JP4332063B2 - 粒状結晶の製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は粒状結晶の製造装置に関し、特に光電変換装置に用いられるシリコン粒子の作製等に使用される粒状結晶の製造装置に関するものである。
太陽電池の開発では、性能面での効率,資源の有限性、あるいは製造コスト等といった市場ニーズを捉えて開発が進められている。その有望な太陽電池の一つとして、粒状シリコンを用いた光電変換素子を用いるものが活発に開発されている。
現在、太陽電池の光電変換素子に用いる粒状シリコン等の高い結晶性を持った粒状結晶を安定して高効率に、しかも低コストで製造するための粒状結晶の製造装置として、坩堝のノズル部から結晶材料の融液を滴状に排出して落下させるとともに、この滴状の融液を落下中に冷却して凝固させることによって粒状結晶を製造する粒状結晶の製造装置がある(例えば、特許文献1を参照。)。この粒状結晶の製造装置において、坩堝は円筒状の本体部材とこの本体部材の底部に取り付けられる円盤状のノズル部材とで構成され、このノズル部材に設けられた結晶材料の融液を滴状に排出するノズル孔は、本体部材の底部に水平に取り付けられたノズル部材に、表面に対して垂直に鉛直方向に貫通させたものが用いられていた。
特開2003−128493号公報
しかしながら、従来の粒状結晶の製造装置におけるノズル部材では、鉛直方向に貫通させて設けたノズル孔から次々に排出される融液は鉛直線上でほぼ同一の軌跡をたどるため、大きさが異なることによって速度差を持つ融液同士が落下中に合体することがあり、得られた粒状結晶の粒径に分布ができるという問題点がある。また、速度差を持つ融液同士が落下中に接触して、だるま型や数珠型のように複数の粒子が密着したものが生成されることがあり、単一の粒状の結晶を安定して得ることが困難になるとともに、分球の工程が必要となるためコスト高になるという問題点もある。
本発明は以上のような従来の技術における問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的は、太陽電池の光電変換素子に用いる粒状シリコン等の高い結晶性を持った粒状結晶を、安定した一様な形状および粒径で高効率に、しかも低コストで製造することができる粒状結晶の製造装置を提供することにある。
本発明の粒状結晶の製造装置は、坩堝の底部から結晶材料の融液を粒状に排出して落下させるとともに、この粒状の融液を落下中に冷却して凝固させることによって粒状結晶を製造する粒状結晶の製造装置において、前記坩堝を円筒状の本体部材とこの本体部材の底部に取り付けられた円盤状のノズル部材とで構成し、このノズル部材に前記融液を粒状に排出するノズル孔を鉛直方向から角度をつけて貫通させて設けたことを特徴とするものである。
また、本発明の粒状結晶の製造装置は、上記構成において、前記ノズル部材を回転可能としたことを特徴とするものである。
また、本発明の粒状結晶の製造装置は、上記各構成において、前記ノズル部材に前記ノズル孔が複数設けられていることを特徴とするものである。
また、本発明の粒状結晶の製造装置は、上記各構成において、前記ノズル孔の直径が5μm以上100μm以下であることを特徴とするものである。
また、本発明の粒状結晶の製造装置は、上記各構成において、前記ノズル部材が炭化珪素,酸化アルミニウム,窒化ホウ素,酸化珪素またはダイヤモンドのうちのいずれかから成ることを特徴とするものである。
本発明の粒状結晶の製造装置によれば、底部から結晶材料の融液を粒状に排出して落下させる坩堝を、円筒状の本体部材とこの本体部材の底部に取り付けられた円盤状のノズル部材とで構成し、このノズル部材に結晶材料の融液を粒状に排出するノズル孔を鉛直方向から角度をつけて貫通させて設けたことから、落下する粒状の融液は放物線状の軌跡を描くこととなる。落下する粒状の融液が放物線状の軌跡を描く理由は、ノズル孔が鉛直方向から角度をつけて設けられていることから、そのノズル孔から排出される粒状の融液がその角度に応じて鉛直方向の速度成分に加えて水平方向の速度成分を持つためである。したがって、ノズル孔から排出されてからある時刻が経過した後には、粒状の融液は鉛直方向の変位に加え、水平方向にも変位することとなる。このように、鉛直方向と水平方向との合成変位を大きくすることで、連続して放出される粒状の融液同士の距離をより長く保つことができる。これにより、それぞれの粒状の融液同士の接触確率を低くすることができ、落下中の合体を防止することができるので、だるま型や数珠型のように複数の粒子が密着したものの生成を抑えることができ、安定した一様な形状および粒径を持つ粒状結晶を効率良く製造することができる。
また、このノズル部材を回転可能としたときには、粒状の融液が排出される位置を時々刻々と変化させられるため、落下するそれぞれの粒状の融液同士に互いに接触しないような軌跡をたどらせることができる。これにより、それぞれの粒状の融液同士の接触確率をより低くすることができ、落下中の合体を防止することができるので、安定した一様な形状および粒径を持つ粒状結晶を効率良く製造することができる。また、粒状の融液がノズル孔から排出される際の流速方向の急激な変化を抑えることができるため、排出される融液の軌道の乱れを防いで安定した排出を継続することができるとともに、一様な形状および粒径を持つ粒状結晶を安定して製造することができる。
また、本発明の粒状結晶の製造装置によれば、ノズル部材にノズル孔が複数設けられているときには、一度に複数のノズル孔から粒状の融液を排出することができるため、一様な形状および粒径を持つ粒状結晶を生産性良く製造することができる。
また、本発明の粒状結晶の製造装置によれば、ノズル孔の直径が5μm以上100μm以下であるときには、粒状の融液を排出するために不必要に大きな圧力を加える必要がなく、また粒状の融液が過大に大きくなることもなくなるため、安定して良好な形状および粒径の粒状結晶を得ることができる。
また、本発明の粒状結晶の製造装置によれば、ノズル部材が炭化珪素,酸化アルミニウム,窒化ホウ素,酸化珪素またはダイヤモンドのうちのいずれかから成るときには、粒状の融液を排出することによるノズル孔の磨耗を効果的に防止できるため、ノズル孔の形状や大きさが安定し、粒径分布の揃った粒状結晶を形成することができる。
以上のように、本発明の粒状結晶の製造方法によれば、粒状結晶を得るための粒状の融液の落下過程において、粒状の融液同士の合体や粒状の融液同士の密着を確実に防ぐことができ、それによって一様な形状および粒径を持つ粒状結晶を安定して製造することができるため、例えば粒状シリコン等の粒状結晶を製造する際の製造歩留まりを向上させることができるとともに、分球工程を不要として製造コストを下げることができる。
以下、本発明の粒状結晶の製造装置について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は本発明の粒状結晶の製造装置の実施の形態の一例を示す断面図であり、1は坩堝、2は本体部材、3はノズル部材、4は融液である。坩堝1は円筒状の本体部材2とこの本体部材2の底部に取り付けられた円盤状のノズル部材3とで構成されている。
坩堝1の本体部材2は、例えば結晶材料の融液として用いられるシリコンとの反応を抑えるための内壁部材2aとその外側に配置される外壁部材2bとから構成される。この外壁部材2bは強度を確保するために設けられるものである。この内壁部材2aおよび外壁部材2bは、鋳込み成形法やホットプレス法等により緻密化された焼結体等で構成されている。内壁部材2aとしては、シリコンとの反応を抑えるためには、酸化アルミニウム,炭化珪素,グラファイト等が適するが、加工のしやすさの点ではホットプレスで焼結したグラファイトが適する。グラファイトで形成する場合は、加工した後にその純度を上げるため、酸による洗浄を行なった後、水洗と乾燥を行なって使用する。これらは、例えば内壁部材2aの外側と外壁部材2bの内側とにネジを設けて組み立てる。
また、坩堝1の底部にはノズル孔3aを有するノズル部材3が設けられている。つまり、底部に小径部2cを有する坩堝1の外壁部材2bとは別体に融液4を排出するためのノズル孔3aを有するノズル部材3を設け、このノズル部材3を坩堝1の本体部材2の底部の小径部2cの内側に配置して取り付けたものである。このノズル部材3は、炭化珪素,ダイヤモンド,酸化アルミニウム,立方晶窒化ボロン等から成る。この各材料は、単結晶を加工したものか、焼結条件によりその緻密度を設定して形成される。
また、本体部材2に対してノズル部材3に、またはノズル部材3を含む本体部材2に回転機構を設けることにより、ノズル部材3を回転可能としておくことが重要である。例えば、外壁部材2bの外側の側方に歯車状の構造を設け、この構造をモーターに接続して、側方から坩堝1全体を回転させることによってノズル部材3を回転させればよい。このように、ノズル部材3を回転可能であるものとすることにより、粒状の融液が排出されるノズル孔3aの外側の開口の位置が時々刻々と変化することとなるので、落下するそれぞれの粒状の融液同士に互いに接触しないような軌跡をたどらせることができるものとなる。
ノズル部材3は、ノズル孔3aの磨耗を防止して安定した粒状結晶を形成するために、真比重が3.0g/cm以上の炭化珪素,3.30g/cm以上の立方晶窒化ホウ素,3.35g/cm以上のダイヤモンドのうちのいずれかから成ることが望ましい。また、このノズル部材3が、単結晶炭化珪素,単結晶酸化アルミニウム(サファイヤ),単結晶立方晶窒化ホウ素,単結晶ダイヤモンドのうちのいずれかから形成されていると、さらにノズル孔3aの磨耗を防止して安定した粒状結晶を形成することができる。
ノズル部材3のノズル孔3aは、その直径を5μm以上100μm以下として形成することが望ましい。このノズル孔3aを5μm未満に形成することは、現在の技術では困難であり、また、粒状の融液を排出するために大きな圧力を加える必要があるため、装置の大型化を招くこととなる。また、ノズル孔3aの直径が5μm未満では、このノズル孔3aから排出されて形成される粒状の融液4の粒径が小さくなりすぎて、例えば粒状結晶が結晶シリコンの場合には、それを用いた光電変換装置による太陽光の吸収効率が悪くなる等といった、小径過ぎることによる弊害が生ずるようになる。また100μmを超えると融液4の粒子径が大きくなって良好な粒状結晶を得にくくなる。
このノズル部材3に設けられるノズル孔3aは、複数設けてもよい。ノズル孔3aを複数設けることにより、ノズル孔3aの個数に応じて生産性の向上が図れるため、製造上のメリットが大きいものとなる。この場合、ノズル孔3aの孔径と融液4に加えるガス圧とにより、融液4の噴出量(速度)が決まることとなり、そのときの表面張力との関係から粒径が決まることとなる。そのため、ノズル孔3aの個数が増えれば、速度を維持するためにはガス圧力を若干増加させる必要がある。
ノズル部材3へのノズル孔3aの加工は、機械加工,レーザ加工、あるいは超音波加工等で形成し、同じ孔径になるように仕上げを行なう。なお、ノズル部材3についても、ノズル孔3aに対する厚みが一定となるように厚みを揃えて加工しておくことが好ましい。
そして、本発明の粒状結晶の製造装置においては、ノズル部材3に、ノズル孔3aを鉛直方向から角度をつけて貫通させて設けることが重要である。ノズル孔3aを鉛直方向から角度をつけて貫通させて設けることにより、落下する粒状の融液4は放物線状の軌跡を描くこととなる。落下する粒状の融液4が放物線状の軌跡を描く理由は、鉛直方向の速度成分に加えて水平方向の速度成分を持つためである。したがって、ノズル孔3aから排出されてからある時刻が経過した後、粒状の融液4は鉛直方向の変位に加え、水平方向にも変位することとなる。このように、鉛直方向と水平方向との合成変位を大きくすることで、連続して放出される粒状の融液4同士の距離をより長く保つことができる。これにより、それぞれの粒状の融液4同士の接触確率を低くすることができ、落下中の合体を防止することができるので、だるま型や数珠型のように複数の粒子が密着したものの生成を抑えることができ、安定した一様な形状および粒径を持つ粒状結晶を効率良く製造することができる。この鉛直方向からの角度は、融液4がノズル孔3aから排出される際に、またノズル部材3を回転させた際に、融液4の流速の方向が乱されないような角度が好ましく、ノズル孔3aの出口側の開口での融液4の鉛直方向の速度ベクトルと遠心力による外側への速度ベクトルも考慮してそれらの和から好適な角度を求めるようにするとよい。なお、ノズル部材3を水平に取り付けた板状の部材とする場合には、ノズル孔3aはノズル部材3の表面に対して垂直方向から角度をつけて貫通させて形成すればよい。
そのようにノズル部材3に鉛直方向から角度をつけてノズル孔3aを貫通させて設けた例を、図2にノズル部材3の上面図,断面図および底面図で示す。図2に示した例においては、円盤状のノズル部材3の中心部にノズル孔3aを1つ設けており、このノズル孔3aは、上面側すなわち坩堝1の内側でノズル部材3の中心に位置し、底面側すなわち坩堝1の外側でノズル部材3の中心からずれた部位に位置するように形成されている。ノズル孔3aをこのように設けることにより、ノズル孔3aから落下する粒状の融液4は、鉛直方向の速度成分に加えて水平方向の速度成分を持つこととなるため、ノズル孔3aから排出されてからある時刻が経過した後、粒状の融液4は鉛直方向の変位に加え、水平方向にも変位することとなり、粒状の融液4を放物線状に落下させることができる。さらに、ノズル部材3を回転させる場合には、ノズル部材3の中心に設けたノズル孔3aによって融液4の排出位置を粒状の融液が互いに接触しないように回転方向にも時々刻々と変化させることができる。
ノズル部材3にノズル孔3aを複数設ける場合には、図3にノズル部材3の上面図,断面図および底面図で示すように、ノズル部材3の中心部とその周囲に円周上に位置するように設けることが好ましい。また、中心部以外に設けられるノズル孔3aは、そのノズル孔3aから排出する粒状の融液の軌道を安定させるため、ノズル部材3の中心側から外周側に向けて角度をつけて放射状に貫通させて設けることが望ましい。これにより、融液4がノズル孔3aから排出される際の流速方向の急激な変化を抑えることができるため、排出される粒状の融液の軌道の乱れを防いで安定した排出を継続することができるとともに、複数のノズル孔3aから排出された粒状の融液同士が接触することを確実に防ぐことができるため、一様な形状および粒径を持つ粒状結晶を一度に大量に製造することができるものとなる。
上述のように坩堝1の本体部材2とノズル部材3とを別部材で作製して、それを組み立てる構造にすることで、ノズル部材3のみを差し替えることが可能となり、高価な坩堝1の本体部材2は繰り返して使用することができる。
このような坩堝1に結晶材料の融液4の原料として例えばシリコン原料を投入して、誘導加熱または抵抗過熱ヒータ(図示せず)でシリコン全体を溶融して融液4とする。この溶解した融液(シリコン融液)4の上部をアルゴンガス等によって例えば0.7MPa以下の圧力(0.01MPa以上であることが好ましい。)でガス加圧してノズル部材3のノズル孔3aから融液4を押し出すことにより、融液(シリコン融液)4を多数の粒状の液滴にする。粒状に排出された融液(シリコン融液)4は、落下中に冷却され凝固して、この場合は粒状の単結晶シリコンまたは少数の結晶粒から成る粒状の結晶シリコンとなって、回収容器(図示せず)に収容される。このようにして粒状結晶が得られるが、その際、本発明の粒状結晶の製造装置によれば、ノズル部材3に、融液4を粒状に排出するノズル孔3aを鉛直方向から角度をつけて貫通させて設けていることから、ノズル孔3aから落下する粒状の融液4は、鉛直方向の速度成分に加えて水平方向の速度成分を持つこととなるため、ノズル孔3aから排出されてからある時刻が経過した後、粒状の融液4は鉛直方向の変位に加え、水平方向にも変位することとなり、粒状の融液4を放物線状に落下させることができ、またそれとともに、このノズル部材3を回転可能として回転させることにより、融液4が排出されるノズル孔3aの出口側の開口の位置が時々刻々と変化して、落下するそれぞれの粒状の融液同士に互いに接触しないような軌跡をたどらせることができるので、安定した一様な形状および粒径を持つ粒状結晶を効率良く製造することができる。
なお、このとき、ノズル孔3aから排出された粒状の融液は、ポンプやマスフローコントローラー等を用いて内部の圧力およびガス濃度等の雰囲気を調整できる管状体5の内部を落下するようにしておくことが好ましい。この管状体5は、Oリングやガスケット等を用いて、異なる管状の部材が接触する部位が気密に保たれるものが用いられ、例えば石英管,アルミナセラミック管、あるいはステンレス管等を用いることができる。管状体5の内部の雰囲気を調整する方法は、管状体5内の圧力とガス濃度を調整できる方法であれば特に限定されるものではない。
以下に、本発明の粒状結晶の製造装置による製造実験例を示す。なお、この例ではノズル孔を1つ設けた単孔ノズルのノズル部材を用いた。
ノズル部材として、外径13mm,厚さ1mmの円盤状の炭化珪素を用意し、レーザ加工にてこのノズル部材の表面に垂直な方向から45°の角度で直径80μmのノズル孔を形成し、これを内径19mm,外径25mm,長さ143mmのグラファイト製の本体部材の底部に取り付けて、坩堝を構成した。この際、本体部材の内側に位置するノズル孔の開口は、円盤状のノズル部材の中心に合わせて孔開けした。この坩堝に結晶材料の融液の原料としてシリコン原料を投入して、誘導加熱によりシリコン全体を溶融させ、融液とした。
次に、坩堝の上部からシリコン融液にアルゴンガス圧を加え、ノズル孔からのシリコン融液の排出速度を0.45m/秒として、粒状の液滴として排出させた。この場合、ノズル孔を垂直に貫通させたノズル部材を用いると、ノズル孔近傍において、合体前の液滴の粒径は600μm程度であり、連続して排出される液滴同士の間隔はおよそ2mmとなり、前方の液滴に対する後方の液滴の相対速度は約11mm/秒となる。これによれば、この2つの液滴が同じ軌跡をたどる場合に合体するまでの時間は約0.18秒である。
上記のように構成した坩堝を用いてノズル部材を回転させない場合には、前方の液滴に後方の液滴が合体するまでの時間において、水平方向にもおよそ2mmの距離進むこととなり、ノズル孔を垂直に貫通させたノズル部材を用いた場合に比べ、相対的な距離がおよそ1.4倍広がる結果となった。このように、粒状の融液同士の距離をより長く保つことにより、それぞれの粒状の融液同士の接触確率を低くすることができ、落下中の合体を防止することができるので、だるま型や数珠型のように複数の粒子が密着したものの生成を抑えることができ、一様な形状および粒径の粒状シリコン結晶が得られた。
次に、上記のように構成した坩堝を用いてノズル部材を回転させた場合には、坩堝の外側(排出口側)のノズル孔の開口の回転軌道半径は約1mmであり、粒径が600μm程度の液滴同士が接触しないためのノズル孔の開口の回転角は約35°である。したがって、ノズル孔の排出口側の開口が0.18秒の間に35°回転するような回転速度をノズル部材に与えるには、毎秒約0.54回転の速度で回転させればよい。そこで、外壁部材の外側の側方に歯車状の構造を設け、この構造をモーターに接続して、側方から本体部材を回転させて坩堝全体を回転させることによりノズル部材を回転させノズル孔の開口を回転させて、上記と同様の条件で粒状のシリコン融液を排出させたところ、落下するそれぞれの粒状の融液が互いに接触しないような軌跡をたどり、粒状の融液同士の合体がよりよく抑えられて、一様な粒状および粒径の粒状シリコン結晶が得られた。
この結果、上記のいずれの実験例においても、得られた粒状シリコン結晶は一様な形状および粒径のものであり、ノズル孔を垂直に貫通させたノズル部材を用いた場合に見られるような、ダルマ型や数珠型のように複数の粒子が密着したものは見られず、一様な形状および粒径の粒状シリコンを安定して効率良く得ることができた。
なお、本発明は以上の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることは何ら差し支えない。例えば、ストロー型のノズルを作製し、これを鉛直方向から角度をつけて坩堝に設置して結晶材料の融液を排出してもよい。この場合は、ストロー型のノズルのノズル孔から落下する粒状の融液は、鉛直方向の速度成分に加えて水平方向の速度成分を持つこととなるため、ノズル孔から排出されてからある時刻が経過した後、粒状の融液は鉛直方向の変位に加え、水平方向にも変位することとなり、粒状の融液を放物線状に落下させることができる。この作用により、それぞれの粒状の融液同士の接触確率を低くすることができ、落下中の合体を防止することができるので、だるま型や数珠型のように複数の粒子が密着したものの生成を抑えることができ、安定した一様な形状および粒径を持つ粒状結晶を効率良く製造することができるものとなる。
本発明の粒状結晶の製造装置の実施の形態の一例を示す断面図である。 本発明の粒状結晶の製造装置におけるノズル部材の実施の形態の一例を示す上面図,断面図および底面図である。 本発明の粒状結晶の製造装置におけるノズル部材の実施の形態の他の例を示す上面図,断面図および底面図である。
符号の説明
1・・・坩堝
2・・・本体部材
2a・・・内壁部材
2b・・・外壁部材
2c・・・小径部
3・・・ノズル部材
3a・・・ノズル孔
4・・・融液
5・・・管状体

Claims (5)

  1. 坩堝の底部から結晶材料の融液を粒状に排出して落下させるとともに、この粒状の融液を落下中に冷却して凝固させることによって粒状結晶を製造する粒状結晶の製造装置において、前記坩堝を円筒状の本体部材とこの本体部材の底部に取り付けられた円盤状のノズル部材とで構成し、このノズル部材に前記融液を粒状に排出するノズル孔を鉛直方向から角度をつけて貫通させて設けたことを特徴とする粒状結晶の製造装置。
  2. 前記ノズル部材を回転可能としたことを特徴とする請求項1記載の粒状結晶の製造装置。
  3. 前記ノズル部材に前記ノズル孔が複数設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の粒状結晶の製造装置。
  4. 前記ノズル孔の直径が5μm以上100μm以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の粒状結晶の製造装置。
  5. 前記ノズル部材が炭化珪素,酸化アルミニウム,窒化ホウ素,酸化珪素またはダイヤモンドのうちのいずれかから成ることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の粒状結晶の製造装置。
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