JP4320976B2 - 車輌の制動制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等の車輌の制動制御装置に係り、更に詳細には運転者により急制動操作や強い制動操作が行われた場合に高圧液体供給源よりホイールシリンダへ供給される高圧の作動液体の圧力を制御することにより各車輪の制動圧を制御しブレーキアシストする制動制御装置に係る。
【0002】
【従来の技術】
自動車等の車輌の制動制御装置の一つとして、例えば特開平11−321619号公報に記載されている如く、マスタシリンダの作動液圧を同一系統の各車輪に対応して設けられたホイールシリンダへ供給する作動液圧供給通路と、作動液圧供給通路に設けられた連通制御弁と、各車輪に対応して作動液圧供給通路に設けられ対応するホイールシリンダ内の圧力を増減させる増減圧弁と、連通制御弁と増減圧弁との間の作動液圧供給通路へ高圧の作動液体を供給する高圧液体供給源とを有し、高圧液体供給源は作動液を貯留するリザーバと、リザーバより作動液を汲み上げて吐出するポンプと、マスタシリンダと連通制御弁との間の作動液圧供給通路とポンプの吸入側とを接続する通路の連通を制御する吸入制御弁とを含む制動制御装置が従来より知られている。
【0003】
上述の如き制動制御装置に於いては、同一系統の車輪のうち目標制動圧が最も高い車輪のホイールシリンダ内の圧力は連通制御弁及び吸入制御弁を制御することによって連通制御弁と増減圧弁との間の作動液圧供給通路内の圧力(上流圧)を上記最も高い目標制動圧に制御することにより制御され、他の車輪のホイールシリンダ内の圧力は対応する増減圧弁を制御することによって対応する目標制動圧に制御される。
【0004】
従ってこの種の制動制御装置によれば、全ての車輪のホイールシリンダ内の圧力がそれぞれ対応する増減圧弁を制御することによって対応する目標制動圧に制御される一般的な制動制御装置の場合に比して、増減圧弁の開閉頻度を低減し、これにより増減圧弁の開閉に伴う騒音を低減することができると共に増減圧弁の耐久性を向上させることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述の如き制動制御装置に於いては、一般に、制動力制御の応答性をできるだけ高くすべく、制動力制御の開始時にはポンプの駆動開始と同時に連通制御弁が閉弁されると共に吸入制御弁が開弁され、或いはまずポンプの駆動が開始され、しかる後連通制御弁が閉弁されると共に吸入制御弁が開弁されるようになっている。
【0006】
また上述の如き制動制御装置に於ける連通制御弁は一般にリニアソレノイド弁であり、連通制御弁が閉弁位置にあるときにも上流圧が目標制動圧よりも高いときには自動的に開弁して連通制御弁とホイールシリンダとの間の作動液圧供給通路内の作動液をマスタシリンダ側へ導くことにより連通制御弁とホイールシリンダとの間の作動液圧供給通路内の圧力を目標制動圧に制御するよう構成されている。
【0007】
しかし連通制御弁を閉弁させるべくそのソレノイドに駆動電圧が印加されると、ソレノイドに通電される駆動電流が一時的にオーバーシュートし、上流圧が一時的に目標制動圧よりも高い値になっても連通制御弁は開弁せず、そのため制動力制御の開始時にポンプによってマスタシリンダ内のオイルが一時的に汲み上げられ、これに起因してブレーキペダルが引き込まれたり振動したりし、これにより運転者が不自然な制動操作フィーリングを感じるという問題があり、またブレーキペダルの振動や油撃に起因する異音が発生するという問題がある。特にこの問題は、運転者により急制動操作や強い制動操作が行われる場合に運転者の制動操作を補助するブレーキアシストの場合に顕著である。
【0008】
本発明は、連通制御弁の制御により制動圧を制御するよう構成された従来の制動制御装置に於ける上述の問題に鑑みてなされたものであり、本発明の主要な課題は、制動力制御の開始時に連通制御弁の閉弁動作が安定した後にポンプによるオイルの汲み上げ及び吐出が行われるようにすることにより、制動力制御の開始時にブレーキペダルが引き込まれたり振動したりすること及びこれに伴う制動操作フィーリングの悪化や異音の発生を効果的に防止することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述の主要な課題は、本発明によれば、マスタシリンダの作動液圧を車輪に対応して設けられたホイールシリンダへ供給する作動液圧供給通路と、前記作動液圧供給通路に設けられた連通制御弁と、前記連通制御弁と前記ホイールシリンダとの間の前記作動液圧供給通路へ高圧の作動液体を供給するポンプと、前記マスタシリンダと前記連通制御弁との間の前記作動液圧供給通路と前記ポンプの吸入側とを接続する吸入通路と、車輌の所定の運転時に前記ポンプを駆動すると共に前記連通制御弁を制御することにより前記ホイールシリンダ内の圧力を制御する制御手段とを有する車輌の制動制御装置にして、前記制御手段は前記ホイールシリンダ内の圧力の制御開始時に前記連通制御弁を閉弁させた後の所定の時点に於いて前記ポンプの駆動を開始し、前記所定の時間は運転者による制動操作速度に基づいて前記制御手段により可変設定されることを特徴とする車輌の制動制御装置(請求項1の構成)、又はマスタシリンダの作動液圧を車輪に対応して設けられたホイールシリンダへ供給する作動液圧供給通路と、前記作動液圧供給通路に設けられた連通制御弁と、前記連通制御弁と前記ホイールシリンダとの間の前記作動液圧供給通路へ高圧の作動液体を供給するポンプと、前記マスタシリンダと前記連通制御弁との間の前記作動液圧供給通路と前記ポンプの吸入側とを接続する吸入通路と、前記吸入通路に設けられた吸入制御弁と、車輌の所定の運転時に前記吸入制御弁を開弁させた状態にて前記ポンプを駆動すると共に前記連通制御弁を制御することにより前記ホイールシリンダ内の圧力を制御する制御手段とを有する車輌の制動制御装置にして、前記制御手段は前記ホイールシリンダ内の圧力の制御開始時に前記連通制御弁を閉弁させた後の所定の時点に於いて前記吸入制御弁を開弁させ、前記所定の時間は運転者による制動操作速度に基づいて前記制御手段により可変設定されることを特徴とする車輌の制動制御装置(請求項2の構成)、又はマスタシリンダの作動液圧を車輪に対応して設けられたホイールシリンダへ供給する作動液圧供給通路と、前記作動液圧供給通路に設けられた連通制御弁と、前記連通制御弁と前記ホイールシリンダとの間の前記作動液圧供給通路へ高圧の作動液体を供給するポンプと、前記マスタシリンダと前記連通制御弁との間の前記作動液圧供給通路と前記ポンプの吸入側とを接続する吸入通路と、前記吸入通路に設けられた吸入制御弁と、車輌の所定の運転時に前記吸入制御弁を開弁させた状態にて前記ポンプを駆動すると共に前記連通制御弁を制御することにより前記ホイールシリンダ内の圧力を制御する制御手段とを有する車輌の制動制御装置にして、前記制御手段は前記ホイールシリンダ内の圧力の制御開始時に前記連通制御弁を閉弁させた後の第一の所定の時点に於いて前記吸入制御弁を開弁させると共に前記連通制御弁を閉弁させた後の第二の所定の時点に於いて前記ポンプの駆動を開始し、前記所定の時間は運転者による制動操作速度に基づいて前記制御手段により可変設定されることを特徴とする車輌の制動制御装置(請求項3の構成)によって達成される。
また上述の主要な課題は、本発明によれば、マスタシリンダの作動液圧を車輪に対応して設けられたホイールシリンダへ供給する作動液圧供給通路と、前記作動液圧供給通路に設けられた連通制御弁と、前記連通制御弁と前記ホイールシリンダとの間の前記作動液圧供給通路へ高圧の作動液体を供給するポンプと、前記マスタシリンダと前記連通制御弁との間の前記作動液圧供給通路と前記ポンプの吸入側とを接続する吸入通路と、車輌の所定の運転時に前記ポンプを駆動すると共に前記連通制御弁を制御することにより前記ホイールシリンダ内の圧力を制御する制御手段とを有する車輌の制動制御装置にして、前記制御手段は前記ホイールシリンダ内の圧力の制御開始時に前記連通制御弁を閉弁させた後の所定の時点に於いて前記ポンプの駆動を開始し、前記所定の時点は前記連通制御弁を閉弁させた時点より所定の時間が経過した時点であり、前記所定の時間は運転者による制動操作速度に基づいて前記制御手段により可変設定されることを特徴とする車輌の制動制御装置(請求項4の構成)、又はマスタシリンダの作動液圧を車輪に対応して設けられたホイールシリンダへ供給する作動液圧供給通路と、前記作動液圧供給通路に設けられた連通制御弁と、前記連通制御弁と前記ホイールシリンダとの間の前記作動液圧供給通路へ高圧の作動液体を供給するポンプと、前記マスタシリンダと前記連通制御弁との間の前記作動液圧供給通路と前記ポンプの吸入側とを接続する吸入通路と、前記吸入通路に設けられた吸入制御弁と、車輌の所定の運転時に前記吸入制御弁を開弁させた状態にて前記ポンプを駆動すると共に前記連通制御弁を制御することにより前記ホイールシリンダ内の圧力を制御する制御手段とを有する車輌の制動制御装置にして、前記制御手段は前記ホイールシリンダ内の圧力の制御開始時に前記連通制御弁を閉弁させた後の所定の時点に於いて前記吸入制御弁を開弁させ、前記所定の時点は前記連通制御弁を閉弁させた時点より所定の時間が経過した時点であり、前記所定の時間は運転者による制動操作速度に基づいて前記制御手段により可変設定されることを特徴とする車輌の制動制御装置(請求項5の構成)、又はマスタシリンダの作動液圧を車輪に対応して設けられたホイールシリンダへ供給する作動液圧供給通路と、前記作動液圧供給通路に設けられた連通制御弁と、前記連通制御弁と前記ホイールシリンダとの間の前記作動液圧供給通路へ高圧の作動液体を供給するポンプと、前記マスタシリンダと前記連通制御弁との間の前記作動液圧供給通路と前記ポンプの吸入側とを接続する吸入通路と、前記吸入通路に設けられた吸入制御弁と、車輌の所定の運転時に前記吸入制御弁を開弁させた状態にて前記ポンプを駆動すると共に前記連通制御弁を制御することにより前記ホイールシリンダ内の圧力を制御する制御手段とを有する車輌の制動制御装置にして、前記制御手段は前記ホイールシリンダ内の圧力の制御開始時に前記連通制御弁を閉弁させた後の第一の所定の時点に於いて前記吸入制御弁を開弁させると共に前記連通制御弁を閉弁させた後の第二の所定の時点に於いて前記ポンプの駆動を開始し、前記所定の時点は前記連通制御弁を閉弁させた時点より所定の時間が経過した時点であり、前記所定の時間は運転者による制動操作速度に基づいて前記制御手段により可変設定されることを特徴とする車輌の制動制御装置(請求項6の構成)によって達成される。
【0010】
上記請求項1及び4の構成によれば、ホイールシリンダ内の圧力の制御開始時には連通制御弁が閉弁された後の所定の時点に於いてポンプの駆動が開始されるので、連通制御弁が閉弁されると同時にポンプの駆動が開始される場合や連通制御弁の閉弁に先立ってポンプの駆動が開始される場合に比して、制動力制御の開始時にポンプによってマスタシリンダ内のオイルが一時的に汲み上げられる虞れが確実に低減される。
【0011】
また上記請求項2及び5の構成によれば、ホイールシリンダ内の圧力の制御開始時には連通制御弁が閉弁された後の所定の時点に於いて吸入制御弁が開弁されるので、吸入制御弁の開弁よりも早くポンプの駆動が開始される場合にはポンプによる実際のオイルの汲み上げは吸入制御弁が開弁された時点に於いて開始され、吸入制御弁の開弁後にポンプの駆動が開始される場合にはポンプの駆動が開始されることによってポンプによるオイルの汲み上げが開始され、何れの場合にも上記請求項1の構成の場合と同様制動力制御の開始時にポンプによってマスタシリンダ内のオイルが一時的に汲み上げられる虞れが確実に低減される。
【0012】
また上記請求項3及び6の構成によれば、ホイールシリンダ内の圧力の制御開始時には連通制御弁が閉弁された後の第一の所定の時点に於いて吸入制御弁が開弁されると共に連通制御弁が閉弁された後の第二の所定の時点に於いてポンプの駆動が開始されるので、上記請求項1の構成の場合と同様制動力制御の開始時にポンプによってマスタシリンダ内のオイルが一時的に汲み上げられる虞れが確実に低減される。
【0016】
また請求項1乃至3の構成によれば、所定の時点は運転者による制動操作量に基づいて決定されるので、運転者による制動操作量の変化に応じて所定の時点が可変設定され、これにより所定の時点が一定である場合に比して所定の時点が運転者による制動操作量の変化に応じて適宜に設定される。
【0018】
また請求項4乃至6の構成によれば、所定の時点は連通制御弁を閉弁させた時点より所定の時間が経過した時点であるので、連通制御弁が閉弁され時点より所定の時間が経過する前にポンプの駆動が開始されることが確実に防止され、これにより制動力制御の開始時にポンプによってマスタシリンダ内のオイルが一時的に汲み上げられる虞れが確実に低減される。
また請求項4乃至6の構成によれば、所定の時間は運転者による制動操作速度に基づいて可変設定されるので、運転者による制動操作速度に応じて所定の時点が可変設定され、これにより所定の時点が一定である場合に比して所定の時点が運転者による制動操作速度に応じて適宜に設定される。
【0019】
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項2又は5の構成に於いて、前記所定の時点よりも早い時点に於いて前記ポンプの駆動が開始されるよう構成される(請求項7の構成)。
【0020】
請求項7の構成によれば、所定の時点よりも早い時点に於いてポンプの駆動が開始されるので、所定の時点又はそれよりも遅い時点に於いてポンプの駆動が開始される場合に比して所定の時点に於けるポンプの吐出圧が高くなり、制動圧の制御の応答性が高くなる。
【0021】
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1乃至7の構成に於いて、前記連通制御弁はリニアソレノイド弁であるよう構成される(請求項8の構成)。
【0022】
請求項8の構成によれば、連通制御弁はリニアソレノイド弁であるので、リニアソレノイド弁の閉弁時に於ける駆動電流のオーバーシュートに起因する前述の好ましからざる現象が確実に防止される。
【0023】
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項8の構成に於いて、前記吸入制御弁は前記連通制御弁の閉弁動作が安定した後に開弁されるよう構成される(請求項9の構成)。
【0024】
請求項9の構成によれば、吸入制御弁は連通制御弁の閉弁動作が安定した後に開弁されるので、制動力制御の開始時にポンプによってマスタシリンダ内のオイルが一時的に汲み上げられる虞れが確実に低減される。
【0025】
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項3又は6の構成に於いて、前記第一の所定の時点は前記第二の所定の時点よりも早いよう構成される(請求項10の構成)。
【0026】
請求項10の構成によれば、第一の所定の時点は第二の所定の時点よりも早いので、まず連通制御弁が閉弁され、次いで吸入制御弁が開弁され、しかる後ポンプの駆動が開始される状況が確実に確保される。
【0027】
【課題解決手段の好ましい態様】
本発明の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1乃至3の構成に於いて、所定の時点は運転者による制動操作速度が高いほど早くなるよう構成される(好ましい態様1)。
【0028】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項3又は6の構成に於いて、第一の所定の時点及び第二の所定の時点は実質的に同一の時点であるよう構成される(好ましい態様2)。
【0029】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1乃至3の構成に於いて、所定の時点は制動力制御開始時に於ける運転者による制動操作量を基準として制動操作量の増大量に基づいて決定されるよう構成される(好ましい態様3)。
【0030】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項4乃至6の構成に於いて、所定の時間は制動力制御開始時に於ける運転者による制動操作速度に基づいて可変設定されるよう構成される(好ましい態様4)。
【0031】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記好ましい態様4の構成に於いて、所定の時間は制動力制御開始時に於ける運転者による制動操作速度が高いほど短くなるよう制動操作速度に基づいて可変設定されるよう構成される(好ましい態様5)。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図面を参照して本発明を幾つかの好ましい実施形態について詳細に説明する。
【0033】
第一の実施形態
図1は本発明による制動制御装置の第一の実施形態の油圧回路及び電子制御装置を示す概略構成図、図2は図1に示された前輪用の連通制御弁を示す解図的断面図である。尚図1に於いては、電磁的に駆動される各弁のソレノイドの図示は省略されている。
【0034】
図1に於て、10は油圧式の制動装置を示しており、制動装置10は運転者によるブレーキペダル12の踏み込み操作に応答してブレーキオイルを圧送するマスタシリンダ14を有している。マスタシリンダ14はその両側の圧縮コイルばねにより所定の位置に付勢されたフリーピストン16により画成された第一のマスタシリンダ室14Aと第二のマスタシリンダ室14Bとを有している。
【0035】
第一のマスタシリンダ室14Aには前輪用のブレーキ油圧制御導管18Fの一端が接続され、ブレーキ油圧制御導管18Fの他端には左前輪用のブレーキ油圧制御導管20FL及び右前輪用のブレーキ油圧制御導管20FRの一端が接続されている。ブレーキ油圧制御導管18Fの途中には前輪用の連通制御弁22Fが設けられており、連通制御弁22Fは図示の実施形態に於いては常開型のリニアソレノイド弁である。連通制御弁22Fの両側のブレーキ油圧制御導管18Fには第一のマスタシリンダ室14Aよりブレーキ油圧制御導管20FL又はブレーキ油圧制御導管20FRへ向かうオイルの流れのみを許す逆止バイパス導管24Fが接続されている。
【0036】
図2に解図的に図示されている如く、連通制御弁22Fは内部に弁室70を郭定するハウジング72を有し、弁室70には弁要素74が往復動可能に配置されている。弁室70にはブレーキ油圧制御導管18Fのマスタシリンダ14の側の部分18FAが内部通路76を介して常時連通接続され、またブレーキ油圧制御導管18Fのマスタシリンダ14とは反対側の部分18FBが内部通路78及びポート80を介して連通接続されている。
【0037】
図示の如く、弁要素74の周りにはソレノイド82が配設されており、弁要素74は圧縮コイルばね84により図2に示された開弁位置へ付勢されている。弁要素74はソレノイド82に駆動電圧が印加されると、圧縮コイルばね84のばね力に抗してポート80に対し付勢され、これによりポート80を閉ざすことによって閉弁する。
【0038】
また連通制御弁22Fが閉弁位置にある状況に於いて、ブレーキ油圧制御導管18Fのマスタシリンダ14とは反対側の部分18FB内の圧力による力と圧縮コイルばね84のばね力との合計がソレノイド82による電磁力よりも高くなると、弁要素74はポート80より離れて該ポートを開き、部分18FB内のオイルが内部通路78、ポート80、弁室70、内部通路76を経てブレーキ油圧制御導管18Fの部分18FAへ流れる。そしてこのオイルの流動により部分18FB内のオイルの圧力が低下すると、その圧力による力と圧縮コイルばね84のばね力との合計がソレノイド82による電磁力よりも低くなり、弁要素74はポート80を再度閉ざす。
【0039】
かくして連通制御弁22Fはそのソレノイド82に対する印加電圧に応じてブレーキ油圧制御導管18Fの部分18FB内の圧力を制御するので、ソレノイド82に対する駆動電圧を制御することによって連通制御弁22Fにより部分18FB内の圧力(本明細書に於いては「上流圧」という)を所望の圧力に制御することができる。
【0040】
尚図示の実施形態に於いては、図1に示された逆止バイパス導管24Fは連通制御弁22Fに内蔵されており、内部通路86と、該内部通路の途中に設けられ弁室70より部分18FBへ向かうオイルの流れのみを許す逆止弁88とよりなっている。
【0041】
左前輪用のブレーキ油圧制御導管20FL及び右前輪用のブレーキ油圧制御導管20FRの他端にはそれぞれ左前輪及び右前輪の制動力を制御するホイールシリンダ26FL及び26FRが接続されており、左前輪用のブレーキ油圧制御導管20FL及び右前輪用のブレーキ油圧制御導管20FRの途中にはそれぞれ常開型の電磁開閉弁28FL及び28FRが設けられている。電磁開閉弁28FL及び28FRの両側のブレーキ油圧制御導管20FL及び20FRにはそれぞれホイールシリンダ26FL及び26FRよりブレーキ油圧制御導管18Fへ向かうオイルの流れのみを許す逆止バイパス導管30FL及び30FRが接続されている。
【0042】
電磁開閉弁28FLとホイールシリンダ26FLとの間のブレーキ油圧制御導管20FLにはオイル排出導管32FLの一端が接続され、電磁開閉弁28FRとホイールシリンダ26FRとの間のブレーキ油圧制御導管20FRにはオイル排出導管32FRの一端が接続されている。オイル排出導管32FL及び32FRの途中にはそれぞれ常閉型の電磁開閉弁34FL及び34FRが設けられており、オイル排出導管32FL及び32FRの他端は接続導管36Fにより前輪用のバッファリザーバ38Fに接続されている。
【0043】
以上の説明より解る如く、電磁開閉弁28FL及び28FRはそれぞれホイールシリンダ26FL及び26FR内の圧力を増圧又は保持するための増圧弁であり、電磁開閉弁34FL及び34FRはそれぞれホイールシリンダ26FL及び26FR内の圧力を減圧するための減圧弁であり、従って電磁開閉弁28FL及び34FLは互いに共働して左前輪のホイールシリンダ26FL内の圧力を増減し保持するための増減圧弁を郭定しており、電磁開閉弁28FR及び34FRは互いに共働して右前輪のホイールシリンダ26FR内の圧力を増減し保持するための増減圧弁を郭定している。
【0044】
接続導管36Fは接続導管40Fによりポンプ42Fの吸入側に接続されており、接続導管40Fの途中には接続導管36Fよりポンプ42Fへ向かうオイルの流れのみを許す二つの逆止弁44F及び46Fが設けられている。ポンプ42Fの吐出側は途中にダンパ48Fを有する接続導管50Fによりブレーキ油圧制御導管18Fに接続されている。ポンプ42Fとダンパ48Fとの間の接続導管50Fにはポンプ42Fよりダンパ48Fへ向かうオイルの流れのみを許す逆止弁52Fが設けられている。
【0045】
二つの逆止弁44F及び46Fの間の接続導管40Fには接続導管54Fの一端が接続されており、接続導管54Fの他端は第一のマスタシリンダ室14Aと制御弁22Fとの間のブレーキ油圧制御導管18Fに接続されている。接続導管54Fの途中には常閉型の電磁開閉弁60Fが設けられている。この電磁開閉弁60Fはマスタシリンダ14と制御弁22Fとの間のブレーキ油圧制御導管18Fとポンプ42Fの吸入側との連通を制御する吸入制御弁として機能する。
【0046】
同様に、第二のマスタシリンダ室14Bには後輪用のブレーキ油圧制御導管18Rの一端が接続され、ブレーキ油圧制御導管18Rの他端には左後輪用のブレーキ油圧制御導管20RL及び右後輪用のブレーキ油圧制御導管20RRの一端が接続されている。ブレーキ油圧制御導管18Rの途中には常開型のリニアソレノイド弁である後輪用の連通制御弁22Rが設けられている。
【0047】
連通制御弁22Rは前輪用の連通制御弁22Fについて図2に示された構造と同一の構造を有しており、従って図には示されていないソレノイドに対する駆動電圧を制御することにより、連通制御弁22Rより下流側のブレーキ油圧制御導管18R内の圧力(上流圧)を所望の圧力に制御することができる。更に連通制御弁22Rの両側のブレーキ油圧制御導管18Rには第二のマスタシリンダ室14Bよりブレーキ油圧制御導管20RL又はブレーキ油圧制御導管20RRへ向かうオイルの流れのみを許す逆止バイパス導管24Rが接続されている。
【0048】
左後輪用のブレーキ油圧制御導管20RL及び右後輪用のブレーキ油圧制御導管20RRの他端にはそれぞれ左後輪及び右後輪の制動力を制御するホイールシリンダ26RL及び26RRが接続されており、左後輪用のブレーキ油圧制御導管20RL及び右後輪用のブレーキ油圧制御導管20RRの途中にはそれぞれ常開型の電磁開閉弁28RL及び28RRが設けられている。電磁開閉弁28RL及び28RRの両側のブレーキ油圧制御導管20RL及び20RRにはそれぞれホイールシリンダ26RL及び26RRよりブレーキ油圧制御導管18Rへ向かうオイルの流れのみを許す逆止バイパス導管30RL及び30RRが接続されている。
【0049】
電磁開閉弁28RLとホイールシリンダ26RLとの間のブレーキ油圧制御導管20RLにはオイル排出導管32RLの一端が接続され、電磁開閉弁28RRとホイールシリンダ26RRとの間のブレーキ油圧制御導管20RRにはオイル排出導管32RRの一端が接続されている。オイル排出導管32RL及び32RRの途中にはそれぞれ常閉型の電磁開閉弁34RL及び34RRが設けられており、オイル排出導管32RL及び32RRの他端は接続導管36Rにより後輪用のバッファリザーバ38Rに接続されている。
【0050】
前輪側の場合と同様、電磁開閉弁28RL及び28RRはそれぞれホイールシリンダ26RL及び26RR内の圧力を増圧又は保持するための増圧弁であり、電磁開閉弁34RL及び34RRはそれぞれホイールシリンダ26RL及び26RR内の圧力を減圧するための減圧弁であり、従って電磁開閉弁28RL及び34RLは互いに共働して左後輪のホイールシリンダ26RL内の圧力を増減し保持するための増減圧弁を郭定しており、電磁開閉弁28RR及び34RRは互いに共働して右後輪のホイールシリンダ26RR内の圧力を増減し保持するための増減圧弁を郭定している。
【0051】
接続導管36Rは接続導管40Rによりポンプ42Rの吸入側に接続されており、接続導管40Rの途中には接続導管36Rよりポンプ42Rへ向かうオイルの流れのみを許す二つの逆止弁44R及び46Rが設けられている。ポンプ42Rの吐出側は途中にダンパ48Rを有する接続導管50Rによりブレーキ油圧制御導管18Rに接続されている。ポンプ42Rとダンパ48Rとの間の接続導管50Rにはポンプ42Rよりダンパ48Rへ向かうオイルの流れのみを許す逆止弁52Rが設けられている。尚ポンプ42F及び42Rは図1には示されていない共通の電動機により駆動される。
【0052】
二つの逆止弁44R及び46Rの間の接続導管40Rには接続導管54Rの一端が接続されており、接続導管54Rの他端は第二のマスタシリンダ室14Bと制御弁22Rとの間のブレーキ油圧制御導管18Rに接続されている。接続導管54Rの途中には常閉型の電磁開閉弁60Rが設けられている。この電磁開閉弁60Rもマスタシリンダ14と制御弁22Rとの間のブレーキ油圧制御導管18Rとポンプ42Rの吸入側との連通を制御する吸入制御弁として機能する。
【0053】
図示の実施形態に於いては、各制御弁及び各開閉弁は対応するソレノイドに駆動電流が通電されていないときには図1に示された非制御位置に設定され、これによりホイールシリンダ26FL及び26FRには第一のマスタシリンダ室14A内の圧力が供給され、ホイールシリンダ26RL及び26RRには第二のマスタシリンダ室14B内の圧力が供給される。従って通常時には各車輪のホイールシリンダ内の圧力、即ち制動力はブレーキペダル12の踏力に応じて増減される。
【0054】
これに対し連通制御弁22F、22Rが閉弁位置に切り換えられ、開閉弁60F、60Rが開弁され、各車輪の開閉弁が図1に示された位置にある状態にてポンプ42F、42Rが駆動されると、マスタシリンダ14内のオイルがポンプによって汲み上げられ、ホイールシリンダ26FL、26FRにはポンプ42Fによりポンプアップされた圧力が供給され、ホイールシリンダ26RL、26RRにはポンプ42Rによりポンプアップされた圧力が供給されるようになるので、各車輪の制動圧はブレーキペダル12の踏力に関係なく連通制御弁22F、22R及び各車輪の開閉弁(増減圧弁)の開閉により増減される。
【0055】
この場合、ホイールシリンダ内の圧力は、開閉弁28FL〜28RR及び開閉弁34FL〜34RRが図1に示された非制御位置にあるときには増圧され(増圧モード)、開閉弁28FL〜28RRが閉弁位置に切り換えられ且つ開閉弁34FL〜34RRが図1に示された非制御位置にあるときには保持され(保持モード)、開閉弁28FL〜28RR及び開閉弁34FL〜34RRが開弁位置に切り換えられると減圧される(減圧モード)。
【0056】
連通制御弁22F及び22R、開閉弁28FL〜28RR、開閉弁34FL〜34RR、開閉弁60F及び60Rは、後に説明する如く電子制御装置90により制御される。電子制御装置90はマイクロコンピュータ92と駆動回路94とよりなっており、マイクロコンピュータ92は当技術分野に於いて周知の一般的な構成のものであってよい。
【0057】
マイクロコンピュータ92には圧力センサ96よりマスタシリンダ圧力Pmを示す信号、車輪速度センサ98i(i=fl、fr、rl、rr)よりそれぞれ左右前輪及び左右後輪の車輪速度Vwi(i=fl、fr、rl、rr)を示す信号、ストップランプスイッチ(STPSW)100よりストップランプスイッチがオン状態にあるか否かを示す信号が入力されるようになっている。またマイクロコンピュータ92は後述の制動制御フローを記憶しており、制動制御フローに従って左右前輪及び左右後輪の目標制動圧Pti(i=fl、fr、rl、rr)を演算すると共に、連通制御弁22F等を制御することにより各車輪の制動圧Pi(i=fl、fr、rl、rr)をそれぞれ対応する目標制動圧Ptiに制御する。
【0058】
特に図示の実施形態に於いては、運転者による制動操作量が小さく制動操作速度も小さいときには、ブレーキアシストは不要であるので、連通制御弁22F等は図示の標準位置に維持されポンプ42F及び42Rは駆動されず、これにより各車輪の制動圧、即ちホイールシリンダ26FL〜2626RR内の圧力はマスタシリンダ圧力Pmにより制御される。
【0059】
これに対し運転者による制動操作量が大きいとき若しくは制動操作速度が大きいときには、ブレーキアシストが必要であるので、まず連通制御弁22F及び22Rが閉弁され、次いで吸入制御弁60F及び60Rが開弁され、しかる後ポンプ42F及び42Rの駆動が開始され、マスタシリンダ圧力Pmに基づき前輪及び後輪の目標制動圧Ptf及びPtrが演算されると共に前輪側及び後輪側の上流圧がそれぞれ目標制動圧Ptf及びPtrになるよう連通制御弁22F及び22Rが制御され、これにより前輪及び後輪の制動圧がそれぞれ目標制動圧Ptf及びPtrに制御される。
【0060】
尚図には示されていないが、電磁開閉弁28FL〜28RR及び開閉弁34FL〜34RRは例えば各車輪の制動力を個別に制御することにより車輌の挙動を安定化させる場合に制御される。特にこの場合左右の車輪の高い方の目標制動圧が目標上流圧Ptf、Ptrに設定され、左右の車輪の目標制動圧Ptiが高い方の車輪の制動圧Piは連通制御弁22F又は22Rにより上流圧が目標上流圧Ptf又はPtrに制御されることによって制御され、左右反対側の車輪の制動圧は対応する増圧弁及び減圧弁により対応する目標制動圧に制御される。
【0061】
また図には示されていないが、目標制動圧が高い方の車輪の制動圧が減圧されるべき状況に於いては、マスタシリンダ圧力Pmが当該車輪の目標制動圧以上であるか否かが判別され、マスタシリンダ圧力Pmが当該車輪の目標制動圧よりも低いときには、連通制御弁22F又は22Rが制御されることにより、換言すれば制御弁とポンプとの間のブレーキ油圧制御導管18F、18R内のオイルが連通制御弁を経て接続導管54F、54Rへ排出されることにより、上流圧及びホイールシリンダ内の圧力が目標制動圧に制御される。
【0062】
これに対しマスタシリンダ圧力Pmが当該車輪の目標制動圧以上であるときには、増圧弁が開弁された状態にて減圧弁が開閉制御されることにより、減圧されるべきホイールシリンダ内のオイルがブレーキ油圧制御導管20FL等及び接続導管36F、36Rを経てバッファリザーバ38F、38Rへ排出され、これによりホイールシリンダ内の圧力が目標制動圧に減圧される。
【0063】
次に図3に示されたフローチャートを参照して図示の第一の実施形態に於ける制動制御ルーチンについて説明する。尚図3に示されたフローチャートによる制御は図には示されていないイグニッションスイッチの閉成により開始され、所定の時間毎に繰り返し実行される。
【0064】
まずステップ10に於いては圧力センサ96により検出されたマスタシリンダ圧力Pmを示す信号等の読み込みが行われ、ステップ20に於いては加圧制御が許可される状況であるか否かの判別が行われ、否定判別、即ち加圧制御が許可されない状況である旨の判別が行われたときにはそのまま図3に示されたルーチンによる制御を一旦終了し、肯定判別が行われたときにはステップ30へ進む。尚加圧制御が許可される状況であるか否かの判別は各センサ及び連通制御弁等が正常であり、正常な制動力制御が可能であるか否かの判別であってよく、当技術分野に於いて公知の要領にて行われてよい。
【0065】
ステップ30に於いては加圧制御が開始されるべき状況であるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはそのまま図3に示されたルーチンによる制御を一旦終了し、肯定判別が行われたときにはステップ40へ進む。尚加圧制御が開始されるべき状況か否かの判別は運転者により急制動操作又は強い制動操作が行われたか否かの判別であってよい。
【0066】
この場合運転者により急制動操作が行われたか否かの判別は、例えばマスタシリンダ圧力Pmの時間微分値Pmdにより推定されるブレーキペダル12に対する踏み込み速度が基準値以上であり且つマスタシリンダ圧力Pmにより推定される制動操作量が基準値以上であり且つストップランプスイッチ100がオン状態にあり且つ車輪速度Vwiに基づき推定される車速Vが基準値以上であるか否かの判別により行われてよい。尚制動操作量はブレーキペダル12に対する踏力又はブレーキペダル12のストロークにより推定されてもよく、踏み込み速度は踏力の時間微分値又はストロークの時間微分値により推定されてもよい。
【0067】
また運転者により強い制動操作が行われたか否かの判別は、例えばマスタシリンダ圧力Pmにより推定される制動操作量が基準値以上であり且つ車速の時間微分値又は車輌の前後加速度に基づき推定される車輌の減速度が基準値以上であり且つストップランプスイッチ100がオン状態にあり且つ車速Vが基準値以上であるか否かの判別により行われてよい。
【0068】
ステップ40に於いてはマスタシリンダ圧力Pmが制動制御の基準圧力Pmcに設定されると共に、連通制御弁22F及び22Rのソレノイドに対し基準圧力Pmcに対応する目標駆動電圧が印加されることにより、連通制御弁22F及び22Rが閉弁され、これにより前輪側及び後輪側の上流圧がそれぞれ加圧制御開始時の目標上流圧Ptfo及びPtro(=Pmc)に制御される。
【0069】
ステップ50に於いては加圧制御を終了すべき状況であるか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ150へ進み、否定判別が行われたときにはステップ60へ進む。尚加圧制御を終了すべき状況であるか否かの判別は、例えばマスタシリンダ圧力Pmにより推定される制動操作量が基準値以下であり又はストップランプスイッチ100がオフの状態にあり又は車輌が停止状態であるか否かの判別により行われてよい。
【0070】
ステップ60に於いてはマスタシリンダ圧力Pmを示す信号の読み込みが行われると共に、第一の増圧基準値α1を正の定数としてマスタシリンダ圧力Pmが第一の基準値Pmc+α1以上であるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ50へ戻り、肯定判別が行われたときにはステップ80に於いて吸入制御弁60F及び60Rのソレノイドへ駆動電圧が印加されることにより吸入制御弁60F及び60Rが開弁される。
【0071】
ステップ90に於いてはステップ50の場合と同様、加圧制御を終了すべき状況であるか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ150へ進み、否定判別が行われたときにはステップ100へ進む。
【0072】
ステップ100に於いてはマスタシリンダ圧力Pmを示す信号の読み込みが行われると共に、第二の増圧基準値α2をα1よりも大きい正の定数としてマスタシリンダ圧力Pmが第二の基準値Pmc+α2以上であるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ90へ戻り、肯定判別が行われたときにはステップ120に於いて図には示されていない電動機へ制御信号が出力されることによりポンプ42F及び42Rの駆動が開始される。
【0073】
尚図11に示されている如く、連通制御弁22F及び22Rのソレノイドに対し目標駆動電圧が印加されても、ソレノイドに通電される駆動電流が安定するまでに時間Toが必要であるので、平均的な制動操作速度に於けるマスタシリンダ圧力Pmの変化率をPmdoとして、上記第二の増圧基準値α2はPmdo・To以上の値に設定されることが好ましい。
【0074】
ステップ130に於いてはマスタシリンダ圧力Pmを示す信号の読み込みが行われると共に、マスタシリンダ圧力Pmと基準圧力Pmcとの偏差Pm−Pmcに基づき図12に示されたグラフに対応するマップより前輪及び後輪の増圧量ΔPf及びΔPrが演算されることにより前輪及び後輪の目標制動圧Ptf(=Pmc+ΔPf)及びPtr(=Pmc+ΔPr)が演算され、左右前輪のホイールシリンダ26FL及び26FR内の圧力が目標制動圧Ptfになるよう前輪側の連通制御弁22Fが制御され、左右後輪のホイールシリンダ26RL及び26RR内の圧力が後輪の目標制動圧Ptrになるよう連通制御弁22Rが制御される。
【0075】
ステップ140に於いてはステップ50の場合と同様、加圧制御を終了すべき状況であるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ130へ戻り、肯定判別が行われたときにはステップ150に於いて図には示されていない電動機への通電が停止されることによりポンプ42F及び42Rが停止され、吸入制御弁60F及び60Rのソレノイドに対する駆動電圧の印加が停止されることにより吸入制御弁60F及び60Rが閉弁され、連通制御弁22F及び22Rのソレノイドに対する駆動電圧の印加が停止されることにより、連通制御弁22F及び22Rが開弁され、しかる後ステップ10へ戻る。
【0076】
かくして図示の第一の実施形態によれば、加圧制御が許可される状況であるときにはステップ20に於いて肯定判別が行われ、運転者により急制動操作又は強い制動操作が行われることにより加圧制御が開始されるべき状況であるときにはステップ30に於いて肯定判別が行われ、ステップ40に於いてマスタシリンダ圧力Pmが制動制御の基準圧力Pmcに設定されると共に、連通制御弁22F及び22Rが閉弁され、前輪側及び後輪側の上流圧がそれぞれ加圧制御開始時の目標上流圧Ptfo及びPtro(=Pmc)に制御される。
【0077】
そして運転者によるブレーキペダル12の踏み込み操作が継続され、マスタシリンダ圧力Pmが基準値Pmc+α1以上になると、ステップ60に於いて肯定判別が行われることにより、ステップ80に於いて吸入制御弁60F及び60Rが開弁され、マスタシリンダ圧力Pmが更に増大して基準値Pmc+α2以上になると、ステップ100に於いて肯定判別が行われることにより、ステップ120に於いてポンプ42F及び42Rの駆動が開始され、ステップ130に於いてマスタシリンダ圧力Pmに応じて前輪及び後輪の目標制動圧Ptf及びPtrが演算されると共に、前輪及び後輪の制動圧がそれぞれ目標制動圧Ptf及びPtrになるよう連通制御弁22F及び22Rが制御され、これによりブレーキアシスト制御が行われる。
【0078】
図14はマスタシリンダ圧力Pmと前輪及び後輪の制動圧Pf及びPrとの関係を示している。図14に示されている如く、マスタシリンダ圧力Pmが基準圧力Pmc以下であり、ブレーキアシストが不要であるときには、ポンプ42F及び42Rは駆動されず、連通制御弁22F及び22Rは開弁状態に維持され、吸入制御弁60F及び60Rは閉弁状態に維持されるので、前輪及び後輪の制動圧Pf及びPrはマスタシリンダ圧力Pmと同一である。
【0079】
これに対し、マスタシリンダ圧力Pmが基準圧力Pmc以上になると、まず連通制御弁22F及び22Rが閉弁され、次いで吸入制御弁60F及び60Rが開弁され、しかる後ポンプ42F及び42Rの駆動が開始され、連通制御弁22F及び22Rが制御されブレーキアシストが実行されることにより前輪及び後輪の制動圧がそれぞれ目標制動圧Ptf及びPtrに制御されるので、前輪及び後輪の制動圧Pf及びPrはマスタシリンダ圧力Pmよりも高い値になり、運転者の制動操作が補助される。
【0080】
この場合連通制御弁22F及び22Rが安定的に閉弁状態になった時点に於いてポンプ42F及び42Rの駆動が開始されポンプによるオイルの汲み上げ及び吐出が開始されるので、図示の第一の実施形態によれば、連通制御弁22F及び22Rの閉弁時に於ける駆動電流のオーバーシュートに起因してブレーキアシスト開始時にブレーキペダル12が引き込まれたり振動したりすることを確実に防止することができ、また運転者が感じる制動操作フィーリングの悪化を確実に防止することができる。
【0081】
また一般に、運転者はその制動操作速度が低い領域に於いてはブレーキアシスト開始時にブレーキペダル12が引き込まれることに起因する制動操作フィーリングの悪化を感じ易いが、制動操作速度が高くなるほどブレーキアシスト開始時にブレーキペダル12が引き込まれることに起因する制動操作フィーリングの悪化を感じにくくなり、また制動操作速度が高いほど高い応答性にて制動が実行されることを好ましく感じる。
【0082】
特に図示の第一の実施形態によれば、ポンプ42F及び42Rはマスタシリンダ圧力Pmが基準値Pmc+α2以上になった時点に於いて駆動されるので、運転者の制動操作速度が高いほど連通制御弁22F及び22Rが閉弁された時点よりポンプ42F及び42Rの駆動が開始されるまでの時間が短くなって、アシストブレーキによる制動の応答性が高くなり、従って連通制御弁22F及び22Rが閉弁された時点より所定の一定の時間が経過したときにポンプ42F及び42Rの駆動が開始される場合に比して、運転者の制動操作速度が高い領域に於いて運転者が感じる制動操作のフィーリングを向上させることができる。
【0083】
第二の実施形態
図4は本発明による制動制御装置の第二の実施形態に於ける制動制御ルーチンを示すフローチャートである。尚図4に於いて、図3に示されたステップに対応するステップには図3に於いて付されたステップ番号と同一のステップ番号が付されている。
【0084】
この第二の実施形態に於いては、ステップ10〜30及びステップ50、80、90、120〜150は上述の第一の実施形態の場合と同様に実行され、ステップ40に於いてはマスタシリンダ圧力Pmが制動制御の基準圧力Pmcに設定され、連通制御弁22F及び22Rのソレノイドに対し基準圧力Pmcに対応する目標駆動電圧が印加されることにより、連通制御弁22F及び22Rが閉弁され、これにより前輪側及び後輪側の上流圧がそれぞれ加圧制御開始時の目標上流圧Ptfo及びPtro(=Pmc)に制御され、タイマーのカウント値Tcが0にリセットされる。
【0085】
ステップ60に於いてはステップ30に於いて肯定判別が行われた時点に於けるマスタシリンダ圧力Pmの時間微分値Pmd(制動操作速度)に基づき図13に示されたグラフに対応するマップより第一及び第二の基準値β1及びβ2が演算されると共に、タイマーのカウント値Tcが第一の基準値β1以上であるか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ80へ進み、否定判別が行われたときにはステップ70に於いてΔTを微小な正の定数としてタイマーのカウント値TcがΔTインクリメントされ、しかる後ステップ50へ戻る。
【0086】
同様に、ステップ100に於いてはタイマーのカウント値Tcが第二の基準値β2以上であるか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ120へ進み、否定判別が行われたときにはステップ110に於いてタイマーのカウント値TcがΔTインクリメントされ、しかる後ステップ90へ戻る。
【0087】
かくして図示の第二の実施形態によれば、ブレーキアシスト開始時にはまず連通制御弁22F及び22Rが閉弁され、次いで連通制御弁の閉弁開始時点より第一の時間β1が経過した時点に於いて吸入制御弁60F及び60Rが開弁され、更に連通制御弁の閉弁開始時点より第二の時間β2が経過した時点に於いてポンプ42F及び42Rの駆動が開始され、連通制御弁22F及び22Rが制御されることにより前輪及び後輪の制動圧がそれぞれ目標制動圧Ptf及びPtrに制御されブレーキアシストが実行される。
【0088】
従って図示の第二の実施形態によれば、上述の第一の実施形態の場合と同様、連通制御弁22F及び22Rが安定的に閉弁状態になった時点に於いてポンプ42F及び42Rによるオイルの汲み上げ及び吐出が開始されるので、ブレーキアシスト開始時にブレーキペダル12が引き込まれたり振動したりすることを確実に防止することができ、また運転者が感じる制動操作フィーリングの悪化を確実に防止することができる。
【0089】
特に図示の第二の実施形態によれば、第一の基準値β1及び第二の基準値β2はマスタシリンダ圧力Pmの時間微分値Pmd(制動操作速度)が高いほど小さくなるよう演算され、従って運転者の制動操作速度が高いほど連通制御弁22F及び22Rが閉弁された時点よりポンプ42F及び42Rによるオイルの汲み上げ及び吐出が開始されるまでの時間が短くなるので、第一の基準値β1及び第二の基準値β2が一定値に設定され連通制御弁22F及び22Rが閉弁された時点より所定の一定の時間が経過したときにポンプ42F及び42Rの駆動が開始される場合に比して、運転者の制動操作速度が高い領域に於いて運転者が感じる制動操作のフィーリングを向上させることができる。
【0090】
尚第一及び第二の実施形態によれば、連通制御弁22F及び22Rが安定的に閉弁状態になった時点に於いてポンプ42F及び42Rの駆動が開始され、ポンプの回転速度が徐々に上昇することによりオイルの汲み上げ及び吐出が徐々に増大するので、例えば後述の第三及び第四の実施形態の場合の如く、まず連通制御弁22F及び22Rが閉弁され、次いでポンプ42F及び42Rの駆動が開始され、しかる後吸入制御弁60F及び60Rが開弁される場合に比して、ブレーキアシスト開始時に於けるポンプ42F及び42Rによる一時的なオイルの過剰汲み上げに起因するブレーキペダル12の引き込まれや振動の虞れを確実に防止することができる。またこの効果は後述の第五及び第六の実施形態に於いても得られる。
【0091】
第三及び第四の実施形態
図5及び図6はそれぞれ第一及び第二の実施形態の修正例として構成された本発明による制動制御装置の第三及び第四の実施形態に於ける制動制御ルーチンを示すフローチャートである。尚図5及び図6に於いて、それぞれ図3及び図4に示されたステップに対応するステップには図3及び図4に於いて付されたステップ番号と同一のステップ番号が付されている。またこのことは後述の第五乃至第八の実施形態に於ける制動制御ルーチンを示す図7乃至図10に於いても同様である。
【0092】
第三及び第四の実施形態に於いては、ステップ80に於いて図には示されていない電動機へ制御信号が出力されることによりポンプ42F及び42Rの駆動が開始され、ステップ120に於いて吸入制御弁60F及び60Rのソレノイドへ駆動電圧が印加されることにより吸入制御弁60F及び60Rが開弁され、他のステップはそれぞれ上述の第一の実施形態及び第二の実施形態の場合と同様に実行される。
【0093】
かくして図示の第三及び第四の実施形態によれば、ブレーキアシスト開始時にはまず連通制御弁22F及び22Rが閉弁され、次いでポンプ42F及び42Rの駆動が開始されるが、ポンプ42F及び42Rによる実際のオイルの汲み上げ及び吐出はその後吸入制御弁60F及び60Rが開弁された時点に於いて開始され、連通制御弁22F及び22Rが制御されることにより前輪及び後輪の制動圧がそれぞれ目標制動圧Ptf及びPtrに制御されブレーキアシストが実行される。
【0094】
従って図示の第三及び第四の実施形態によれば、上述の第一及び第二の実施形態の場合と同様、連通制御弁22F及び22Rが安定的に閉弁状態になった時点に於いてポンプ42F及び42Rによるオイルの汲み上げ及び吐出が開始されるので、ブレーキアシスト開始時にブレーキペダル12が引き込まれたり振動したりすることを確実に防止することができ、また運転者が感じる制動操作フィーリングの悪化を確実に防止することができる。
【0095】
また第三及び第四の実施形態によれば、連通制御弁22F及び22Rが閉弁された時点より所定の一定の時間が経過する前にポンプ42F及び42Rの駆動が開始され、連通制御弁22F及び22Rが閉弁された時点より所定の一定の時間が経過したときに吸入制御弁60F及び60Rが開弁される場合に比して、運転者の制動操作速度が高い領域に於いて運転者が感じる制動操作のフィーリングを向上させることができる。
【0096】
尚第三及び第四の実施形態によれば、連通制御弁22F及び22Rが安定的に閉弁状態になりポンプ42F及び42Rの回転も上昇した時点に於いて吸入制御弁60F及び60Rが開弁され、ポンプ42F及び42Rによる実際のオイルの汲み上げ及び吐出が開始されるので、例えば上述の第一及び第二の実施形態の場合の如く、まず連通制御弁22F及び22Rが閉弁され、次いで吸入制御弁60F及び60Rが開弁され、しかる後ポンプ42F及び42Rの駆動が開始される場合に比して、ブレーキアシスト開始時に於ける上流圧の昇圧を早くし、これによりブレーキアシストによる制動の応答性を高くすることができる。
【0097】
第五及び第六の実施形態
図7及び図8はそれぞれ第一及び第二の実施形態の修正例として構成された本発明による制動制御装置の第五及び第六の実施形態に於ける制動制御ルーチンを示すフローチャートである。
【0098】
第五及び第六の実施形態に於いては、それぞれ上述の第一及び第二の実施形態に於けるステップ90及び100に相当するステップは実行されず、ステップ60以外の他のステップは上述の第一及び第二の実施形態の場合と同様に実行される。
【0099】
特に第五の実施形態のステップ60に於いてはマスタシリンダ圧力Pmを示す信号の読み込みが行われると共に、マスタシリンダ圧力Pmが第二の基準値Pmc+α2以上であるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ50へ戻り、肯定判別が行われたときにはステップ80に於いて吸入制御弁60F及び60Rが開弁され、ステップ120に於いてポンプ42F及び42Rの駆動が開始される。
【0100】
また第六の実施形態のステップ60に於いてはステップ30に於いて肯定判別が行われた時点に於けるマスタシリンダ圧力Pmの時間微分値Pmd(制動操作速度)に基づき図13に示されたグラフに対応するマップより第二の基準値β2が演算されると共に、タイマーのカウント値Tcが第二の基準値β2以上であるか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ80に於いて吸入制御弁60F及び60Rが開弁され、ステップ120に於いてポンプ42F及び42Rの駆動が開始される。
【0101】
かくして図示の第五及び第六の実施形態によれば、ブレーキアシスト開始時にはまず連通制御弁22F及び22Rが閉弁され、次いで連通制御弁22F及び22Rが安定的に閉弁状態になった時点に於いて吸入制御弁60F及び60Rが開弁されると共に、ポンプ42F及び42Rの駆動が開始され、連通制御弁22F及び22Rが制御されることによりブレーキアシストが実行されるので、ブレーキアシスト開始時にブレーキペダル12が引き込まれたり振動したりすることを確実に防止することができ、また運転者が感じる制動操作フィーリングの悪化を確実に防止することができる。
【0102】
また第五及び第六の実施形態によれば、上述の第一の実施形態及び第二の実施形態の場合と同様に、連通制御弁22F及び22Rが閉弁された時点より所定の一定の時間が経過したときにポンプ42F及び42Rの駆動が開始されると共に吸入制御弁60F及び60Rが開弁される場合に比して、運転者の制動操作速度が高い領域に於いて運転者が感じる制動操作のフィーリングを向上させることができる。
【0103】
更に第五及び第六の実施形態によれば、ポンプ42F、42Rの駆動開始及び吸入制御弁60F、60Rの開弁は実質的に同時に行われるので、他の実施形態の場合に比してブレーキアシスト制御を単純化することができる。
【0104】
第七及び第八の実施形態
図9及び図10はそれぞれ第一及び第二の実施形態の修正例として構成された本発明による制動制御装置の第七及び第八の実施形態に於ける制動制御ルーチンを示すフローチャートである。
【0105】
第七及び第八の実施形態に於いては、ステップ40に於いて連通制御弁22F及び22Rが閉弁される代わりに、ポンプ42F及び42Rの駆動が開始され、ステップ80に於いて連通制御弁22F及び22Rが閉弁されることにより前輪側及び後輪側の上流圧がそれぞれ加圧制御開始時の目標上流圧Ptfo及びPtro(=Pmc)に制御され、ステップ120に於いて吸入制御弁60F及び60Rが開弁され、他のステップはそれぞれそれぞれ上述の第一の実施形態及び第二の実施形態の場合と同様に実行される。
【0106】
かくして図示の第七及び第八の実施形態によれば、ブレーキアシスト開始時にはまずポンプ42F及び42Rの駆動が開始され、次いで連通制御弁22F及び22Rが閉弁されるが、ポンプ42F及び42Rによる実際のオイルの汲み上げ及び吐出はその後吸入制御弁60F及び60Rが開弁された時点に於いて開始され、連通制御弁22F及び22Rが制御されることにより前輪及び後輪の制動圧がそれぞれ目標制動圧Ptf及びPtrに制御されブレーキアシストが実行される。
【0107】
従って図示の第七及び第八の実施形態によれば、上述の第一及び第二の実施形態の場合と同様、連通制御弁22F及び22Rが安定的に閉弁状態になった時点に於いてポンプ42F及び42Rによるオイルの汲み上げ及び吐出が開始されるので、ブレーキアシスト開始時にブレーキペダル12が引き込まれたり振動したりすることを確実に防止することができ、また運転者が感じる制動操作フィーリングの悪化を確実に防止することができる。
【0108】
また第七及び第八の実施形態によれば、まずポンプ42F及び42Rの駆動が開始され、次いで連通制御弁22F及び22Rが閉弁され、連通制御弁22F及び22Rが閉弁された時点より所定の一定の時間が経過したときに吸入制御弁60F及び60Rが開弁される場合に比して、運転者の制動操作速度が高い領域に於いて運転者が感じる制動操作のフィーリングを向上させることができる。
【0109】
以上に於いては本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
【0110】
例えば図示の各実施形態に於いては、接続導管54F及び54Rの途中にはそれぞれ吸入制御弁として機能する常閉型の電磁開閉弁60F及び60Rが設けられているが、本発明は吸入制御弁が設けられていない制動装置に適用されてもよく、その場合には図示の各実施形態に於ける吸入制御弁の開閉制御に関するステップが省略される。
【0111】
また上述の第二、第四、第六、第八の実施形態に於いては、基準値β1及びβ2は運転者による制動操作速度が高いほど小さくなるよう可変設定されるようになっているが、これらの基準値は一定の値であってもよい。
【0112】
また連通制御弁22F及び22Rの閉弁、ポンプ42F及び42Rの駆動開始、吸入制御弁60F及び60Rの開弁は上述の第一、第三、第五、第七の実施形態に於いては、運転者による制動操作量に応じて制御され、上述の第二、第四、第六、第八の実施形態に於いては、運転者による制動操作速度に応じて可変設定される時間に応じて制御されるようになっているが、例えば第一及び第二の実施形態の修正例として図15に示されている如く、連通制御弁22F及び22Rの閉弁、ポンプ42F及び42Rの駆動開始、吸入制御弁60F及び60Rの開弁が運転者による制動操作量又は時間に応じて制御されるよう修正されてもよい。
【0113】
【発明の効果】
以上の説明より明らかである如く、本発明によれば、連通制御弁が閉弁されると同時にポンプの駆動が開始される場合や連通制御弁の閉弁に先立ってポンプの駆動が開始される場合に比して、制動力制御の開始時にポンプによってマスタシリンダ内のオイルが一時的に汲み上げられる虞れを確実に低減することができ、これにより制動力制御の開始時にブレーキペダルが引き込まれたり振動したりすること及びこれに伴う制動操作フィーリングの悪化や異音の発生を効果的に防止することができる。
特に請求項1乃至3の構成によれば、所定の時点は運転者による制動操作量に基づいて決定されるので、運転者による制動操作量の変化に応じて所定の時点を可変設定することができ、これにより所定の時点が一定である場合に比して所定の時点を運転者による制動操作量の変化に応じて適宜に設定することができる。
また請求項4乃至6の構成によれば、所定の時点は連通制御弁を閉弁させた時点より所定の時間が経過した時点であるので、連通制御弁が閉弁され時点より所定の時間が経過する前にポンプの駆動が開始されることを確実に防止することができ、これにより制動力制御の開始時にポンプによってマスタシリンダ内のオイルが一時的に汲み上げられる虞れを確実に低減することができる。
また請求項4乃至6の構成によれば、所定の時間は運転者による制動操作速度に基づいて可変設定されるので、運転者による制動操作速度に応じて所定の時点を可変設定することができ、これにより所定の時点が一定である場合に比して所定の時点を運転者による制動操作速度に応じて適宜に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による制動制御装置の第一の実施形態の油圧回路及び電子制御装置を示す概略構成図である。
【図2】図1に示された前輪用の連通制御弁を示す解図的断面図である。
【図3】第一の実施形態に於ける制動制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図4】第二の実施形態に於ける制動制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図5】第一の実施形態の修正例として構成された第三の実施形態に於ける制動制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図6】第二の実施形態の修正例として構成された第四の実施形態に於ける制動制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図7】第一の実施形態の修正例として構成された第五の実施形態に於ける制動制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図8】第二の実施形態の修正例として構成された第六の実施形態に於ける制動制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図9】第一の実施形態の修正例として構成された第七の実施形態に於ける制動制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図10】第二の実施形態の修正例として構成された第八の実施形態に於ける制動制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図11】連通制御弁のソレノイドに対する駆動電流の変化を目標駆動電圧と共に示すタイムチャートである。
【図12】マスタシリンダ圧力Pmと基準圧力Pmcとの偏差Pm−Pmcと前輪及び後輪の増圧量ΔPf及びΔPrとの間の関係を示すグラフである。
【図13】マスタシリンダ圧力Pmの時間微分値Pmdと第一及び第二の基準値β1及びβ2との間の関係を示すグラフである。
【図14】マスタシリンダ圧力Pmと前輪及び後輪の制動圧Pf及びPrとの間の関係を示すグラフである。
【図15】第一及び第二の実施形態の修正例に於ける制動制御ルーチンの要部を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10…制動装置
14…マスタシリンダ
22F、22R…連通制御弁
26FL、26FR、26RL、26RR…ホイールシリンダ
42F、42R…オイルポンプ
28FL〜28RR、34FL〜34RR…開閉弁
42F、42R…ポンプ
48F、48R…ダンパ
48…アキュムレータ
60F、60R…吸入制御弁
70…弁室
74…弁要素
84…圧縮コイルばね
88…逆止弁
90…電子制御装置
96…圧力センサ
98i…車輪速度センサ
100…ストップランプスイッチ

Claims (10)

  1. マスタシリンダの作動液圧を車輪に対応して設けられたホイールシリンダへ供給する作動液圧供給通路と、前記作動液圧供給通路に設けられた連通制御弁と、前記連通制御弁と前記ホイールシリンダとの間の前記作動液圧供給通路へ高圧の作動液体を供給するポンプと、前記マスタシリンダと前記連通制御弁との間の前記作動液圧供給通路と前記ポンプの吸入側とを接続する吸入通路と、車輌の所定の運転時に前記ポンプを駆動すると共に前記連通制御弁を制御することにより前記ホイールシリンダ内の圧力を制御する制御手段とを有する車輌の制動制御装置にして、前記制御手段は前記ホイールシリンダ内の圧力の制御開始時に前記連通制御弁を閉弁させた後の所定の時点に於いて前記ポンプの駆動を開始し、前記所定の時間は運転者による制動操作速度に基づいて前記制御手段により可変設定されることを特徴とする車輌の制動制御装置。
  2. マスタシリンダの作動液圧を車輪に対応して設けられたホイールシリンダへ供給する作動液圧供給通路と、前記作動液圧供給通路に設けられた連通制御弁と、前記連通制御弁と前記ホイールシリンダとの間の前記作動液圧供給通路へ高圧の作動液体を供給するポンプと、前記マスタシリンダと前記連通制御弁との間の前記作動液圧供給通路と前記ポンプの吸入側とを接続する吸入通路と、前記吸入通路に設けられた吸入制御弁と、車輌の所定の運転時に前記吸入制御弁を開弁させた状態にて前記ポンプを駆動すると共に前記連通制御弁を制御することにより前記ホイールシリンダ内の圧力を制御する制御手段とを有する車輌の制動制御装置にして、前記制御手段は前記ホイールシリンダ内の圧力の制御開始時に前記連通制御弁を閉弁させた後の所定の時点に於いて前記吸入制御弁を開弁させ、前記所定の時間は運転者による制動操作速度に基づいて前記制御手段により可変設定されることを特徴とする車輌の制動制御装置。
  3. マスタシリンダの作動液圧を車輪に対応して設けられたホイールシリンダへ供給する作動液圧供給通路と、前記作動液圧供給通路に設けられた連通制御弁と、前記連通制御弁と前記ホイールシリンダとの間の前記作動液圧供給通路へ高圧の作動液体を供給するポンプと、前記マスタシリンダと前記連通制御弁との間の前記作動液圧供給通路と前記ポンプの吸入側とを接続する吸入通路と、前記吸入通路に設けられた吸入制御弁と、車輌の所定の運転時に前記吸入制御弁を開弁させた状態にて前記ポンプを駆動すると共に前記連通制御弁を制御することにより前記ホイールシリンダ内の圧力を制御する制御手段とを有する車輌の制動制御装置にして、前記制御手段は前記ホイールシリンダ内の圧力の制御開始時に前記連通制御弁を閉弁させた後の第一の所定の時点に於いて前記吸入制御弁を開弁させると共に前記連通制御弁を閉弁させた後の第二の所定の時点に於いて前記ポンプの駆動を開始し、前記所定の時間は運転者による制動操作速度に基づいて前記制御手段により可変設定されることを特徴とする車輌の制動制御装置。
  4. マスタシリンダの作動液圧を車輪に対応して設けられたホイールシリンダへ供給する作動液圧供給通路と、前記作動液圧供給通路に設けられた連通制御弁と、前記連通制御弁と前記ホイールシリンダとの間の前記作動液圧供給通路へ高圧の作動液体を供給するポンプと、前記マスタシリンダと前記連通制御弁との間の前記作動液圧供給通路と前記ポンプの吸入側とを接続する吸入通路と、車輌の所定の運転時に前記ポンプを駆動すると共に前記連通制御弁を制御することにより前記ホイールシリンダ内の圧力を制御する制御手段とを有する車輌の制動制御装置にして、前記制御手段は前記ホイールシリンダ内の圧力の制御開始時に前記連通制御弁を閉弁させた後の所定の時点に於いて前記ポンプの駆動を開始し、前記所定の時点は前記連通制御弁を閉弁させた時点より所定の時間が経過した時点であり、前記所定の時間は運転者による制動操作速度に基づいて前記制御手段により可変設定されることを特徴とする車輌の制動制御装置。
  5. マスタシリンダの作動液圧を車輪に対応して設けられたホイールシリンダへ供給する作動液圧供給通路と、前記作動液圧供給通路に設けられた連通制御弁と、前記連通制御弁と前記ホイールシリンダとの間の前記作動液圧供給通路へ高圧の作動液体を供給するポンプと、前記マスタシリンダと前記連通制御弁との間の前記作動液圧供給通路と前記ポンプの吸入側とを接続する吸入通路と、前記吸入通路に設けられた吸入制御弁と、車輌の所定の運転時に前記吸入制御弁を開弁させた状態にて前記ポンプを駆動すると共に前記連通制御弁を制御することにより前記ホイールシリンダ内の圧力を制御する制御手段とを有する車輌の制動制御装置にして、前記制御手段は前記ホイールシリンダ内の圧力の制御開始時に前記連通制御弁を閉弁させた後の所定の時点に於いて前記吸入制御弁を開弁させ、前記所定の時点は前記連通制御弁を閉弁させた時点より所定の時間が経過した時点であり、前記所定の時間は運転者による制動操作速度に基づいて前記制御手段により可変設定されることを特徴とする車輌の制動制御装置。
  6. マスタシリンダの作動液圧を車輪に対応して設けられたホイールシリンダへ供給する作動液圧供給通路と、前記作動液圧供給通路に設けられた連通制御弁と、前記連通制御弁と前記ホイールシリンダとの間の前記作動液圧供給通路へ高圧の作動液体を供給するポンプと、前記マスタシリンダと前記連通制御弁との間の前記作動液圧供給通路と前記ポンプの吸入側とを接続する吸入通路と、前記吸入通路に設けられた吸入制御弁と、車輌の所定の運転時に前記吸入制御弁を開弁させた状態にて前記ポンプを駆動すると共に前記連通制御弁を制御することにより前記ホイールシリンダ内の圧力を制御する制御手段とを有する車輌の制動制御装置にして、前記制御手段は前記ホイールシリンダ内の圧力の制御開始時に前記連通制御弁を閉弁させた後の第一の所定の時点に於いて前記吸入制御弁を開弁させると共に前記連通制御弁を閉弁させた後の第二の所定の時点に於いて前記ポンプの駆動を開始し、前記所定の時点は前記連通制御弁を閉弁させた時点より所定の時間が経過した時点であり、前記所定の時間は運転者による制動操作速度に基づいて前記制御手段により可変設定されることを特徴とする車輌の制動制御装置。
  7. 前記所定の時点よりも早い時点に於いて前記ポンプの駆動が開始されることを特徴とする請求項2又は5に記載の車輌の制動制御装置。
  8. 前記連通制御弁はリニアソレノイド弁であることを特徴とする請求項1乃至7に記載の車輌の制動制御装置。
  9. 前記吸入制御弁は前記連通制御弁の閉弁動作が安定した後に開弁されることを特徴とする請求項8に記載の車輌の制動制御装置。
  10. 前記第一の所定の時点は前記第二の所定の時点よりも早いことを特徴とする請求項3又は6に記載の車輌の制動制御装置。
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