JP4325933B2 - 燃料電池および電気機器 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池および電気機器に関するものである。
従来、小型の電気機器を持ち運んで使用するためには、種々の一次電池、二次電池が使用されてきた。しかし、最近の小型電気機器の高性能化に伴い、消費電力が大きくなり、一次電池では、小型軽量でありながら十分なエネルギーを供給できるものを得るのは困難になっている。一方、二次電池は、繰り返し充電して使用できるという利点はあるものの、一回の充電で使用できるエネルギー量は一次電池よりも更に少ない。そして、二次電池の充電の為には、別の電源が必要である上に、充電には通常数十分から数時間かかり、いつでもどこでもすぐに使用できる様にするということは困難である。今後、電気機器のますますの小型、軽量化が進み、ワイヤレスのネットワーク環境が整うことにより、機器を持ち運んで使用する傾向が高まる中で、従来の一次電池、二次電池では機器の駆動に十分なエネルギーを供給することは困難である。
このような問題の解決策として、小型の燃料電池が注目されている。燃料電池は従来、大型の発電機、自動車用の駆動源としてその開発が進められてきた。これは燃料電池が、従来の発電システムに比べて、発電効率が高く、しかも廃棄物がクリーンであることが主な理由である。一方、燃料電池が小型電気機器の駆動源としても有用な理由として、体積当たり、重量当たりの供給可能エネルギー量が従来の電池に比べて、数倍から十倍近くであることが挙げられる。さらに、燃料のみを補充、交換すれば連続して使用が可能であるため、他の二次電池の様に充電に時間がかかることもない。
かかる燃料電池には、様々な方式のものが開発されているが、小型電気機器、とりわけ持ち運んで使用する機器に対しては、例えば、固体高分子型燃料電池が適している。これは、この電池が常温に近い温度で使用でき、また電解質が液体ではなく固体であるので、安全に持ち運べるという利点を有しているためである。
燃料電池は、燃料と酸化剤とを電池セルに供給することで発電する単純な原理に基づくものであるが、最適な発電を行うためには、様々な制御が行われている。
固体高分子型燃料電池の燃料電池セルは、触媒層をもつ燃料極と酸化剤極とによって、イオン伝導体としての高分子電解質膜が挟持された構造を有している。高分子電解質膜は内部に水を包含しており、水素イオンを伝導するとともに、燃料ガスと酸化剤ガスとが相互にクロスリークすることを防いでいる。しかしながら、固体高分子型燃料電池の性能を決めるイオン伝導性は、高分子電解質膜の湿潤性により大きく作用され、特に高分子電解質膜の乾燥により導電性が著しく低下し、内部抵抗の増大により燃料電池の特性が大きく低下する。
従って、固体高分子型燃料電池の発電には、イオンを伝導するための高分子電解質膜が適度に湿っていることが必要である。特許文献1や特許文献2に開示されるように、従来の方式では、燃料を予め湿らせておくことによって、高分子膜を加湿していた。また、特許文献3や特許文献4に開示されるように、燃料を湿らせるために、発電に伴い生成した水を利用することもあった。
しかしながら、上記のような燃料電池の構成において、燃料ガスを、発電の際に生成した水で加湿する方式では、大型の燃料電池の場合、電池セルと燃料供給部とが離れているために、生成した水を輸送するためのポンプが必要であった。ポンプを使用すると、燃料電池内で、電力の供給が必要になり、またシステム全体の構造が複雑化、大型化してしまうという欠点があった。
また、小型の燃料電池においても、酸化剤極で生成する水を燃料極側の燃料流路に供給する際に、酸化剤と燃料が混ざらないようにすることが困難であった。
また、固体高分子型燃料電池では、イオン伝導体としての高分子電解質膜を通過した水素イオンと酸化剤(酸素)とが酸化剤極において反応し、酸化剤極の表面に水が生成する。酸化剤極の酸化剤流路は狭いため、生成した水を除去しなければ、流路が水滴により塞がれてしまい、酸化剤を効率よく酸化剤極まで導くことができなくなってしまう。これを防ぐために、特許文献5および特許文献6においては、酸化剤極に導電性かつ撥水性の多孔質材料を使用することで、酸化剤電極が過剰に濡れてしまうことを防いでいる。また特許文献7においては、ガス流路を形成しているセパレータの表面に親水性塗膜を施すことにより、生成した水により流路が塞がれてしまうことを防いでいる。
しかしながら、これらの方式においては、酸化剤極で生成した水を速やかに除去するということは困難であった。また、生成した水を所定の方向に導こうとするとポンプやブロワなどの電気を使用した装置が必要になり、システムを大型化してしまうという問題があった。このため、使用した水を所定の場所に蓄えておくことも困難であった。
特開2001−102059号公報 特開平08−306375号公報 特開2001−102059号公報 特開平11−045733号公報 特開2001−102059号公報 特開2001−160406号公報 特開2001−93539号公報
本発明は、これらの課題を個々にあるいはまとめて解決することを目的とする。
すなわち、本発明は、イオン伝導体を加湿するために、上述の方式において燃料を湿らせるために用いていたポンプなどの装置を使用しないでシステムを簡素化し、高分子電解質膜を直接加湿することができる新しい燃料電池を提供すること、あるいは、酸化剤極において生成させた水をポンプなどの装置を使用しないで排除することができる燃料電池を提供すること、およびこれらの燃料電池を用いた電気機器を提供することを目的とするものである。
かかる目的を達成する本発明は、酸化剤極と、燃料極と、これら両極の間に設けられたイオン伝導体とを有する燃料電池セル部と、前記酸化剤極と前記イオン伝導体とに接して設けられた、吸水性を有する材料からなる保水部と、前記イオン伝導体中に、前記保水部に接続して設けられた前記イオン伝導体を加湿するための水の流路とを備えており、前記保水部に蓄えられた水が、前記保水部と前記流路を通じて前記イオン伝導体に供給されることを特徴とする燃料電池である。
本発明においては、前記イオン伝導体を加湿するための水の流路(以降、加湿水流路と記す。)の形状が、平板状であり、かつ前記酸化剤極と平行に設けられていることが好ましい。
また、前記加湿水流路の形状が線状であり、かつ前記酸化剤極と平行に設けけられていることが好ましい。
さらに、前記加湿水流路の形状が網目状であることが好ましい。
また、前記加湿水流路の形状が葉脈状であることが好ましい。
さらに、前記加湿水流路が親水性を有していることが好ましい。
また、前記加湿水流路がイオン導電性を有していることが好ましい。
さらに、前記保水部に含有されている水が前記加湿水流路に供給されることが好ましい。
また、前記保水部に含有されている水が毛管現象により前記高分子電解質膜を加湿することが好ましい。
さらに、前記加湿水流路に含有されている水が、毛管現象により前記高分子電解質膜を直接加湿することが好ましい。
また、前記保水部が、前記酸化剤極において生成された水を蓄えることが好ましい。
また、前記水を移動させる手段により移動させられた水を蓄えておくための保水部が、前記酸化剤極に隣接して設けられていることが好ましい。
さらに、前記保水部が前記燃料電池セル部の側面に設けられていることが好ましい。
また、前記イオン伝導体は、高分子電解質膜であることが好ましい。
さらに、前記燃料電池が固体高分子型燃料電池であることが好ましい。
また、前記燃料電池が固体高分子型小型燃料電池であることが好ましい。
また、本発明は、上記の燃料電池を用いてなる電気機器である。
なお、本発明の他の特徴および効果については、図面を参照することにより詳細に後述する。
本発明によれば、イオン伝導体を加湿するために、従来の方式において燃料を湿らせるために用いていたポンプなどの装置を使用しないで、システムを簡素化し、イオン伝導体を直接加湿することができる新しい燃料電池を提供できる。
また、本発明は、イオン伝導体を直接加湿することにより、持ち運んで使用できる小型電気機器に好適に搭載可能な固体高分子型燃料電池を提供できる。
さらに、上記の燃料電池を用いた小型電気機器または大型の電気機器を提供できる。
本発明の燃料電池の一例を表す斜視図である。 図1の燃料電池の平面図である。 図1の燃料電池の部分断面平面図である。 図1の燃料電池の正面図である。 図1の燃料電池の部分断面正面図である。 図1の燃料電池の左側面図である。 本発明の燃料電池のシステムを示す概要図である。 加湿手段の一例を示す概略断面図である。 酸化剤極の表面に設けられる水移動用パターンを示す概略図である。 本発明の燃料電池を搭載するデジタルカメラを示す概要斜視図である。 酸化剤極の表面で生成した水を蓄える保水部の一例を示す概略断面図である。 ポア径の大きさがA方向に沿って次第に小さくなる多孔質層を、酸化剤極の表面に有するセル部の平面図である。 図10の11A−11Aにおける断面図である。 図10、図11Aの多孔質層の概略断面図である。 厚さがA方向に沿って次第に大きくなる多孔質層を、酸化剤極の表面に有するセル部の平面図である。 図12の13−13における断面図である。 図12、図13の多孔質層の概略断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態について説明
する。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態の燃料電池は、燃料を加湿するのではなく、高分子電解質膜を直接加湿する加湿手段を有することを特徴とする。
図6は、加湿手段を備えるセル部の概略断面図である。図6に示すように、本発明においては、加湿手段2として、イオン伝導体としての高分子電解質膜に接する位置に吸水性を有する材料からなる保水部21を設け、該保水部に蓄えられている水を用いて、毛管現象を利用してイオン伝導体としての高分子電解質膜12を直接加湿すること、さらに好ましくは、高分子電解質膜をさらに速く、かつ均質に加湿するために、保水部に接続して、高分子電解質膜中に、親水性を有する材料からなる加湿水流路28を有することを特徴とする。なお、11は燃料電池セルを構成する酸化剤極、13は燃料極、23は酸化剤極において生成される水である。第1の実施形態では、加湿水流路の形状は線状であり、酸化剤極に実質的に平行に高分子電解質膜中に設けられている。なお、加湿水流路の形状は、平板状、網目状あるいは葉脈状であってもよい。
本実施形態はまた、燃料電池の発電において、酸化剤極で生成する水を利用して、高分子電解質膜を直接加湿するために、燃料電池の酸化剤極および高分子電解質膜に接する位置に吸水性を有する材料からなる保水部を設けることを特徴とする。
本発明における高分子電解質膜を加湿するために必要な水を蓄えるための保水部を高分子電解質膜に隣接して配置し、毛管力を利用することで、ポンプなどを使用せずに水を輸送し、高分子電解質に対し最適な量の加湿を行うことができる。
また、保水部を燃料電池セルの高分子電解質膜だけでなく、同時に酸化剤極にも隣接して配置することで、発電に伴って酸化剤極で生成した水を加湿に使用することができる。さらに、加湿においては高分子電解質膜を直接加湿することにより、酸化剤極側の酸化剤と燃料極側の燃料が混合することのない燃料電池システムの加湿手段を提供することができる。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態の燃料電池は、酸化剤極の表面に疎水性領域と親水性領域からなる水移動用パターンを有し、該水移動用パターンにより酸化剤極で生成する水を移動して排除することを特徴とする。
図6は、加湿手段を備えるセル部の概略断面図であり、図7は酸化剤極の表面に設けられる水移動用パターンを示す概略図であり、図9は、酸化剤極の表面で生成した水を蓄える保水部の一例を示す概略断面図である。すなわち、図6、7および9に示すように、本発明では、酸化剤極11の表面に、水が一方向に移動する様に疎水性領域24と親水性領域25とからなる水移動用パターン22(水移動手段)を形成することにより、ポンプやブロワなどを使用せずに、酸化剤極の表面に生成した水23を所定の方向に速やかに排出することができる。なお、26はA方向に沿って幅の小さくなるテーパ状領域、27はA方向に沿って幅の大きくなる逆テーパ状領域、102は水処理部である。
また、排出した水を蓄えるための保水部を燃料電池セルに隣接して配置することで、生成した水が燃料電池や燃料電池を搭載している電気機器を濡らしてしまうことを防ぐことができる。
(第3の実施形態)
本発明の燃料電池の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態は、セル部の酸化剤極の表面に、第2の実施形態の水移動用パターンの代わりに、水移動手段として、多孔質層であって、排水する方向に沿って多孔質材料のポア(孔)の径が次第に小さくなり、かつ多孔質材料の単位体積当たりのポアの数(すなわち密度)が次第に大きくなる多孔質層を設けることを特徴とする。このような多孔質層により、酸化剤極において生成する水を排除することができる。
図10は、多孔質材料のポア径の大きさがA方向に沿って次第に小さくなる多孔質層71を、酸化剤極11の表面に有するセル部の平面図である。図11Aは、図10の11A−11Aにおける断面図である。図11Bは、図10、図11Aの多孔質層の概略断面図である。なお、73は多孔質層に含まれるポア(孔)、12はイオン伝導体としての高分子電解質膜、13は燃料極、21は保水部、23は酸化剤極側で生成する水、28は加湿水流路である。
本実施形態においては、図11Bに示すように、A方向に沿って多孔質材料71のポア(孔)73のポア径を次第に小さくすると共に、ポア73の密度を大きくすることによって、A方向に沿って多孔質材料の単位体積当たりの表面積が次第に増大するようにする。多孔質材料は一般に親水性であるため、多孔質層の水に対する吸引性はA方向に沿って大きくなり、その結果、多孔質層71は、水23をA方向に沿って保水部21へと導くことができる。
なお、用いる多孔質材料が比較的疎水性である場合には、A方向に沿って多孔質材料のポア径を次第に大きくすると共に、ポアの密度を小さくすることによってA方向に沿って多孔質材料の単位体積当たりの表面積が次第に小さくなるようにすれば、多孔質層は、水23をA方向に導くことができる。多孔質層の水に対する吸引性がA方向に沿って次第に大きくなるからである。
(第4の実施形態)
本発明の燃料電池の第4の実施形態について説明する。第4の実施形態は、セル部の酸化剤極の表面に、第3の実施形態の多孔質層の代わりに、排水する方向に沿って多孔質層の厚さが次第に大きくなる多孔質層を水移動手段として設けることを特徴とする。このような多孔質層により、酸化剤極において生成する水を排除することができる。
図12は、その厚さがA方向に沿って次第に大きくなる多孔質層72を、酸化剤極11の表面に有するセル部の平面図である。図13は、図12の13−13における断面図である。図14は、図12、図13の多孔質層の概略断面図である。
本実施形態においては、A方向に沿って多孔質層72の厚さが次第に大きくなっており、多孔質層表面がA方向に向かって上がる傾斜を有している。本実施形態では、図14に示すように、多孔質層72の孔73のポア径はほぼ均一であり、かつポア73の密度も均一である。したがって、酸化剤極の表面上の多孔質層72の酸化剤極表面の単位面積当たりの表面積は、A方向に沿って次第に増大する。多孔質材料は一般に親水性であるため、多孔質層の水に対する吸引性はA方向に沿って大きくなり、その結果多孔質層72は、水23をA方向に沿って保水部21へと導くことができる。
なお、用いる多孔質材料が比較的疎水性である場合には、A方向に沿って多孔質層の厚さが次第に小さくなるようにすれば、多孔質層は、水23をA方向に導くことができる。多孔質層の単位面積当たりの表面積がA方向に沿って小さくなるため、多孔質層の水に対する吸引性がA方向に沿って大きくなるからである。
なお、実施形態3および4と同様な考え方に基づき、他の様々な変形例を考えることができ、それらの変形例もまた本発明の範囲に包含されるものである。例えば、多孔質材料としてポア径の均一なものを用いた場合に、多孔質層として、孔の粗密(密度)をA方向に沿って異ならせたものを用いることができる。この場合、多孔質材料が親水性であれば、ポアの単位体積当たりの数(密度)がA方向に沿って多くなるようにすれば、A方向に沿って多孔質材料の単位体積当たりの表面積が増大するので、水をA方向に導くことができる。逆に、多孔質材料が疎水性であれば、ポアの単位体積当たりの数がA方向に沿って少なくなるようにすれば、A方向に沿って多孔質材料の単位体積当たりの表面積が減少するので、水をA方向に導くことができる。
また、他の変形例としては、例えば、多孔質層として、A方向に沿って多孔質材料のポア径が異なっていると共に、ポア径の密度が一定である多孔質材料を用いることができる。この場合、多孔質材料が親水性であれば、ポア径がA方向に沿って大きくなるようにすれば、A方向に沿って多孔質材料の単位体積当たりの表面積が増大するので、水をA方向に導くことができる。逆に、多孔質材料が疎水性であれば、ポア径がA方向に沿って小さくなるようにすれば、A方向に沿って単位体積当たりの表面積が減少するので、水をA方向に導くことができる。
以下、本発明を小型燃料電池の具体例により更に詳細に説明するが、本発明は小型の燃料電池に限定されるものではなく、大型の燃料電池に関しても適用可能である。
以下、図面を参照して本発明を具体的に説明する。
図1は本発明の実施例1の燃料電池の一例を表す斜視図である。図2Aは図1の燃料電池の平面図である。図2Bは図1の燃料電池の部分断面平面図である。図3Aは図1の燃料電池の正面図である。図3Bは図1の燃料電池の部分断面正面図である。図4は図1の燃料電池の左側面図である。図5は本発明の燃料電池のシステムを示す概要図である。図1、図2A、図3A、図4は、いわば透明の筐体20越しに覗かれるように燃料電池の内部を表している。
図1に示す本発明の燃料電池の外寸法の一例を示すと、縦(a)30mm×横(b)50mm×高さ(c)10mmであり、通常のコンパクトデジタルカメラで使用されているリチウムイオン電池の大きさとほぼ同じである。
図8は本発明の燃料電池を搭載するデジタルカメラの一例を示す概要図である。図8に示すように、前述した小型携帯電気機器の1つであるデジタルカメラ91は、小型で一体化されているため、小型の燃料電池92が組み込みやすい形状となっている。また、図に示すような燃料電池の薄型直方体形状は、厚みのある直方体や円筒形の形状に比べ、小型電気機器に組み込みやすい。
なお、本発明の燃料電池は、そのサイズに何ら制限を有するものではなく、デジタルカメラの他、デジタルビデオカメラ、小型プロジェクタ、小型プリンタ、ノート型パソコンなどの持ち運び可能な小型電気機器に搭載、使用可能な、発電量が数ミリワットから数百ワットまでの燃料電池を提供することができる。
図1において、本発明の燃料電池は、薄型で実質的に直方体形状の筐体20内に、4つの燃料電池セル14からなるセル部1と、該セル部1に供給する燃料を貯蔵する燃料タンク部3と、該燃料タンク部3の燃料をセル部1に供給するための燃料供給部4と、該セル部1に酸化剤ガスを供給のための通気孔7と、セル部1により発電した電力をとりまとめ、一時的に蓄えて常に安定した電力を外部へ供給する配線部5を具備しており、前記燃料電池セル14の酸化剤極に隣接して、酸化剤極で生成した水を取り込んで蓄えておく保水部21が設けられてなるものである。
本発明の燃料電池は、酸化剤ガスとして反応に用いる酸素を外気から取り入れるため、筐体20の上面82,下面81及び長側面84a,84bに外気を取り入れるための通気孔7を有している。また、この通気孔7は生成した水を水蒸気として逃がす作用も果たしている。ただし、燃料電池を、水分の進入に対して弱い電気機器に内蔵して使用する場合には、通気孔7に、水蒸気を遮断し、空気のみを透過する膜を貼るなどの手段によって水分の外部への放出を遮断する。
また、筐体20の一方の短側面83bには配線部5が設けられ、該配線部5には電気を取り出すための電極53が設けられている。さらに、筐体20の他方の短側面83aには燃料注入口32が設けられている。
一方、筐体20の内部は、燃料極13と、イオン伝導体としての高分子電解質膜12と、酸化剤極11と、触媒とからなる燃料電池セル14(図5参照)の1つ以上からなるセル部1と、酸化剤極で生成する余分な水を蓄え、高分子電解質膜12に供給する加湿手段2としての保水部21と、燃料を貯蔵する燃料タンク部3、燃料タンクからの燃料を減圧し、各セルの燃料極まで導く燃料供給部4、各燃料電池セル14で発電した電気をとりまとめる配線部5によって構成されている。
図5は、図1に示す本発明の燃料電池のシステムを示す概要図である。同図において、燃料タンク部3に収容されている燃料は、燃料タンク部3から燃料供給部4を通って、セル部1の燃料電池セル14の燃料極13に供給される。酸化剤ガスとしては空気(外気)が用いられ、外気は通気孔7を通って燃料電池セル14の酸化剤極11に供給される。セル部1は1つ以上の燃料電池セル14からなり、燃料電池セル14は、燃料極13と、高分子電解質膜12と、酸化剤極11と、触媒から構成される。燃料タンク部3からの燃料と、外気からの酸化剤ガスの供給により各燃料電池セル14で発電した電力は、配線部5で一時的に蓄えられ、電極53から常に安定した発電電力を外部へ供給するように構成される。この燃料電池セルの発電においては、燃料極13で生成した水素イオンは、高分子電解質膜12を通過して酸化剤極において酸化剤(酸素)と反応し、酸化剤極11の表面に水を生成させる。該生成水は、一部は通気孔7から外部へ蒸発するが、残りの余分な生成水は酸化剤極の表面から移動して加湿手段2の保水部21に蓄えられる。また、加湿手段2に蓄えられた水は高分子電解質膜12へ供給して加湿する。
次に、本発明における加湿手段について説明する。
図6は加湿手段の一例を示す概略図であり、図7は酸化剤極の表面に設けられる水移動用パターンを示す概略図である。
図6に示す様に、本発明の燃料電池セルにおいては、燃料極13で生成した水素イオンは、高分子電解質膜12を通過して酸化剤極11において酸化剤(酸素)と反応し、酸化剤極11の表面に水23を生成する。この水23を速やかに取り除き、処理しなければ、酸化剤極11に酸化剤(酸素)ガスを供給できなくなる上に、燃料電池を内蔵している小型電気機器を濡らしてしまうおそれがある。
一方、本発明における高分子電解質膜12は、反応の際に適度に濡れていることが必要である。本発明は、加湿手段2により、反応により生成した水を有効に利用して高分子電解質膜を加湿することで、この問題を解決した。特に、酸化剤極11の表面に生成した水23を吸収し、加湿を行うための保水部21を、酸化剤極11および高分子電解質膜12の側面に接するように配置する構成により加湿が行なわれる。
その機構は、まず、反応により生成した水23は、保水部21に蓄えられる。この保水部21は、高分子電解質膜12と接しており、毛細管現象によって、水は矢印B方向に移動するため、高分子電解質膜を直接、適度に濡らすことができる。小型燃料電池においては、保水部から高分子電解質膜の中央部分までの距離が非常に短い(一般に10cm以下)ため、保水部から毛管現象を利用して供給される水分は自然拡散のみで十分均一に高分子電解質膜を加湿できる。
また、セル面積が大きく、自然拡散だけでは、均一かつ速やかな加湿が困難な場合においても、高分子電解質膜12中に、保水部に接続した、親水性の材料からなる加湿水流路28を少なくとも1本以上設けることにより、水は矢印C方向に移動するため、ポンプなどの装置を使用しなくとも、矢印BおよびC方向に移動する水により、高分子電解質膜12への十分な加湿が可能である。本方式によれば、酸化剤極の酸化剤と燃料極の燃料とが混ざることなく、高分子電解質膜を加湿できる上に、水輸送用のポンプなどの装置も必要ないため、燃料電池を小型、軽量化することが可能になる。
また、本発明においては、酸化剤極11の表面に、図7に示すように、水移動手段として、疎水性領域24と親水性領域25とからなる水移動用パターン22を設け、該水移動用パターン22により酸化剤極で生成する水23を移動して保水部21に収容することができる。疎水性領域24はA方向に沿って幅の狭まるテーパー状領域26からなり、親水性領域25はA方向に沿って幅の広がる逆テーパー状領域27からなり、該テーパー状領域26と逆テーパー状領域27が交互に配列して設けられている。水滴はエネルギー状態の低い方向に移動しようとするため、図7においては、疎水性領域24の広い右側から、親水性領域25の広い左側に向かってA方向に移動する。すなわち、この親水性領域と疎水性領域とのパターニングにより、生成した水を所定の方向に移動させることができる。
なお、上記テーパー状領域26及び逆テーパー状領域27のテーパー(幅の減少、増大の仕方)は、図に示すような直線的なものに限られず、上記の移動効果を発揮し得るものであれば、曲線状、階段状(ステップ状)等あらゆる形状を含む。
疎水性と親水性の各パターン材料としては、例えば、疎水性材料としては、側鎖にフッ素を含む化合物が挙げられ、親水性材料としては、側鎖に水酸基やカルボキシル基、エーテル基を有する化合物が挙げられる。パターンの作成方法としては、例えば、酸化剤極にテーパー状にマスクをしておき、親水性または疎水性の材料をスプレーで塗布する方法が挙げられる。
上記のように、吸水性の物質からなる保水部21を水の移動先に配置することにより、排除した水を取り込み、蓄えておくことができる。
本発明に用いられる保水部の材料としては、吸水性の物質が挙げられる。吸水性の物質には有機物質と無機物質とが挙げられる。有機物質としては、アクリル基、アミド基、エーテル基、カルボキシル基などの親水基を持つ高分子があり、例えば、ポリアクリルアミドゲルなどが挙げられる。また、無機物質としては、シリカゲルやゼオライトなどが挙げられる。また、保水部を燃料電池セルの側面に配置する方法としては、例えば保水材支持用の容器を燃料電池側面に設置し、容器に保水材を入れておく方法が挙げられる。
本発明に用いられる加湿水流路の材料としては、親水性を有する材料が用いられ。例えば、有機物質としては、側鎖にスルホン酸基を持つスチレン系化合物、無機物質としては、シリカゾル−ゲルにリン酸基を加えたものが挙げられる。側鎖にスルホン酸基を持つスチレン系化合物や、シリカゾル−ゲルにリン酸基を加えたものは、イオン導電性を有していることから、発電に寄与するイオンを伝導させることできる点において好ましい。また、加湿水流路を高分子電解質膜中に配置する方法としては、例えば加湿水流路材料を高分子電解質膜で挟持することにより行うことができる。
また、イオン伝導体としての高分子電解質膜としては、その内部に水が毛細管現象によって浸透する材料が用いられ、例えばパーフルオロスルホン酸系高分子として、デュポン社のナフィヨンが挙げられる。
本実施例の燃料電池セルは、起電力0.8V、電流密度300mA/cmであり、単位セルの大きさは1.2cm×2cmである。この燃料電池セルを8枚直列につなぐことで、電池全体の出力は6.4V、720mAで4.6Wである。
以下、図面を参照して本発明を具体的に説明する。実施例2は、水移動用パターン(水移動手段)を酸化剤極の表面に有するセル部を備える燃料電池であり、加湿水流路がない形態である。実施例2は、加湿水流路がない点において実施例1と異なり、これ以外の点においては実施例1と同様である。図1は本発明の実施例2の燃料電池の一例を表す斜視図である。図2は図1の燃料電池の平面図である。図3は図1の燃料電池の正面図である。図4は図1の燃料電池の左側面図である。図5は本発明の燃料電池のシステムを示す概要図である。
図1に示す本実施例の燃料電池の外寸法の一例を示すと、縦(a)30mm×横(b)50mm×高さ(c)10mmであり、通常のコンパクトデジタルカメラに使用されているリチウムイオン電池の大きさとほぼ同じである。
図8は、本発明の燃料電池を搭載するデジタルカメラの一例を示す概要図である。図8に示すように、本発明の用途の小型携帯電気機器の1つであるデジタルカメラ91は、小型で一体化されているため、小型の燃料電池92が組み込みやすい形状となっている。また、図に示すような燃料電池の薄型直方体形状は、厚みのある直方体や円筒形の形状に比べ、小型電気機器に組み込みやすい。
なお、本発明は燃料電池のサイズにおいて何ら制限を受けるものではないが、デジタルカメラの他、デジタルビデオカメラ、小型プロジェクタ、小型プリンタ、ノート型パソコンなどの持ち運び可能な小型電気機器に搭載可能な発電量が数ミリワットから数百ワットまでの燃料電池に適用することができ、これらの小型電気機器にも用いることができる。
図1において、本発明の燃料電池は、薄型で実質的に直方体形状の筐体20内に、4つの燃料電池セル14からなるセル部1と、該セル部1に供給する燃料を貯蔵する燃料タンク部3と、該燃料タンク部3の燃料をセル部1に供給するための燃料供給部4と、該セル部1に酸化剤ガスを供給のための通気孔7と、セル部1により発電した電力をとりまとめ、一時的に蓄え常に安定した電力を外部へ供給する配線部5を具備し、前記燃料電池セル14の酸化剤極に隣接して、酸化剤極で生成する水を排除して蓄えておく保水部21が設けられてなるものである。
本発明の燃料電池は、酸化剤ガスとして反応に用いる酸素を外気から取り入れるため、筐体20の上面82,下面81及び長側面84a,84bに外気を取り入れるための通気孔7を有する。また、この通気孔7は生成した水を水蒸気として逃がす作用も果たしている。ただし、燃料電池を、水分の進入に対して弱い電気機器に内蔵して使用する場合には、通気孔7に、水蒸気を遮断し、空気のみを透過する膜を貼るなどの手段によって、水分の外部への放出を遮断する。
また、筐体20の一方の短側面83bには配線部5が設けられ、該配線部5には電気を取り出すための電極53が設けられている。
筐体20の内部は、燃料極13と、イオン伝導体としての高分子電解質膜12と、酸化剤極11と、触媒とからなる燃料電池セル14(図5参照)の1つ以上からなるセル部1と、酸化剤極で生成する水を取り込んで蓄えておく保水部21と、燃料を貯蔵する燃料タンク部3、燃料タンクからの燃料を減圧し、各セルの燃料極まで導く燃料供給部4、各燃料電池セル14で発電した電気をとりまとめる配線部5によって構成されている。
図5は、図1に示す本発明の燃料電池のシステムを示す概要図である。同図において、燃料タンク部3に収容されている燃料は、燃料タンク部3から燃料供給部4を通ってセル部1の燃料電池セル14の燃料極13に供給される。酸化剤ガスには空気(外気)が用いられ、外気は通気孔7を通って燃料電池セル14の酸化剤極11に供給される。セル部1は1つ以上の燃料電池セル14からなり、燃料電池セル14は、燃料極13と、高分子電解質膜12と、酸化剤極11と、触媒とから構成される。燃料タンク部3からの燃料と、外気からの酸化剤ガスの供給により各燃料電池セル14で発電した電力は、配線部5で一時的に蓄えられ、電極53から常に安定した発電電力を外部へ供給するように構成される。この燃料電池セルの発電においては、燃料極13で生成した水素イオンは、高分子電解質膜12を通過して酸化剤極において酸化剤(酸素)と反応し、酸化剤極11の表面に水を生成させる。該生成水は、一部は通気孔7から外部へ蒸発するが、残りの余分な生成水は酸化剤極の表面に設けられた疎水性領域と親水性領域からなる水移動用パターンにより移動して、水処理部102の保水部21に蓄えられる。また、水処理部102に蓄えられた水は高分子電解質膜12へ供給して加湿することができる。
次に、実施例2における酸化剤極の表面に生成した水を取り込んで蓄える保水部について説明する。
図9は酸化剤極の表面で生成した水を蓄える保水部の一例を示す概略図であり、図7は酸化剤極の表面に設けられる水移動用パターンを示す概略図である。
図9に示す様に、実施例2の燃料電池セルにおいては、燃料極13で生成した水素イオンは、高分子電解質膜12を通過して酸化剤極11において酸化剤(酸素)と反応し、酸化剤極11の表面に水23を生成する。この水23を速やかに取り除き処理しなければ、酸化剤極11に酸化剤(酸素)ガスを供給できなくなる上に、燃料電池を内蔵している小型電気機器を濡らしてしまうおそれがある。
そのために、実施例2においては、酸化剤極11の表面に、図7に示すように、疎水性領域24と親水性領域25とからなる水移動用パターン22を設け、該水移動用パターン22により酸化剤極で生成する水23を移動して排除する。上述したように、疎水性領域24はテーパー状領域26からなり、親水性領域25は逆テーパー状領域27からなり、該テーパー状領域26と逆テーパー状領域27とが交互に配列して設けられている。水滴はエネルギー状態の低い方向に移動しようとするため、図7においては、疎水性領域24の広い右側から親水性領域25の広い左側へ向かってA方向に移動する。すなわち、この親水性領域と疎水性領域のパターニングにより、生成した水を所定の方向に移動させることができる。なお、本実施例においても、前述したようにテーパーの形状は図示したものには限定されないことは当業者に明らかであろう。
疎水性と親水性の各パターン材料としては、例えば、疎水性材料としては側鎖にフッ素を含む化合物が挙げられ、親水性材料としては側鎖に水酸基やカルボキシル基、エーテル基をもつ化合物が挙げられる。パターンの作成方法としては、例えば、酸化剤極にテーパー状にマスクをしておき、親水性または疎水性の材料をスプレーで塗布する方法が挙げられる。
吸水性の物質からなる保水部21を水の移動先に配置することにより、排除した水を蓄えておくことができる。特に、保水部21を酸化剤極11に接して、燃料電池セルの側面に配置することにより、酸化剤(外気)を酸化剤極に供給する流路を妨げることがなくなる。これらの構成により、反応後の水を速やかに酸化剤極の表面から取り除くこと、また排除した水を保水部に導くこと、さらに余分な水を保水部に蓄えておくことが可能になる。
本発明に用いられる保水部の材料としては、吸水性の物質が挙げられる。吸水性の物質としては有機物質と無機物質とが挙げられる。有機物質としては、アクリル基、アミド基、エーテル基、カルボキシル基などの親水基を持つ高分子が挙げられ、例えば、ポリアクリルアミドゲルなどが挙げられる。また、無機物質としては、シリカゲルやゼオライトなどが挙げられる。また、保水部を燃料電池セルの側面に配置する方法としては、例えば保水材支持用の容器を燃料電池側面に設置し、容器に保水材を入れておく方法が挙げられる。
本実施例の燃料電池セルは、起電力0.8V、電流密度300mA/cmであり、単位セルの大きさは1.2cm×2cmである。この燃料電池セルを8枚直列につなぐことで、電池全体の出力は6.4V、720mAで4.6Wである。
本発明の燃料電池は、電気機器に搭載して用いられ、電気機器は小型でも大型でもよい。また、本発明の燃料電池は、固体高分子型燃料電池、特に固体高分子型小型燃料電池が好ましく、デジタルカメラやデジタルビデオカメラ、プリンタ等の持ち運び可能な小型電気機器に搭載して好適に用いることができる。
なお、本発明を、水素を燃料極に供給する形式の燃料電池を用いて説明したが、本発明は、このような気体燃料を使用する形式に限定されることなく、メタノールやケミカルハイドライド等の液体燃料を燃料極に供給する形式の燃料電池にも適用できることはいうまでもない。
本発明は、イオン伝導体を直接加湿することにより、持ち運んで使用できる小型電気機器に好適に搭載可能な固体高分子型燃料電池を提供できる。
さらに、上記の燃料電池を用いた小型電気機器または大型の電気機器を提供できる。

Claims (17)

  1. 酸化剤極と、燃料極と、これら両極の間に設けられたイオン伝導体とを有する燃料電池セル部と、前記酸化剤極と前記イオン伝導体とに接して設けられた、吸水性を有する材料からなる保水部と、前記イオン伝導体中に、前記保水部に接続して設けられた前記イオン伝導体を加湿するための水の流路とを備えており、前記保水部に蓄えられた水が、前記保水部と前記流路を通じて前記イオン伝導体に供給されることを特徴とする燃料電池。
  2. 前記流路の形状が、平板状であり、かつ前記酸化剤極と平行に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
  3. 前記流路の形状が、線状であり、かつ前記酸化剤極と平行に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
  4. 前記流路の形状が、網目状であることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
  5. 前記流路の形状が、葉脈状であることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
  6. 前記流路が親水性を有していることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかの項に記載の燃料電池。
  7. 前記流路がイオン導電性を有していることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかの項に記載の燃料電池。
  8. 前記保水部に含有されている水が前記流路に供給されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかの項に記載の燃料電池。
  9. 前記保水部に含有されている水が毛管現象により前記イオン伝導体を加湿することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかの項に記載の燃料電池。
  10. 前記流路に含有されている水が、毛管現象により前記イオン伝導体を加湿することを特徴とする請求項1乃至9のいずれかの項に記載の燃料電池。
  11. 前記保水部が、前記酸化剤極において生成された水を蓄えることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかの項に記載の燃料電池。
  12. 前記水を移動させる手段により移動させられた水を蓄えておくための保水部が、前記酸化剤極に隣接して設けられていることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかの項に記載の燃料電池。
  13. 前記保水部が前記燃料電池セル部の側面に設けられていることを特徴とする請求項12に記載の燃料電池。
  14. 前記イオン伝導体は、高分子電解質膜であることを特徴とする請求項1乃至13のいずれかの項に記載の燃料電池。
  15. 前記燃料電池が固体高分子型燃料電池であることを特徴とする請求項1乃至14のいずれかの項に記載の燃料電池。
  16. 前記燃料電池が固体高分子型小型燃料電池であることを特徴とする請求項1乃至15のいずれかの項に記載の燃料電池。
  17. 請求項1乃至16のいずれか一項に記載の燃料電池を用いてなることを特徴とする電気機器。
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