JP4400963B2 - 未加硫タイヤの保管供給方法および保管供給設備 - Google Patents

未加硫タイヤの保管供給方法および保管供給設備 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、未加硫タイヤを自動倉庫により保管しながらタイヤ加硫装置に供給する未加硫タイヤの保管供給方法および設備に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、乗用車用等の比較的小型の空気入りタイヤを加硫する場合には、複数台のタイヤ加硫装置を並べて設置するとともに、これらタイヤ加硫装置によって未加硫タイヤを同時に加硫し、生産能率の向上を図っている。
【0003】
ここで、このようなタイヤ加硫装置に対して省スペースを図りながら未加硫タイヤを迅速、正確に供給するため、近年、タイヤ加硫装置に近接して自動倉庫、例えば、未加硫タイヤが載置されたパレットおよび空パレット単体を複数個一時保管するラック、並びに、スタッカクレーンを有し、タイヤ加硫装置のいずれかにおいて加硫が終了したとき、ラックから未加硫タイヤが載置されたパレットを出庫し、未加硫タイヤのみをタイヤ加硫装置に供給するとともに、未加硫タイヤが供給されることで空となったパレットをラックに入庫して一時保管し、かつ、未加硫タイヤが新たに搬入されたとき、ラックに一時保管されている空パレットを出庫し、該空パレット上に搬入された未加硫タイヤを載置するとともに、未加硫タイヤが載置されたパレットをラックに入庫する入出庫手段を有する自動倉庫を設置することが検討されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような自動倉庫をタイヤ加硫装置に対する未加硫タイヤの保管供給に用いた場合には、自動倉庫の入出庫能力、即ち入出庫手段が単位時間当りにパレット(未加硫タイヤが載置されていることもある)を入出庫する能力が、タイヤ加硫装置をフル稼動させたときにラックから入出庫されるパレット数より少ないことがあり、この場合、加硫作業中に未加硫タイヤ搬入装置の一部が稼動を中断し、作業能率を低下させてしまうという問題点がある。
【0005】
この発明は、未加硫タイヤ、パレットを連続的に入出庫することで作業能率を向上させることができる未加硫タイヤの保管供給方法および設備を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、第1に、複数台のタイヤ加硫装置のいずれかにおいて加硫が終了したとき、スタッカクレーンを有する入出庫手段によってラックに一時保管されている、未加硫タイヤが載置されたパレットを出庫し、未加硫タイヤのみをタイヤ加硫装置に供給する工程と、未加硫タイヤが供給されることで空となったパレットを入出庫手段によってラックに入庫し一時保管する工程と、未加硫タイヤが新たに搬入されたとき、入出庫手段によってラックに一時保管されている空パレットを出庫し、該空パレット上に搬入された未加硫タイヤを載置する工程と、未加硫タイヤが載置されたパレットを入出庫手段によってラックに入庫して一時保管する工程とを備えた未加硫タイヤの保管供給方法であって、
空パレットを入出庫手段によって空パレット保管装置に供給し、該空パレット保管装置において保管する工程と、未加硫タイヤが新たに搬入されたとき、保管していた空パレットを空パレット保管装置から入出庫手段に受渡す工程とをさらに備えた未加硫タイヤの保管供給方法により、達成することができる。
【0007】
第2に、複数台のタイヤ加硫装置に近接して設置され、未加硫タイヤが載置されたパレットおよび空パレット単体を複数個一時保管するラック、並びに、スタッカクレーンを有し、タイヤ加硫装置のいずれかにおいて加硫が終了したとき、ラックから未加硫タイヤが載置されたパレットを出庫し、未加硫タイヤのみをタイヤ加硫装置に供給するとともに、未加硫タイヤが供給されることで空となったパレットをラックに入庫して一時保管し、かつ、未加硫タイヤが新たに搬入されたとき、ラックに一時保管されている空パレットを出庫し、該空パレット上に搬入された未加硫タイヤを載置するとともに、未加硫タイヤが載置されたパレットをラックに入庫する入出庫手段を有する自動倉庫と、
自動倉庫に隣接して設置され、空パレットを入出庫手段から受取って保管するとともに、未加硫タイヤが新たに搬入されたとき、保管していた空パレットを入出庫手段に受渡す空パレット保管装置とを備えた未加硫タイヤの保管供給設備により達成することができる。
【0008】
いずれかのタイヤ加硫装置における加硫が終了すると、スタッカクレーンを有する入出庫手段がラックに一時保管されている、未加硫タイヤが載置されたパレットを該ラックから出庫し、その後、未加硫タイヤのみをタイヤ加硫装置に供給する。このとき、入出庫手段には未加硫タイヤが供給されることで空となったパレットが残るが、この空パレットは、その後、入出庫手段によってラックに入庫し一時保管する。
【0009】
一方、未加硫タイヤが新たに搬入されると、入出庫手段はラックに一時保管されていた空パレットを出庫し、該空パレット上に搬入された未加硫タイヤを載置する。その後、入出庫手段は未加硫タイヤが載置されたパレットをラックに入庫し一時保管する。
【0010】
このような作業の途中で、新たな未加硫タイヤが搬入されてくるにも拘らず、入出庫手段のスタッカクレーンの能力不足で空パレットを準備できないときには、空パレット保管装置から入出庫手段に保管していた空パレットを受渡し、該空パレット上に搬入された未加硫タイヤを載置するようにする。その後の作動は前述と同様である。また、前述のように空パレット保管装置から入出庫手段に空パレットを受渡すと、空パレット保管装置に保管されているパレット数が減少するため、空パレットを補充する必要がある。この場合には、空パレット保管装置が空パレットを入出庫手段から適宜受取り保管することで対応する。
【0011】
このように空パレット保管装置は入出庫手段から空パレットを受取って保管するとともに、必要に応じて入出庫手段に受渡すようにしているので、空パレット保管装置が、空パレットを入庫する作業および未加硫タイヤを載置する位置まで空パレットを出庫する作業を、入出庫手段の代りに行うこととなり、この結果、未加硫タイヤ、パレットが連続的に入出庫され、作業能率が向上する。
【0012】
また、請求項3に記載のように構成すれば、空パレットの取扱が容易となり、作業能率が向上する。
さらに、請求項4に記載のように構成すれば、空パレット保管装置の設置面積を小さくすることができ、スペースの有効利用を図ることができる。
また、請求項5に記載のように構成すれば、簡単な構造で空パレットを容易に受渡すことができる。
さらに、請求項6に記載のように構成すれば、空パレットを他の場所まで移動させる必要がないので、作業能率が向上する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
図1、2、3において、11は未加硫タイヤMを加硫する複数台のタイヤ加硫装置であり、これらの加硫装置11は左右方向に並べられて配置されている。これら加硫装置11の後方には左右方向に延びる一対のラック14を有する自動倉庫13が近接して設置され、これらのラック14内は碁盤目状に仕切られるとともに、仕切られることで構成された複数の区画にはそれぞれ空パレットP単体あるいは未加硫タイヤMが載置されたパレットPを下方から支持する支持片12が設置されている。このようにして複数個の空パレットP単体および未加硫タイヤMが載置されたパレットPはラック14に一時保管されている。
【0014】
15はラック14間に設置されたスタッカクレーンであり、このスタッカクレーン15はラック14に一時保管されている空パレットPあるいは未加硫タイヤMが載置されたパレットPをいずれかの区画から取り出して上下および左右方向に搬送し、通常、ラック14の第1、第2受渡し位置U1、U2にそれぞれ設置された第1、第2受渡しコンベア16、17のいずれかに受渡す。ここで、これら第1、第2受渡しコンベア16、17は作動したとき、前後方向に走行する。また、前記スタッカクレーン15は第1、第2受渡しコンベア16、17から受け取った空パレットPあるいは未加硫タイヤMが載置されたパレットPを上下および左右方向に搬送し、空の区画のいずれかに受渡し一時保管させる。
【0015】
20は第1受渡し位置U1から加硫装置11に向かって延びる給排コンベアであり、この給排コンベア20は作動したとき、前後方向に走行する。そして、この給排コンベア20は第1受渡しコンベア16から出庫され、未加硫タイヤMが載置されているパレットPを前方に向かって加硫装置11の直後まで搬送するとともに、図示していない搬送機構によって未加硫タイヤMがパレットPから加硫装置11に供給されると、残った空パレットPを第1受渡しコンベア16に受渡しラック14に入庫する。
【0016】
23は第2受渡し位置U2の直前に設置された載置コンベアであり、この載置コンベア23は作動したとき、前後方向に走行する。そして、この載置コンベア23には空パレットPが主に第2受渡しコンベア17から出庫される。24は支持フレーム25に支持され左右方向に移動することができる可動台であり、この可動台24には搬送台車26によってラック14の直前まで搬送されてきた未加硫タイヤMを内側から把持することができる把持機構27が昇降可能に支持されている。そして、この可動台24は未加硫タイヤMを支持している搬送台車26の直上まで移動した後、把持機構27を下降させて該把持機構27により搬送台車26上の未加硫タイヤMを把持し、次に、把持機構27を上昇させた後、載置コンベア23の直上まで移動し、その後、把持機構27を下降させて該把持機構27により把持されている未加硫タイヤMを載置コンベア23上の空パレットPに載置する。
【0017】
前述したスタッカクレーン15、第1、第2受渡しコンベア16、17、給排コンベア20、載置コンベア23、可動台24、支持フレーム25、把持機構27は全体として、タイヤ加硫装置11のいずれかにおいて加硫が終了したとき、ラック14から未加硫タイヤMが載置されたパレットPを出庫し、未加硫タイヤMのみをタイヤ加硫装置11に供給するとともに、未加硫タイヤMが供給されることで空となったパレットPをラック14に入庫して一時保管し、かつ、未加硫タイヤMが新たに搬入されたとき、ラック14に一時保管されている空パレットPを出庫し、該空パレットP上に搬入された未加硫タイヤMを載置するとともに、未加硫タイヤMが載置されたパレットPをラック14に入庫する入出庫手段28を構成する。また、前記ラック14、入出庫手段28は全体として前述した自動倉庫13を構成する。
【0018】
図1、2、4、5において、31は前記自動倉庫13、詳しくは前記ラック14の右方に隣接した設置された空パレット保管装置であり、この空パレット保管装置31はラック14とほぼ同一高さの上下方向に延びる固定フレーム32を有し、この固定フレーム32には上下に等距離離れた複数段の保管棚33が取り付けられている。各保管棚33は固定フレーム32に固定された水平な固定枠34を有し、この固定枠34の後端部および前端部にはそれぞれ左右方向に延びる回転軸35、回転軸36が回転可能に支持されている。これら回転軸35、回転軸36の両端部にはそれぞれスプロケット37、スプロケット38が固定され、対をなすスプロケット37、38間には前後方向に延びるチェーン39がそれぞれ掛け渡されている。
【0019】
モータ42は回転軸36に直結されたモータであり、このモータ42は前記固定枠34に取り付けられている。そして、このモータ42が作動して回転軸35、36が回転すると、チェーン39は同期して前後方向に走行する。前述した回転軸35、36、スプロケット37、38、チェーン39、モータ42は全体として、保管棚33に設置され、該保管棚33と後述する移動台とを結ぶ方向に延びるコンベア43を構成し、このコンベア43は走行することにより、空パレットPを移動台との間で受渡す。前述した固定枠34、コンベア43は全体として、空パレットPを下方から支持する前記保管棚33を構成する。
【0020】
前記固定フレーム32の下部で第2受渡し位置U2と同一高さ位置には第3受渡し位置U3が設けられ、この第3受渡し位置U3には前記保管棚33と同一構成の供給コンベア45が取り付けられている。そして、この供給コンベア45は保管棚33と同様に作動することで、チェーン46が前後方向に走行する。
【0021】
図1、2、4、6において、前記固定フレーム32の上部および下部には前方に向かって延びる水平な支持ビーム49が固定され、これら支持ビーム49の先端部には上下方向に延びるガイドフレーム50が取り付けられている。51は略矩形枠状の昇降枠であり、この昇降枠51の右端部にはガイドフレーム50に転がり接触する複数のガイドローラ52が上下に離れて回転可能に支持され、これにより、昇降枠51はガイドフレーム50に昇降可能に支持される。前記昇降枠51の後端部および前端部にはそれぞれ左右方向に延びる回転軸53および54が回転可能に支持されている。これら回転軸53、54の両端部にはそれぞれスプロケット55、56が固定され、対をなすスプロケット55、56間には前後方向に延びるチェーン57がそれぞれ掛け渡されている。
【0022】
60は昇降枠51に取り付けられたモータであり、このモータ60の出力軸に固定されたスプロケット62と前記回転軸54の右端に固定されたスプロケット63との間にはチェーン64が掛け渡されている。この結果、前記モータ60が作動して回転軸53、54が回転すると、チェーン57は同期して前後方向に走行する。
【0023】
前述した回転軸53、54、スプロケット55、56、チェーン57、モータ60、スプロケット62、63、チェーン64は全体として、昇降枠51に設置され、前記保管棚33と該昇降枠51とを結ぶ方向に延びるコンベア65を構成し、このコンベア65は走行することにより、空パレットPを保管棚33との間で受渡す。前述した昇降枠51、コンベア65は全体として、空パレットPを下方から支持するとともに、該空パレットPを前記保管棚33との間で受渡すことができる移動台66を構成する。
【0024】
69はガイドフレーム50の上端に固定されたモータであり、このモータ69の出力軸70には軸受71により回転可能に支持された回転軸72が連結され、この回転軸72にはタイミングプーリ73が固定されている。74は下側の支持ビーム49に軸受75を介して回転可能に支持された回転軸であり、この回転軸74に固定されたタイミングプーリ76と前記タイミングプーリ73との間には有端のタイミングベルト77が掛け渡されている。そして、このタイミングベルト77の両端は前記昇降枠51に固定されている。
【0025】
この結果、前記モータ69が作動してタイミングベルト77が走行すると、移動台66は保管棚33に沿って昇降し、いずれかの保管棚33の直前あるいは供給コンベア45の直前で停止することができる。前述したモータ69、回転軸72、タイミングプーリ73、回転軸74、タイミングプーリ76、タイミングベルト77は全体として、移動台66を保管棚33に沿って昇降させる昇降機構78を構成する。
【0026】
そして、前述のように複数の保管棚33と、該保管棚33に沿って移動可能で、保管棚33との間で空パレットPを受渡すことができる移動台66とを設けるようにすれば、空パレットPの取扱が容易となり、作業能率が向上する。しかも、前記保管棚33を上下に離して複数段設置するとともに、移動台66をこれに対応して昇降させるようにすれば、空パレット保管装置31の設置面積を小さくすることができ、スペースの有効利用を図ることができる。さらに、各保管棚33、移動台66にそれぞれコンベア43、65を設け、これらコンベア43、65を走行させることにより、保管棚33と移動台65との間で空パレットPの受渡しを行うようにすれば、簡単な構造で空パレットPを容易に受渡すことができる。
【0027】
前記下側の支持ビーム49には図示していないシリンダにより昇降する水平な支持プレート81が支持され、この支持プレート81上には前後方向に延びる一対の回転軸82、83が回転可能に支持されている。これら回転軸82、83の前端部および後端部にはそれぞれスプロケット84、85が固定され、対をなすスプロケット84、85間には左右方向に延びるチェーン86が掛け渡されている。87は支持プレート81上に取り付けられたモータであり、このモータ87の出力軸に固定されたスプロケット88と回転軸83に固定されたスプロケット89との間にはチェーン90が掛け渡されている。
【0028】
前述した回転軸82、83、スプロケット84、85、チェーン86、モータ87、スプロケット88、89、チェーン90は全体として、コンベア65と直交する方向、即ち左右方向に空パレットPを搬送する直交コンベア91を構成する。そして、この直交コンベア91は前記シリンダの作動により支持プレート81が昇降することで、下降限のコンベア65、即ち供給コンベア45と同一高さまで下降したコンベア65より上方に突出したり、あるいは、コンベア65の下方に引っ込んだりする。
【0029】
92は載置コンベア23内に設置された直交コンベアであり、この直交コンベア92は前述の直交コンベア91と同様の構成であり、左右方向に空パレットPを搬送することができる。また、この直交コンベア92も前記直交コンベア91と同様に、図示していないシリンダの作動によって載置コンベア23より上方に突出したり、あるいは、載置コンベア23の下方に引っ込んだりする。
【0030】
前述した固定フレーム32、保管棚33、供給コンベア45、支持ビーム49、ガイドフレーム50、移動台66、昇降機構78、直交コンベア91、92は全体として、空パレットPを入出庫手段28から受取って保管するとともに、未加硫タイヤMが新たに搬入されたとき、保管していた空パレットPを入出庫手段28に受渡す前記空パレット保管装置31を構成する。
【0031】
次に、この発明の第1実施形態の作用について説明する。
いずれかの加硫装置11が加硫終了間近になると、スタッカクレーン15によって第1受渡し位置U1に供給されていた、未加硫タイヤMが載置されているパレットPが、第1受渡しコンベア16および給排コンベア20の作動により前方に向かって加硫装置11の直後まで搬送され出庫される。その後、前記加硫装置11において加硫が終了すると、該加硫装置11から加硫済みタイヤを搬出するとともに、未加硫タイヤMのみを図示していない搬送機構によって空となった加硫装置11に供給する。次に、加硫装置11において搬入された未加硫タイヤMが加硫され、一方、第1受渡しコンベア16、給排コンベア20においては、これらの作動により残った空パレットPが後方に向かって第1受渡し位置U1まで搬送され入庫される。
【0032】
前述のような作動と並行して、載置コンベア23においては以下のような作動が行われる。即ち、搬送台車26がラック14の直前まで搬送されてくると、スタッカクレーン15によって第2受渡し位置U2に供給されていた空パレットPが、第2受渡しコンベア17、載置コンベア23の作動により第2受渡しコンベア17から載置コンベア23に出庫され、載置コンベア23上に載置される。
【0033】
このとき、可動台24はラック14の直前に到達した搬送台車26の直上まで移動した後、把持機構27を下降させて該把持機構27により搬送台車26上の未加硫タイヤMを把持し、次に、把持機構27を上昇させた後、載置コンベア23の直上まで移動し、その後、把持機構27を下降させ、該把持機構27により把持されている未加硫タイヤMを載置コンベア23上の空パレットPに受渡して載置する。次に、第2受渡しコンベア17、載置コンベア23が作動し、未加硫タイヤMが載置されているパレットPが載置コンベア23から第2受渡しコンベア17に移載され入庫される。
【0034】
そして、加硫装置11による未加硫タイヤMの加硫に伴って前述のような作動が繰り返し行われるが、このとき、スタッカクレーン15は、ラック14に一時保管されている、未加硫タイヤMが載置されたパレットPをいずれかの区画から取り出して第1受渡し位置U1の第1受渡しコンベア16に受渡すとともに、空パレットPを第1受渡し位置U1の第1受渡しコンベア16から取り出してラック14のいずれかの区画に受渡し、さらに、ラック14に一時保管されている空パレットPをいずれかの区画から取り出して第2受渡し位置U2の第2受渡しコンベア17に受渡すとともに、未加硫タイヤMが載置されたパレットPを第2受渡しコンベア17から取り出してラック14のいずれかの区画に受渡す。
【0035】
ここで、自動倉庫13の入出庫能力、即ち入出庫手段28が単位時間当りにパレットP(未加硫タイヤMが載置されていることもある)をラック14から入出庫する処理能力が、タイヤ加硫装置11をフル稼動させたときにラック14から給排コンベア20および載置コンベア23に入出庫される単位時間当りのパレットPの数より少ないときには、加硫装置11への未加硫タイヤM(パレットP)の供給を優先するため、作業の途中で入出庫手段28のスタッカクレーン15の能力不足により空パレットPが準備できず、この結果、新たな未加硫タイヤMが搬入されてくるにも拘らず、載置コンベア23に対する空パレットPの供給が不足してしまうことがある。
【0036】
このような場合には、昇降機構78のモータ69を作動してタイミングベルト77を走行させ、移動台66をガイドフレーム50に沿って空パレットPが載置されているいずれかの保管棚33の直前まで昇降させる。その後、モータ42、モータ60を作動してチェーン39、57を同期して前方に走行させ、保管していた空パレットPを保管棚33から移動台66に受渡す。次に、再びモータ69を作動して移動台66を載置コンベア23と同一高さの下降限まで下降させる。
【0037】
次に、直交コンベア91、92をシリンダにより上昇させ、これら直交コンベア91、直交コンベア92をそれぞれコンベア65、載置コンベア23より上方に突出させる。この結果、移動台66に下方から支持されていた空パレットPは直交コンベア91に移載される。次に、直交コンベア91、92を同期走行させて、前記空パレットPを直交コンベア91から直交コンベア92に移載させた後、直交コンベア91、92を下降させ、直交コンベア92上に載置されていた空パレットPを入出庫手段28の載置コンベア23に受渡す。
【0038】
そして、このように空パレットPを空パレット保管装置31から入出庫手段28に受渡した位置、即ち、載置コンベア23において、該空パレットP上に前述と同様にして可動台24、把持機構27により搬入された未加硫タイヤMを載置する。このようにすれば空パレットPを他の場所まで移動させる必要がなく、作業能率が向上する。なお、その後の作動は前述と同様である。
【0039】
また、前述のように空パレット保管装置31から入出庫手段28に空パレットPを受渡すと、空パレット保管装置31に保管されている空パレットPの数が減少するため、空パレットPを補充する必要がある。このような補充は、スタッカクレーン15に空き時間ができたとき、該スタッカクレーン15によりラック14に一時保管されている空パレットPをいずれかの区画から取り出して第3受渡し位置U3の供給コンベア45に供給することで行う。
【0040】
このようにして空パレット保管装置31(供給コンベア45)が入出庫手段28(スタッカクレーン15)から空パレットPを受け取ると、供給コンベア45および下降限に位置しているコンベア65が同期作動し、前記空パレットPが供給コンベア45からコンベア65(移動台66)に移載される。次に、モータ69を作動して移動台66を空の保管棚33の直前まで上昇させた後、コンベア65、43を同期走行させて空パレットPを移動台66から保管棚33に移載する。
【0041】
このように空パレット保管装置31は入出庫手段28から空パレットPを受取って保管するとともに、必要に応じて入出庫手段28に受渡すようにしているので、空パレット保管装置31が、空パレットPを入庫する作業および未加硫タイヤMを載置する位置まで空パレットPを出庫する作業を、入出庫手段28の代りに行うこととなり、この結果、未加硫タイヤMおよびパレットPが連続的に入出庫され、作業能率が向上する。
【0042】
図7、8はこの発明の第2実施形態を示す図である。この実施形態においては、上下方向に延びる固定フレーム95に互いに平行な回転軸96、97を回転可能に支持するとともに、これら回転軸96、97にモータ98からの回転駆動力をチェーン99、伝達軸 100を介して伝達し、これら回転軸96、97を同期回転させるようにしている。また、前記回転軸96、97の両端に固定されたスプロケット101、102に上下方向に延びるチェーン103、104を掛け渡すとともに、これらチェーン103、104に断面L字形の支持アングル105、支持アングル106を固定し、これら支持アングル105、106によって空パレットPの両側端部を下方から支持することで該空パレットPを保管するようにしている。
【0043】
そして、このような空パレット保管装置から空パレットPを入出庫手段に受渡すときには、モータ98によりチェーン103、104を走行させて最下段の空パレットPを入出庫手段と同一高さまで下降させた後、該空パレットPを入出庫手段に受渡し、一方、空パレットPを空パレット保管装置に補充する場合には、前述と同様にチェーン103、104を走行させて最下段の空パレットPの直下に位置する空の支持アングル105、106を入出庫手段と同一高さまで昇降させた後、入出庫手段から該支持アングル105、106上に空パレットPを供給する。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、未加硫タイヤ、パレットを連続的に入出庫することができ、作業能率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の第1実施形態を示す全体概略平面図である。
【図2】 図1のIーI矢視図である。
【図3】 図1のIIーII矢視断面図である。
【図4】 図1のIIIーIII矢視図である。
【図5】 図4のIVーIV矢視断面図である。
【図6】 図4のVーV矢視断面図である。
【図7】 この発明の第2実施形態を示す空パレット保管装置の正面図である。
【図8】 図7の平面図である。
【符号の説明】
11…加硫装置 13…自動倉庫
14…ラック 28…入出庫手段
31…空パレット保管装置 33…保管棚
43…コンベア 65…コンベア
66…移動台 P…パレット
M…未加硫タイヤ

Claims (6)

  1. 複数台のタイヤ加硫装置のいずれかにおいて加硫が終了したとき、スタッカクレーンを有する入出庫手段によってラックに一時保管されている、未加硫タイヤが載置されたパレットを出庫し、未加硫タイヤのみをタイヤ加硫装置に供給する工程と、未加硫タイヤが供給されることで空となったパレットを入出庫手段によってラックに入庫し一時保管する工程と、未加硫タイヤが新たに搬入されたとき、入出庫手段によってラックに一時保管されている空パレットを出庫し、該空パレット上に搬入された未加硫タイヤを載置する工程と、未加硫タイヤが載置されたパレットを入出庫手段によってラックに入庫して一時保管する工程とを備えた未加硫タイヤの保管供給方法であって、
    空パレットを入出庫手段によって空パレット保管装置に供給し、該空パレット保管装置において保管する工程と、未加硫タイヤが新たに搬入されたとき、保管していた空パレットを空パレット保管装置から入出庫手段に受渡す工程とをさらに備えたことを特徴とする未加硫タイヤの保管供給方法。
  2. 複数台のタイヤ加硫装置に近接して設置され、未加硫タイヤが載置されたパレットおよび空パレット単体を複数個一時保管するラック、並びに、スタッカクレーンを有し、タイヤ加硫装置のいずれかにおいて加硫が終了したとき、ラックから未加硫タイヤが載置されたパレットを出庫し、未加硫タイヤのみをタイヤ加硫装置に供給するとともに、未加硫タイヤが供給されることで空となったパレットをラックに入庫して一時保管し、かつ、未加硫タイヤが新たに搬入されたとき、ラックに一時保管されている空パレットを出庫し、該空パレット上に搬入された未加硫タイヤを載置するとともに、未加硫タイヤが載置されたパレットをラックに入庫する入出庫手段を有する自動倉庫と、
    自動倉庫に隣接して設置され、空パレットを入出庫手段から受取って保管するとともに、未加硫タイヤが新たに搬入されたとき、保管していた空パレットを入出庫手段に受渡す空パレット保管装置とを備えたことを特徴とする未加硫タイヤの保管供給設備。
  3. 前記空パレット保管装置は、空パレットを下方から支持することができる複数の保管棚と、空パレットを下方から支持しながら保管棚に沿って移動可能で、かつ、保管棚との間で空パレットを受渡すことができる移動台とを備えた請求項2記載の未加硫タイヤの保管供給設備。
  4. 前記保管棚を上下に離して複数段設置するとともに、移動台を保管棚に沿って昇降させるようにした請求項3記載の未加硫タイヤの保管供給設備。
  5. 前述の各保管棚および移動台にそれぞれ、これら保管棚、移動台を結ぶ方向に延びるコンベアを設け、これらコンベアを走行させることにより、保管棚と移動台との間で空パレットの受渡すようにした請求項3記載の未加硫タイヤの保管供給設備。
  6. 前記空パレット保管装置から入出庫手段に空パレットを受渡した位置において、該空パレット上に未加硫タイヤを載置するようにした請求項2記載の未加硫タイヤの保管供給設備。
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