JP4324273B2 - 無水酢酸蒸留精製設備 - Google Patents

無水酢酸蒸留精製設備 Download PDF

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    • B01D3/322Reboiler specifications

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無水酢酸の蒸留精製設備に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
無水酢酸は、酢酸セルロールの製造原料として大量に用いられる他に、医薬品、香料、染料などの化成品の原料として有用な化合物である。このような無水酢酸は、例えばアセトアルデヒド酸化法やケテン法によって製造され、その後、例えば図3に示すような無水酢酸蒸留精製設備を用いて精製されている。
【0003】
同図において31は、リボイラー(再沸器)32が付設された蒸留塔で、この蒸留塔31の中間部に、例えば酢酸15重量%、無水酢酸75重量%を含む原料液Aが供給される。そして、この蒸留塔31の底部側における例えば150℃程度の加熱領域から、ライン33を通して蒸発ガスが引き出され、これが精留塔34に供給される。この精留塔34からの留出ガスが凝縮器35で液化されて、例えば99.5重量%程度の製品無水酢酸Bが得られるようになっている。
【0004】
なお、蒸留塔31には、その留出ガスを凝縮器36で液化してこの蒸留塔31に還流させる還流ライン37が接続され、また、精留塔34には、前記凝縮器35での凝縮液の一部をこの精留塔34に還流させる還流ライン38が接続されている。
【0005】
一方、蒸留塔31および精留塔34の各罐出液は、前記したリボイラー32を通してガス化され、これが蒸留塔31の底部側に供給されて、上記した無水酢酸の蒸留回収処理が行われるようになっている。このように蒸留塔31や精留塔34からの各罐出液をガス化するリボイラー32は、従来、サーモサイフォン式熱交換器によって構成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の無水酢酸蒸留精製設備では、得られる製品無水酢酸Bの色相(APHA)は8〜10程度であり、したがって、十分に満足し得る高品質の無水酢酸はこれを得難いという問題を有している。
【0007】
つまり、前記のようにサーモサイフォン式熱交換器から成るリボイラー32では、前記罐出液が通過する伝熱管内に、管壁側に対して管中央側の温度が低いような温度勾配が生じることから、管中央側に至るまで所望のガス化温度まで上昇させようとすると、管壁側に沿って流れる罐出液は、より高い温度まで加熱される。すなわち、このようなリボイラー32を用いて再沸させる処理では、一部がガス化に必要な温度を過度に超える温度まで加熱されるような熱履歴生じるものとなり易い。
【0008】
また、リボイラー32で再沸されて蒸留塔31の底部側に流入したガスは、これに混入している飛沫がこの蒸留塔31内では十分には分離されずに、この蒸留塔31の底部側に前記のように接続されているライン33を通して、次段の精留塔34に流入する状態ともなり易い。
【0009】
すなわち、従来の無水酢酸蒸留精製設備では、上記したような熱履歴や飛沫同伴に起因して、高品質の無水酢酸を得難いという問題を生じているのである。
【0010】
本発明は、上記した従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、品質の向上した無水酢酸を回収することが可能な無水酢酸蒸留精製設備を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
そこで請求項1の無水酢酸蒸留精製設備は、酢酸と無水酢酸との混合液が中間部に供給される蒸留塔と、この蒸留塔からの罐出液を再沸してこの蒸留塔に流入させるリボイラーとを備える無水酢酸蒸留精製設備であって、上記リボイラーが自然流下式薄膜蒸発器から成ることを特徴としている。
【0012】
このように自然流下式薄膜蒸発器でリボイラーを構成することによって、過熱を抑えた再沸処理が可能になる。つまり、このような形式の熱交換器では、蒸留塔からの罐出液は、このリボイラー内での伝熱管の管壁に沿う薄膜状になって流下する。したがって、管中央側の温度が所望の再沸温度より低くても、管壁側が所定の再沸温度になるような加熱状態としておくことで、再沸処理が効率的に行われる。この結果、過度の温度上昇が与えられることなくこのリボイラーでの再沸処理を行うようにすることができるので、前記したような熱履歴に基づく品質の低下が抑えられて、より高品質の無水酢酸を精製回収することができる。
【0013】
請求項2の無水酢酸蒸留精製設備は、上記蒸留塔の側壁面における上記リボイラーからの再沸ガスが流入する流入口の近傍に、この流入口を通して流入した上記再沸ガスの流れ方向を変化させる流入側バッフルが設けられていることを特徴としている。
【0014】
この構成によれば、リボイラーから蒸留塔に流入する再沸ガスは、この蒸留塔の流入口を通過後に流入側バッフルによってその流れ方向が変化され、これに伴って、この再沸ガス中に含まれていた飛沫の分離が生じる。この結果、飛沫同伴に起因する品質の低下が抑えられ、これによって、さらに品質の優れた無水酢酸の精製回収を行うことができる。
【0015】
請求項3の無水酢酸蒸留精製設備は、上記リボイラーの側壁面における再沸ガスが流出する流出口の近傍に、この流出口の上方を覆うと共にこの流出口の手前で再沸ガスが下側から上昇して流出口へ流れ込むように流れ方向を変化させる流出側バッフルが設けられていることを特徴としている。
【0016】
この構成によれば、リボイラーから再沸ガスが流出口を通して流れ出る際に、その上方が流出側バッフルで覆われているので、この流出口近傍の再沸ガスとその上方から流下する液滴とが交差することがなく、これによって、この再沸ガスへの飛沫の混入が抑えられる。さらに、この再沸ガスは、上記流出側バッフルによって、下側から上昇して上記流出口へ流れ込むような流れ方向の変化が与えられるので、この際に、この再沸ガスに含まれていた飛沫の分離が、この流出口への流入時にも生じることになる。したがって、これによっても飛沫同伴に起因する品質の低下が抑えられ、より高品質の無水酢酸の精製回収が可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の一実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
初めに、本実施形態に係る無水酢酸蒸留精製設備の構成について、図1を参照して説明する。この精製設備には、後述するリボイラー(再沸器)1が付設された蒸留塔2と、精留塔3とが設けられている。なお、これら蒸留塔2および精留塔3の形式については特に制限はなく、例えば、シーブトレイ、バブルキャップトレイ等の棚段塔やインタロックスサドル、ポールリング等の充填塔で構成することが可能である。
【0018】
蒸留塔2には、その中間部に、後述する無水酢酸と酢酸とを含有する原料液Aが供給される原料供給管4が接続されている。また、この蒸留塔2には、その頂部側に第1還流ライン5が接続され、この第1還流ライン5には低沸ガス凝縮器6が介設されている。
【0019】
一方、蒸留塔2の底部側には、上記原料供給管4の接続部位よりも下側の位置に、高沸ガス引出しライン7が接続され、このライン7を通して引き出されたガスが前記精留塔3の底部側に供給されるように構成されている。そして、この精留塔3の頂部に、製品ガス凝縮器8が介設された製品回収ライン9が接続されている。なお、この製品回収ライン9には、製品ガス凝縮器8よりも下流側に、この凝縮器8で凝縮された液の一部を精留塔3の頂部側に還流させる第2還流ライン10が接続されている。
【0020】
前記リボイラー1は、自然流下式薄膜蒸発器(Falling Film Evaporator,以下、FFEという)で構成され、このリボイラー1の塔底と塔頂側とは、ポンプ11が介設された循環ライン12によって相互に接続されている。さらに、蒸留塔2および精留塔3の各塔底は、上記循環ライン12におけるポンプ11の吸引側に、ライン13・14によってそれぞれ接続されている。そして、上記リボイラー1と蒸留塔2との各底部側が、再沸ガス供給ライン15によって相互に接続されている。
【0021】
図2には、リボイラー1と蒸留塔2とにおける再沸ガス供給ライン15によって相互に接続された部位の内部構造を模式的に示している。リボイラー1の胴部壁面(側壁面)1aには、再沸ガス供給ライン15が接続された流出口1b近傍の箇所に、この流出口1bの上方位置から内側に向かって下方に傾斜する傾斜面16aと、その内端から、流出口1aの形成位置よりも下側まで下方に垂下する垂下面16bとを有する庇形状の流出側バッフル16が設けられている。
【0022】
一方、蒸留塔2の胴部壁面(側壁面)2aにも、再沸ガス供給ライン15が接続された流入口2b近傍の箇所に、この流入口2bの上方位置から内側に向かって略水平に延びる水平面17aと、その内端から、流入口2bの形成位置よりも下側まで斜めに垂下する垂下面17bとを有する庇形状の流入側バッフル17が設けられている。
【0023】
上記構成の無水酢酸蒸留精製設備での無水酢酸の蒸留精製は、例えば酢酸15%、無水酢酸75%程度を各々含有する原料液Aを、原料供給管4を通して蒸留塔2の中間部に供給することによって行われる。このとき、この蒸留塔2内には、塔頂側ほど温度を低くした所定の温度分布状態が形成されており、これによって、原料液Aが蒸発して生じた蒸発ガス中の成分は、塔頂側で、沸点117.8℃の酢酸が、塔底側で、沸点140.0℃の無水酢酸がそれぞれリッチな状態となる。前記高沸ガス引出しライン7は、蒸留塔2内における温度が略150℃程度の部位に接続されており、したがって、このライン7を通して、蒸留塔2内の底部側から高濃度の無水酢酸ガスが引き出されて、精留塔3に供給される。
【0024】
そして、この精留塔3では、無水酢酸の沸点に合わせた温度分布が形成されており、この精留塔3で無水酢酸の分留精製が行われて、不純物が除去されたガスがこの精留塔3の塔頂から流出する。この留出ガスを製品ガス凝縮器8で凝縮させることによって、製品無水酢酸Bが回収される。
【0025】
このとき、蒸留塔2の塔頂から流出する酢酸リッチな低沸ガスが、低沸ガス凝縮器6で液化されて第1還流ライン5を通して蒸留塔2に還流させる操作が、また、製品ガス凝縮器8での凝縮液の一部が第2還流ライン10を通して精留塔3に還流される操作が合わせて行われ、これらの還流比を適度に設定した条件下の製造により、例えば99.5重量%を超える高純度の製品無水酢酸Bが回収される。
【0026】
一方、上記のような製造過程において、蒸留塔2および精留塔3の各塔底から、罐出液がライン13・14を通してポンプ11に吸引され、循環ライン12を通してリボイラー1の頂部側に供給される。前記したようにFFEからなるこのリボイラー1の頂部側に供給される罐出液は、図2に示す各伝熱管18…を通して、これら伝熱管18…の管壁に沿う薄膜状になって流下し、この間に、各伝熱管18の間を流れる熱媒から、管壁を通して熱が付与され蒸発する。こうして蒸発した再沸ガスが、流出口1bを通して蒸留塔2に供給されて、この蒸留塔2内で、前記原料液Aと共に前記した無水酢酸の濃縮処理に供される。
【0027】
ところで、上記リボイラー1内では、蒸留塔2等からの罐出液は、各伝熱管18…の管壁に沿って薄膜状になって流下することから、管中央側まで所望の再沸温度を超える温度にする必要はなく、管壁側が上記の再沸温度となるような加熱条件に設定しておくことで、罐出液が効率的に再沸される。したがって、上記のようなリボイラー1を用いることで、罐出液はその全体にわたって、過度の温度上昇が生じることなく再沸処理が行われる。
【0028】
一方、このリボイラー1内で加熱されて発生した再沸ガスは、このリボイラー1内から流出口1bを通して蒸留塔2へと流れ出る。このとき、図2に示すように、流出口1b付近では、胴部壁面1a近くの伝熱管18から未蒸発の液が流下するとき、この液は、図中実線矢印aで示すように、流出側バッフル16の傾斜面16aを伝ってリボイラー1の中心側に向かう方向に流れ方向が変化した後、垂下面16bを伝って下方に流下する。したがって、上記の流出側バッフル16により、流出口1b近傍には、伝熱管18からの流下液の通過が無い空間が形成される。
【0029】
この結果、流出口1bを通して流れ出る再沸ガスへの飛沫の混入が抑えられる。つまり、この領域では、速度を加速しながら流出口1bに向かう再沸ガスの流れが生じ、この流れに流下液が交差する場合には、この流下液が再沸ガスによって微細化されてこの再沸ガス中に混入し、この再沸ガスと共に流出口1bへ吸い込まれる状態となるが、上記では、流出口1b付近の領域では、再沸ガスに流下液が交差しないので、上記のような飛沫の混入が抑えられる。
【0030】
さらに、上記の流出側バッフル16は、流出口1bよりも下方まで延びる垂下面16bを備え、これによって、再沸ガスが流出口1bへと流れ出る際には、図中破線矢印bで示すように、この再沸ガスは、下側から上昇した後に流出口1bに流れ込むような流れ方向の変化が生じる。このとき、この再沸ガスに含まれていた飛沫の分離が生じ、したがって、これによっても飛沫同伴が抑えられる。
【0031】
一方、上記のような再沸ガスが再沸ガス供給ライン15を通して蒸留塔2内に流入する時点でも、この蒸留塔2内に設けられている流入側バッフル17によって、この再沸ガス中に混入している飛沫の分離が促進される。すなわち、同図破線矢印cで示すように、蒸留塔2の胴部壁面2aに形成されている流入口2bを通して、この蒸留塔2内にほぼ水平方向に流入した再沸ガスは、上記流入側バッフル17の垂下面17bに当たり、また、この間の上方部位は水平面17aで覆われていることから、垂下面17bに沿って下方に向かい、そして、垂下面17bの下端位置を越えた後に蒸留塔2内を上方に向かう流れとなって、この蒸留塔2内に供給される。
【0032】
このように、蒸留塔2内に再沸ガスが流入する際には、この再沸ガスの流れが流入側バッフル17によって、その流れ方向が水平方向から下方向、次いで上方に向かうように変化される。このような流れ方向の変化に伴って、この再沸ガス中に含まれる飛沫が分離され、図中実線矢印dに示すように、分離された飛沫は垂下面17bを伝って下方に流下する。
【0033】
この結果、上記のような再沸ガス中における無水酢酸成分が、この蒸留塔2から前記高沸ガス引出しライン7を通して精留塔3に送られる場合でも、飛沫同伴が極力低減されたガスとなって精留塔3に送られて、前記した精留が行われることになる。
【0034】
以上のように、本実施形態においては、リボイラー1をFFEで構成していることにより、前記したように、蒸留塔2や精留塔3等からの罐出液の全体に、過度の温度上昇を生じさせることなく効率的な再沸処理を行うことができ、したがって、その熱履歴はより低温に保持される。また、このリボイラー1における流出口1bと蒸留塔2の流入口2bとの2箇所で、再沸ガスからの飛沫の分離が好適に行われて飛沫同伴が低減される。
【0035】
この結果、従来の蒸留精製設備で回収される製品無水酢酸は、その色相(APHA)が8〜10程度であったのに対し、本実施形態では、上記のような熱履歴と飛沫同伴とが改善される結果、色相が5〜7程度の高品質の無水酢酸を回収し得るものとなっている。
【0036】
以上にこの発明の具体的な実施形態について説明したが、この発明は上記形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更することが可能である。例えば上記形態では、蒸留塔2内の流入側バッフル17を水平面17aと垂下面17bとを有する庇形状に形成した例を挙げたが、例えば上方を覆う水平面17aを設けることなく、流入口2bから流入する再沸ガスが当たってその流れ方向を変化させる形状であれば、垂直面のみから成るようなその他の任意の形状にこの流入側バッフル17を構成することが可能である。また上記では、リボイラー1と蒸留塔2との双方にバッフル16・17を設けて構成したが、いずれか一方のみに設けた構成とすることも可能である。
【0037】
また、上記実施形態の説明中、例えば原料液A中の酢酸と無水酢酸との含有率等を示した数値は一例であって、このような具体的な数値に限定されずにその他の条件で製造される無水酢酸の蒸留精製設備に本発明を適用することが可能である。
【0038】
【発明の効果】
以上のように、本発明の請求項1の無水酢酸蒸留精製設備においては、蒸留塔に付設されるリボイラーが自然流下式薄膜蒸発器で構成され、これによって、蒸留塔からの罐出液の全体に過度の温度上昇を生じさせることなく、効率的な再沸処理を行うことができる。この結果、より高温まで加熱されるような熱履歴に基づく品質の低下が抑えられ、品質が向上した無水酢酸を精製回収することができる。
【0039】
請求項2の無水酢酸蒸留精製設備においては、蒸留塔の側壁面における再沸ガスが流入する流入口の近傍に再沸ガスの流れ方向を変化させる流入側バッフルが設けられているので、流れ方向の変化に伴って再沸ガス中に含まれていた飛沫の分離が生じる。この結果、飛沫同伴に起因する品質の低下が抑えられ、これによって、さらに品質の優れた無水酢酸を精製回収することができる。
【0040】
請求項3の無水酢酸蒸留精製設備においては、リボイラーの側壁面における再沸ガスが流出する流出口の近傍に、流下する液と再沸ガスとの交差を防止し、かつ再沸ガスの流れ方向を変化させる流出側バッフルが設けられている。これにより、再沸ガスへの飛沫の混入が抑えられ、また、同時に飛沫の分離もこの箇所で促進されるので、これによっても飛沫同伴に起因する品質の低下が抑えられ、より高品質の無水酢酸の精製回収が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における無水酢酸蒸留精製設備を示す構成図である。
【図2】上記設備におけるリボイラーと蒸留塔との内部構成を示す要部断面模式図である。
【図3】従来の無水酢酸蒸留精製設備を示す構成図である。
【符号の説明】
A 原料液
B 製品無水酢酸
1 リボイラー
1a 胴部壁面(側壁面)
1b 流出口
2 蒸留塔
2a 胴部壁面(側壁面)
2b 流入口
3 精留塔
16 流出側バッフル
17 流入側バッフル

Claims (1)

  1. 蒸留塔と、精留塔とが設けられており、酢酸と無水酢酸との混合液が中間部に供給される蒸留塔と、蒸留塔からの罐出液を再沸して蒸留塔に流入させるリボイラーとを備えており、蒸留塔の底部側には、原料供給管の接続部位よりも下側の位置に、高沸ガス引出しラインが接続され、このラインを通して引き出されたガスが前記精留塔の底部側に供給されるように構成され、精留塔の頂部に、製品ガス凝縮器が介設された製品回収ラインが接続されている無水酢酸蒸留精製設備であって、
    (1)リボイラーが自然流下式薄膜蒸発器からかり、かつ
    (2)上記蒸留塔の側壁面には、上記リボイラーからの再沸ガスが流入する流入口の近傍に、この流入口を通して流入した上記再沸ガスの流れ方向を変化させる流入側バッフルが設けられており、かつ
    (3)上記リボイラーの側壁面には、再沸ガスが流出する流出口の近傍に、この流出口の上方を覆うと共にこの流出口の手前で再沸ガスが下側から上昇して流出口へ流れ込むように流れ方向を変化させる流出側バッフルが設けられている
    ことを特徴とする無水酢酸蒸留精製設備。
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