JP4319565B2 - 重合抑制方法。 - Google Patents

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本発明はジビニルベンゼンを含む芳香族ビニル化合物の製造工程、精製工程におけるジビニルベンゼンと芳香族ビニル化合物を含む共重合体の重合抑制方法に関するものである。
芳香族ビニル化合物、例えばスチレンはポリスチレン、合成ゴム、ABS樹脂などの製造原料として産業上非常に重要な化合物であり、工業的に大量に生産されている。
芳香族化合物としてスチレンを例にとれば、一般にスチレンを製造する工程では、同時に少量のジビニルベンゼンも生成し、後続プロセスでスチレンとジビニルベンゼンが蒸留分離される。ジビニルベンゼンは、スチレンより沸点が高いので、蒸留分離ではスチレンが留出して、蒸留釜にはジビニルベンゼンが残り濃縮されていく。ジビニルベンゼンは、分子内にビニル基を二つ有することから架橋剤となり、ジビニルベンゼンとスチレンの架橋した共重合体が生成し、装置内部に付着し、設備の運転上重大な問題を引き起こす。
そこで、従来より芳香族ビニル化合物の重合抑制剤あるいは重合抑制方法、例えばスチレンの重合抑制剤および重合抑制方法が適用されてきた。具体的には、フェノール化合物、ニトロソフェノール化合物、ニトロフェノール化合物を用いるスチレンの重合抑制剤および重合抑制方法(例えば特許文献1参照)、ピペリジン−1−オキシル化合物を用いる方法(例えば、特許文献2参照)、ニトロフェノール化合物とピペリジン−N−オキシル化合物を用いる方法(例えば特許文献3参照)などがある。しかし、上記の重合抑制方法は、スチレンの重合により生じるポリスチレンの抑制を目的としたものであり、スチレンの重合抑制剤の使用量を多くして対応していたが、ジビニルベンゼンと芳香族ビニル化合物(例えばジビニルベンゼンとスチレン)の架橋した共重合体の重合抑制に満足しうる効果を得ることはできず、その改善が強く望まれていた。
特開昭63−316745号公報 特開平1−165534号公報 特開平6−166636号公報
かかる問題を解決すべく、本発明はジビニルベンゼンを含む芳香族ビニル化合物の蒸留・精製工程において、ジビニルベンゼンと芳香族ビニル化合物の架橋した共重合体、特にジビニルベンゼンとスチレンの架橋した共重合体を効率的に抑制し、且つ、安価で取り扱い性に優れたジビニルベンゼンと芳香族ビニル化合物を含む共重合体の生成抑制方法を提供することにある。
本発明者らはジビニルベンゼンと芳香族ビニル化合物の重合反応特性を詳細に検討した結果、従来より用いられているニトロフェノール系重合抑制剤と特定のアミン化合物を組み合わせて使用することにより、ジビニルベンゼンと芳香族ビニル化合物の架橋した共重合体の生成を著しく抑制することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本請求項1に係わる発明は、ジビニルベンゼンを含有している芳香族ビニル化合物を扱う工程において、(A)ニトロフェノール系重合抑制剤と、(B)一般式(1)〔Rは水素原子、直鎖、分岐あるいは3員環〜8員環を形成していても良い炭素数1〜20のアルキル基、又は炭素数2〜20のヒドロキシアルキル基;R、Rはそれぞれ独立に直鎖、分岐あるいは3員環〜8員環を形成していても良い炭素数1〜20のアルキル基、又は炭素数2〜20のヒドロキシアルキル基である。〕で表される脂肪族アミン化合物、一般式(2)〔nは2〜6の整数である。〕で表されるポリアミン化合物、一般式(3)〔R、Rは各々独立して水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、またはフェニル基;R〜R10は各々独立して水素原子、直鎖または分岐の炭素数1〜20のアルキル基である。〕で表される芳香族アミン化合物、一般式(4)〔R11からR14は各々独立して水素原子、直鎖、分岐あるいは3員環〜8員環を形成していても良い炭素数1〜20のアルキル基である。〕で表されるp−フェニレンジアミン化合物から選ばれる1種以上のアミン化合物を添加することを特徴とするジビニルベンゼンと芳香族ビニル化合物を含む共重合体の重合抑制方法である。
Figure 0004319565
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請求項2に係る発明は、請求項1記載のジビニルベンゼンと芳香族ビニル化合物を含む共重合体の重合抑制方法であり、(A)ニトロフェノール系重合抑制剤が、2,4−ジニトロフェノール、2,6−ジニトロフェノール、2,6−ジニトロ−4−メチルフェノール、2,4−ジニトロ−6−メチルフェノールおよび2,4−ジニトロ−6−第二ブチルフェノールから選ばれる1種以上であることを特徴としている。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2記載のジビニルベンゼンと芳香族ビニル化合物を含む共重合体の重合抑制方法であり、(B)アミン化合物が、ドデシルアミン、テトラエチレンペンタミン、ジフェニルアミン、N,N−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミンから選ばれる1種以上であることを特徴としている。
請求項4に係る発明は、請求項1ないし3のいずれか記載のジビニルベンゼンと芳香族ビニル化合物を含む共重合体の重合抑制方法であり、(A)ニトロフェノール系重合抑制剤と(B)アミン化合物を重量比で99:1〜50:50の割合で用いることを特徴とする。
本発明方法により、安価な化合物を用いて、ジビニルベンゼンを含む芳香族ビニル化合物を扱う精製工程における架橋した共重合体(樹脂)の発生が防止でき、装置中でのプロセスの流れが良くなり、又、熱伝導も良好に保たれ、長期連続運転の可能化、安全操業、製品の収率向上、さらには製品品質の向上も達成できるなどの経済的効果が得られる。
本発明は、ジビニルベンゼンを含んだ芳香族ビニル化合物を扱う工程におけるジビニルベンゼンと芳香族ビニル化合物を含む共重合体の重合抑制方法であり、特にジビニルベンゼン−スチレン共重合体の重合抑制方法である。
本発明における芳香族ビニル化合物は、スチレン、置換スチレン(例えばメチルスチレン、エチルスチレン)などの重合性ビニル基を持った芳香族ビニル化合物である。また、本発明におけるジビニルベンゼンを含んだ芳香族ビニル化合物は、該芳香族ビニル化合物中にジビニルベンゼンが混合されたもの、又は該芳香族ビニル化合物の製造及び精製において含まれるに至ったものである。通常、芳香族ビニル化合物はアルキル芳香族化合物の脱水素反応により製造され、目的とする芳香族ビニル化合物の製造時、少量のジビニルベンゼンも生成し、得られた芳香族ビニル化合物に含まれる。
本発明におけるジビニルベンゼンを含んだ芳香族ビニル化合物を扱う工程は、前述のスチレン、置換スチレン(例えばメチルスチレン、エチルスチレン)などの重合性ビニル基を持った芳香族ビニル化合物を取扱う工程であれば、特に限定されるものではないが、通常、芳香族ビニル化合物はアルキル芳香族化合物の脱水素反応により製造されるために脱水素反応工程、および後段の芳香族ビニル化合物とアルキル芳香族化合物の分離のための蒸留工程および芳香族ビニル化合物の精製工程等があげられる。
本発明におけるジビニルベンゼン−芳香族ビニル化合物を含む共重合体は、ジビニルベンゼンと芳香族ビニル化合物を含み、架橋構造を持った共重合体であり、特にジビニルベンゼン−スチレン共重合体が挙げられる。
本発明におけるニトロフェノール系重合抑制剤は、分子中にニトロ基を有するフェノール化合物であり、具体的には2,4−ジニトロフェノール、2,6−ジニトロフェノール、2,6−ジニトロ−4−メチルフェノール、2,4−ジニトロ−6−第二ブチルフェノールなどである。
本発明におけるアミン化合物は、一般式(1)の脂肪族アミン化合物、一般式(2)のポリアミン化合物、一般式(3)の芳香族アミン化合物、一般式(4)のp−フェニレンジアミン化合物であり、これらの群から任意に選ばれた1種あるいは2種以上を組合わせて用いてもよい。
一般式(1)の脂肪族アミン化合物は、式中、Rは水素原子、直鎖、分岐あるいは3員環〜8員環を形成していても良い炭素数1〜20のアルキル基、又は炭素数2〜20のヒドロキシアルキル基であり、R、Rはそれぞれ独立に直鎖、分岐あるいは3員環〜8員環を形成していても良い炭素数1〜20のアルキル基、又は炭素数2〜20のヒドロキシアルキル基である脂肪族アミン化合物である。具体的には、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ブチルアミン、イソブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、ジブチルアミン、ジイソブチルアミン、トリブチルアミン、ペンチルアミン、ジペンチルアミン、トリペンチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、トリデシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、セチルアミン、シクロプロピルアミン、シクロブチルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン、モノエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタールアミン、ジエタノールアミン、N−フチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、モノ−2−エチルヘキサノールアミン、ベンジルアミンなどが挙げられる。
一般式(2)のポリアミン化合物は、式中、nが2〜6の整数であるポリアミン化合物であり、具体的にはエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミンなどが挙げられる。
一般式(3)の芳香族アミン化合物は、式中、R、Rは各々独立して水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、またはフェニル基であり、R〜R10は各々独立して水素原子、直鎖または分岐の炭素数1〜20のアルキル基である芳香族アミン化合物である。具体的には、アニリン、メチルアニリン、ジメチルアニリン、エチルアニリン、ジエチルアニリン、o−トルイジン、m−トルイジン、p−トルイジン、ジフェニルアミンなどが挙げられる。
一般式(4)のp−フェニレンジアミン化合物は、式中、R11からR14は各々独立して水素原子、直鎖、分岐あるいは3員環〜8員環を形成していても良い炭素数1〜20のアルキル基であるp−フェニレンジアミン化合物である。具体的には、フェニレンジアミン、N,N−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミンなどが挙げられる。
好ましくは、ドデシルアミン、テトラエチレンペンタミン、ジフェニルアミン、N,N−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン等が挙げられ、これらの1種以上を用いることができる。
本発明のジビニルベンゼンと芳香族ビニル化合物の重合抑制方法をエチルベンゼンの脱水素反応によるスチレンの生成を例に取り、以下に説明する(図1参照)。
スチレンはエチルベンゼンの触媒による脱水素反応により生成し、生成したスチレンとエチルベンゼンの混合物はフィード油(1)として蒸留塔(2)中央部に送られる。蒸留塔(2)では、供給されたフィード油(1)中の未反応エチルベンゼンが蒸留塔塔頂(7)より分離回収され、再び脱水素反応に用いられる。一方、エチルベンゼンよりも沸点の高いスチレンと少量のジビニルベンゼンはともに塔底液として蒸留塔塔底部に溜まる。蒸留塔塔底部は、通常、2つに仕切られ、1つは塔底液貯留部(3)、他は塔底液貯留部(3)からオーバーフローして次段の蒸留塔(10)へのフィード油となる塔底液の回収貯留部(8)である。この塔底液貯留部(3)は蒸留塔(2)に隣接した蒸発器(リボイラー)(5)と配管(4)で連結され、さらに蒸発器(リボイラー)(5)は蒸留塔(1)中央部に配管(6)で連結されている。塔底液貯留部(3)の塔底液は、塔底部の配管(4)を通して蒸発器(5)に流れ込み、加熱されて気化し、再度、蒸留塔(1)内に入り、低沸点のエチルベンゼン(沸点136℃)は蒸留分離され、それ以外の高沸点物は再び蒸留塔塔底部に戻る。通常、蒸発器(リボイラー)は多数の金属製細管束でできており、その細管内を塔底液が流れ、細管外部はスチーム等でエチルベンゼンの沸点(136℃)以上に加熱される。
蒸留塔塔底の回収貯留部(8)に溜まったスチレンと少量のジビニルベンゼンを含む塔底液は、配管(9)を通り次段のフィード油として、蒸留塔(10)中央部に導かれ、含まれるスチレン(沸点145℃)は蒸留塔塔頂(15)より蒸留分離される。未蒸留分は流下して蒸留塔塔底貯留部(11)に溜まり、さらに配管(12)を通り、蒸発器(13)にてスチレンの沸点以上に加熱されて気化し、配管(14)を通り再び蒸留塔(10)中央部より蒸留塔に入り、残存しているスチレンは再度、塔頂(15)より蒸留分離される。また、蒸留塔(10)塔底の回収貯留部(16)に溜まったスチレンと少量のジビニルベンゼンを含む塔底液は、配管(17)を通り、2段目のスチレン蒸留塔(18)のフィード油として供給される。2段目のスチレン蒸留塔(18)では、前段と同様に蒸留塔塔頂(23)からスチレンの回収が行なわれ、同時に得られたスチレンを配管(26)を通して前段の蒸留塔(10)の中央部に戻して再度、蒸留が行なわれる。このように蒸留塔を複数連結して蒸留を繰り返すことにより、エチルベンゼンの回収と生成スチレンの回収・精製が行なわれる。一方、蒸留塔塔底回収貯留部に溜まった蒸留残渣は次段の蒸留塔のフィード油として供給されるが、最終的にはタール分として廃棄(多くの場合、燃焼処理)される。
その間、生成したスチレンとジビニルベンゼンにより架橋した共重合体が蒸留工程内で生成する。特に最も温度の高くなる蒸発器(リボイラー)の金属細管内の気液界面でスチレンとジビニルベンゼンによる架橋した共重合体が最も生成しやすく、しかも短時間で生成することが知られている。生成したスチレン−ジビニルベンゼン架橋共重合体は、蒸留できないために蒸留塔塔底部に溜まり、複数段の蒸留・精製を繰り返すうちに徐々に増加し、時として蒸留工程の最終蒸留塔塔底部(塔底液貯留部及び回収貯留部)のジビニルベンゼン−スチレン共重合体濃度が30重量%程度となる場合もある。
本発明において、ニトロフェノール系重合抑制剤とアミン化合物の添加場所は、特に限定されるものではないが、通常、ジビニルベンゼンと芳香族ビニル化合物が共重合し、架橋化物を生成する箇所より上流のプロセスに添加する。例えば、前述のエチルベンゼンの脱水素反応によるスチレンの製造の場合、エチルベンゼンの脱水素反応後の反応混合物中に添加する方法、エチルベンゼンの脱水素反応後でスチレンを分離するための蒸留塔フィード油中に添加する方法、スチレンの蒸留分離する蒸留塔に添加する方法、蒸留塔塔底液貯留部に添加する方法、蒸留塔塔底と蒸発器(リボイラー)とを連結する配管に注入する方法等が有り、いずれを用いても良い。本発明で用いるアミン化合物の中には、スチレンよりも低沸点のものが含まれているが、蒸留塔塔底液貯留部に添加する方法、蒸留塔塔底と蒸発器(リボイラー)とを連結する配管に注入する方法を用いることにより、スチレンよりも低沸点であることによる影響を及ぼすことなく、その効果を発揮することができる。
本発明におけるニトロフェノール系重合抑制剤とアミン化合物の添加方法は、特に限定されるものではないが、通常、特定の箇所に一括添加するか、あるいは複数の箇所に分けて添加するなどの方法が適宜選択される。この際、ニトロフェノール系重合抑制剤とアミン化合物をそれぞれ別々に添加する方法、あるいはニトロフェノール系重合抑制剤とアミン化合物を適正な混合比で、そのプロセス流体と同じ液体、例えばスチレンの場合にはエチルベンゼンや粗スチレンに溶解して添加する方法があり、適宜選択される。
ニトロフェノール系重合抑制剤とアミン化合物の混合比は、99:1〜50:50(重量比)、好ましくは96:4〜75:25(重量比)、より好ましくは90:10〜80:20(重量比)である。
ニトロフェノール系重合抑制剤とアミン化合物の該工程への添加量は、対象とする工程の条件、重合体生成抑制の必要度などにより異なり、一律に決められるものではないが、一般的には、対象とする芳香族ビニル化合物に対して、通常、10〜10,000ppm、好ましくは50〜5,000ppm、さらに好ましくは100〜3,000ppmである。この添加量は、対象とする芳香族ビニル化合物の樹脂生成抑制効果を発揮する上で適当な範囲として見出されたものであり、この範囲より小さいと効果が充分に発揮されない場合があり、また、この範囲より多くと、効果は充分に発揮されるが、添加量に見合うだけの重合抑制効果の向上が得られず、経済的見地から好ましくない場合がある。
本発明においては、本発明の効果を損なわない範囲においてその他公知重合抑制剤を併せて用いることがあるが、本発明はなんら制限を加えるものではない。
実施例によって、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例になんら限定されるものではない。
(ニトロフェノール系重合抑制剤)
・DNBP:2,4−ジニトロ−6−第二ブチルフェノール
・DNP:2,4−ジニトロフェノール
・DNOC:2,4−ジニトロ−6−メチルフェノール
・DNOC:2,6−ジニトロ−4−メチルフェノール
(脂肪族アミン類)
・2EHA:2−エチルヘキシルアミン
・PR81R:C12〜C14分岐型アミン「PRIMINE81R」(商品名、ロームアンドハース社製〕
・MEA:モノエタノールアミン
(ポリアミン化合物)
・DETA:ジエチレントリアミン
(芳香族アミン類)
・AN:アニリン
・DPA:ジフェニルアミン
(p−フェニレンジアミン化合物)
・BPA:N,N−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン〔「UOP#5」(商品名)、UOP社製〕
〔重合抑制試験〕
スチレンモノマー、ジビニルベンゼン(メタ体、パラ体の混合物)、エチルビニルベンゼン、ジエチルベンゼンをそれぞれアルカリ洗浄して、それぞれに含まれる重合抑制剤を除き、水洗、乾燥した。還流冷却器を備えた4つ口セパラブルフラスコにスチレンモノマー50.0g、ジビニルベンゼン(メタ体、パラ体の混合物)27.5g、エチルビニルベンゼン11.3g、ジエチルベンゼン11.3gを入れ、重合抑制剤を全試料量に対して所定量加え(各薬剤の配合割合は同表に示した)、高純度窒素ガスを30分間吹き込んで溶存酸素を除き、試験液を作成した。次いで内部のテストチューブ(重量Ag)が200℃に加熱された二重管に、試験液を定量ポンプにて導入し、液温度を170℃に保持した。60分後にテストチューブの加熱を終了し、二重管からテストチューブを取り出し、樹脂が付着したテストチューブの重量(重量Bg)を測定した。試験液の加熱により生じた付着樹脂生成量を「B−A」(g)として求めた。本試験において、ジビニルベンゼンを含まない試験液の場合、生成する樹脂はポリスチレンであり、ポリスチレンは試験に使用している試験液に溶解し、テストチューブに付着しない。一方、スチレン−ジビニルベンゼン重合体は架橋した重合体であるため、試験液に溶解せず、テストチューブに付着し付着樹脂生成物となる。試験の得られた結果を表1に示す。
Figure 0004319565
この結果から、本発明のニトロフェノール系重合抑制剤とアミン化合物を組み合わせることによって、従来のニトロフェノール系重合抑制剤単独使用を大きく上回り、予想し得ない程の優れた樹脂生成抑制効果を示すことが分かる。
エチルベンゼン−スチレンの蒸留による分離・精製フロー
符号の説明
1:エチルベンゼン脱水素反応後のスチレン含有フィード油
2:蒸留塔(1)
3:蒸留塔(1)塔底貯留部
4:配管1
5:蒸発器(1)
6:配管2
7:蒸留塔塔頂部
8:蒸留塔(1)塔底回収部
9:配管(3)
10:蒸留塔(2)
11:蒸留塔(2)塔底貯留部
12:配管(4)
13:蒸発器(2)
14:配管(5)
15:蒸留塔(2)塔頂部
16:蒸留塔(2)塔底回収部
17:配管(6)
18:蒸留塔(3)
19:蒸留塔(3)塔底貯留部
20:配管(7)
21:蒸発器(3)
22:配管(8)
23:蒸留塔(3)塔頂部
24:蒸留塔(3)塔底回収部
25:配管(8)
26:配管(9)

Claims (4)

  1. ジビニルベンゼンを含有している芳香族ビニル化合物を扱う工程において、(A)ニトロフェノール系重合抑制剤と、(B)一般式(1)〔Rは水素原子、直鎖、分岐あるいは3員環〜8員環を形成していても良い炭素数1〜20のアルキル基、又は炭素数2〜20のヒドロキシアルキル基;R、Rはそれぞれ独立に直鎖、分岐あるいは3員環〜8員環を形成していても良い炭素数1〜20のアルキル基、又は炭素数2〜20のヒドロキシアルキル基である。〕で表される脂肪族アミン化合物、一般式(2)〔nは2〜6の整数である。〕で表されるポリアミン化合物、一般式(3)〔R、Rは各々独立して水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、またはフェニル基;R〜R10は各々独立して水素原子、直鎖または分岐の炭素数1〜20のアルキル基である。〕で表される芳香族アミン化合物、一般式(4)〔R11からR14は各々独立して水素原子、直鎖、分岐あるいは3員環〜8員環を形成していても良い炭素数1〜20のアルキル基である。〕で表されるp−フェニレンジアミン化合物から選ばれる1種以上のアミン化合物を添加することを特徴とするジビニルベンゼンと芳香族ビニル化合物を含む共重合体の重合抑制方法。
    Figure 0004319565

    Figure 0004319565

    Figure 0004319565
    Figure 0004319565
  2. (A)ニトロフェノール系重合抑制剤が、2,4−ジニトロフェノール、2,6−ジニトロフェノール、2,6−ジニトロ−4−メチルフェノール、2,4−ジニトロ−6−メチルフェノールおよび2,4−ジニトロ−6−第二ブチルフェノールから選ばれる1種以上である請求項1記載のジビニルベンゼンと芳香族ビニル化合物を含む共重合体の重合抑制方法。
  3. (B)アミン化合物が、ドデシルアミン、テトラエチレンペンタミン、ジフェニルアミン、N,N−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミンから選ばれる1種以上である請求項1又は2記載のジビニルベンゼンと芳香族ビニル化合物を含む共重合体の重合抑制方法。
  4. (A)ニトロフェノール系重合抑制剤と(B)アミン化合物を重量比で99:1〜50:50の割合で用いることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか記載のジビニルベンゼンと芳香族ビニル化合物を含む共重合体の重合抑制方法。
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