JP4330671B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トレンチキャパシタのトレンチなどの溝が表面に形成された半導体基板を有する半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンピューターや通信機器の重要部分には、多数のトランジスタや抵抗等を電気回路を達成するようにむすびつけ、1チップ上に集積化して形成した大規模集積回路(LSI)が多用されている。このため、機器全体の性能は、LSI単体の性能と大きく結び付いている。LSI単体の性能向上は、集積度を高めること、つまり、素子の微細化により実現できる。
【0003】
しかしながら、素子の微細化に伴って種々の問題が起こっている。例えば、DRAMメモリセルのキャパシタにおいては、キャパシタ面積の減少によって、キャパシタ容量が減少する方向にある。その結果、メモリ内容が誤って読み出されたり、あるいはα線により記憶内容が破壊されるというソフトエラーが問題となっている。
【0004】
このような問題の解決に有効なキャパシタの1つとして、トレンチキャパシタが知られている。トレンチキャパシタは、トレンチ側面をキャパシタ面積に利用することにより、必要な容量を確保するというものである。
【0005】
従来、トレンチキャパシタは次のようにして形成していた。
【0006】
まず、フォトリソグラフィとリアクティブイオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)を用いて、シリコン基板にトレンチを形成する。次に砒素ドープトガラス膜を堆積した後、固相拡散により砒素ドープトガラス膜中の砒素をトレンチ表面に拡散させ、トレンチ表面に容量電極(プレート電極)としての高不純物濃度の不純物拡散層を形成する。
【0007】
最後に、トレンチ表面にキャパシタ絶縁膜を形成した後、蓄積電極(ストレージノード電極)としての砒素ドープトアモルファスシリコン膜を堆積して、トレンチキャパシタは完成する。
【0008】
しかしながら、この従来の形成方法には、以下のような問題がある。
【0009】
すなわち、RIEでは先細りのトレンチが形成されるため、蓄積電極(砒素ドープトアモルファスシリコン膜)の埋込み形状が劣化しやすい。このような埋込み形状の劣化は、トレンチ径が縮小化するほど顕著になる。このため、素子の微細化が困難であった。
【0010】
また、トレンチ形成時のRIEにより、トレンチ表面に凹凸が生じ、そこに電界が集中し、キャパシタ絶縁膜の絶縁耐圧が低下するという問題があった。
【0011】
ここで、化学ドライエッチング(CDE:Chemical Dry Etching)によりトレンチ表面を滑らかにすることが考えられるが、トレンチ上壁にカラー酸化膜を形成する場合には、カラー酸化膜とシリコン基板との選択比を大きく取れないことから、CDEで削られる分だけカラー酸化膜を厚くする必要がある。
【0012】
しかしながら、微細化により径が狭くなったトレンチ上壁に厚いカラー酸化膜を形成することは困難である。したがって、上述したCDEによる方法は、微細化に対応できるものではなく、採用できるものではない。
【0013】
また、素子の高密度化を図るために、トレンチ形成用の露光マスクとして、矩形パターンの露光マスクを用いた場合には、曲率半径の小さい角部を有するトレンチが形成され、その曲率半径の小さい角部に電界が集中し、キャパシタ絶縁膜の絶縁耐圧が低下するという問題があった。
【0014】
また、トレンチ径の縮小化が進むと、固相拡散源である砒素ドープトガラス膜の膜厚を十分に確保できなくなり、これによりトレンチ表面に高不純物濃度の不純物拡散層を形成することが困難になるという問題があった。
【0015】
ここで、膜厚を確保するために、トレンチが埋まるほどの膜厚の砒素ドープトガラス膜を堆積しても、必ずしも高不純物濃度の不純物拡散層が形成されるわけではなく、しかも、この場合には、砒素ドープトガラス膜を後で剥離するのが困難になるという問題もある。
【0016】
トレンチ径の縮小化は、さらに以下のような問題も引き起こす。すなわち、トレンチを砒素ドープトアモルファスシリコン膜で埋め込む際にボイドが発生し、後工程で問題が起こる。
【0017】
具体的には、トレンチキャパシタを複数形成し、2つのトレンチを含む領域をSTIにより素子分離を行う場合には、その領域の砒素ドープトアモルファスシリコン膜をエッチング除去した後に熱酸化するが、そのときのエッチングの際にボイドが現れ、そのボイドの部分の砒素ドープトアモルファスシリコン膜が酸化され、欠陥が生じるという問題が生じる。
【0018】
また、トレンチ構造を有する半導体素子の製造プロセスにおいては、必要な容量を確保するために、工程数は増加の一途をたどっており、プロセス的な工夫により、工程数を減らす必要も生じている。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
上述の如く、従来の微細トレンチキャパシタの形成方法では、RIEにより生じるトレンチ表面の凹凸により、キャパシタ絶縁膜の絶縁耐圧が低下という問題があった。
【0020】
本発明は、上記事情を考慮してなされたもので、その目的とするところは、素子の微細化に有用な構造の溝を有する半導体装置の製造方法を提供することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】
本発明(請求項1)に係る半導体装置の製造方法は、表面に溝が形成されたシリコン基板と、前記溝の内部を埋め込む埋込み部材とを有し、前記溝をその深さ方向に平行な法線を有する第1の平面で切断した場合の前記溝の断面を第1の断面とし、前記溝をその深さ方向に平行な法線を有し、かつ前記第1の平面よりも前記溝の底に近い第2の平面で切断した場合の前記溝の断面を第2の断面としたときに、第1の断面の面積が第2の断面の面積よりも小さく、かつ第1の断面における曲率半径の最小値が第2の断面における曲率半径の最小値よりも小さいという第1の条件を満たす第1および第2の断面が存在する半導体装置、または、表面にアスペクト比が10以上の溝が形成されたシリコン基板と、前記溝の内部を埋め込む埋込み部材とを有し、前記溝の底から前記溝の開口方向に前記溝の深さの4/5の距離だけ離れた位置で、前記溝をその深さ方向に平行な法線を有する第1の平面で切断した場合の前記溝の断面を第1の断面とし、前記溝の底から前記溝の開口方向に前記溝の深さの1/5の距離だけ離れた位置で、前記溝をその深さ方向に平行な法線を有する第2の平面で切断した場合の前記溝の断面を第2の断面としたときに、前記第2の断面の長径を前記第2の断面の短径で割った値が、前記第1の断面の長径を前記第1の断面の短径で割った値の1.1倍よりも小さいという第2の条件を満たす半導体装置の製造方法であって、シリコン基板の表面に溝を形成する工程と、減圧下での850℃〜1200℃での還元性ガス雰囲気中での熱処理により前記溝の形状を変形させ、前記第1または第2の条件を満たす第1および第2の断面を有する溝を形成する工程と、前記溝の内面に不純物を拡散させることにより、前記溝の内面に第1のキャパシタ電極としての不純物拡散層を形成する工程と、前記溝の内部をキャパシタ絶縁膜を介して第2のキャパシタ電極により埋め込む工程とを有することを特徴とする。
【0029】
ここで、前記不純物拡散層は、ドーパントとしての不純物を含むガス雰囲気中での熱処理により、前記ガス雰囲気中の前記不純物を前記溝の内面に拡散させることにより形成することが好ましい。
【0030】
また、前記減圧下の熱処理と、前記ドーパントとしての不純物を含むガス雰囲気中での熱処理とを同一の真空容器内で連続的に行うことが好ましい。
【0031】
また、前記減圧下の熱処理は、850℃以上1200℃以下の温度で行うことが好ましい。
【0032】
また、前記減圧下の熱処理は、前記半導体基板の表面が還元されるガス雰囲気中で行うことが好ましい。具体的には、SiO2 が還元されるガス雰囲気中で行うことが好ましい。
【0033】
また、前記減圧下の熱処理は、水素雰囲気で行うことが好ましい。
【0034】
本発明(請求項4)に係る半導体装置の製造方法は、表面に左右非対称な断面形状を有する溝が形成されたシリコン基板と、前記溝の内部を埋め込む埋込み部材とを有し、前記溝は、前記溝の深さ方向に垂直な法線を有する平面により前記溝をその中心を通るように切断した場合に、前記溝径の中心に対して左右非対称な断面形状を有する半導体装置の製造方法であって、シリコン基板の表面に第1の溝を形成する工程と、減圧下での1100℃以上での還元性ガス雰囲気中での第1の熱処理により前記第1の溝を分離させる工程と、前記シリコン基板の表面に第2の溝を形成する工程と、前記減圧下での850℃以上1100℃以下での還元性ガス雰囲気中での第2の熱処理により、前記第1および第2の溝を前記左右非対称な断面形状を有する溝に変える工程と、前記左右非対称な断面形状を有する溝の内部を埋込み部材により埋め込む工程とを有することを特徴とする。
【0037】
また、第1の熱処理後に基板表面を平坦化してから第2の溝を形成することが好ましい。具体的には、全面に半導体膜を堆積し、次いで減圧下での熱処理により前記半導体膜の表面を平坦化する。
【0038】
[作用]
本発明者の研究によれば、基板表面に形成したトレンチの形状を、減圧下の熱処理により、素子の微細化に好ましい形状に変形できることが分かった。
【0039】
すなわち、減圧下の熱処理により、トレンチの角部、特にトレンチの底の角部を丸めることができることが分かった。このような形状変化により、電界集中の緩和を図ることができ、これにより絶縁耐圧の向上を図ることができる。
【0040】
さらに、減圧下の熱処理により、エッチングの際にトレンチ側面に形成された凹凸を消滅でき、トレンチ側面を滑らかにできることが分かった。このような形状変化によっても、電界集中の緩和を図ることができ、絶縁耐圧の向上を図ることができる。
【0041】
これらの電界集中の緩和効果により、トレンチの微細化が進んでも、絶縁耐圧の向上を図ることができる。
【0042】
また、トレンチは、通常、RIE等のエッチングにより形成し、エッチングが進むにつれてトレンチの形状は細くなる。このようなトレンチを有する半導体基板に対して減圧下の熱処理を施したところ以下のことが分かった。
【0043】
すなわち、先細りのトレンチを、その底に近い位置での断面面積のほうが底から遠い位置での断面面積より大きくなる領域を有するトレンチに変形できることが分かった。このような形状変化により、埋込み部材の埋込み形状を改善できる。これにより、例えば、トレンチキャパシタなどの素子の微細化を図れるようになる。
【0044】
本発明(第1の条件を満たす第1および第2の断面)は、このような特徴ある形状変化を特定したものである。図28に、本発明の溝を模式的に示す。
【0045】
また、図29に、矩形の露光マスク、RIEを用いて形成した溝を模式的に示す。矩形の露光マスクを用いても、現在の露光技術では露光ぼけにより、開口部が楕円状のエッチングマスクが形成されてしまう。
【0046】
このエッチングマスクを用いたRIEでは、初期は基板は楕円形状にエッチングされるが、深く掘るに従って基板の面方位依存性が現れるため、矩形形状にエッチングされていく。
【0047】
したがって、RIEにより形成されたアスペクト比が10以上の溝は、その上部(溝の深さの4/5)では楕円状、下部(溝の深さの1/5)では矩形状の断面を有している。
【0048】
ここで、溝下部の曲率半径の最小値は25nm以上であったが、本発明の減圧下の熱処理を施したところ、溝下部の曲率半径の最小値は150nm以上となることを確認した。
【0049】
すなわち、減圧下の熱処理により、最も尖っている部分が丸まり、トレンチ溝の形状を電界集中の起こり難い形状に変えられることを確認した。
【0051】
本発明(請求項)のように、ドーパントとしての不純物を含むガス雰囲気中での熱処理により、つまり気相からの不純物拡散により不純物拡散層(第1のキャパシタ電極)を形成することが好ましい。
【0052】
この方法によれば、気相中から常に不純物を溝内面に供給できるので、溝の径が小さくても(溝のアスペクト比が高くても)、必要な不純物濃度を有する不純物拡散層を容易に形成できる。
【0053】
また、減圧下の熱処理は、850℃以上1200℃以下で行うことが好ましい。その理由は、シリコン基板の場合、減圧下、850℃以上であれば、シリコンの表面拡散が生じ、また減圧下、1200℃よりも高い温度だと、溝が上下に分裂する現象が起こるからである。
【0054】
また、減圧下の熱処理は、本発明(請求項1−4)のように還元性ガス雰囲気で行うことが好ましい。これは半導体基板が酸化され、基板表面に酸化膜が形成されると、半導体基板の構成元素の流動現象が妨げられ、溝の形状変化が抑制されるからである。
【0055】
ここで、減圧下の熱処理と、ドーパントとしての不純物を含むガス雰囲気中での熱処理は、本発明(請求項)のように、連続的に行うことが好ましい。
【0056】
その理由は、基板表面に形成された自然酸化膜を減圧下の熱処理の際に除去できるので、この自然酸化膜が除去された状態を保持したまま、ドーパントとしての不純物を含むガス雰囲気中での熱処理を行なえば、自然酸化膜の除去工程を別途追加する必要がなく、工程数の削減化を図れるからである。
【0057】
また、本発明(請求項)のように溝の断面形状が非対称になっていれば、同じ深さでも断面形状が対称の場合に比べて溝の表面積が大きくなる。このため、例えばこのような非対称な溝をトレンチキャパシタのトレンチに適用すれば、微細化を進めても必要な容量を確保できるようになる。
【0058】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態(以下、実施形態という)を説明する。
【0059】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るトレンチキャパシタを示す図である。
【0060】
図中、11はシリコン基板を示しており、このシリコン基板11上には薄いSiO2 膜12を介してシリコン窒化膜13およびSiO2 膜14からなる絶縁マスクが形成されている。
【0061】
また、シリコン基板11にはアスペクト比10以上のトレンチ15が形成されており、このトレンチ15の上部の側壁から絶縁マスクの側壁にかけてはカラー絶縁膜16が形成されている。トレンチ15は、カラー絶縁膜16および上記絶縁マスクをエッチングマスクに用いたRIEにより形成したものである。
【0062】
図1(b)に、図1(a)のトレンチ15のX−X´断面をシリコン基板11の上から見た図を示す。また、図1(c)に、図1(a)のトレンチ15のY−Y´断面をシリコン基板11の上から見た図を示す。
【0063】
図からカラー絶縁膜16が形成されたところのトレンチ15の形状は、絶縁マスクに対応した四角形であるが(なお、厳密には作用の項で説明したように楕円形に近い)、カラー絶縁膜16より下の位置のトレンチ15の形状は上記四角形よりも曲率半径の最小値が大きい形である円形となっている。これは、後述する減圧下での高温・水素雰囲気中の熱処理による結果である。
【0064】
また、トレンチ15の内面には、気相からの不純物拡散により、容量電極(プレート電極)としての高不純物濃度のn型不純物拡散層17が形成されている。そして、トレンチ15の内部には、キャパシタ絶縁膜18(埋込み部材)を介して蓄積電極(ストレージノード電極)としての砒素ドープトアモルファスシリコン膜19(埋込み部材)が埋め込み形成されている。
【0065】
次に本実施形態のキャパシタの形成方法について説明する。図2、図3にその工程断面図を示す。
【0066】
まず、図2(a)に示すように、シリコン基板11の表面に薄いSiO2 膜12を形成した後、このSiO2 膜12上にシリコン窒化膜13、SiO2 膜14を順次形成する。
【0067】
次に図2(b)に示すように、SiO2 膜12、シリコン窒化膜13、SiO2 膜14をパターニングし、SiO2 膜12、シリコン窒化膜13およびSiO2 膜14からなり、四角形の開口部を有する絶縁マスクを形成した後、これをエッチングマスクに用いて、シリコン基板11をエッチングし、深さ1.5μmのトレンチ20を形成する。
【0068】
次に同図(b)に示すように、トレンチ20の側壁に例えばSi3 4 からなるカラー絶縁膜16を形成する。このカラー絶縁膜16はいわゆる側壁残し技術により形成する。
【0069】
すなわち、トレンチ20の側壁を覆うように全面にカラー絶縁膜16としての絶縁膜を堆積し、この絶縁膜の全面をRIEすることにより、トレンチ20の側壁に上記絶縁膜を選択的に残置させる。
【0070】
なお、以下の断面図では、SiO2 膜12、シリコン窒化膜13およびSiO2 膜14を1つの絶縁膜21でまとめて示してある。
【0071】
次に図2(c)に示すように、絶縁マスク(シリコン窒化膜、SiO2 膜)およびカラー絶縁膜16をエッチングマスクに用いてシリコン基板11をエッチングし、シリコン基板11に深さ7μmのトレンチ15を形成する。
【0072】
図2(d)に、図2(c)のトレンチ15のY−Y´断面をシリコン基板11の上から見た図を示す。この図から、この段階ではカラー絶縁膜16より下の位置のトレンチ15の形状は、四角形であることが分かる。
【0073】
次に自然酸化膜を除去するためにフッ化水素水溶液によりシリコン基板11を処理する。この後、シリコン基板をチャンバ内に導入し、このチャンバ内に水素のみを10slm流し、圧力を380Torrとした状態で、1000℃、600秒間の熱処理を行う。
【0074】
このとき、チャンバ内に導入するまでの間に形成されたシリコン基板11の表面の自然酸化膜が除去され、基板表面のシリコンが露出するので、表面積が最小になるようなシリコンの表面拡散が生じる。
【0075】
このようなシリコンの表面拡散により、トレンチ15には、長径方向に関しては圧縮し、短径方向に関しては伸縮するような変形が起こる。
【0076】
すなわち、熱処理後のトレンチ15の形状は、図2(c)のトレンチ15の形成時の形状(四角形)を、曲率半径の最小値が大ききくなるように変形した形状(楕円形)となる。その結果、トレンチ15は角がとれて丸くなる。
【0077】
図4に、トレンチの長辺側から見た熱処理前後のトレンチの断面を示す。図4(a)は熱処理前の断面図、図4(b)は熱処理後の断面図である。また、図5に、トレンチの短辺側から見た熱処理前後のトレンチの断面を示す。図5(a)は熱処理前の断面図、図5(b)は熱処理後の断面図である。
【0078】
また、図4、図5には、トレンチ表面の拡大図も示してある。図から、RIEによりトレンチ15の内面に形成された凹凸は、熱処理により消滅していることが分かる。したがって、熱処理後は、トレンチ15の内面は、ラフネスの小さい滑らかな形状となる。
【0079】
上記条件の熱処理によりトレンチ形状を変形させる前および変形させた後のトレンチを断面SEMにより調べて見た。その結果を図6、図7に示す。図6、図7はそれぞれ図4、図5に相当するものである。
【0080】
図6(a)、図7(a)から、トレンチ15は、RIEが進むにつれて、その形状は細くなる。しかし、図6(b)、図7(b)から、減圧下の熱処理により、トレンチ15は、その底部においては、底に近い位置での断面面積のほうがより大きくなる領域を有するように変形していることが分かる。本発明(請求項2)の1.1倍という値は、このSEMの結果から求めたものである。
【0081】
このような形状変化により、埋込み部材の埋込み形状を改善できる。これにより、例えば、トレンチキャパシタなどの素子の微細化を図れるようになる。
【0082】
さらに、SIM(Scanning Ion Microscope )(tilt角:30°)により調べ、その結果を図8、図9に示す。
【0083】
図8(a)は、熱処理前のトレンチの底からトレンチの深さの1/5の距離だけ離れた位置で、トレンチをその深さ方向に垂直な平面で切断して現れた面、図8(b)は熱処理後の面を示している。
【0084】
また、図9(a)は、熱処理前のトレンチの底からトレンチの深さの4/5の距離だけ離れた位置で、トレンチをその深さ方向に垂直な平面で切断して現れた面、図9(b)は熱処理後の面を示している。
【0085】
また、図10、図11に、カラー絶縁膜16としてシリコン酸化膜を用いた場合における上記熱処理前後のトレンチ15の顕微鏡写真(断面SEM)を示す。図10はトレンチ全体を示し、図11はトレンチ中央部分を示している。各図(a)は熱処理前、各図(b)は熱処理後を示している。図から、熱処理によってトレンチ15の表面がラフネスが小さく、滑らかな形状となることが分かる。
【0086】
次に上記熱処理を行なったチャンバ内に水素で1%に希釈されたPH3 (ホスフィン)を500sccm流し、圧力を200Torrとした状態で、1100℃、300秒間の熱処理を行なって、図3(e)に示すように、トレンチ15の内面に、容量電極(プレート電極)としての高不純物濃度のn型不純物拡散層17を形成する。
【0087】
ここで、上記2つの熱処理は連続的に行ない、シリコン基板11が大気に晒されないようにする。
【0088】
最後に、図3(f)に示すように、トレンチ15の内面を覆うようにSiO2 等からなるキャパシタ絶縁膜18を形成した後、トレンチ15内に蓄積電極(ストレージノード電極)としての砒素アモルファスシリコン膜19を埋め込み形成し、トレンチキャパシタが完成する。
【0089】
このようにして作成されたトレンチキャパシタの耐圧および従来のトレンチキャパシタの耐圧をI−V測定により評価した。従来のトレンチキャパシタは、トレンチ形状の変形を行うための熱処理が施されていないものである。
【0090】
試料としては、1mm2 中に106 個のトレンチキャパシタを含み、これらのトレンチキャパシタを並列に接続したものを使用した。
【0091】
図12に、試料のJ−V特性の結果を示す。図からリーク電流log(Jg )が1×10-8A/cm2 となる電圧Vg を比較すると、従来のキャパシタからなる試料が2.25Vであるのに対し、本実施形態のトレンチキャパシタからなる試料は3Vであることが分かる。すなわち、本実施形態のトレンチキャパシタは、従来のトレンチキャパシタよりも絶縁耐圧が高いことが分かる。
【0092】
このように絶縁耐圧が改善された理由は、熱処理により、トレンチ15の形成時の形状(四角形)が、曲率半径の最小値が大ききくなるような形状(円形)に変化したこと、およびRIEにより生じたトレンチ15の内面の凹凸が消滅したことから、電界集中が緩和されたためと考えられる。
【0093】
また、従来および本実施形態の試料のそれぞれの蓄積電極の埋め込み形状を調べたところ、従来の試料のトレンチに中央部にはボイドが見られたのに対し、本実施形態の試料にはボイドを見つけることはできなかった。
【0094】
したがって、本実施形態のトレンチキャパシタの場合、トレンチ15内にボイドがないので、後工程でSTIを行う場合に、熱酸化により欠陥が生じるという問題は起こらない。
【0095】
ボイドが発生しなかった理由は、トレンチの形状が、その底に近い位置での断面面積のほうがより大きくなる領域を有するように変形し、蓄積電極である砒素ドープトアモルファスシリコン膜19の埋め込みが容易になったためと考えられる。
【0096】
なお、本実施形態では、前処理(自然酸化膜除去)にフッ化水素水溶液を用いたが、塩酸水とオゾン水との混合液を用いて約1.5nmの薄い酸化膜を形成した場合でも、その後のチャンバ内での熱処理により、上記薄い酸化膜を自然酸化膜とともに除去することができるので、本実施形態と同様の効果が得られる。
【0097】
また、本実施形態では、n型不純物拡散層17を形成するための、n型不純物を含むガス中での熱処理の際に、n型不純物源としてPH3 ガスを用いたが、AsH3 (アルシン)ガスを用いても良い。また、PH3 ガスの希釈ガスとして、PH3 の分解を抑制する働きのある水素ガスを用いたが、Heガス等の他のガスを用いても良い。
【0098】
また、本実施形態では、トレンチ形状を変形させるための熱処理の際に、チャンバ内の圧力を80Torr、温度を1000℃に設定したが、減圧下、850℃以上であればシリコンの表面拡散が生じるので、本実施形態の場合と同様にトレンチ形状の形状を変形させることができる。
【0099】
シリコンの表面拡散は、圧力が低いほど、温度が高いほど顕著となり、トレンチには大きな形状の変化が生じる。そして、温度が1200℃よりも高くなると、図13に示すように、トレンチの底部が分裂する現象が起こる。これはSEMにより得たものである。
【0100】
したがって、シリコンの表面拡散を起こすための熱処理の温度は、1200℃以下とする必要がある。なお、図13は、トレンチを断面SEMにより調べ、その結果を模写したものである。
【0101】
なお、PH3 ガスを流したガス雰囲気での熱処理では、シリコンの表面拡散が抑制されることが分かっており、したがって、最初に水素ガスだけを流し、次にPH3 ガスのみを流す場合には、Pのドーピングしている間はトレンチ形状は変化せず、最初に水素ガスのみを流した時点で得られる形状が、Pのドーピング後も維持されることになる。
【0102】
また、本実施形態では、シリコンの表面拡散を生じせしめるために、水素ガスを流した場合について説明したが、必ずしも水素ガスを流さなくてとも、減圧下であれば、流動現象自体は起こる。
【0103】
ここで、流動現象を効果的に引き起こすためには、シリコン基板の表面を酸化し、シリコンの表面拡散を抑制する働きのある酸素ガスや水蒸気の分圧が低い環境で、熱処理を行うことが好ましい。
【0104】
しかしながら、本実施形態のように、水素ガスを流すことで、水素の還元作用により、シリコンが酸化されてSiO2 となる反応が抑制される方向に向かうので、シリコンを流動させやすくすることができる。
【0105】
すなわち、酸素ガスや水蒸気の分圧が低くない環境であっても、シリコンとSiO2 との酸化還元反応において、還元が進む方向であれば、シリコンの表面拡散は可能となる。
【0106】
また、本実施形態の熱処理(PH3 の気相拡散)は、温度が1000℃以上であれば、図14に示すように、表面のP濃度が1×1020cm-3であるn型不純物拡散層(プレート電極)17が得られる。そして、このPH3 の気相拡散の場合、表面のP濃度は、図15に示すように、PH3 ガス分圧に依存することが分かっている。
【0107】
なお、n型不純物拡散層(プレート電極)17は、従来と同様に、AsSG膜の固相拡散によっても形成できるが、この方法では、トレンチ径が微細化した際に、拡散種(As)の供給がAsSG膜の膜厚によって制限されてしまう。
【0108】
しかし、本実施形態の気相拡散の方法は、トレンチ径の縮小化が進んでも(アスペクト比が高くなっても)、気相中から拡散種(P)をトレンチ表面に常に供給できる。したがって、本実施形態によれば、トレンチ径の縮小化が進んでも必要な量の不純物を含んだn型不純物拡散層(プレート電極)17を容易に形成できる。
【0109】
また、気相拡散に対するトレンチ表面の酸化膜の影響を調べてみた。その結果、酸化膜が存在する場合には、拡散が抑制されることが分かった。したがって、気相拡散を用いるためには、自然酸化膜を除去することが好ましい。このような自然酸化膜の除去は、トレンチ形状を変化させる際の水素雰囲気での高温熱処理により可能である。
【0110】
したがって、本実施形態のように、トレンチ形状を変形させるための熱処理と、n型不純物拡散層(プレート電極)17を形成するための熱処理(PH3 の気相拡散)とを同一チャンバ内で連続して行うことにより、耐圧などの向上を図れると同時に、工程数の削減化も図ることができる。
【0111】
(第2の実施形態)
図16は、本発明の第2の実施形態に係るトレンチキャパシタを示す断面図である。
【0112】
図中、31はシリコン基板を示しており、このシリコン基板31上には薄いSiO2 膜32を介してシリコン窒化膜33およびSiO2 膜34からなる絶縁マスクが形成されている。
【0113】
また、シリコン基板31の表面には本発明の特徴あるトレンチ35が形成されている。このトレンチ35は、従来のトレンチとは異なり、トレンチ深さ方向に対して垂直な法線を有する平面によりトレンチ35をその中心を通るように切断した場合に、トレンチ径の中心に対して左右非対称な断面形状が存在するものである。上記絶縁膜マスク33,34は、トレンチ35をRIEにより形成する際にエッチングマスクとして用いられたものである。
【0114】
トレンチ35の上部の側壁にはカラー酸化膜36が形成されている。トレンチ35の表面には、気相からの不純物拡散により、容量電極(プレート電極)としての高不純物濃度のn型不純物拡散層37が形成されている。そして、トレンチ35の内部には、キャパシタ絶縁膜38(埋込み部材)を介して蓄積電極(ストレージノード電極)としての砒素ドープトアモルファスシリコン膜39(埋込み部材)が埋め込み形成されている。
【0115】
このように構成されたトレンチキャパシタによれば、トレンチ35が非対称な断面形状を有しているので、同じ深さでも断面形状が対称の場合(従来)に比べてトレンチ35の表面積が大きくなる。
【0116】
したがって、同じ深さであっても従来よりも大きな容量が得られるため、トレンチ径が縮小した際にも必要な容量を確保できるようになる。これにより、例えばDRAMセルのさらなる高密度化を図れるようになる。
【0117】
次に本実施形態のトレンチキャパシタの形成方法について説明する。図17、図18にその工程断面図を示す。
【0118】
まず、図17(a)に示すように、シリコン基板31上に絶縁マスク40を形成した後、この絶縁マスク40をエッチングマスクに用いて、シリコン基板31をRIE法にてパターニングすることにより、深さ約7μmのトレンチ35aを形成する。このトレンチ35aの大きさは、例えば0.3μm×0.6μmである。この後、絶縁マスク40を除去する。
【0119】
次に減圧下、水素雰囲気中で第1の熱処理を行う。このときの熱処理条件は、1100℃、380Torr、3min、水素流量が10slmである。
【0120】
このような熱処理を行うと、トレンチ35aの表面の自然酸化膜が除去され、シリコンの表面拡散が生じるため、表面積を最小にするようにトレンチ35aの形状が変形する。その結果、図17(b)に示すように、トレンチ35aは、その底部から球形に近い形で分離した形状となる。すなわち、トレンチ35a内が局所的にシリコンで充填され、トレンチ35aは複数の空隙領域に分離される
図19に、第1の熱処理前後のトレンチ35aの断面SEM写真を示す。図19(a)は熱処理前、図19(b)は熱処理後の断面SEM写真である。図から、高温での熱処理により、トレンチ35aを分離できることが確認された。
【0121】
図20〜図22に、深さ7μmのトレンチ形状に対し各種条件下で第1の熱処理を行った結果を示す。これらの図20〜図22は、図23に示すトレンチ断面(トレンチ35aを基板表面に平行な面で切断した断面)において、短径をX、長径YとしたときのX/Yの温度依存性、圧力依存性、時間依存性をそれぞれ示している。
【0122】
なお、この結果はトレンチ35aの深さ6μmの位置における断面の形状から得たものである。また、トレンチ形成直後のX/Yは3であり、図20〜図22には断面が円となるX/Y(=1)までの温度、圧力、時間がそれぞれ示されている。
【0123】
図20〜図22から、トレンチ形状は温度が高く、圧力が低く、時間が長いほど顕著に形状が変化することが分かる。そして、最終的にはその断面形状が円となる。ただし、さらに熱処理を継続した場合には、トレンチ下方から分断されることを確認した。
【0124】
この第1の熱処理によるトレンチ形状の変化は、基板表面が酸化膜や窒化膜等により覆われているときには生じない。トレンチ形状を変化させるためにはこれらの酸化膜や窒化膜等を除去した後、さらに装置内で基板表面の自然酸化膜を除去しなければならない。
【0125】
この自然酸化膜を除去するためには、装置内の水蒸気分圧を十分に下げる必要がある。この水蒸気分圧を下げるには、水素を流すことが有効であり、本実施形態で示した実験(図20〜図22)も水素雰囲気中で行っている。
【0126】
このように水素雰囲気中(還元性雰囲気中)であれば、表面の自然酸化膜を除去でき、トレンチ形状を変化させることができる。ただし、水素100%の雰囲気では、安全性の観点からは爆発の危険性などの問題があるため、還元性雰囲気が保てる範囲で不活性ガスとの混合ガスを用いることが好ましい。
【0127】
次に図17(c)に示すように、1100℃の減圧、水素雰囲気中での第2の熱処理によって、シリコン基板31の表面を滑らかにした後、600℃まで降温し、第2の熱処理を行ったのと同一チャンバー内にて、つまり連続的に厚さ約1μmのアンドープのアモルファスシリコン膜41を全面に堆積する。
【0128】
次にチャンバー内の温度を1100℃まで昇温し、同一チャンバー内で連続的に減圧、水素雰囲気中で第3の熱処理を行うことによって、図17(d)に示すように、基板表面を平坦化する。
【0129】
この第3の熱処理により、アモルファスシリコン膜41は固相成長により基板側からエピタキシャル成長し、単結晶のシリコン膜となってシリコン基板31と一体化する。そして活性な基板表面のシリコン原子は、基板表面が平坦となるように表面拡散によりマイグレーションする。
【0130】
次に図18(e)に示すように、シリコン基板31上に薄いSiO2 膜32を介してシリコン窒化膜33およびSiO2 膜34からなる絶縁マスクを形成する。
【0131】
次に図18(f)に示すように、絶縁マスク33,34をマスクにしてRIE法にてシリコン基板31をパターニングして深さ約7μmの深さのトレンチ35bを形成する。このとき、トレンチ35aと一部が重なるようにトレンチ35bを形成する。なお、トレンチ35a,35bの位置合わせの方法については後述する。
【0132】
図24に、この段階のトレンチ35a,35bのレイアウトを示す。これは基板上方から見たものである。図18(f)の断面は図24のA−A’断面図に相当する。
【0133】
なお、図25(a),図25(b)に示すように、トレンチ35aから多少ずれた位置にトレンチ35bを形成しても良い。この場合、次工程の第4の熱処理によりトレンチ同士を合体させることができるため、図25(c)に示すようなトレンチ35が得られる。
【0134】
次に図18(g)に示すように、トレンチ35bの上部の側壁にカラー酸化膜36を形成した後、トレンチ35a,35bの表面の自然酸化膜を除去するために減圧、水素雰囲気中で1000℃の第4の熱処理を行う。
【0135】
この第4の熱処理により同図(g)に示すように、トレンチ35a,35bの表面の凹凸が緩和されて曲率半径の小さい部位が無くなり、これによりキャパシタの電界集中を緩和でき、耐圧の向上を図れる形状のトレンチ35が完成する。
【0136】
また、図25(a)に示したレイアウトでトレンチ35a,35bを形成した場合も、図25(b)、図25(c)の形状を経てトレンチの表面が滑らかな形状に変化するため同様の効果を期待できる。
【0137】
また、以上のようにして形成したトレンチ35は、通常のRIEにより側壁を垂直に形成したトレンチと比較して大きな表面積を持つため、キャパシタ面積の増大を図ることができ、これによりキャパシタ容量の増大を図ることができる。
【0138】
次に図18(h)に示すように、同一のチャンバー内でウエハを大気に晒すことなく連続して、PH3 (ホスフィン)やAsH3 (アルシン)等のn型不純物を含むガス雰囲気中での気相からの不純物拡散により、トレンチ35の表面に容量電極(プレート電極)としての高不純物濃度のn型不純物拡散層37を形成する。
【0139】
最後に、同図(h)に示すように、n型不純物拡散層37上にSiO2 等からなるキャパシタ絶縁膜38を形成した後、トレンチ35の内部に蓄積電極(ストレージノード電極)としての砒素ドープトアモルファスシリコン膜39を埋め込むんで、トレンチキャパシタが完成する。
【0140】
次にトレンチ35a,35bの位置合わせの方法について説明する。
【0141】
例えば図26(a)に示すように、トレンチ35aの形成時に、トレンチキャパシタの形成領域外に、トレンチ35aよりも径が大きくかつ浅いトレンチ35' を形成しておくことで、図26(b)に示すように、トレンチ35aを形成した領域の表面を平坦化する工程で、トレンチ35' を形成した領域の表面は平坦化されず、トレンチ35' が窪みの形で残るので、これを合わせマークに用いることにより、トレンチ35aと一部が重なり合ったトレンチ35bを形成することができる。
【0142】
図27に、トレンチ35a,35bの他の位置合わせの方法を示す工程図を示す。
【0143】
この場合、第1の熱処理の後(図27(a))に、図27(b)に示すように、シリコン基板31上の絶縁マスク40をパターニングして、トレンチキャパシタの形成領域外に、絶縁物からなるマーク40aを形成する。
【0144】
次に図27(c)に示すように、全面にアモルファスシリコン膜41を堆積する。
【0145】
次に図27(d)に示すように、図17(d)の工程と同様に熱処理によりアモルファスシリコン膜41を単結晶化するとともに、表面を平坦化した後、エッチバックまたはCMP等により表面を後退させてマーク40aの表面を露出させる。このとき、マーク40aをストッパに用いる。マーク40aの露出面は絶縁物であり、シリコンとは光学的性質が異なるので、トレンチ35bを形成する際の合わせマークとして用いることができる。
【0146】
なお、本実施形態では、図17(c)の工程で、アンドープのアモルファスシリコン膜41を堆積したが、n型やp型の不純物を含んだアモルファスシリコン膜を堆積しても良い。
【0147】
このような不純物を含んだアモルファスシリコン膜を堆積して形成したトレンチキャパシタを例えばDRAMのキャパシタに用いれば、MOSトランジスタのチャネル領域のキャリヤ濃度を制御することができる。
【0148】
また、本発明の減圧下での熱処理によるシリコンの表面拡散は一般には850℃以上であれば生じるが、熱処理温度を1100℃よりも高くすると、トレンチの底部側の方が図19に示したように分裂してしまう。したがって、トレンチを分離させるための第1の熱処理は1100℃以上、トレンチ内部の表面の凹凸を緩和させるための第2〜第4の熱処理は850℃以上1100℃以下とする必要がある。
【0149】
なお、n型不純物拡散層(プレート電極)37を形成するために用いたPH3 (ホスフィン)やAsH3 (アルシン)を流した雰囲気中では、熱処理による表面拡散が抑制される。
【0150】
そのため、PH3 やAsH3 を流し、PやAsをドーピングしている際には、トレンチ35の形状は変化せず、水素のみを流した時点で得られる形状がn型不純物拡散層(プレート電極)37のドーピング後も維持される。
【0151】
なお、本実施形態では、シリコンの表面拡散を生じせしめるために水素を流したが、必ずしも水素を流さなくとも、減圧下でかつシリコン表面を酸化してシリコンの表面拡散を抑止する働きのある酸素ガスや水蒸気等の酸化性ガスの分圧が低い雰囲気中であれば、流動現象自体は起きる。
【0152】
しかしながら、水素を流すことで、酸素や水蒸気の分圧が低くなくても、水素の還元作用により、Siが酸化されてSiO2 となる反応が抑止される方向に向かうので、Siを流動させやすくすることができる。したがって、SiとSiO2 との酸化還元反応において、還元反応が進む方向であれば、Siの流動は可能となる。
【0153】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、溝がトレンチキャパシタのトレンチの場合について説明したが、本発明はSTIなどにおける素子分離溝にも適用できる。この場合、以下のような効果が得られる。
【0154】
本発明によれば、溝の底部の角部が特に丸くなるが、溝の上部の角部も丸くなる。このため、素子分離溝の埋込みが不十分で、素子分離溝の上部側壁が露出し、そこにゲート電極が配設された場合における、ゲート電圧による電界集中を緩和することができる。
【0155】
このような電界集中の緩和により、ゲート耐圧の向上を図ることができ、さらに、埋込みが不十分なところのトランジスタが先にオンするという問題も解決できる。また、溝の角部が丸くなることにより、素子分離絶縁膜の埋込みが容易になる。
【0156】
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施できる。
【0157】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、表面に溝が形成された半導体基板を減圧下で熱処理し、上記溝の形状を変形させることにより、表面に素子の微細化に有用な形状の溝が形成された半導体基板を有する半導体装置を実現できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るトレンチキャパシタを示す図
【図2】図1のトレンチキャパシタの形成方法の前半を示す工程断面図
【図3】図1のトレンチキャパシタの形成方法の後半を示す工程断面図
【図4】トレンチの長辺側から見た熱処理前後のトレンチの断面を模式的に示す図
【図5】トレンチの短辺側から見た熱処理前後のトレンチの断面を模式的に示す図
【図6】トレンチの長辺側から見た熱処理前後のトレンチの断面の顕微鏡写真
【図7】トレンチの短辺側から見た熱処理前後のトレンチの断面の顕微鏡写真
【図8】トレンチ底からトレンチの深さの1/5の距離だけ離れた位置で、トレンチをその深さ方向に垂直な平面で切断して現れた面の熱処理前後の顕微鏡写真
【図9】トレンチ底からトレンチの深さの4/5の距離だけ離れた位置で、トレンチをその深さ方向に垂直な平面で切断して現れた面の熱処理前後の顕微鏡写真
【図10】カラー絶縁膜としてシリコン酸化膜を用いた場合における熱処理前後のトレンチ全体の断面形状を示す顕微鏡写真
【図11】カラー絶縁膜としてシリコン酸化膜を用いた場合における熱処理前後のトレンチ中央部分の断面形状を示す顕微鏡写真
【図12】図1のトレンチキャパシタからなる試料および従来のトレンチキャパシタからなる試料のそれぞれのJ−V特性を示す図
【図13】熱処理温度が1200℃よりも高い場合のトレンチの断面の顕微鏡写真
【図14】図1のトレンチキャパシタのn型不純物拡散層(プレート電極)のP濃度分布を示す図
【図15】n型不純物拡散層(プレート電極)のP濃度分布のPH3 ガス分圧の依存性を示す図
【図16】本発明の第2の実施形態に係るトレンチキャパシタを示す断面図
【図17】図16のトレンチキャパシタの形成方法の前半を示す工程断面図
【図18】図16のトレンチキャパシタの形成方法の後半を示す工程断面図
【図19】第1の熱処理前後のトレンチ断面の顕微鏡写真
【図20】第1の熱処理に関してのトレンチ断面形状(X/Y)の温度依存性を示す図
【図21】第1の熱処理に関してのトレンチ断面形状(X/Y)の圧力依存性を示す図
【図22】第1の熱処理に関してのトレンチ断面形状(X/Y)の時間依存性を示す図
【図23】トレンチ断面形状(X/Y)を説明するための図
【図24】トレンチのレイアウトを示す平面図
【図25】トレンチの他のレイアウトを示す平面図および断面図、ならびに第4の熱処理後のトレンチを示す断面図
【図26】トレンチの位置合わせ方法を示す工程断面図
【図27】トレンチの他の位置合わせ方法を示す工程断面図
【図28】本発明の溝を模式的に示す図
【図29】矩形の露光マスク、RIEを用いて形成した溝を模式的に示す図
【符号の説明】
11…シリコン基板
12…SiO2
13…シリコン窒化膜
14…SiO2
15…トレンチ
16…カラー絶縁膜
17…n型不純物拡散層(プレート電極)
18…キャパシタ絶縁膜(埋込み絶縁膜)
19…砒素ドープトアモルファスシリコン膜(埋込み部材)
20…トレンチ
21…絶縁膜(SiO2 膜/シリコン窒化膜/SiO2 膜)
31…シリコン基板
32…SiO2
33…シリコン窒化膜
34…SiO2
35…トレンチ
35a…トレンチ(第1の溝)
35b…トレンチ(第2の溝)
35’…トレンチ(マーク)
36…カラー酸化膜
37…n型不純物拡散層(プレート電極)
38…キャパシタ絶縁膜(埋込み絶縁膜)
39…砒素ドープトアモルファスシリコン膜(埋込み部材)
40…絶縁マスク
40a…マーク
41…アモルファスシリコン膜

Claims (4)

  1. 表面に溝が形成されたシリコン基板と、前記溝の内部を埋め込む埋込み部材とを有し、前記溝をその深さ方向に平行な法線を有する第1の平面で切断した場合の前記溝の断面を第1の断面とし、前記溝をその深さ方向に平行な法線を有し、かつ前記第1の平面よりも前記溝の底に近い第2の平面で切断した場合の前記溝の断面を第2の断面としたときに、第1の断面の面積が第2の断面の面積よりも小さく、かつ第1の断面における曲率半径の最小値が第2の断面における曲率半径の最小値よりも小さいという第1の条件を満たす第1および第2の断面が存在する半導体装置、または、表面にアスペクト比が10以上の溝が形成されたシリコン基板と、前記溝の内部を埋め込む埋込み部材とを有し、前記溝の底から前記溝の開口方向に前記溝の深さの4/5の距離だけ離れた位置で、前記溝をその深さ方向に平行な法線を有する第1の平面で切断した場合の前記溝の断面を第1の断面とし、前記溝の底から前記溝の開口方向に前記溝の深さの1/5の距離だけ離れた位置で、前記溝をその深さ方向に平行な法線を有する第2の平面で切断した場合の前記溝の断面を第2の断面としたときに、前記第2の断面の長径を前記第2の断面の短径で割った値が、前記第1の断面の長径を前記第1の断面の短径で割った値の1.1倍よりも小さいという第2の条件を満たす半導体装置の製造方法であって、
    シリコン基板の表面に溝を形成する工程と、
    減圧下での850℃〜1200℃での還元性ガス雰囲気中での熱処理により前記溝の形状を変形させ、前記第1または第2の条件を満たす第1および第2の断面を有する溝を形成する工程と、
    前記溝の内面に不純物を拡散させることにより、前記溝の内面に第1のキャパシタ電極としての不純物拡散層を形成する工程と、
    前記溝の内部をキャパシタ絶縁膜を介して第2のキャパシタ電極により埋め込む工程と を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. ドーパントとしての不純物を含むガス雰囲気中での熱処理により、前記ガス雰囲気中の前記不純物を前記溝の内面に拡散させることにより、前記不純物拡散層を形成することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記減圧下の熱処理と、前記ドーパントとしての不純物を含むガス雰囲気中での熱処理とを同一の真空容器内で連続的に行うことを特徴とする請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 表面に左右非対称な断面形状を有する溝が形成されたシリコン基板と、前記溝の内部を埋め込む埋込み部材とを有し、前記溝は、前記溝の深さ方向に垂直な法線を有する平面により前記溝をその中心を通るように切断した場合に、前記溝径の中心に対して左右非対称な断面形状を有する半導体装置の製造方法であって、
    シリコン基板の表面に第1の溝を形成する工程と、
    減圧下での1100℃以上での還元性ガス雰囲気中での第1の熱処理により前記第1の溝を分離させる工程と、
    前記シリコン基板の表面に第2の溝を形成する工程と、
    前記減圧下での850℃以上1100℃以下での還元性ガス雰囲気中での第2の熱処理により、前記第1および第2の溝を前記左右非対称な断面形状を有する溝に変える工程と、
    前記左右非対称な断面形状を有する溝の内部を埋込み部材により埋め込む工程と
    を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
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