JP4334370B2 - 気相成長装置及び気相成長方法 - Google Patents

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本発明は、反応炉内に設けられる基板保持台上に基板を載置し、該基板表面に原料ガスを供給して薄膜を形成させる気相成長技術に係わり、特にIII-V族化合物半導体やSiC等の成長に適した気相成長装置及び気相成長方法に関する。
近年、化合物半導体の分野では、ガリウム砒素(GaAs),インジウムリン(InP),炭化珪素(SiC),窒化ガリウム(GaN)などといった化合物半導体基板上へのエピタキシャル薄膜成長技術が注目されている。この種の化合物半導体のエピタキシャル膜を成長させる有効な方法としては、有機金属気相成長法が知られている。
有機金属気相成長法では、化合物半導体基板を収容した反応管内に原料ガスを流し、成長温度となるように加熱された基板上に薄膜を成長させる。このとき、原料の枯渇を防ぐために管壁を原料の分解温度以下に保てばよいとの考察のもとに、管壁全体を冷却するのが一般的である。
ところが、単純に管壁全体を冷却する方法では基板の上流側で原料ガスを加熱できないので、分解反応を十分に起こすことができず、良質の結晶を成長できないという難点がある。また、基板上流側で原料ガスの加熱・分解が十分に進んでいないと、ウェハーの上で各原料ガスが異なる分解パターンを示し、ウェハー上で原料ガスの濃度分布を均一に保つことが困難になる。
有機金属気相成長法において、反応管内の基板以外のガスに接触する部分の冷却を行った場合、反応管内で生じた反応生成物(析出物)が、反応管の内壁に剥離し易い形態で堆積する。これらの堆積物は、反応管壁面から基板表面に飛来付着して、パーティクル等の表面欠陥の発生原因となる。また、反応管内壁に付着物が堆積すると、堆積物の影響によって、原料ガスの分解速度の変動や反応管内壁での熱輻射量の変動が起こる。このため、装置の使用に伴い付着物の状態が変わり、結晶成長条件の経時変化を防ぐことが困難となる。
パーティクル等の発生を抑制するために、ガスに接触する冷却部分の温度を冷えすぎないように制御したり(例えば、特許文献1参照)、パージガスを流して原料ガスが反応管内壁と接触しにくい構造を採用したりといった対策が取られてきた。しかし、これらの対策では、温度制御やパージガス流量の制御が難しく、付着物の発生を十分に防止できないという欠点があった。このため、基板対向部分を含めて装置内壁の一部分に、表面を粗化処理した被覆膜を設けることも試みられている(例えば、特許文献2参照)。このように表面を粗化した被覆膜上にはアモルファス或いは多結晶が堆積するために、これらの反応生成物が装置内壁から離脱することを完全に抑制することは困難である。このためこの方法でも、パーティクルの発生を完全に防止することは不可能である。実際この方法では、一定以上の厚さの結晶を堆積した後に、装置内壁上の反応生成物を除去することが必要となっている。
反応管内壁への付着物量を制御する方法として、GaN系結晶の成長においてウェハーと対向する位置にSiC板を設置することが試みられている(例えば、特許文献3参照)。SiC板を設置することで堆積物の剥離が抑制され、再現性,均一性が向上できることが確認されている。しかしながら、この種の方法を用いても、後述する理由により、均一な組成の薄膜を再現性良く成長させることは困難と考えられる。
特開平11−180796号公報 特開2001−240488号公報 特開平11−329976号公報
このように、化合物半導体基板上にIII-V族化合物半導体やSiCなどの薄膜を成長する場合、反応管内壁への付着物に起因するパーティクルの発生や原料ガスの分解速度の変動などを避けることができず、基板全面にわたってパーティクル等の表面欠陥のない均一な組成,膜厚を有する膜を形成するのは困難であった。
本発明は、上記問題点を解決すべくなされたものであり、パーティクル等の表面欠陥の発生を有効に抑制することができ、均一な組成の薄膜を再現性良く成長させることのできる気相成長装置及び気相成長方法を提供することを主な目的とする。
上記課題を解決するための本発明は、次のような構成を採用している。
即ち本発明は、有機金属気相成長法を利用した気相成長装置において、薄膜結晶の気相成長に供される反応炉と、この反応炉内に設置され被処理基板が載置される基板保持台と、前記基板の表面に対し実効的に平行な方向から原料ガスを供給する手段とを具備してなり、前記反応炉内の前記基板の表面に対向する壁面領域を、前記基板の表面よりも大きな範囲にわたって該基板と同一種の単結晶材料で形成し、且つ前記原料ガスの流れる方向に対する前記単結晶材料の長さAcmと前記基板の長さBcmの差(A−B)と、前記基板の表面から前記壁面領域までの距離Lcmとの関係が、A−B>4L 1/2 を満足するように前記単結晶材料の長さAを設定してなることを特徴とする。
また本発明は、有機金属気相成長法を利用した気相成長装置において、薄膜結晶の気相成長に供される反応炉と、前記反応炉内に設置され被処理基板が載置される基板保持台と、前記基板の表面に対し実効的に平行な方向から原料ガスを供給する手段と、前記反応炉内の前記基板の表面に対向する位置に配置され、前記基板よりも寸法が大きく該基板と同一の単結晶材料からなるダミー基板と、を具備し、且つ前記原料ガスの流れる方向に対する前記ダミー基板の長さAcmと前記被処理基板の長さBcmの差(A−B)と、前記被処理基板の表面から前記ダミー基板までの距離Lcmとの関係が、A−B>4L 1/2 を満足するように前記ダミー基板の長さAを設定してなることを特徴とする。
また本発明は、被処理基板の表面が反応炉内に露出するように該基板を基板保持台上に保持し、被処理基板に対し該基板の表面と実効的に平行な方向から原料ガスを供給して薄膜結晶を成長させる気相成長方法であって、前記基板の表面と対向する位置に、前記基板と同一種の単結晶材料からなり、該基板よりも寸法の大きなダミー基板を配置し、且つ前記原料ガスの流れる方向に対する前記ダミー基板の長さAcmと前記被処理基板の長さBcmの差(A−B)と、前記被処理基板の表面から前記ダミー基板までの距離Lとの関係が、A−B>4L 1/2 を満足するように前記ダミー基板の長さAを設定したことを特徴とする。
ここで、「実効的に平行な」方向について説明する。CVD法では流れ方向に原料ガスが枯渇することを防止して均一な成長を行うために、原料ガスを基板と平行な方向から僅かに上方(垂直な方向)に傾けた方向から吹き付けるように供給することが行われる。ところで、拡がり管で直線部分からの拡がり角を大きくしすぎると乱流が発生するが、拡がり角度を7度以下にすれば、乱流の発生を抑制しやすい。このため、CVD法ではガスの導入方向と基板表面とに14度以内の角度をつけて、乱流の発生を抑制しつつ均一な成長を行うことがしばしば行われる。上述の「実効的に平行に」とはこの範囲を示すものである。
本発明によれば、反応炉内壁の基板と対向する部分を基板よりも広く、基板と同一の種類の単結晶で形成し、これを例えばガス流制御壁とする。このような構成とすれば、単結晶上ではエピタキシャル成長が起こりやすい効果により、パーティクルの発生を抑制することができる。さらに、単結晶からなるガス流制御壁には稠密な膜が堆積されるので、堆積膜の剥離も起こりにくい。このため、基板対向面に付着した反応生成物が、基板表面に飛来・付着することを抑制することができる。従って、基板上に結晶欠陥の少ない均一な薄膜を再現性良く成長させることができる。
また、被処理基板に対向する位置に、該基板と同一の種類の単結晶からなるダミー基板を載置して結晶成長を行う。上記の説明と同様に、単結晶上ではエピタキシャル成長が起こりやすい効果により、ダミー基板上にはパーティクルが発生しにくく、堆積した膜は剥離しにくい。従って、ダミー基板上から被処理基板上にパーティクルが飛来・付着することを抑制でき、被処理基板上に高品質の結晶を成長することが可能になる。
また、基板に対向して載置した、基板より広く主基板と同種の単結晶よりなるガス流制御壁或いはダミー基板を加熱しながら結晶成長を行う。これにより、ガス流制御壁或いはダミー基板を加熱しながら結晶成長することで、ガス流制御壁或いはダミー基板上のエピタキシャル成長を促進し、基板対向面から基板に向けて堆積物が脱離・飛来することを抑制することができる。このため、被処理基板上に低欠陥の高品質な結晶を再現性良く成長することが可能となる。
発明の実施形態を説明する前に、前述した特許文献3に関して考察する。
特許文献3においては、SiC板として単結晶を用いることの効果は認識されておらず、多結晶SiCが用いられていると考えられる。何故なら、特許文献3中では赤外吸収体としてSiC板を用いると説明しており、炭素板でも同様の効果があると述べている。炭素板は単結晶材ではないので、SiCが単結晶であることの必要性は認識されていない。さらに、GaAs系,InP系では、堆積膜が炉内に堆積することで再現性が向上すると述べており、多結晶の付着物等が堆積した場合には、表面状態の経時変化が結晶成長の再現性に悪影響を与えていることは認識されていない。
また、特許文献3の出願当時には、単結晶SiCは直径φ2インチよりも大きなものを入手することは困難であったにも拘わらず、特許文献3の図3ではサファイア基板よりも大きなSiC板が記載されており、本文中ではφ2インチのウェハー上に成長した膜の面内分布についての記述が行われている。これらのことから、特許文献3におけるSiCがφ2インチよりも大きい多結晶であるのは明らかである。
しかし、本発明者がこの発明を鑑みるに多結晶SiC板を用いた場合、長期間の再現性は期待できないことが判明した。第1にGaAs等において、多結晶等の析出物が長期的には結晶成長の再現性を損なうものであり、本願発明に至っているからである。第2にSiC多結晶の表面には多結晶の堆積が起こり、多結晶成長に伴う凹凸が発生する。凹凸が発生すると、堆積物に変化が生じ凹凸が激しくなり堆積物が更に変化して、再現性が加速的に劣化し、これがパーティクル発生の要因となる。さらに、気相成長法では基板と気相との間に温度勾配があるので、凸部先端と凹部底部では温度差に伴い堆積物の違いが生じ、凸凹構造が加速的に大きくなり、再現性の低下につながる。
そこで本発明では、被処理基板の表面と対向する位置に配置する板として、多結晶ではなく単結晶を用いることを特徴としている。以下、本発明の詳細を図示の実施形態によって説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係わる気相成長装置の概略構成を示す断面図であり、特に基板配置部におけるガス流を一定に制御する石英製のフローチャンネルを用いた例を示している。
この装置は、III-V族化合物半導体のエピタキシャル成長膜を形成するために有機金属気相成長法を行うものである。有機金属気相成長法とは、トリメチルインジウム,トリメチルガリウム,トリエチルガリウム,トリメチルアルミニウムといったいわゆる有機金属とアルシン,ホスフィンといったガスをキャリアガスである水素或いは窒素と共に反応管内に導入、成長温度となるように加熱された基板上で薄膜を成長させる方法である。原料としてはアルシン、ホスフィンの代わりにトリメチル砒素、ターシャルブチルアルシン等の有機金属を用いる場合もある。SiC成長の場合には、原料としてシランとプロパンあるいはアセチレン等が用いられる。
リアクター(反応炉)10内に、フローチャンネル3としての石英製の反応管が設置されている。原料導入配管1を通ってリアクター10内に導入された原料ガスは、ディフューザー2を通って広げられて、フローチャンネル3に導入される。原料ガスは、フローチャンネル3の内部で、結晶成長を行うための被処理基板4とこの基板4と同一種類の単結晶よりなるガス流制御壁5とに接する。
ここで、より具体的には、フローチャンネル3の下部壁には基板4を下側から挿入するための基板用載置機構である開口が設けられており、フローチャンネル3の上部壁には、下部開口と対向する位置に該開口よりも寸法の大きな基板用載置機構である開口が設けられている。そして、上部開口内には、基板4と同一の種類の単結晶よりなる基板(ガス流制御壁5)が埋め込まれている。なお、基板4と同一の種類の単結晶よりなるガス流制御壁5は、フローチャンネル3に固定されていても、フローチャンネル3から取り外し可能な部材であってもよい。また、フローチャンネル内のガス流の乱れを防止するためには、基板4の表面がフローチャネル3の下部内壁面とほぼ面一となるのが望ましい。
基板4は、主基板保持台兼加熱器であるサセプター6上に載置されている。サセプター6は、RFコイル8a,8bにより加熱される。基板4上で結晶成長が終了したガスは排気用ポート9により排出される。リアクター10内で原料ガスが逆流しないようにパージ用ポート11からはパージ用ガスが導入されている。なお、加熱源としてはRFコイルの他に、抵抗加熱用のヒーター或いはランプ加熱といった通常の加熱方法を種々用いることができる。
このような構成であれば、ガス流制御壁5は基板4と同一の材料で形成されているために、周囲のフローチャンネル3の上面と比べて赤外吸収が大きく温度が高い。また、石英表面と異なり、単結晶基板上では原料ガスの分解も起こりやすい。このため、原料ガスはフローチャンネル3の石英面上ではあまり分解せず、ガス流制御壁5の上流部分に達すると急激に分解する。単結晶基板上では単結晶のエピタキシャル成長が起こりやすいので、急激に分解した原料ガスの一部はガス流制御壁5上で稠密な結晶を形成し、残りのガスは、基板4上とガス流制御壁5の下流部分に単結晶エピタキシャル膜を形成する。このため、粉体状の反応副生成物が、フローチャンネル3の内側の基板4に対する対向面上に堆積されることが抑制される。
また、ガス流制御壁5は、基板4よりも広く、基板4の上面を覆いつくしている。このため、基板4上にパーティクルが付着して、エピタキシャル膜中に結晶欠陥が導入されることが抑制される。また、ガス流制御壁5が基板4と同種の単結晶なので、基板4上へのエピタキシャル成長の際に、ガス流制御壁5上にもエピタキシャル成長が起こる。このため、結晶成長を繰り返しても、ガス流制御壁5の表面状態の変化は小さい。
一方、原料ガスが、ガス流制御壁5に到達するまでは分解しにくいことから、ガス流制御壁5上流のフローチャンネル3の上面内側に反応副生成物の堆積は起こりにくく、状態の変化は少ない。さらに、基板4と同一の種類の単結晶からなるガス流制御壁5とフローチャンネル3の上面の他の部材とを比較すると、ガス流制御壁5上にエピタキシャル成長が起こる方がエネルギー的に有利になる。このため、ガス流制御壁5の周辺では分解した原料ガスは選択的にガス流制御壁5上に吸着される傾向にある。この材料の特性も、フローチャンネル内側の上面において、ガス流制御壁5の周辺に反応副生成物が堆積することを抑制する。
結晶成長後においても、ガス流制御壁5上ではエピタキシャル成長により表面状態の変化が小さく、ガス流制御壁5周辺のフローチャンネル3の上面内側では反応副生成物の堆積が少ないために表面状態の変化が小さい。このため、本実施形態の気相成長装置を用いた場合、フローチャンネルの表面状態の変化が結晶成長条件に影響を与えることが少なく、再現性良く結晶成長を行うことができる。
なお、本実施形態においては、基板用搭載置機構として開口を設けたが、貫通した穴であっても溝、基板の厚さと同程度の高さの基板固定構造、或いはワイヤー等であっても良い。基板用載置機構は、基板表面がガスに面して載置できることだけが必要であり、例えば、平板の上に基板をおくだけでも良い。
本発明者は多種多様なエピタキシャル成長を行い、各成長条件を比較検討した。その結果、下記の(表1)に示すように気相成長で化合物半導体結晶のエピタキシャル成長を行う場合、キャリアガスの平均線速が1.8m/s以上であれば、良質な結晶を成長することが可能であることを見出した。
Figure 0004334370
この条件を満たしつつ、フローチャンネル3内部で発生した析出物が基板4の表面に落下することを防ぐためには、基板4に対向するガス流制御壁5の大きさに制約がある。この大きさは、図2に示すように、概略、(基板と同一の種類の単結晶の長さ−基板の長さ)>4√(基板からガス流制御壁までの高さ)の関係となる。ガスの流れ方向に対してこの条件を満たすことが、ガス流制御壁5が基板4よりも広いことの必要条件となる。なお、ガス流に対して垂直方向に対しては、ガス流制御壁5が基板4よりも長さが長く、基板4の法線方向を覆いつくしていることが、ガス流制御壁5が基板4よりも広い条件となる。
このように本実施形態によれば、フローチャンネル3の基板4に対向するガス流制御壁5を、基板4と同じ単結晶で形成することにより、ガス流制御壁5に単結晶以外の反応生成物が発生するのを抑制でき、原料ガスの反応に伴う反応副生成物が基板表面に付着してパーティクル等の表面欠陥を生じる事態を回避して良質なエピタキシャル薄膜を成長させることができる。従って、パーティクル等の表面欠陥の発生を有効に抑制することができ、均一な組成の薄膜を再現性良く成長させることができる。
なお、フローチャンネル3の上面の材料には、基板4に対して、赤外吸収が小さく表面エネルギーが小さい材料を用いればよい。石英以外には、サファイア等を用いることが考えられる。被処理基板としてSiCよりもバンドギャップの小さな化合物半導体を用いる場合には、フローチャンネル3上面の材料にSiCを用いることもできる。
また、フローチャンネル3とガス流制御壁5の接触部分に断熱材を挟むことで、ガス流制御壁5とフローチャンネル3との温度差をより大きくとることができる。この断熱材としては、石英部材,サファイア,セラミックス,カーボンウール等が考えられる。
本実施形態では、リアクター10の内部に原料ガス導入管1,ディフューザー2,フローチャンネル3を設けている。ガス流制御壁5が固定式である場合、フローチャンネル3との接着部分の気密が保てれば、フローチャンネル3の出口部分に排気用ポート9を直接結合して、外部のリアクター10をなくすことも可能であるが、一般には、基板4と同一の単結晶よりなるガス流制御壁5は割れやすいと考えられるので、リアクター10内にフローチャンネル3を設けることが安全上必要である。
(第2実施形態)
図3は、本発明の第2の実施形態に係わる気相成長装置の概略構成を示す断面図である。なお、図1と同一部分には同一符号を付して、その詳しい説明は省略する。
基本的な構成は図1と同じであり、本実施形態ではこれに加えて、ガス流制御壁5を加熱するためにグラファイトよりなる加熱用ブロック7が設けられている。サセプター6と加熱用ブロック7は、RFコイル8a,8bにより加熱される。RFコイル8a,8bは一体の物でも良いが、それぞれが平板型のRFコイルであれば、RFコイル8aとRFコイル8bでサセプター6と加熱用ブロック7をそれぞれ独立に加熱することができ、基板4とガス流制御壁5を独立に加熱・温度制御することができる。なお、加熱源としてはRFコイルの他に、抵抗加熱用のヒーター或いはランプ加熱の通常の加熱方法を種々用いることができる。
このような構成であれば、ガス流制御壁5を加熱することで、ガス流制御壁5上で欠陥の少ない単結晶エピタキシャルを成長することができる。例えば、GaAsでは470℃、GaNでは820℃、SiCでは1300℃以上とすれば、基板上で適当な成長条件を選ぶことでガス流制御壁5でも単結晶エピタキシャル膜の成長が可能となる。エピタキシャル膜の結晶欠陥が低減できると、ガス流制御壁5上の堆積物の剥離をより確実に抑制できるようになる。このため、原料ガスの反応に伴う反応副生成物が被処理基板4の表面に付着してパーティクル等の表面欠陥を生じる事態を回避して良質なエピタキシャルの剥離をより良く抑制できるようになる。
なおここで、加熱用ブロック7外周がガス流制御壁5よりも小さく、フローチャンネル3の上面にはガス流制御壁5ないし断熱部材を介してしか熱を加えられないようにすれば、フローチャンネル上面とガス流制御壁5の温度差を大きくとることができる。温度差を大きくして、ガス流制御壁5外部のフローチャンネル上面の温度を下げることで、ガス流制御壁5上流で原料ガスが分解することを抑制することができ、粉体上の反応副生成物が発生することをより確実に抑制することができる。
このように本実施形態によれば、ガス流制御壁5の温度を制御して基板4の対向面に粉体状の反応副生成物の堆積が起こることを抑制することで、第1の実施形態以上に、基板4上に欠陥の少ない高品質の結晶を再現性良く堆積することができる。
(第3の実施形態)
図4は、本発明の第3の実施形態に係わる気相成長装置の概略構成を示す断面図である。なお、図1と同一部分には同一符号を付して、その詳しい説明は省略する。
本実施形態が先に説明した第1の実施形態と異なる点は、ガス流制御壁5の代わりに、ダミー基板12を配置したことにある。即ち、フローチャンネル3には、基板4を配置するための下部開口(被処理基板用開口)と対向する位置に、下部開口よりも寸法の大きな上部開口(ダミー基板用開口)が設けられている。そして、この上部開口を外側から塞ぐように、被処理基板4と同じ単結晶材料からなるダミー基板12が設けられている。また、第2の実施形態と同様に、ダミー基板12を加熱するための加熱用のブロックを設けてもよい。
このような構成であれば、被処理基板4の表面と対向する領域に基板4と同じ単結晶からなるダミー基板12が配置されているので、第1の実施形態と同様に、基板4の対向領域に単結晶以外の反応生成物が発生するのを抑制でき、原料ガスの反応に伴う反応副生成物が基板表面に付着してパーティクル等の表面欠陥を生じる事態を回避して良質なエピタキシャル薄膜を成長させることができる。また、ダミー基板12を加熱するための加熱用のブロックを設けることにより、第2の実施形態と同様の効果が得られる。
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態として、気相成長装置における被処理基板4とガス流制御壁5或いはダミー基板12との位置関係の例を説明する。
図5は、枚様式の装置において被処理基板4とガス流制御壁5との位置関係を示したものである。基板4に対して反応物到達距離(析出物が落下した時に到達する距離)13の分だけ上流側から基板4を被う、或いはそれよりも大きい大きさのガス流制御壁5を設けている。ガス流制御壁5として、基板4よりもサイズの大きな基板4と同一の種類のウェハー(ダミー基板12)を用いることもできる。
例えば、被処理基板4が2インチの場合、フローチャンネル3の高さ(基板4の表面からガス流制御壁5までの高さ)が1.65cm以下の場合には4インチのウェハーを、フローチャンネル3の高さが3.7cm以下の場合には5インチのウェハーを、フローチャンネル3の高さが6.6cm以下の場合6インチのウェハーをガス流制御壁5として用いることができる。基板が3インチの場合、フローチャンネル3の高さが1.65cm以下の場合には5インチのウェハーを、フローチャンネル3の高さが3.7cm以下の場合には6インチのウェハーをガス流制御壁5として用いることができる。基板4が4インチの場合、フローチャンネル3の高さが1.65cm以下の場合には6インチのウェハーをガス流制御壁5として用いることができる。
ここで、それぞれのサイズの被処理基板4に対して、ガス流制御壁5として用いるウェハーの両側を基板4よりも狭くならないように切り落とせば、基板4のサイズに見合ったフローチャンネル3を用いることができる。
このような構成とすれば、ガス流制御壁5として市販のウェハーをそのまま用いることができる。そしてこの場合、ガス流制御壁5を交換する場合においても、同質の優れた特性の結晶を安価かつ容易に入手することができる。このため、各サイズの基板4上に欠陥の少ない良質の結晶を低コストで再現性良く成長することができる。
(第5の実施形態)
図6は、本発明の第5の実施形態における被処理基板4とガス流制御壁5或いはダミー基板12との大きさの関係の例を示す図である。
本実施形態は、ウェハーが公転する型の装置であり、原料導入部分が公転系の外側にある場合を示す。この場合、複数のウェハーを公転させるときの公転円14の外周を考えて、公転円14から公転円14が反応物到達距離13の分だけガス流に対して上流まで移動した軌跡全体を被うよりも大きな、ガス流制御壁5を用意する必要がある。
ここで、公転円14よりも狭くならない範囲でガス流制御壁5の側部を整形することができる。基板4が2インチ×3枚の場合、フローチャンネル3の高さが0.7cm以下であれば直径5インチのウェハーを、フローチャンネル3の高さが1cm以下であれば直径6インチのウェハーをガス流制御壁5として用いることができる。基板が2インチ×4枚の場合、フローチャンネル3の高さが0.8cm以下であれば直径6インチのウェハーをガス流制御壁5として用いることができる。基板が2インチ×5枚でフローチャンネル3の高さが0.6cm以下であれば、直径6インチのウェハーをガス流制御5として用いることができる。
このような構成とすれば、複数のウェハーを成長する公転型の装置においても、全ての基板4上に欠陥の少ない良質の結晶を成長することができる。
(第6の実施形態)
図7は、本発明の第6の実施形態を説明するためのもので、基板搭載部の構造を示している。
本実施形態は、ウェハーが公転する型の装置であり、原料ガスは公転軸周辺の原料供給口15から供給される。この場合、被処理基板4が直径2インチ×3枚でありフローチャンネル3の高さが0.7cm以下、或いは基板4が直径2インチ×4枚でありフローチャンネル3の高さが0.6cm以下であれば、ガス流制御壁5として直径6インチのウェハーを用いることができる。この条件を満たせば、原料供給口15と基板4の距離を反応物到達距離13よりも大きくすることと、ガス流制御壁5が基板4の公転円14全体を覆うことが同時に達成できる。
このような構成とすれば、複数のウェハーを成長する公転型で中心から原料ガスを供給する、均一性の高いエピタキシャル成長が可能な装置においても、全ての基板4上に欠陥の少ない良質の結晶を成長することができる。
なおここでは、ガス流制御壁5に1枚のウェハーを用いる例を挙げたが、複数のウェハーを組み合わせて使用することで被処理基板4の枚数が多い場合或いは基板4のサイズが大きい場合にも適用可能である。
上述のガス流制御壁5は、第1の実施形態に限らず、第2の実施形態にも同様に適用できる。更に、ウェハーをガス流制御壁としてではなく、ダミー基板12と考えれば第3の実施形態に同様に適用できる。
(第7の実施形態)
次に、本発明の第7の実施形態として、被処理基板としてGaAs基板を用いるIII-V族化合物半導体の結晶成長方法の概略を説明する。
図8は、本実施形態に用いた横型反応炉の概略構成を示す断面図である。図9は、サセプター部分の組立構造を示す斜視図である。なお、図1と同一部分には同一符号を付して、その詳しい説明は省略する。
III 族原料及びV族原料には、それぞれトリエチルガリウム(TEG)、ターシャリーブチルアルシン(TBA)を用いた。これらの原料ガスは、水素キャリアガスにより導入管1よりディフューザー2を通ってフローチャンネル3に導入される。直径2インチの(001)GaAsの被処理基板4は、カーボンサセプタ6上に置かれ、高周波加熱器より加熱される。GaAs基板4は、フローチャンネル3内に表面が露出するように配置されている。フローチャンネル3は側面が石英で形成されており、上面の一部には石英面16が設けられており、石英面16から主基板4上に向けて石英張り出し部分16bが設けられている。
フローチャンネルの被処理基板4に対向する部分には6インチ(001)GaAsウェハーから切り出した横幅100mm×長さ100mmのGaAsのダミー基板12が設けられている。ダミー基板12は端部が前述の石英張り出し部分16bに載置されている。フローチャンネル3の高さは1.2cmあり、ダミー基板12とGaAs基板4の間も1.2cm離れている。ダミー基板12はGaAs基板4に対して反応物到達距離13よりも長い4.5cm上流側にはみ出し、下流側には0.5cmはみ出す位置に載置されている。さらに、ダミー基板12の背面には加熱用ブロック7が設けられており、ダミー基板12、加熱用ブロック7及びフローチャンネル3の上面の石英面16及び側面の一部を覆うように石英カバー17が設けられている。石英カバー17を設けることで、GaAsウェハーより切り出したダミー基板12の熱分解を抑制することができる。
ダミー基板12としてGaAsウェハーを用いた場合と比較するために、ダミー基板12の代わりに石英板を置いて結晶成長を試みた。結晶成長は、TEG供給量27μmol/min、TBA供給量260μmol/min、キャリアガスとして水素を20リットル/minを供給し、成長温度は650℃とした。GaAsのダミー基板の代わりに石英用いてGaAs成長を行った場合、1回目に成長した結晶ではパーティクル数は数個/cm2 であったが、2回目には数千個/cm2 、3回目には数万個/cm2 と、結晶成長数回目以降に急激に結晶表面のパーティクル数が増大した。
これに対して、GaAsウェハーから切り出したダミー基板12の場合にはパーティクル数には殆ど変動がない。これは、GaAs単結晶上ではGaAs単結晶エピタキシャル膜の堆積が起こるために、分解したTBAから発生するAsが、GaAs単結晶として固体化されて、過剰なAsによる析出物の発生が抑制され、GaAs基板4上へのパーティクルの落下が抑制されるためである。さらに、GaAs単結晶基板上に単結晶層をエピタキシャル成長した場合には、Asが固体として単結晶板表面に付着しにくく、過剰なAsは気相中へ再蒸発しやすいことも寄与している。後者の効果は、ウェハー対向面にGaAs単結晶のダミー基板を用いた場合には石英板を用いた場合と比べて、V族原料の利用効率が上がりGaAsの主基板4上に良質な結晶が成長するために必要なV/III 比を小さくすることができるメリットも生み出している。
なお、加熱用ブロック7を470℃以上に加熱することにより、ダミー基板12の上にもGaAs或いはGaInAsの単結晶の成長が可能になる。このため、GaAsのダミー基板12上へのAsの析出が減少し、GaAs基板4上へのパーティクルの堆積も低減できる。
このように本実施形態によれば、第3の実施形態と同様に、被処理基板4の表面と対向する領域に基板4と同じ単結晶からなるダミー基板12が配置されているので、基板4の対向領域に単結晶以外の反応生成物が発生するのを抑制でき、原料ガスの反応に伴う反応副生成物が基板表面に付着してパーティクル等の表面欠陥を生じる事態を回避して良質なエピタキシャル薄膜を成長させることができる。基板4上に成長する半導体は必ずしもGaAsに限らず他の半導体の製造に適用できるが、特にGaAs等のIII-V族化合物半導体の成長に適用して大きな効果が得られる。
III-V族化合物半導体は蒸気圧の高い元素と低い元素との組み合わせでできている。気相成長でIII-V族化合物半導体を形成する場合、蒸気圧の高い元素を蒸気圧の低い元素に対して過剰に供給する必要がある。このため、蒸気圧の高い元素により大量の堆積物が生成されることがパーティクル発生の要因となる。蒸気圧の高い材料の付着量が低減できる温度に基板と対向するガス流制御壁或いはダミー基板を加熱することで、基板周辺での粉体の副反応物の生成量を抑制することができ、基板上に粉体が付着して結晶欠陥を生成することを抑制することができる。このため、原料ガスの反応に伴う反応副生成物が被処理基板表面に付着してパーティクル等の表面欠陥を生じる事態を回避して良質なIII-V族化合物半導体エピタキシャル薄膜を成長させることができる。
単結晶基板上では原料ガスの分解が起こりやすいため、原料ガスはガス流制御壁の上流側部分(本実施形態ではダミーウェハー12の上流側部分)に達すると急激に分解する。このため、本発明を用いた場合、通常は分解の起こりにくい原料がガス流量制御壁上で効率良く分解でき、原料の分解効率の温度依存性を小さくし、原料の利用効率を向上できる利点がある。この効果も過剰な原料供給に伴う副生成物の発生量を抑制する効果を有し、副生成物により引き起こされる比処理基板上に成長した結晶中での結晶欠陥の発生を抑制する効果を有する。
通常は分解の起こりにくい原料がガス流量制御壁上で効率よく分解でき、原料の分解効率の温度依存性を小さくし、原料の利用効率を向上できる効果は、分解効率の異なる複数の原料の利用が不可欠な化合物半導体の気相成長において、原料間の利用効率の差を縮小することになり経済性を向上できる。また、原料の分解が被処理基板上流側急激に進むために、流れ方向の濃度分布の発生を抑制できる。相分離或いは転位の導入を抑制するために550℃以下の低温成長の必要なGaInAsN/GaAs系、GaAlAsSb系、高歪GaInAs/GaAs系或いはInAsN/GaN系結晶、InAs/GaAs量子ドットのような系の成長においては、原料の分解効率が低いことが問題となるので、特に本特許の原料の利用効率を上げる効果が大きい。
(変形例)
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではない。実施形態では、反応炉内に、被処理基板の配置領域において流路を十分狭くしてガス流を一定に制御するフローチャンネルを設置したフローチャンネル方式を採用したが、必ずしもフローチャンネル方式に限らず通常の反応管を用いることもできる。この場合、図10に示すように、反応管自体で反応炉を構成し、反応管30内に設置されたサセプター6上に被処理基板4を載置するようにしても良い。さらに、ダミー基板12を反応管30内の被処理基板4と対向する位置に設置するようにしても良い。
また、ガス流制御壁やダミー基板は、被処理基板と組成が近いものであれば良く、必ずしも被処理基板と全く同じ単結晶である必要はない。
また、被処理基板上に成長させる薄膜としては、基板と同一の材料、2元系の化合物半導体であるGaAs,InP,GaN,インジウム砒素(InAs),ガリウムアンチモン(GaSb)等に限らず、3元系以上の化合物半導体であっても良い。例えば、インジウムガリウム砒素(InGaAs),インジウムガリウム窒素砒素(InGaNAs),インジウムガリウム砒素アンチモン(InGaAsSb),インジウムガリウム砒素窒素アンチモン(InGaAsNSb),インジウムガリウムリン(InGaP),アルミニウムインジウムリン(InAlP),インジウムガリウムアルミニウムリン(InGaAlP),アルミニウムガリウム砒素(AlGaAs),インジウムアルミニウム砒素(InAlAs),インジウムアルミニウムガリウム砒素(InGaAlAs),ガリウム砒素アンチモン(GaAsSb),アルミニウムガリウムアンチモン(AlGaSb),アルミニウムガリウムアンチモン砒素(AlGaSbAs),アルミニウム砒素アンチモン(AlAsSb),インジウムガリウム窒素(InGaN),アルミニウムガリウム窒素(AlGaN),インジウムガリウム砒素リン(InGaAsP)等の、いわゆる混晶層の製造に適用することができる。
また、III-V族化合物半導体の代わりに、SiCの成長に適用することもできる。SiCのCVD成長では、低温でSiH4 が分解してSiのパーティクルが発生することが、結晶の特性を劣化させる要因となる。本発明では、被処理基板と同一種からなる単結晶ガス流制御壁或いはダミー基板を加熱してカーボン原料の分解を促進してSiCを堆積させることで、被処理基板の周辺でのSiパーティクルの発生を抑制することができる。
また、III-V族化合物半導体やSiCに限らず、他の半導体材料の成長に用いることも可能である。例えば、カドミウムセレン(CdSe),ジンクセレン(ZnSe),ジンク硫黄(ZnS),マグネシウムセレン(MgSe)、或いはこれらの混晶のようなII−VI族化合物半導体やSiGeのようなIV−IV族半導体混晶、カッパー銀セレン(CuAgSe)のようなカルコパイライト半導体、或いはカルコパイライト間の混晶半導体等の複数の原料を用いる結晶の成長に適用することができる。
なお、薄膜の成長が、パターン上や選択成長、量子細線や量子ドットの成長、埋め込み成長等を含むことは言うまでもない。
また、フローチャンネルを構成する反応管の形状や材料、ガス流制御壁やダミー基板の大きさ、加熱手段の方式等の条件は、仕様に応じて適宜変更可能である。
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施することができる。
第1の実施形態に係わる気相成長装置の概略構成を示す断面図。 第1の実施形態における反応物到達距離を説明するためのもので、ガス流制御壁までの高さと必要なウェハーサイズとの関係を示す特性図。 第2の実施形態に係わる気相成長装置の概略構成を示す断面図。 第3の実施形態に係わる気相成長装置の概略構成を示す断面図。 第4の実施形態を説明するためのもので、被処理基板の大きさとガス流制御壁又はダミー基板の大きさ及び配置位置との関係を示す図。 第5の実施形態を説明するためのもので、複数枚の被処理基板の公転円とガス流制御壁又はダミー基板との大きさの関係を示す図。 第6の実施形態を説明するためのもので、複数枚の被処理基板の公転円とガス流制御壁又はダミー基板との大きさ及び配置位置の関係を示す図。 第7の実施形態に使用した気相成長装置の概略構成を示す断面図。 第7の実施形態におけるフローチャンネル及びダミー基板の組立構造を示す斜視図。 本発明の変形例に係わる気相成長装置の概略構成を示す断面図。
符号の説明
1…原料ガス導入管
2…ディフューザー
3…フローチャンネル
4…被処理基板
5…ガス流制御壁
6…サセプター
7…加熱用ブロック
8a,8b…RFコイル
9…排気用ポート
10…リアクター(反応炉)
11…パージ用ガス導入管
12…ダミー基板
13…反応物到達距離
14…公転円
15…原料供給口
16…石英面
16b…石英張り出し部分
17…石英カバー
30…反応管

Claims (10)

  1. 薄膜結晶の気相成長に供される反応炉と、この反応炉内に設置され被処理基板が載置される基板保持台と、前記基板の表面に対し実効的に平行な方向から原料ガスを供給する手段とを具備してなり、
    前記反応炉内の前記基板の表面に対向する壁面領域を、前記基板の表面よりも大きな範囲にわたって該基板と同一種の単結晶材料で形成し、且つ前記原料ガスの流れる方向に対する前記単結晶材料の長さAcmと前記基板の長さBcmの差(A−B)と、前記基板の表面から前記壁面領域までの距離Lcmとの関係が、
    A−B>4L 1/2
    を満足するように前記単結晶材料の長さAを設定してなることを特徴とする気相成長装置。
  2. 前記被処理基板を加熱する加熱手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の気相成長装置。
  3. 前記基板と同一種の単結晶材料からなる壁面領域を加熱する加熱手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の気相成長装置。
  4. 前記反応炉内に、前記原料ガスの流量を基板配置部で一定とするための反応管が設置され、この反応管の基板配置部の壁部に前記基板の表面が前記反応管内に露出するように該基板を配置するための基板載置機構が設けられ、該基板載置機構に対向する前記反応管の壁部が前記基板と同一種の単結晶材料で形成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の気相成長装置。
  5. 薄膜結晶の気相成長に供される反応炉と、
    前記反応炉内に設置され被処理基板が載置される基板保持台と、
    前記基板の表面に対し実効的に平行な方向から原料ガスを供給する手段と、
    前記反応炉内の前記基板の表面に対向する位置に配置され、前記基板よりも寸法が大きく該基板と同一の単結晶材料からなるダミー基板と、
    を具備し、且つ前記原料ガスの流れる方向に対する前記ダミー基板の長さAcmと前記被処理基板の長さBcmの差(A−B)と、前記被処理基板の表面から前記ダミー基板までの距離Lcmとの関係が、
    A−B>4L 1/2
    を満足するように前記ダミー基板の長さAを設定してなることを特徴とする気相成長装置。
  6. 前記被処理基板を加熱する加熱手段を備えたことを特徴とする請求項5記載の気相成長装置。
  7. 前記ダミー基板を加熱する加熱手段を備えたことを特徴とする請求項5又は6記載の気相成長装置。
  8. 前記反応内に、前記基板の表面に対し実効的に平行な方向から原料ガスを供給し、該原料ガスの流量を基板配置部で一定とするための反応管が設置され、この反応管の基板配置部の壁部に前記基板の表面が前記反応管内に露出するように該基板を配置するための被処理基板用開口が設けられ、この被処理基板用開口に対向する前記反応管の壁部に該開口よりも大きなダミー基板用開口が設けられ、このダミー基板用開口を塞ぐように前記ダミー基板が配置されることを特徴とする請求項5〜7の何れかに記載の気相成長装置。
  9. 前記薄膜結晶は、III-V族化合物半導体又はSiCであることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の気相成長装置。
  10. 被処理基板の表面が反応炉内に露出するように該基板を基板保持台上に保持し、被処理基板に対し該基板の表面と実効的に平行な方向から原料ガスを供給して薄膜結晶を成長させる気相成長方法であって、
    前記基板の表面と対向する位置に、前記基板と同一種の単結晶材料からなり、該基板よりも寸法の大きなダミー基板を配置し、且つ前記原料ガスの流れる方向に対する前記ダミー基板の長さAcmと前記被処理基板の長さBcmの差(A−B)と、前記被処理基板の表面から前記ダミー基板までの距離Lとの関係が、
    A−B>4L 1/2
    を満足するように前記ダミー基板の長さAを設定したことを特徴とする気相成長方法。
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