JP4961888B2 - 気相成長装置、及び化合物半導体膜の成長方法 - Google Patents

気相成長装置、及び化合物半導体膜の成長方法 Download PDF

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本発明は、気相成長装置、化合物半導体膜及びその成長方法に関する。
窒化アルミニウム(AlN)、窒化ガリウム(GaN)、ガリウム砒素(GaAs)、インジウム燐(InP)等の化合物半導体は、発光素子、高速電子デバイスに好適に用いられている。このような化合物半導体からなる結晶は、通常、有機金属気相成長法(MOCVD法)やハイドライド気相成長法(HVPE法)を用いて基板上に成長される。特に、HVPE法を用いると、高速でこれらの単結晶を成長することができる。
HVPE法を行うための気相成長装置としては、例えば非特許文献1に記載されたものが挙げられる。このような気相成長装置は、AlN単結晶を成長するときにも用いられ、反応管にアンモニア(NH)を導入するNHガス導入管と、反応管に三塩化アルミニウム(AlCl)を導入するAlClガス導入管と、基板支持台とを備えている。このような気相成長装置を用いたAlNの成長は、以下の手順によっておこなわれる。
(1)反応管にキャリアガス(水素ガス、窒素ガス)を導入し、基板支持台が1200℃程度になるまで昇温する。
(2)NHガス導入管からNHを導入し、基板支持台の温度が安定するまで保持する。
(3)AlClガス導入管からAlClを導入し、基板上にAlN結晶膜が所定厚さになるまで成長させる。このとき、反応管内の基板上ではNHとAlClが反応しAlN膜が成長する。
(4)AlN膜が所定厚さになったら、AlClの導入を停止しキャリアガスを流しながら、ヒーターを停止し、反応管が室温になるまで降温させる。温度が十分に低下したら容器内の表面にAlN膜が成長した基板を取り出す。
T.Goto他、JOURNAL OF MATERIAL SCIENCE 27(1992)p.247
しかしながら、上述の気相成長装置では、NHガスとAlClガスとを混合させるのにある程度の時間を要するので、AlN単結晶の成長速度を向上させることはできない。
本発明は、上記事情に鑑みて為されたものであり、化合物半導体膜の成長速度を向上させることができる気相成長装置、化合物半導体膜及びその成長方法を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するため、本発明の気相成長装置は、第1の原料ガスと第2の原料ガスとを混合し化合物半導体を成長するための反応管と、反応管内に挿入されており、第1の原料ガスを反応管内に供給するための第1の供給管と、反応管に接続されており、第2の原料ガスを反応管内に供給するための第2の供給管と、第1の供給管の反応管内に位置する端部に形成された第1の供給口の近くに基板を保持する基板ホルダとを備え、第1の供給管の外壁が反応管の内壁と対向する部分を有することによって、第1の供給管と反応管とが二重管構造を形成しており、第1の供給管の外壁と反応管の内壁との間に形成される空間が第2の原料ガスの流路となるように第2の供給管が反応管に接続されており、第1の原料ガスを供給するための第1の供給口は、下流側に向かうに連れて広くなっており、第1の供給管の外壁と反応管の内壁とによって形成されており、第2の原料ガスを供給するための第2の供給口は、下流側に向かうに連れて狭くなっている。
本発明の気相成長装置では、第1の供給管の反応管内に位置する端部において、第1の原料ガスの平均流速が下流側に向かうに連れて減少し、第2の原料ガスの平均流速が下流側に向かうに連れて増大する。よって、第2の原料ガスが第2の供給口を通過する時に、第2の原料ガスは第1の供給管の内側に向かって急速に広がるため、渦が発生する。この渦により、第1の原料ガスと第2の原料ガスとの混合が促進される。その結果、化合物半導体膜の成長速度を向上させることができる。
また、第2の供給口での第2の原料ガスの平均流速が第1の供給口での第1の原料ガスの平均流速よりも大きくなるように、第2の供給口の面積と第1の供給口の面積との比が設定されていることが好ましい。ここで、「第1の供給口での第1の原料ガスの平均流速」は、第1の原料ガスの流量を第1の供給口の面積で割った値を意味する。「第2の供給口での第2の原料ガスの平均流速」は、第2の原料ガスの流量を第2の供給口の面積で割った値を意味する。特に、第2の供給口の面積は第1の供給口の面積より小さいことが好ましい。この場合、渦を多数発生させることができるので、第1の原料ガスと第2の原料ガスとの混合をより促進することができる。
本発明の化合物半導体膜は本発明の気相成長装置を用いて成長させる。なお、本発明における「化合物半導体膜」には、基板上に成膜した化合物半導体膜の他に、その化合物半導体膜を厚くバルク成長させて切り出したもの(例えば、半導体基板など)も含まれるものとする。
本発明の化合物半導体膜の成長方法では、本発明の気相成長装置を用いて化合物半導体膜を成長させる。この成長方法では、本発明の気相成長装置を用いるので、化合物半導体膜の成長速度を向上させることができる。
本発明によれば、化合物半導体膜の成長速度を向上させることができる気相成長装置、化合物半導体膜及びその成長方法が提供される。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において、同一又は同等の要素には同一符号を用い、重複する説明を省略する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る気相成長装置を模式的に示す図である。図1に示される気相成長装置10は、ハイドライド気相成長装置(HVPE装置)であることが好ましいが、有機金属気相成長装置(MOCVD装置)であってもよい。気相成長装置10がHVPE装置であると、化合物半導体を高速で成長させることができる。成長される化合物半導体としては、III−V族化合物半導体(例えばGaAs、InP、AlN、GaN、InN、AlGaN、InGaN、AlInGaN等)やII−VI族化合物半導体(ZnSe、ZnO等)がある。
気相成長装置10は、第1の原料ガスG1と第2の原料ガスG2とを混合することによって化合物半導体を成長するための略円筒形の反応管12を備える。原料ガスG1,G2は、生成される化合物半導体に応じて適宜選択される。原料ガスG1はGa、Al、In等のIII族元素を含むことが好ましく、原料ガスG2はAs、P、N等のV族元素を含むことが好ましい。また、これらの原料ガスG1,G2は、ガス流量を調整するために水素(H)、窒素(N)、アルゴン(Ar)などのキャリアガスで希釈されることがある。一実施例において、原料ガスG1はH希釈されたAlClであり、原料ガスG2はH希釈されたNHである。この場合、原料ガスG1と原料ガスG2とを混合させることによって、化合物半導体としてAlN単結晶が成長される。
反応管12の一端(上流側の端部)12aには、原料ガスG1を反応管12内に供給するための第1の供給管24と、原料ガスG2を反応管12内に供給するための第2の供給管16とが取り付けられている。供給管16,24は反応管12に接続されている。
反応管12の他端(下流側の端部)12bには、反応管12内において基板Wを水平に保持する基板ホルダ14が取り付けられている。基板ホルダ14は、供給管24における反応管12内に位置する端部26に形成された第1の供給口28の近くに基板Wを保持する。基板Wは、反応管12内に収容されており、例えばシリコン(Si)基板、サファイア基板、シリコンカーバイド(SiC)基板、酸化亜鉛(ZnO)基板、又はGaAs基板などの半導体基板である。図1では一例として1個の基板Wが配置されているが、複数の基板Wが配置されてもよい。この場合、複数の基板Wを複数の基板ホルダ14にそれぞれ固定し、各基板ホルダ14を反応管12の内面に固定する。基板ホルダ14は、反応管12の管軸を取り囲むように円状に配置されることが好ましい。このような配置では、各基板間の成長速度の差が小さく、全ての基板に関して均一な膜が形成されやすい。複数の基板Wを配置すると、各基板W上に化合物半導体膜M(化合物半導体)を同時に成長させることができるので、生産性がより向上する。また、基板ホルダ14に回転機構を取り付け、成長中に基板を回転すれば、基板面内の成長速度の均一性は向上する。原料ガスG1と原料ガスG2との混合ガスG4が基板Wに到達すると、基板W上に化合物半導体膜Mが成長される。反応管12の他端12bには、基板Wよりも下流側に位置する排気口40が形成されている。
供給管24の一方の端部25は原料ガスG1を発生する供給装置23につながっている。供給管24の他方の端部26は、反応管12の中に位置する。供給管24は、原料ガスG1を反応管12内に供給するための第1の供給口28が形成された端部26と、端部26よりも上流側に位置する端部25とを有する。供給管24は、反応管12内に挿入されると共に反応管12と二重管構造を形成する。すなわち、供給管24の外壁が反応管12の内壁と対向する部分を有することによって、反応管12と供給管24とは二重管構造を形成する。供給口28よりも下流側の位置付近には基板Wが保持された基板ホルダ14が配置されている。基板W上で高い成長速度を得るためには、供給口28と基板Wとの距離(反応管12の管軸方向における供給口28と基板W表面の中心点との距離)d1は、反応管12の直径の0.5〜2倍であることが好ましい。
原料ガスG1の供給は、反応管12の外で、固体AlClを気化させてAlClガスとしたのち、当該AlClガスを反応管12に導入してもよいし、別途ヒーター22aを設けた生成管21に、Alペレット等の原料を収容したソースボートを設置してもよい。生成管21内には、例えばAlペレットが収容されたソースボート20が設置されている。生成管21内には、導入管18を介してガスG3が導入される。生成管21内においてガスG3がソースボート20の中のAlペレットに接触することによって、原料ガスG1が生成される。例えば、ガスG3としてHで希釈した塩化水素(HCl)を用いて、ソースボート20にAlペレットを収容した場合、原料ガスG1としてHで希釈したAlClが生成される。また、ここでは生成管21は反応管12の外に配置されてあるが、生成管21を反応管12の中に設置した構造をとることもできる。
供給管16の放出口29は、供給管24の供給口28よりも上流側に位置している。よって、供給管16の放出口29から放出される原料ガスG2は、供給管24の端部26と反応管12との間から基板Wの表面に供給される。すなわち、供給管16は、供給管24の外壁と反応管12の内壁との間に形成される空間SPが原料ガスG2の流路となるように反応管12に接続されている。これにより、供給管24の端部26と反応管12との間に、原料ガスG2を基板Wの表面に供給するための第2の供給口30が形成される。供給口30は、反応管12の管軸方向から見て供給口28を環状に取り囲む。
供給管24の端部26は、供給口28が下流側に向かうに連れて広くなる形状を有する。よって、原料ガスG1の流路断面積は、下流側に向かうに連れて大きくなる。これに伴って、供給管24の外壁と反応管12の内壁とによって形成される供給口30は、下流側に向かうに連れて狭くなっている。よって、原料ガスG2の流路断面積は、下流側に向かうに連れて小さくなる。
反応管12の周囲には、反応管12の管軸方向に沿って延びるヒータ22bが設けられていることが好ましい。ヒータ22bは、ヒータ22aよりも下流側に位置する。ヒータ22aはソースボート20を加熱し、原料ガスG1の生成を促進させる。ヒータ22bは基板Wを加熱し、原料ガスG1と原料ガスG2との反応を促進させる。また、より少ない電力でソースボート20、基板Wを十分に加熱するために、ヒータ22a、ヒータ22bの外周は、断熱材で覆われていることが好ましい。
ここで、気相成長装置10を用いて化合物半導体を成長させる方法の一例について説明する。まず、反応管12にキャリアガス(水素ガス、窒素ガスなど)を導入し、基板ホルダ14が例えば1300℃程度になるまで昇温する。次に、供給管16から原料ガスG2を反応管12内に供給し、基板ホルダ14の温度を安定させる。さらに、供給管24から原料ガスG1を反応管12内に供給し、基板W上に化合物半導体膜Mを所定膜厚となるまで成長させる。このとき、反応管12内の基板W上では原料ガスG1と原料ガスG2とが反応する。続いて、化合物半導体膜Mが所定膜厚となったら原料ガスG1の供給を停止し、キャリアガスを流しながら、ヒータを停止し、反応管12が室温になるまで降温させる。温度が十分に低下したら、化合物半導体膜Mが成長された基板Wを反応管12から取り出す。
本実施形態の気相成長装置10では、供給管24の端部26において、原料ガスG1の平均流速が下流側に向かうに連れて減少し、原料ガスG2の平均流速が下流側に向かうに連れて増大する。よって、原料ガスG2が供給口30から反応管12内に供給される時に、原料ガスG2は供給管24の内側に向かって急速に広がるため、渦が発生する。この渦により、原料ガスG1と原料ガスG2との混合が促進される。その結果、原料ガスG1と原料ガスG2との反応速度が大きくなるので、これらの原料ガスG1,G2が基板Wの表面に到達したときの化合物半導体膜Mの成長速度を向上させることができる。供給管24の端部26が上述の形状を有する気相成長装置10では、供給管の管径が一定である通常の気相成長装置に比べて化合物半導体膜の成長速度を約2倍とすることができる。
さらに、供給口30での原料ガスG2の平均流速が供給口28での原料ガスG1の平均流速よりも大きいと、渦を多数発生させることができるので、原料ガスG1と原料ガスG2との混合をより促進することができる。原料ガスG2の供給口30での平均流速は、原料ガスG1の供給口28での平均流速の10倍以上であることが特に好ましい。供給口28での原料ガスG1の平均流速は、原料ガスG1の流量を供給口28の面積(流路断面積)で割った値となる。供給口30での原料ガスG2の平均流速は、原料ガスG2の流量を供給口30の面積で割った値となる。供給口30の面積と供給口28の面積との比は、供給口30での原料ガスG2の平均流速が供給口28での原料ガスG1の平均流速よりも大きくなるように設定されていることが好ましい。特に、供給口30の面積が供給口28の面積よりも小さいことが好ましい。
また、原料ガスG2の平均流速が原料ガスG1の平均流速よりも大きいと、反応管12の内壁や供給管24の端部26に原料ガスG1が到達する量が減る。このため、反応管12の内壁や供給管24の端部26に反応生成物が堆積することを抑制できる。よって、基板Wに到達する原料ガスG1,G2の量が増加するので、原料ガスG1,G2の利用効率を向上させることができる。
(第2実施形態)
図2は、第2実施形態に係る気相成長装置を模式的に示す図である。図2に示される気相成長装置10aは、供給管16,24に代えて供給管116,124を備えること以外は気相成長装置10と同様の構成を有する。反応管12内では、第1の原料ガスG11と第2の原料ガスG12とを混合することによって化合物半導体を成長させる。原料ガスG11は、原料ガスG2と同種のガスであり、原料ガスG12は、原料ガスG1と同種のガスであることが好ましい。
反応管12の一端(上流側の端部)12aには、原料ガスG11を反応管12内に供給するための第1の供給管124と、原料ガスG12を反応管12内に供給するための第2の供給管116とが取り付けられている。供給管116,124は反応管12に接続されている。
反応管12の他端(下流側の端部)12bには、反応管12内において基板Wを水平に保持する基板ホルダ14が取り付けられている。基板ホルダ14は、供給管124における反応管12内に位置する端部126に形成された第1の供給口128の近くに基板Wを保持する。原料ガスG11と原料ガスG12との混合ガスが基板Wに到達すると、基板W上に化合物半導体膜Mが成長される。
供給管124は、原料ガスG11を反応管12内に供給するための第1の供給口128が形成された端部126を有する。供給管124の外壁が反応管12の内壁と対向する部分を有することによって、反応管12と供給管124とは二重管構造を形成する。供給口128よりも下流側の位置付近には基板Wが保持された基板ホルダ14が配置されている。基板W上で高い成長速度を得るためには、供給口128と基板Wとの距離(反応管12の管軸方向における供給口128と基板W表面の中心点との距離)d1は、反応管12の直径の0.5〜2倍であることが好ましい。
供給管116は、供給管124の外壁と反応管12の内壁との間に形成される空間SPが原料ガスG12の流路となるように反応管12に接続されている。
供給管116の一端には、原料ガスG12を反応管12内に供給するための供給装置23が取り付けられている。供給管116は、供給管24の管径を一定にしたものである。供給管116の放出口129は、供給管124の供給口128よりも上流側に位置している。よって、放出口129から放出される原料ガスG12は、供給管124の端部126と反応管12との間から基板Wの表面に供給される。すなわち、供給管124の端部126と反応管12との間に、原料ガスG12を基板Wの表面に供給するための第2の供給口130が形成される。供給口130は、反応管12の管軸方向から見て供給口128を環状に取り囲む。
供給管124の端部126は、供給口128が下流側に向かうに連れて広くなる形状を有する。よって、原料ガスG11の流路断面積は、下流側に向かうに連れて大きくなる。これに伴って、供給管124の外壁と反応管12の内壁とによって形成される供給口130は、下流側に向かうに連れて狭くなっている。よって、原料ガスG12の流路断面積は、下流側に向かうに連れて小さくなる。
本実施形態の気相成長装置10aを用いると、第1実施形態と同様に、基板W上に化合物半導体膜Mを成長させることができる。また、気相成長装置10aでは、第1実施形態と同様に、原料ガスG11と原料ガスG12との混合が促進されるので、化合物半導体膜の成長速度を向上させることができる。さらに、気相成長装置10aでは、気相成長装置10と同様の作用効果が得られる。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。上述した実施形態では反応管、供給管の形状はガス流れに垂直な断面が略円形の円筒管であるが、例えば、その断面が三角形、四角形など多角形の管であっても同様の効果が得られる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
図1に示される気相成長装置10を用いて、SiC基板上にAlN膜を成長させた。気相成長装置10としては、供給口28の最大断面積が約962mm、供給口30の最小断面積が約294mmのものを用いた。また、反応管12の管軸方向における供給口28とSiC基板表面の中心点との距離d1を約100mmとした。基板ホルダ14にSiC基板を設置した後、基板ホルダ14の温度を1100℃まで昇温した。Al原料としてはAlペレットを用いた。石英ボートに載せたAlペレットを500℃に加熱した状態でNガスで希釈したHClガスを流して、AlClガスを発生させた。一方、窒素原料としてNHガスを使用した。反応管12内での平均的なAlCl分圧が0.01atm、NH分圧が0.2atmとなるようにガス流量を調整した。HCl分圧は0.03atmであった。
上述の条件下においてAlN結晶を30時間成長させた後、表面にAlN膜が成長したSiC基板を反応管12から取り出した。AlN膜の膜厚は1240μmであったことから、AlN結晶の成長速度は41μm/hrと見積もることができた。
(実施例2)
図1に示される気相成長装置10を用いて、GaAs基板上にGaN膜を成長させた。気相成長装置10としては、供給口28の最大断面積が約962mm、供給口30の最小断面積が約294mmのものを用いた。また、反応管12の管軸方向における供給口28とSiC基板表面の中心点との距離d1を約100mmとした。基板ホルダ14にGaAs基板を設置した後、基板ホルダ14の温度を1050℃まで昇温した。Ga原料としてはGa融液を用いた。石英ボートに載せたGa融液を800℃に加熱した状態でHガスで希釈したHClガスを流して、GaClガスを発生させた。一方、窒素原料としてNHガスを使用した。反応管12内での平均的なGaCl分圧が0.01atm、NH分圧が0.2atmとなるようにガス流量を調整した。HCl分圧は0.01atmであった。
上述の条件下においてGaN結晶を30時間成長させた後、表面にGaN膜が成長したGaAs基板を反応管12から取り出した。GaN膜の膜厚は2520μmであったことから、GaN結晶の成長速度は84μm/hrと見積もることができた。
(実施例3)
図2に示される気相成長装置10aを用いて、SiC基板上にAlN膜を成長させた。気相成長装置10aとしては、供給口128の最大断面積が約1451mm、供給口130の最小断面積が約138mmのものを用いた。また、反応管12の管軸方向における供給口128とSiC基板表面の中心点との距離d1を約100mmとした。基板ホルダ14にSiC基板を設置した後、基板ホルダ14の温度を1100℃まで昇温した。Al原料としてはAlペレットを用いた。石英ボートに載せたAlペレットを500℃に加熱した状態でNガスで希釈したHClガスを流して、AlClガスを発生させた。一方、窒素原料としてNHガスを使用した。反応管12内での平均的なAlCl分圧が0.01atm、NH分圧が0.2atmとなるようにガス流量を調整した。HCl分圧は0.03atmであった。
上述の条件下においてAlN結晶を30時間成長させた後、表面にAlN膜が成長したSiC基板を反応管12から取り出した。AlN膜の膜厚は940μmであったことから、AlN結晶の成長速度は31μm/hrと見積もることができた。
(比較例1)
図1に示される気相成長装置10の供給管24に代えて、端部が直管形状であり外側に広がっていない供給管を備える気相成長装置を用いて、実施例1と同様にしてAlN膜を成長させた。端部が直管形状の供給管の供給口の断面積は約79mm、当該供給管の外壁と直管形状の反応管の内壁とによって形成される供給口の断面積は約1178mmであった。AlN膜の膜厚は294μmであったことから、AlN結晶の成長速度は9.8μm/hrと見積もることができた。
(比較例2)
図1に示される気相成長装置10の供給管24に代えて、端部が直管形状であり外側に広がっていない供給管を備える気相成長装置を用いて、実施例2と同様にしてGaN膜を成長させた。端部が直管形状の供給管の供給口の断面積は約79mm、当該供給管の外壁と直管形状の反応管の内壁とによって形成される供給口の断面積は約1178mmであった。GaN膜の膜厚は516μmであったことから、GaN結晶の成長速度は17.2μm/hrと見積もることができた。
第1実施形態に係る気相成長装置を模式的に示す図である。 第2実施形態に係る気相成長装置を模式的に示す図である。
符号の説明
10,10a…気相成長装置、12…反応管、14…基板ホルダ、16,116…第2の供給管、24,124…第1の供給管、26,126…第1の供給管の端部、28,128…第1の供給口、30,130…第2の供給口、G1,G11…第1の原料ガス、G2,G12…第2の原料ガス、M…化合物半導体膜、SP…空間、W…基板。

Claims (3)

  1. 第1の原料ガスと第2の原料ガスとを混合し化合物半導体を成長するための反応管と、
    前記反応管内に挿入されており、前記第1の原料ガスを前記反応管内に供給するための第1の供給管と、
    前記反応管に接続されており、前記第2の原料ガスを前記反応管内に供給するための第2の供給管と、
    前記第1の供給管の前記反応管内に位置する端部に形成された第1の供給口の近くに基板を保持する基板ホルダと
    を備え、
    前記第1の供給管の外壁が前記反応管の内壁と対向する部分を有することによって、前記第1の供給管と前記反応管とが二重管構造を形成しており、
    前記第1の供給管の外壁と前記反応管の内壁との間に形成される空間が前記第2の原料ガスの流路となるように前記第2の供給管が前記反応管に接続されており、
    前記第1の原料ガスを供給するための前記第1の供給口は、下流側に向かうに連れて広くなっており、
    前記第1の供給管の外壁と前記反応管の内壁とによって形成されており、前記第2の原料ガスを供給するための第2の供給口は、下流側に向かうに連れて狭くなっている、気相成長装置。
  2. 前記第2の供給口での前記第2の原料ガスの平均流速が前記第1の供給口での前記第1の原料ガスの平均流速よりも大きくなるように、前記第2の供給口の面積と前記第1の供給口の面積との比が設定されている、請求項1に記載の気相成長装置。
  3. 請求項1又は2に記載の気相成長装置を用いて化合物半導体膜を成長させる、化合物半導体膜の成長方法。
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