JP4322083B2 - スタンディングパウチ詰めレトルト粥の製造方法 - Google Patents

スタンディングパウチ詰めレトルト粥の製造方法 Download PDF

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本発明は、容器としてスタンディングパウチを用い工業的規模で生産しているにも拘らず、鍋等で炊飯した手作りお粥と同様の風味を有し、しかも製品毎に風味のばらつきが殆ど無いスタンディングパウチ詰めレトルト粥の製造方法に関する。特に、米と清水のみを用い米の風味がレトルト粥の風味に影響するレトルト白粥に好適なスタンディングパウチ詰めレトルト粥の製造方法に関する。
レトルト処理を施されたレトルト粥は、常温で長期間保存でき単に温めるだけで簡便に喫食することが可能であり、しかも低カロリーであることから、近年の健康志向により、その需要が増加している。これらの代表的な製造方法としては、洗米浸漬した精米と清水をレトルトパウチや缶詰め等の耐熱性容器に充填密封し、炊飯と殺菌を兼ねてレトルト処理を施す方法等が採られいる。また、近年、ゴミの減量化や使用勝手より、スタンディングパウチを包材として用いた製品が増加している。
しかしながら、このようなレトルト粥は、その製造工程にレトルト処理による過度の熱がかかることを避けられないことから、単に、洗米浸漬した精米と清水を用い上述の方法で製しただけでは、通常の鍋等で炊飯した手作りお粥に比べ風味が劣るという問題があった。
従来より、上述の方法で製し、レトルト粥の風味を改善することを目的とした製造方法に関する発明がいくつか提案されている。例えば、特許第2986243号公報(特許文献1)では、ヘッドスペース及び水中の酸素量、並びにレトルト処理のときの昇温条件を調整することによりレトルト粥の風味を改善している。また、特許第3224806号公報(特許文献2)では、酸素吸収層を有するアルミ箔パウチを用いて容器内の酸素量を調整することにより製造直後及び保存中のレトルト粥の風味を改善している。
スタンディングパウチを容器として用い工業的規模で製した市販のレトルト粥は、当該ヘッドスペースの平均容量を約3〜5mLとなるようにコントロールしている。このようにヘッドスペースをコントロールしている理由は、ヘッドスペースが大きいと、ヘッドスペース中に多くの酸素が存在するため、レトルト処理による過度の熱により米中の油脂等の成分が酸化されレトルト粥の風味が劣化することから、この風味劣化の原因である酸化反応を少なくするためである。また、ヘッドスペースが大きいと、ヘッドスペースが断熱材のように作用し、レトルト処理による殺菌が不十分となる場合があり、これより製品不良となることからこれを防止するためである。
一方、スタンディングパウチを容器として用い工業的規模で製するレトルト粥は、一般的にヘッドスペースのコントロールを清水が溢流しない程度にスタンディングパウチの側面を押圧して水位を上昇させて密封する方法で行っているが、ヘッドスペースを小さくなるようにコントロールすると、工業的規模では充填密封を毎分60〜70個と高速で行っており、スタンディングパウチは底部が広がる構造をしているので、米と清水を充填した際にパウチ底部の形状が一定せず、その結果、パウチ内の水位が一定しない。そのため、押圧の際にパウチより清水が溢流することが多々あり、シール部に米粒や米由来の微細物等が噛んだり挟むことより、シール不良(密封が不十分なこと)を生じる場合がある。したがって、このシール不良により、製品不良、又はレトルト処理中に破袋等を生じることから、これを防止するために、ヘッドスペースの平均容量を約3〜5mLとなるようにコントロールしている。
しかしながら、ヘッドスペースの平均容量を約3〜5mLとなるようにコントロールしているにも拘らずヘッドスペースのばらつきを観ると約1〜10mLと大きくばらついている。そのため、上述した容器内の酸素量を調整する従来技術を用いたとしても、ヘッドスペースが大きい製品と小さい製品を比較すると、その風味が明らかに差があり依然として製品により風味が大きくばらつくという問題があった。
また、レトルト粥のヘッドスペースを人為的に調整した場合でも、上述した従来技術により、確かに鍋等で炊飯した手作りお粥に近い風味のものが得られるものの依然として満足できる程の風味とは言い難いものであった。
特許第2986243号公報 特許第3224806号公報
そこで、本発明の目的は、容器としてスタンディングパウチを用い工業的規模で生産しているにも拘らず、鍋等で炊飯した手作りお粥と同様の風味を有し、しかも製品毎に風味のばらつきが殆ど無いスタンディングパウチ詰めレトルト粥の製造方法を提供するものである。
本発明者等は、上記目的を達成すべくレトルト粥の原料や充填密封方法等、様々な諸条件について鋭意研究を重ねた結果、特定の米を用い、且つ充填密封方法を特定の方法で行うことにより意外にも手作りお粥と同様の風味を有し、しかも製品毎に風味のばらつきが殆ど無いレトルト粥が得られることを見出し本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)米と清水をスタンディングパウチに充填し、清水が溢流しない程度にパウチを押圧して密封するスタンディングパウチ詰めレトルト粥の製造方法において、前記米として精米に対し清水を10%以下添加あるいは無添加の状態で除糠用粘着物質により糠層が除去された無洗米を用いて、13〜20%の水分とした無洗米をそのまま清水と共にパウチに充填し、パウチのヘッドスペースの大気を、最終製品のヘッドスペースの容量が実質的に0.5mL以下となるように蒸気置換した後、直ちに清水が溢流しない程度にパウチを押圧して密封するスタンディングパウチ詰めレトルト粥の製造方法、
(2)前記清水が60℃以上の熱水である(1)記載のスタンディングパウチ詰めレトルト粥の製造方法、
(3)前記レトルト粥がレトルト白粥である(1)又は(2)記載のスタンディングパウチ詰めレトルト粥の製造方法、である。
本発明の製造方法により得られたレトルト粥は、容器としてスタンディングパウチを用い工業的規模で生産しているにも拘らず、従来の方法で製されたレトルト粥と比べ、更に手作りお粥と同様の大変好ましい風味を有し、しかも製品毎に風味のばらつきが殆ど無いレトルト粥が得られることから、レトルト粥の更なる需要の拡大が期待される。
以下本発明を詳細に説明する。なお、本発明において「%」は「質量%」を、「部」は「質量部」をそれぞれ意味する。
本発明は、容器の底部が広がる構造を有し製品自体が自立性を有した耐熱性のスタンディングパウチ、好ましくはアルミニウム箔等によるガスバリア層を有したスタンディングパウチに充填され、食品の中心部の品温を120℃で4分間相当に加熱する又はこれと同等以上の効力を有する条件で処理する、いわゆるレトルト処理されたスタンディングパウチ詰めレトルト粥の製造方法である。本発明の製造方法は、従来の一般的な製造方法である米と清水をスタンディングパウチに充填し、清水が溢流しない程度にパウチを押圧して密封し、これをレトルト処理する製造方法において、まず、その原料である米が特定のものであり、また充填する米の状態に特徴を有する。つまり、本発明では、前記米として精米に対し清水を10%以下添加あるいは無添加の状態で除糠用粘着物質により糠層が除去された無洗米を用い、且つ充填する無洗米の状態を13〜20%の水分とすることに特徴を有する。
ここで、「糠層が除去された無洗米」とは、炊飯の準備の際に行う水洗作業を不要にしたいわゆる無洗米を言い、具体的には、水分含量が13〜16%、白度が40%以上、濁度が90ppm以下のものをいう。
無洗米の製造方法としては、様々な方法が知られている。例えば、特開2000−354773号公報等に記載されているような精米機によりとう精された精米を研磨ブラシで除糠する方法、特許第2615314号公報等に記載されているような精米を極めて短時間に水中とう精した後、脱水乾燥する方法、特許第3206752号公報等に記載されているような精米をタピオカ等の除糠用粘着物質を用いて除糠する方法、あるいは糠からなる除糠用粘着物質を用いて除糠する方法等が挙げられる。
これらの方法で製した無洗米は、実際に市販されているものもあり、本発明では、これらの無洗米のうち、精米に対し清水10%以下添加あるいは無添加の状態で除糠用粘着物質により糠層が除去された無洗米を用いる。前記除糠用粘着物質としては、精米表面の糠層を吸着する性質を有するものであれば、特に限定するものではないが、例えば、粟、稗、蕎麦、高梁、米、麦、タピオカ等の穀粒の粉砕物や米糠等が挙げられる。本発明で用いる無洗米は、これらの除糠用粘着物質を混合等の方法で精米と接触させ精米表面に残存する糠層を除去する際に、精米に対し清水を10%以下添加あるいは無添加の状態で行ったものである。具体的には、例えば、精米に対し清水を5%程度添加した状態でタピオカにより糠層を除去する(株)サタケ製のネオ・テイスティ・ホワイト・プロセス(NTWP)と称する無洗米製造装置で製せられたもの、あるいは米糠で糠層を除去する(株)東洋精米機製作所製のBG米装置と称する無洗米製造装置で製せられたもの等が挙げられる。
本発明は、後述する本発明の構成要件である特定水分量の無洗米を充填すること及び蒸気置換を行うことを満たす必要があるが、上述した特定の無洗米を用いることで手作り品と同様の風味を有する大変好ましいレトルト粥が得られる。一方、後述の比較例で示すように、本発明の除糠用粘着物質を用いずに研磨ブラシで除糠する方法で製した無洗米、あるいは精米に対して清水を10%超添加した状態で除糠する方法で製した無洗米を用いた場合は、手作り品と同様の風味を有するレトルト粥が得られ難く好ましくない。
なお、前記無洗米の水分含量は、常法である105℃での乾燥法により蒸発した水分の試料全量に対する質量比を求めた値であり、本発明では、他の無洗米の水分含量も同様の方法で求めた値である。また、白度は、白度計を用いて測定した値である。そして、濁度は、洗米水濁度試験、すなわち、15℃の水200mlに20gの試料米を入れ、10分間振とうし、その液50mlを採取して10倍に希釈した液を濁度計を用いて測定した値である。
通常、お粥を含めた米飯類に無洗米を用いる場合でも、清水で30分間以上(室温の清水を用いた場合)浸漬処理する等、ある程度吸水させた無洗米を用いることが美味しい米飯を炊飯するためには必要と言われており、特許文献1及び2も精米に対し1.1倍量となるように吸水させた米(水分含量=約23%)を用いているが、本発明においては、充填する際の無洗米の状態として水分13〜20%のものを用いることが肝要である。無洗米の水分が20%より多いと、当該水分がレトルト処理による炊飯の際の米粒の状態に影響したためか、あるいは充填機で充填する際の物理的な衝撃によって米粒が傷付き易いためか、後述の比較例に示すように手作り品と同様の風味を有するレトルト粥が得られ難く好ましくない。
無洗米の水分を13〜20%の状態に調整する方法としては、特に限定するものではないが、例えば、無洗米の水分が13〜16%であることから、無洗米を清水に浸漬処理等、吸水させずにそのまま用いる方法、あるいは水分含量が20%を超えない程度に無洗米を清水に短時間浸漬する方法等が挙げられる。特に、無洗米を吸水させずにそのまま用いる方法は、手作り品と同様の風味を有するレトルト粥が得られ易く好ましい。
本発明は、上述したとおり特定の無洗米を特定水分量の状態で清水と共にスタンディングパウチに充填することを特徴とするが、本発明では、更に当該充填物のヘッドスペースの大気を蒸気で置換することを特徴とする。ここで用いる蒸気は、水を加熱して蒸気に変換するスチーム発生装置等で製した蒸気等、常法により製した蒸気を用いれば良く、本発明においては、蒸気は最終的に冷却され水となりお粥の清水の一部となることから、異物等が混入しないように注意する必要がある。また、ヘッドスペースの大気を蒸気に置換する方法は、窒素置換と同様、ヘッドスペースに蒸気を吹きつけて行えば良く、吹きつけの風速は、吹きつけにより内容物の米や清水が飛び散り、シール部に米粒や米由来の微細物等が付着し、その後の密封でシール不良(密封が不十分なこと)が問題とならない程度に行うと良い。
また、蒸気置換における蒸気の量は、ヘッドスペースの大気を実質的に蒸気置換する程度に行うことが好ましい。これより、より手作り品と同様の風味を有し、しかもより製品毎に風味のばらつきが殆ど無い製品が得られる。ここで、ヘッドスペースの大気を実質的に蒸気置換するとは、最終的に蒸気は冷却され水となることから、最終製品において当該ヘッドスペースの容量が0.5mL以下となるように蒸気置換することを意味する。特に、最終製品のヘッドスペースの容量を0.1mL以下となるように蒸気置換するとより好ましい。なお、本発明では、本発明の効果を損わない範囲で、蒸気置換に加え窒素、アルゴン等の不活性ガスによる置換も併用しても良い。
また、本発明で使用する清水は、レトルト粥で一般的に使用されている清水、例えば、水道水、イオン交換水、蒸留水、ミネラルウォータ、ナチュラルウォーター、ナチュラルミネラルウォーター、海洋深層水、又はこれらの清水を加温した温水、熱水等を用いれば良く、本発明では特に限定するものではないが、60℃以上の熱水を用いることが好ましい。その理由は、ヘッドスペースの大気を蒸気置換するために蒸気を吹き込むが、60℃以上の熱水を用いるならば、室温の水に比べ蒸気が水に変換され難く、工業的規模で大量に生産する場合、得られた製品のヘッドスペースをコントロールし易いからである。
以上、述べたとおり本発明は、特定の無洗米を特定水分量の状態で清水と共にスタンディングパウチに充填後、ヘッドスペースの大気を蒸気置換することにより、はじめて工業的規模で生産しているにも拘らず手作り品と同様の風味を有し、しかも製品毎の風味のばらつきが殆ど無い大変好ましいレトルト粥が得られる。なお、本発明は、白粥も含め、例えば、タマゴ粥、梅粥、シャケ粥等種々の粥に用いることができるが、本発明は米の風味に着眼したレトルト粥の風味改善であるから、米と水のみを用いたレトルト白粥に好適である。
次に本発明の代表的な製造方法を示す。まず本発明で用いる代表的な製造装置に関し、レトルト粥も含め工業的規模で固形と液を高速でパウチに充填し密封する食品の製造は、通常、充填と密封が一体となったロータリー式充填包装機を使用しており、当該装置には、清水が溢流しない程度にパウチを押圧する装置が装備されており、本発明でもこのような装置を用いると良い。また、本発明は、充填前にスチーム発生装置で製した蒸気を米と水を充填したパウチに吹き込みヘッドスペースの大気を蒸気置換することから、前記ロータリー式充填包装機に蒸気吹き込み装置が装備したものを用いる。また、レトルト処理は、食品の加圧加熱殺菌で使用しているバッチ式、又は連続式の加圧加熱(レトルト)殺菌機を用いると良い。
次に工程に沿って本発明の代表的な製造方法を説明すると、まず13〜20%の水分に調整した無洗米及び清水を準備する。無洗米は、精米に対し清水を10%以下添加あるいは無添加の状態で除糠用粘着物質により糠層が除去された市販の無洗米を選択し、次に前記無洗米を13〜20%の水分に調整するが、本発明では、好ましくは前記無洗米(水分含量が13〜16%)をそのまま用いる。また、清水は、そのまま用いても良いが、好ましくは60℃以上に加温した熱水を用いる。次に、前記13〜20%に調整した無洗米はロータリー式充填包装機のホッパーに、清水はストックタンクに移す。そして、例えば、五分粥の場合は、前記13〜20%に調整した無洗米を無洗米換算で約20〜30g、及び清水を無洗米の約9倍量を1食分としてスタンディングアルミパウチに充填する。次に、この充填物にスチーム発生装置で製した蒸気を、内容物の米や清水が飛び散らない程度の風速で、ヘッドスペースの大気が実質的に蒸気置換できる量を吹き込み蒸気置換した後、直ちに清水が溢流しない程度にパウチを押圧して密封する。そして、この密封物を炊飯と殺菌を兼ねてレトルト処理を施す。なお、本発明は、上述した代表的な製造方法に限定するものではない。
以下、本発明のスタンディングパウチ詰めレトルト粥の製造方法について、実施例及び比較例に基き具体的に説明する。なお、本発明は、これらの実施例に限定するものではない。
[実施例1]
精米に対し清水5%程度添加した状態で、タピオカにより糠層が除去された無洗米[(株)サタケ性のNTWPと称される無洗米製造装置で製された無洗米、水分含量約15%]、70℃に加温した熱水を準備した。次に、無洗米をロータリー式充填包装機のホッパーに、清水はストックタンクに移した。そして、無洗米25g、及び清水225gをスタンディングアルミパウチに充填した。次に、この充填物にスチーム発生装置[(株)日阪製作所製]で製した蒸気を、内容物の無洗米や清水が飛び散らない程度の速度で、ヘッドスペースの大気が実質的に蒸気置換できる量を吹き込み蒸気置換した後、直ちに清水が溢流しない程度にパウチを押圧して密封した。そして、この密封物を炊飯と殺菌を兼ねて加圧加熱(レトルト)殺菌機を用い120℃で20分間の条件でレトルト処理を施し、スタンディングパウチ詰めレトルト白粥を1000袋製した。
得られたレトルト白粥100袋をランダムに選択し、ヘッドスペースの容量を調べたところ、いずれも0.1mL以下であった。また得られたレトルト白粥20袋を温めて食したところ手作り品と同様の大変好ましい風味を有し、しかも製品毎に風味のばらつきも無かった。
なお、手作り品は、精米30gを洗米し1時間水浸漬したものを土鍋に入れ、これに、合計配合量が330gになるように清水を加えた。そして、蓋をして最初強火にかけ、沸騰してきたら弱火にして吹きこぼれないように蓋をずらして仕上がり重量が約300gとなるように約50分間炊いて製した。以後の実施例及び比較例の手作り品も上述の方法で製した。
[実施例2]
実施例1のスタンディングパウチに充填する無洗米及び70℃の熱水において、無洗米として、米糠で糠層が除去された無洗米[(株)東洋精米機製作所製のBG米装置と称される無洗米製造装置で製された無洗米、水分含量約15%]を用い、この無洗米を短時間水浸漬した後、水切りした水分18%の無洗米、及びスタンディングパウチへの総充填量が250gとなるように調整した約25℃の清水を用いた他は、実施例1と同じ方法でスタンディングパウチ詰めレトルト白粥を1000袋製した。
得られたレトルト白粥100袋をランダムに選択し、ヘッドスペースの容量を調べたところ、0.2〜0.3mLのものが4袋あったものの、その他はいずれも0.1mL以下であった。また得られたレトルト白粥20袋を温めて食したところ手作り品と同様の好ましい風味を有し、しかも製品毎に風味のばらつきも殆ど無かった。
[比較例1]
実施例1において、無洗米として、精米に対し清水15%程度添加した状態で糠層が除去された無洗米[(株)サタケ製のスーパージフライス装置と称される無洗米製造装置で製せられた無洗米、水分含量約15%]を用いた他は、実施例1と同じ方法でスタンディングパウチ詰めレトルト白粥を1000袋製した。
得られたレトルト白粥100袋をランダムに選択し、ヘッドスペースの容量を調べたところ、いずれも0.1mL以下であった。また得られたレトルト白粥20袋を温めて食したところ、製品毎に風味のばらつきは殆ど無かったが、手作り品と同様の風味を有するとは言い難いものであった。
[比較例2]
実施例1において、無洗米として、研磨ブラシで糠層が除去された無洗米[(株)クボタ製のリ・フレと称される無洗米製造装置で製せられた無洗米、水分含量約15%]を用いた他は、実施例1と同じ方法でスタンディングパウチ詰めレトルト白粥を1000袋製した。
得られたレトルト白粥100袋をランダムに選択し、ヘッドスペースの容量を調べたところ、いずれも0.1mL以下であった。また得られたレトルト白粥20袋を温めて食したところ、製品毎に風味のばらつきは殆ど無かったが、手作り品と同様の風味を有するとは言い難いものであった。
[比較例3]
実施例1のスタンディングパウチに充填する無洗米及び70℃の熱水において、実施例1に無洗米を用い、この無洗米を水浸漬した後、水切りした水分23%の無洗米、及びスタンディングパウチへの総充填量が250gとなるように調整した清水(70℃)を用いた他は、実施例1と同じ方法でスタンディングパウチ詰めレトルト白粥を1000袋製した。
得られたレトルト白粥100袋をランダムに選択し、ヘッドスペースの容量を調べたところ、いずれも0.1mL以下であった。また得られたレトルト白粥20袋を温めて食したところ、製品毎に風味のばらつきは殆ど無かったが、手作り品と同様の風味を有するとは言い難いものであった。
[比較例4]
実施例1の蒸気置換において、窒素置換を行った他は、実施例1と同じ方法でスタンディングパウチ詰めレトルト白粥を1000袋製した。
得られたレトルト白粥100袋をランダムに選択し、ヘッドスペースの容量を調べたところ、1.4〜10.2mLとばらついていた。また得られたレトルト白粥20袋を温めて食したところ、手作り品と同様の風味をほぼ有するものと明らかに同様な風味を有するものと言い難いものがあり、製品毎に風味がばらついていた。
精米に対し清水を10%以下添加あるいは無添加の状態で除糠用粘着物質により糠層が除去された無洗米を用いて、13〜20%の水分とした無洗米と清水をパウチに充填し、ヘッドスペースの大気を蒸気置換した後、密封した実施例1又は2で得られたレトルト粥は、精米に対し清水を10%以下添加あるいは無添加の状態で除糠用粘着物質により糠層が除去された無洗米以外の無洗米を用いた比較例1及び2、20%超の水分とした無洗米を用いた比較例3、並びに蒸気置換でなく窒素置換した比較例4で得られたそれぞれのレトルト粥と比較し、容器としてスタンディングパウチを用い工業的規模で生産しているにも拘らず、鍋等で炊飯した手作りお粥と同様の風味を有し、しかも製品毎に風味のばらつきが殆ど無い好ましいものであることが理解される。

Claims (3)

  1. 米と清水をスタンディングパウチに充填し、清水が溢流しない程度にパウチを押圧して密封するスタンディングパウチ詰めレトルト粥の製造方法において、前記米として精米に対し清水を10%以下添加あるいは無添加の状態で除糠用粘着物質により糠層が除去された無洗米を用いて、13〜20%の水分とした無洗米をそのまま清水と共にパウチに充填し、パウチのヘッドスペースの大気を、最終製品のヘッドスペースの容量が実質的に0.5mL以下となるように蒸気置換した後、直ちに清水が溢流しない程度にパウチを押圧して密封することを特徴とするスタンディングパウチ詰めレトルト粥の製造方法。
  2. 前記清水が60℃以上の熱水であることを特徴とする請求項1記載のスタンディングパウチ詰めレトルト粥の製造方法。
  3. 前記レトルト粥がレトルト白粥であることを特徴とする請求項1又は2記載のスタンディングパウチ詰めレトルト粥の製造方法。
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