JP4329338B2 - 粉末成形装置及び粉末成形方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、セラミックス等の粉末原料をダイスと上,下パンチユニットとで形成された粉末成形空間で加圧成形するようにした粉末成形装置及び粉末成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の粉末成形装置では、ダイスと複数のパンチを有する上,下パンチユニットとで粉末成形空間を形成し、該粉末成形空間に充填したした粉末原料を上記上,下パンチユニットを駆動部により駆動することにより加圧成形を行うようになっている。
【0003】
ところで、粉末成形体の形状,あるいは加圧力の設定に対する自由度を高める観点から、上記各上,下パンチをそれぞれ独立した駆動モータにより昇降駆動する場合がある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−57496号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の粉末成形装置では、各上,下パンチをそれぞれ独立した駆動モータにより昇降駆動する構造を採用しており、設備費が上昇するとともに、装置が大型化するという問題がある。
【0006】
本発明は、上記従来の状況に鑑みてなされたもので、各パンチを昇降駆動する場合に設備費の上昇を抑制できるとともに、装置の大型化を回避できる粉末成形装置及び粉末成形方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、ダイスと複数のパンチを有するパンチユニットとで粉末成形空間を形成し、該粉末成形空間に充填された粉末原料を上記パンチユニットを駆動部で駆動することにより加圧成形を行うようにした粉末成形装置において、上記パンチユニットを、上記駆動部により駆動される駆動パンチと非駆動パンチとを備えたものとし、該非駆動パンチを上記駆動パンチに係脱可能に連結することにより駆動可能とする連結手段を設け、上記駆動部によりそれぞれ独立して駆動される第1,第2パンチと、非駆動の第3パンチとを有し、上記連結手段は、第3パンチを第2パンチにクランプするクランプ位置と、該クランプを解除するアンクランプ位置との間で移動駆動されるクランプアームを備えていることを特徴としている。
【0009】
請求項の発明は、請求項において、上記第3パンチを第2パンチにクランプした状態で駆動することにより、加圧形成時に第1又は第2パンチ内に残留する成形屑を除去するよう構成されていることを特徴としている。
【0010】
請求項の発明は、請求項又はにおいて、上記第3パンチが固定されたパンチラムと上記クランプアームとをテーパ嵌合させることにより、上記第3パンチの加圧方向におけるクランプ位置を変更可能としたことを特徴としている。
【0011】
請求項4の発明は、ダイスと複数のパンチを有するパンチユニットとで形成された粉末成形空間に粉末原料を充填する粉末充填工程と、上記パンチユニットを駆動することにより上記粉末原料の加圧成形を行う加圧成形工程と、該加圧成形された成形体をダイスから脱型する脱型工程とを備えた粉末成形方法において、上記パンチユニットを、上記駆動部によりそれぞれ独立して駆動される第1,第2パンチと非駆動の第3パンチとを備えたものとし、該第3パンチを上記第1,第2パンチに係脱可能に連結して駆動することにより該第1パンチ内に残留する成形屑を除去するクリーニング工程を備えたことを特徴としている。
【0012】
【発明の作用効果】
請求項1の発明に係る粉末成形装置によれば、パンチユニットを駆動パンチと非駆動パンチとを備えたものとし、該非駆動パンチを駆動パンチに係脱可能に連結して駆動可能としたので、非駆動パンチを駆動パンチを介して駆動することができ、成形体の形状に対する自由度を確保しつつ駆動部全体の縮小化が可能となり、設備費を低減できるとともに、装置全体を小型化できる。
【0013】
また、パンチユニットを、駆動部により駆動される第1,第2パンチと、非駆動の第3パンチとを有するものとし、該第3パンチを第2パンチにクランプアームによりクランプ,アンクランプするようにしたので、駆動部全体の縮小化を図りながら成形体の形状に対する自由度を高めることができる。
【0014】
請求項の発明では、第3パンチを第2パンチにクランプすることにより、加圧形成により生じた第1又は第2パンチ内の成形屑を除去するようにしたので、成形屑を除去するための駆動部を不要にできる。
【0015】
請求項の発明では、第3パンチが固定されたパンチラムとクランプアームとをテーパ嵌合させることにより第3パンチのクランプ位置を変更可能としたので、第3パンチの第2パンチに対する位置関係を任意に変化させることができ、品種の切り替えや成形体の孔深さ等の設定を容易に行うことができ、成形体の形状に対する自由度をさらに高めることができる。
【0016】
請求項4の発明では、粉末充填工程,加圧成形工程,脱型工程に加えて非駆動の第3パンチを駆動の第1,第2パンチに係脱可能に連結して駆動することにより該第1パンチ内の成形屑を除去するクリーニング工程を備えたので、設備費の上昇や装置全体の大型化を招くことなく連続生産が可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0018】
図1ないし4は、本発明の一実施形態による粉末成形装置を説明するための図であり、図1は粉末成形装置の全体構成図、図2(a)〜(c),図3(d),(e)はそれぞれ粉末成形装置による成形体の成形工程を示す図、図4(a)〜(c)は加圧成形された成形体の図である。
【0019】
図において、1は粉末成形装置を示しており、これは主として、ダイテーブル2に配設された角筒状のダイス3と、上,下パンチユニット4,5と、該上,下パンチユニット4,5を昇降駆動する駆動部6とを備えている。この粉末成形装置1は、上記ダイス3と上、下パンチユニット4,5とで形成された粉末成形空間3a内に例えばセラミックス等の粉末原料を充填し、該上,下パンチユニット4,5を昇降駆動して粉末原料を加圧成形することにより電子部品素子等の成形体Aを製造するものである。
【0020】
上記下パンチユニット5は、上記ダイス3内に挿入された直方体状の下第1パンチ5aと、該下第1パンチ5aにこれの中心部より図面左側に偏位した位置に摺動自在に挿入されたコアピンからなる下第2パンチ5bとを有している。この下第2パンチ5bの上先端部5cは他の部分より段付き状に小径に形成されている。
【0021】
この下第1パンチ5aは下第1パンチラム7に固定され、下第2パンチ5bは下第2パンチラム8に固定されている。上記下第1パンチラム7には左右一対の下第1ラム軸9,9の上端部が連結されており、上記下第2パンチラム8には下第2ラム軸10の上端部が連結されている。
【0022】
上記上パンチユニット4は、上記ダイス3内に挿入可能な大きさを有する直方体状の上第1パンチ4aと、該上第1パンチ4aにこれの中心部より図面右側に偏位した位置に摺動自在に挿入されたコアピンからなる上第2パンチ4bと、上記上第1パンチ4aにこれの中心部より図面左側に偏位した位置に摺動自在に挿入されたコアピンからなる上第3パンチ4cとを有している。この上第3パンチ4cは上記下第2パンチ5bと対向するよう同軸線上に配置されており、かつ上第3パンチ4cの下面は下第2パンチ5bの上先端部5cの上面と形状およびサイズが略一致するように形成されている。なお、上第3パンチ4cは、後述するように、上第1パンチ4aのパンチ孔4a′のクリーニングを行なうためのものであるので、上第3パンチ4cの形状,サイズはパンチ孔4a′の形状,サイズに対応したものとなる。
【0023】
上記上第1パンチ4aは上第1パンチラム11に固定され、上第2パンチ4bは上第1パンチラム11の上方に配置された上第2パンチラム12に固定されている。また上記上第3パンチ4cは上第2パンチラム12の上方に配置された上第3パンチラム13に固定されている。
【0024】
上記上第1パンチラム11には左右一対の円筒状の上第1ラム軸15,15の上端面が接続固定され、上第2パンチラム12には左右一対の上第2ラム軸16,16の上端面が接続固定されている。この各上第2ラム軸16は上第1ラム軸15内に軸方向に相対移動可能に挿入されている。
【0025】
上記駆動部6は、上記上,下パンチユニット4,5をそれぞれ独立して昇降駆動するように構成されており、具体的には、以下の構造となっている。
【0026】
上記ダイテーブル2の下方には固定ベース20が配置固定されており、該固定ベース20の上方には可動ベース21が昇降可能に配設されている。この可動ベース21上には架台22が搭載されている。この架台22上には上記各上第1ラム軸15の下端が接続固定され、上第1パンチラム11及び上第1ラム軸15,15は架台22とともに可動ベース21に一体に固定されている。また上記架台22には各上第2ラム軸16及び各下第1,第2ラム軸9,10が摺動可能に支持されている。
【0027】
上記可動ベース21には左右一対の下第1ボールねじ23,23が軸受24,24を介して回転自在に支持されている。この各下第1ボールねじ23にはナット25,25が螺着されており、各ナット25は下第1ラム軸9の下端部に挿入固定されている。
【0028】
上記各下第1ボールねじ23の下端部には従動プーリ26,26が装着され、該各従動プーリ26にはタイミングベルト27が巻回されている。このタイミングベルト27は下第1サーボモータ28に装着された駆動プーリ29に巻回されている。下第1サーボモータ28が回転すると各下第1ボールねじ23が回転し、ナット25を介して各下第1ラム軸9が同期して上動するとともに、下第1パンチラム7及び下第1パンチ5aが上下動する。
【0029】
上記可動ベース21には下第2ボールねじ30が軸受31を介して回転自在に支持されている。この下第2ボールねじ30にはナット32が螺着されており、該ナット32は下第2ラム軸10の下端部に挿入固定されている。
【0030】
上記下第2ボールねじ30の下端部には従動プーリ33が装着され、該従動プーリ33には下第2サーボモータ34に装着された駆動プーリ35がタイミングベルト36を介して連結されている。下第2サーボモータ34が回転すると下第2ボールねじ30が回転し、ナット32を介して下第2ラム軸10が上下動するとともに、下第2パンチラム8及び下第2パンチ5bが上下動する。
【0031】
上記可動ベース21の両端部にはナット40,40が取付け固定されており、各ナット40には上第1ボールねじ41,41が螺装されている。この各上第1ボールねじ41は上記固定ベース20に軸受42,42を介して支持されている。
【0032】
上記各上第1ボールねじ41の下端には従動プーリ43,43が装着され、該各従動プーリ43にはタイミングベルト44が巻回されている。このタイミングベルト44は上第1サーボモータ45に装着された駆動プーリ46に巻回されている。上第1サーボモータ45が回転すると各上第1ボールねじ41が同期して回転し、ナット40を介して可動ベース21,架台22が上下動するとともに、各第1ラム軸15を介して上第1パンチラム11及び上第1パンチ4aが一体に上下動する。
【0033】
また上記上記可動ベース21には左右一対の上第2ボールねじ47,47が軸受48,48を介して回転自在に支持されている。この各上第2ボールねじ47にはナット49,49が螺着されており、各ナット49は上第2ラム軸16の下端部に挿入固定されている。
【0034】
上記各上第2ボールねじ47の下端部には従動プーリ50,50が装着され、各従動プーリ50には上第2サーボモータ51に装着された駆動プーリ52がタイミングベルト53を介して連結されている。上第2サーボモータ51が回転すると各上第2ボールねじ16が同期して回転し、各ナット49を介して上第2ラム軸16が上動するとともに、上第2パンチラム12及び上第2パンチ4bが上下動する。このようにして上第1,第2パンチ4a,4b及び下第1,第2パンチ5a,5bはそれぞれ独立したサーボモータ45,51及び28,34により昇降駆動される。
【0035】
ここで、可動ベース21の上下動に伴う上第2パンチ4b及び下第1,第2パンチ5a,5bの上下動は、各ボールねじ47,23,30の送り量を制御することにより吸収されている。
【0036】
また上第2サーボモータ51及び下第1,第2サーボモータ28,34の回転を停止させた状態で、上第1サーボモータ45が回転すると可動ベース21とともに上第1,第2パンチ4a,4b及び下第1,第2パンチ5a,5bが同期して上下動する。このようにしてパンチ間距離を維持した状態でダイテーブル2から成形体Aの脱型が行えるようになっている。
【0037】
上記上第3パンチ4cは非駆動となっている。この上第3パンチ4cの上第3パンチラム13の下面には左右一対の上第3ラム軸55,55が固定されており、各上第3ラム軸55は上第2パンチラム12を貫通して上第1パンチラム11に支持されている。この上第1パンチラム11の各上第3ラム軸55に臨む部分には有底筒状の凹部11aが形成され、各凹部11a内にはばね56を介して上記上第3ラム軸55が挿入されている。これにより上第3パンチ4cは上第1パンチラム11に上下動可能に支持されている。
【0038】
そして上第2パンチラム12には、上第3パンチ4cに係脱可能に連結することにより該上第3パンチ4cを上第2パンチラム12とともに昇降駆動可能とする連結手段としての左右一対のクランプ機構60,60が配設されている。
【0039】
この各クランプ機構60は、上第2パンチラム12上に固定されたアーム支持部61と、該アーム支持部61に加圧方向と直角方向に移動可能に支持されたクランプアーム62と、該クランプアーム62を上第3パンチラム13に係合させることにより該上第3パンチラム13をクランプするクランプ位置と、該クランプを解除して後方に待機するアンクランプ位置との間で進退駆動するシリンダ部63とを有している。
【0040】
このシリンダ部63は高圧流体が供給されるシリンダ63a内にピストンロッド63bを進退可能に挿入したもので、該ピストンロッド63bが上記クランプアーム62に接続されている。ここで、上第2パンチラム12がクランプ位置に上昇する前に、クランプアーム62がクランプ位置に前進移動するように設定されている。このように設定することによって上第2パンチラム12がクランプ位置に上昇すると同時に上第3パンチラム13をクランプすることとなり、クランプ時間の短縮を図ることができる。
【0041】
上記粉末成形装置1による粉末成形体の一製造工程を説明する。
【0042】
粉末充填工程(図2(a)参照)
上第1パンチ4aを上昇させて待機させるとともに、下第1パンチ5aをダイス3内に位置させ、ダイス3の粉末成形空間3a内に粉末原料を充填する。この場合、上,下第2パンチ4b,5bはそれぞれ成形体形状に応じた位置に予めセットされており、上第3パンチ4cは上第1パンチ4a内の待機位置にセットされている。
【0043】
加圧成形工程(図2(b)参照)
上第1,第2パンチ4a,4bを下降させるとともに、下第1,第2パンチ5a,5bを上昇させ、粉末原料を加圧する。するとダイス3と上,下第1パンチ4a,5bにより粉末原料が圧縮され、上第2パンチ4bが粉末原料の略中央付近まで入り込むとともに、下第2パンチ5bが粉末原料に入り込み、さらに上先端部5cが粉末原料を貫通して上第1パンチ4aのパンチ孔4a′内に入り込む。この場合、粉末原料の一部Bが上第1パンチ4aのパンチ孔4a′内に押し込まれることとなる。このようにして、図4(a)〜(c)示すように、2つの角孔A1,A2と該角孔A2に続いて延びる小角孔A3とを有する直方体状の成形体Aが形成される。
【0044】
脱型工程(図2(c)参照)
上第2サーボモータ51及び下第1,第2サーボモータ28,34を停止し、これにより上第2ボールねじ47及び下第1,第2ボールねじ23,30を固定する。この状態で上第1サーボモータ45により上第1ボールねじ41を回転させる。すると可動ベース21とともに上第1,第2パンチ4a,4b及び下第1,第2パンチ5a,5bがそれぞれパンチ間距離を保持した状態で上昇することとなり、成形体Aの脱型が行われる。
【0045】
取出し工程(図3(d)参照)
上第1,第2パンチ4a,4bを上昇させて待機させるとともに、下第2パンチ5bを下降させて待機させ、成形体Aを取り出す。
【0046】
クリーニング工程(図3(e)参照)
上第2パンチ4bを上昇させるとともに、クランプアーム62をクランプ位置に前進させる。この場合、クランプアーム62は上第2パンチ4bの上昇開始の前,もしくは上昇開始と略同時に前進させる。上第2パンチラム12が上昇して上第3パンチラム13に当接するとともに該上第3パンチラム13を押し上げ、クランプアーム62に当接する。これにより上第3パンチラム13はクランプアーム62と上第2パンチラム12に挟持される。
【0047】
続いて、上第2パンチラム12を下降させると、上第2パンチ4bとともに上第3パンチ4cが下降し、上第1パンチ4aのパンチ孔4a′に残留する成形屑Bを押し出して除去する。この後、上第2パンチラム12を上昇させるとともに、クランプアーム62をアンクランプ位置に後退させる。これにより上第3パンチ4cのクランプを解除する。
【0048】
このように本実施形態によれば、上パンチユニット4をサーボモータ45,51により独立して駆動される上第1,第2パンチ4a,4bと、非駆動の第3パンチ4cとを有するものとし、クランプ機構60によりクランプアーム62を、上第3パンチ4cを上第2パンチ4bにクランプするクランプ位置と、該クランプを解除するアンクランプ位置との間で進退駆動したので、上第3パンチ4cを上第2パンチ4bを昇降駆動するサーボモータ51により一体に昇降駆動することができ、上第3パンチ4cを駆動するためのサーボモータ,ボールねじ等を不要にでき、設備費を低減できるとともに、駆動部6全体を小型化できる。
【0049】
本実施形態では、上第3パンチ4cを上第2パンチ4bにクランプして下降させることにより、上第1パンチ4aのパンチ孔a′内の成形屑Bを除去するようにしたので、設備費の上昇や装置全体の大型化を招くことなく連続生産が可能となる。
【0050】
なお、上記実施形態では、上第1パンチ4aに上第2,第3パンチ4b,4cをそれぞれ左右に偏位させて配置し、該上第3パンチ4cにより上第1パンチ4aの成形屑Bを除去するようにした場合を例にとって説明したが、本発明はこれに限られるものではない。
【0051】
図5及び図6は、上記実施形態の他の実施形態による粉末成形装置を説明するための図であり、図中、図2,図3と同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0052】
これは、上パンチユニット4の上第1パンチ4aの軸心に上第2パンチ4bを挿入するとともに、該上第2パンチ4bの軸心に上第3パンチ4cを挿入することにより、各第1〜第3パンチ4a〜4cを同軸線上に配置した例である。
【0053】
上記上第2パンチ4bに対する上第3パンチ4cの軸長さを適宜設定することにより、設備費の低減及び装置全体の小型化を図りながら成形体の形状に対する自由度を高めることができる。
【0054】
図7及び図8は、請求項4の発明の一実施形態による粉末成形装置を説明するための図であり、図中、図2,図3と同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0055】
本実施形態の粉末成形装置は、上第3パンチ4cの上第3パンチラム13の外壁面にテーパ部13aを形成し、クランプ機構60のクランプアーム62の先端面に上記テーパ部13aに係合するテーパ部62aを形成して構成されている。そしてクランプ時に上記テーパ部13a,62a同士をテーパ嵌合させることにより上第3パンチ4cのクランプ位置を上下方向に変更可能とした例である。
【0056】
本実施形態によれば、クランプアーム62と上第3パンチラム13とをテーパ嵌合させることにより、上第3パンチ4cの上第2パンチ4bに対する高さ位置を例えばh1,h2と変化させることができ、品種の切り替えや成形体の孔深さ等の設定を容易に行うことができ、成形体の形状に対する自由度をさらに高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による粉末成形装置の概略構成図である。
【図2】上記粉末成形装置による成形方法を説明するための工程図である。
【図3】上記成形方法の工程図である。
【図4】加圧成形された成形体の図である。
【図5】上記実施形態の他の実施形態による粉末成形装置の概略構成図である。
【図6】上記粉末成形装置の概略構成図である。
【図7】請求項4の発明の一実施形態による粉末成形装置の概略構成図である。
【図8】上記粉末成形装置の概略構成図である。
【符号の説明】
1 粉末成形装置
3 ダイス
3a 粉末成形空間
4 上パンチユニット
4a 上第1パンチ(駆動パンチ)
4b 上第2パンチ(駆動パンチ)
4c 上第3パンチ(非駆動パンチ)
6 駆動部
.60 クランプ機構(連結手段)
62 クランプアーム
A 成形体
B 成形屑

Claims (4)

  1. ダイスと複数のパンチを有するパンチユニットとで粉末成形空間を形成し、該粉末成形空間に充填された粉末原料を上記パンチユニットを駆動部で駆動することにより加圧成形を行うようにした粉末成形装置において、上記パンチユニットを、上記駆動部により駆動される駆動パンチと非駆動パンチとを備えたものとし、該非駆動パンチを上記駆動パンチに係脱可能に連結することにより駆動可能とする連結手段を設け、上記パンチユニットは、上記駆動部によりそれぞれ独立して駆動される第1,第2パンチと、非駆動の第3パンチとを有し、上記連結手段は、第3パンチを第2パンチにクランプするクランプ位置と、該クランプを解除するアンクランプ位置との間で移動駆動されるクランプアームを備えていることを特徴とする粉末成形装置。
  2. 請求項1において、上記第3パンチを第2パンチにクランプした状態で駆動することにより、加圧形成時に第1又は第2パンチ内に残留する成形屑を除去するよう構成されていることを特徴とする粉末成形装置。
  3. 請求項1又は2において、上記第3パンチが固定されたパンチラムと上記クランプアームとをテーパ嵌合させることにより、上記第3パンチの加圧方向におけるクランプ位置を変更可能としたことを特徴とする粉末成形装置。
  4. ダイスと複数のパンチを有するパンチユニットとで形成された粉末成形空間に粉末原料を充填する粉末充填工程と、上記パンチユニットを駆動することにより上記粉末原料の加圧成形を行う加圧成形工程と、該加圧成形された成形体をダイスから脱型する脱型工程とを備えた粉末成形方法において、上記パンチユニットを、上記駆動部によりそれぞれ独立して駆動される第1,第2パンチと非駆動の第3パンチとを備えたものとし、該第3パンチを上記第2パンチに係脱可能に連結して駆動することにより第1パンチ内に残留する成形屑を除去するクリーニング工程を備えたことを特徴とする粉末成形方法。
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