JP4327946B2 - 選別装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ケースに収納された被処理体をケースごと選別して、後続の処理ラインに選択的に搬送する際に用いられる選別装置に関し、特に、ガラス基板にSiO2 膜、ITO膜(透明導電膜)等を形成する複数の成膜ラインに対して、ガラス基板を収容したケースを選択的に搬送する際の選別に用いられる選別装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電卓、時計、タイマー等の表示部、あるいは、デジタルカメラ等の液晶表示部又はコンピュータに接続された入力用のタッチパネル等として用いられるITOガラス基板の製造に際しては、洗浄装置、選別装置、搬送装置、成膜装置等により構成される製造ラインが用いられている。
【0003】
この製造ラインにおいては、先ず原料であるガラス基板を受け入れた後、梱包を解いて抜き取り検査を行ない、それぞれのサイズに合ったカセットにガラス基板を立てた状態で詰める。そして、このガラス基板を詰めたカセットを洗浄装置に送り、ガラス基板の洗浄を行なう。この洗浄工程では、カセットごと洗浄槽に漬けて超音波によりガラス基板の表面に付着した汚れを落とし、水道水、純水等でリンスし、IPA(イソプロピルアルコール)で置換し、最後にIPAの蒸気で乾燥させる。
【0004】
この洗浄工程が終了すると、選別装置により、ガラス基板のサイズに応じてカセットの搬送先を選別し、複数の成膜ラインからなる成膜装置へ送り出す。この選別工程では、高さセンサを用いて、カセットに詰められたガラス基板が高さセンサを横切るか否かにより選別している。すなわち、大きいガラス基板を収容するカセットと、小さいガラス基板を収容するカセットとを選別して、対応する成膜ラインに向けて搬送するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の製造ラインにおける選別装置では、カセットに収容されたガラス基板の高さ寸法により選別していたため、大きいガラス基板を収容するカセットと小さいガラス基板を収容するカセットとは、常に異なる成膜ラインに振り分けられることになる。したがって、それぞれの成膜ラインの稼働状況に応じて、一方の成膜ラインに向けて、大きいガラス基板を収容するカセットと小さいガラス基板を収容するカセットとの両方を搬送することができない。
【0006】
また、ガラス基板の寸法が近似している場合は、高さセンサによる検出方法では誤検出を招く場合がある。この誤検出により、本来の成膜ラインと違う成膜ラインに向けて搬送されると、作業者がこの誤搬送されたカセットを運んで所望の成膜ラインに持ち込まなければならず、手間が掛かるのは勿論のこと、作業者が運ぶ際に、ガラス基板に埃等が付着する虞がある。
【0007】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、ガラス基板等の被処理体を収容したケースを、次工程の複数の処理ラインのいずれかに向けて選別して搬送する際に、作業者の判断により予め所望の処理ラインを選択し、その処理ラインに向けてケースすなわち被処理体を確実に選別でき、誤検出等を防止できる選別装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の目的を達成するべく鋭意検討を重ねた結果、以下の如き構成をなす発明を見出すに至った。
すなわち、本発明の選別装置は、被処理体を収容したケースを次工程にある複数の処理ラインのそれぞれに搬送する搬送手段と、ケースを選別するための選別手段と、この選別手段の出力信号に基づいて搬送手段の駆動を制御する制御手段とを備え、ケースを所望の処理ラインに向けて搬送するように選別を行なう選別装置であって、上記選別手段は、発光素子及び受光素子をもつ反射型の光センサと、この発光素子から出射された光を受光素子に向けて反射し得ると共にケースに対して着脱自在に取付けられた光反射部材と、を有することを特徴としている。
この構成によれば、作業者が光反射部材を取付けたケースは、所定の位置に達した時に光センサの発光素子から出射された光を反射して受光素子に送る。すると、この光センサから出力信号が発せられ、制御手段がこの信号を受信する。そして、制御手段がこの受信信号に基づいた制御信号を搬送手段に送って搬送手段の駆動を制御し、このケースを所定の処理ラインに向けて搬送する。
【0009】
上記構成において、光反射部材は、略直交する2つの平面により形成された光反射板と、この光反射板の非反射面側において所定間隔をおいて配置された非反射板と、光反射板と非反射板とを接続する接続部材とからなる、構成を採用することができる。
この構成によれば、被処理体を収容したケースが略直方体の輪郭をなし、4隅部すなわちコーナ部に直交するフレームあるいは側壁を有するような場合に、このコーナ部のフレームあるいは側壁を、光反射板と非反射板との間に挟み込むようにして、光反射部材がケースに取付けられる。これにより、光反射部材は取付け後の位置ずれが防止される。
【0010】
また、上記構成において、非反射板は光反射板と相似形状をなし、接続部材は光反射板の2つの平面が交差する稜線の略中間領域において稜線に直交する方向に伸長するように形成された構成を採用することができる。
この構成によれば、被処理体を収容したケースが略直方体の輪郭をなし、4隅部すなわちコーナ部に直交するフレームあるいは側壁を有するような場合に、このコーナ部のフレームあるいは側壁を、光反射板と非反射板との間に挟み込むようにして、光反射部材がケースに取付けられる。これにより、光反射部材は取付け後の位置ずれが防止される。また、光反射板は略直交する2つの平面により形成され、かつ、接続部材が略中間部に配置されていることから、光反射部材を上下逆さまにして取り付けることも可能である。
【0011】
また、本発明の選別装置は、被処理体を収容したケースを次工程にある複数の処理ラインのそれぞれに搬送する搬送手段と、ケースを選別するための選別手段と、この選別手段の出力信号に基づいて搬送手段の駆動を制御する制御手段とを備え、ケースを所望の処理ラインに向けて搬送するように選別を行なう選別装置であって、上記選別手段は、発光素子及び受光素子をもつ透過型の光センサと、この光センサの光を遮断し得ると共にケースに対して着脱自在に取付けられた光遮断部材と、を有することを特徴としている。
この構成によれば、作業者が光遮断部材を取付けたケースは、所定の位置に達した時に光センサの光を遮る。すると、この光センサから出力信号が発せられ、制御手段がこの信号を受信する。そして、制御手段がこの受信信号に基づいた制御信号を搬送手段に送って搬送手段の駆動を制御し、このケースを所定の処理ラインに向けて搬送する。
【0012】
上記構成において、光遮断部材は、略直交する2つの平面により形成された光遮断板と、この光遮断板の非遮断面側において所定間隔をおいて配置された非遮断板と、光遮断板と非遮断板とを接続する接続部材とからなる、構成を採用することができる。
この構成によれば、被処理体を収容したケースが略直方体の輪郭をなし、4隅部すなわちコーナ部に直交するフレームあるいは側壁を有するような場合に、このコーナ部のフレームあるいは側壁を、光遮断板と非遮断板との間に挟み込むようにして、光遮断部材がケースに取付けられる。これにより、光遮断部材は取付け後の位置ずれが防止される。
【0013】
また、上記構成において、非遮断板は光遮断板と相似形状をなし、接続部材は光遮断板の2つの平面が交差する稜線の略中間領域において稜線に直交する方向に伸長するように形成された構成を採用することができる。
この構成によれば、被処理体を収容したケースが略直方体の輪郭をなし、4隅部すなわちコーナ部に直交するフレームあるいは側壁を有するような場合に、このコーナ部のフレームあるいは側壁を、光遮断板と非遮断板との間に挟み込むようにして、光遮断部材がケースに取付けられる。これにより、光遮断部材は取付け後の位置ずれが防止される。また、光遮断板は略直交する2つの平面により形成され、かつ、接続部材が略中間部に配置されていることから、光遮断部材を上下逆さまにして取り付けることも可能である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面に基づき説明する。
図1は本発明に係る選別装置により選別される被処理体としてのガラス基板を収容するカセットを示す斜視図であり、図2はガラス基板を収容したカセットを入れる洗浄カゴを示す斜視図であり、図3は本発明に係る選別装置の構成図であり、図4は光反射部材及び光遮断部材を示す斜視図であり、図5は光反射部材及び光遮断部材を洗浄カゴに取り付けた状態を示す斜視図であり、図6は選別装置の動作を説明するための図である。
【0015】
この選別装置は、電卓、時計、タイマー、デジタルカメラ等の液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、面発熱体、コンピュータに接続された入力用のタッチパネル等として用いられるITOガラス基板を製造する製造ラインにおいて適用されるものである。
【0016】
この選別装置を備えた製造ラインにおいては、先ず原料であるガラス基板を受け入れた後、梱包を解いて抜き取り検査を行ない、それぞれのサイズに合ったカセットにガラス基板を立てた状態で詰める。そして、このガラス基板を詰めたカセットを洗浄カゴに入れて洗浄装置に送り、ガラス基板の洗浄を行なう。この洗浄工程では、カセット及び洗浄カゴごと洗浄槽に漬けて、超音波によりガラス基板の表面に付着した汚れを落とし、水道水、純水等でリンスし、IPA(イソプロピルアルコール)で置換し、最後にIPAの蒸気で乾燥させる。
【0017】
この洗浄工程が終了すると、選別装置30により、ガラス基板のサイズあるいは次工程の処理状況に応じてカセットの搬送先を選別し、搬送手段40を経由して、複数の成膜ラインからなる成膜装置のそれぞれの成膜ラインに向けて選択的に送り出す。
【0018】
ところで、洗浄工程の前に、被処理体としてのガラス基板を収容するケースとしてのカセット100は、図1に示すように、全体が略直方体あるいは長方体の輪郭をなし、相対向するように配置された樹脂材料からなる2つの支持板101と、この両支持板101を連結する4本のフレーム102とにより構成されている。この支持板101には、ガラス基板Wを立てた状態で所定間隔をあけて配列させるための複数の支持溝101aが形成されている。
【0019】
また、洗浄工程の際に用いるケースとしての洗浄カゴ110は、ガラス基板Wを収容したカセット100を入れるものであり、図2に示すように、上側においてカセット100の出し入れを行なうための開口部を画定する上側フレーム111と、カセット100を支持する底部を画定する下側フレーム112と、これらの上側フレーム111と下側フレーム112とを連結する縦フレーム113とにより構成されている。尚、これら上側フレーム111、下側フレーム112、及び縦フレーム113は、円筒状のステンレス製パイプにより形成されている。
【0020】
上記選別装置30は、図3に示すように、被処理体であるガラス基板Wを収容したケースすなわち洗浄カゴ110を次工程にある複数の処理ラインすなわち成膜ラインのそれぞれに向けて搬送する搬送手段としてのベルトコンベア40と、洗浄カゴ110を選別するための選別手段130と、この選別手段130の出力信号に基づいてベルトコンベア40の駆動を制御する制御手段としてのマイクロコンピュータ等からなる制御部160等を備えている。
【0021】
ここで、選別手段130は、上下方向において、下側に配置された第1選別手段130aと、上側に配置された第2選別手段130bとからなる。そして、第1選別手段130aは、発光素子141a及び受光素子142aをもつ反射型の第1光センサ140aと、この発光素子141aから出射された光を受光素子142aに向けて反射し得ると共に洗浄カゴ110に対して着脱自在に取付けられた背丈の低い光反射部材150aとにより構成されている。また、第2選別手段130bは、発光素子141b及び受光素子142bをもつ反射型の第2光センサ140bと、この発光素子141bから出射された光を受光素子142bに向けて反射し得ると共に洗浄カゴ110に対して着脱自在に取付けられた背丈の高い光反射部材150bとにより構成されている。
【0022】
この光反射部材150(150a,150b)は、光を効率良く反射する材料により形成されており、図4に示すように、略直交する2つの平面151a,151bにより形成された光反射板151と、この光反射板151の非反射面151c側において所定間隔をおいて配置された非反射板152と、光反射板151と非反射板152とを接続する接続部材153とにより構成されている。
ここで、非反射板152は、光反射板151と相似形状をなすように形成されており、接続部材153は、光反射板151の2つの平面151a,151bが交差する稜線Lの略中間領域において稜線Lに直交する方向に伸長するように形成されている。
また、背丈の低い光反射部材150aと背丈の高い光反射部材150bとは、上記光反射板151の稜線L方向における長さを異ならせて形成されている。
【0023】
上記のような構成をなす光反射部材150は、図5に示すように、洗浄カゴ110の上側の4隅部(コーナ部)のうち一つのコーナ部に装着される。すなわち、コーナ部の直交する2つの上側フレーム111及び縦フレーム113を、光反射板151と非反射板152との間に挟み込むようにして、光反射部材150を上方から外嵌し、略中間部に配置された接続部材153の下端面を上側フレーム111の上面に当接させる。これにより、光反射部材150は、洗浄カゴ110に対して確実に固定され、又、直交する2つの面151a,151bをもつような断面L字形状に形成されていることから、取付け後の位置ずれを確実に防止することができる。
【0024】
上記ベルトコンベア40は、選別手段130により選別する洗浄カゴ110を載置して搬送するメインベルトコンベア40aと、選別手段130により選別されたそれぞれの洗浄カゴ110を、第1の成膜ラインに向けて搬送する第1ベルトコンベア40bと、第2の成膜ラインに向けて搬送する第2ベルトコンベア40cと、第3の成膜ラインに向けて搬送する第3ベルトコンベア40dと、により構成されている。
【0025】
次に、上記選別装置30の動作を説明する。
前工程としての洗浄工程が終了した後、作業者が背丈の低い光反射部材150aを洗浄カゴ110に取り付けた場合、この洗浄カゴ110がメインベルトコンベア40aにより搬送されて所定の位置に達すると、図6に示すように、第1光センサ140aの発光素子141aから出射された光が、この光反射部材150aにより受光素子142aに向けて反射される。すると、第1光センサ140aから制御部160に信号が送られ、この信号に基づいて制御部160から第1ベルトコンベア40bに制御信号が送られる。これにより、上記洗浄カゴ110は、第1ベルトコンベア40bを介して第1の成膜ラインに向けて搬送されることになる。
【0026】
また、前工程としての洗浄工程が終了した後、作業者が背丈の高い光反射部材150bを洗浄カゴ110に取り付けた場合、この洗浄カゴ110がメインベルトコンベア40aにより搬送されて所定の位置に達すると、図6に示すように、第1光センサ140aの発光素子141aから出射された光が、この光反射部材150bにより受光素子142aに向けて反射され,又、第2光センサ140bの発光素子141bから出射された光が、この光反射部材150bにより受光素子142bに向けて反射される。すると、第1光センサ140a及び第2光センサ140bから制御部160に信号が送られ、この信号に基づいて制御部160から第2ベルトコンベア40cに制御信号が送られる。これにより、上記洗浄カゴ110は、第2ベルトコンベア40cを介して第2の成膜ラインに向けて搬送されることになる。
【0027】
さらに、前工程としての洗浄工程が終了した後、作業者が光反射部材150(150a,150b)を洗浄カゴ110に取り付けなかった場合、この洗浄カゴ110がメインベルトコンベア40aにより搬送されて所定の位置に達しても、第1光センサ140a及び第2光センサ140bの発光素子141a,141bから出射された光のいずれも、対応する受光素子142a,142bに向けて反射されない。このとき、制御部160は、第1光センサ140a及び第2光センサ140bのいずれからも信号が送られなかったことを判断する。そして、この判断に基づき、制御部160から第3ベルトコンベア40dに制御信号が送られる。これにより、上記洗浄カゴ110は、第3ベルトコンベア40dを介して第3の成膜ラインに向けて搬送されることになる。
【0028】
以上のように、背丈の異なる2つの光反射部材150(150a,150b)のどちらかを取り付ける場合と、何も取り付けない場合との3パターンにより、作業者の判断に応じて、ガラス基板を入れた洗浄カゴ110を、それぞれの成膜ラインに選択的に選別し搬送することができる。
これにより、従来のような誤選別を防止でき、成膜ラインの稼働状況に応じて適宜搬送先を決定することができ、生産効率を向上させることができる。
【0029】
尚、上記実施形態においては、3つの成膜ラインに向けて洗浄カゴ110を選別する構成を示したが、これに限定されるものではなく、例えば、2つの成膜ラインに向けて振り分ける場合は、一つの光反射部材150を取り付ける場合と取り付けない場合との2パターンにより選別するようにしてもよい。また、光反射部材150を取り付ける場所は、洗浄カゴ110に限るものではなく、カセット100に対して取り付けるようにしてもよい。
【0030】
図7は、本発明に係る選別装置の他の実施形態を示すものである。尚、この実施形態では、光センサとして透過型の光センサを用い、前述の実施形態で用いた光反射部材に代えて光遮断部材を用いるものであり、その他は前述の実施形態と同様である。したがって、前述実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0031】
この実施形態に係る選別装置230は、図7に示すように、被処理体であるガラス基板Wを収容したケースすなわち洗浄カゴ110を次工程にある複数の処理ラインすなわち成膜ラインのそれぞれに向けて搬送する搬送手段としてのベルトコンベア40と、洗浄カゴ110を選別するための選別手段330と、この選別手段330の出力信号に基づいてベルトコンベア40の駆動を制御する制御手段としてのマイクロコンピュータ等からなる制御部360と等を備えている。
【0032】
ここで、選別手段330は、上下方向において、下側に配置された第1選別手段330aと、上側に配置された第2選別手段330bとからなる。そして、第1選別手段330aは、発光素子341a及びこの発光素子341aと直線上に並ぶように配置された受光素子342aをもつ透過型の第1光センサ340aと、この発光素子341aから受光素子342aに向けて出射された光を遮断し得ると共に洗浄カゴ110に対して着脱自在に取付けられた背丈の低い光遮断部材350aとにより構成されている。また、第2選別手段330bは、発光素子341b及びこの発光素子341bと直線上に並ぶように配置された受光素子342bをもつ透過型の第2光センサ340bと、この発光素子341bから受光素子342bに向けて出射された光を遮断し得ると共に洗浄カゴ110に対して着脱自在に取付けられた背丈の高い光反射部材350bとにより構成されている。
【0033】
この光反射部材350(350a,350b)は、光を効率良く遮断する材料により形成されており、基本的な構成は前述光反射部材150と同様であり、図4に示すように、略直交する2つの平面351a,351bにより形成された光遮断板351と、この光遮断板351の非遮断面351c側において所定間隔をおいて配置された非遮断板352と、光遮断板351と非遮断板352とを接続する接続部材353とにより構成されている。
ここで、非遮断板352は、光遮断板351と相似形状をなすように形成されており、接続部材353は、光遮断板351の2つの平面351a,351bが交差する稜線Lの略中間領域において稜線Lに直交する方向に伸長するように形成されている。
また、背丈の低い光遮断部材350aと背丈の高い光遮断部材350bとは、上記光遮断板351の稜線L方向における長さを異ならせて形成されている。
【0034】
次に、上記選別装置230の動作を説明する。
前工程としての洗浄工程が終了した後、作業者が背丈の低い光遮断部材350aを洗浄カゴ110に取り付けた場合、この洗浄カゴ110がメインベルトコンベア40aにより搬送されて所定の位置に達すると、図8に示すように、第1光センサ340aの発光素子341aから出射された光が、この光遮断部材350aにより遮られて、受光素子342aに届かなくなる。すると、第1光センサ340aから制御部360に信号が送られ、この信号に基づいて制御部360から第1ベルトコンベア40bに制御信号が送られる。これにより、上記洗浄カゴ110は、第1ベルトコンベア40bを介して第1の成膜ラインに向けて搬送されることになる。
【0035】
また、前工程としての洗浄工程が終了した後、作業者が背丈の高い光反射部材350bを洗浄カゴ110に取り付けた場合、この洗浄カゴ110がメインベルトコンベア40aにより搬送されて所定の位置に達すると、図8に示すように、第1光センサ340aの発光素子341aから出射された光が、この光遮断部材350bにより遮られて、受光素子342aに届かなくなり、又、第2光センサ340bの発光素子341bから出射された光が、この光遮断部材350bにより遮られて、受光素子342bに届かなくなる。すると、第1光センサ340a及び第2光センサ340bから制御部360に信号が送られ、この信号に基づいて制御部360から第2ベルトコンベア40cに制御信号が送られる。これにより、上記洗浄カゴ110は、第2ベルトコンベア40cを介して第2の成膜ラインに向けて搬送されることになる。
【0036】
さらに、前工程としての洗浄工程が終了した後、作業者が光遮断部材350(350a,350b)を洗浄カゴ110に取り付けなかった場合、この洗浄カゴ110がメインベルトコンベア40aにより搬送されて所定の位置に達しても、第1光センサ340a及び第2光センサ340bの発光素子341a,341bから出射された光のいずれもが、遮られることなく対応する受光素子342a,342bにより受光される。このとき、制御部360は、第1光センサ340a及び第2光センサ340bのいずれからも信号が送られなかったことを判断する。そして、この判断に基づき、制御部360から第3ベルトコンベア40dに制御信号が送られる。これにより、上記洗浄カゴ110は、第3ベルトコンベア40dを介して第3の成膜ラインに向けて搬送されることになる。
【0037】
以上のように、背丈のことなる2つの光遮断部材350(350a,350b)のどちらかを取り付ける場合と、何も取り付けない場合との3パターンにより、作業者の判断に応じて、ガラス基板を入れた洗浄カゴ110を、それぞれの成膜ラインに選択的に選別し搬送することができる。
これにより、従来のような誤選別を防止でき、成膜ラインの稼働状況に応じて適宜搬送先を決定することができ、生産効率を向上させることができる。
【0038】
尚、上記実施形態においては、3つの成膜ラインに向けて洗浄カゴ110を選別する構成を示したが、これに限定されるものではなく、例えば、2つの成膜ラインに向けて振り分ける場合は、一つの光遮断部材350を取り付ける場合と取り付けない場合との2パターンにより選別するようにしてもよい。また、光遮断部材350を取り付ける場所は、洗浄カゴ110に限るものではなく、カセット100に対して取り付けるようにしてもよい。
【0039】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の選別装置によれば、被処理体を収容するケースに対して着脱自在に設けられた光反射部材あるいは光遮断部材を採用したことにより、作業者の判断に基づいて適宜次工程の送り先を予め選択し、所望の送り先に向けて被処理体が搬送されるように、確実に選別することができる。
また、作業者の判断に基づいて次工程の処理ラインを選択できるため、処理ラインの稼働状況に応じて適宜送り先を決定でき、生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ガラス基板を収容するためのカセットを示す斜視図である。
【図2】ガラス基板を収容したカセットを入れる洗浄カゴを示す斜視図である。
【図3】選別装置の一実施形態を示す構成図である。
【図4】選別装置の一部をなす光反射部材及び光遮断部材を示す斜視図である。
【図5】光反射部材及び光遮断部材を洗浄カゴに取り付けた状態を示す斜視図である。
【図6】選別装置の動作を説明するための図である。
【図7】選別装置の他の実施形態を示す構成図である。
【図8】選別装置の動作を説明するための図である。
【符号の説明】
30・・・選別装置
40・・・ベルトコンベア(搬送手段)
40a・・・メインベルトコンベア
40b・・・第1ベルトコンベア
40c・・・第2ベルトコンベア
40d・・・第3ベルトコンベア
100・・・カセット
110・・・洗浄カゴ
130・・・選別手段
140・・・反射型の光センサ
150・・・光反射部材
151・・・光反射板
152・・・非反射板
153・・・接続部材
160・・・制御部(制御手段)
330・・・選別手段
340・・・透過型の光センサ
350・・・光反射部材
351・・・光反射板
352・・・非反射板
353・・・接続部材
360・・・制御部(制御手段)

Claims (6)

  1. 被処理体を収容したケースを次工程にある複数の処理ラインのそれぞれに搬送する搬送手段と、前記ケースを選別するための選別手段と、前記選別手段の出力信号に基づいて前記搬送手段の駆動を制御する制御手段とを備え、前記ケースを所望の処理ラインに向けて搬送するように選別を行なう選別装置であって、
    前記選別手段は、発光素子および受光素子をもつ反射型の光センサと、前記発光素子から出射された光を前記受光素子に向けて反射し得ると共に前記ケースに対して着脱自在に取付けられた光反射部材とを有し、
    前記光反射部材は、略直交する2つの平面により形成された光反射板と、前記光反射板の非反射面側において所定間隔をおいて配置された非反射板と、前記光反射板と非反射板とを接続する接続部材とからなることを特徴とする選別装置。
  2. 前記非反射板は、前記光反射板と相似形状をなし、前記接続部材は、前記光反射板の2つの平面が交差する稜線の略中間領域において前記稜線に直交する方向に伸長するように形成されていることを特徴とする請求項1記載の選別装置。
  3. 前記選別手段が、上下方向において、下側に配置された第1選別手段と、上側に配置された第2選別手段とからなり、前記第1選別手段は、発光素子および受光素子をもつ反射型の第1光センサと、この発光素子から出射された光を受光素子に向けて反射し得ると共に前記ケースに対して着脱自在に取付けられた背丈の低い光反射部材とにより構成され、前記第2選別手段は、発光素子および受光素子をもつ反射型の第2光センサと、この発光素子から出射された光を受光素子に向けて反射し得ると共に前記ケースに対して着脱自在に取付けられた背丈の高い光反射部材とにより構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の選別装置。
  4. 被処理体を収容したケースを次工程にある複数の処理ラインのそれぞれに搬送する搬送手段と、前記ケースを選別するための選別手段と、前記選別手段の出力信号に基づいて前記搬送手段の駆動を制御する制御手段とを備え、前記ケースを所望の処理ラインに向けて搬送するように選別を行なう選別装置であって、
    前記選別手段は、発光素子および受光素子をもつ透過型の光センサと、前記光センサの光を遮断し得ると共に前記ケースに対して着脱自在に取付けられた光遮断部材とを有し、
    前記光遮断部材は、略直交する2つの平面により形成された光遮断板と、前記光遮断板の非遮断面側において所定間隔をおいて配置された非遮断板と、前記光遮断板と非遮断板とを接続する接続部材とからなることを特徴とする選別装置。
  5. 前記非遮断板は、前記光遮断板と相似形状をなし、前記接続部材は、前記光遮断板の2つの平面が交差する稜線の略中間領域において前記稜線に直交する方向に伸長するように形成されていることを特徴とする請求項4記載の選別装置。
  6. 前記選別手段が、上下方向において、下側に配置された第1選別手段と、上側に配置された第2選別手段とからなり、前記第1選別手段は、発光素子およびこの発光素子と直線上に並ぶように配置された受光素子をもつ透過型の第1光センサと、この発光素子から受光素子に向けて出射された光を遮断し得ると共に前記ケースに対して着脱自在に取付けられた背丈の低い光反射部材とにより構成され、前記第2選別手段は、発光素子およびこの発光素子と直線上に並ぶように配置された受光素子をもつ透過型の第2光センサと、この発光素子から受光素子に向けて出射された光を遮断し得ると共に前記ケースに対して着脱自在に取付けられた背丈の高い光反射部材とにより構成されていることを特徴とする請求項4または5に記載の選別装置。
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