JP4322036B2 - タイヤの検査方法および装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、一側、他側リムと空気入りタイヤとを組み合わせてリム・タイヤ組立体とした状態で搬送、検査を行うようにしたタイヤの検査方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開平5−187952号公報
【0003】
一般に、空気入りタイヤの検査は、前記特許文献1に記載されているような方法により行われていた。即ち、ユニフォミティマシン等の検査機の上、下側リム間に空気入りタイヤを搬入した後、下側リムを上昇させて該下側リムを空気入りタイヤの下側ビード部に着座させるが、この着座後もさらに下側リムを、空気入りタイヤの上側ビード部に上側リムが着座されるまで上昇させる。次に、前記空気入りタイヤと上、下側リムとの間に流体を充填した後、空気入りタイヤ、下、上側リムをタイヤ中心軸回りに一体回転させながら空気入りタイヤの検査を行っていた。
【0004】
しかしながら、このような方法にあっては、検査の準備作業である空気入りタイヤの上、下側リムへの着座および流体充填を検査機内において行っていたため、検査時間自体は短くても空気入りタイヤの搬入から次の空気入りタイヤの搬入までのサイクルタイムは長くなり、この結果、作業能率が低くなってしまうという問題点がある。
【0005】
このような問題点を解決するため、本出願人は特願2001−370539において、リム組みステーションにおいて空気入りタイヤに一側、他側リムを装着しながらこれら一側、他側リムを互いに連結することでリム・タイヤ組立体を形成する工程と、形成されたリム・タイヤ組立体を検査ステーションまで搬送し、該検査ステーションにおいてリム・タイヤ組立体を回転させながら所定の検査を行う工程と、検査の終了したリム・タイヤ組立体をリム解きステーションまで搬送し、該リム解きステーションにおいて空気入りタイヤから連結が解除された一側、他側リムを離脱させる工程と、第1移送手段によりリム解きステーションから受け取った一側、他側リムを保管台まで移送して受け渡し、該保管台において一時保管する一方、第2移送手段により保管台から受け取った次使用の一側、他側リムをリム組みステーションまで移送して受け渡す工程とを備えたタイヤの検査方法を提案した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなタイヤの検査方法・装置にあっては、リム解きされた一側、他側リムを一旦保管台に移送して保管するようにしているため、リム解きされた一側、他側リムをそのままリム組みステーションで使用する場合にも、この保管作業が行われ、この結果、作業能率が低下するという問題点がある。しかも、一側、他側リムの移送に2台の移送手段、即ち、第1、第2移送手段を用いているため、構造が複雑となるとともに、高価となってしまうという問題点もある。
【0007】
この発明は、構造簡単でかつ安価でありながら、作業能率を向上させることができるタイヤの検査方法および装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、第1に、リム組みステーションにおいて空気入りタイヤに一側、他側リムを装着しながらこれら一側、他側リムを互いに連結することでリム・タイヤ組立体を形成する工程と、形成されたリム・タイヤ組立体を搬送手段により検査ステーションまで搬送し、該検査ステーションにおいてリム・タイヤ組立体を回転させながら所定の検査を行う工程と、検査の終了したリム・タイヤ組立体を前記搬送手段によりリム解きステーションまで搬送し、該リム解きステーションにおいて空気入りタイヤから連結が解除された一側、他側リムを離脱させる工程と、リム組み、検査およびリム解きステーションの並び方向に沿って移動可能な移送手段により、リム組みステーションから受け取った一側、他側リムを移送して前記搬送手段と移送手段との間に配置された保管台に受け渡し、該保管台において一時保管する一方、保管台から受け取った次使用の一側、他側リムを移送してリム組みステーションに受け渡すか、または、前記リム解きステーションから受け取った一側、他側リムを移送してリム組みステーションにそのまま受け渡す工程とを備えたタイヤの検査方法により達成することができる。
【0009】
第2に、リム組みステーションにおいて互いに連結される一側、他側リムを空気入りタイヤに装着することでリム・タイヤ組立体を形成するリム組み手段と、検査ステーションにおいてリム・タイヤ組立体を回転させながら所定の検査を行う検査手段と、リム解きステーションにおいて、リム・タイヤ組立体のリム解きを行うことにより、空気入りタイヤから連結が解除された一側、他側リムを離脱させるリム解き手段と、リム・タイヤ組立体をリム組みステーションから検査ステーション、リム解きステーションへと順次搬送する搬送手段と、複数の一側、他側リムを一時保管する保管台と、リム組み、検査およびリム解きステーションの並び方向に沿って移動可能で、一側、他側リムをリム解きステーションまたは保管台から受け取った後、移送し、前記保管台またはリム組みステーションに受け渡すことができる移送手段とを備えたタイヤの検査装置において、前記保管台を搬送手段と移送手段との間に配置したタイヤの検査装置により達成することができる。
【0010】
この発明によれば、リム解きステーションでリム解きされた一側、他側リムをそのままリム組みステーションで使用する場合、途中で保管することなく、即ち、該一側、他側リムを移送手段がリム解きステーションから受け取った後、リム組み、検査およびリム解きステーションの並び方向に沿って移送し、その後、リム組みステーションに受け渡すようにしているため、作業能率が向上する。しかも、一側、他側リムの移送は、リム組み、検査およびリム解きステーションの並び方向に沿って移動可能な1台の移送手段だけで行うようにしているため、構造が簡単となるとともに、製作費も安価とすることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1、2において、11は左右方向に延びる水平な搬送手段としてのローラコンベアであり、このローラコンベア11の図示していない多数のローラが回転機構により駆動回転されることで、該ローラコンベア11は横置きで載置された検査等が行われる加硫済みの空気入りタイヤ12を右方から左方に向かって搬送する。
【0012】
15、16は対をなす一側、他側リムであり、これら一側、他側リム15、16は分離可能であるが、一側リム15に空気入りタイヤ12の一側ビード部17を着座させた後、他側リム16に空気入りタイヤ12の他側ビード部18を着座させ、その後、これら一側、他側リム15、16を図示していない連結機構により連結すると、空気入りタイヤ12に一側、他側リム15、16が装着されてリム・タイヤ組立体19が組み立てられ一体化される。そして、このようにリム・タイヤ組立体19が組み立てられると、これら空気入りタイヤ12、一側、他側リム15、16間には密閉された空間20が形成される。
【0013】
Gは前記ローラコンベア11の上流端部に設けられたリム組みステーションであり、このリム組みステーションGには上下方向に延びるシリンダ23が設置され、このシリンダ23はローラコンベア11の直下に配置されている。前記シリンダ23のピストンロッドの先端には把持機構24が設けられ、この把持機構24は一側、他側リム15、16のうち下側に配置されているリム、ここでは一側リム15を把持することができる。
【0014】
前記シリンダ23の直上には上下方向に延びるシリンダ26が設置され、このシリンダ26のヘッド側端(上端)はローラコンベア11の上方において該ローラコンベア11と平行に延びる固定ビーム27に固定されている。このシリンダ26のピストンロッドの先端には前記把持機構24と同様の把持機構28が設けられ、この把持機構28は上側に位置する他側リム16を把持することができる。
【0015】
そして、このリム組みステーションGに空気入りタイヤ12が搬入されると、把持機構24に把持されることで、ローラコンベア11の搬送面より下方で待機していた一側リム15がシリンダ23の作動により上昇して前記空気入りタイヤ12の一側ビード部17に着座され、一方、把持機構28に把持されることで、空気入りタイヤ12より上方で待機していた他側リム16がシリンダ26の作動により下降して前記空気入りタイヤ12の他側ビード部18に着座される。
【0016】
このとき、一側、他側リム15、16は連結機構により互いに連結され、リム・タイヤ組立体19が組み立てられるとともに、図示していない流体源からエア、不活性ガス等の流体が前記空間20に供給充填される。前述したシリンダ23、把持機構24、シリンダ26、把持機構28は全体として、リム組みステーションGにおいて互いに連結される一側、他側リム15、16を空気入りタイヤ12に装着することでリム・タイヤ組立体19を形成するリム組み手段29を構成する。
【0017】
Kは前記リム組みステーションGより左方(下流側)に設けられた第1検査ステーションであり、この第1検査ステーションKには上下方向に延びるシリンダ31が設置され、このシリンダ31は前記シリンダ23と同様にローラコンベア11の直下に配置されているが、該シリンダ23よりストロークが長い。また、このシリンダ31のピストンロッドの先端には回転可能な把持機構32が設けられ、この把持機構32は前記一側リム15を把持することができるとともに、リム・タイヤ組立体19の空間20内に流体を供給することができる。
【0018】
35は前記シリンダ31の直上の固定ビーム27に固定された上下方向に延びるモータであり、このモータ35の回転軸の先端には把持機構36が設けられ、この把持機構36は前記リム・タイヤ組立体19の他側リム16を把持することができる。そして、この第1検査ステーションKにローラコンベア11によってリム・タイヤ組立体19が搬送されてくると、把持機構32が一側リム15を把持した後、シリンダ31が作動して把持機構32、リム・タイヤ組立体19が上昇し、その後、把持機構36が他側リム16を把持する。
【0019】
次に、前記モータ35の作動により、リム・タイヤ組立体19が垂直な軸線回りに回転されるが、このとき、該第1検査ステーションKに設置された第1検査機37、例えばユニフォミティ検査機が空気入りタイヤ12のユニフォミティ検査を行う。前述したシリンダ31、把持機構32、モータ35、把持機構36、第1検査機37は全体として、第1検査ステーションKにおいてリム・タイヤ組立体19を回転させながら所定の検査、ここではユニフォミティ検査を行う第1検査手段38を構成する。
【0020】
Lは前記第1検査ステーションKより左方(下流側)に設けられた第2検査ステーションであり、この第2検査ステーションLには前記第1検査ステーションKと同様のシリンダ41、把持機構42、モータ45、把持機構46、第2検査機47から構成された第2検査手段48が設置されている。ここで、前記第2検査機47はバランス検査機であり、この結果、この第2検査ステーションLでは空気入りタイヤ12のバランス検査が行われる。
【0021】
Mは前記第2検査ステーションLより左方(下流側)に設けられたリム解きステーションであり、このリム解きステーションMには前記リム組みステーションGと同様のシリンダ53、把持機構54、シリンダ56、把持機構58から構成されたリム解き手段59が設置されている。そして、このリム解き手段59はリム・タイヤ組立体19のリム解きを行い、空気入りタイヤ12から一側、他側リム15、16を離脱させる。このとき、一側、他側リム15、16同士の連結が解除されるとともに、リム解き手段59の把持機構54はリム・タイヤ組立体19の空間20から流体を排出させる。
【0022】
Hは前記リム組みステーションGより左方(下流側)で第1検査ステーションKより右方(上流側)に設けられたトリミングステーションであり、このトリミングステーションHには前記第1検査ステーションKと同様のシリンダ61、把持機構62、モータ65、把持機構66が設置されるとともに、把持機構62、66に把持されながら回転している空気入りタイヤ12のスピュー等をトリミングするトリミング機67(つまえ機)が設置されている。前述したシリンダ61、把持機構62、モータ65、把持機構66、トリミング機67は全体として、空気入りタイヤ12に対しトリミングを行うトリミング手段68を構成する。
【0023】
Nはリム解きステーションMより左方に設置されたマーキングステーションであり、このマーキングステーションNには固定ビーム27に取付けられたマーキング手段72が配置され、このマーキング手段72はマーキングステーションNに搬送され載置台71上に載置された空気入りタイヤ12に対し所定のマーキングを行う。一方、Pはリム組みステーションGより右方に設置された待機ステーションであり、この待機ステーションPに設けられた載置台73上にはこれから検査等が行われる次の空気入りタイヤ12が載置されている。
【0024】
ここで、この発明においては、リム組みステーションG(リム組み手段29)とリム解きステーションM(リム解き手段59)との間に少なくとも1つ(1台)の検査ステーション(検査手段)が設置されていればよく、この実施形態のように2つ(2台)の第1、第2検査ステーションK、L(第1、第2検査手段38、48)が設置されていたり、また、必要に応じて3つ(3台)以上の検査ステーション(検査手段)が設置されていたり、さらには、検査とは異なる作業を行う少なくとも1つ(1台)のステーション(作業手段)、例えばこの実施形態のようにトリミングステーションH(トリミング手段68)が設置されていてもよい。
【0025】
そして、前述した待機ステーションP、リム組みステーションG、トリミングステーションH、第1、第2検査ステーションK、L、リム解きステーションM、マーキングステーションNは左右方向に互いに同一距離(同一ピッチ)だけ離れている。また、前記ローラコンベア11は上流端がリム組みステーションGと待機ステーションPとの境界に位置し、下流端がリム解きステーションMとトリミングステーションNとの境界に位置しているため、前記リム・タイヤ組立体19はローラコンベア11の間欠走行によりリム組みステーションGからトリミングステーションH、第1、第2検査ステーションK、L、リム解きステーションMへと1ピッチだけ順次搬送される。
【0026】
ここで、前記待機ステーションPからリム組みステーションGへは図示していない受け渡し機構が所定のタイミングで待機中の空気入りタイヤ12を移載し、一方、リム解きステーションMからマーキングステーションNへは図示していない受け渡し機構が所定のタイミングでリム解きされた空気入りタイヤ12を移載する。
【0027】
図1、3において、76は前記ローラコンベア11の後方に設置されたベースであり、このベース76上にはローラコンベア11に平行に延びる水平なガイドレール77が敷設されている。78は前記ガイドレール77に支持され、図示していない駆動機構からの駆動力を受けて該ガイドレール77に沿って移動する移動台であり、この移動台78には左右方向に離れた一対の垂直なガイドポスト79が立設されている。
【0028】
80は前記ガイドポスト79に支持され、図示していない駆動機構からの駆動力を受けて昇降する昇降台であり、この昇降台80には一側、他側リム15、16を把持しながら前後方向に移動することができるフォーク81が設けられ、このフォーク81は一側、他側リム15、16を後述の搬出ステーションまたは保管ボックスから受け取って昇降台80まで引き込み、あるいは、受け取った一側、他側リム15、16を後述の搬入ステーションまたは保管ボックスに送り出す。
【0029】
85はローラコンベア11とガイドレール77との間に配置され、対をなす上下に重ね合わされた複数の一側、他側リム15、16を一時保管する保管台であり、この保管台85は少なくとも後方が開放したボックス状の保管ラック86を、移動台78の移動方向(左右方向)に互いに密着させながら複数個並べるとともに、複数段上下に重ね合わせて配置することで構成している。このように保管台85を移動台78の移動方向に並べるとともに、上下に積み重ねられた保管ラック86から構成するようにすれば、保管ラック86を自由に配置したり増減することができ、設計の自由度が高くなる。
【0030】
Qはリム組みステーションGの直後に配置された最上段の保管ラック86上に設置されている搬入ステーションであり、この搬入ステーションQには前記フォーク81によって送り出された一側、他側リム15、16を把持しながらリム組みステーションGに搬入することができる搬入機構89が設置されている。Rはリム解きステーションMの直後に配置された最上段の保管ラック86上に設置されている搬出ステーションであり、この搬出ステーションRには前記リム解きステーションMにおいてリム解きされた一側、他側リム15、16を把持しながらリム組みステーションGに搬出することができる搬出機構90が設置されている。
【0031】
前述した移動台78、ガイドポスト79、昇降台80、フォーク81は全体として、リム組みステーションG、第1、第2検査ステーションK、Lおよびリム解きステーションMの並び方向に沿って移動可能で、一側、他側リム15、16をリム解きステーションMから搬出機構90を介して、または、保管台85から受け取った後、移送し、前記保管台85または搬入機構89を介してリム組みステーションGに受け渡すことができる移送手段91を構成するが、この移送手段91は一般にスタッカクレーンと呼ばれている。
【0032】
そして、このように移送手段91を一側、他側リム15、16を把持可能なフォーク81を有するスタッカクレーンから構成すれば、移送手段としてベルトコンベアを用いた場合に比較して、移載時における一側、他側リム15、16の位置ずれ、位相ずれを効果的に抑制することができる。
【0033】
92は制御手段であり、この制御手段92は対をなす各一側、他側リム15、16に付与された管理記号および保管台85を構成する各保管ラック86に付与された管理記号をデータベースとして記憶し、前記フォーク81の作動を制御、例えば、搬出機構90から受け取った使用済みの一側、他側リム15、16をいずれの保管ラック86に、あるいは、そのまま搬入機構89に移送するかを、また、次使用の一側、他側リム15、16が保管された保管ラック86を探し出し、該保管ラック86から一側、他側リム15、16を取り出して搬入機構89に移送する作動を制御する。
【0034】
そして、このように対をなす各一側、他側リム15、16および各保管ラック86に管理記号を付与し、この管理記号を基に一側、他側リム15、16の移送および保管ラック86への搬入出を制御するようにすれば、一側、他側リム15、16の保管、取出しを正確にかつ高速で行うことができる。
【0035】
次に、この発明の一実施形態の作用について説明する。
今、リム組みステーションGにおけるローラコンベア11上にはリム組みが完了したリム・タイヤ組立体19が、また、トリミング、第1、第2検査ステーションH、K、Lにおけるローラコンベア11上にはそれぞれトリミング、ユニフォミティ検査、バランス検査が終了したリム・タイヤ組立体19が載置され、一方、リム解きステーションMにおけるローラコンベア11上は空となっているとする。このとき、待機ステーションPには待機中の空気入りタイヤ12が載置され、一方、マーキングステーションNにはリム解きステーションMから移載された空気入りタイヤ12が載置されている。
【0036】
次に、ローラコンベア11を作動して左方に走行させ、リム組みステーションGにおけるリム・タイヤ組立体19をトリミングステーションHに、トリミングステーションHにおけるリム・タイヤ組立体19を第1検査ステーションKに、第1検査ステーションKにおけるリム・タイヤ組立体19を第2検査ステーションLに、第2検査ステーションLにおけるリム・タイヤ組立体19をリム解きステーションMにそれぞれ同時に搬送する。これにより、リム組みステーションGは空となるが、このとき、搬入機構89により把持されて待機していた次使用の一側、他側リム15、16がリム組みステーションGに搬入される。
【0037】
次に、シリンダ23、26のピストンロッドが突出し、把持機構24、28がリム組みステーションGに搬入された一側、他側リム15、16を把持し搬入機構89から受け取る。その後、搬入機構89は初期位置に復帰し、一方、シリンダ23、26のピストンロッドが引っ込んで一側リム15はローラコンベア11の搬送面より下方まで下降し、他側リム16はリム組みステーションGに搬入されてくる空気入りタイヤ12と干渉することのない高さまで上昇する。
【0038】
次に、受け渡し機構により待機ステーションPで待機していた空気入りタイヤ12がリム組みステーションGに搬入されると、前記シリンダ23、26のピストンロッドが突出し、一側リム15が空気入りタイヤ12の一側ビード部17に、他側リム16が空気入りタイヤ12の他側ビード部18にそれぞれ着座され、これにより、空気入りタイヤ12に一側、他側リム15、16が装着される。
【0039】
このとき、一側、他側リム15、16は連結手段によって互いに連結されるとともに、空間20に流体源から所定圧の流体が供給充填される。このようにしてリム組みステーションGにおいてリム・タイヤ組立体19がリム組みされて形成される。次に、把持機構24、28が一側、他側リム15、16を把持から解放した後、シリンダ23、26のピストンロッドが引っ込み、把持機構24、28が初期位置に復帰する。
【0040】
前述のようにリム組みステーションGにおいてリム・タイヤ組立体19が組み立てられているとき、トリミングステーションH、第1、第2検査ステーションK、Lにおいては、それぞれシリンダ61、31、41のピストンロッドが突出した後、把持機構62、32、42が各ステーションにおけるリム・タイヤ組立体19を把持する。その後、前記シリンダ61、31、41のピストンロッドがさらに突出してリム・タイヤ組立体19を把持機構66、36、46まで上昇させ、これら把持機構66、36、46によってもリム・タイヤ組立体19を把持する。
【0041】
次に、各ステーションにおいてモータ65、35、45を作動し、リム・タイヤ組立体19を回転させながら、トリミングステーションHにおいてはトリミング機67により空気入りタイヤ12のスピュー等をトリミングし、第1検査ステーションKにおいては第1検査機37により空気入りタイヤ12のユニフォミティを検査し、第2検査ステーションLにおいては第2検査機47により空気入りタイヤ12のバランスを検査する。
【0042】
そして、これら各ステーションにおいてトリミング作業、ユニフォミティ、バランス検査が終了すると、リム・タイヤ組立体19を把持機構66、36、46による把持から解放した後、シリンダ61、31、41のピストンロッドが引っ込ませてリム・タイヤ組立体19をローラコンベア11上に移載するとともに、該リム・タイヤ組立体19を把持機構62、32、42による把持から解放する。
【0043】
また、前述のようにリム組みステーションGにおいてリム・タイヤ組立体19が組み立てられているとき、リム解きステーションMにおいては、シリンダ53、56のピストンロッドが突出して把持機構54、58が一側、他側リム15、16をそれぞれ把持した後、連結手段による一側、他側リム15、16同士の連結が解除されるとともに、空間20から流体が排出される。次に、シリンダ53、56のピストンロッドを引っ込ませて、一側、他側リム15、16を空気入りタイヤ12から下方、上方にそれぞれ離脱させ、リム・タイヤ組立体19のリム解きをおこなう。
【0044】
ここで、見方を変え1個のリム・タイヤ組立体19に着目した場合には、リム組みステーションGにおいてリム・タイヤ組立体19が形成された後、該形成されたリム・タイヤ組立体19はトリミング、第1、第2検査ステーションH、K、Lに順次搬送され、これらトリミング、第1、第2検査ステーションH、K、Lにおいて回転されながら所定のトリミング、検査が行われる。その後、トリミング、検査の終了したリム・タイヤ組立体19はリム解きステーションMまで搬送され、該リム解きステーションMにおいて空気入りタイヤ12から一側、他側リム15、16が離脱されリム解きが行われるのである。
【0045】
次に、受け渡し機構によりリム解きされた空気入りタイヤ12をリム解きステーションMからマーキングステーションNに受け渡すとともに、シリンダ53、56のピストンロッドを再び突出させて一側、他側リム15、16を上下に重なり合った状態に組み合わせる。その後、一側、他側リム15、16を把持機構54、58による把持から解放した後、シリンダ53、56のピストンロッドを引っ込ませ、把持機構54、58を初期位置に復帰させるとともに、一側、他側リム15、16を搬出機構90によってリム解きステーションMから搬出ステーションRに引き取る。この結果、リム解きステーションMは空となる。
【0046】
そして、前述のように待機ステーションPから待機中の空気入りタイヤ12が搬出されると、次の空気入りタイヤ12が該待機ステーションPに搬入され、また、前述のようにマーキングステーションNに空気入りタイヤ12が搬入されると、該空気入りタイヤ12に対してマーキング手段72によりマーキングが施され、その後、該空気入りタイヤ12は次工程へと搬出される。
【0047】
ここで、前述のようにリム解きされた後、搬出機構90により搬出ステーションRに搬出された一側、他側リム15、16は、そのまま次のリム組みに使用される場合と、他の種類の一側、他側リム15、16がリム組みされるため、保管台85に一時保管される場合とがある。前者の場合には、搬出ステーションRにおける一側、他側リム15、16が移送手段91のフォーク81によって把持された後、昇降台80上まで引き込まれ、その後、移動台78の移動により搬入ステーションQの直後まで搬送される。次に、前記一側、他側リム15、16はフォーク81によって搬入ステーションQの搬入機構89に移載された後、前述のようにリム組みステーションGに受け渡される。
【0048】
一方、後者の場合には、搬出ステーションRにおける一側、他側リム15、16が移送手段91のフォーク81によって把持された後、昇降台80上まで引き込まれ、その後、昇降台80の移動および昇降により空であるいずれかの保管ラック86の直後まで搬送される。次に、前記一側、他側リム15、16はフォーク81によって該空である保管ラック86に受け渡される。その後、昇降台80を移動、昇降させて次使用の一側、他側リム15、16が一時保管されている保管ラック86の直後に到達させ、フォーク81によって該一側、他側リム15、16を保管ラック86から受け取る。
【0049】
次に、昇降台80を移動、昇降させて一側、他側リム15、16を搬入ステーションQの直後まで移送した後、フォーク81によって搬入ステーションQの搬入機構89に移載し、その後、前述のようにリム組みステーションGに受け渡す。このとき、一側、他側リム15、16、保管ラック86に付与されている管理記号を基に一側、他側リム15、16の移送および保管ラック86への搬入出を制御するようにしているので、一側、他側リム15、16の保管、取出しを正確にかつ高速で行うことができる。
【0050】
このように、この実施形態においては、リム解きステーションMでリム解きされた一側、他側リム15、16をそのままリム組みステーションGで使用する場合、途中で保管することなく、即ち、該一側、他側リム15、16を移送手段91がリム解きステーションMから受け取った後、リム組み、第1、第2検査およびリム解きステーションG、K、L、Mの並び方向に沿って移送し、その後、リム組みステーションGにそのまま受け渡すことができるため、作業能率が向上する。しかも、一側、他側リム15、16の移送は、リム組み、第1、第2検査およびリム解きステーションG、K、L、Mの並び方向に沿って移動可能な1台の移送手段91だけで行うようにしているため、構造が簡単となるとともに、製作費も安価とすることができる。
【0051】
なお、前述の実施形態においては、移送手段91であるスタッカクレーンを保管台85の後方に設置したが、この発明においては、移送手段を搬送手段(ローラコンベア)と保管台との間に配置するようにしてもよい。また、前述の実施形態においては、搬入ステーションQからリム組みステーションGに上下に重なり合った状態の一側、他側リム15、16を搬入する一方、リム解きステーションMから搬出ステーションRに上下に重なり合った状態の一側、他側リム15、16を搬出するようにしたが、この発明においては、これらの搬入、搬出は一側、他側リムを互いに分離した状態で行うようにしてもよい。
【0052】
さらに、前述の実施形態においては、ローラコンベア11を待機ステーションPとリム組みステーションGとの境界から、リム解きステーションMとマーキングステーションNとの境界までとしたが、この発明においては、ローラコンベアを前記待機ステーション、マーキングステーションの双方を貫くほど長くしてもよい。この場合には、トリミング、検査のためにリム・タイヤ組立体がローラコンベアから持ち上げられているとき、ローラコンベアを走行させて空気入りタイヤを待機ステーションからリム組みステーションに、リム解きステーションからマーキングステーションにそれぞれ搬送するようにすればよい。
【0053】
また、前述の実施形態においては、搬送手段としてローラコンベア11を用い、該ローラコンベア11から持ち上げた状態でトリミング、ユニフォミティ検査、バランス検査を行うようにしたが、この発明においては、リム・タイヤ組立体の上部を把持する把持機構が取付けられたシャトルバーを搬送手段として用いるとともに、リム組み、トリミング、第1、第2検査、リム解きステーションにそれぞれリム・タイヤ組立体を下方から支持する支持台を設置し、前記シャトルバーを下降させてリム・タイヤ組立体を把持した後、上昇させるとともに、下流側に1ピッチだけ移動させ、その後、下降させることで、リム・タイヤ組立体を次のステーションまで1ピッチ分移送するようにしてもよい。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、構造簡単でかつ安価でありながら、作業能率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施形態を示す平面図である。
【図2】 一部が破断された図1のI−I矢視図である。
【図3】 図1のII−II矢視図である。
【符号の説明】
11…搬送手段 12…空気入りタイヤ
15…一側リム 16…他側リム
19…リム・タイヤ組立体 29…リム組み手段
38、48…検査手段 59…リム解き手段
81…フォーク 85…保管台
86…保管ラック 91…移送手段
G…リム組みステーション K、L…検査ステーション
M…リム解きステーション

Claims (2)

  1. リム組みステーションにおいて空気入りタイヤに一側、他側リムを装着しながらこれら一側、他側リムを互いに連結することでリム・タイヤ組立体を形成する工程と、形成されたリム・タイヤ組立体を搬送手段により検査ステーションまで搬送し、該検査ステーションにおいてリム・タイヤ組立体を回転させながら所定の検査を行う工程と、検査の終了したリム・タイヤ組立体を前記搬送手段によりリム解きステーションまで搬送し、該リム解きステーションにおいて空気入りタイヤから連結が解除された一側、他側リムを離脱させる工程と、リム組み、検査およびリム解きステーションの並び方向に沿って移動可能な移送手段により、リム解きステーションから受け取った一側、他側リムを移送して前記搬送手段と移送手段との間に配置された保管台に受け渡し、該保管台において一時保管する一方、保管台から受け取った次使用の一側、他側リムを移送してリム組みステーションに受け渡すか、または、前記リム解きステーションから受け取った一側、他側リムを移送してリム組みステーションにそのまま受け渡す工程とを備えたことを特徴とするタイヤの検査方法。
  2. リム組みステーションにおいて互いに連結される一側、他側リムを空気入りタイヤに装着することでリム・タイヤ組立体を形成するリム組み手段と、検査ステーションにおいてリム・タイヤ組立体を回転させながら所定の検査を行う検査手段と、リム解きステーションにおいて、リム・タイヤ組立体のリム解きを行うことにより、空気入りタイヤから連結が解除された一側、他側リムを離脱させるリム解き手段と、リム・タイヤ組立体をリム組みステーションから検査ステーション、リム解きステーションへと順次搬送する搬送手段と、前記複数の一側、他側リムを一時保管する保管台と、リム組み、検査およびリム解きステーションの並び方向に沿って移動可能で、一側、他側リムをリム解きステーションまたは保管台から受け取った後、移送し、前記保管台またはリム組みステーションに受け渡すことができる移送手段とを備えたタイヤの検査装置において、前記保管台を搬送手段と移送手段との間に配置したことを特徴とするタイヤの検査装置。
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