JP4330076B2 - 高温測定用nmrプローブ - Google Patents

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Description

本発明は、高分解能核磁気共鳴(NMR)装置に用いられる高温測定用NMRプローブに関する。
高温測定用NMRプローブは、NMR装置を用いて物性の研究や化学反応のその場観察を行なう際に、無くてはならない重要なアタッチメントである。とりわけ、測定試料の温度を400℃以上の高温に維持する必要のある超臨界流体の研究分野や、無機材料の研究分野などでは、高温測定用NMRプローブは、不可欠の要素と言っても過言ではない。
第1図に、従来の高温測定用NMRプローブの構造を示す。図中1は、窒素ガスなどの流体を取り入れる流体取り入れ口である。流体取り入れ口1から送り込まれた窒素ガスなどの流体は、高温測定用NMRプローブ内に設けられた流路に沿って流れ、NMR試料管6が置かれた位置の上流側に設けられたヒータ3によって加熱される。ヒータ3には、電源コネクター2を介して、外部の図示しない電源から加熱のための電力が供給される。
加熱された流体を、高温を維持したままの状態でNMR試料管6の位置まで供給するために、流体の流路は、真空二重管7などの断熱手段によって取り囲まれ、外部から断熱された構造になっている。流体の温度は、NMR試料管6の直下に設けられた温度測定点5において、熱電対などの温度センサー4によって計測され、計測された温度の値に基づいて、ヒータ3に供給される電力を制御している。すなわち、流体の温度が予め設定された値よりも低い場合は、ヒータ3への電力供給量を増やすようにし、流体の温度が予め設定された値よりも高い場合は、ヒータ3への電力供給量を減らすようにする。このように構成することによって、窒素ガスなどの流体を所望の温度に制御することができる。
加熱された流体は、高温用NMRプローブ内の断熱された流路を通って、NMR試料管6に吹き付けられ、NMR試料管6と流体との間の熱交換により、NMR試料管6は高温に加熱される。NMR試料管6の温度を400°Cの高温に維持するためには、加熱された流体を真空二重管7等の断熱手段で外界から充分に断熱すると共に、ヒータ3として、高電力のものを採用する必要がある(特開2002−168932号公報参照)。
ところが、第1図に示す通り、従来の高温測定用NMRプローブは、加熱された流体をNMR試料管6の下部から上部に向けて吹き上げる構造になっているため、NMR試料管6の底部の温度が最も高くなり、NMR試料管6の上部に行くほど温度が低下して、NMR試料管6の高さ方向に温度勾配を生じるという問題があった。このような温度勾配は、流体の設定温度が高くなれば高くなるほど大きくなる。また、口径が10φ以上の大口径試料管を使用する場合のように、使用されるNMR試料管6の外径が太くなれば太くなるほど大きくなるという傾向があり、NMR試料管内の試料を均一な温度に加熱することを極めて困難にする。
特に、測定の対象が超臨界流体であるような場合、試料に対して、高温のみならず高圧をも印加する必要がある。従って、NMR試料管が高い圧力に耐えられるようにするために、NMR試料管の管壁を肉厚に構成する必要がある。その結果、NMR試料管の外径が太くなり、温度勾配の増大を招く。
温度勾配が大きくなると、NMR試料管の下部と上部で異なった性質の超臨界流体が生成し、得られるNMRデータが極めて複雑なものになってしまうという問題を生じる。この問題を解決するために、上述した特開2002−168932号公報、あるいは特開2001−281314号公報には、NMR測定部の上部にもヒータを設ける技術が提案されている。
しかしながら、上述した従来の高温測定用NMRプローブは、ヒータの熱を窒素ガスなどの流体を介して測定試料に伝える方式であるため、窒素ガスボンベなどの大がかりな流体供給設備が必要となる上、流体に与えた熱エネルギーは、ごく一部が測定試料の昇温に利用されているに過ぎず、大部分の熱エネルギーは、流体と共に大気中に捨てられていた。そのため、熱エネルギーのほとんどが無駄になり、非常にエネルギー効率の悪い方式であった。
また、従来の高温用NMRプローブでは、熱効率が悪いことが原因で、大電力のヒータが用いられていたため、ヒータから発生する多量の熱が高温用NMRプローブの周囲の電子部品に悪影響を及ぼす可能性があった。そこで、その問題を回避するために、断熱と冷却のための厳密な対策が不可欠であった。
試料管の上下に配置された加熱手段の熱を、試料のNMR信号を検出するためのサンプルコイルおよび該サンプルコイルを支持するコイルボビンを介して試料管に伝える技術も提案されている(特開2002−196056号公報参照)。しかし、サンプルコイルやコイルボビンに求められる機能を満たしつつ、それらに熱を伝える機能を付加するには一定の制限が生じるおそれがある。
本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであり、その目的は、大口径NMR試料管や超臨界流体用の高温高圧NMR試料管を用いて高温でNMRを測定する際に発生するNMR試料管の下部と上部の間の温度勾配を従来よりも小さく抑えることができ、また、測定試料を加熱する際のエネルギー効率を従来よりも高めることができる高温用NMRプローブを提供することにある。
この目的を達成するため、本発明の高温測定用NMRプローブは、NMR測定領域の直下、ならびに、NMR測定領域の直上に設けられた筒状の2つの加熱手段と、NMR測定領域の直下に設けられた前記加熱手段の筒の内側に配置され、前記加熱手段から上方向に向かって延び、測定部より下の領域を覆う第1の伝熱パイプと、NMR測定領域の直上に設けられた前記加熱手段の筒の内側に配置され、前記加熱手段から下方向に向かって延び、測定部より上の領域を覆う第2の伝熱パイプとを備え、該2つの伝熱パイプの内側に試料管を挿入し、伝熱パイプを介して、前記2つの加熱手段からの熱で、試料管中の試料を加熱するようにした。
前記伝熱パイプは金製、または金とほぼ同等の熱伝導性、耐熱性を持った、非磁性の物質でできたパイプであってもよい。
前記試料管の測定部の周囲は、試料管と同心状に複数の断熱管を互いに空間を置いて配置すると共に、該断熱管の少なくとも一部には、NMR検出コイルが取り付けられてもよい。
また、本発明の他の高温測定用NMRプローブは、NMR測定領域の直下、ならびに、NMR測定領域の直上に設けられた筒状の2つの加熱手段と、該2つの加熱手段の間を橋渡しするように、該加熱手段の筒の内側に配置された1つの伝熱パイプとを備え、該1つの伝熱パイプの内側に試料管を挿入し、伝熱パイプを介して、前記2つの加熱手段からの熱で、試料管中の試料を加熱ようにし、前記試料管の測定部の周囲は、試料管と同心状に複数の断熱管を互いに空間を置いて配置すると共に、該断熱管の少なくとも一部には、NMR検出コイルが取り付けられている
前記伝熱パイプは金属とほぼ同等の熱伝導性、耐熱性を持った、非磁性のセラミックでできたパイプであってもよい
定領域の直下ならびに測定領域の直上に設けられた2つの加熱手段への電力供給は、共通の温度センサーの出力に基づいて、それぞれ独立に制御できるように構成されてもよい。
前記検出コイルで、試料のNMR信号を検出している時間帯には、前記加熱手段への供給電力を一定値に保つようにしてもよい。
前記加熱手段の筒と、前記伝熱パイプと、前記試料管とが互いに密に接しながら同心円状に配置されてもよい。
前記伝熱パイプの内側には、金製、または金とほぼ同等の熱伝導性、耐熱性を持った、非磁性の物質でできたさらなるパイプが前記試料管の底部に接するように設けられてもよい
第1図は従来の高温測定用NMRプローブを示す図;
第2図は本発明にかかる高温測定用NMRプローブの一実施例を示す図;
第3図は本発明にかかる高温測定用NMRプローブの一実施例を示す図;
第4図は本発明にかかる高温測定用NMRプローブの一実施例を示す図;
第5図は本発明にかかる高温測定用NMRプローブの別の実施例を示す図である。
第2図に、本発明にかかる高温測定用NMRプローブの全体図を示す。第2図中、8は、高温測定用NMRプローブの主要部分の断面、9は、高温測定用NMRプローブの全体を覆う筒状のプローブケースを示す。第2図の主要部分8を拡大したものが、第3図である。 次に、第3図を用いて、本発明の一実施例の構成と動作について説明する。
第3図中、11は、NMR測定領域の直下、ならびにNMR測定領域の直上に設けられた加熱手段としての筒状のヒータ(以下、ヒータ筒と呼ぶことがある。)である。上下に設けられた2つのヒータ筒11の内側には、ヒータ筒11から下方向に向かって延び、測定部より上の領域を覆う上側の伝熱パイプ12と、ヒータ筒11から上方向に向かって延び、測定部より下の領域を覆う下側の伝熱パイプ12が設けられており、測定部のみが、高周波磁界を測定試料に照射可能なように、伝熱パイプ12に覆われず、窓として開いている。
上下2つの伝熱パイプ12に、試料を充填したNMR試料管10を挿入することにより、ヒータ筒11の熱が、伝熱パイプ12を介して、NMR試料管10中の測定試料に伝えられる。伝熱パイプ12には、金属製のもの、最も好ましくは、金製のものが用いられる。材質に金を用いるのは、熱伝導性が高く、化学的にも、高温領域において安定しているためである。従って、金以外にも、金とほぼ同等の熱伝導性、耐熱性を持った、非磁性の物質であれば、金と同様に利用可能である。
この伝熱パイプ12の外径は、ヒータ筒11の内径よりも僅かに小さく、内径は、NMR試料管10の外形よりも僅かに大きい。このため、ヒータ筒11と、伝熱パイプ12と、NMR試料管10は、互いに密に接しながら、同心状に配置され、ヒータ筒11からの熱は、伝熱パイプ12を介して、NMR試料管10に効率良く伝わる。この方式により、従来の窒素ガス等を大量に流す加熱エア方式よりも、熱効率が格段に向上し、消費電力が小さくて済むようになったため、ヒータ電源を小型化することができる。
また、下側のヒータ筒11の熱は、伝熱パイプ12だけでなく、下側の伝熱パイプ12の内側に挿入され、NMR試料管10の底部に接する金製、または金以外にも、金とほぼ同等の熱伝導性、耐熱性を持った、非磁性の物質(例えばアルミニウム等の金属やセラミックス)製のパイプ21を介しても、NMR試料管10に伝達される。このため、NMR試料管の材質に、サファイヤや窒化アルミニウムなど、熱伝導性の高いセラミックスを使用すれば、本発明の伝熱効果は、更に顕著なものとなる。パイプ21には、中心軸に沿って孔が開けられており、その孔の中に、熱電対などの温度センサー13が設置されている。
NMR試料管10の周囲は、NMR試料管10と同心状に配置された四層の断熱管14、15、16、17で、プローブの外界から断熱されている。断熱管14、15、16、17には、熱伝導率が低く、誘電損失が小さく、NMRバックグラウンド信号を出さないセラミック材、例えば、ステアタイト(滑石磁器)、アルミナ焼結体、色硝子などを使用し、断熱管からの熱輻射による熱発散を抑えるため、セラミック材の色は、白色不透明のものを選ぶ。断熱管同士は、互いに空間を置いて配置されている。各断熱管の間隔は、1ミリメートル以下とし、その隙間には、狭い空気層を挟み、空気の対流が起きにくい状態とする。
更に、最も外側の断熱管17の内壁には、アルミ箔等を貼り付けるなどして、銀鏡20を設け、外部に向かって洩れようとする熱を反射して、熱が外部に洩れないようにする。その際、断熱管16については、透明なガラス管などでもかまわない。この構造により、従来の透明な石英ガラスで作られた真空二重管よりも、断熱効果において、優れた結果が得られ、容易に、450°C以上の高温が得られるようになった。
これらの断熱管の少なくとも一部は、高温測定用NMRプローブのコイルボビンとしても使用する。すなわち、本実施例では、最も内側の断熱管14の外壁には、第1のNMR検出コイル18が取り付けられ、また、内側から2番目の断熱管15の外壁には、第2のNMR検出コイル19が取り付けられ、また、最も外側の断熱管17の外壁には、磁場勾配コイル22が取り付けられている。
これにより、検出コイル18、19の径は、従来よりも、約20%小型にすることが可能となり、検出コイルと測定試料との間の距離が短縮して、NMR検出感度が向上し、500MHz等の高周波数プローブの実用化が可能となった。また、磁場勾配コイル22も、試料に近接して設置できるので、試料に印加する勾配磁場強度を、250ガウス/cm以上に高めることが可能となった。
試料温度は、NMR試料管10の直下に設置された熱電対などの温度センサー13で測定し、温度制御ユニットにフィードバックすることにより、安定化させる。この温度制御の動作を、第4図を用いて説明する。
まず、温度制御ユニット23は、温度センサー出力に対応した、パルス状の制御信号を発生させる。その制御信号は、ヒータ電流マスク回路24に入力される。ヒータ電流マスク回路24には、更に、NMR装置から発生した、NMR測定時のNMR信号検出時間に対応するパルス信号(ヒータ電流マスクパルス)、および、NMR装置または温度制御ユニットから発生した、設定温度の信号が入力される。
ヒータ電流マスク回路24では、それらの入力信号により、温度制御ユニット23からの制御信号を、NMR信号検出時間中、設定温度に対応させて、ヒータ電流をゼロ、または、ある値で一定となるように加工する。これにより、NMR信号検出時間中、ヒータ電流の変動による雑音が、NMR信号に入ることが防止され、安定した測定が可能となる。
ヒータ電流マスク回路24からの制御信号は、ヒータバランス回路25を経て、ヒータ電源26のリモート制御入力端子に入力される。ヒータ電源26は、入力された制御信号に対応した電流をプローブ本体27のヒータ筒11に供給する。
ここで、ヒータ電源26は、上側ヒータ用ユニットと下側ヒータ用ユニットの2つのユニットに分かれており、プローブ本体27の、上下の2つのヒータ筒11にそれぞれ対応して、独立に接続されている。ヒータバランス回路25は、2つのヒータ電源26の電流強度を、温度制御した状態で、独立に調整する機能を持っている。これにより、2つのヒータ筒11に供給される電力のバランスを調整し、プローブ本体27の試料測定領域の温度均一度を、最良の状態に制御することができる。あるいは、意図的に、プローブ本体27の試料測定領域に、温度勾配を設けることもできる。
例えば、高温下での自己拡散係数の測定では、液体試料の対流現象が大きな問題となる。対流を防ぐには、温度が上方に向けて高くなるような温度勾配を、意図的に付けることが効果的である。このように、本実施例では、共通の温度センサー13の出力に基づいて、ヒータバランス回路25が上下のそれぞれのヒータ筒11への電力供給を互いに独立して制御可能であるため、NMR測定領域の上下の温度をそれぞれ適切に設定して所望の温度分布を得ることができる。
尚、本実施例には、変形例が可能である。第5図は、本発明に係る別の実施例を示したものである。第5図で示す実施例と、第3図で示した実施例との違いは、第3図では、上下2つに分かれていた伝熱パイプ12が、第5図では、2つのヒータ筒11の間を橋渡しするように、該ヒータ筒11の内側に配置された1本の伝熱パイプ12で構成されていることである。このような構成は、伝熱パイプ12の素材に、金属ではなく、金属とほぼ同等の熱伝導性、耐熱性を持った、高周波透過性の非磁性セラミック、例えば、金属アルミニウムとほぼ同等の熱伝導率を示す窒化アルミニウムを採用することにより可能となる。これにより、伝熱パイプ12のNMR測定部に、高周波を透過させるための窓を設ける必要がなくなるので、第3図のNMRプローブよりも簡単な構成で、機械強度のより高いNMRプローブを提供することができる。また、単一の伝熱パイプ12にて上下のヒータ筒11を接続することにより、NMR測定領域における温度勾配を極めて小さくできる。第5図の伝熱パイプ12を構成する材料としては、熱伝導性に優れ、熱膨張係数の小さいものが適しており、例えば熱伝導度40(W/m・K)以上の材料が好ましい。熱伝導度40(W/m・K)以上の材料としては、例えば窒化アルミニウム、窒化アルミニウムを主成分とするセラミックス、サファイヤ、アルミナ又はアルミナを主成分とするセラミックスを挙げることができる。これらの材料のなかでも、特に熱伝導度が200(W/m・K)の窒化アルミニウムが特に好適である。これらの材料は第3図に示した上下分割型の伝熱パイプ12の材料としても好適に用いることができる。
以上に説明したように、本発明の高温測定用NMRプローブによれば、測定領域の直下ならびに測定領域の直上に筒状の加熱手段を設け、該2つの加熱手段の筒の内側に試料管を挿入して、試料管中の試料を加熱するように構成された高温測定用NMRプローブにおいて、前記2つの加熱手段からの熱を、加熱手段の筒の内側に配置された熱良導性の伝熱パイプを介して、試料に伝えるようにしたので、大口径NMR試料管や超臨界流体用の高温高圧NMR試料管を用いて高温(特には500°C以上)でNMRを測定する際に発生するNMR試料管の下部と上部の間の温度勾配を従来よりも小さく抑えることができるようになった。また、窒素ガスを介さず、直接、伝熱パイプで試料管中の試料を加熱するので、測定試料を加熱する際のエネルギー効率を従来よりも高めることができるようになった。窒素ガス等の高温流体の流路が不要になったので、プローブの断熱構造が大幅に簡素化でき、従来必要だった窒素ガスボンベなどの流体供給施設も、全く不要になった。
上下の加熱手段の間を橋渡しするように一つの伝熱パイプを設けた場合には、NMR測定領域における温度勾配を極めて小さくできる。この伝熱パイプを、金属とほぼ同等の熱伝導性、耐熱性をもった、非磁性のセラミックスにて構成した場合には、高周波を透過させるための窓を設ける必要がなくなるので、より簡単な構成で、機械強度のより高いNMRプローブを提供することができる。
本発明は、高温測定を目的とするNMRプローブに広く利用できる。例えば有機化合物、生体高分子、DNA、タンパク質などの構造解析や立体構造の研究に有効に利用できる。本発明によれば、高温条件下でも高効率、高精度で試料の熱物性の測定が可能となることから、例えば超臨界中において溶解している化合物も観測でき、超臨界流体中での化学反応や構造情報を得る強力な手段を提供することができる。従って、本発明は、超臨界流体技術の応用として、プラスチックなどの高分子材料の製造、医薬品原材料の合成、微粒子や多孔質物の製造、複合材料の製造分解、ダイオキシンなどの難分解性有害有機化合物の分解・無害化、下水汚泥の処理、廃プラスチックの油化および資源化抽出・分離、薬効成分や香料などの抽出、アルコールの濃縮・脱水、微量物質の分析酸化、クリーンエネルギーの創出、といった各種の分野の研究に飛躍的進歩をもたらすことが期待される。

Claims (9)

  1. NMR測定領域の直下、ならびに、NMR測定領域の直上に設けられた筒状の2つの加熱手段と、
    NMR測定領域の直下に設けられた前記加熱手段の筒の内側に配置され、前記加熱手段から上方向に向かって延び、測定部より下の領域を覆う第1の伝熱パイプと、
    NMR測定領域の直上に設けられた前記加熱手段の筒の内側に配置され、前記加熱手段から下方向に向かって延び、測定部より上の領域を覆う第2の伝熱パイプと
    を備え、
    該2つの伝熱パイプの内側に試料管を挿入し、伝熱パイプを介して、前記2つの加熱手段からの熱で、試料管中の試料を加熱するようにした高温測定用NMRプローブ。
  2. 前記伝熱パイプは金製、または金とほぼ同等の熱伝導性、耐熱性を持った、非磁性の物質でできたパイプである請求項1に記載の高温測定用NMRプローブ。
  3. 前記試料管の測定部の周囲は、試料管と同心状に複数の断熱管を互いに空間を置いて配置すると共に、該断熱管の少なくとも一部には、NMR検出コイルが取り付けられている請求項1または2に記載の高温測定用NMRプローブ。
  4. NMR測定領域の直下、ならびに、NMR測定領域の直上に設けられた筒状の2つの加熱手段と、
    該2つの加熱手段の間を橋渡しするように、該加熱手段の筒の内側に配置された1つの伝熱パイプと
    を備え、
    該1つの伝熱パイプの内側に試料管を挿入し、伝熱パイプを介して、前記2つの加熱手段からの熱で、試料管中の試料を加熱するようにし、
    前記試料管の測定部の周囲は、試料管と同心状に複数の断熱管を互いに空間を置いて配置すると共に、該断熱管の少なくとも一部には、NMR検出コイルが取り付けられている高温測定用NMRプローブ。
  5. 前記伝熱パイプは金属とほぼ同等の熱伝導性、耐熱性を持った、非磁性のセラミックでできたパイプである請求項1ないし4のいずれか1項に記載の高温測定用NMRプローブ。
  6. 測定領域の直下ならびに測定領域の直上に設けられた2つの加熱手段への電力供給は、共通の温度センサー出力に基づいて、それぞれ独立に制御できるように構成されている請求項1ないし5のいずれか1項に記載の高温測定用NMRプローブ。
  7. 前記検出コイルで、試料のNMR信号を検出している時間帯には、前記加熱手段への供給電力を一定値に保つようにしたことを特徴とする請求項3、4または6に記載の高温測定用NMRプローブ。
  8. 前記加熱手段の筒と、前記伝熱パイプと、前記試料管とが互いに密に接しながら同心円状に配置されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の高温測定用NMRプローブ。
  9. 前記伝熱パイプの内側には、金製、または金とほぼ同等の熱伝導性、耐熱性を持った、非磁性の物質でできたさらなるパイプが前記試料管の底部に接するように設けられている、請求項1〜8のいずれか1項に記載の高温測定用NMRプローブ。
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