JP4080475B2 - レトルト白がゆの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、簡易な製造方法で製せられており、しかも得られたレトルト白がゆは、レトルト処理を施されているにも拘らず、鍋等で炊飯した手作りの白がゆと同様、米粒の粒残りに優れたレトルト白がゆの製造方法に関する。
レトルト処理を施されたレトルト粥は、常温で長期間保存でき、単に温めるだけで簡便に喫食することが可能であり、しかも低カロリーであることから、近年の健康志向により、その需要が増加している。これらの代表的な製造方法としては、例えば、特許第2986243号公報(特許文献1)には、レトルト白がゆとして、洗米浸漬した精米と清水をレトルトパウチ等の耐熱性容器に充填密封し、炊飯と殺菌を兼ねてレトルト処理を施す方法等が採られいる。
しかしながら、このようなレトルト粥は、その製造工程において、レトルト処理による過度の熱がかかることを避けられないことから、単に、洗米浸漬した精米と清水を用いて炊飯と殺菌とを兼ねてレトルト処理を施す方法で製しただけで得られたレトルト粥は、通常の鍋等で炊飯した手作りお粥に比べ米粒の粒残りが悪い。特に、レトルト白がゆにおいては、崩れた米粒が多数観察されるという問題があった。
このように、レトルト白がゆの米粒が崩れ易いのは、レトルト処理が施されたレトルト白がゆ以外のお粥、例えば、梅がゆ、鮭がゆ、あるいは卵がゆ等は、具材としてそれぞれ梅、塩鮭、卵等が配合され、場合によっては、更に食塩等の調味料や添加物等が配合されている。一方、レトルト白がゆは、米本来の風味を重視するお粥であることから、一般的に米と清水のみを原料としている。そのため、レトルト白がゆ以外のレトルト粥は、具材等に由来する塩や有機酸等を含有することとなることにより、これらの成分がレトルト処理による過度の熱による米粒の崩れをある程度防止するのに対し、レトルト白がゆは、具材等に由来する塩や有機酸等を含有していないため、米粒が崩れ易いのではないかと推定される。
レトルト粥の状態改善に関する発明は、既にいくつか提案されている。例えば、特開昭57−155958号公報(特許文献2)には、既にレトルト粥が糊状となることを防止した形態に優れたレトルト粥の製造方法が提案されている。特許文献2に開示の製造方法は、生米1部に対して水または調味料を6〜10部の割合で耐熱容器である缶に充填密封後、密封品の中心温度を65〜95℃として5分間〜30分間加熱し、ついで中心温度が65℃以下になるように冷却した後、レトルト処理を施すもので、特許文献2の方法は、1次加熱を行った後に冷却し、そしてレトルト処理を施している。また、同文献の実施例では、生米40gを軽く水洗いし、この洗米と清水269g(生米1部に対し7部弱)に精製塩1gを溶解した水溶液とを用いたレトルト粥が記載されている。
そこで、本発明者は、特許文献2に開示の発明の効果を確認すべく、前記実施例において、一般的な白がゆの配合である精製塩を除いた、つまり洗米と清水のみの配合で追試を行った。また、参考までに、精製塩を除き、且つ洗米への吸水量を考慮して清水を生米1部に対し9部となるように調整した5分粥の配合としたもので前記実施例を追試した。なお、5分粥は、土鍋等で製する場合、生米1部に対し清水10部の配合で行うが、炊飯の際に10部の内、1部程度が蒸発するため、レトルト粥の場合は、その分を考慮した水量としている。
その結果、洗米した生米と清水を缶に充填密封した後、同条件でレトルト処理を施して製したものに比べ、特許文献2開示の方法で製したものは、米粒の崩れはある程度改善されているものの、手作り品と同様、米粒の粒残りがあるとは言い難く、更に、清水量を多くした5分粥においては、米粒の崩れが多くなる傾向があり、依然として米粒の崩れが多数観察され、未だ満足できるものではなかった。
特許第2986243号公報 特開昭57−155958号公報
そこで、本発明の目的は、簡易な製造方法で製せられており、しかも得られたレトルト白がゆは、レトルト処理を施されているにも拘らず、鍋等で炊飯した手作りお粥と同様、米粒の粒残りに優れたレトルト白がゆの製造方法を提供するものである。
本発明者等は、上記目的を達成すべく原料の米や各工程等、様々な諸条件について鋭意研究を重ねた結果、特定の米及び清水を用い、且つこれらの原料をホットパック充填した後に特定品温以下となるように冷却し、炊飯と殺菌を兼ねて特定条件でレトルト処理を施すという簡易な方法で、意外にも手作りお粥と同様、米粒の粒残りに優れたレトルト白がゆが得られることを見出し本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1) 米と清水を耐熱性容器に充填し、レトルト処理を施すレトルト白がゆの製造方法において、前記米として精米に対し清水を10%以下添加あるいは無添加の状態で除糠用粘着物質を用い糠層が除去された無洗米、及び前記清水として80℃以上の熱水をそれぞれ用いて、13〜20%の水分とした無洗米と前記熱水を耐熱性容器に充填密封し、該密封物をそのまま中心部の品温が60℃以下となるように冷却した後、115〜120℃で10〜30分の殺菌条件でレトルト処理を施すレトルト白がゆの製造方法、
(2) 無洗米1部に対し清水を8部以上配合する(1)のレトルト白がゆの製造方法、
である。
本発明のレトルト白がゆは、簡易な製造方法で製せられており、しかも得られたレトルト白がゆは、炊飯と殺菌を兼ねて100℃以上のレトルト処理を施しているにも拘らず、従来の方法で製されたレトルト白がゆと比べ、手作りお粥と同様、米粒の粒残りに優れたものであることから、レトルト白がゆの生産効率の改善、並びにレトルト白がゆの更なる需要の拡大が期待される。
以下本発明を詳細に説明する。なお、本発明において「%」は「質量%」を、「部」は「質量部」をそれぞれ意味する。
本発明は、米と清水を原料とし、これらの原料を耐熱性容器、例えば、缶、レトルトパウチ、好ましくはアルミニウム箔等によるガスバリア層を有したアルミパウチ等のガスバリア層含有耐熱性パウチ、あるいは自立性を有したスタンディングパウチ等に充填密封され、炊飯と殺菌を兼ねて食品の中心部の品温を120℃で4分間相当加熱する又はこれと同等以上の効力を有する条件で処理する、いわゆるレトルト処理されたレトルト白がゆの製造方法である。本発明の製造方法は、まず、使用原料である米が特定のものであり、また耐熱性容器に充填する際の米の状態に特徴を有する。つまり、本発明では、米として精米に対し清水を10%以下添加あるいは無添加の状態で除糠用粘着物質により糠層が除去された無洗米を用い、且つ耐熱性容器に充填する際の無洗米の状態を13〜20%の水分とすることに特徴を有する。
ここで、「糠層が除去された無洗米」とは、炊飯の準備の際に行う水洗作業を不要にしたいわゆる無洗米を言い、具体的には、水分含量が13〜16%、白度が40%以上、濁度が90ppm以下のものをいう。
無洗米の製造方法としては、様々な方法が知られている。例えば、特開2000−354773号公報等に記載されているような精米機によりとう精された精米を研磨ブラシで除糠する方法、特許第2615314号公報等に記載されているような精米を極めて短時間に水中とう精した後、脱水乾燥する方法、特許第3206752号公報等に記載されているような精米をタピオカ等の除糠用粘着物質を用いて除糠する方法、あるいは糠からなる除糠用粘着物質を用いて除糠する方法等が挙げられる。
これらの方法で製した無洗米は、実際に市販されているものもあり、本発明では、これらの無洗米のうち、精米に対し清水10%以下添加あるいは無添加の状態で除糠用粘着物質により糠層が除去された無洗米を用いる。前記除糠用粘着物質としては、精米表面の糠層を吸着する性質を有するものであれば、特に限定するものではないが、例えば、粟、稗、蕎麦、高梁、米、麦、タピオカ等の穀粒の粉砕物や米糠等が挙げられる。本発明で用いる無洗米は、これらの除糠用粘着物質を混合等の方法で精米と接触させ精米表面に残存する糠層を除去する際に、精米に対し清水を10%以下添加あるいは無添加の状態で行ったものである。具体的には、例えば、精米に対し清水を5%程度添加した状態でタピオカにより糠層を除去する(株)サタケ製のネオ・テイスティ・ホワイト・プロセス(NTWP)と称する無洗米製造装置で製せられたもの、あるいは米糠で糠層を除去する(株)東洋精米機製作所製のBG米装置と称する無洗米製造装置で製せられたもの等が挙げられる。
本発明は、後述する本発明の構成要件である耐熱性容器に充填する際に特定水分量の無洗米及び特定の清水を用いること、並びにこれらの原料の充填密封物を特定品温以下に冷却すること、並びに特定条件でレトルト処理を施すことによりはじめて本発明の効果を奏するものであるが、上述した特定の無洗米を用いることで手作り品と同様、米粒の粒残りに優れた大変好ましいレトルト白がゆが得られる。一方、後述の比較例で示すように、本発明の除糠用粘着物質を用いずに研磨ブラシで除糠する方法で製した無洗米、あるいは精米に対して清水を10%超添加した状態で除糠する方法で製した無洗米を用いた場合は、崩れた米粒が多数観察され、米粒の粒残りに優れたレトルト白がゆが得られ難く好ましくない。
なお、前記無洗米の水分含量は、常法である105℃での乾燥法により蒸発した水分の試料全量に対する質量比を求めた値であり、本発明では、他の無洗米の水分含量も同様の方法で求めた値である。また、白度は、白度計を用いて測定した値である。そして、濁度は、洗米水濁度試験、すなわち、15℃の水200mlに20gの試料米を入れ、10分間振とうし、その液50mlを採取して10倍に希釈した液を濁度計を用いて測定した値である。
本発明は、上述した精米に対し水を10%以下添加あるいは無添加の状態で除糠用粘着物質を用い糠層が除去された無洗米を用いることに加え、更に充填する際の無洗米の状態として水分13〜20%のものを用いることが肝要である。充填する際の無洗米の状態として水分の上限を20%としたのは、通常、お粥を含めた米飯類を炊飯するには、まず精米を水洗いにより精米表面の糠層を除去し、必要に応じ水浸漬を行い、これらの工程で生米に吸水させることで美味しい米飯類を炊飯することができると言われており、特許文献1においても精米に対し1.25倍量となるように吸水させた米(水分含量=約32%)を用いている。また無洗米を用いる場合でも、同様にある程度吸水させた無洗米を用いることが美味しい米飯類を炊飯すると言われている。
しかしながら、上述した無洗米の水分を20%より多くすると、当該水分が炊飯を兼ねたレトルト処理する際に米粒の状態に影響するためか、後述の比較例に示すように米粒の粒残りに優れたレトルト粥が得られ難く好ましくないのに対し、無洗米の水分を13〜20%としたものは、意外にも手作り品と同様、米粒の粒残り優れたレトルト粥が得られ好ましい。
本発明において、無洗米の水分を13〜20%の状態に調整する方法としては、特に限定するものではないが、例えば、無洗米の水分が13〜16%であることから、無洗米を清水に浸漬処理等による吸水を行うことなくそのまま用いる方法、あるいは水分含量が20%を超えない程度に無洗米を清水に短時間浸漬する方法等が挙げられる。特に、無洗米を吸水させずにそのまま用いる方法は、米粒の粒残りが特に優れ好ましい。
さらに、本発明は、原料として使用する清水に特徴を有する。つまり、本発明において使用する清水の種類は、レトルト粥で一般的に使用されている清水、例えば、水道水、イオン交換水、蒸留水、ミネラルウォータ、ナチュラルウォーター、ナチュラルミネラルウォーター、海洋深層水、あるいはこれらの清水から酸素を除去した脱気水、窒素等の不活性ガスを含気させた含気水等を用いれば良いが、本発明は、これらの清水を加温して80℃以上にした熱水を用いることを特徴とする。使用する清水が、80℃より低い水温のものであると、後述の比較例で示すように本発明の他の構成要件を満たしたとしても、崩れた米粒が依然として多数観察され、米粒の粒残りに優れたレトルト白がゆが得られ難く好ましくない。
本発明の製造方法で使用する米及び清水について詳述したが、本発明は、更に、13〜20%の水分とした無洗米と80℃以上の熱水をレトルトパウチ等の耐熱性容器に充填密封、即ち、ホットパック充填した後、この密封物を中心部の品温が60℃以下となるように冷却することを特徴とする。冷却方法としては、特に限定するものでなく、空冷、水冷、室温放置等、任意の方法で行うと良い。ホットパック充填した密封物を冷却することにより、手作り品と同様、米粒の粒残りに優れたレトルト白がゆが得られるのに対し、ホットパック充填した後、直ちにレトルト処理を施すと、100℃以上で加圧加熱を施すレトルト処理の過度の熱により米粒が崩れ易く、米粒の崩れを充分に防止することができないことから、粒残りに優れたレトルト白がゆが得られ難く好ましくないからである。なお、本発明においては、本発明の効果を損わない範囲でホットパック充填する際に、ヘッドスペースの大気を例えば、窒素置換、あるいは蒸気置換等を行っても良い。
また、本発明は、得られた冷却物を特定殺菌条件でレトルト処理を施すことを特徴とする。具体的には、本発明は、115〜120℃で30分以内の殺菌条件でレトルト処理を行う。ここで、殺菌条件とは、加圧加熱(レトルト)殺菌機で殺菌を行う際の殺菌機の殺菌設定条件を意味する。殺菌条件が上記条件を外れると、後述の比較例で示すように本発明の他の構成要件を満たしたとしても、崩れた米粒が依然として多数観察され、米粒の粒残りに優れたレトルト白がゆが得られ難く好ましくない。なお、本発明では、殺菌処理時間の下限値は特に規定していないが、食品衛生法の「容器包装詰加圧加熱殺菌食品(レトルト食品)」を満たすための殺菌条件である「食品の中心部の品温を120℃で4分間相当加熱する又はこれと同等以上の効力を有する条件で処理する」ことを満たすため10分以上行うと良い。
以上、述べたとおり本発明の製造方法は、特定の無洗米を特定水分量の状態で80℃以上の清水と共に耐熱性容器に充填密封し、特定品温以下に冷却した後、特定条件でレトルト処理を施すという簡易な製造方法であり、しかも得られたレトルト白がゆは、レトルト処理を施されているにも拘らず、鍋等で炊飯した手作りの白がゆと同様、米粒の粒残りに優れたものが得られる。具体的な米粒の粒残りの程度としては、JIS(日本工業規格)Z−8801−1966の標準フルイを用い後述の試験方法で行ったとき、目開き0.59mmのフルイ上に残る米粒(崩れた微細な米の破片も含んでいる。また、濾液はほぼおも湯である)の総質量に対し目開き3.36mmのフルイ上に残る米粒(米粒の原形をほぼ留めている)の総質量が、後述の結果では、手作り品が90%程度に対し本発明で得られるものは80%程度であった。また、レトルト処理の過度の熱による米粒の崩れは、配合する清水量が多い程、生じ易いことから、本発明のレトルト白がゆは、生米1部に対し清水を8部以上配合するような清水量が多いレトルト白がゆに好適であり、本発明の製造方法では、無洗米1部に対し清水を8部以上となる。
以下、本発明のレトルト白がゆの製造方法について、実施例及び比較例に基き具体的に説明する。なお、本発明は、これらの実施例に限定するものではない。
[米粒の粒残り試験]
以下の実施例及び比較例で得られたそれぞれのレトルト白がゆをランダムに3個選択し、これを試料とする。また、目開き0.59mm及び3.36mmのJIS(日本工業規格)Z−8801−1966の標準フルイを準備した。
まず、試料を10倍量の清水中で分散させ、この分散物の全量を目開き3.36mmのフルイで濾過し、濾液部中でフルイ上に残存した米粒をフルイを軽く振動させて洗浄し、残存した米粒(ほぼ米粒の原形を留めている)同士がほぼ重ならないようにした。そして、フルイの裏側よりキムタオル(登録商標)を用いて余分な水分を除き、目開き3.36mmのフルイ上に残る米粒の総質量を計測した。次に、前記濾液部を目開き0.59mmのフルイで濾過し、前述と同様、濾液部(ほぼおも湯状態である)中でフルイ上に残存した米粒をフルイを軽く振動させて洗浄し、残存した米粒(崩れた微細な米の破片も含む)がフルイのほぼ全面に広がるようにした。そして、フルイの裏側よりキムタオル(登録商標)を用いて余分な水分を除き、目開き0.59mmのフルイ上に残る米粒の質量を計測し、この質量と前記目開き3.36mmのフルイ上に残存した米粒の質量と合わせて目開き0.59mmのフルイ上に残る米粒の総質量とした。得られたそれぞれの総質量により、各試料の目開き0.59mmのフルイ上に残る米粒の総質量に対する目開き3.36mmのフルイ上に残る米粒の総質量の割合を算出し、その平均を求めた。
[参考例]
手作りのお粥(5分粥)を製した。つまり、精米30gを洗米し1時間水浸漬した吸水米(水分含量約30%)を土鍋に入れ、これに、合計配合量が330gになるように清水を加えた。そして、蓋をして最初強火にかけ、沸騰してきたら弱火にして吹きこぼれないように蓋をずらして約50分間炊いて製した。
得られた手作りのお粥について「米粒の粒残り試験」を行ったところ、目開き0.59mmのフルイ上に残る米粒の総質量に対する目開き3.36mmのフルイ上に残る米粒の総質量の割合は、90%であった。
[実施例1]
精米に対し清水5%程度添加した状態で、タピオカにより糠層が除去された無洗米[(株)サタケ製のNTWPと称される無洗米製造装置で製された無洗米、水分含量約15%]、清水を90℃に加温した熱水を準備した。次に、25gの無洗米をそのまま90℃の熱水225gと共にスタンディングアルミパウチに充填密封した後、この密封物を水温が約25℃の水浴に投入して30分〜60分冷却し、密封物の中心部の品温を60℃以下とした。そして、この冷却物を炊飯と殺菌とを兼ねて加圧加熱(レトルト)殺菌機を用い118℃で20分間の殺菌条件でレトルト処理を施し、レトルト白がゆを製した。
得られたレトルト白がゆは、手作り品と同様、米粒の粒残りに優れていた。具体的には「米粒の粒残り試験」を行ったところ、目開き0.59mmのフルイ上に残る米粒の総質量に対する目開き3.36mmのフルイ上に残る米粒の総質量の割合は、83%であった。
[実施例2]
実施例1のスタンディングパウチに充填密封する無洗米及び清水を90℃に加温した熱水において、無洗米25gとして、米糠で糠層が除去された無洗米[(株)東洋精米機製作所製のBG米装置と称される無洗米製造装置で製された無洗米、水分含量約15%]25gを用い、この無洗米を短時間水浸漬した後、水切りした水分18%の無洗米、及びスタンディングパウチへの総充填量が250gとなるように調整した85℃の清水を用いた他は、実施例1と同じ方法でレトルト白がゆを製した。
得られたレトルト白がゆは、手作り品と同様、米粒の粒残りに優れていた。具体的には「米粒の粒残り試験」を行ったところ、目開き0.59mmのフルイ上に残る米粒の総質量に対する目開き3.36mmのフルイ上に残る米粒の総質量の割合は、80%であった。
[比較例1]
精米を洗米し1時間水浸漬した吸水米(水分含量約30%)と清水(室温)を準備した。精米1部に対し清水9部、かつ総充填量が250gとなるように前記吸水米と清水をスタンディングアルミパウチに充填密封した。そして、この密封物を炊飯と殺菌を兼ねて加圧加熱(レトルト)殺菌機を用い118℃で20分間の殺菌条件でレトルト処理を施し、レトルト白がゆを製した。
得られたレトルト白がゆは、崩れた米粒が多数観察された。具体的には「米粒の粒残り試験」を行ったところ、目開き0.59mmのフルイ上に残る米粒の総質量に対する目開き3.36mmのフルイ上に残る米粒の総質量の割合は、49%であった。
[比較例2]
実施例1において、無洗米として、精米に対し清水15%程度添加した状態で糠層が除去された無洗米[(株)サタケ製のスーパージフライス装置と称される無洗米製造装置で製せられた無洗米、水分含量約15%]を用いた他は、実施例1と同じ方法でレトルト白がゆを製した。
得られたレトルト白がゆは、依然として崩れた米粒が多数観察され、米粒の粒残りに優れているとは言い難いものであった。具体的には「米粒の粒残り試験」を行ったところ、目開き0.59mmのフルイ上に残る米粒の総質量に対する目開き3.36mmのフルイ上に残る米粒の総質量の割合は、59%であった。
[比較例3]
実施例1において、無洗米として、研磨ブラシで糠層が除去された無洗米[(株)クボタ製のリ・フレと称される無洗米製造装置で製せられた無洗米、水分含量約15%]を用いた他は、実施例1と同じ方法でレトルト白がゆを製した。
得られたレトルト白がゆは、依然として崩れた米粒が多数観察され、米粒の粒残りに優れているとは言い難いものであった。具体的には「米粒の粒残り試験」を行ったところ、目開き0.59mmのフルイ上に残る米粒の総質量に対する目開き3.36mmのフルイ上に残る米粒の総質量の割合は、57%であった。
[比較例4]
実施例1のスタンディングパウチに充填密封する無洗米及び清水を90℃に加温した熱水において、無洗米25gは実施例1と同じものを用い、この無洗米を水浸漬した後、水切りした水分25%の無洗米、及びスタンディングパウチへの総充填量が250gとなるように調整した熱水(90℃)を用いた他は、実施例1と同じ方法でレトルト白がゆを製した。
得られたレトルト白がゆは、依然として崩れた米粒が多数観察され、米粒の粒残りに優れているとは言い難いものであった。具体的には「米粒の粒残り試験」を行ったところ、目開き0.59mmのフルイ上に残る米粒の総質量に対する目開き3.36mmのフルイ上に残る米粒の総質量の割合は、53%であった。
[比較例5]
実施例1において、清水を90℃に加温した熱水に替えて60℃の熱水を用いた他は、実施例1と同じ方法でレトルト白がゆを製した。
得られたレトルト白がゆは、依然として崩れた米粒が多数観察され、米粒の粒残りに優れているとは言い難いものであった。具体的には「米粒の粒残り試験」を行ったところ、目開き0.59mmのフルイ上に残る米粒の総質量に対する目開き3.36mmのフルイ上に残る米粒の総質量の割合は、59%であった。
[比較例6]
実施例1において、殺菌条件を112℃で50分間とした他は、実施例1と同じ方法でレトルト白がゆを製した。
得られたレトルト白がゆは、依然として崩れた米粒が多数観察され、米粒の粒残りに優れているとは言い難いものであった。具体的には「米粒の粒残り試験」を行ったところ、目開き0.59mmのフルイ上に残る米粒の総質量に対する目開き3.36mmのフルイ上に残る米粒の総質量の割合は、57%であった。
[比較例7]
実施例1において、殺菌条件を124℃で20分間とした他は、実施例1と同じ方法でレトルト白がゆを製した。
得られたレトルト白がゆは、依然として崩れた米粒が多数観察され、米粒の粒残りに優れているとは言い難いものであった。具体的には「米粒の粒残り試験」を行ったところ、目開き0.59mmのフルイ上に残る米粒の総質量に対する目開き3.36mmのフルイ上に残る米粒の総質量の割合は、60%であった。
[比較例8]
特許文献2の実施例において精製塩(食塩)を含有しない系で追試した。つまり、精米40gを軽く水洗いし水切りした。得られた洗米(水分23%)を缶容器(5号缶)に充填し、さらに清水269gを充填した後、バキュームシーマにて巻き締めした。この密封物を85℃の熱水中で20分間加熱した後、清水(約25℃)中で12分間冷却した。なお、加熱及び冷却工程では密封物を2回転/分の割合で回転させた。次いで冷却した密封物を炊飯と殺菌とを兼ねて加圧加熱(レトルト)殺菌機を用い118℃で35分間の殺菌条件でレトルト処理を施し、レトルト白がゆを製した。
得られたレトルト白がゆは、依然として崩れた米粒が多数観察され、米粒の粒残りに優れているとは言い難いものであった。具体的には「米粒の粒残り試験」を行ったところ、目開き0.59mmのフルイ上に残る米粒の総質量に対する目開き3.36mmのフルイ上に残る米粒の総質量の割合は、54%であった。
米と清水を耐熱性容器に充填し、レトルト処理を施すレトルト白がゆの製造方法において、前記米として精米に対し水を10%以下添加あるいは無添加の状態で除糠用粘着物質を用い糠層が除去された無洗米、及び前記清水として80℃以上の熱水をそれぞれ用いて、13〜20%の水分とした無洗米と前記熱水を耐熱性容器に充填密封し、密封物を中心部の品温が60℃以下となるように冷却した後、115〜120℃で30分以内の殺菌条件でレトルト処理を施した実施例1又は2で得られたレトルト白がゆは、単に吸水米及び清水(室温)を用いた比較例1、精米に対し清水を10%以下添加あるいは無添加の状態で除糠用粘着物質により糠層が除去された無洗米以外の無洗米を用いた比較例2及び3、20%超の水分とした無洗米を用いた比較例4、80℃未満の熱水を用いた比較例5、レトルト条件115〜120℃で30分以内の殺菌条件を満たしていない比較例6及び7で得られたそれぞれのレトルト白がゆと比較し、レトルト処理を施されているにも拘らず、鍋等で炊飯した手作りお粥と同様、米粒の粒残りに優れた好ましいものであることが理解される。
また、本発明品である実施例1及び2で得られたレトルト白がゆは、特許文献2の方法である比較例8で得られたレトルト白がゆと比較し、米粒の粒残りに優れた好ましいものであることが理解される。

Claims (2)

  1. 米と清水を耐熱性容器に充填し、レトルト処理を施すレトルト白がゆの製造方法において、前記米として精米に対し清水を10%以下添加あるいは無添加の状態で除糠用粘着物質を用い糠層が除去された無洗米、及び前記清水として80℃以上の熱水をそれぞれ用いて、13〜20%の水分とした無洗米と前記熱水を耐熱性容器に充填密封し、該密封物をそのまま中心部の品温が60℃以下となるように冷却した後、115〜120℃で10〜30分の殺菌条件でレトルト処理を施すことを特徴とするレトルト白がゆの製造方法。
  2. 無洗米1部に対し清水を8部以上配合する請求項1記載のレトルト白がゆの製造方法。
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