JP2000294260A - イオン伝導体及びその製造方法、並びに燃料電池 - Google Patents

イオン伝導体及びその製造方法、並びに燃料電池

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JP2000294260A
JP2000294260A JP11100808A JP10080899A JP2000294260A JP 2000294260 A JP2000294260 A JP 2000294260A JP 11100808 A JP11100808 A JP 11100808A JP 10080899 A JP10080899 A JP 10080899A JP 2000294260 A JP2000294260 A JP 2000294260A
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water
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conductor
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Koichiro Hikuma
弘一郎 日隈
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加湿装置や特殊な機構を用いずに、乾燥した
ガスや雰囲気でも安定した使用が可能となり、システム
の簡略化や小型化、コスト削減を実現できると同時に、
電解質が有効に機能する領域を十分に確保してイオンの
伝導性を向上させつつ、イオン伝導部内に生じた水分の
移動を十分に行えるイオン伝導体と、その確実な製造方
法、そのイオン伝導体を用いた燃料電池を提供するこ
と。 【解決手段】 水素極側から酸素極側へプロトンを伝導
するプロトン伝導部1と、このプロトン伝導部内に埋設
された断面楕円形又は円形の吸水性高分子粒状体からな
る水分循環部2とを有する。また、プロトン伝導方向5
又はその逆方向に沿う水分循環部2の断面が楕円形又は
円形のように水素極側2a及び酸素極側2bよりもこれ
らの中間2cで大きくなっている領域を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はイオン伝導体(特に
含浸する水と共にプロトンが移動するタイプのプロトン
伝導体)及びその製造方法、並びにそのイオン伝導体を
用いた燃料電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、例えば自動車駆動用の電源として
盛んに研究されている高分子固体電解質型の燃料電池な
どに、パーフルオロスルホン酸樹脂の如き伝導度の高い
プロトン伝導体が使用され、注目されている。
【0003】このようなプロトン伝導体が非常に高いプ
ロトン伝導性を示す理由の一つは、そのプロトン伝導機
構に関連がある。即ち、燃料極(水素極)側では、 H2 →2H+ +2e- の反応が進行し、酸素極側では、 2H+ +1/2O2 +2e- →H2 O の反応が進行する。ここで、生成したプロトン(H+
は、上記したプロトン伝導体内に含浸されている水と結
びつき、いわゆるオキソニウムイオン(H3 +)とし
て存在していると考えられ、あたかも水溶液中のプロト
ン伝導と同じ機構で伝導しているかのごとく振る舞い、
この結果、大きなプロトン伝導性を示すものと考えられ
ている。
【0004】しかし、ここに一つの重大な問題点が生じ
る。即ち、プロトンが電解質(プロトン伝導体)中を移
動する際、電解質中に含浸している水も必ず同方向へ動
くこととなり、このような直流的なプロトンの移動によ
って、電解質中の水の含有率に部分的偏りが生じること
である。ここで、伝導体内のプロトン伝導率は含浸して
いる水分量に非常に大きく影響を受けるので、プロトン
と共に水が移動して水分量が低下した部分においては、
その伝導率が極端に低下してしまうという現象が生じ
る。
【0005】このような状況に対処するため、例えば、
プロトン伝導体を用いる高分子固体電解質型の燃料電池
においては、水素ガス等の燃料ガスを加湿することによ
って、水が移動して水含有率が低下してしまう燃料ガス
側の固体電解質表面をガスによって加湿し、水分減少を
防ぐ工夫がなされている。或いは、ガスを加湿して水を
供給するのではなく、直接、燃料ガス側の固体電解質表
面へ外部から水分を供給するような構造上の工夫がなさ
れた燃料電池も存在する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
場合、ガスを加湿する加湿装置などのシステムが必要と
なり、或いは、膜に直接水を供給させるために燃料電池
本体の複雑な構造が必要となり、システム全体が大きく
なり、かつ複雑化し、コストも増大してしまうといった
問題点がある。また、加湿の条件は、燃料電池の運転状
況によって細かく制御する必要があり、それを実現させ
るための制御機構をさらに付け加える必要がある。これ
らは、燃料電池システムが一般的に大型のシステムとな
ってしまう理由の一つとなっており、例えば、今後、燃
料電池の用途を拡大するためにシステムを小型化する上
で大きな障害となってしまうのである。
【0007】このことに関し、例えば特開平5−283
094号公報に示された高分子固体電解質型の燃料電池
によれば、固体電解質に吸水性又は保水性物質を含浸さ
せて多孔質体の如き水分透過性物質となし、この水分浸
透性物質によって酸素極側と水素極側を連結し、酸素極
側で発生した水分及び電池セル内部で水素極側から酸素
極側へ移動した水分を集め、これらの水分を上記水分浸
透性物質を通して水素極側へ表面張力により移動させ、
水素極側に必要な水分の補給に当てている。これによっ
て、複雑な水分制御なしに作動することができ、加湿・
給水のためのシステムが不要であり、燃料電池の小型化
を実現できるとしている。
【0008】この公知技術では、上記の水分透過性物質
を電解質中に固定するには、例えば水溶性高分子を固体
高分子電解質に含浸させた後、架橋剤で処理して不溶化
する方法、ケイ酸アルカリを固体高分子電解質膜に含浸
させた後、酸処理によりゲル化する方法、固体高分子電
解質の溶液と吸水性又は保水性物質の溶液とを同時にキ
ャスティングした後、溶媒を除去する方法などが挙げら
れている。
【0009】しかしながら、いずれの方法も、含浸又は
溶液混合によるために電解質の作用を損なうことなしに
水分透過性物質を電解質中に適度な形状及び分布状態で
分布させることが制御困難である。特に、水分透過性物
質のゲル化は電解質中の各部分で生じるために、そのゲ
ル化形状やサイズ、分布を制御することは容易ではな
い。このために、電解質が有効に機能する領域(特に電
極に接する面積)を十分に確保できず、プロトン伝導性
が低下したり、また電解質内に生じた水分の移動さえも
不十分となり易い。
【0010】そこで本発明の目的は、加湿装置や特殊な
機構を用いずに、乾燥したガスや雰囲気でも安定した使
用が可能となり、システムの簡略化や小型化、コスト削
減を実現できると同時に、電解質の如きイオン伝導部が
有効に機能する領域を十分に確保してプロトンなどのイ
オンの伝導性を向上させつつ、イオン伝導部内に生じた
水分の移動を十分に行えるイオン伝導体と、その確実な
製造方法、更にはそのイオン伝導体を用いた燃料電池を
提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記した問
題を解決するために鋭意検討した結果、プロトン伝導体
の如きイオン伝導体自体の内部に水分を自動的に循環さ
せることが可能な構造を効果的に取り入れることによっ
て、上記のような付加機構を全く用いなくても、乾燥し
た燃料ガスの使用下でも長時間の安定かつ十分なイオン
伝導を実現できることを見出し、本発明を完成させたも
のである。
【0012】即ち、本発明は、一方の面(例えば水素
極:以下、同様)側から他方の面(例えば酸素極:以
下、同様)側へプロトンなど(以下、同様)のイオンを
伝導するプロトン伝導部の如きイオン伝導部と、このイ
オン伝導部に接する水分循環部(例えば断面楕円形又は
円形の吸水性高分子粒状体(以下、同様)とからなり、
イオン伝導方向又はその逆方向に沿って前記水分循環部
が配され、かつ、前記水分循環部の前記一方の面側及び
前記他方の面側には前記イオン伝導部が所定の厚みをな
して存在するように、前記水分循環部が前記イオン伝導
部内に埋設されているイオン伝導体(以下、本発明のイ
オン伝導体と称する。)に係るものである。
【0013】本発明のイオン伝導体によれば、前記イオ
ン伝導部に接して、イオン伝導方向又はその逆方向に沿
って前記水分循環部が設けられているので、イオン伝導
体内部に、イオン伝導によって移動した水をもとの位置
に内部循環させることのできる部位が複合化され、例え
ば前記一方の面側から前記他方の面側へ移動した水分や
前記他方の面側で生じた水分を前記水分循環部を通して
前記一方の面側へ自動的に循環移動させ、前記一方の面
側に必要な水分を補給することができる。従って、前記
イオン伝導部中での水分含有率の部分的偏りを防ぎ、イ
オン伝導率を常に高くかつ一様に保持することができ、
しかもこれを複雑な水分制御なしに実現でき、加湿・給
水のためのシステムが不要であり、燃料電池などの小型
化、低コスト化を実現できる。
【0014】そして、前記水分循環部の前記一方の面側
及び前記他方の面側には前記イオン伝導部が所定の厚み
をなして存在するように、前記水分循環部が前記イオン
伝導部内に埋設されているので、前記水分循環部の前記
一方の面側及び前記他方の面側には所定の厚みのイオン
伝導部が存在することになる。従って、前記イオン伝導
部が有効に機能する領域(特に電極と接する前記一方の
面及び前記他方の面の面積)を十分に確保して、イオン
伝導性を向上させ、また前記イオン伝導部内に生じた水
分の移動も十分に行うことができる。
【0015】また、本発明は、第1極(例えば水素極)
と、第2極(例えば酸素極)とを有し、これらの両極間
に挟持されたイオン伝導体に本発明のイオン伝導体を用
いた燃料電池(以下、本発明の燃料電池と称する。)を
提供するものである。
【0016】本発明の燃料電池は、本発明のイオン伝導
体を用いているので、上記した顕著な作用効果を奏し、
加湿装置や特殊な機構を用いずに、乾燥したガスや雰囲
気でも安定した使用が可能となり、特に加湿装置などと
いった付加装置を付けられない超小型の燃料電池として
非常に有効である。また、システムの簡略化や小型化、
コスト削減を実現でき、社会的にも産業的にも非常に優
位性の高いものを提供できる。
【0017】本発明はまた、本発明のイオン伝導体を製
造する方法として、前記イオン伝導部の構成材料によっ
て所定の厚みの下層を形成する工程と、この下層上に、
前記イオン伝導部の構成材料と、前記水分循環部を構成
する粒体又は塊状体との混合物によって所定の厚みの中
間層を形成する工程と、この中間層上に、前記イオン伝
導部の構成材料によって所定の厚みの上層を形成する工
程とを行う、イオン伝導体の製造方法(以下、本発明の
製造方法と称する。)も提供するものである。
【0018】本発明の製造方法によれば、前記イオン伝
導部の構成材料で前記下層を形成し、この上に、前記イ
オン伝導部の構成材料と、前記水分循環部を構成する粒
体又は塊状体との混合物で前記中間層を形成し、更にこ
の上に前記イオン伝導部の構成材料で前記上層を形成す
るので、前記イオン伝導部中に、粒体又は塊状体からな
る前記水分循環部を適度な分布状態で埋設させ易くな
る。従って、前記イオン伝導部が有効に機能する領域
(特に電極に接する面積)を十分に確保してイオン伝導
性を向上させ、また前記イオン伝導部内に生じた水分の
移動も十分に行えるイオン伝導体を再現性良く製造する
ことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明のイオン伝導体及び燃料電
池においては、前記水分循環部の断面が、前記一方の面
側及び前記他方の面側よりもこれらの中間で大きくなっ
ている領域を有していれば、前記水分循環部の占有体積
を前記一方の面側及び他方の面側で小さくし、その中間
で大きくすることができる。従って、前記イオン伝導部
が有効に機能する領域(特に電極と接する前記一方の面
及び前記他方の面の面積)を有効に確保して、イオン伝
導性を向上させ、かつ、前記水分循環部の水分通過断面
も十分に確保して、水分の移動を十分に行うことができ
る。また、前記イオン伝導体が膜状に形成されていて、
前記一方の面及び前記他方の面の全域が前記イオン伝導
部からなっており、前記水分循環部の前記断面が内部に
向って拡大されていることが、イオン伝導性及び水分循
環効率の双方からみて望ましい。例えば、前記水分循環
部が、断面円形又は楕円形の粒体又は塊状体からなって
いるのがよい。
【0020】また、前記イオン伝導方向又はその逆方向
に沿う前記水分循環部の断面が、前記一方の面側から前
記他方の面側にかけてほぼ同一幅となっていてもよい。
例えば、前記水分循環部が、断面四角形の粒体又は塊状
体からなっているのがよい。
【0021】また、前記水分循環部は、前記イオン伝導
体に対し、5〜90%の体積比率で分布しているのがよ
く、この割合が小さすぎると水分循環効率が低下し、大
きすぎるとイオン伝導性が低下し易い。この体積比率は
更に、10〜70%とするのが望ましい。
【0022】本発明のイオン伝導体は、含浸されている
水と共にプロトンを輸送することのできるプロトン伝導
体であって、プロトン伝導によって移動した水をもとの
位置に内部循環させることのできる部位としての前記水
分循環部が、プロトン伝導部と複合化された構造からな
っているのが望ましい。
【0023】そして、前記イオン伝導部がイオン伝導性
を示す高分子固体電解質部分からなり、イオン伝導にお
およそ寄与しない吸水性高分子部分からなる前記水分循
環部と複合体を形成していてよい。
【0024】また、本発明の製造方法においては、前記
イオン伝導部の構成材料の溶液を膜状にキャストして前
記下層を形成した後、前記イオン伝導部の構成材料の溶
液と前記水分循環部の構成材料との混合物を膜状にキャ
ストして前記中間層を成膜し、更に前記イオン伝導部の
構成材料の溶液を膜状にキャストして前記上層を形成す
ることが、イオン伝導性を十分に保持しつつ前記水分循
環部を目的とする形状及び分布状態で形成する上で望ま
しい。
【0025】本発明の製造方法の実施の形態により、上
記した本発明のイオン伝導体及び燃料電池の望ましい形
態又は具体的な形態が得られることは勿論である。
【0026】次に、本発明の実施の形態を更に具体的に
説明すると、まず本発明のイオン伝導体、特に、プロト
ン伝導体としては、プロトン伝導性を示す例えば高分子
固体電解質が使用される。こうした電解質は具体的に
は、内部にスルホン基を多数有するようなパーフルオロ
スルホン酸樹脂、トリフルオロスチレンスルホン酸樹
脂、芳香族ポリエーテルケトンスルホン酸樹脂などが挙
げられる。
【0027】また、前記水分循環部としては例えば、吸
水性の高分子を用いることができるが、具体的には、で
んぷんグラフト型ポリアクリル酸塩系の樹脂、架橋型ポ
リアクリル酸塩系の樹脂、ポリビニルアルコール(PV
A)系の樹脂などを使用できる。この水分循環部は、吸
水性高分子の粒状又は塊状体で形成されていてよく、或
いは、スポンジ状のものや繊維の集合体の如き物質な
ど、液体の毛細管現象を利用して液体を保持、移動でき
る物質も使用することができる。
【0028】本発明のイオン伝導体の基本的な原理を図
1(A)に示す。例えば、プロトン伝導部1内に複合化
されている吸水性樹脂からなる吸水部2内においては、
この吸水部2がイオン伝導におおよそ寄与しないため
に、一方の面(例えば水素極)側3から他方の面(例え
ば酸素極)側4へのプロトン(H+ )伝導に伴って同方
向へ水が移動するといった現象は起こらない。従って、
それ以外の部分、即ちプロトン伝導部1においてプロト
ンの移動と共に水が移動し、この結果、水が増加した部
分4においては吸水性樹脂2が水を吸収し、逆に水が減
少した部分3においては、吸水性樹脂2から水が補給さ
れる。即ち、プロトン伝導による水の移動とは反対方向
に水を自動的に循環、移動させることが可能であり、プ
ロトン伝導体内部の水の偏りを自ら平均化することがで
きる。このように移動する水には、プロトンと共に他方
の面側4に移動した水に限らず、この面側4で生成した
水も含まれることがある。
【0029】また、多くの場合、プロトン伝導体は膜の
形状をとるが、この場合、膜表面の全域はイオン伝導性
を示す高分子からなっており、イオン伝導性におおよそ
寄与しない吸水性高分子は膜の内部に多く分布している
ことが望ましい。この構造を図1(B)及び(C)、図
2(A)及び(B)、図4、図5(I)及び(II)に例
示するが、これらの構造に限定されるものではない。
【0030】これらのいずれの構造においても、本発明
に基づいて、プロトン伝導方向5又はその逆方向に沿う
吸水部2が、プロトン伝導部1内に埋設され、その断面
の径(ここでは短径)rの両側にはプロトン伝導部の一
部1a、1bが厚さt1 、t2 に亘って存在している。
ここで、t1 、t2 は1μm〜10μmがよい。そし
て、吸水部2の断面は、一方の面側3及び他方の面側4
の部分2a及び2bよりもこれらの中間2cで大きくな
っている領域を有している。
【0031】このうち、図1(B)及び(C)の吸水部
2は断面楕円形(従って、立体形状は楕円錐形)の吸水
性の粒体の1個分からなり、その短径がプロトン伝導方
向5又はその逆方向に向き、長径(直径)がプロトン伝
導方向5と直交する方向に向いており、図3(A)及び
(B)の吸水部2は断面長方形(従って、断面の幅はプ
ロトン伝導方向5で変わらない。)の粒体の1個分から
なり、図4の吸水部2は断面円形(従って、立体形状は
球形)の粒体の1個分からなり、また、図5(I)の吸
水部2はスポンジ状又は繊維状の例えば断面ほぼ円形の
多孔性の塊状体の1個分からなっている。図5(II)の
例では、複数の粒体2がプロトン伝導方向5又はその逆
方向に沿って連なった吸水部を形成している。
【0032】そして、上記の各粒体又は塊状体を有する
プロトン伝導体の膜の一方の面及び他方の面の全域は所
定厚さのプロトン伝導部1a、1bからなり、また、水
分循環部2(又は吸水部)の前記断面がプロトン伝導体
内部に向って拡大されている。即ち、水分循環部2の前
記断面の短径又は直径がプロトン伝導部1の膜厚より小
さく、またその断面が膜表面側では小さく、膜内部に向
って大きくなっている。また、水分循環部2は5〜90
%(好ましくは10〜70%)、例えば50%の体積比
率で分布している。
【0033】上記のように水分循環部(吸水部)2を配
置することによって、前記一方の面側及び前記他方の面
側には所定の厚みのイオン伝導部1a、1bが存在する
ことになるので、一方の面側3から他方の面側4へのプ
ロトンの移動及び各面の有効面積(電極面積)の確保を
十分に行うことができると共に、他方の面側4へ移動し
た水分や他方の面側4で生じた水分を水分循環部2を通
して一方の面側3へ自動的に循環、移動させ、一方の面
側3に必要な水分を補給することができる。
【0034】このような水分循環部2の分布構造は、例
えばプロトン伝導部1を燃料電池の固体電解質として用
いる場合などに特に有効である。
【0035】図6は、本発明の燃料電池の一例を示す
が、触媒6及び7をそれぞれ密着若しくは分散させた対
向電極として、端子8及び9付きの負極(燃料極又は水
素極)10及び正極(酸素極)11を有し、これらの間
に上記した水分循環部2−プロトン伝導部1の複合体か
らなるプロトン伝導体が挟着されている。使用時には、
負極10側では導入口12から供給され、排出口13
(これは設けないこともある。)から導出される燃料
(H2 )14が、その流路15を通過する間に既述した
反応によりプロトンを発生し、このプロトンは電解質1
中を水と共に正極11側へ移動し、そこで導入口16か
ら流路17に供給されて排気口18へ向かう酸素(空
気)19と既述した如くに反応し、これによって所望の
起電力が取り出される。
【0036】本発明に基づいて燃料電池を構成すれば、
上記したことから、触媒電極上の有効な反応面積が吸水
性樹脂2の存在によって減少してしまうといった問題は
なくなる。膜1の内部においては吸水性樹脂2の存在に
よってプロトン伝導のパスは幾分狭くなり、その分だけ
イオン伝導率は小さくなるが、水分量が部分的にでも少
なくなることによる伝導率低下量は桁が変わるほど大き
なものであるため、吸水性樹脂2と複合化することによ
って膜全体としての伝導率はトータルとして大きく向上
するのである。
【0037】上記した顕著な作用効果は、プロトン伝導
体中での水分循環部2が上記した形状、サイズ及び分布
状態を有していることによって確実に得ることができ
る。このように水分循環部2を配置するには、プロトン
伝導部1の構成材料の溶液に水分循環部2の構成材料を
混合し、この混合物を膜状にキャストして成膜するのが
よい。
【0038】例えば、上記のように水分循環部2の分布
構造を実現する方法の一つの例によれば、例えば図2
(a)に示すように、まず型板20上にプロトン伝導性
の高分子(電解質)の溶液をキャストして下層1aを成
膜した後、図2(b)に示すように、水分循環部2を含
むプロトン伝導部1cを成膜する。
【0039】この場合、イオン伝導性におおよそ寄与し
ない吸水性高分子はおおよそ球状の形態をとる。ここ
で、吸水性高分子(樹脂)を球状に作製する方法として
は例えばビーズ法などを用いることができる。このよう
な球状構造の吸水性高分子粒子を利用すれば、例えば、
その直径を最終的なプロトン伝導体の膜厚よりも小さく
設計し、その球状粒子を下層1a上に均一に並べ、その
上から、粒子を最低限度で覆い隠すようにプロトン伝導
性の高分子(電解質)が溶けた溶液を滴下して、吸水性
粒子と混合し、いわゆるソルベントキャスト法によって
中間層としてのプロトン伝導部1cを成膜し、更に図2
(c)に示すように、プロトン伝導性の高分子(電解
質)の溶液をキャストして上層1bを形成し、必要あれ
ばキャスト後に平滑化処理し、上記の膜構造を実現する
ことが可能である。
【0040】ただし、本発明がこのような作製方法に限
定されるものではなく、例えば、吸水性高分子粒子をプ
ロトン伝導性の高分子(電解質)が溶けた溶液と混合
し、この混合物を膜状にキャストし、必要あればキャス
ト後に平滑化処理することができる。
【0041】
【実施例】以下、実施例について本発明をより詳細に説
明する。
【0042】プロトン伝導体膜の作製 まず、プロトン伝導性樹脂であるパーフルオロスルホン
酸樹脂のアルコール溶液をキャストし、下層を5μm厚
に成膜した。次いで、粒径のできるだけ揃った楕円錐形
の吸水性樹脂であるアクリル酸樹脂を作製した。粒径は
おおよそ短径90μm、長径120μmに揃えることが
可能であった。これをプロトン伝導性樹脂であるパーフ
ルオロスルホン酸樹脂のアルコール溶液と混合し、この
溶液をキャストし、中間層を成膜した。キャスト厚は、
吸水性樹脂の短径とほぼ同等となるように90μmに設
計し、吸水性樹脂の体積比率を50%とした。更に、こ
の中間層上に上記と同様のパーフルオロスルホン酸樹脂
のアルコール溶液をキャストし、上層を5μm厚に成膜
した。
【0043】このようにして本発明の実施例のプロトン
伝導体を作製した。また、同様のプロトン伝導性樹脂の
溶液のみをキャストし、膜厚100μmの別のプロトン
伝導体を作製し、これをもって比較例1とした。また、
既述した特開平5−283094号公報に実施例9とし
て示されるように、プロトン伝導性樹脂(パーフルオロ
カーボンスルホン酸ポリマー)の溶液と吸水性ポリマー
(澱粉/ポリアクリル酸Na)の溶液の混合液の塗布、
溶媒除去により膜厚100μmのプロトン伝導体を作製
し、これをもって比較例2とした。
【0044】燃料電池としての評価 このようにして作製した本実施例によるプロトン伝導体
膜と、白金触媒を分散した一対の電極を用いて、燃料電
池の単セルを作製し、片方には乾燥した水素ガス、もう
片方には乾燥した空気を送り込めるような装置の中に組
み込み、その時の発電能力を調べた。また、プロトン伝
導性樹脂のみでキャストした比較例1、プロトン伝導性
樹脂と吸水性ポリマーの混合溶液をキャストした比較例
2のプロトン伝導体膜についても同様に燃料電池のセル
を組み、測定した。それらの結果をまとめて図7に示
す。
【0045】この結果から、プロトン伝導性樹脂のみの
膜を用いた比較例1のセルでは、おおよそすべての電流
密度において電圧の低下の度合いが大きいことが分る。
これは、電流(即ち、プロトン)の移動に伴って膜内の
水分が空気極側に偏り、水素極側に近い部分の膜内水分
量が低下してしまったためにその部分のイオン伝導率が
低下し、大きな膜内での抵抗損失を生じているためであ
ろうと思われる。これに対して、比較例2のセルは吸水
性ポリマーの含有によって、比較例1よりはイオン伝導
率が向上する領域があるが、低電流値では改善されな
い。しかしながら、本発明の実施例によるイオン伝導体
膜を用いた場合においては、殆どの領域において電流値
における電圧が高く、効率良く発電できていることが分
る。これは、上述したように、プロトンの移動に伴う水
の偏りが、膜内に複合化されている楕円錐形の粒子から
なる吸水性樹脂の働きにより確実に平均化され、水素極
側での膜内の水分量減少が防止されていること、そして
吸水性樹脂が楕円錐形であって適度に分布しているため
に、プロトン伝導性樹脂の有効領域が十分に確保されて
いること、また電極の反応面積が大きくてその効率が向
上したことによるものと思われる。
【0046】以上に述べた例は、本発明の技術的思想に
基づいて更に変形が可能である。
【0047】例えば、上述した水分循環部の形状、サイ
ズ、分布密度をはじめ分布パターン、更には材質などは
種々であってよい。一例として、図1(B)の吸水部2
の楕円の長径が膜厚方向に向いた配置とすることもでき
るが、上述の実施例のように短径が膜厚方向に向いてい
る方が吸水部を構成する個々の粒子がより安定に配置さ
れる。また、イオン伝導体の成膜方法や膜厚も上述した
ものに限定されることはない。
【0048】また、本発明は上述したプロトン伝導体又
はこれを用いた燃料電池以外のプロトン伝導体及び燃料
電池、更には他の種々のイオン伝導体又はこれを用いた
燃料電池に適用可能である。即ち、有機燃料、例えばメ
タノールを燃料に用いる場合、酸化剤極側の反応は上述
した式と同じであるが、燃料極(メタノール極)側の反
応は、CH3 OH+H2 O→6H+ +6e- +CO2
なり、燃料極側の水分はより欠乏し易くなるので、上述
したと同様の水分循環が必要となる。また、電解質中を
水酸イオンが移動するタイプの陰イオン導電性高分子固
体電解質を用いた燃料電池においては、燃料極(水素
極)側では、2H2 +4OH- →4H2 O+4e- 、酸
化剤極(酸素極)側では、O2 +2H2 O+4e- →4
OH- の反応が進行し、上述した場合と逆方向に水分を
循環させる必要がある。
【0049】
【発明の効果】本発明は上述した如く、前記イオン伝導
部に接して、イオン伝導方向又はその逆方向に沿って前
記水分循環部が設けられているので、例えば前記一方の
面側から前記他方の面側へ移動した水分や前記他方の面
側で生じた水分を前記水分循環部を通して前記一方の面
側へ自動的に循環移動させ、前記一方の面側に必要な水
分を補給することができる。従って、前記イオン伝導部
中での水分含有率の部分的偏りを防ぎ、イオン伝導率を
常に高くかつ一様に保持することができ、しかもこれを
複雑な水分制御なしに実現でき、加湿・給水のためのシ
ステムが不要であり、燃料電池などの小型化、低コスト
化を実現できる。
【0050】そして、前記水分循環部の前記一方の面側
及び前記他方の面側には前記イオン伝導部が所定の厚み
をなして存在するように、前記水分循環部が前記イオン
伝導部内に埋設されているので、前記水分循環部の前記
一方の面側及び前記他方の面側には所定の厚みのイオン
伝導部が存在することになる。従って、前記イオン伝導
部が有効に機能する領域を十分に確保して、イオン伝導
性を向上させ、また前記イオン伝導部内に生じた水分の
移動も十分に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のイオン伝導体の基本原理を説明した概
略断面図(A)、その具体例の一部分の断面図(B)及
び断面斜視図(C)である。
【図2】同、イオン伝導体の製造方法の各段階を示す一
部分の断面図である。
【図3】同、他の具体例の一部分の断面図(A)及び断
面斜視図(B)である。
【図4】同、他の具体例の一部分の断面図である。
【図5】同、他の具体例の一部分の断面図(I)及び(I
I )である。
【図6】本発明のイオン伝導体を用いた燃料電池の一例
の断面図である。
【図7】本発明の実施例のプロトン伝導体膜及び比較例
のプロトン伝導体膜を燃料電池として評価した発電特性
図である。
【符号の説明】
1…プロトン伝導部、2…水分循環部(吸水部)、3…
一方の面側、4…他方の面側、5…プロトン伝導方向、
6、7…触媒、10…燃料極、11…酸素極、14…燃
料、19…酸素(空気)

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方の面側から他方の面側へイオンを伝
    導するイオン伝導部と、このイオン伝導部に接する水分
    循環部とからなり、イオン伝導方向又はその逆方向に沿
    って前記水分循環部が配され、かつ、前記水分循環部の
    前記一方の面側及び前記他方の面側には前記イオン伝導
    部が所定の厚みをなして存在するように、前記水分循環
    部が前記イオン伝導部内に埋設されているイオン伝導
    体。
  2. 【請求項2】 前記イオン伝導方向又はその逆方向に沿
    う前記水分循環部の断面が、前記一方の面側及び前記他
    方の面側よりもこれらの中間で大きくなっている領域を
    有する、請求項1に記載したイオン伝導体。
  3. 【請求項3】 膜状に形成されていて、前記一方の面及
    び前記他方の面の全域が前記イオン伝導部からなってお
    り、前記水分循環部の前記断面が内部に向かって拡大さ
    れている、請求項1に記載したイオン伝導体。
  4. 【請求項4】 前記水分循環部が、断面円形又は楕円形
    の粒体又は塊状体からなっている、請求項3に記載した
    イオン伝導体。
  5. 【請求項5】 前記イオン伝導方向又はその逆方向に沿
    う前記水分循環部の断面が、前記一方の面側から前記他
    方の面側にかけてほぼ同一幅となっている領域を有す
    る、請求項1に記載したイオン伝導体。
  6. 【請求項6】 膜状に形成されていて、前記一方の面及
    び前記他方の面の全域が前記イオン伝導部からなってお
    り、前記水分循環部が、断面四角形の粒体又は塊状体か
    らなっている、請求項5に記載したイオン伝導体。
  7. 【請求項7】 前記水分循環部が5〜90%の体積比率
    で分布している、請求項1に記載したイオン伝導体。
  8. 【請求項8】 含浸されている水と共にプロトンを輸送
    することのできるプロトン伝導体であって、プロトン伝
    導によって移動した水をもとの位置に内部循環させるこ
    とのできる部位としての前記水分循環部が、プロトン伝
    導部と複合化されている、請求項1に記載したイオン伝
    導体。
  9. 【請求項9】 イオン伝導性を示す高分子固体電解質部
    分と、イオン伝導におおよそ寄与しない吸水性高分子部
    分との複合体からなる、請求項1に記載したイオン伝導
    体。
  10. 【請求項10】 一方の面側から他方の面側へイオンを
    伝導するイオン伝導部と、このイオン伝導部に接する水
    分循環部とからなり、イオン伝導方向又はその逆方向に
    沿って前記水分循環部が配され、かつ、前記水分循環部
    の前記一方の面側及び前記他方の面側には前記イオン伝
    導部が所定の厚みをなして存在するように、前記水分循
    環部が前記イオン伝導部内に埋設されているイオン伝導
    体を製造するに際し、 前記イオン伝導部の構成材料によって所定の厚みの下層
    を形成する工程と、 この下層上に、前記イオン伝導部の構成材料と、前記水
    分循環部を構成する粒体又は塊状体との混合物によって
    所定の厚みの中間層を形成する工程と、 この中間層上に、前記イオン伝導部の構成材料によって
    所定の厚みの上層を形成する工程とを行う、イオン伝導
    体の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記イオン伝導部の構成材料の溶液を
    膜状にキャストして前記下層を形成した後、前記イオン
    伝導部の構成材料の溶液と前記水分循環部の構成材料と
    の混合物を膜状にキャストして前記中間層を成膜し、更
    に前記イオン伝導部の構成材料の溶液を膜状にキャスト
    して前記上層を形成する、請求項10に記載したイオン
    伝導体の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記イオン伝導方向又はその逆方向に
    沿う前記水分循環部の断面が、前記一方の面側及び前記
    他方の面側よりもこれらの中間で大きくなっている領域
    を形成する、請求項10に記載したイオン伝導体の製造
    方法。
  13. 【請求項13】 イオン伝導体を膜状に形成し、前記一
    方の面及び前記他方の面の全域を前記イオン伝導部によ
    って形成し、前記水分循環部の前記断面が内部に向って
    拡大するように前記水分循環部を配する、請求項10に
    記載したイオン伝導体の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記水分循環部を、断面円形又は楕円
    形の粒体又は塊状体で形成する、請求項13に記載した
    イオン伝導体の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記イオン伝導方向又はその逆方向に
    沿う前記水分循環部の断面が、前記一方の面側から前記
    他方の面側にかけてほぼ同一幅となっている領域を形成
    する、請求項10に記載したイオン伝導体の製造方法。
  16. 【請求項16】 イオン伝導体を膜状に形成し、前記一
    方の面及び前記他方の面の全域を前記イオン伝導部によ
    って形成し、前記水分循環部を断面四角形の粒体又は塊
    状体で形成する、請求項15に記載したイオン伝導体の
    製造方法。
  17. 【請求項17】 前記水分循環部を5〜90%の体積比
    率で分布させる、請求項10に記載したイオン伝導体の
    製造方法。
  18. 【請求項18】 含浸されている水と共にプロトンを輸
    送することのできるプロトン伝導体の製造方法であっ
    て、プロトン伝導によって移動した水をもとの位置に内
    部循環させることのできる部位としての前記水分循環部
    を、プロトン伝導部と複合化する、請求項10に記載し
    たイオン伝導体の製造方法。
  19. 【請求項19】 イオン伝導性を示す高分子固体電解質
    部分と、イオン伝導におおよそ寄与しない吸水性高分子
    部分との複合体からなるイオン伝導体を製造する、請求
    項10に記載したイオン伝導体の製造方法。
  20. 【請求項20】 第1極と、第2極と、これらの両極間
    に挟持されたイオン伝導体とからなる燃料電池におい
    て、前記イオン伝導体が、一方の面側から他方の面側へ
    イオンを伝導するイオン伝導部と、このイオン伝導部に
    接する水分循環部とからなり、イオン伝導方向又はその
    逆方向に沿って前記水分循環部が配され、かつ、前記水
    分循環部の前記一方の面側及び前記他方の面側には前記
    イオン伝導部が所定の厚みをなして存在するように、前
    記水分循環部が前記イオン伝導部内に埋設されているこ
    とを特徴とする燃料電池。
  21. 【請求項21】 前記イオン伝導方向又はその逆方向に
    沿う前記水分循環部の断面が、前記一方の面側及び前記
    他方の面側よりもこれらの中間で大きくなっている領域
    を有する、請求項20に記載した燃料電池。
  22. 【請求項22】 膜状に形成されていて、前記一方の面
    及び前記他方の面の全域が前記イオン伝導部からなって
    おり、前記水分循環部の前記断面が内部に向かって拡大
    されている、請求項20に記載した燃料電池。
  23. 【請求項23】 前記水分循環部が、断面円形又は楕円
    形の粒体又は塊状体からなっている、請求項22に記載
    した燃料電池。
  24. 【請求項24】 前記イオン伝導方向又はその逆方向に
    沿う前記水分循環部の断面が、前記一方の面側から前記
    他方の面側にかけてほぼ同一幅となっている領域を有す
    る、請求項20に記載した燃料電池。
  25. 【請求項25】 膜状に形成されていて、前記一方の面
    及び前記他方の面の全域が前記イオン伝導部からなって
    おり、前記水分循環部が、断面四角形の粒体又は塊状体
    からなっている、請求項24に記載した燃料電池。
  26. 【請求項26】 前記水分循環部が5〜90%の体積比
    率で分布している、請求項20に記載した燃料電池。
  27. 【請求項27】 含浸されている水と共にプロトンを輸
    送することのできるプロトン伝導体であって、プロトン
    伝導によって移動した水をもとの位置に内部循環させる
    ことのできる部位としての前記水分循環部が、プロトン
    伝導部と複合化されている、請求項20に記載した燃料
    電池。
  28. 【請求項28】 前記イオン伝導体が、イオン伝導性を
    示す高分子固体電解質部分と、イオン伝導におおよそ寄
    与しない吸水性高分子部分との複合体からなる、請求項
    20に記載した燃料電池。
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