と交換すれば、さらに多種類のテープTを案内できる。従って、シークインSのサイズ変更に際し、ブリッジ板41を反転又は交換するだけのワンタッチ操作で、テープガイド溝39の幅を幾通りにも簡単に調整することができる。
また、ブリッジ板41の取付状態では、規制部44,45の中心線がボルト50によって送出ピン20の移動軸線Aと整合する位置に位置決めされる。このため、ブリッジ板41の反転又は交換にあたり、ガイド板40を規制部44,45の側面を基準にして組み付けることで、テープガイド溝39の中心線を送出ピン20の移動軸線Aと正確に整合させることができる。従って、サイズ変更に付帯する調整作業を簡略化できるとともに、先頭のシークインSを縫付位置に正確に供給して針24で加工布Wに見栄えよく縫い付けることができる。
図14,図15にブリッジ板の変更例を示す。このブリッジ板52には裏面のみに規制部53が形成されている。そして、規制部53の幅が異なる複数のブリッジ板52が用意され、各ブリッジ板52がボルト50によりベース10に交換可能に取り付けられる。従って、このシークインテープ供給装置によれば、シークインSのサイズ変更に際し、ブリッジ板52を交換するだけのワンタッチ操作でテープガイド溝39の幅を簡単に調整できるうえ、交換時にガイド溝39の中心線位置がずれるおそれもない。
本発明の実施例1を示すシークインテープ供給装置の側面図である。 テープ供給装置の供給機構を示す斜視図である。 供給機構のテープ案内部材を示す斜視図である。 案内部材の平面図である。 図4のV−V線断面図である。 図3の案内部材の交換用部材を示す断面図である。 案内部材の変更例を示す斜視図である。 図7の案内部材の交換用部材を示す断面図である。 本発明の実施例2を示すシークインテープ供給機構の斜視図である。 供給機構のテープ案内部材を示す斜視図である。 案内部材の平面図である。 図11のXII−XII線断面図である。 図10のブリッジ板の交換用部材を示す断面図である。 ブリッジ板の変更例を示す斜視図である。 図14のブリッジ板の交換用部材を示す断面図である。
符号の説明
1 シークインテープ供給装置
10 ベース
20 送出ピン
25 案内部材
27 テープガイド溝
28 テープガイド溝
32 ピン
35 案内部材
36 テープガイド溝
38 案内部材
39 テープガイド溝
40 ガイド板
41 ブリッジ板
44 規制部
45 規制部
50 ボルト
52 ブリッジ板
53 規制部
S シークイン
T テープ

Claims (3)

  1. シークインを連ねたテープを受けるベースと、ベースの上でテープを案内する案内部材と、案内部材に添わせてテープをミシンの縫付位置に向けて送り出す送出部材とを備え、案内部材の表面及び裏面にテープガイド溝を互いに異なる幅で中心線を揃えて形成し、ベースにテープガイド溝の中心線を送出部材の移動軸線と整合させる取付部を設け、取付部に案内部材を表裏反転可能に取り付けたことを特徴とするシークインテープ供給装置。
  2. シークインを連ねたテープを受けるベースと、ベースの上でテープを案内する案内部材と、案内部材に添わせてテープをミシンの縫付位置に向けて送り出す送出部材とを備え、案内部材が相対面間にテープガイド溝を形成する一対のガイド板と、両方のガイド板に架かるブリッジ板とを含み、ブリッジ板の表面及び裏面に両ガイド板の間隔を規制する規制部を互いに異なる幅で中心線を揃えて形成し、ベースに規制部の中心線を送出部材の移動軸線と整合させる取付部を設け、取付部にブリッジ板を表裏反転可能に取り付けたことを特徴とするシークインテープ供給装置。
  3. シークインを連ねたテープを受けるベースと、ベースの上でテープを案内する案内部材と、案内部材に添わせてテープをミシンの縫付位置に向けて送り出す送出部材とを備え、案内部材が相対面間にテープガイド溝を形成する一対のガイド板と、両方のガイド板に架かるブリッジ板とを含み、ブリッジ板に両ガイド板の間隔を規制する規制部を形成し、ベースに規制部の中心線を送出部材の移動軸線と整合させる取付部を設け、取付部にブリッジ板を規制部の幅が異なる別のブリッジ板と交換可能に取り付けたことを特徴とするシークインテープ供給装置。
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