JP4336401B2 - 斜ケーブルの架設方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、斜張橋における斜吊材、桁橋又はトラス橋における外ケーブル等、斜め方向に張設されるケーブルの架設方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
斜張橋は、主塔から斜めに架設されたケーブルによって桁を吊支持する構造の橋梁であり、桁としてはコンクリートト桁、鋼桁又はトラスを用いるもの等がある。このような斜張橋で用いられるケーブルは、一般に鋼線又は鋼より線を束ねたものであり、その外周面には防錆のための措置が必要となる。このため、ケーブルを保護管で覆い、この保護管内にモルタル又は油脂等を充填したり、あるいは工場で合成樹脂による被覆層が設けられたケーブルを用いる等によって耐久性に優れた斜吊材としている。
【0003】
一方、プレストレストコンクリートによる桁橋においてプレストレスを導入するためのPC鋼材は、コンクリート部材内に埋設されるのが一般的であるが、部材外に配置されるいわゆる外ケーブルとして用いられ、斜め方向に配置されることがある。また、トラス橋等において、プレストレスを導入するために外ケーブルが用いられ、斜め方向に配置されることもある。このような外ケーブルも、斜材と同様の構成のケーブルが用いられる。
【0004】
このような斜め方向に配置されるケーブルの架設方法として、従来からいくつかの方法が知られており、例えば、特開平7−189213号公報、特開平9−78525号公報、特開平7−331615号公報に開示されるもの等がある。
【0005】
特開平7−189213号公報に開示される技術は、ケーブルを張架しようとする位置の上側にガイドワイヤを張架し、このガイドワイヤに所定間隔で取りつけられた複数の吊持リングによって架設中のケーブルを支持しながら、引き込みワイヤで鋼より線を一本づつ架設してゆくものである。なお、この方法では、保護管は全部の鋼より線が張架され後に二つ割にした管を嵌めあわせて取りつけられる。
【0006】
特開平9−78525号公報に開示される技術は、斜めに張架されたガイドロープによって溝状の架設シュートをややたわみが生じた状態で斜めに吊支持し、プッシングマシンによって送り出される鋼より線を一本ずつ架設シュート内に挿通させるものである。送り出される鋼より線はガイドパイプによって、斜めに支持された架設シュートの上端部に導かれ、上から斜め下方に挿入される。所定本数の鋼より線が配置されると、これらに張力を導入することによって上記溝状の架設シュートから上方に脱出させ、両端を定着部に定着する。
【0007】
特開平7−331615号公報に開示される技術は、ケーブルが巻き付けられたドラムを回転可能に支持し、ケーブルの一端をクレーンによって吊り上げるとともに、上記ドラムを水平方向に移動してケーブルを展開するものである。展開されたケーブルの両端部はそれぞれ定着部に係止され、張力が導入される。この方法は、複数の鋼線又は鋼より線を束ね、合成樹脂等による保護層が工場においてあらかじめ形成された、いわゆるプレハブケーブルの架設に適した方法である。
【0008】
また、上記のような架設方法の他に、図10に示すように、複数の鋼より線を束ねたケーブル101をクレーン102で吊り上げ、仮設ワイヤ103によって吊支持された保護管104に上側から挿入する技術が知られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来から知られている技術には次のような問題点がある。
特開平7−189213号公報又は特開平9−78525号公報に記載の方法では、複数の鋼より線を一本ずつ架設してゆくため、作業工数が多くなり、工期が長くなってしまう。このため桁を構築する工程等にも影響を及ぼし、工事費も多く必要となる。
また、架設中のケーブルを支持するための仮設ワイヤが必要となり、この仮設ワイヤの架設及び撤去に多くの作業を要し、この点においても作業効率が悪いという問題がある。
【0010】
一方、特開平7−331615号公報に記載の方法又は図10に示す方法では、複数の鋼より線を重ねた状態で架設するものであるため、工期の短縮を図ることができるが、主塔上又は主塔付近にクレーンが必要となり、特に図10に示す方法では吊り上げたケーブルを保護管に挿入してゆくのに複雑なクレーンの操作が必要となる。さらに、円滑にケーブルを挿入するためには、保護管の上端部での補助的な作業も必要となる。
【0011】
また、特開平7−331615号公報に記載の方法は、工場で保護被覆層が形成されたプレハブケーブルの架設には適しているが、現場で保護管を挿着するタイプのケーブルでは、この保護管の挿着に多くの作業が必要となり、経済的なメリットは少ない。
【0012】
本願発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、作業効率が良く経済性に優れた斜ケーブルの架設方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記のような問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、 構造物の上部位置に、左右に連続するケーブルを支持するサドル部を設け、このサドル部の両側方の下部位置に設けられた定着部との間にケーブルを斜めに架設する方法であって、 前記サドル部の両側部に、それぞれ該サドル部と前記定着部との距離にほぼ等しい長さの管部材の上端部を吊支持し、 該管部材の一方の下端からガイドワイヤを該管部材に挿通し、サドル部及び他方の管部材内を通過させて、先端を複数の鋼線又は鋼より線を束ねたケーブルと連結し、 該ガイドワイヤを牽引することによって、前記ケーブルを一方の管部材、サドル部及び他方の管部材内に引き込み、 該ケーブルの両端を前記構造物の前記定着部に係止し、 該ケーブルに所定の緊張力を導入するものとし、 前記ガイドワイヤの牽引によってケーブルを管部材内に引き込む工程では、管部材に引き込まれる前のケーブルを所定の位置で引き出しが可能に保持し、このケーブルの引き出しには、該ケーブルを斜め方向に張架できる程度の引張力を要するように引き出し抵抗を付与しておき、管部材へ引き込み中のケーブルに上記抵抗に相当する力以上の張力を導入する斜ケーブルの架設方法を提供する。
【0014】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の斜ケーブルの架設方法において、 前記ガイドワイヤの牽引によってケーブルを管部材内に引き込む工程では、管部材の前記ケーブルが引き込まれる下端部は、変位を拘束しておくものとする。
【0015】
なお、上記管部材は、上端部で吊支持し、下方部は曲率半径が過度に小さくなって破損することがないように支持すればよい。したがって、この管部材は柔軟に変形が可能なものが望ましい。
【0016】
このような斜ケーブルの架設方法では、上端部で吊支持された管部材中に挿通したガイドワイヤを牽引すると、引き出されるケーブルの抵抗によって張力が導入され、この張力によって管部材をほぼ斜め方向に支持することができる。すなわち、ガイドワイヤを滑車等によって適切な方向に牽引することによって、上記管部材はケーブル架設しようとする位置付近において、多少のたわみは生じるもののほぼ斜めに支持される。このような状態でさらにガイドワイヤを牽引することによってケーブルは管部材内に引き込まれ、上部のサドル部もガイドワイヤに牽引されたまま通過し、サドル部の両側に架設される。このようにしてケーブルを架設することにより、鋼より線を数多く束ねたケーブルであっても簡単な作業で短い期間で迅速に架設することができる。また、架設中のケーブルを吊支持するためのクレーンや仮設用のワイヤ又はケーブルも不要となる。
【0017】
請求項3に記載の発明は、 請求項1又は請求項2に記載の斜ケーブルの架設方法において、 前記サドル部は、構造物に湾曲する金属管を固定することによって形成し、 前記管部材の上端部には、前記金属管と接合される連結金具をあらかじめ固着しておき、 この連結金具を介して、前記サドル部付近に該管部材の上端部を吊支持し、 前記ケーブルを該管部材内に挿通した後、前記連結金具を前記金属管に連結するものである。
【0018】
このような斜めケーブルの架設方法では、管部材の上端部に固定された連結金具を介して該管部材を吊支持するので、管部材がポリエチレン等柔軟に変形する材料を用いたものであっても強固に支持することができる。また、ケーブルを牽引するワイヤを管部材に挿通し、該管部材内にケーブルを引き込むときには、ワイヤに張力が導入され、管部材のたわみ量が大きく変動することもあるが、管部材の上端部は吊支持されているだけで、自由に変位又は回動することができ、ケーブルの挿通時に管部材に大きな力が作用することがなく、該管部材の破損、折れ曲がり等が防止される。さらに、ケーブルに充分な張力を導入したのちには、上記連結金具によってサドル部の金属管に容易に連結することができる。
【0019】
請求項4に記載の発明は、 請求項1、請求項2又は請求項3に記載のケーブルの架設方法において、 前記ケーブルを前記管部材内へ引き込む前に、該ケーブルに複数の鋼線又は鋼より線の相対位置を拘束するスぺーサーを取り付けておくものとする。
【0020】
この斜ケーブルの架設方法では、束ねられた複数の鋼線又は鋼より線はスぺーサーによって相対位置が拘束されるので、管部材内に引き込むときに複雑にねじれたり、よじれたりすることがなく、管部材内でほぼ平行に配置することができる。また、サドル部では、鋼線又は鋼より線が上記金属管の内面に強く押し付けられることになるが、すべての鋼線又は鋼より線がほぼ平行に整然と配置されることにより、これらが束ねられたケーブルの終局耐力が本来の値より低下することがなく、充分な強度が維持される。
【0021】
請求項5に記載の発明は、 構造物の上部位置に設けられた上位定着部と、下部位置に設けられた下位定着部との間に斜めにケーブルを架設する方法であって、 前記上位定着部付近に、該上位定着部と前記下位定着部との間の距離にほぼ等しい長さの管部材を吊支持し、 該管部材の上端からガイドワイヤを該管部材内に挿通して、該ガイドワイヤの先端を複数の鋼線又は鋼より線を束ねたケーブルに連結し、 前記ガイドワイヤを上位定着部側から牽引することによって前記ケーブルを前記管部材内に挿通し、 該ケーブルの両端部をそれぞれ前記上位定着部及び下位定着部に係止し、 該ケーブルに所定の緊張力を導入する工程を含むものであり、 前記ガイドワイヤの牽引によってケーブルを管部材内に挿通する工程では、管部材に引き込まれる前のケーブルを所定の位置で引き出しが可能に保持し、このケーブルの引き出しには、該ケーブルを斜め方向に張架できる程度の引張力を要するように引き出し抵抗を付与しておき、管部材へ引き込み中のケーブルに上記抵抗に相当する力以上の張力を導入する斜ケーブルの架設方法を提供するものである。
【0022】
このような斜ケーブルの架設方法では、管部材の上端部を上位定着部付近に吊支持し、この管部材に上端から挿通したガイドワイヤを牽引することによって、管部材は斜め方向にたわみの小さい状態で支持される。そして、さらに牽引することによってケーブルを該管部材内に引き込むとともに、ケーブルの一端を上位定着部まで円滑に引き上げ、所定位置に張架することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本願に係る発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は請求項1から請求項4までのいずれかに記載の斜ケーブルの架設方法を用いて構築することができる斜張橋の例を示す概略側面図である。
この斜張橋は二つの橋台1、2間に架け渡されたコンクリート桁4と、中央部で上記コンクリート桁を支持する橋脚3と、この橋脚上に立設された主塔5と、この主塔5から両側斜め下方に張架され、コンクリート桁を吊支持する複数の斜吊材6とを有するものである。
【0024】
上記主塔5はコンクリートからなり、橋脚3上でコンクリート桁4の両側に二本が立設されている。また、上記コンクリート桁4はプレストレスが導入され、橋脚3および主塔5と一体に形成されている。
【0025】
上記斜吊材6は、複数の鋼より線を束ねたケーブルと、その外側に保護管として装着されたポリエチレン管とで主要部が構成されており、主塔5の所定高さから左右両側の斜め下方に張架され、下端はコンクリート桁4に連結されている。これらの斜吊材6は、主塔5の中心軸線に関して左右対称に配置されており、主塔部分で左右のケーブルが連続し、サドル部によって支持されている。このサドル部は、図2に示すように、鋼管材7を主塔のコンクリート内に埋め込み固定することによって形成されており、ケーブル12は、このサドル部で所定の曲率で曲げられるとともに、その張力によって鋼管材7の内面に強く押し付けられている。
【0026】
一方、このケーブル12の下端部は、図3に示すようにコンクリート桁4に設けられた定着部10の貫通孔に挿通され、桁の下側でくさびおよび定着プレート11を介してコンクリート桁4に定着されるものであり、この定着部10からジャッキによって所定の張力が導入される。
上記ケーブル12に外挿されて保護管となるポリエチレン管8は、主塔5のサドル部とコンクリート桁4の定着部との間の距離にほぼ等しい長さに調整されたものであり、上端部に連結用金具9が取り付けられ、上記サドル部を形成する鋼管材7と連結される。
【0027】
この斜張橋の施工は、橋脚を構築した後、主塔のコンクリートを順次打ち足して立ち上げていくとともに、コンクリート桁4を両側に所定の長さずづ順次張り出すように構築することにより行なう。そして、このコンクリート桁4が所定長さまで伸長されるごとに、主塔5との間に順次斜吊材6を張架する。
【0028】
次に、この斜吊材6を架設する方法であって、本願の請求項1から請求項4までのいずれかに記載の発明の一実施形態である斜ケーブルの架設方法について説明する。
先ず、斜吊材6の保護管となるポリエチレン管8の上端部を、主塔5に設けられたサドル部の左右両側にそれぞれ吊支持する。このときポリエチレン管8は、図4(a)に示すように、その自重によって下側にたわんだ状態となるが、このポリエチレン管8が折れ曲がらない程度に仮支持する。このような状態で、図4(b)に示すように一方のポリエチレン管8aの下端からワイヤ21を挿入し、このポリエチレン管8aの上端からサドル部の鋼管材7に導く。そして、このサドル部の鋼管材7を通過したワイヤ21を他方のポリエチレン管8bの上端から挿入して下端から引き出し、滑車22に掛け回して先端を斜吊材6の本体部分となるケーブル12すなわち複数の鋼より線の束の先端に連結する。
【0029】
ケーブル12の先端には、図6(a)に示すように紡垂形のガイド部材23が取り付けられており、上記ワイヤ21はこのガイド部材23の先端に接続される。なお、このガイド部材23はケーブル12がポリエチレン管8及びサドル部を円滑に通過するように案内するものである。また、この鋼より線の束12には、所定の位置にスぺーサー13が取り付けられている。このスぺーサー13は、図6(b)に示すように、やや厚い円板状の部材であって、貫通孔13aと周囲にほぼ半円状の切り欠き13bとがそれぞれ複数設けられており、これらに個々の鋼より線12aが挿通又は嵌め込まれ、鋼より線12aが外れないように線材24で結束されている。これにより、鋼より線12aの相互の位置関係が維持され、複数の鋼より線のねじれ又はよじれが防止される。また、架設後にサドル部に位置する部分の前後に取り付けられたスぺーサーによりサドル部で鋼より線がよじれることなく整然と配列され、破断に対する充分な耐力が維持される。
【0030】
上記ケーブル12は、図4(b)に示すように、ドラム状のアンリーラー25に巻き取られており、徐々にアンリーラー25から引き出すことができるようになっている。また、このケーブル12の引き出しには、所定の引張力を要するように引き出し抵抗が付与されており、ケーブル12の引き出し中には常にケーブル12に引張力が導入された状態を維持することができるようになっている。
【0031】
一方、このケーブル12に一端が連結されたワイヤ21の他端は、滑車26に掛け回されてウインチ27に導かれている。この滑車26は、斜吊材の下端の定着位置付近において、コンクリート桁4に取り付けられたものであり、後述のように、ワイヤ21に張力が導入されたときの張架される位置を定めるものである。
【0032】
このような状態で、上記ウインチ27によりワイヤ21を牽引し、張力を導入することにより、図5(a)に示すように、このワイヤ21およびこのワイヤが挿通されたポリエチレン管8a、8bのたわみが減少し、主塔5とコンクリート桁4との間で斜めに張り渡された状態となる。そして、さらにワイヤ21を牽引することによって、ケーブル12は上記ガイド部材23に案内されて、ポリエチレン管8b内に徐々に引き込まれていく。
【0033】
このとき、ケーブル12には引き出し抵抗が作用しているので、ワイヤ21及び引き出されたケーブル12には常にほぼ引き出し抵抗に相当する張力が作用しており、この張力によってワイヤ、ケーブル及びポリエチレン管は斜め方向でたわみが小さい状態に維持される。したがって、鋼より線を束ねたケーブル12は円滑にポリエチレン管8に引き込まれる。
【0034】
また、このようにケーブル12をポリエチレン管8bに引き込むときには、ポリエチレン管8bの下端部の変位を拘束するのが望ましい。これによりケーブル12とポリエチレン管8bとの摩擦によってポリエチレン管8bがその軸線方向に不規則に動くのが防止され、ケーブル12の引き込みが円滑に行なわれる。
【0035】
上記のようにして、一方のポリエチレン管8bに挿通されたケーブル12は、さらにサドル部の鋼管材7の内側に挿通され、他のポリエチレン管8aの上端から下方に挿通される。
なお、上記ケーブル12の後端は、アンリーラー25から全長が引き出されても、このケーブルに導入されている張力が維持できるように把持されており、上記のようにケーブル12を牽引して主塔の両側のほぼ所定位置まで引き出した時にも、ケーブル12のたわみがわずかに抑えられた状態に維持される。
【0036】
上記のように鋼より線を束ねたケーブル12がほぼ所定の位置に配置されると、両端部をそれぞれコンクリート桁4に設けられた定着部14の貫通孔内に引き込み、桁の下側から定着部に係止する。そして、保護管となるポリエチレン管8をサドル部の鋼管材7および下端の定着部14に接合するとともに、図5(b)に示すように、コンクリート桁4の下側から装着したジャッキ28によりケーブル12を緊張し、主塔5からコンクリート桁4を所定の位置で吊支持するように適切な張力を導入する。
【0037】
このような架設方法により、鋼より線が束ねられたケーブル12を主塔の両側に一括して配設することができ、架設中に鋼より線を支持する仮設ワイヤや大きなクレーンを必要とせず、簡単かつ迅速に架設することができる。
【0038】
次に、請求項5に記載の発明の一実施形態である斜ケーブルの架設方法について説明する。
このケーブルの架設方法が適用される斜張橋は、図7に示すように、主塔35の両側に配置される斜吊材36a、36bのケーブルが分割されたものであり、それぞれのケーブルの上端が主塔35に定着される構造となっている。
【0039】
このようにケーブルが分割されているときにも、図8(a)に示すように、保護管となるポリエチレン管38を、主塔35に設けられた定着部37のやや下方位置に仮に支持する。そして、主塔35に設けられた定着部の貫通孔37aに上側からワイヤ51を挿入し、さらにポリエチレン管38に挿通する。このワイヤ51の先端は、図8(b)に示すように、アンリーラー55に巻き取られているケーブル42に連結する。
一方、ワイヤの後方部は、主塔35の定着部付近に取り付けられた滑車52及びコンクリート桁34に取り付けられた滑車53に掛け回してウインチ54に接続され、牽引される。
上記のようにワイヤ51に張力が導入されることによって上端部が吊支持されたポリエチレン管38は、図9(a)に示すようにたわみが少ない状態で斜め方向に支持され、さらにワイヤ51を牽引することによって、鋼より線を束ねたケーブル42がポリエチレン管38及び主塔の定着部37に引き込まれる。
【0040】
なお、上記ケーブル42は、図1に示す斜張橋で用いられているものと同様に、先端にガイド部材が取り付けられており、中間部には適宜スぺーサーが取り付けられている。そして、アンリーラー55から抵抗が付与された状態で徐々に引き出され、後端はアンリーラー55又はコンクリート桁34に係止され、全長がアンリーラー55から引き出された時にも張力が導入された状態に維持される。
【0041】
上記のようにして斜め方向にケーブル42が配置されると、下端部をコンクリート桁34に設けられた定着部44に挿入し、該ケーブル42の両端をぞれぞれ主塔35及びコンクリート桁34の定着部に係止するとともに、コンクリート桁34の下側からジャッキ56によって適切な張力を導入する。この適切な張力とは、コンクリート桁34に過大な応力を生じることなく主塔35から斜めにコンクリート桁34を吊支持するのに充分な張力である。
このような工程は、主塔の反対側に張設される斜吊材についても同様に行なう。
【0042】
このようなケーブルの架設方法では、簡易に支持されたポリエチレン管(保護管)に、鋼より線が束ねられたケーブルを一括して下端から引き込むことによって、ケーブルが主塔部分で分割されている場合にも作業量を低減し、迅速にケーブルを架設することが可能となる。
【0043】
なお、以上に説明した実施の形態は、斜張橋のケーブルを架設するものであるが、本願に係る発明は斜張橋のケーブルに限定されるものではなく、桁橋又はトラス橋等において外ケーブルを張架する場合においても適用することができる。この場合には、サドル部又は上位の定着部は、横桁の上部又は桁もしくはトラスの上部に設けられる。また、下位の定着部は桁又はトラスの下部に設けられる。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本願発明に係るケーブルの架設方法では、管部材を簡易に支持し、これに鋼線又は鋼より線を束ねたケーブルを一括して引き込むので、少ない作業工数で迅速にケーブルを架設することができる。また、ワイヤの張力によって管部材を斜めに支持しながら、この管部材にケーブルを挿通することができ、仮設材が簡易化されて施工の経済性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 請求項1から請求項4までのいずれかに記載の斜ケーブルの架設方法を用いて構築することができる斜張橋の例を示す概略側面図である。
【図2】 図1に示す斜張橋の主塔に設けられたサドル部を示す概略断面図である。
【図3】 図1に示す斜張橋のコンクリート桁に設けられたケーブルの定着部を示す概略断面図である。
【図4】 図1に示す斜張橋における斜ケーブルの架設方法を示す概略図である。
【図5】 図1に示す斜張橋における斜ケーブルの架設方法を示す概略図である。
【図6】 図4及び図5に示す架設方法で用いられるケーブルを示す概略図である。
【図7】 請求項5に記載の斜ケーブルの架設方法を適用することができる斜張橋の主塔におけるケーブル定着部を示す概略断面図である。
【図8】 請求項5に記載の斜ケーブルの架設方法の一実施形態を示す概略図である。
【図9】 請求項5に記載の斜ケーブルの架設方法の一実施形態を示す概略図である。
【図10】 従来のケーブルの架設方法の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 橋台 2 橋台
3 橋脚 4 コンクリート桁
5 主塔 6 斜吊材
7 鋼管材 8 ポリエチレン管(保護管)
9 連結金具 10 定着部
11 定着プレート 12 ケーブル
13 スぺーサー 21 ワイヤ
22 滑車 23 ガイド部材
24 線材 25 アンリーラー
26 滑車 27 ウインチ
28 ジャッキ 33 橋脚
34 コンクリート桁 35 主塔
36 斜吊材 37 定着部
38 ポリエチレン管(保護管) 42 ケーブル
51 ワイヤ 52 滑車
53 滑車 54 ウインチ
55 アンリーラー 56 ジャッキ

Claims (5)

  1. 構造物の上部位置に、左右に連続するケーブルを支持するサドル部を設け、このサドル部の両側方の下部位置に設けられた定着部との間にケーブルを斜めに架設する方法であって、
    前記サドル部の両側部に、それぞれ該サドル部と前記定着部との距離にほぼ等しい長さの管部材の上端部を吊支持し、
    該管部材の一方の下端からガイドワイヤを該管部材に挿通し、サドル部及び他方の管部材内を通過させて、先端を複数の鋼線又は鋼より線を束ねたケーブルと連結し、
    該ガイドワイヤを牽引することによって、前記ケーブルを一方の管部材、サドル部及び他方の管部材内に引き込み、
    該ケーブルの両端を前記構造物の前記定着部に係止し、
    該ケーブルに所定の緊張力を導入するものとし、
    前記ガイドワイヤの牽引によってケーブルを管部材内に引き込む工程では、管部材に引き込まれる前のケーブルを所定の位置で引き出しが可能に保持し、このケーブルの引き出しには、該ケーブルを斜め方向に張架できる程度の引張力を要するように引き出し抵抗を付与しておき、管部材へ引き込み中のケーブルに上記抵抗に相当する力以上の張力を導入することを特徴とする斜ケーブルの架設方法。
  2. 請求項1に記載の斜ケーブルの架設方法において、
    前記ガイドワイヤの牽引によってケーブルを管部材内に引き込む工程では、管部材の前記ケーブルが引き込まれる下端部は、変位を拘束しておくことを特徴とする斜ケーブルの架設方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の斜ケーブルの架設方法において、
    前記サドル部は、構造物に湾曲する金属管を固定することによって形成し、
    前記管部材の上端部には、前記金属管と接合される連結金具をあらかじめ固着しておき、
    この連結金具を介して、前記サドル部付近に該管部材の上端部を吊支持し、
    前記ケーブルを該管部材内に挿通した後、前記連結金具を前記金属管に連結することを特徴とする斜ケーブルの架設方法。
  4. 請求項1、請求項2又は請求項3に記載のケーブルの架設方法において、
    前記ケーブルを前記管部材内へ引き込む前に、該ケーブルに複数の鋼線又は鋼より線の相対位置を拘束するスぺーサーを取り付けておくことを特徴とする斜ケーブルの架設方法。
  5. 構造物の上部位置に設けられた上位定着部と、下部位置に設けられた下位定着部との間に斜めにケーブルを架設する方法であって、
    前記上位定着部付近に、該上位定着部と前記下位定着部との間の距離にほぼ等しい長さの管部材を吊支持し、
    該管部材の上端からガイドワイヤを該管部材内に挿通して、該ガイドワイヤの先端を複数の鋼線又は鋼より線を束ねたケーブルに連結し、
    前記ガイドワイヤを上位定着部側から牽引することによって前記ケーブルを前記管部材内に挿通し、
    該ケーブルの両端部をそれぞれ前記上位定着部及び下位定着部に係止し、
    該ケーブルに所定の緊張力を導入する工程を含むものであり、
    前記ガイドワイヤの牽引によってケーブルを管部材内に挿通する工程では、管部材に引き込まれる前のケーブルを所定の位置で引き出しが可能に保持し、このケーブルの引き出しには、該ケーブルを斜め方向に張架できる程度の引張力を要するように引き出し抵抗を付与しておき、管部材へ引き込み中のケーブルに上記抵抗に相当する力以上の張力を導入することを特徴とする斜ケーブルの架設方法。
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