JP4321791B2 - ズームレンズ鏡筒 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ズームレンズ鏡筒に関し、詳しくは、コード板とブラシ部材とによるレンズ位置検出手段を備えたズームレンズ鏡筒に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ズームレンズ鏡筒を光軸方向に移動させるズームレンズカメラでは、焦点位置を算出するために、ズームレンズ鏡筒の位置を検出する手段を備えている。その一例として、特開平7−72543号公報等に開示されているように、ズームレンズ鏡筒に設けられた可動のコード板と、カメラ本体に固定されたブラシ部材からなるレンズ位置検出手段がある。この手段では、コード板とブラシ部材との相対位置の変化によって得られる情報より、ズームレンズ位置を検出することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の構造では、ブラシ部材が鏡筒外部に露出しており、カメラ組立時において、指先等がブラシ部材に触れることがある。これにより、ブラシ部材が変形してコード板から浮きあがると、レンズ位置の検出不良による誤作動が発生するおそれがある。
【0004】
本発明は、上記事情を考慮してなされたものであり、ブラシ部材の変形を防止してレンズ位置を正確に検出することのできる、ズームレンズ鏡筒を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明のズームレンズ鏡筒は、ズームレンズを構成するレンズ群を光軸方向に移動させるための移動手段と、前記レンズ群の外部に設けられ、前記レンズ群の移動量に応じて回転動作を行う回転筒と、前記回転筒に取り付けられ、導電部、非導電部との組み合わせによるレンズ位置情報を有するコード板と、金属板によって構成され、前記レンズ群の光軸と略直交するように配置されて前記レンズ群を保持するレンズベース部材と、前記光軸方向に並べて前記レンズベース部材に固定され、前記コード板と接触し、前記コード板との相対位置情報に基づいてレンズ位置の検出を行うための複数のブラシ部材と、前記レンズベース部材の一部を前記光軸と平行になるように折り曲げることにより、前記レンズベース部材に一体に形成されたアーム部と、前記アーム部の先端に一体に設けられ、前記光軸方向に長い長方形に形成されるとともに、前記各ブラシ部材の外側かつ前記各ブラシ部材の先端近傍部分に配置され、前記各ブラシ部材を覆って保護するブラシ保護部材とを備えたことを特徴とする。
【0006】
なお、前記レンズベース部材の一部を前記アーム部と同一の方向に折り曲げることにより、前記各ブラシ部材を支持するブラシ支持部材を、前記レンズベース部材と一体に構成すると、より好適である。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のズームレンズ鏡筒について、その実施形態を説明する。図1に示すように、本発明のズームレンズ鏡筒は、レンズベース部材1、カム筒2、固定筒3、移動筒4、ブラシ部材5、制御部6等で構成されている。レンズベース部材1はカメラボディに固定されており、カム筒2、固定筒3、移動筒4を保持している。
【0008】
図2に示すように、レンズベース部材1は、金属板から構成されており、その中心には開口7が形成されている。開口7の奥には電荷結合素子(CCD)8が取り付けられており、カメラ内部に入射する被写体光は、光軸10に沿って開口7を通過し、電荷結合素子8に撮像される。
【0009】
レンズベース部材1の上部には、ブラシ部材5を保持するためのブラシ支持部11がレンズベース部材1と一体に設けられ、光軸10と平行になるように曲げられている。また、ブラシ部材5は、ブラシ固定部材12に取り付けられ、このブラシ固定部材12は、ネジ13によってブラシ支持部11にネジ止めされている。
【0010】
レンズベース部材1の側部には、アーム部14がレンズベース部材1と一体に設けられ、光軸10と平行になるように曲げられている。アーム部14の先端には、ブラシ保護部15がアーム部14と一体に設けられ、ブラシ部材5と平行になるように曲げられている。このブラシ保護部15は、ブラシ部材5の外側でブラシ部材5の先端近傍部分に配置されており、ズームレンズ鏡筒の組み立て時において、指やその他の部材がブラシ部材5に接触してブラシ部材が変形することのないように保護している。
【0011】
カム筒2は、固定筒3の外周に設けられ、光軸10と垂直な面内で回動可能である。カム筒2の外側にはギヤ部16が一体に設けられ、ギヤ部16にはギヤ列20を介してズーム用モータ17が接続されている。ズーム用モータ17で発生した駆動力が減速ギヤ列20を介してギヤ部16に伝達されると、カム筒2は光軸10を中心として回動する。
【0012】
移動筒4は、固定筒3の内部に設けられ、光軸10と平行な方向に可動である。移動筒4の内部には、負のパワーを有する第1レンズ群21、正のパワーを有する第2レンズ群22、レンズ枠23、フォーカス用モータ24、スクリュー25、ピン26が設けられている。第1レンズ群21は移動筒4に固定されており、移動筒4とともに光軸10と平行な方向に移動する。
【0013】
本発明のズームレンズ鏡筒内部の断面を図3に示す。第2レンズ群22を保持するレンズ枠23には、スクリュー25に係合するネジ部27と、ピン26に係合する開口部30とが設けられており、これらネジ部27、開口部30は、光軸10と垂直となるように設置される。スクリュー25とピン26とは、固定筒3の背面を通して、レンズベース部材1に取り付けられる。スクリュー25は、フォーカス用モータ24の回転軸としてフォーカス用モータ24に取り付けられている。フォーカス用モータ24が駆動して、スクリュー25が回転すると、レンズ枠23は、ネジ部27を介して光軸10の方向に移動することができる。ピン26は、レンズ枠23の回動を防止するために取り付けられている。
【0014】
カム筒2の内周部には、第1レンズ群21を移動させるためのカム溝31が形成されている。また、移動筒4の外周にはカムピン32が取り付けられており、固定筒3に形成されているガイド溝33を通してカム溝31に係合する。これにより、移動筒4は、カム筒2が回動すると、カムピン32を介して光軸10の方向に移動することができる。また、符号34は、カム筒2の回動の摩擦力を軽減させるために、カム筒2と固定筒3との間に設けられた空間である。このため、カム筒2と固定筒3とは、物体側の一部分のみが接している。
【0015】
カム筒2の外周部には、コード板35が形成されており、ブラシ部材5と接触するように設置されている。このコード板35には、導電部36と非導電部37との組み合わせによって、第1レンズ群21の位置を表すビット情報が記されており、カム筒2とともに回動するコード板35と、レンズベース部材1に固定されているブラシ部材5との相対位置に応じたビット情報が、ブラシ部材5を介して制御部6に出力され、移動筒4の位置制御、焦点距離の算出に用いられる。
【0016】
カメラが作動していないときは、移動筒4は、固定筒3の内部に最も深く入り込んだ停止位置にある。カメラに電源が投入されると、ズーム用モータ17が駆動し、減速ギヤ20を介してカム筒2が光軸10を中心として回転する。これにより、移動筒4は光軸10の方向に繰り出される。その後、移動筒4が図4に示すワイド端位置まで移動すると、ワイド端位置に相当するビット情報がブラシ部材5を介して制御部6に伝達される。そして、制御部6はズームモータ17の駆動を停止させ、撮影可能状態となる。
【0017】
この状態でズームモータ17を駆動させて移動筒4を徐々に繰り出していき、図5に示すように、移動筒4が物体側に最も繰り出されたテレ端位置まで移動すると、テレ端位置に相当するビット情報が制御部6に伝達される。そして、制御部6がズームモータ17への通電を遮断することにより、移動筒4は停止する。
【0018】
撮影可能状態では、制御部6は、ブラシ部材5からのビット情報により移動筒4の位置制御を行っているため、移動筒4は、テレ端位置とワイド端位置との間でのみ移動することができる。また、撮影の際は、制御部6がカメラに組み込まれた測距装置からの距離情報と、ブラシ部材からの第1レンズ位置情報をもと、フォーカスモータ24に通電を行い、第2レンズ群22を移動させることによって合焦を行う。
【0019】
電源が切断されると、制御部6は、ズーム用モータ17を駆動させて移動筒4を停止位置へと移動させる。その後、制御部6は、移動筒4が停止位置に達したことを検出すると、ズーム用モータ17への通電を遮断して、カメラ本体の動作を終了させる。
【0020】
このように、第1レンズ群21の位置検出に用いるブラシ部材5を保護するブラシ保護部材15を、レンズベース部材1と一体に設けることにより、組み立て時における、ブラシ部材5への指や他の部材の接触が防止される。したがって、ブラシ部材5が変形することがないため、第1レンズ群21の位置検出を誤るおそれがなくなる。
【0021】
上記実施形態では、電子スチルカメラ用のズームレンズ鏡筒について説明しているが、もちろん、写真用カメラやビデオカメラ等にも適用することができる。
【0022】
上記実施形態では、レンズ群が2つのズームレンズ鏡筒について説明しているが、3つ以上のレンズ群を用いて焦点距離の変更を行うズームレンズにも適用することができる。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、ブラシ部材を保護するためのブラシ保護部材を、レンズベース部材と一体に設けているから、カメラ組み立て時に誤ってブラシ部材に指やその他の部材が接触することがなくなる。従って、ブラシ部材が変形することがなく、変形に起因する検出不良が発生するおそれがなくなる。
【0024】
また、ブラシ保護部材をブラシ部材の外側でブラシ部材の先端近傍部分に配置したから、接触による変形の影響が大きいブラシ先端部を確実に保護することができる。また、ブラシ支持部材を、レンズベース部材と一体に構成しているから、ブラシ部材とブラシ保護部材を設ける際に、その設置誤差を少なくすることができる。また、レンズベース部材をベース板から構成し、このベース板の一部を折り曲げて、ブラシ保護部材及びブラシ支持部材を構成したから、ズームレンズ鏡筒の構成を簡単にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ズームレンズ鏡筒の外観を示した斜視図である。
【図2】ズームレンズ鏡筒の分解斜視図である。
【図3】ズームレンズ鏡筒の縦断面図である。
【図4】ズームレンズ鏡筒のワイド端での状態を示した横断面図である。
【図5】ズームレンズ鏡筒のテレ端での状態を示した横断面図である。
【符号の説明】
1 レンズベース部材
2 カム筒
3 固定筒
4 移動筒
5 ブラシ部材
11 ブラシ支持部
15 ブラシ保護部
21 第1レンズ群
35 コード板
Claims (2)
- ズームレンズを構成するレンズ群を光軸方向に移動させるための移動手段と、前記レンズ群の外部に設けられ、前記レンズ群の移動量に応じて回転動作を行う回転筒と、前記回転筒に取り付けられ、導電部、非導電部との組み合わせによるレンズ位置情報を有するコード板と、金属板によって構成され、前記レンズ群の光軸と略直交するように配置されて前記レンズ群を保持するレンズベース部材と、前記光軸方向に並べて前記レンズベース部材に固定され、前記コード板と接触し、前記コード板との相対位置情報に基づいてレンズ位置の検出を行うための複数のブラシ部材とを備えたズームレンズ鏡筒において、
前記レンズベース部材の一部を前記光軸と平行になるように折り曲げることにより、前記レンズベース部材に一体に形成されたアーム部と、
前記アーム部の先端に一体に設けられ、前記光軸方向に長い長方形に形成されるとともに、前記各ブラシ部材の外側かつ前記各ブラシ部材の先端近傍部分に配置され、前記各ブラシ部材を覆って保護するブラシ保護部材とを設けたことを特徴とするズームレンズ鏡筒。 - 前記レンズベース部材の一部を前記アーム部と同一の方向に折り曲げることにより、前記各ブラシ部材を支持するブラシ支持部材を、前記レンズベース部材と一体に構成したことを特徴とする請求項1記載のズームレンズ鏡筒。
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