JP4329464B2 - 包装材料、これを用いた包装袋、及び蓋体 - Google Patents

包装材料、これを用いた包装袋、及び蓋体 Download PDF

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Description

本発明は、熱シール可能な包装材料、積層シートを熱シールすることにより成形された包装袋、及び成形容器に熱シール可能な蓋体に関する。
例えばヘアカラー剤に使用されるアルカリ性の高い溶液などのように、多くの樹脂を脆化させる性質を有する内容物を収容する場合には、その内容物に対する耐性の良い樹脂を使用して成形された樹脂ボトルあるいはガラスボトル等のボトル型容器が採用されてきた。
近年、容器の低容量化及び易廃棄化の観点から、アルカリ性の高い溶液等のための容器について、このようなボトル型容器から、熱シールにより封止可能な包装材料を使用した容器例えば成形容器と蓋体と組合せ、あるいは包装袋への移行が検討されている。成形容器と蓋体の場合は、実用上、成形容器から蓋体を剥がす際の易剥離性がさらに要求されている。また、包装袋の場合は、例えばこれを2以上の収容室を有する複室型に成形した場合、各収容室間を容易に連通し、収容室内の各内容物を混合し得るように、収容室間に設けられた隔壁には易剥離性がさらに要求されている。
例えば易剥離性シーラント層として、汎用のポリマーアロイを使用した積層型包装材料がある(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、アルカリ性の高い溶液は、ベース樹脂に対して配合される非相溶性樹脂成分例えばポリスチレン、エチレンビニルアセテート、及び粘着付与剤等を、激しく脆化させるため、内容物として収容することができない。
また、基材層とシーラント層との間の接着方法としては、ポリウレタン系、ポリエチレンイミン系及び有機チタン系の接着剤を使用したドライラミネート法や、それらの接着剤を表面改質剤として介在させて樹脂を押出す溶融押出ラミネート法による積層型包装材料がある。これらの接着剤層は、主に水素結合や熱接着あるいは接着剤自体の凝集力を利用して基材間を接着させており、このような接着層を介した包装材料にヘアカラー剤のようなアルカリ性の強い強浸透性溶液を保存すると、溶液がシーラント層を通過してバリア層の表面で行き止まり、接着剤層の水素結合の解離や樹脂の膨潤に伴う接着強度の低下が起きる。しかし、そこにある接着剤層を膨潤、脆化させ、バリア層とシーラント層間のラミネート強度低下によりデラミネーションが発生し、内容液が漏れ出す等の問題があった。そこで、これらの強浸透性物質の内容物を包装し、長期間保存した後もバリア層とシーラント層間の接着強度の低下がなく、デラミネーションが発生しない包装材料が要求されている。
特開2002−240209号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、容器の低容量化及び易廃棄化が可能であり、十分な耐アルカリ性を有し、及び易剥離性をもつ熱シールが可能な包装材料を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、容器の低容量化及び易廃棄化が可能であり、十分な耐アルカリ性をもつ包装袋を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、容器の低容量化及び易廃棄化が可能であり、十分な耐アルカリ性を有し、及び易剥離性をもつ熱シールが可能な成形容器用の蓋体を提供することにある。
本発明の包装材料は、基材と、該基材上に設けられたバリア層と、該バリア層上に接触して設けられ、エチレン−メタクリル酸共重合体またはエチレン−アクリル酸共重合体からなる熱可塑性樹脂層と、該熱可塑性樹脂層との共押出しにより形成された、エチレン−アクリル酸共重合体からなるA成分、及びポリプロピレンからなるB成分を含有するシーラント層とを含み、
前記A成分の含有量は、前記A成分と前記B成分の合計量のうち50ないし99重量%であり、2液型パーマ液または2液酸化反応型カラーリング液の1剤として用いられるpH8ないし11のアルカリ性溶液に使用されることを特徴とする。
本発明の包装袋は、基材と、該基材上に設けられたバリア層と、該バリア層上に接触して設けられ、エチレン−メタクリル酸共重合体またはエチレン−アクリル酸共重合体からなる熱可塑性樹脂層と、該熱可塑性樹脂層との共押出しにより形成された、エチレン−アクリル酸共重合体からなるA成分、及びポリプロピレンからなるB成分を含有するシーラント層とを含む積層シートを用いて形成され、該シーラント層を対向配置して熱シールした封止部を含み、
前記A成分の含有量は、前記A成分と前記B成分の合計量のうち50ないし99重量%であり、2液型パーマ液または2液酸化反応型カラーリング液の1剤として用いられるpH8ないし11のアルカリ性溶液に使用されることを特徴とする。
本発明の蓋体は、基材と、該基材上に設けられたバリア層と、該バリア層上に接触して設けられ、エチレン−メタクリル酸共重合体またはエチレン−アクリル酸共重合体からなる熱可塑性樹脂層と、該熱可塑性樹脂層との共押出しにより形成された、エチレン−アクリル酸共重合体からなるA成分、及びポリプロピレンからなるB成分を含有するシーラント層とを含み、
前記A成分の含有量は、前記A成分と前記B成分の合計量のうち50ないし99重量%であり、2液型パーマ液または2液酸化反応型カラーリング液の1剤として用いられるpH8ないし11のアルカリ性溶液の包装に使用されることを特徴とする。
本発明の包装体は、 基材と、
該基材上に設けられたバリア層と、
該バリア層上に接触して設けられ、エチレン−メタクリル酸共重合体またはエチレン−アクリル酸共重合体からなる熱可塑性樹脂層と、
該熱可塑性樹脂層との共押出しにより形成された、エチレン−アクリル酸共重合体からなるA成分、及びポリプロピレンからなるB成分を含有するシーラント層とを含む積層シートを有する包装部材と、
該包装部材内に収容された2液型パーマ液または2液酸化反応型カラーリング液の1剤として用いられるpH8ないし11のアルカリ性溶液と、
該包装部材を該シーラント層で熱シールした封止部を含むことを特徴とする。
本発明を用いると、十分な耐アルカリ性を有し、及び必要に応じて易剥離性をもつ熱シールが可能な包装材料が得られ、また、ボトル型容器に比べ、低容積で保管時に嵩張らず、また使用後に減容積化が可能で廃棄が容易な包装袋、及び成形容器用の蓋体が得られる。
本発明の包装材料は、基材上に、バリア層、熱可塑性樹脂層、及びシーラント層を順に積層した構成を含み、熱可塑性樹脂は、エチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体を主成分とし、シーラント層は、ポリエチレンまたはエチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体からなるA成分と、α,β−ポリエチレンからなるB成分とを含有する。
本発明に用いられるバリア層は、熱可塑性樹脂層上に直接接触して設けられており、バリア層と熱可塑性樹脂との間には他のいかなる層も介在していない。また、本発明に用いられるシーラント層及び熱可塑性樹脂層は、共押出しにより形成され、シーラント層と熱可塑性樹脂層との間には、他のいかなる層も介在していない。
また、本発明の包装袋は、上述のような、バリア層、熱可塑性樹脂層、及びシーラント層を順に積層した積層シートを使用して形成されたもので、シーラント層を対向配置して熱シールした封止部を含む。
さらに、本発明の蓋体は、上記積層シートを使用し、適用すべき成形容器に適合する形状に形成されたものである。この蓋体は、例えば成形容器の開口部周囲に熱シールされて、この開口部を閉塞し得る。
本発明にかかる包装材料では、アルカリ性の溶液により脆化しない特性を有する、シーラント層、熱可塑性樹脂層、及びバリア層の三層が、それらの層間すなわちシーラント層と熱可塑性樹脂層との間、及び熱可塑性樹脂とバリア層との間に、例えば接着層及び表面改質層の機能層等を全く介在せずに積層されている。
シーラント層に使用されるポリエチレンあるいはエチレン−α・β不飽和カルボン酸共重合体は、ポリエチレンはポリスチレンのような嵩高い極性基を側鎖に持たない構造の無極性構造であるため内容物からのアタックに強く、また不飽和カルボン酸共重合体ではカルボキシル基が水素結合により架橋されていることから凝集力が高く、強浸透成分に対するバリア性が高いため、耐アルカリ性が良好であり、また、共押出しされたシーラント層と熱可塑性樹脂層との接合界面において、両者のベース樹脂すなわちA成分がポリエチレン樹脂であるため、同系の樹脂同士を共押出しすることにより異樹脂層もしくは接着剤層との接着界面と比べ高い接着力と界面密着力を有するため、強固に接着し、アルカリ性物質による剥離等が生じない。内容物として収容されたアルカリ性の溶液は、シーラント層に浸潤し難く、例え少量のアルカリ性溶液が浸潤した場合でも、シーラント層と熱可塑性樹脂層の接合界面でさらなる浸潤が妨げられる。
また、本発明に使用される熱可塑性樹脂層は、分子鎖中に不規則に存在するカルボキシル基とアルミ箔もしくは無機薄膜表面と極性結合することにより、バリア層上に直接形成し得る。熱可塑性樹脂層に使用されるエチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体は、架橋して得られる分子間の水素結合の距離が短くなり、例えばポリエチレン等の表面改質剤層を介在させた場合と比較して高密度であるために、分子の凝集力が高く、耐アルカリ性が良好であり、また、凝集力が高いためにエチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体の極性基が密に存在して、バリア層表面とより強固に結合し、アルカリ性溶液等の強浸透性溶液による剥離が生じにくい。また、アルミ箔に対する結合において、アルミニウムは両性化合物を形成し得るものであることから、酸である例えばエチレン−メタクリル酸共重合体との間に、水素結合の結合エネルギーの数倍ないし数百倍の結合エネルギーを有する酸−塩基相互作用による接着力を生ずる。
このように、本発明の包装材料を用いると、内容物としてアルカリ性の溶液を収容しても、基材層とシーラント層の間のどこにも不所望な剥離が生じることがなく、長期間安定して内容物を保存することができる。
また、本発明の包装材料を使用すると、低容積で保管が容易で、使用後に容易に減容積化が可能であり、易剥離性の封止部を形成し得る包装袋が得られ、また、使用後に容易に減容積化あるいはリサイクルが可能な成形容器に使用し得、易剥離性の封止部を形成し得る蓋体を形成することができるので、従来のボトル型容器に比べて、廃棄が容易である。
ここで、易剥離性とは、内容物を十分保持し得、かつ開封時に容易に開封し得る程度の剥離強度を有することをいう。このような剥離強度は、例えば90度剥離試験で2N/15mmないし10N/15mm未満である。一方、易剥離性を要求されない部分の剥離強度は、90度剥離試験で10N/15mm以上にすることができる。
本発明に使用されるアルカリ性の溶液は、pH約8以上であり、例えば2液型パーマ液や2液酸化反応型毛髪用カラーリング液等の1剤等があげられる。1剤とは、例えばカラーリング剤の場合、アンモニアを含むpH約11の溶液であり、2剤は、過酸化水素水を含有する溶液であって、使用時に両者を混合して酸化反応により染毛することができる。
毛髪用カラーリング剤の1液及び2液に含まれる成分の一例を以下に示す。
カラーリング剤1液組成(pH11)
アスコルビン酸
アンモニア水
エデト酸塩
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム
香料
精製水
セタノール
濃グリセリン
パラフィン
パルミチン酸イソプロピル
プロピレングリコール
ポリオキシエチレンセチルエ−テル
無水亜硫酸水素ナトリウム
メタアミノフェノール
塩酸2,4-ジアミノフェノキシエタノール
オルトアミノフェノール
パラアミノフェノール
硫酸トルエン-2,5-ジアミン
レゾルシン
カラーリング剤2液組成
塩化セチルトリメチルアンモニウム
過酸化水素水
ステアリン酸ブチル
精製水
政府所定変性アルコール
セタノール
ターピナル SL
パラフィン
ポリオキシエチレンラウリルエーテル
ミリスチン酸イソプロピル
リン酸
リン酸水素二ナトリウム
以下、図面を参照し、本発明を具体的に説明する。
図1は、本発明の包装材料の一例を表す断面図を示す。
図示するように、この包装材料10は、基材1上に、バリア層2,熱可塑性樹脂層3,及びシーラント層4を順に積層した構成を有する。熱可塑性樹脂層3は、バリア層2上に表面改質剤もしくは接着剤層を介さないルーダー加工により積層されており、熱可塑性樹脂層3とシーラント層4とは、共押出しにより積層されている。
バリア層は、その内容物に応じて、所望の酸素不透過性、所望の水蒸気不透過性、及び耐アルカリ性を有する基材が選択され得る。このようなバリア層として、例えば合成樹脂からなる基材フィルム上に、例えばシリカを蒸着したフィルム、及びアルミナを蒸着した蒸着フィルム等を使用することができる。シリカを蒸着したフィルムを使用すると、水蒸気透過性及び酸素透過性が低下し、包装材料の透明化が可能となるという利点がある。また、アルミナ蒸着フィルムの場合には、水蒸気透過性及び酸素透過性がより低下するという利点がある。
バリア層の好ましい水蒸気透過度は、温度40℃、湿度90%の条件で0ないし100g/m2/day、さらに好ましくは0ないし20g/m2/dayである。好ましい酸素透過率は、温度20℃の乾燥状態で、0ないし30cc/m2/day、さらに好ましくは0ないし30cc/m2/dayである。この範囲内であると、例えば二液型パーマ液、あるいは二液酸化反応型カラーリング剤等の1液の保存は十分可能である。
シーラント層は、ポリエチレンまたはエチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体からなるA成分と、α,β−ポリエチレンからなるB成分とを含有し、熱シール後、易剥離性を示す。B成分は、A成分に配合されてA成分の凝集力を低下させる作用を有する。
エチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体として、例えばエチレン−メタクリル酸共重合体及びエチレン−アクリル酸共重合体等を用いることができる。
エチレン−メタクリル酸共重合体は、好ましくは、そのメタクリル酸含有率が6ないし20重量%であり、エチレン−アクリル酸共重合体は、好ましくは、そのアクリル酸含有率が3ないし10%である。
また、A成分とB成分の重量比は、99:1ないし50:50であることが好ましい。
本発明に使用される基材としては、延伸ナイロン、延伸ポリエステル、及び延伸ポリプロピレン等があげられる。
本発明の包装袋において、シーラント層を対向配置させるには、例えば同様の形状の積層シートを2枚用意して重ね合わせても、あるいは一枚の積層シートを任意の位置で折り畳んで重ね合わせても良い。
また、包装袋の形状は、単室の袋状の他、2以上の収容室を有する複室形状にすることができる。
図2に、本発明の包装袋の一例を表す正面図、図3に、本発明の包装袋の他の一例を表す正面図を示す。
図2に示すように、この包装袋20は、単室の袋状である。包装袋20は、例えば80mm×150mmの大きさの長方形状であって、図1と同様の積層構成を有する積層シートを一対用意し、そのシーラント層を対向配置して、位置合わせし、長方形の3辺に相当する端部を熱シールし、例えばアルカリ溶液からなる内容物を充填後、残りの一辺に相当する端部を熱シールにより封止することにより得られる。このとき熱シール幅は、例えば15mmである。得られた包装袋20は、その外縁部に熱シールにより形成された封止部21を有する。また、この包装袋に使用される積層シートは、基材、バリア層,熱可塑性樹脂層,及びシーラント層の厚さが例えば各々15μm、15μm、30μm、及び20μmである。
図3に示すように、この包装袋30は隔壁により2つに区画された2つの収容室を有する二室型包装袋である。この二室型包装袋は、上記積層シートと同様の厚さを有し、例えば150mm×150mmの大きさの長方形の積層シートを一対用意し、そのシーラント層を対向配置して、位置合わせし、長方形の対向する2辺に相当する端部25,26を例えば15mm幅で熱シールし、両端が開口された筒状体を形成した後、例えば2つの開口の間に、この筒状体をおおよそ二分するよう例えば7mm幅の帯状に熱シールされた封止部23を形成して、二室の収容室27,28を得、さらに、例えば一方にアルカリ性溶液を、他方に非アルカリ性溶液を収容し、両方の開口部に例えば15mm幅で熱シールを行い、封止することによって得られる。図示するように、得られた包装袋30は、外縁部及び2つの収容室27,28間に封止部23を有する。
封止部の剥離強度は、使用するシーラント層の配合及び熱シール幅等により適宜調整することができる。第1の収容室及び第2の収容室間の隔壁となる封止部が易剥離性を要求される場合には、外縁の封止部の強度よりも収容室間の封止部の強度を低くするため、その熱シール幅を外縁の封止部の熱シール幅よりも狭くすることができる。また、図示するように、熱シールの際に、封止部に、凹型のくびれを設けることにより、易剥離性を向上することができる。このような第1の収容室及び第2の収容室間の封止部は、使用時に、一方の収容室の内容物に圧力をかけると容易に剥離し、2つの収容室が連通して、両収容室の内容物が十分に混合され得る。なお、封止部の形状は、凹型のくびれを設けた帯状の他、保存時に2つの収容室の隔壁として十分に機能し得、使用時に容易に剥離して2つの収容室を連通させることが可能であれば、どのような形状でも良い
上述の二室型の包装袋は、1つのラインで製造及び充填が可能であり、2種類のボトル容器の製造及び充填ラインに比べて、設備の小型化が可能である。
図4は、本発明の蓋体の一例を表す断面図を示す。
図示するように、この蓋体40は、例えば延伸ナイロンからなる基材層5上に、接着層6、バリア層7,熱可塑性樹脂層8、及びシーラント層9が順に積層された構成を有する。
この蓋体40は、基材層5上に、グラビア塗工法により接着層6を形成した後、オーブン加熱により接着剤中の溶剤成分を飛ばした後に基材層と合わせ、熱ロールとニップロールとの間を通すことによりバリア層7を基材層5と接着させ,その後、押出しラミネーション法により熱可塑性樹脂層8を形成することにより得られる。
また、図5は、本発明の蓋体の一例とこの蓋体を適用し得る成形容器の一例の組合せを説明するための図を示す。
図示するように、この成形容器50は、例えば長方形の底部11、その底部周囲を取り囲む側壁12、底部と反対側の側壁端部により規定された開口13、及びこの側壁12端部から開口13を含む面に沿って開口13よりも外側に延出された封止面14を含む。蓋体40は、例えば封止面14の端部とほぼ同等の大きさの辺を有する長方形を有する。容器内に内容物を注入した後、その4辺を封止面14の端部と位置合わせして封止面14で熱シールを行うことにより、成形容器を封止することができる
図2,3,及び5に示す包装袋、及び容器内には、固体、液体等、どのような内容物でも収容可能であるが、この包装袋、及び容器は、pH8以上のアルカリ性溶液を収容しても、長期保存が可能である。例えば2液型パーマ液や2液酸化反応型カラーリング液等の1剤として使用されるpH11程度のアルカリ性溶液を収容しても、内容物の浸食により不所望な剥離等は発生しない。
実施例
実施例1
成形容器の形成
350μmの厚さを有するポリプロピレンフィルム上に、100μmの厚さを有するポリビニルアルコールフィルム、350μmの厚さを有するポリプロピレン、及び低密度ポリエチレンを積層した積層シートを用い、これを真空成形により成形して40mm×70mm×深さ25mmの大きさで、図5の容器50と同様の形状の、側壁から延出0された封止面をもつ成形容器を得た。
蓋材の形成
基材として、一方の面に接着剤層が形成された15μmの厚さの延伸ナイロンを用意し、この接着剤層上に15μmのアルミ箔を二液硬化型ドライ接着剤により接着した。下記表1に示すように、別途、熱可塑性樹脂層材料としてメタクリル酸成分含有量11重量%のエチレン−メタクリル酸共重合体と、シーラント層材料として80:20の重量比で配合された樹脂A成分となる低密度ポリエチレン及び非相溶性樹脂B成分となるポリブテンとを、各々、共押出し器に導入し、基材に接着されたアルミ箔上に、熱可塑性樹脂層とシーラント層とを共押出し加工により積層し、蓋体用積層シートを得た。得られた蓋用積層シートを成形容器の封止面の大きさに合わせて切断し、蓋体を得た。
内容物の封入
上記成形容器にpH11のカラーリング剤1液を50cc導入した。
次に、得られた蓋体を、内容物が入れられた容器の封止部上に位置合わせして配置し、180℃で2秒間ヒートシールすることにより、容器内に内容物を封入した。
デラミネーション試験
上述のように内容物を封入した容器を、合計10個ずつ用意した。
この容器を50℃で1ヶ月間保存した後、蓋体の剥離の有無、及び剥離の発生部位を調べた。得られた結果を下記表2に示す。
易剥離性試験
デラミネーション試験の結果、剥離のない蓋体については、これを開封して、その易剥離性を調べた。得られた結果を下記表2に示す。
実施例2
熱可塑性樹脂層材料として、アクリル酸成分含有量7.5重量%のエチレン−アクリル酸共重合体、樹脂A成分として、アクリル酸成分含有量7.5重量%のエチレン−アクリル酸共重合体、及び樹脂B成分として、ポリプロピレンを使用し、A成分とB成分との重量比を60:40にすること以外は、実施例1と同様にして内容物を封入した容器を作成した。
得られた容器を用いて、同様に、デラミネーション試験及び易剥離性試験を行った。
その結果を下記表2に示す。
比較例1ないし4
各々、下記表1に示す熱可塑性樹脂層材料、樹脂A成分、及び樹脂B成分を使用すること以外は、実施例1と同様にして内容物を封入した容器を作成した。
なお、比較例2で使用した表面改質剤は、ポリエステルポリウレタンを樹脂系とした二液硬化型アンカーコート剤である。
得られた容器を用いて、同様に、デラミネーション試験及び易剥離性試験を行った。
その結果を下記表2に示す。
Figure 0004329464
Figure 0004329464
本発明の包装材料は、食品、薬剤特にアルカリ性の高い溶液等の内容物を収容し得る熱シール容器に使用可能である。
本発明の包装材料の一例を表す断面図 本発明の包装袋の一例を表す正面図 本発明の包装袋の他の一例を表す正面図 本発明の蓋体の一例を表す断面図 本発明の蓋体の一例とこの蓋体を適用し得る成形容器の一例の組合せを説明するための図
符号の説明
1,5…基材、2,7…バリア層、3,8…熱可塑性樹脂層、4,9…シーラント層、6…接着層、10…包装材料、11…底部、12…側壁、13…開口、14…封止面、20,30…包装袋、21,22,23,25,26…封止部、24…凹型のくびれ、26,27…収容室、40…蓋体、50…成形容器

Claims (4)

  1. 基材と、
    該基材上に設けられたバリア層と、
    該バリア層上に接触して設けられ、エチレン−メタクリル酸共重合体またはエチレン−アクリル酸共重合体からなる熱可塑性樹脂層と、
    該熱可塑性樹脂層との共押出しにより形成された、エチレン−アクリル酸共重合体からなるA成分、及びポリプロピレンからなるB成分とを含有するシーラント層とを含み、
    前記A成分の含有量は、前記A成分と前記B成分の合計量のうち50ないし99重量%であり、2液型パーマ液または2液酸化反応型カラーリング液の1液としていられるpH8ないし11のアルカリ性溶液に使用されることを特徴とする包装材料。
  2. 基材と、
    該基材上に設けられたバリア層と、
    該バリア層上に接触して設けられ、エチレン−メタクリル酸共重合体またはエチレン−アクリル酸共重合体からなる熱可塑性樹脂層と、
    該熱可塑性樹脂層との共押出しにより形成された、エチレン−アクリル酸共重合体からなるA成分、及びポリプロピレンからなるB成分を含有するシーラント層とを含む積層シートを用いて形成され、
    該シーラント層を対向配置して熱シールした封止部を含み、
    前記A成分の含有量は、前記A成分と前記B成分の合計量のうち50ないし99重量%であり、2液型パーマ液または2液酸化反応型カラーリング液の1剤として用いられるpH8ないし11以上のアルカリ性溶液に使用されることを特徴とする包装袋
  3. 基材と、
    該基材上に設けられたバリア層と、
    該バリア層上に接触して設けられ、エチレン−メタクリル酸共重合体またはエチレン−アクリル酸共重合体からなる熱可塑性樹脂層と、
    該熱可塑性樹脂層との共押出しにより形成された、エチレン−アクリル酸共重合体からなるA成分、及びポリプロピレンからなるB成分とを含有するシーラント層とを含
    前記A成分の含有量は、前記A成分と前記B成分の合計量のうち50ないし99重量%であり、2液型パーマ液または2液酸化反応型カラーリング液の1剤として用いられるpH8ないし11のアルカリ性溶液の包装に使用されることを特徴とする蓋体
  4. 基材と、
    該基材上に設けられたバリア層と、
    該バリア層上に接触して設けられ、エチレン−メタクリル酸共重合体またはエチレン−アクリル酸共重合体からなる熱可塑性樹脂層と、
    該熱可塑性樹脂層との共押出しにより形成された、エチレン−アクリル酸共重合体からなるA成分、及びポリプロピレンからなるB成分を含有するシーラント層とを含む積層シートを有する包装部材と、
    該包装部材内に収容された2液型パーマ液または2液酸化反応型カラーリング液の1剤として用いられるpH8ないし11のアルカリ性溶液と、
    該包装部材を該シーラント層で熱シールした封止部を含むことを特徴とする包装体
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