JP4321726B2 - 電動サンシェード装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は車両のウィンドウを覆って日差しを遮るための電動サンシェード装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両のウィンドウを覆うサンシェード装置として、従来、特開平4−345522号および特開平6−193367号に開示されている技術が知られている。これらの提案装置においては、いずれも、ウィンドウを覆うためのシェードの巻取り収納装置をウインドウの室内側の下縁部に沿って配設し、その巻取り収納装置の両端部からウィンドウの両側縁部に沿って一対のガイドレールを立設している。また、その各ガイド内には移動部材をそれぞれ摺動自在に設けるとともに、これら一対の移動部材を各ガイドに沿って上下動させる駆動装置を設けている。そして、その一対の移動部材により、シート状のシェード先端部に固定された直線状のステイの両端を支持し、駆動装置によって一対の移動部材を介してステイを上下動させるように構成している。
【0003】
また、ステイの両端部には、一対のガイドの上下での間隔の相違に対応してステイの長さを調整すべく、軸方向に摺動自在に突出するスライドシャフトを設けている。すなわち、シェードの展張または収納時に、ステイの上下動に伴ってスライドシャフトがステイの両端で軸方向に摺動変位することにより、実質的にステイが全体として伸縮して、ウィンドウの上下での横幅の相違に対応することを可能としている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、以上のような従来の提案における電動サンシェード装置は、自動車のフロントウィンドウに使用するには、下記に示すように幾つかの難点がある。すなわち、近年、自動車には乗員を保護するためのエアバッグ装置が一般に取り付けられるが、助手席用のエアバッグの取付けにはダッシュボードが利用される。前記した各提案装置によると、シェードの収納装置がウィンドウの室内側下縁部に沿って設けているため、助手席用エアバッグの存在によってフロントウィンドウには使用することができなない。
【0005】
また、フロントウィンドウは、通常、天井付近に比べて下側ほど幅が広いばかりでなく、ウィンドウの形状が、中央部が外側(車体前方側)に突出する向きに湾曲している。そのため、前記した各提案装置のように直線状のステイを用いる場合には、シェード展張時にダッシュボードの上面中央部分の領域がシェードの外側に出てしまい、日差しを有効に遮ることができないという問題がある。
【0006】
更に、前記した提案装置においては、ステイの両端部に軸方向に摺動自在のスライドシャフトを設けることにより、ウィンドウの上下での横幅の変化に対応しているが、各スライドシャフトは単にステイに対して摺動自在であって特にその軸方向位置が規制されていないため、ステイ本体部分に対する出入り量が左右で一定となる保証はなく、上下動の際にステイ本体部分のガイドレールに対する横方向の位置が定まらない結果、シェードが偏ったり傾いたりして光の漏れが生じやすい。また、この提案装置の機構によると、シェードが自然に中心位置に戻ることはなく、展張/収納時における動きが悪くなって耐久性にも劣るという欠点がある。
【0007】
本発明はこのような実情に鑑みてなされたもので、ダッシュボードに助手席用エアバッグが装着されているフロントウィンドウにも問題なく使用することができ、しかも、ダッシュボードの上面部を含めてフロントウィンドウの略全域を覆って光を確実に遮蔽することのできる電動サンシェード装置の提供を主たる目的としている。
【0008】
加えて、本発明おいては、湾曲した形状を有するフロントウィンドウの略全域を覆うシェードでありながら、展張/収納時にシェードが捩じれることのない電動サンシェード装置の提供を他の目的とし、更に加えて、展張/収納時にシェードが横方向にずれにくく、その動きがスムーズで、耐久性に富んだ電動サンシェード装置の提供を更にまた他の目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の電動サンシェード装置は、車両のウィンドウの室内側の上縁部に長手方向が沿うように配設される巻取り収納装置と、その巻取り収納装置に基端部が固着されたシェードと、そのシェードの先端部に取り付けられたステイと、そのステイの両端部にそれぞれ一端部が軸方向に摺動自在に挿入支持された一対のスライドシャフトと、その各スライドシャフトの他端に取り付けられた一対のランナーと、その各ランナーに結合されて当該ランナーを移動させるための一対の可撓性線状部材と、上記ウィンドウの両側縁部に沿って敷設され、上記可撓性線状部材およびランナーの双方を案内する一対のガイドレールと、上記可撓性線状部材を駆動してランナーおよびスライドシャフトを介してステイをガイドレールに沿って上下動させる駆動装置と、その駆動装置を操作するスイッチを有し、上記ステイは、長手方向中央部がウィンドウ側に突出する向きに屈折しているとともに、全体として略水平面に沿った姿勢で上下動するよう構成され、上記シェードは、上記ステイの屈曲部近傍を通る縦方向の分割線により2分割され、上記巻取り収納装置はその分割された各シェードのそれぞれに対応して設けられているとともに、その各巻取り収納装置は、ステイの屈折部を挟んでその両側部分に対して巻取り軸がそれぞれ略平行となるように配設されていることによって特徴づけられる(請求項1)。
【0010】
ここで、本明細書において、ステイが略水平面に沿った姿勢で上下動する、とは、ステイが屈折部を挟んでその両側とも略水平面上に沿った状態で上下動することを言う。
【0011】
発明においては、分割された各シェードの先端部に、シェードを引き出すための引出し部材と、ステイに対して係脱自在に係止するための係止部材を設ける構成(請求項)を採用することができる。
【0012】
また、本発明では、各スライドシャフトを、ステイとの間に設けられた弾性部材によってステイから突出する向きに付勢する構成(請求項)を採用することが好ましい。
【0013】
に、本発明においては、ガイドレールに検知スイッチを設けて、その検知スイッチの出力によってシェードをガイドレールの中間位置で一旦停止させるように構成すること(請求項)もできる。
【0014】
請求項1に係る発明の電動サンシェード装置においては、まず、シェードの巻取り収納装置がウィンドウの室内側上縁部に沿って配置されているため、ダッシュボードに助手席用エアバッグが取り付けられていても、それと干渉することなくフロントウィンドウに装着することができる。また、ウィンドウの両側縁部に沿って配置されるガイドに沿って、ランナーおよびスライドシャフトを介してステイを略水平面に沿った姿勢で上下動させるため、天井側から下側に向かうほど横幅が次第に広く、かつ、中央部分が車体前方側に突出する向きに湾曲した形状のフロントウィンドウに装着したとき、ステイはそのウィンドウの内面に略沿った状態でステイが上下動し、展張終端位置、つまり下限位置においてはウィンドウの湾曲した下縁にほぼ沿った状態となるため、ダッシュボード上面中央部分を含めてウィンドウ全域を有効に覆い、日差しを確実に遮蔽することができる。
【0015】
更に、シェードを中央部において縦に2分割して、その各先端部をステイの屈折部を挟んでその両側に対して装着するとともに、分割された各シェードのそれぞれに対応して設けた巻取り装置を、それぞれ屈折部を挟んでその両側のステイに対して巻取り軸が平行となるように配置しているので、上記のように屈折したステイを略水平面に沿って上下動させても、シェードが捩じれることなくスムーズに上下動させることが可能となる。
【0016】
そして、上記のように巻取り装置を配置すると、各巻取り装置は湾曲しているウィンドウに沿った状態、つまり各巻取り装置のウィンドウ中央部側の端部がウィンドウ先端に近づいた状態となって、ステイの屈曲部が乗員から離れた位置で上下動を行うので、乗員頭部との間のヘッドクリアランスを確保することができる。
【0017】
また、シェードを中央部において縦に2分割する構成において、分割された各シェードに対して、引出し部材とステイに対する係止部材を設ける請求項に係る発明の構成を採用すると、運転席側および助手席側のシェードの双方もしくはいずれか一方のみを選択的に展張/収納することが可能となって、シェードの使用方法の選択性が増大する。
【0018】
そして、請求項に係る発明のように、ステイの両端部に軸方向に摺動自在に装着されたスライドシャフトを、ステイから突出する向きに付勢した構成を採用すると、ステイ両端の各スライドシャフトの軸方向への突出量が一対の弾性部材の弾性力によって互いに規制される結果、ステイはウィンドウの横方向中央に常に安定して位置決めされる。
【0019】
更に、請求項に係る発明のように、ガイドレールに検知スイッチを設けることによってステイがガイドレール中間位置に到来したことを検知し、その中間位置でステイを一旦停止するように構成すれば、サンバイザーとしての機能をも併せ持った電動サンシェード装置となる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の好適な実施の形態について説明する。図1は本発明の実施の形態の正面図で、図2はその右側面図である。なお、図1には、電気的構成を示すブロック図も併せて示している。
【0021】
一対の巻取り収納装置1aおよび1bは、それぞれの長手方向、つまり巻取り軸方向がフロントウィンドウWの室内側の上縁部に沿って、運転席側および助手席側の双方に配設される。また、フロントウィンドウWの両側縁に沿って一対のガイドレール2a,2bが敷設される。この各ガイドレール2a,2bは、巻取り収納装置1a,1bの上側を横方向に伸びる水平ガイド部2cを介して相互に一体化され、全体として門形のガイド装置2を構成している。このガイド装置2は、車体に対して4箇所の取付け部材21によって取り付けられる。
【0022】
各巻取り収納装置1a,1bは、シェードの巻取り方向に回転付勢された巻取り軸10a,10bを備えており、その各巻取り軸10a,10bには、それぞれシート状のシェード3a,3bの基端部が固定されている。また、その各シェード3a,3bの先端部には、共通の1本のステイ4が装着されている。このステイ4は、長手方向中央部がフロントウィンドウW側に近づく向きに屈折しており、その屈折部4aを挟んで両側に、それぞれのシェード3a,3bの先端部が装着されている。そして、左右の巻取り収納装置1a,1bの巻取り軸10a,10bは、ステイ4の屈折部4aを挟んでその両側に対してそれぞれに略平行となるような姿勢で、車室内天井部に固定されたセンターホルダ11と、ガイドレール2a,2bに固定された左右のホルダ12a,12bとの間に支持されている。なお、各巻取り収納装置1a,1bの巻取り軸10a,10bは、それぞれ車室内天井部に設けられる収納体で覆われ、巻き取られたシェードはその収納体内に収まるのであるが、図1および図2では説明の簡素化のために収納箱の図示を省略している。
【0023】
ガイド装置2の水平ガイド部2cの中央部には駆動装置9が固着されており、この駆動装置9は後述するように電動モータ91を含み、スイッチ9aの操作によりドライバー9bから供給される駆動信号によって作動し、後述するようにステイ4をガイドレール2a,2bに沿って上下動させ、シェード3a,3bを展張/収納することができる。
【0024】
ステイ4は、その両端がスライドシャフト5a,5bおよびランナー7a,7bを介して前記した一対のガイドレール2a,2bにガイドされ、常に全体として略水平の姿勢を保った状態で上下動するように構成されている。すなわち、ステイ4は、中央の屈折部4aを挟んでその両側とも水平面に対して略沿った状態で上下動するようになっている。
【0025】
図3はステイ4の両端部近傍の詳細構造を示す部分断面図である。なお、図3は一端側のみを図示しているが、他端側も全く同様の構造で鏡面対象をなしている。ステイ4は角パイプ材によって形成されており、その両端にはそれぞれ同じく角パイプ材によって形成されたスライドシャフト5a(または5b)の一端が摺動自在に挿入されている。各スライドシャフト5a(5b)は、それぞれステイ4との間に介在する圧縮コイルばね6a(6b)によってステイ4の両端から突出する向きに付勢されている。
【0026】
スライドシャフト5a(5b)の他端には、コネクタ51を介してランナー7a(7b)が取り付けられており、その各ランナー7a(7b)はガイドレール2a(2b)内に摺動自在に挿入されている。従ってステイ4は、その両端がスライドシャフト5a,5bとコネクタ51およびランナー7a,7bを介して左右のガイドレール2a,2bに対して摺動自在に支承されることになる。
【0027】
各ランナー7a(7b)には、それぞれ可撓性ラック8a(8b)の一端部が固着されており、この各可撓性ラック8a(8b)は、ガイドレール2a(2b)内を通り、更にガイド装置2の水平ガイド部2c内を通って駆動装置9にまで至り、下記に示すように駆動装置9の作動によってガイド装置2内を移動し、ランナー7a,7bおよびスライドシャフト5a,5bを介してステイ4を上下動させるようになっている。この上下動に際しては、ウィンドウWの上下位置における横幅の変化、従ってガイドレール2a,2b間の上下位置における横幅の変化に追随して左右の圧縮コイルばね6a,6bが伸縮し、左右のスライドシャフト5a,5bがステイ4に対して適宜に出入りすることになるが、圧縮コイルばね6a,6bのばね定数を等しくしておくことによって、左右のスライドシャフト5a,5bのステイ4に対する出入量を互いに等しくすることができる。
【0028】
なお、各ガイドレール2a,2bは、図4に横断面図を示すように、ランナー7a,7bをガイドするランナーガイド部27と、可撓性ラック8a,8bをガイドするラックガイド部28とを個別に設けた構造とすることが好ましい。
【0029】
図5は駆動装置9の構成を示す断面図で、図6はそのA−A断面図である。駆動装置9は、ハウジング90内に固定されて正逆両方向に回転可能なモータ91と、そのモータ91の出力軸91aに取り付けられたウォームギア92と、そのウォームギア92に噛み合うウォームホイール93と、そのウォームホイール93の回転中心軸上に当該ウォームホイール93に対して固定され、かつ、一端および中間部がハウジング90に設けられたボス90a,90bに回動自在に支持されるとともに、他端にピニオン94aが形成されてなるピニオン軸94によって構成されている。
【0030】
ピニオン94aはハウジング90の外側に突出してガイド装置2の水平ガイド部2c内に臨んでおり、そのピニオン94aに対して、図6に示すように、前記した可撓性ラック8a,8bが互いに対向する位置で噛み合っている。従って、スイッチ9aの操作によってモータ91を正転させ、ピニオン軸94を図6に矢印Bで示す向きに駆動すると、可撓性ラック8a,8bはそれぞれ水平ガイド部2c内を図中BaおよびBbの向きに移動し、ランナー7a,7bをそれぞれ下降させ、これによってステイ4を下降させてシェード3a,3bを展張させる。モータ91を逆転させた場合には、上記とは逆向きに各部が移動し、シェード3a,3bを収納することができる。
【0031】
以上の本発明の実施の形態において特に注目すべき点は、中央部がフロントウィンドウW側に突出する向きに屈折したステイ4が、略水平の姿勢を保って上下動してシェード3a,3bを展張/収納する点であり、これにより、ステイ4の下降端、つまりシェード3a,3bの展張端においては、図2に示すように、シェード3a,3bはフロントウィンドウWの下縁部にほぼ沿った状態となってダッシュボードの上面前縁部にほぼ沿い、ダッシュボード上面をほぼ全域に渡って遮蔽することができる。
【0032】
また、シェードを縦に2分割し、その各シェード3a,3bのそれぞれに巻取り収納装置1a,1bを設けて、その各巻取り軸10a,10bをステイ4の屈折部4aを挟んでその両側に対してそれぞれ略平行となるように配置しているため、上記のように屈折したステイ4を水平の姿勢で上下動させても、シェードが捩じれることがない。同時に、ステイ4および各シェード3a,3bを上下動させても、乗員頭部との間にヘッドクリアランスが確保されるため、乗員頭部にステイ4が接触する等の不具合は生じない。
【0033】
更に、ステイ4の両端に設けられるスライドシャフト5a,5bを、圧縮コイルばね6a,6bによってそれぞれステイ4から突出する向きに同等の力で付勢しているため、ガイドレール2a,2bの上下位置における横幅の変化にも係わらず、ステイ4は横方向に偏ることがない。
【0034】
ここで、以上の実施の形態のように、シェードを2分割する場合、その各シェード3a,3bの先端部に、図7に例示するように、引出し部材101およびステイ4に対して係脱自在に係止するための係止部材102を設けた構成を採用すると、シェード3a,3bのうちのいずれか一方をステイ4から外した状態でステイ4を下降させることにより、図8に例示するように、運転席側または助手席側のいずれか一方のみをシェードで遮蔽した状態とすることができる。
【0035】
更に、図9に示すように、ガイドレール2a,2bのいずれか一方に、その縦方向中間部にリミットスイッチ等の検知スイッチ103を設け、スイッチ9aの操作によってステイ4を下降させたとき、ステイ4が検知スイッチ103の配設位置に到来したときにそこで一旦停止させるとともに、再度スイッチ9aを操作することによってステイ4が最下端にまで下降するような回路構成を採用すれば、同図に示すように、シェード3a,3bをサンバイザーとして用いることも可能となる。この場合、図7に示したような係止部材102との併用により、運転席側および助手席側の双方もしくは任意の片方のみサンバイザーを機能させるといった使用方法も可能となる。
【0036】
なお、以上の実施の形態においては、可撓性ラック8a,8bによりランナー7a,7bを移動させることによってステイ4を上下動させる例を示したが、本発明は、ステイの上下動機構については特にこのような機構に限定されることなく、例えばワイヤとその巻回機構等、他の公知の任意の上下動機構を採用し得ることは勿論である。
【0037】
更に、以上の実施の形態は、本発明をフロントウィンドウに適用した例を示したが、本発明は自動車のリアウィンドウに適用することもできる。すなわち、リアウィンドウについても、フロントウィンドウ同様に、多くの自動車において天井付近に比べて下側ほど幅が広いのみならず、その形状が中央部が外側(車体後方側)に突出する向きに湾曲している。また、多くの乗用車等においては、リアシートの後方、リアウィンドウの直下部にオーディオ装置やエアコン等の機器が配置される。従って、巻取り収納装置をウィンドウ室内側下縁部に配置する従来の提案装置ではこれらの機器と干渉する可能性があり、かつ、リアウィンドウ中央部の車体外側への突出部を覆うことができないが、本発明の適用によってリアウィンドウの直下部近傍にオーディオ装置やエアコン等が配置されていてもそれと干渉することなく、かつ、リアウィンドウ中央部の車体外側への突出部分も確実に覆うことが可能となる。
【0038】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、遮蔽すべきウィンドウの上縁部に沿って巻取り収納装置を設けるとともに、中央部がウィンドウ側に突出する向きに屈折したステイを用い、なおかつそのステイを全体として水平を保った状態でウィンドウ上下動させるため、助手席用のエアバッグ装置をダッシュボードに配置した自動車でも、それと干渉することなくフロントウィンドウのシェード装置として用いることができるとともに、下縁側が幅広で湾曲したフロントウィンドウでも、ダッシュボードの上面をも略全域にわたってシェードで覆うことができ、有効に日差しを遮ることができる。
【0039】
また、屈折したステイに対して、縦に2分割されたシェードとそれぞれに対応した巻取り収納装置を採用し、その各巻取り収納装置の巻取り軸をステイの屈折部を挟んでその両側部分のそれぞれに対して略平行となるように配置すれば、シェードを捩じることなく極めてスムーズに展張/収納動作を行うことができる。同時に、ステイの屈曲部がウィンドウに近づいた状態で上下動するので、ヘッドクリアランスを確保することができ、乗員の頭部に接触する恐れがなく、シェードを展張したときの圧迫感を与えることもない。また、車室内を広く取れるという利点もある。
【0040】
更に、ステイ両端に配置されるスライドシャフトを、それぞれステイに対して突出する向きに付勢すれば、ステイの上下動時にガイドレール間の距離の変化に追随して、両側のスライドシャフトの出入量を互いに等しく保つことが可能となり、ステイは横方向に偏ることがなく、ウィンドウに対してシェードが偏ったり傾くといった不具合が生じない。
【0041】
更にまた、シェードを2分割する構成を採用する構成において、それぞれの先端に引出し部材とステイに対して係脱自在の係止部材を設けることにより、運転席側および助手席側のいずれか一方のみをシェードで覆うといった使用方法を実現できる。
【0042】
また、ガイドレールに検知スイッチを設けることによってステイをガイドレールの中間位置で一旦停止させるような構成を採用すると、サンバイザーとしての機能を併せ持たせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態の構成を示す正面図と電気的構成のブロック図を併記して表す図である。
【図2】 本発明の実施の形態の左側面図である。
【図3】 本発明の実施の形態のステイ4の両端部近傍の詳細構造を示す部分断面図である。
【図4】 同じくガイドレール2a,2bの横断面図である。
【図5】 同じく駆動装置9の構成を示す断面図である。
【図6】 図5のA−A拡大断面図である。
【図7】 本発明の他の実施の形態のシェード2a,2bの先端部の構成を示す斜視図である。
【図8】 図7の実施の形態の使用方法の例の説明図である。
【図9】 本発明の更に他の実施の形態の正面図である。
【符号の説明】
1a,1b 巻取り収納装置
2 ガイド装置
2a,2b ガイドレール
2c 水平ガイド部
3a,3b シェード
4 ステイ
5a,5b スライドシャフト
6a,6b 圧縮コイルばね
7a,7b ランナー
8a,8b 可撓性ラック
9 駆動装置
91 電動モータ
92 ウォームギア
93 ウォームホイール
94 ピニオン軸
94a ピニオン
101 引出し部材
102 係止部材
103 検知スイッチ
W フロントウィンドウ

Claims (4)

  1. 車両のウィンドウの室内側の上縁部に長手方向が沿うように配設される巻取り収納装置と、その巻取り収納装置に基端部が固着されたシェードと、そのシェードの先端部に取り付けられたステイと、そのステイの両端部にそれぞれ一端部が軸方向に摺動自在に挿入支持された一対のスライドシャフトと、その各スライドシャフトの他端に取り付けられた一対のランナーと、その各ランナーに結合されて当該ランナーを移動させるための一対の可撓性線状部材と、上記ウィンドウの両側縁部に沿って敷設され、上記可撓性線状部材およびランナーの双方を案内する一対のガイドレールと、上記可撓性線状部材を駆動してランナーおよびスライドシャフトを介してステイをガイドレールに沿って上下動させる駆動装置と、その駆動装置を操作するスイッチを有し、
    上記ステイは、長手方向中央部がウィンドウ側に突出する向きに屈折しているとともに、全体として略水平面に沿った姿勢で上下動するよう構成され
    上記シェードは、上記ステイの屈曲部近傍を通る縦方向の分割線により2分割され、上記巻取り収納装置はその分割された各シェードのそれぞれに対応して設けられているとともに、その各巻取り収納装置は、ステイの屈折部を挟んでその両側部分に対して巻取り軸がそれぞれ略平行となるように配設されていること、
    を特徴とする電動サンシェード装置。
  2. 分割された各シェードの先端部に、シェードを引き出すための引出し部材と、ステイに対して係脱自在に係止するための係止部材が設けられていることを特徴とする請求項に記載の電動サンシェード装置。
  3. 各スライドシャフトが、ステイとの間に設けられた弾性部材によってステイから突出する向きに付勢されていることを特徴とする請求項1またはに記載の電動サンシェード装置。
  4. ガイドレールに、ステイを当該ガイドレールの中間位置で一旦停止させるための検知スイッチが設けられていることを特徴とする請求項1、2または3に記載の電動サンシェード装置。
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