JP4329699B2 - ワーク搬送システム - Google Patents

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Description

本発明は、搬送手段によって搬送されるパレット上に載置されたワークを加工等するために、所定の位置においてロボットにより前記ワークの取り出し動作を行なわせるワーク搬送システムに関する。
製品の生産ラインにおいては、不良品を発生させない、または発生した不良品を後工程に流さないようにすることが基本である。しかし、現実には、所定の確率で不良品は発生し、様々な理由によって不良品が後工程に流れてしまう場合がある。例えば、多数のロボットが使用されている複雑な組立工程においては、システム的、設備的、人為的な要因によって発生した不良ワークが後工程に流れるおそれが高い。そこで、現状では、生産ラインの途中部や最終部に検査工程を設け、不良ワークが検出された場合にはライン上からはじくようにしている。
尚、斯様な構成は極めて一般的なものであるため、出願人は、特に提示すべき先行技術文献を見つけることはできなかった。
しかしながら、例えば検査工程が生産ラインの最終部付近にしか配置されてない場合は、その検査工程にかかるまで不良ワークを生産し続けることになり、ラインの生産効率を低下させてしまう。そのような事態を防止するには、ライン中に検査工程をより多く配置する必要があるが、すると検査時間が増大することになり、時間当たりの生産個数が減少してやはり生産効率の低下に繋がる。また、多数の検査装置を導入すれば、生産ラインの設備費が増大することになり、結果的に製品コストを上昇させてしまうという問題がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡単な構成によって不良品の検出を行うことができるワーク搬送システムを提供することにある。
請求項1記載のワーク搬送システムによれば、パレット上にワークが載置されれば重量測定手段がそのワークの重量を測定し、測定された重量のデータは記憶手段に記憶される。そして、搬送手段側において、パレット側の通信手段より送信される重量データを通信手段が受信すると、判定手段は、受信された重量データを自工程におけるワークの製造処理を開始する前に基準値と比較することで、前工程におけるワークの製造結果を判定する。
即ち、前工程において製造処理等が施されたワークの重量は重量測定手段により測定されると、双方の通信手段を介して搬送手段側の判定手段により取得され、判定手段は取得したワークの重量の増減状態に基づいて前工程におけるワークの製造結果の良否を判定する。従って、極めて簡単な構成によって迅速に検査を行うことが可能となり、検査工程を配置することによるコストの上昇を抑制することができ、検査工程を複数箇所に設けることも容易となる。そして、不良ワークが発生した場合はその検出を早期に行なうことで、生産効率を向上させることができる。
請求項2記載のワーク搬送システムによれば、判定手段は、自工程におけるワークの製造処理が終了すると、双方の通信手段を介して取得した重量データを基準値と比較することで自工程におけるワークの製造結果も判定するので、自工程における加工等が終了した時点でも良否を判定することで判定をより確実に行うことができる。また、不良ワークが発生した場合の検出をより早期に行なうことができる。
請求項3記載のワーク搬送システムによれば、パレット上にワークが載置されれば、重量測定手段がそのワークの重量を測定し、測定された重量データは記憶手段に記憶される。そして、搬送手段側において、パレット側の通信手段より送信される重量データを通信手段が受信すると、判定手段は、受信された重量データを自工程におけるワークの製造処理の終了後に基準値と比較することで、自工程におけるワークの製造結果を判定する。
即ち、自工程において製造処理等が施されたワークの重量は重量測定手段により測定されると、双方の通信手段を介して搬送手段側の判定手段により取得され、判定手段は取得したワークの重量の増減状態に基づいて自工程におけるワークの製造結果の良否を判定する。従って、極めて簡単な構成によって迅速に検査を行うことが可能となり、検査工程を配置することによるコストの上昇を抑制することができ、検査工程を複数箇所に設けることも容易となる。そして、不良ワークが発生した場合はその検出を早期に行なうことで、生産効率を向上させることができる。
請求項4記載のワーク搬送システムによれば、判定手段は、自工程におけるワークの製造結果について「良」と判定した場合は、搬送手段側の通信手段を介してパレット側の記憶手段に工程完了フラグを書き込むためのデータを送信する。すると、前記記憶手段には工程完了フラグが書き込まれるので、後の工程において工程完了フラグの状態を参照すれば、そのパレットに載置されているワークの製造処理が適切に完了したかどうかをチェックすることができる。
請求項5記載のワーク搬送システムによれば、判定手段は、自工程におけるワークの製造結果について「良」と判定した場合は、搬送手段側の通信手段を介してパレット側の記憶手段に、加工後の重量変化を履歴として記憶させるための書き込みデータを送信する。すると、前記記憶手段にはワークの重量変化履歴が書き込まれるので、製造完了後にその履歴データを参照すれば、そのパレットに載置されているワークの加工状態がどのように変化したのかを確認することができる。
請求項6記載のワーク搬送システムによれば、判定手段は、自工程におけるワークの製造結果について「不良」と判定した場合は、搬送手段側の通信手段を介してパレット側の記憶手段に、不良の内容を記憶させるための書き込みデータを送信する。ここで、「不良の内容を記憶させるためのデータ」とは、例えば、不良の発生を示すフラグや、その発生要因となった重量データなどである。そして、前記記憶手段にはそれらのデータが書き込まれるので、その履歴データを参照すれば、不良の発生原因を解析したり不良の状態を確認することができる。
請求項7記載のワーク搬送システムによれば、パレット側に配置される記憶手段及び送信手段をRFIDタグで構成する。即ち、RFIDタグは、データを記憶するためのメモリと無線信号による通信手段とを双方とも備えていると共にサイズが極めて小型であるから、本発明のシステムに有効に適用することができる。
(第1実施例)
以下、本発明の第1実施例について図1乃至図6を参照して説明する。図3は、本発明のワーク搬送システムを備える生産ラインの構成を示す斜視図である。生産ライン1は、コンベア(搬送手段)2の各作業位置において、制御装置一体型のベース3が夫々配置されている。また、各作業位置には、夫々ロボット4が配置されており、それらのロボット4は、コンベア2上を搬送されるパレット5に対して、例えば図示しないロボットがワーク6Aを載置したり、ロボット4Aがワーク6Aに対する取り付け部品としてのワーク6Bを供給したり、ロボット4Bがパレット5よりワーク6を取り出して加工装置7のステージ上に載置し、加工させるなどの作業を行う。
図1(a)は、コンベア2及びパレット5の部分を取り出して示す図である。また、図1(b)に示すように、パレット5の中央部には圧力センサ(重量測定手段)9とRFIDタグ10とが配置されており、両者は信号線を介して接続されている。圧力センサ9は、ワーク12がパレット5上に載置された場合に、当該ワーク12の重量に応じた圧力検出信号をRFIDタグ10側に出力するものである。
そして、図1(a)に示すように、ベース3の上面にはRFIDタグ10より送信された電磁信号を受信するためのアンテナ11が配置されている。尚、このアンテナ11は、パレット5の面積に比較してサイズが小さいRFIDタグ10が、パレット5のどこに配置されていても送信信号を受信できるように、ベース3の略全面に配置されている。
図2は、ワーク12の製造処理に伴う形態及び重量変化の一例を示すものである。尚、図3の生産ライン1における処理には対応していない。例えば、ワーク12Aの初期重量が200gであるとする。そして、ワーク12Aの中心を貫通する穴を穿つ処理が行なわれると重量は減少して180gとなる。そのワーク12Bの上面にドーナツ盤状のワーク12Cが載置又は取り付けられると重量は190gに増加し、更にその上に略ドーナツ状のワーク12Dが載置又は取り付けられると重量は300gに増加する。このように、ワーク12は各工程において夫々の製造処理がなされることで、その重量は逐次変化して行く。
図4(a)は、パレット5に配置される圧力センサ9及びRFIDタグ10の電気的構成を示す機能ブロック図である。RFIDタグ10は、一般的なRFIDタグと同様に、CPUなどで構成される制御回路31、データを記憶するためのメモリ(記憶手段)32、通信を行うための受信回路33及び送信回路(通信手段)34並びにアンテナ(通信手段)35を備えているが、バッテリ36を内蔵しており、外部より電源供給を受けずとも常時動作するように構成されている。また、圧力センサ9と制御回路31とはA/D変換部37を介して接続されており、制御回路31は、圧力センサ9より出力されるデータを周期的にA/D変換して読み込むようになっている。
メモリ32には、パレット5に載置される予定のワーク6の品番情報などが、予め(例えば、ワーク6をパレット5に載置する処理を行なう前の工程において)タグライタにより書き込まれている。尚、圧力センサ9の動作用電源は、自身がバッテリを内蔵していても良いし、また、RFIDタグ10側のバッテリ36より電源供給を受けても良い。
一方、図4(b)は、ベース3に内蔵されている制御装置(判定手段,制御手段)38を中心とする電気的構成を示すものである。制御装置38は、アンテナ11を介してRFIDタグ10と通信を行うためのタグ用リーダライタ39(ベース3に内蔵,通信手段)を介して、RFIDタグ10のメモリ32に記憶されているデータを読み込むようになっている。
また、制御装置38は、パレット5の搬送を停止させるため、コンベア2側に配置されているストッパ40に制御信号を出力すると共に、ロボット4に対して制御指令を与え、また、ロボット4側より動作データを受け取るようになっている。更に、制御装置38は、ベース3に配置されている表示器41の表示や警告ブザー42の鳴動も制御するようになっている。
尚、以上の構成において、コンベア2、パレット5、圧力センサ9、RFIDタグ10、制御装置38及びリーダライタ39は、ワーク搬送システム43を構成している。
次に、本実施例の作用について図5及び図6も参照して説明する。図5は、RFIDタグ10の制御回路31によって実行される制御内容を示すフローチャートである。制御回路31は、リーダライタ39を介して制御装置38側の指示によるA/D変換タイミングが到来するか(ステップA1)、或いは送信要求指示があるまで(ステップA2)待機している。そして、制御装置38の指示を受けることでA/D変換タイミングが到来すると(ステップA1,「YES」)、圧力センサ9の出力データをA/D変換して読み込み(ステップA3)、メモリ32に書き込んで記憶させる(ステップA4)。それから、ステップA2に移行する。
即ち、パレット5の圧力センサ9の上にワーク6が載置されると、圧力センサ9は、そのワーク6の重量に応じた圧力検出信号を出力する。従って、ワーク6の重量に応じたデータが、RFIDタグ10のメモリ32に書き込まれることになる。
そして、パレット5がコンベア2によって搬送され、ベース3の位置に到達し、リーダライタ39による送信要求を受信すると(ステップA2,「YES」)、制御回路31は、メモリ32に記憶されているワーク6の品番情報や重量データなどを読み出し、アンテナ35を介して送信する(ステップA5)。それから、ステップA1に戻る。
一方、図6は、ベース3Aに内蔵される制御装置38による制御内容を示すフローチャートである。制御装置38は、先ず、リーダライタ39により、パレット5がロボット4Aに対応するベース3Aの位置に到達して検知されるまで待機しており(ステップB1)、パレット5が検知されると(「YES」)、ストッパ40に制御信号を出力して前記パレット5の搬送を停止させる(ステップB2)。また、上述したように、リーダライタ39を介してRFIDタグ10側にA/D変換指令を送信する(ステップB2a)。
それから、制御装置38は、リーダライタ39を介して、ワーク6の品番情報と重量データとを読み込む(ステップB3,B4)。品番情報は、ロボット4Aがワーク6をピックアップするためのハンドの交換(ツールチェンジ)及びワーク6の形状を把握するためにも必要となる。そして、制御装置38は、RFIDタグ10より読み込んだワーク6の重量が適正範囲内か否かを判断する(ステップB5)。
ステップB5での判断は、以下のように行なう。即ち、前工程におけるワーク6の製造処理などが適切に行なわれていれば、その製造処理に応じて当該ワーク6の重量は増減してあるべき値を示すはずである。従って、制御装置38は、予めワーク重量の適正範囲を示すデータ(基準値)を保持しておき、そのデータをステップB4で読み込んだ実際の重量データと比較して判断する。
そして、ワーク6の重量が適性範囲内でなければ(「NO」,製造結果:「不良」)前工程における製造処理などが正常に行なわれていないことを示すので、制御装置38は、ストッパ40による規制を解除しパレット5を下流側に搬出させて(ステップB12)、「前工程異常」を示す報知動作を表示器41や警告ブザー42を用いて行う(エラー処理,ステップB13)。この場合、報知を認識した作業者によって、そのパレット5は生産ライン1から一旦排除され、1つ前の工程に再投入するなどの処置が行われる。
一方、ステップB5において、ワーク6の重量が適性範囲内であれば(「YES」,製造結果:「良」)前工程における製造処理などが正常に行なわれているので、制御装置38は、ロボット4Aに制御信号を出力して部品(他のワーク6)の組み付け処理を行なう(ステップB6)。ここで、制御装置38は、ステップB2aと同様にリーダライタ39を介してRFIDタグ10側にA/D変換指令を送信し(ステップB6a)、ワーク6の重量データを再度読み込むと(ステップB7)、そのワーク6の重量が適正範囲内か否かを判断する(ステップB8)。即ち、ステップB5と同様に、ステップB6で行われた組み付け処理の結果、ワーク6の重量が適正な範囲で増加しているか否かを判断する。
ステップB8において、ワーク6の重量が適正に増加していれば(「YES」,製造結果:「良」)、制御装置38は、ステップB7で読み込んだ組付け後のワーク6の重量データを、リーダライタ39を介してRFIDタグ10に書き込む(ステップB9)。尚、この重量データは、製造処理の結果を履歴として残すためのデータであるから、RFIDタグ10内のメモリ32における所定の領域に書き込まれて保存される。更に、制御装置38は、リーダライタ39を介してRFIDタグ10に「工程完了フラグ」をセットする(ON)ようにデータを書き込む(ステップB10)。「工程完了フラグ」は、自身の工程における製造処理が正常に終了したことを示すフラグである。それから、ストッパ40による規制を解除させて、パレット5を下流に搬出する(ステップB11)。
また、ステップB8において、ワーク6の重量が適正範囲外であった場合は(「NO」,製造結果:「不良」)、ステップB6における組付け処理が正常に行なわれなかったと判断される。従って、制御装置38は、「組付異常」を示す報知動作を表示器41や警告ブザー42を用いて行うと(エラー処理,ステップB14)。ステップB7で読み込んだ組付け後のワーク6の重量データを、リーダライタ39を介してRFIDタグ10に書き込む(ステップB15)。尚、この重量データは、「組付異常」の状態を判別するためなどに使用されるため、RFIDタグ10内のメモリ32における所定の領域に書き込まれて保存される。更に、制御装置38は、そのパレット5を生産ライン1から排出するように、図示しないパレット排出機構に制御指令を与える(ステップB16)。
以上のように本実施例によれば、パレット5上に圧力センサ9及びRFIDタグ10を配置し、パレット5上にワーク6が載置されれば、圧力センサ9がそのワーク6の重量を測定し、その重量データをRFIDタグ10のメモリ32に記憶する。そして、コンベア2側において、RFIDタグ10より送信される重量データをリーダライタ39が受信すると、制御装置38は、その重量データを自工程におけるワーク6の製造処理を開始する前に基準値と比較することで前工程におけるワーク6の製造結果を判定するようにした。
従って、極めて簡単な構成によって前工程の製造結果の良否を迅速に判定することが可能となり、検査工程を配置することによるコストの上昇を抑制することができると共に、検査工程を複数箇所に設けることも容易となる。そして、不良ワークが発生した場合はその検出を早期に行なうことで、生産効率を向上させることができる。
また、制御装置38は、自工程におけるワーク6の製造処理が終了すると、リーダライタ39を介してRFIDタグ10より取得した重量データを基準値と比較することで自工程におけるワーク6の製造結果も判定するので、自工程における加工等が終了した時点でも良否を判定することで判定をより確実に行うことができる。また、不良ワークが発生した場合の検出をより早期に行なうことができる。
また、制御装置38は、自工程におけるワーク6の製造結果について「良」と判定した場合は、リーダライタ39を介してパレット5側のRFIDタグ10に工程完了フラグを書き込むためのデータを送信して当該フラグをセットさせるので、後の工程において工程完了フラグの状態を参照すれば、そのパレット5に載置されているワーク6の製造処理が適切に完了しているかどうかをチェックすることができる。
更に、制御装置38は、自工程におけるワーク6の製造結果について「良」と判定した場合は、リーダライタ39を介してパレット5側のRFIDタグ10に、加工後の重量変化を履歴として記憶させるための書き込みデータを送信して書き込ませるので、製造完了後にその履歴データを参照すれば、そのパレット5に載置されているワーク6の加工状態がどのように変化したのかを確認することができる。
加えて、制御装置38は、自工程におけるワーク6の製造結果について「不良」と判定した場合は、リーダライタ39を介してパレット5側のRFIDタグ10に、不良の内容を記憶させるための重量データを送信して記憶させるので、その履歴データを参照すれば、不良の発生原因を解析したり不良の状態を確認することができる。
そして、RFIDタグ10は、データを記憶するためのメモリ32と無線信号による通信手段とを双方とも備えていると共にサイズが極めて小型であるから、本発明のシステムに有効に適用することができる。
(第2実施例)
図7は本発明の第2実施例を示すものであり、第1実施例と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分についてのみ説明する。第2実施例は、図3に示すロボット4Bに対応するベース3Bに内蔵されている制御装置38による制御内容を示すもので、図7は図6相当図である。制御装置38は、加工装置7より加工終了信号が出力されると、加工装置7のステージより加工済みのワーク6を取り出させるための指令をロボット4Bに出力する(ステップC1)。そして、ロボット4Bのハンドをコンベア2上に移動させると(ステップC2)ワーク6をパレット5に投入し(ステップC3)、ハンドをアンチャックさせて上昇させる(ステップC4)。
次に、制御装置38は、第1実施例のステップB2aと同様にリーダライタ39を介してRFIDタグ10側にA/D変換指令を送信して(ステップC4a)、ステップB4と同様にワーク6の重量データを読み込むと(ステップC5)、その重量データが「0」か否かを判断する(ステップC6)。ここでは、投入したワーク6がパレット5に正常に載置されているかどうかを判断するだけであるから、重量データが「0」か、若しくは具体数値にこだわらず「0」でない重量があるかを判定する。重量データが「0」であれば(「YES」)、ロボット4Bによるワーク6の投入ミスが発生したと判定されるので(ステップC12)、制御装置38は、ステップB13などと同様のエラー処理を行なう(ステップC13)。
一方、ステップC6において、ステップC5で読み込んだ重量データが「0」でなければ(「NO」)、制御装置38は、リーダライタ39を介して、ワーク6の品番情報を読み込む(ステップC7)。そして、その品番情報に応じて、加工装置7による加工後の重量が適正値を示しているか否かを判断する(ステップC8)。加工後の重量が適正であれば(「YES」)、続くステップC9〜C11において第1実施例におけるステップB9〜B11と同様の処理を行なう。また、加工後の重量が適正でなければ(「NO」)、ステップC14〜C16において第1実施例におけるステップB14〜B16と同様の処理を行なう。
以上のように第2実施例によれば、パレット5上にワーク6が載置されると、そのワーク6の重量を圧力センサ9によって測定し、RFIDタグ10に記憶された重量データをリーダライタ39を介して受信すると、制御装置38は、その重量データを自工程におけるワーク6の製造処理の終了後、即ち加工装置7による加工処理の終了後に基準値と比較することで、自工程におけるワーク6の製造結果を判定するようにした。従って、極めて簡単な構成によって迅速に検査を行うことが可能となり、第1実施例と略同様の効果を得ることができる。
本発明は上記しまたは図面に記載した実施例にのみ限定されるものではなく、以下のような変形が可能である。
ステップB9,B10,B15は、必要に応じて実行すれば良い。
圧力センサ9とRFIDタグ10とが一体に構成されるユニットを、パレット5上に配置しても良い。
制御装置38側の読取りタイミングに問題がない場合、RFIDタグ10は、バッテリ36を内蔵することなく、リーダライタ39側より送信される電力の供給を受けて動作するように構成されていても良い。圧力センサ9についても同様である。
ステップB8において「NO」と判断した場合は、ワーク6の重量データ値を参照することで、当該ワーク6が、ある程度の調整を行なった状態で生産ライン1に再投入することが可能か、或いは、全く再投入の可能性がない状態かどうかなどを判断して、再投入可能な状態であればそのように対応を行うような形態でラインを構成しても良い。
また、記憶手段及び送信手段は、必ずしもRFIDタグ10によって構成するものに限らない。夫々、メモリのような記憶手段と、無線信号を送信可能な手段であれば、どのような構成であっても良い。
本発明の第1実施例であり、(a)は図3よりコンベア及びパレットの部分を取り出して示す斜視図、(b)はワークを除いた状態のパレットを示す斜視図 ワークの製造処理に伴う形態及び重量変化の一例を示す図 生産ラインの全体構成を示す斜視図 (a)は、パレットに配置される圧力センサ及びRFIDタグの電気的構成を示す機能ブロック図、(b)はベースに内蔵されている制御装置を中心とする電気的構成を示す機能ブロック図 RFIDタグの制御回路によって実行される制御内容を示すフローチャート ベースに内蔵される制御装置による制御内容を示すフローチャート 本発明の第2実施例を示す図6相当図
符号の説明
図面中、1は生産ライン、2はコンベア(搬送手段)、4はロボット、5はパレット、9は圧力センサ(重量測定手段)、10はRFIDタグ、6はワーク、32はメモリ(記憶手段)、34は送信回路(通信手段)、35はアンテナ(通信手段)、38は制御装置(判定手段,制御手段)、39はタグリーダ(通信手段)、43はワーク搬送システムを示す。

Claims (7)

  1. ワークの重量を測定するための重量測定手段と、この重量測定手段によって測定された重量のデータを記憶する記憶手段と、前記データを外部に送信する通信手段とを備えてなるパレットと、
    このパレットを搬送するための搬送手段側に配置され、前記通信手段によって送信される重量データを受信する通信手段と、この通信手段によって受信された重量データを、自工程におけるワークの製造処理を開始する前に基準値と比較することで、前工程におけるワークの製造結果を判定する判定手段とを備えてなることを特徴とするワーク搬送システム。
  2. 前記判定手段は、自工程におけるワークの製造処理が終了した場合、双方の通信手段を介して取得した重量データを基準値と比較することで、自工程におけるワークの製造結果も判定することを特徴とする請求項1記載のワーク搬送システム。
  3. ワークの重量を測定するための重量測定手段と、この重量測定手段によって測定された重量のデータを記憶する記憶手段と、前記データを外部に送信する通信手段とを備えてなるパレットと、
    このパレットを搬送するための搬送手段側に配置され、前記通信手段によって送信される重量データを受信する通信手段と、この通信手段によって受信された重量データを、自工程におけるワークの製造処理の終了後に基準値と比較することで、自工程におけるワークの製造結果を判定する判定手段とを備えてなることを特徴とするワーク搬送システム。
  4. 前記記憶手段は、前記パレット側の通信手段を介して外部より受信したデータも書込み可能となるように構成されており、
    前記判定手段は、自工程におけるワークの製造結果について「良」と判定した場合は、前記搬送手段側の通信手段を介して前記パレット側の記憶手段に工程完了フラグを書き込むためのデータを送信することを特徴とする請求項2又は3記載のワーク搬送システム。
  5. 前記記憶手段は、前記パレット側の通信手段を介して外部より受信したデータも書込み可能となるように構成されており、
    前記判定手段は、自工程におけるワークの製造結果について「良」と判定した場合は、前記搬送手段側の通信手段を介して前記パレット側の記憶手段に、加工後の重量変化を履歴として記憶させるための書き込みデータを送信することを特徴とする請求項2乃至4の何れかに記載のワーク搬送システム。
  6. 前記記憶手段は、前記パレット側の通信手段を介して外部より受信したデータも書込み可能となるように構成されており、
    前記判定手段は、自工程におけるワークの製造結果について「不良」と判定した場合は、前記搬送手段側の通信手段を介して前記パレット側の記憶手段に、前記不良の内容を記憶させるための書き込みデータを送信することを特徴とする請求項2乃至5の何れかに記載のワーク搬送システム。
  7. 前記パレット側の記憶手段及び通信手段は、RFIDタグで構成されていることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載のワーク搬送システム。

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