JP4332914B2 - パチンコ遊技機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機に関し、特に、予め定められた目標を達成する様に遊技が行われているか否かに基づいて、遊技者にとって有利となるか不利となるかにかかわる遊技の設定の変更等を行うパチンコ遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術、及び発明が解決しようとする課題】
従来、例えば所謂第1種パチンコ遊技機においては、第1種始動入賞口にパチンコ球が入賞すると、特別図柄表示装置に図柄が変動表示されて大当りの抽選が行われる。その後、変動表示が終了して停止表示された図柄が大当り図柄である場合には、大当り遊技が開始される。
【0003】
この様に、従来の第1種パチンコ遊技機では、遊技者は、大当りが発生するまでひたすら第1種始動入賞口を狙ってパチンコ球を発射し、大当りが発生すると大入賞口を狙ってパチンコ球を発射する、という一連の動作を繰り返すだけであり、遊技が単調になりがちであった。同様に、第2種パチンコ遊技機,第3種パチンコ遊技機においても、どの様になるまで何処を狙ってパチンコ球を発射し、次に何処を狙って発射する、という順序が予めおおよそ決められており、遊技が単調になりがちであった。このため、場合によっては遊技者の遊技意欲が低下することもあった。
【0004】
そこで、本発明は、遊技に変化を持たせて遊技意欲の低下を防止することができるパチンコ遊技機を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段、及び発明の効果】
この様な目的を達成するため、請求項1に記載した様に、遊技者がどの様にパチンコ球を発射するべきかに関する目標が予め設定されているパチンコ遊技機であって、遊技者が実際どの様にパチンコ球を発射しているかを検出する実状検出手段と、前記実状検出手段による検出結果に基づいて遊技者が前記目標を達成しているか否かを判断する目標達成判断手段と、図柄を変動表示して、大当りの抽選を行う抽選手段と、を備え、前記目標達成判断手段により遊技者が前記目標を達成していないと判断された場合、前記目標を達成している時と比較して、前記抽選手段での図柄の変動時間を長くすることを特徴とする。
【0006】
本発明によれば、目標を達成していないときは、達成しているときに比べて図柄の変動時間が長くなるので、このように遊技に変化を持たせることによって遊技意欲の低下を防止することができる。
【0007】
尚、目標は、例えば、パチンコ球を100個発射して第1種始動口に最低4個入賞させる、というものであっても良いし、パチンコ球を100個発射したら少なくともその内の1個を天釘に当てる、というものであっても良いし、所謂単発打ち,止め打ちをすることなく200個のパチンコ球を連続して発射し続ける、というものであっても良い。又、永久的に目標が変化しない様に構成されていても良いし、店員が外部操作によってパチンコ遊技場の開店前等に設定することができる様に構成されていても良いし、パチンコ遊技機の制御装置がプログラムに従って設定する様に構成されていても良い
【0008】
次に、請求項2に記載した様に、前記目標達成判断手段により遊技者が前記目標を達成していると判断された場合又は遊技者が前記目標を達成していないと判断された場合にその旨を遊技者に報知する報知手段を備えるようにしてもよい。
この様に構成されている本発明のパチンコ遊技機においては、遊技者が目標を達成していない場合にはパチンコ遊技機からその旨が報知されるので、遊技者を発奮させ、激励することができると共に、遊技者に斬新な印象を与えることができ、遊技意欲の低下を防止することができる。
また、パチンコ球を100個発射して第1種始動口に最低4個入賞させる、という様な目標の場合には、目標を達成することができずに報知されるということは、遊技者の狙い所が悪い,パチンコ遊技機の釘調整が非常に厳しい等の理由が考えられるので、遊技者は、狙い所を少しずらして暫く様子をみて、場合によっては他のパチンコ遊技機に移る、という様な対処をすることができる。このため、報知を他のパチンコ遊技機に移るか否か等の判断基準とすることができ、遊技者にとって便利である。
尚、報知手段は、液晶ディスプレイ等の視覚的手段によって視覚的に報知する様に構成されていても良いし、スピーカ等の聴覚的手段によって聴覚的に報知する様に構成されていても良いし、視覚的手段及び聴覚的手段を併用する様に構成されていても良い。又、設定された目標は、遊技者に知らせても良いし、知らせなくても良い。遊技者に知らせる手段としては、液晶ディスプレイ等の視覚的手段,スピーカ等の聴覚的手段を挙げることができる。
【0009】
又、請求項3に記載した様に、第1の発明にかかるパチンコ遊技機において、前記報知手段は、文字・図形等を表示するための所定の表示手段によって遊技者に報知する様に構成されていても良い。この様に構成されている場合には、目標を達成することができていない旨を、遊技者に容易に把握させることができる。更に、請求項4に記載した様に、前記報知手段は、前記表示手段に仮想生物を表す図形を表示させることによって遊技者に報知する様に構成されていると良い。具体的には、目標を達成していない遊技者に対して仮想生物、例えば人間や動植物等(以下「キャラクタ」ともいう。)が怒っている様に表示しても良いし、2回,3回と報知(表示)されるに連れて仮想生物が衰弱してゆく様に表示しても良い。この様に構成されている場合には、遊技者は、仮想生物を怒らせないためあるいは仮想生物を衰弱させないために、積極的に目標を達成しようとする。このため、遊技者を遊技に集中させることができ、遊技者の遊技意欲の低下を防止することができる。
【0015】
請求項5に記載した様に、本発明のパチンコ遊技機は、前記目標達成判断手段により遊技者が前記目標を達成していないと判断されることに起因して前記報知手段が報知する一連の動作が所定回行われた場合に、遊技者にとって有利となるか不利となるかにかかわる遊技の設定を遊技者にとって不利となる様に変更又は維持する不利状態創出手段を備えていても良い。ここで、所定回は、1回以上任意である。尚、2回以上行われる場合には、最後以外の報知は注意を促す意味合いになるが、1回しか行われない場合には、遊技の設定を変更することが確定した旨を単に知らせる意味合いになる。
この発明では、遊技者が目標を達成しないと、不利状態創出手段が、遊技の設定を、遊技者にとって不利となる様に変更する。目標を無視してパチンコ球を発射していると、大当りの発生確率等の設定が悪くなるので、遊技者は、目標を達成する様にパチンコ球の発射強度等を調整しなければならない。このため、遊技者に一層斬新な印象を与えることができると共に、遊技者に適度な緊張感を与えることができるので、遊技意欲の低下を効果的に防止することができる。
【0016】
請求項6に記載した様に、前記不利状態創出手段は、遊技者にとって不利となる様に設定するか否かを抽選する不利状態抽選手段を備え、該不利状態抽選手段による抽選結果に基づいて遊技の設定を変更する様に構成されていても良い。
【0017】
この様に構成されている場合には、遊技者は、目標を達成しなくても、不利状態抽選手段による抽選結果如何で、即ち運が良ければ遊技の設定が悪くなる事態を免れることができる。このため、目標を達成していない遊技者は、期待感と不安感が入り交じることで、適度な緊張感を与えられる。従って、遊技意欲の低下をより一層効果的に防止することができる。尚、この様に構成されている場合には、遊技の設定が変更されたのか否かを遊技者に報知する視覚的手段又は聴覚的手段を備えていると更に良い。
【0018】
請求項7に記載した様に、本発明のパチンコ遊技機は、前記目標達成判断手段により遊技者が前記目標を達成していると判断された場合に、遊技者にとって有利となるか不利となるかにかかわる遊技の設定を、遊技者にとって有利となる様に変更又は維持する有利状態創出手段を備えていても良い。
この様に構成されているパチンコ遊技機においては、遊技者が目標を達成すると、有利状態創出手段が、遊技者にとって有利となるか不利となるかにかかわる遊技の設定、例えば、大当りの発生確率,大当りが発生した場合の電動役物の動作内容等の設定を、遊技者にとって有利となる様に変更する。又は遊技者にとって有利な状態を維持する。目標を達成する様にパチンコ球を発射していると、大当りの発生確率等の設定が良くなるので、遊技者は、目標を達成する様にパチンコ球の発射強度等を調整する様になる。このため、遊技者を遊技に集中させることができるので、遊技意欲の低下を効果的に防止することができる。
【0027】
又、遊技の設定を変更する手段(有利状態創出手段,不利状態創出手段)を備えているパチンコ遊技機は、請求項8に記載した様に、遊技者を識別するための遊技者識別手段と、該遊技者識別手段により遊技者の変動が認められた場合に遊技の設定を初期状態に戻す遊技設定初期化手段と、を備えていると更に良い。そして、例えば、請求項9に記載した様に、前記遊技者識別手段は、遊技者の識別情報が記録された記録媒体から当該識別情報を読み取ることにより遊技者を識別する識別情報読取手段を備えていると良い。より具体的には、記録媒体としては、パチンコ遊技場が発行する会員カードを挙げることができ、識別情報読取手段としては、会員カードから遊技者の識別情報を読み取るカードリーダを挙げることができる。
【0028】
この様に構成されている場合には、例えばトイレ休憩等のためにパチンコ遊技機の前を離れたとしても、再び同じパチンコ遊技機の前に戻り、遊技者の同一性が確認されれば、休憩前に適用されていた遊技の設定で引き続き遊技を行うことができる。一方、ある遊技者が不利な遊技の設定の下で遊技を行っていたとしても、次の遊技者が遊技を開始すれば遊技の設定が初期化されるので、次の遊技者が不利益を被るおそれはない。
【0029】
又、請求項10に記載した様に、所定入賞口又は所定ゲートへパチンコ球を入賞又は通過させることを前記目標として採用し、前記実状検出手段は、パチンコ球が前記所定入賞口に入賞した旨又はパチンコ球が前記所定ゲートを通過した旨を検出する様に構成されていると良い。
【0030】
この様に構成されている場合には、実状検出手段は、遊技者がどの様にパチンコ球を発射しているかを容易に検出することができ、目標発生判断手段は、遊技者が目標を達成しているか否かを容易に判断することができる。遊技者も、自身が目標を達成しているか否かを容易に確認することができる。又、特に、始動入賞口又は始動ゲート以外の入賞口又はゲートへパチンコ球を入賞又は通過させることを目標とした場合には、遊技者は、目標を達成するために、始動入賞口以外の入賞口を狙ってパチンコ球を発射しなければならないので、遊技者はパチンコ球の発射強度を適宜変更しなければならない。このため、遊技者に適度な緊張感を与えることができる。尚、始動入賞口又は始動ゲートへパチンコ球を入賞又は通過させることを目標としても良い。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
まず、本実施例のパチンコ遊技機の構成について説明する。
図1は、本実施例のパチンコ遊技機の遊技盤周辺の外観を説明するための正面図であり、図2は、パチンコ遊技機の要部の構成を説明するためのブロック図である。
【0032】
図1に示す様に、本実施例のパチンコ遊技機1は、遊技盤の下方に目標表示ボタン11を備え、遊技盤に目標ゲート13と、第1種始動口15と、大入賞口17と、目標表示装置31と、特別図柄表示装置33と、を備える。又、図2に示す様に、目標ゲート通過センサ13sと、第1種始動口入賞センサ15sと、大入賞口入賞センサ17sと、マイクロコンピュータ20と、大入賞口アクチュエータ17aと、を備える。
【0033】
目標表示ボタン11は、遊技者によって押圧されると、目標表示装置31に遊技者が達成すべき目標、具体的には、「パチンコ球を200個発射する間に3つの目標ゲートに各々1個ずつ通過させること」という文字が表示される様に構成されている。
【0034】
目標ゲート13は、遊技盤に3つ設けられており、各目標ゲート13はパチンコ球の通過を検出するための目標ゲート通過センサ13sを備える。目標ゲート通過センサ13sは、パチンコ球の通過を検出すると、その旨をマイクロコンピュータ20へ伝える様に構成されている。
【0035】
第1種始動口15,大入賞口17は、周知のものであり、各々パチンコ球の入賞を検出するための第1種始動口入賞センサ15s,大入賞口入賞センサ17sを備える。第1種始動口入賞センサ15s,大入賞口入賞センサ17sは、パチンコ球の通過を検出すると、その旨をマイクロコンピュータ20へ伝える様に構成されている。又、特別図柄表示装置33に大当り図柄が表示されると、大入賞口アクチュエータ17aが作動し、大入賞口17は開閉される。
【0036】
マイクロコンピュータ20は、各種演算制御処理を行うCPU21と、CPU21の処理手順等を記憶するROM23と、CPU21の処理結果等を一時的に記憶するRAM25と、目標表示ボタン11,目標ゲート通過センサ13s,第1種始動口入賞センサ15s,大入賞口入賞センサ17sからの入力内容をCPU21に伝えるための入力インタフェース27と、CPU21から出される命令を目標表示装置31,特別図柄表示装置33,大入賞口アクチュエータ17aに伝えるための出力インタフェース29とを備える。尚、ROM23は、遊技者が達成すべき目標が「パチンコ球を200個発射する間に3つの目標ゲートに各々1個ずつ通過させること」である旨も記憶している。
【0037】
目標表示装置31は、マイクロコンピュータ20のCPU21から出される命令に応じて、キャラクタのアニメーション表示を行うための液晶ディスプレイであり、目標表示ボタン11が押圧されている間は、目標を表示する。
特別図柄表示装置33は、マイクロコンピュータ20から出される命令に応じて図柄の変動表示や停止表示を行うための液晶ディスプレイである。
【0038】
次に、本実施例のパチンコ遊技機の作用を図3のフローチャートに沿って説明する。
この処理は、パチンコ遊技機の各部に図示しない電源装置から動作電力が供給され、マイクロコンピュータ20のCPU21がROM23に記憶されている処理手順を読み出して実行することにより開始される。
【0039】
この処理が開始されると、CPU21は、変数N(1≦N≦4)に1を代入する、即ち変数Nを初期化する(S10)。そして、遊技設定として設定Nを適用する(S12)。続いて、第1の色彩・形状のキャラクタを目標表示装置31に表示させる(S14)。そして、パチンコ球が200個発射されるまで待機して、目標が達成されたか否か、即ち3つの目標ゲートに各々1個ずつパチンコ球が通過したか否かを判断する(S16)。
【0040】
そして、目標が達成されていない場合には(S16において「NO」)、CPU21は、第2の色彩・形状のキャラクタを目標表示装置31に表示させ(S18)、同じくパチンコ球が200個発射されるまで待機して、目標が達成されたか否か、即ち3つの目標ゲートに各々1個ずつパチンコ球が通過したか否かを判断する(S20)。そして、目標が達成されていない場合には(S20において「NO」)、第3の色彩・形状のキャラクタを目標表示装置31に表示させ(S22)、同じくパチンコ球が200個発射されるまで待機して、目標が達成されたか否かを判断する(S24)。尚、前述した3種類のキャラクタは、第1の色彩・形状のキャラクタを基準として、第2,第3と変化するに連れて仮想生物が徐々に衰弱する様に見える色彩・形状となっている。
【0041】
そして、目標が達成されていない場合には(S24において「NO」)、CPU21は、乱数を発生させてその値Xを取得し(S26)、Xが奇数であるか否かを判断する(S28)ことによって抽選を行う。そして、Xが奇数でない、即ち偶数である場合には(S28において「NO」)、目標表示装置31に指令を出して、表示中のキャラクタ(第3の色彩・形状のキャラクタ)を消去させる(S30)。そして、変数Nを1増加させ(S32)、目標表示装置31に遊技設定を変更する旨を表示させる(S36)。具体的には、「設定2から設定3に変更します。」等の文字を表示させる。但し、変数Nが既に4である場合には、S32において変数Nを増加させず、又、S36において設定4が継続される旨を表示させる。そして、S12に戻って処理を繰り返す。
【0042】
一方、第1の色彩・形状のキャラクタが表示されている状態で目標が達成された場合には(S16において「YES」)、変数Nを1減少させ(S34)、目標表示装置31に遊技設定を変更する旨を表示させる(S36)。具体的には、「設定2から設定1に変更します。」等の文字を表示させる。但し、変数Nが既に1である場合には、S34において変数Nを減少させず、又、S36において設定1が継続される旨を表示させる。そして、S12に戻って処理を繰り返す。
【0043】
又、第2の色彩・形状のキャラクタが表示されている状態で目標が達成された場合には(S20において「YES」)S14に戻り、第3の色彩・形状のキャラクタが表示されている状態で目標が達成された場合には(S24において「YES」)S18に戻り、Xが奇数である場合には(S28において「YES」)S22に戻る。
【0044】
尚、CPU21は、遊技者がパチンコ球を発射しなくなってから5分間以上経過するとこの処理を強制的に終了し、その後パチンコ球が発射され始めるとS10から開始する様に構成されている。
ここで、設定1,設定2,設定3,設定4の具体的な内容について説明する。
【0045】
CPU21は、パチンコ球が第1種始動口15に入賞すると、まず、確率1/25の1段階目の抽選を行い、この1段階目の抽選で当たった場合に確率1/10の2段階目の抽選を行い、この2段階目の抽選で当たった場合に大当りとなる所謂2段階抽選によって大当りの抽選を行う。そして、設定4が適用されている場合には2段階目の抽選で外れればそれまでであるが、設定3が適用されている場合には2段階目の抽選で外れた場合に再度2段階目の抽選を行い、更に、設定2が適用されている場合には再度行った2段階目の抽選で外れた場合にもう一度、即ち2段階目の抽選を最高3回行い、更に、設定1が適用されている場合には2段階目の抽選を最高4回行う様に構成されている。
【0046】
又、CPU21は、大当りが発生すると、大入賞口17を開口させ、パチンコ球が大入賞口17に10個入賞すると、あるいは所定時間が経過すると、大入賞口17を閉口させる、という一連の動作を複数回繰り返すのであるが、設定4が適用されている場合にはこの一連の動作を5回繰り返し、設定3が適用されている場合にはでは10回繰り返し、設定2が適用されている場合には15回繰り返し、設定1が適用されている場合には20回繰り返す様に構成されている。
【0047】
又、CPU21は、所謂ラッキーナンバーによる大当りが発生した場合には、次の大当りが発生するまでの間大当りの発生確率を向上させるのであるが、設定4が適用されている場合には1/10の確率でラッキーナンバーによる大当りが発生し、設定3が適用されている場合には1/7の確率で発生し、設定2が適用されている場合には1/5の確率で発生し、設定1が適用されている場合には1/3の確率で発生する様に構成されている。
【0048】
次に、本実施例のパチンコ遊技機で実際に遊技を行った場合の動作内容について一例を挙げて説明する。
遊技者が目標を確認するために目標表示ボタン11を押圧すると、目標表示装置31に「パチンコ球を200個発射する間に3つの目標ゲートに各々1個ずつ通過させること」という文字が表示される。尚、遊技開始前であっても遊技中であっても、目標表示ボタン11を押下すれば目標が表示される。
【0049】
そして、遊技を開始すると、変数Nが初期化され(S10)、遊技設定として遊技者にとって最も有利な設定1が適用される(S12)。続いて、第1の色彩・形状のキャラクタが目標表示装置31に表示される(S14)。
そして、遊技者がパチンコ球を200個発射した時点で例えば中央と左側の2つの目標ゲートにしかパチンコ球が通過しなかった場合、即ち、目標を達成することができなかった場合には(S16において「NO」)、第2の色彩・形状のキャラクタが目標表示装置31に表示される(S18)。そして、第1の色彩・形状のキャラクタより少し衰弱して見える第2の色彩・形状のキャラクタを見て可哀想になり、より慎重にパチンコ球の発射強度を調整して目標を達成すると(Sにおいて「YES」)、目標表示装置31の表示が第1の色彩・形状のキャラクタに戻る(S14)。
【0050】
一方、第2の色彩・形状のキャラクタが表示されている状態で目標を達成することができないと(S20において「NO」)、第2の色彩・形状のキャラクタより更に衰弱して見える第3の色彩・形状のキャラクタが表示される(S22)。そして、第3の色彩・形状のキャラクタが表示されている状態で目標を達成することができないと(S24において「NO」)、抽選が行われる(S26,S28)。そして、運が悪ければ、即ち抽選にかかる乱数Xが奇数でなければ(S28において「NO」)、目標表示装置31に表示されているキャラクタが消去され(S30)、変数Nが1増加されて2となる(S32)。そして、目標表示装置31に、「設定1から設定2に変更します。」という文字が表示され(S36)、遊技設定として設定2が適用される(S12)。そして、再び第1の色彩・形状のキャラクタが表示される(S14)。
【0051】
そして、第1の色彩・形状のキャラクタが表示されている状態で目標を達成すると(S16において「YES」)、変数Nが1減少されて1となり(S34)、目標表示装置31に、「設定2から設定1に変更します。」という文字が表示される(S36)。そして、遊技設定として再び設定1が適用され(S12)、第1の色彩・形状のキャラクタが表示される(S14)。
【0052】
又、第2の色彩・形状のキャラクタが表示されている状態で目標を達成すると(S20において「YES」)、目標表示装置31の表示が第1の色彩・形状のキャラクタに変わり(S14)、第3の色彩・形状のキャラクタが表示されている状態で目標を達成すると(S24において「YES」)、第2の色彩・形状のキャラクタに変わる(S18)。又、第3の色彩・形状のキャラクタが表示されている状態で目標を達成することができずに抽選が行われても(S26,S28)、運が良ければ、即ち抽選にかかる乱数Xが奇数であれば(S28において「YES」)、引き続き第3の色彩・形状のキャラクタが表示される(S22)。
【0053】
尚、本実施例において、目標ゲート通過センサ13sが、前述した実状検出手段に相当し、マイクロコンピュータ20のCPU21によって行われる処理の内、S16,S20,S24の処理が、前述した目標達成判断手段の作用に相当し、S18、S22、S30、S36の処理が、前述した報知手段の作用に相当し、S34の処理を経て行われるS12の処理が、前述した有利状態創出手段の作用に相当し、S32の処理を経て行われるS12の処理が、前述した不利状態創出手段の作用に相当し、S26,S28の処理が、前述した不利状態抽選手段の作用に相当し、目標表示装置31が、前述した表示手段に相当する。
【0054】
次に、本実施例のパチンコ遊技機の効果について説明する。
本実施例のパチンコ遊技機1では、例えば第1種始動口15だけを狙ってパチンコ球を発射し、目標を達成しない場合には、目標表示装置31によってその旨が遊技者に報知され、更に目標を達成しないと、遊技設定を遊技者にとって不利となる様に変更する。このため、遊技者は、目標を達成する様にパチンコ球の発射強度等を調整しなければならない。この結果、遊技者に斬新な印象を与えることができると共に、遊技者に適度な緊張感を与えることができるので、遊技者の遊技意欲の低下を効果的に防止することができる。
【0055】
又、目標を達成しなくても、運が良ければ、即ちマイクロコンピュータ20のCPU21の抽選結果如何で、遊技設定が悪くなる事態を免れることができるので、目標を達成していない遊技者は、期待感と不安感が入り交じることで、適度な緊張感を与えられる。従って、遊技者の遊技意欲の低下をより一層効果的に防止することができる。
【0056】
又、本実施例のパチンコ遊技機1は、目標ゲート13へパチンコ球を通過させることを目標としているので、遊技者が目標を達成しているか否かを容易に判断することができると共に、遊技者も、自身が目標を達成しているか否かを容易に確認することができる。又、目標ゲート13へパチンコ球を通過させ、かつ第1種始動口15にパチンコ球を入賞させるためには、遊技者は、パチンコ球の発射強度を頻繁に変更しなければならないので、遊技者に適度な緊張感を与えることができる。
【0057】
又、本実施例のパチンコ遊技機1においては、キャラクタが徐々に衰弱してゆく様に目標表示装置31に表示させることによって遊技者に目標を達成していない旨を報知するので、遊技者は、キャラクタを衰弱させない様に、積極的に目標を達成しようとする。このため、遊技者を遊技に集中させることができ、遊技者の遊技意欲の低下を防止することができる。
【0058】
以上、本発明の一実施例について説明したが、本発明は前述した実施例に何等限定されるものではなく、さらに種々の態様において実施してもよいことはもちろんである。
例えば、実施例では、目標ゲート13が3つ設けられているが、2つ以下であっても良いし、4つ以上であっても良い。又、第1種始動口15を目標入賞口として併用しても良い。
【0059】
又、実施例では、パチンコ球を200個発射する毎に何れかの目標ゲート13を通過させることが目標となっているが、目標は、例えば、パチンコ球を100個発射して第1種始動口に最低4個入賞させる、というものであっても良いし、パチンコ球を100個発射したら少なくともその内の1個を天釘に当てる、というものであっても良いし、所謂単発打ち,止め打ちをすることなく200個のパチンコ球を連続して発射し続ける、というものであっても良い。又、時間の経過と共に目標が変化する様に構成されていても良い。尚、特に、パチンコ球を100個発射して第1種始動口に最低4個入賞させる、という様な目標の場合には、目標を達成することができずに報知されるということは、遊技者の狙い所が悪い,パチンコ遊技機の釘調整が非常に厳しい等の理由が考えられるので、遊技者は、狙い所を少しずらして暫く様子をみて、場合によっては他のパチンコ遊技機に移る、という様な対処をすることができる。このため、報知を他のパチンコ遊技機に移るか否か等の判断基準とすることができ、遊技者にとって便利である。
【0060】
又、実施例では、目標はマイクロコンピュータ20のROM23に記憶されているが、例えば、店員が外部操作によってパチンコ遊技場の開店前等に設定することができる様に構成されていても良い。
又、実施例では、目標表示ボタン11が押圧されることによって目標が表示される様に構成されているが、所定時間毎に自動的に表示される様に構成されていても良いし、パチンコ球を所定個数発射する毎に自動的に表示されるように構成されていても良い。
【0061】
又、実施例では、目標及び目標を達成していない旨は、目標表示装置31(液晶ディスプレイ)によって視覚的に遊技者に知らせる様に構成されているが、スピーカ等の聴覚的手段によって聴覚的に知らせても良いし、視覚的手段及び聴覚的手段を併用して知らせても良い。
又、実施例では、目標は1つであったが、目標を複数設定し、例えば、▲1▼パチンコ球を200個発射する毎に何れかの目標ゲート13を通過させること,▲2▼パチンコ球を100個発射する毎に第1種始動口に最低4個入賞させること,▲3▼パチンコ球を100個発射する毎に天釘に1個当てること,▲4▼所謂単発打ち,止め打ちをすることなく200個のパチンコ球を連続して発射し続けること、の4つの目標の総合的な達成度あるいは個々の目標の達成度に応じて遊技設定を変更する様に構成されていても良い。更に、例えば押しボタン等を設け、遊技者が押しボタンを押圧している間だけ各目標の達成度が表示される様に構成されていても良い。図4に、目標表示装置31の表示内容の一例を示す。図4(a)は押しボタンを押圧していない場合の目標表示装置31の表示内容であり、(b)は押しボタンを押圧している場合の表示内容であり、塗りつぶされた星印の個数によって目標▲1▼〜▲4▼の達成度を表示している。尚、各目標の達成度は、所定時間毎に自動的に表示される様に構成されていても良いし、パチンコ球を所定個数発射する毎に自動的に表示されるように構成されていても良い。
【0062】
又、実施例では、キャラクタが徐々に衰弱してゆく様に表示させることによって遊技者に目標を達成していない旨を随時報知する様に構成されているが、不利な遊技設定に移行させる直前に、キャラクタが暴れている様な画像や鳴き喚いている様な画像を表示させ、加えて鳴き声等を出力させることによって報知する様に構成されていても良い。
【0063】
又、実施例では、目標を達成しない場合に、罰則として遊技者に不利な遊技設定を適用する様に構成されているが、パチンコ球の発射を禁止する様に構成されていても良いし、所定入賞口を閉口又は収縮させる様に構成されていても良いし、抽選を行う際の図柄の変動時間が長くなる様に構成されていても良いし、第1種始動口15への入賞記憶数の最大値が小さくなる様に構成されていても良いし、電動役物の開放時間が短くなる様に構成されていても良いし、高確率状態へ移行した際の大当り確率が低くなる様に構成されていても良い。
【0064】
又、実施例では、目標を達成しない場合には、設定1から設定2,設定3を経て最も不利な設定4に移行する様に構成されているが、目標を達成しない場合には即座に設定4に移行するように構成されていても良い。又、設定3や設定4が適用されていても目標を達成した場合には即座に設定1に移行する様に構成されていても良い。
【0065】
又、実施例では、初期状態において遊技設定として設定1が適用されており、目標を達成しなければ不利な遊技設定に移行する様に構成されているが、初期状態において不利な遊技設定が適用されており、目標を達成することによって有利な遊技設定に移行する様に構成されていても良い。
【0066】
又、実施例では、目標の達成如何によって遊技設定を変更する様に構成されているが、図5に示す様に、目標の達成度と遊技の継続時間とを考慮して遊技設定を決定する、即ち、目標の達成度がある程度低くても遊技の継続時間が長ければ有利な遊技設定が適用される様に構成されていても良い。
【0067】
又、実施例では、遊技者がパチンコ球を発射しなくなってから5分間以上経過すると、遊技設定を初期化する(設定1に戻す)様に構成されているが、例えば、各パチンコ遊技機に、パチンコ遊技場が発行する会員カードから識別情報を読み取るカードリーダを設置し、識別番号の変動があった場合に遊技設定を初期化する、即ち、ある遊技者が遊技を終了し、他の遊技者が遊技を開始した時点で遊技設定を初期化する様に構成されていても良い。この様に構成されている場合には、会員カードがカードリーダに挿入されている限り、トイレ休憩等のためにパチンコ遊技機の前から離れたとしても、休憩後、休憩前の遊技設定で引き続き遊技を行うことができる。尚、この場合、カードリーダが、前述した遊技者識別手段に相当し、会員カードが、前述した記録媒体に相当し、識別番号の変動があった場合に遊技設定を初期化する処理が、遊技設定初期化手段の作用に相当する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例のパチンコ遊技機の遊技盤周辺の外観を説明するための正面図である。
【図2】 パチンコ遊技機の要部の構成を説明するためのブロック図である。
【図3】 マイクロコンピュータのCPUが行う処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【図4】 変形例のパチンコ遊技機における目標表示装置の表示内容を説明するための説明図である。
【図5】 変形例のパチンコ遊技機における目標達成度及び遊技継続時間と遊技設定との関係を説明するための説明図である。
【符号の説明】
1…パチンコ遊技機 11…目標表示ボタン 13…目標ゲート 13s…目標ゲート通過センサ 15…第1種始動口 15s…第1種始動口入賞センサ 17…大入賞口 17s…大入賞口入賞センサ 17a…大入賞口アクチュエータ 20…マイクロコンピュータ 21…CPU 23…ROM 25…RAM 27…入力インタフェース 29…出力インタフェース 31…目標表示装置 33…特別図柄表示装置。

Claims (10)

  1. 遊技者がどの様にパチンコ球を発射するべきかに関する目標が予め設定されているパチンコ遊技機であって、
    遊技者が実際どの様にパチンコ球を発射しているかを検出する実状検出手段と、
    前記実状検出手段による検出結果に基づいて遊技者が前記目標を達成しているか否かを判断する目標達成判断手段と、
    図柄を変動表示して、大当りの抽選を行う抽選手段と、
    を備え、
    前記目標達成判断手段により遊技者が前記目標を達成していないと判断された場合、前記目標を達成している時と比較して、前記抽選手段での図柄の変動時間を長くする
    ことを特徴とするパチンコ遊技機。
  2. 請求項1に記載のパチンコ機において、
    前記目標達成判断手段により遊技者が前記目標を達成していると判断された場合又は遊技者が前記目標を達成していないと判断された場合にその旨を遊技者に報知する報知手段
    を備えることを特徴とするパチンコ機。
  3. 前記報知手段は、文字・図形等を表示するための所定の表示手段によって遊技者に報知することを特徴とする請求項2に記載のパチンコ遊技機。
  4. 前記報知手段は、前記表示手段に仮想生物を表す図形を表示させることによって遊技者に報知することを特徴とする請求項2に記載のパチンコ遊技機。
  5. 前記目標達成判断手段により遊技者が前記目標を達成していないと判断されることに起因して前記報知手段が報知する一連の動作が所定回行われた場合に、遊技者にとって有利となるか不利となるかにかかわる遊技の設定を遊技者にとって不利となる様に変更又は維持する不利状態創出手段を備えることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のパチンコ遊技機。
  6. 記不利状態創出手段は、遊技者にとって不利となる様に設定するか否かを抽選する不利状態抽選手段を備え、該不利状態抽選手段による抽選結果に基づいて遊技の設定を変更することを特徴とする請求項5に記載のパチンコ遊技機。
  7. 前記目標達成判断手段により遊技者が前記目標を達成していると判断された場合に、遊技者にとって有利となるか不利となるかにかかわる遊技の設定を、遊技者にとって有利となる様に変更又は維持する有利状態創出手段を備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のパチンコ遊技機。
  8. 遊技者を識別するための遊技者識別手段と、
    該遊技者識別手段により遊技者の変動が認められた場合に遊技の設定を初期状態に戻す遊技設定初期化手段と、
    を備えることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載のパチンコ遊技機。
  9. 前記遊技者識別手段は、遊技者の識別情報が記録された記録媒体から当該識別情報を読み取ることにより遊技者を識別する識別情報読取手段を備えることを特徴とする請求項8に記載のパチンコ遊技機。
  10. 所定入賞口又は所定ゲートへパチンコ球を入賞又は通過させることを前記目標として採用し、前記実状検出手段は、パチンコ球が前記所定入賞口に入賞した旨又はパチンコ球が前記所定ゲートを通過した旨を検出することを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載のパチンコ遊技機。
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