JP4319556B2 - プラズマ生成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、真空雰囲気下に設定されたアーク放電部で真空アーク放電を行ってプラズマを発生させ、プラズマの発生時に陰極から副生する陰極材料粒子(以下、「ドロップレット」という)をドロップレット捕集部に補集するようにしたプラズマ生成装置に関する。
一般に、プラズマ中で固体材料の表面に薄膜を形成したり、イオンを注入することにより、固体の表面特性が改善されることが知られている。金属イオンや非金属イオンを含むプラズマを利用して形成した膜は、固体表面の耐磨耗性・耐食性を強化し、保護膜、光学薄膜、透明導電性膜などとして有用なものである。特に、カーボンプラズマを利用した炭素膜はダイヤモンド構造とグラファイト構造の混晶からなるダイヤモンドライクカーボン膜(DLC膜という)として利用価値が高い。
金属イオンや非金属イオンを含むプラズマを発生する方法として、真空アークプラズマ法がある。真空アークプラズマは、陰極と陽極の間に生起するアーク放電で形成され、陰極表面上に存在する陰極点から陰極材料が蒸発し、この陰極蒸発物質により形成されるプラズマである。また、雰囲気ガスとして反応性ガス又は/及び不活性ガス(希ガスという)を導入した場合には、反応性ガス又は/及び不活性ガスも同時にイオン化される。このようなプラズマを用いて、固体表面への薄膜形成やイオンの注入を行って表面処理加工を行うことができる。
一般に、真空アーク放電では、陰極点から陰極材料イオン、電子、陰極材料中性粒子(原子及び分子)といった真空アークプラズマ構成粒子が放出されると同時に、サブミクロン以下から数百ミクロン(0.01〜1000μm)の大きさのドロップレットと称される陰極材料微粒子も放出される。しかし、表面処理において問題となるのはドロップレットの発生である。このドロップレットが基材表面に付着すると、基材表面に形成される薄膜の均一性が失われ、薄膜の欠陥品となる。このために基材にドロップレットが付着しない方法が開発されなければならない。
ドロップレットの問題を解決する一方法として、磁気フィルタ法(P.J.Martin, R.P.Netterfield and T.J.Kinder, Thin Solid Films 193/194 (1990)77)(非特許文献1)がある。この磁気フィルタ法は、真空アークプラズマを湾曲したドロップレット捕集ダクトを通して処理部に輸送するものである。この方法によれば、発生したドロップレットは、ダクト内周壁に付着捕獲(捕集)され、ダクト出口ではドロップレットをほとんど含まないプラズマ流が得られる。また、ダクトに沿って配置された磁石により湾曲磁界を形成し、この湾曲磁界によりプラズマ流を屈曲させ、プラズマを効率的にプラズマ加工部に移動させるようになっている。
しかし、上記磁気フィルタ法には、下記のような問題点が存在する。ドロップレットは湾曲するダクト内壁に堆積するため、それを定期的に取り除く必要がある。しかし、通常ダクトが細いため、その作業が容易ではない。また、ドロップレットが厚さ0.5mm程度に堆積すると、その堆積物が内壁から剥がれ、プラズマ内へ不純物として混入するおそれがある。更に、黒鉛のような高融点材料を陰極に用いた場合には、ドロップレットが完全に液化せず、ドロップレットが湾曲ダクト内壁で弾性衝突し、反射を繰り返してダクト出口から放出され、被加工物表面に付着してしまうことがある。
この問題を解決するために、本発明者等の一部は先にプラズマ加工法を提案している。この方法は、特開2002−8893号公報(特許文献1)として公開され、図14に示されている。尚、この図14中で符号Gtはガス導入システムであり、Ghはガス排出システムであって、符号Vは電源を示している。この従来のプラズマ加工法では、図14に示されるように、必要により反応性ガスを導入した真空雰囲気下で真空アーク放電を行ってプラズマを発生させて、前記プラズマをプラズマ加工部Tに流入させる。そして、このプラズマ加工部Tに配置された被処理物130をプラズマにより表面処理加工を行う。
プラズマ発生部Eから放出されるプラズマ流Pは、湾曲磁界によりプラズマ発生部と対面しない方向に屈曲され、前記プラズマ加工部Tに流入される。プラズマ発生部Eと対面する位置にはプラズマ発生時に陰極から副生される陰極材料微粒子(ドロップレット)が捕集されるドロップレット捕集部Dが配置されている。
このプラズマ加工法では、プラズマ流を湾曲磁界によりドロップレット流から略直交方向に分岐させ、ドロップレット捕集部がプラズマ流路から完全に分離されている。従って、ドロップレットの捕集除去が容易に行われ、ドロップレットのプラズマ加工部への混入をほとんど防止できるものである。
特開2002−8893号公報 P.J.Martin, R.P.Netterfield and T.J.Kinder, Thin Solid Films 193/194 (1990)77
ところが、このプラズマ加工法では、図14に折線矢印で示すように、アーク放電部からドロップレット捕集部Dに向けて進行してくるドロップレットが、プラズマが進行するプラズマ進行路の側壁101に衝突する場合がある。このドロップレットが反射してプラズマ進行路に進入し、処理物130の表面に付着する場合があった。このように、従来のプラズマ加工装置では、プラズマ流とドロップレット流とが完全には分離できなかった。そのため、プラズマ進行路にドロップレットが進入する可能性があり、高純度の被膜を形成することが困難であった。
本発明は、上記した従来の問題に鑑みてなされたものであって、アーク放電部から進行してくるプラズマとドロップレットとを確実に分岐して、プラズマはプラズマ進行路に導かれ、ドロップレットはドロップレット捕集部内に確実に捕集されるプラズマ生成装置を提供することを目的とする。また、ドロップレット進行路に特別な部材を構成して、プラズマ進行路にドロップレットが進入することを確実に防止できるプラズマ生成装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために提案されたものであって、本発明の第1の形態は、真空雰囲気下に設定されたアーク放電部で真空アーク放電を行ってプラズマを発生させ、プラズマの発生時に陰極から副生する陰極材料粒子(以下「ドロップレット」という)をドロップレット捕集部に捕集するようにしたプラズマ生成装置において、前記プラズマと前記ドロップレットが混合状態で進行する主進行路を設け、この主進行路の途中部に前記プラズマと前記ドロップレットの進行を制限するための制限板が内方に向けて設けられ、この制限板を通過後に前記主進行路を、前記ドロップレットが主進行路方向に進行するドロップレット進行路と前記プラズマが磁界により屈曲されて進行する第1プラズマ進行路とに略T字形に分岐し、前記制限板を通過したドロップレットを前記ドロップレット捕集部に向けて反射させる斜行壁が設けられており、この斜行壁は、前記ドロップレット進行路の側壁部に設けられ、しかも前記第1プラズマ進行路を越えた位置に形成されているプラズマ生成装置である。
本発明の第2の形態は、前記ドロップレット進行路内において、前記斜行壁に連続して反射板が配置され、この反射板が前記ドロップレット捕集部の近傍に位置され、この反射板により反射されるドロップレットを、前記ドロップレット捕集部に回収するプラズマ生成装置である。
本発明の第3の形態は、前記斜行壁が、前記アーク放電部から進行する前記ドロップレットが、前記制限板で制限された空間内で、側壁で1回も反射されずに直進衝突する位置に少なくとも配置されているプラズマ生成装置である。
本発明の第4の形態は、前記斜行壁が、前記アーク放電部から進行する前記ドロップレットが、前記制限板で制限された空間内で、側壁で1回反射されて直進衝突する位置に少なくとも配置されているプラズマ生成装置である。
本発明の第5の形態は、前記斜行壁が、前記アーク放電部から進行する前記ドロップレットが、前記制限板で制限された空間内で、側壁に2回反射されて直進衝突する位置に少なくとも配置されているプラズマ生成装置である。
本発明の第6の形態は、前記主進行路は、前記アーク放電部から直進向きの第1主進行路と、この第1主進行路から屈曲して延設された第2主進行路とから構成されているプラズマ生成装置である。
本発明の第7の形態は、前記第1プラズマ進行路から前記主進行路の反対方向に向けて屈曲される第2プラズマ進行路が延設され、この第2プラズマ進行路の分岐部に補助ドロップレット捕集部が設けられているプラズマ生成装置である。
本発明の第8の形態は、前記第1プラズマ進行路に対する前記第2プラズマ進行路の屈曲角が直角以上であるプラズマ生成装置である。
本発明の第9の形態は、前記第1プラズマ進行路に対する前記第2プラズマ進行路の屈曲角が直角未満の鋭角であるプラズマ生成装置である。
本発明の第10の形態は、真空雰囲気下に設定されたアーク放電部で真空アーク放電を行ってプラズマを発生させ、プラズマ発生時に陰極から副生される陰極材料粒子(ドロップレット)をドロップレット捕集部に捕集するようにしたプラズマ生成装置において、前記プラズマと前記ドロップレットが混合状態で進行する主進行路を設け、この主進行路の途中部に前記プラズマと前記ドロップレットの進行を制限するための制限板が内方に向けて1箇所以上設けられ、この制限板を通過後に前記主進行路を、前記ドロップレットが主進行路方向に進行するドロップレット進行路と前記プラズマが磁界により屈曲されて進行する第1プラズマ進行路とに略T字形に分岐し、前記ドロップレット進行路の先端部に前記ドロップレット捕集部が設けられているプラズマ生成装置である。
本発明の第11の形態は、前記プラズマ進行路の先端部に補助ドロップレット捕集部が設けられ、この補助ドロップレット捕集部の手前側で前記第1プラズマ進行路から屈曲された位置に第2プラズマ進行路が延設されているプラズマ生成装置である。
本発明の第12の形態は、前記ドロップレット捕集部及び/又は前記補助ドロプレット捕集部に複数の緩衝板を付設し、前記ドロップレットを緩衝板に衝突反射させるプラズマ生成装置である。
本発明の第13の形態は、前記緩衝板が平面板形状を有し、この緩衝板が捕集部開口面に対して斜めに配置されるプラズマ生成装置である。
本発明の第14の形態は、前記緩衝板が三角柱形状を有し、捕集部開口面に対して2つの三角柱側面が傾斜するように前記緩衝板を配置するプラズマ生成装置である。
本発明の第15の形態は、前記ドロップレット捕集部及び/又は前記補助ドロプレット捕集部にドロップレット堆積部が設けられ、このドロップレット堆積部の幅が底部に近付くにつれて縮径するプラズマ生成装置である。
本発明の第16の形態は、前記第1プラズマ進行路及び/又は第2プラズマ進行路には、プラズマの進行路が徐々に縮径するプラズマセンタリング絞り部が付設され、このプラズマセンタリング絞り部によりプラズマ流の断面径を絞り込むプラズマ生成装置である。
本発明の第17の形態は、前記プラズマセンタリング絞り部の外側に絞り磁界発生器が設置され、この絞り磁界発生器を構成するコイルの巻数がプラズマの進行方向に従って増加するプラズマ生成装置である。
本発明の第18の形態は、プラズマの進行方向をz軸方向、垂直な平面をxy平面とした場合において、前記プラズマセンタリング絞り部の出力側に偏向コイルが付設され、前記プラズマセンタリング絞り部を通過したプラズマをxy平面上に走査するプラズマ生成装置である。
本発明の第19の形態は、第1〜第11形態のいずれかの生成装置で説明したように、プラズマ進行路の進行方向最終端部に、このプラズマ進行路を進行したプラズマを流入させるプラズマ加工部が配置され、このプラズマ加工部に配置された被処理物に対し前記プラズマにより表面処理加工が行われるプラズマ生成装置である。
本発明の第20の形態は前記プラズマ加工部に被処理物を配置する場合に、プラズマの流れに沿った被処理物の前後の外周に磁界発生器が付設されるプラズマ生成装置である。
本発明の第1の形態によれば、アーク放電部におけるアーク放電によって発生されたプラズマとドロップレットは、制限板によって飛行空間が制限されて主進行路を進行する。即ち、陰極から半空間中に放出される粒子群のうち、制限板により開放される立体角へのみ粒子群は進行し、その他の粒子群は制限板により遮断され、主進行路への進入を阻止される。制限板の形状・位置・段数は適宜に最適状態に設定される。前記制限板は、真空チェンバーの内壁に沿って設置される場合以外に、プラズマ発生部よりも狭い径を有するドロップレット進行路を設置することにより、プラズマ発生部とドロップレット進行路を接続する接続板、又はフランジ自体を制限板として機能させることができる。制限板で許される開口部を通過した後、ドロップレットは前進してドロップレット進行路に到達し、プラズマ流は磁界に束縛されて屈曲し、略T字形に分岐される第1プラズマ進行路へと進入する。この段階で、プラズマ流とドロップレット流とは略直角方向に分離される。ドロップレット進行路では、側壁に一体に形成された斜行壁に衝突したドロップレットはドロップレット捕集部に向けて反射されてドロップレット捕集部に確実に捕集される。
前記斜行壁は、制限板を通過するドロップレットの内、この斜行壁に衝突するドロップレットをドロップレット捕集部に反射誘導するように、幾何学的位置関係が規制されている。従って、本装置によれば、アーク放電部から進行してくるプラズマとドロップレットを確実に分離できる。そして、プラズマは第1プラズマ進行路に導かれ、ドロップレットはドロップレット捕集部内に確実に捕集されることができる。このように、制限板と斜行壁を設けることにより、プラズマ進行路にドロップレットが進入することを確実に防止できる。しかも、斜行壁はドロップレット進行路を形成する側壁部に一体に構成されるから、内部構造を簡略化したプラズマ生成装置が提供される。
本発明の第2の形態によれば、制限板でその進行空間を制限されたドロップレットの中で、ドロップレット進行路で斜行壁によって反射されずに直進進行したドロップレットはこの反射板によって反射され、ドロップレットをドロップレット捕集部に捕集することができる。また、ドロップレット進行路を囲む側壁で反射され、この反射板に衝突するドロップレットは、全てドロップレット捕集部へと反射捕集される。従って、斜行壁と反射板の協働作用により、殆どすべてのドロップレットがドロップレット捕集部に回収され、第1プラズマ進行路に屈曲誘導されるプラズマ中からほぼ完全にドロップレットを排除することが可能になる。
本発明の第3の形態によれば、制限板を通過したドロップレットの内、進行路(主進行路及びドロップレット進行路)の側壁で1回も反射されずに直進するドロップレットは、この斜行壁と反射板のいずれかに衝突し、反射後にドロップレット捕集部に回収されることとなる。このことによって、進行路の側壁で1回も反射されずに直進したドロップレットは、第1プラズマ進行路内に入り込むことがない。従って、第1プラズマ進行路内ではプラズマだけを進行させることができる。このように、第1プラズマ進行路には純粋のプラズマだけが存在するから本装置の最終手段として付設される加工部では、被処理物の表面はプラズマだけで加工処理することができ、ドロップレットが被処理物の表面に付着することがない。
本発明の第4の形態によれば、進行路(主進行路及びドロップレット進行路)の側壁で1回だけ反射されて直進するドロップレットは、斜行壁と反射板のいずれかに衝突することになり、斜行壁又は反射板で反射されたドロップレットはドロップレット捕集部に回収されることになる。このことによって、主進行路やドロップレット進行路の側壁で1回反射されて直進するドロップレットは、第1プラズマ進行路内に入り込むことがない。従って、第1プラズマ進行路内では純粋プラズマだけを進行させることができ、被処理物の表面処理を高純度のプラズマだけで実現することができる。ドロップレットが被処理物の表面に付着することがないから、被膜の高品質性を保証できる。
本発明の第5の形態によれば、進行路(主進行路及びドロップレット進行路)の側壁で2回反射されて直進するドロップレットは、前記斜行壁と反射板のいずれかに衝突することとなる。上記と同様の理由により、主進行路又はドロップレット進行路の側壁で2回反射されて直進するドロップレットは、第1プラズマ進行路内に入り込むことがない。前記第3形態又は/及び第4形態との協働作用により、第1プラズマ進行路内では純粋プラズマだけを進行させることができる。このことにより、被処理物の表面処理を行う装置では、被処理物はプラズマだけで加工処理することができ、ドロップレットが被処理物の表面に付着することがない。
本発明の第6の形態によれば、第1主進行路から屈曲して延設された第2主進行路にプラズマとドロップレットが進行される。このとき、第1主進行路から屈曲する箇所でドロップレットをドロップレット進行路に向けて反射して直進進行させることができる。このことにより、このドロップレットが第1プラズマ進行路に進入することを防ぐことができる。更に、ドロップレット進行路を直進進行してきたドロップレットは、斜行壁又は/及び反射板によって、ドロップレット捕集部に向けて反射され、ドロップレット捕集部に確実に捕集することができる。制限板は第1主進行路又は/及び第2主進行路に設けることができ、プラズマ流とドロップレット流を斜行壁や反射板、又はドロップレット捕集部に誘導して、第1プラズマ進行路の純粋プラズマ性を確実にできる。
本発明の第7の形態によれば、第1プラズマ進行路から屈曲して延設された第2プラズマ進行路にプラズマが誘導される。このとき、もし第1プラズマ進行路に進行してくる微量のドロップレットがあれば、このドロップレットを補助ドロップレット捕集部に捕集することができる。このことにより、更に一層、ドロップレットが第2プラズマ進行路に進行することを防ぐことができる。したがって、第2プラズマ進行路内には、ドロップレットが混入していない純粋のプラズマだけを誘導することができる。また、第2プラズマ進行路は、第1プラズマ進行路に対して立体角4π内の任意の方向に延設することができ、プラズマ生成装置が設置される空間に合わせて、屈曲角及び延設する方向を決定することができる。
本発明の第8の形態によれば、第1プラズマ進行路から直角以上に第2プラズマ進行路が屈曲しているので、第1プラズマ進行路に進行してくる微量のドロップレットは、進行路の側壁で反射するための運動エネルギーを殆ど消滅している。従って、ドロップレットは直角以上に屈曲した第2プラズマ進行路内に進行することがない。
本発明の第9の形態によれば、第1プラズマ進行路から直角未満の鋭角に第2プラズマ進行路を屈曲させているので、ドロップレットは、鋭角に反射することが殆どないために、この第2プラズマ進行路内に進行することを防ぐことができる。
本発明の第10の形態によれば、主進行路に1箇所以上の制限板を設けるから、プラズマとドロップレットが更に制限された状態で進行し、直進進行するドロップレットの殆どがドロップ捕集部に捕集される。即ち、第1制限板を通過したドロップレットは、直進・反射して第2制限板により規制される。更に、第3制限板を設ければ、この規制は更に強くなり、ドロップレット進行路へと極力直進状態で誘導でき、ドロップレットの捕集を確実にできる。従って、プラズマ進行路への進入はほぼ完全に遮断され、プラズマ進行路には高純度のプラズマのみが誘導される。
本発明の第11の形態によれば、プラズマ流が誘導される第1プラズマ進行路に進入してくる微量の残存ドロップレットが、補助ドロップレット捕集部に全てが捕集され、第2プラズマ進行路への進入は完全に遮断される。従って、第2プラズマ進行路には、より高純度のプラズマのみが誘導される。
本発明の第12の形態によれば、前記ドロップレット捕集部及び/又は前記補助ドロップレット捕集部に複数の緩衝板を付設することにより、前記ドロップレットをその飛行速度が失われるまで繰返し衝突反射させることができる。従って、飛行速度を失うまでドロップレットを衝突反射させることで、ドロップレットをドロップレット捕集部の底部、側壁又は緩衝板に確実に付着又は堆積させることができる。従って、一旦、ドロップレット捕集部に入射したドロップレットは確実に捕集され、プラズマ進行路へ進行するプラズマの純度をより一層高く保持することができる。
本発明の第13の形態によれば、前記緩衝板を捕集部開口面に対して斜めに配置することにより、入射するドロップレットは飛行速度がゼロになるまで、緩衝板又はドロップレット捕集部の内壁に衝突反射され、前記ドロップレットの飛行速度を確実に消失できる。即ち、緩衝板が斜め配置されたドロップレット捕集部において、ドロップレットはその飛行速度が完全にゼロになるまで十分な回数の衝突反射が引き起こされ、ドロップレット捕集部に確実にドロップレットを捕集することができる。
本発明の第14の形態によれば、三角柱側面に入射してくるドロップレットを衝突反射させることにより、前記ドロップレットを確実に捕集することができる。即ち、飛行速度を失うまでドッロプレットを衝突反射させることにより、ドロップレットはドロップレット捕集部の底部、側壁又は緩衝板に確実に付着又は堆積される。
本発明の第15の形態によれば、前記ドロップレット捕集部及び/又は前記補助ドロップレット捕集部にドロップレット堆積部を設けることにより、確実にドロップレットを捕集することができる。更に、このドロップレット堆積部の幅は、底部に近付くにつれて縮径されているから、前記ドロップレットはドロップレット堆積部の内周面で多重反射されながら運動エネルギーを失い、前記底部へと集中的に前進する。その結果、前記ドロップレットはドロップレット堆積部底部又は側壁に付着又は堆積する。前記ドロップレット堆積部の形状は、ドロップレットの進行方向に突出し、且つ縮径するテーパー筒状又は湾曲筒状であるから、前記ドロップレットを確実に捕集することができる。
本発明の第16の形態によれば、第1プラズマ進行路又は第2プラズマ進行路にプラズマ進行路の断面径が徐々に縮径するプラズマセンタリング絞り部が付設され、このプラズマセンタリング絞り部によりプラズマ流の断面径を絞り、更にプラズマがプラズマ進行路の中央部を通過するように制御することができる。従って、ビーム状の高密度プラズマ流が形成され、このプラズマ流を基板表面に照射すると共に走査することによって、均質な薄膜を作成することができる。前記プラズマセンタリング絞り部は、例えば、幾何学的制限を加えるガイド壁、好ましくは進行方向に向かって縮径する半円錐状ガイド壁から構成されることができる。
本発明の第17の形態によれば、前記プラズマセンタリング絞り部に絞り磁界発生器が付設され、そのコイルの巻数をプラズマ進行方向に従って増加させるから、プラズマの進行方向に沿って磁界を増強でき、高効率にプラズマ流の径を絞ることができる。即ち、プラズマは磁界に誘導されて進行するから、前記プラズマセンタリング絞り部を通過するプラズマは周壁に衝突されることなく集束され、更に磁界の増強に伴って一層に集束されるから、高効率にビーム状の高密度プラズマ流を形成することができる。
本発明の第18の形態によれば、前記プラズマセンタリング絞り部の出力側に偏向コイルが付設され、前記プラズマセンタリング絞り部を通過したプラズマをxy平面上に走査することができる。ビーム状の高密度プラズマ流をxy方向に走査することによって、高密度プラズマ流を被処理物表面全体に一様に照射することができ、高品質の被膜を被処理物に形成できる。
本発明の第19の形態によれば、高純度のプラズマ流をプラズマ加工部に導入できる。即ち、プラズマ進行路には、ドロップレットの進行が防止されるので、最終段のプラズマ進行路にはプラズマだけが進行してくる。従って、プラズマ加工部に配置された被処理物に対し、高純度のプラズマだけで表面処理加工を行うことができる。この被処理物にはドロップレットが付着しないので、高品質の被膜を形成できる。
本発明の第20の形態によれば、前記プラズマ加工部に被処理物を配置する場合に、プラズマの流れに沿った被処理物の前後の外周に磁界発生器を付設するから、被処理物の表面近傍に一様な磁界を形成できる。この一様磁界により前記プラズマ流を一様化できるから、プラズマを被処理物表面に一層均質に照射することができ、高品質な被膜を被処理物表面に形成することができる。
以下、本発明に係るプラズマ生成装置の実施形態を、添付する図面に基づいて詳細に説明する。本発明においては、被処理物を加工するプラズマ加工部を付設した装置又はプラズマ加工部を付設しない装置の両方がプラズマ生成装置として包含される。プラズマ加工部を有するプラズマ生成装置は、プラズマ加工装置と称されてもよい。図1は本発明に係るプラズマ生成装置の第1実施形態の断面構成図である。本装置にプラズマ加工部を付設することにより、プラズマ加工装置となる。
この第1実施形態のプラズマ生成装置は、図1に示すように、被処理物Tを含むプラズマ加工部と一体化されることによりプラズマ加工装置として組み立てられるものである。このプラズマ加工装置を用いたプラズマ加工法は、一般的に、真空雰囲気下で真空アーク放電を行ってプラズマを発生させ、プラズマをプラズマ加工部に移動させ、このプラズマ加工部に配置された被処理物をプラズマにより表面処理加工を行う方法である。更に、前記プラズマ加工法には必要に応じて反応性ガスを導入することもできる。尚、このプラズマ加工法は、後述する第2〜第7実施形態で説明されるプラズマ生成装置についても基本的に同様な構成を有し、プラズマ加工部を含めたプラズマ加工装置もプラズマ生成装置と称される。
プラズマの構成粒子は、アーク放電部1の陰極1aからの蒸発物質、若しくは前記蒸発物質と導入ガスを起源(ソース)とするプラズマ化した荷電粒子(イオン、電子)ばかりでなく、プラズマ前状態の分子、原子の中性粒子をも含む。プラズマ加工法(真空アーク蒸着法)における蒸着条件は、電流:1〜600A(望ましくは5〜500A、さらに望ましくは10〜150A)である。更に、電圧:5〜100V(望ましくは10〜80V、更に望ましくは10〜50V)、圧力:10−10〜10Pa(望ましくは10−6〜10Pa、更に望ましくは10−5〜10Pa)である。
図1のプラズマ生成装置は、基本的に、真空チャンバーS内に形成されるアーク放電部1、このアーク放電部1で発生したプラズマとドロップレットが混合状態で進行する主進行路2を有する。更に、ドロップレットがドロップレット捕集部3に向けて進行するドロップレット進行路4、湾曲磁界によりドロップレットが分離されたプラズマが進行する第1プラズマ進行路5を有する。更に、第1プラズマ進行路5を前進するプラズマにより被処理物Tの表面処理加工を行うプラズマ加工部6を有するものである。
アーク放電部1は、陰極(カソード)1a、陰極プロテクタ1b、陽極(アノード)1c、トリガ電極1d、アーク安定化磁界発生器(電磁コイル若しくは磁石)1e及び1fを備えている。陰極1aは、プラズマの主構成物質を供給するソースであり、その形成材料は、導電性を有する固体なら特に限定されない。金属単体、合金、無機単体、無機化合物(金属酸化物・窒化物)等、特に問わず、それらは単独又は2種以上混合して使用することができる。
金属単体としては、Al、Ti、Zn、Cr、Sb、Ag、Au、Zr、Cu、Fe、Mo、W、Nb、Ni、Mg、Cd、Sn、V、Co、Y、Hf、Pd、Rh、Pt、Ta、Hg、Nd、Pb等がある。また、合金(金属化合物)としては、TiAl、AlSi、NdFe等がある。また、無機単体としては、C、Si等がある。また、無機化合物(セラミックス)としては、TiO、ZnO、SnO、ITO(Indium-Tin-0xide :スズ混入酸化インジウム)、In、CdSnO、CuO等の酸化物がある。更に、TiN、TiAlC、TiC、CrN、TiCN等の炭化物・窒化物等も、それぞれ挙げることができる。
陰極プロテクタ1bは、蒸発させようとする陰極表面以外の部分を電気絶縁して覆い、かつ、陰極1aと陽極1cとの間に発生する真空アークプラズマが後方に拡散するのを防ぐものである。この陰極プロテクタ1bとして汎用の耐熱セラミックス等を使用できる。また、陰極1aとの間に電気絶縁層(単に空隙、あるいはセラミックスや弗素樹脂をはさむ)を形成する場合には、汎用のステンレス鋼、アルミニウム合金等を使用できる。また,陰極プロテクタ1bは低導電率の炭素材(処理温度800〜2000℃程度のアモルファス炭素や,テフロン(登録商標)含浸炭素)でもよい。
また、上記において陰極プロテクタ1bをステンレス鋼の代わりに鉄やフェライト等の耐熱性の強磁性材料で形成することもできる。そうすれば、真空チャンバーSの外側に配置されたアーク安定化磁界発生器1e及び/又は1fから印加される磁界により、陰極プロテクタ1b自体も磁化されてプラズマに直接的に作用する。このことにより、発生プラズマ分布の調整が容易となる。
陽極1cの形成材料は、プラズマの温度でも蒸発せず、非磁性の材料で導電性を有する固体なら特に限定されない。金属単体、合金、無機単体、無機化合物(金属酸化物・窒化物)等、特に問わず、それらは単独又は2種以上混合して使用することができる。前述の陰極に使用した材料を適宜選択して使用することができる。第1実施形態において、陽極1cはステンレス鋼、銅又は炭素材(黒鉛:グラファイト)等から形成され、この陽極1cは水冷式又は空冷式などの冷却機構を付設するが望ましい。
また陽極1cの形状はアークプラズマの全体の進行を遮るものでなければ、特に限定されない。図例では、筒状体(円筒、角筒を問わない)であるが、コイル状、U字形、更には、上下・左右に一対平行に配置して形成してもよい。又は、上下左右のどこか1箇所、又は複数箇所に配置して形成してもよい。
トリガ電極1dは、陰極1aと陽極1cとの間に真空アークを誘起するための電極である。即ち、前記トリガ電極1dを一時的に陰極1aの表面に接触させ、その後引き離すことで、この陰極1aとトリガ電極1dとの間で、電気スパークを発生させる。電気スパークが発生すると、陰極1aと陽極1cとの間の電気抵抗が減少し、陰極−陽極間に真空アークが発生する。トリガ電極1dの形成材料は、高融点金属である汎用のMo(融点:2610℃)やW(融点:3387℃)等が用いられる。又、トリガ電極1dは炭素材、好ましくは、黒鉛(グラファイト)から形成される。
アーク安定化磁界発生器1e及び1fは、アーク放電部1における真空チャンバーSの外周に配置され、真空アークの陰極点、及び、アーク放電により発生したプラズマを安定化させる。プラズマに対する印加磁界が互いに逆方向(カスプ形)となるようにアーク安定化磁界発生器1e及び1fが配置された場合、プラズマはより安定する。プラズマの引き出し効率を優先する場合、又は陽極が陰極面に対向しプラズマの進行を妨げない位置に配置されている場合、印加磁界が互いに同方向(ミラー形)となるように配置することもできる。又、図1ではアーク安定化磁界発生器1eは真空チャンバーSの外周に配置してあるが、真空チャンバーS端における陰極1aの絶縁導入端子1h近傍に配置することもできる。
このカスプ形の印加磁界により、アーク陰極点の運動を制御するとともに、プラズマを放射方向に拡散(すなわち扁平円柱状)させることで陰極と陽極間の電流路を確保し、アーク放電を安定化させる。なお、この磁界発生器1e及び1fとしては、通常、電磁石(電磁コイル)又は永久磁石を使用する。また、磁界発生器1fは、後述の第1プラズマ誘導磁界発生器10と兼用してもよく、その場合、プラズマ誘導磁界発生器の数を少なくできる利点がある。
そして、陰極1a、陽極1c及びトリガ電極1dは、それぞれ、絶縁導入端子1hを介して外部のアーク電源1iと接続されている。アーク電源1iには、汎用の直流、パルス若しくは直流重畳パルス電源を使用する。尚、トリガ電極1dとアーク電源1iとの間には、通常、トリガ電極1dに流れる電流を制限(調整)するための制限用抵抗(1〜10Ω)1mを挿入する。
プラズマ加工部(処理部)6には、ガス導入を行わない場合もあるが、ガス導入システム(図示略)及びガス排出システム(図示略)を接続してもよい。これらのシステムとしては汎用のものを使用できる。ガス導入流量が一定に制御され、かつ排気流量を制御することにより容器全体の真空度(圧力)が一定に制御されるものとする。
導入ガスは、アーク放電部1から導入してもよく、プラズマ加工部(処理部)6とアーク放電部1の両方から導入してもよい。プロセス部とプラズマ発生部の両方から導入する場合、ガスの種類が異なってもよい。そして、導入ガスとしては、反応性ガスを使用しない場合に、圧力を一定に保持するための希ガス(通常、Ar、He)のほかに、反応性ガスを適宜使用する。
この反応性ガスが、陰極材料等をソースとする蒸発粒子(プラズマ粒子)と反応して、複化合物膜を容易に形成できる。反応性ガスとしては、窒素(N)、酸素(O)、水素(H)、炭化水素ガス(C、C、CH、C等)、酸化炭素ガス(CO、CO)の群から1種又は複数種を適宜に選択して使用できる。ここで、反応性を制御するために前記希ガスを混合して反応性ガスの濃度を調整してもよい。又、アルコールの蒸気、有機金属ガス、又は有機金属液体の蒸気等を反応性ガスとして用いることができる。
このプラズマ加工装置においては、上記した基本構成において、放出直後のプラズマPをプラズマ加工部6へ磁界誘導により屈曲させて移動させる。これとともに、プラズマの発生時に陰極1aから副生する陰極材料微粒子(ドロップレット)Dを、プラズマ加工部6と干渉しないドロップレット捕集部3に移動させて捕集堆積させるものである。
陰極から発生するドロップレットは、電気的に中性であり、通常、磁界の影響を受けないため、直進移動するという特性を有する。この第1実施形態では、図1に示すように、主進行路2を、ドロップレットが進行するドロップレット進行路4とプラズマが進行する第1プラズマ進行路5とに略T字形に分岐している。
更に、主進行路2の途中部にプラズマとドロップレットの進行を制限するための制限板7が内方に向けて設けられている。更に、この制限板7を通過したドロップレットをドロップレット捕集部3に向けて斜行壁8が設けられている。この斜行壁8は、ドロップレット進行路4の途中部に設けられ、しかも第1プラズマ進行路5を越えた位置に形成されている。
即ち、この斜行壁8は、ドロップレット進行路4における第1プラズマ進行路5との分岐部分に、図1にて上向きでかつ斜め右向きに急傾斜した状態で設けられている。この斜行壁8における第1プラズマ進行路側の端部は、主進行路2における第1プラズマ進行路側右側端部より第1プラズマ進行路5側に入り込んだ箇所に位置している。
更に、ドロップレット進行路4内において、斜行壁8に連続して反射板9が更に緩傾斜した状態で配置されている。しかも、この反射板9はドロップレット捕集部3の近傍に位置している。
また、主進行路2の進行方向途中部の外側位置に、主進行路2内を進行するプラズマの進行を促進するための第1プラズマ誘導磁界発生器10を備えた第1ガイド部12が設けてある。また、直進するプラズマを第1プラズマ進行路5内へ屈曲させるために、傾斜配置された第2プラズマ誘導磁界発生部11を備えた第2ガイド部13が設けられている。更に、第1プラズマ進行路5の進行方向基端部の外側位置には、プラズマを第1プラズマ進行路5内に屈曲させ、プラズマ加工部6へ向けて移動させる第3プラズマ誘導磁界発生部14が設けられている。
この第3プラズマ誘導磁界発生部14には、第1プラズマ進行路内においてプラズマが中央に位置するように制限するプラズマセンタリング絞り部15が縮径して設けられている。このプラズマセンタリング絞り部15は、単に幾何学的制限を加えるガイド板から構成することもでき、好ましくは、進行方向に向かって縮径する半円錐状ガイド板から構成される。また、この第3プラズマ誘導磁界発生部14のプラズマ進行方向にも、第4プラズマ誘導磁界発生部16が設けられている。
一方、ドロップレット捕集部3は、ドロップレット進行路4の左側壁より若干左側に凹んだ状態で形成されている。このドロップレット捕集部3内には、複数枚の緩衝板17が捕集部開口面3aに対して斜めに配置されている。ドロップレット捕集部3内に進入したドロップレットは、緩衝板17に衝突反射することによってドロップレット捕集部3の底部に至るように構成されている。
図2は本発明に係るプラズマ生成装置の第1実施形態においてその変形例の断面構成図である。図2では、図1における第3プラズマ誘導磁界発生部14に設置された誘導磁界発生器14aが絞り磁界発生器14bに置き換えられている。この絞り磁界発生器14bは、プラズマセンタリング絞り部15に沿って巻回された電磁コイルであり、電磁コイルの巻数がプラズマPの進行方向に沿って次第に増加されている。従って、プラズマの進行方向に沿って磁界が増強され、プラズマPを高効率に絞り、しかもプラズマをプラズマセンタリング絞り部15の中心軸を通るようにセンタリングすることができる。
図3は、本発明に係るプラズマセンタリング絞り部15及びプラズマ加工部6におけるプラズマ制御機構の説明図である。このプラズマ制御機構によりプラズマ流(プラズマ)Pからビーム状の高密度プラズマ流Phが形成され、この高密度プラズマ流Phは、偏向コイル22により被処理物Tの表面上を走査される。(3A)はプラズマ制御機構の全体図である。第1プラズマ進行路5に進行路断面径が徐々に縮径するプラズマセンタリング絞り部15が形成されている。このプラズマセンタリング絞り部15によりプラズマ流Pの径が機械的に絞られ、プラズマ進行路の中央部を通過するように制御(センタリング)される。従って、ビーム状の高密度プラズマ流Phが形成され、この高密度プラズマ流Phを被処理物T表面に照射すると伴に偏向コイル22によって走査し、均質な被膜を作成することができる。前記プラズマセンタリング絞り部15は、幾何学的制限を加えるガイド壁、好ましくは進行方向に向かって縮径する半円錐状ガイド壁から構成される。
更に、前記プラズマセンタリング絞り部15の外周に付設された絞り磁界発生器14bを構成するコイルは、プラズマの進行方向に沿って巻かれ、且つ進行方向に沿ってコイルの巻数が増加されている。プラズマ流Pは磁界bに誘導されて進行するから、前記プラズマセンタリング絞り部15を通過するプラズマは壁面に衝突反射することがない。また、そのプラズマ流Pのほとんどが磁界bの増強に伴って集束され、高効率にビーム状の高密度プラズマ流Phが形成される。
(3B)は、プラズマ流走査部24の断面図である。前記プラズマセンタリング絞り部15の出力側に偏向コイル22が付設されている。プラズマ流の進行方向をZ軸、進行方向に垂直な面をXY平面とすると、前記プラズマセンタリング絞り部15を通過した前記高密度プラズマ流Phは、偏向コイル22によりxy方向に掃引される。更に詳細には、電磁石22a、22bが作る磁界によりX方向に高密度プラズマ流Phを掃引し、電磁石22c、22dが作る磁界によりY方向に高密度プラズマ流Phを掃引する。即ち、電磁石22a、22bが作るX方向の磁界と電磁石22c、22dが作るY方向の磁界との合成磁界によって、高密度プラズマ流PhをXY方向に掃引する。左右に付設された電磁石22aと22b、及び上下に付設された電磁石22cと22dは、夫々、電気的に連動している。これらの電磁石22a、22b、22c、22dとして鞍型コイルが望ましいが、公知の偏向コイルが利用できる。高密度プラズマ流Phをxy方向に走査することにより、一様に前記高密度プラズマ流Phを被処理物T表面全体に一様に照射することができる。従って、高品質な被膜を作成することができる。
(3C)は、プラズマ流走査部24の変形例である。この変形例において、高密度プラズマ流Phの掃引機構は(3B)と同様である。しかし、第1プラズマ進行路5の断面は円形状に形成され、その形状に沿って湾曲するように電磁石22a、22b、22c、22dが外周に付設されている。
(3A)において、加工部前方6a及び加工部後方6bの外周に磁界発生器26a、26bが設けられている。二つの磁界発生器26a、26bを設けることにより、被処理物Tの表面近傍に一様な磁界bが発生し、前記プラズマ流Pが被処理物Tの表面に一様に照射される。従って、被処理物Tに一層に均質な被膜を形成することができる。
図4は同装置におけるアーク放電部から進行するドロップレットが主進行路の側壁で1回も反射されずに進行する状態を示す説明図である。図4に示すように、この第1実施形態のプラズマ生成装置では、斜行壁8は、アーク放電部1から進行するドロップレットが、制限板7で制限された空間内で、主進行路2の側壁で1回も反射されずに直進衝突する位置に配置されている。従って、主進行路2の側壁で1回も反射されずに直進するドロップレットは、斜行壁8と反射板9のいずれかに衝突することとなる。
このことによって、主進行路2の側壁で1回も反射されずに直進したドロップレットは、第1プラズマ進行路5内に入り込むことがない。したがって、第1プラズマ進行路5内ではプラズマだけが進行することとなり、被処理物Tはプラズマだけで加工処理することができ、ドロップレットが被処理物Tの表面に付着することがない。
図5は同装置におけるアーク放電部から進行するドロップレットが主進行路の側壁で1回反射されて進行する状態を示す説明図である。図6に示すように、斜行壁8は、アーク放電部1から進行するドロップレットが、制限板7で制限された空間内で、主進行路2の側壁で1回反射されて直進衝突する位置に配置されている。
従って、主進行路2及びドロップレット進行路4の側壁で1回反射されて直進するドロップレットは、この斜行壁8と反射板9のいずれかに衝突することとなる。このことによって、主進行路2及びドロップレット進行路4の側壁で1回反射されて直進したドロップレットは、第1プラズマ進行路5内に入り込むことがない。したがって、第1プラズマ進行路5内ではプラズマだけが進行することとなり、被処理物Tはプラズマだけで加工処理することができ、ドロップレットが被処理物Tの表面に付着することがない。
図6は同装置におけるアーク放電部から進行するドロップレットが主進行路及びドロップレット進行路の側壁で2回反射されて進行する状態を示す説明図である。図6に示すように、斜行壁8は、アーク放電部1から進行するドロップレットが、制限板7で制限された空間内で、主進行路2の側壁で2回反射されて直進衝突する位置に配置されている。したがって、主進行路2及びドロップレット進行路4の側壁で2回反射されて直進するドロップレットは、この斜行壁8と反射板9のいずれかに衝突することとなる。
従って、主進行路2及びドロップレット進行路4の側壁で2回反射されて直進するドロップレットは、第1プラズマ進行路5内に入り込むことがない。図4〜図6から分かるように、進行路の側壁で無反射、1回反射又は2回反射するドロップレットは斜行壁8又は反射板9に衝突してドロップレット捕集部3に確実に回収される。3回以上反射するドロップレットは統計学的にほとんど存在しないから、ドロップレットが第1プラズマ進行路に混入することはない。従って、第1プラズマ進行路5内ではプラズマだけが進行することとなり、被処理物Tはプラズマだけで加工処理することができ、ドロップレットが被処理物Tの表面に付着することがない。
図7は第2実施形態のプラズマ生成装置の内部構造を示す断面構成図である。尚、上記した第1実施例と同一部材、同一箇所には同一符号を付して、その説明を省略する。
図7に示すように、この第2実施形態のプラズマ生成装置は、主進行路2としてはアーク放電部1から直進向きに第1主進行路2Aが設けられている。この第1主進行路2Aから右周りに屈曲して第2主進行路2Bが延設されている。このように、主進行路2が第1主進行路2Aと屈曲した第2主進行路2Bから構成される点に、第2実施形態の特徴がある。第2主進行路2Bは、ドロップレットが進行するドロップレット進行路4とプラズマが進行する第1プラズマ進行路5とに略T字形に分岐されている。
この第1プラズマ進行路5及びドロップレット進行路4の外側には、プラズマを第1プラズマ進行路5へ誘導するための第1補助プラズマ誘導磁界発生器18が配置されている。第2主進行路2Bを進行してきたプラズマは、第2ガイド部13及び第1補助プラズマ誘導磁界発生器18の屈曲磁界により第1プラズマ進行路5に向けて屈曲して誘導されることとなる。
この第2実施形態によれば、主進行路2の第1主進行路2Aから屈曲して延設された第2主進行路2Bにプラズマとドロップレットが進行する。このとき、第1主進行路2Aから屈曲する箇所でドロップレットをドロップレット進行路4に向けて反射して直進進行させることができる。
このことにより、ドロップレットが第1プラズマ進行路5に進入することを防ぐことができる。更に、ドロップレット進行路4を直進進行してきたドロップレットは、斜行壁8によって、ドロップレット捕集部3に向けて反射され、ドロップレット捕集部3に確実に捕集されることができる。
図8は第3実施形態のプラズマ生成装置の内部構造を示す断面構成図である。尚、上記した第1実施例と同一部材、同一箇所には同一符号を付して、その説明を省略する。
図8に示すように、この第3実施形態のプラズマ生成装置は、アーク放電部から連なる主進行路2が、ドロップレット進行路4と第1プラズマ進行路5とに略T字形に分岐されている。更に、第1プラズマ進行路5から主進行路2の反対側に向けて90度屈曲して第2プラズマ進行路19が延設され、この第2プラズマ進行路19の分岐部に補助ドロップレット捕集部20が設けられている。図8では、第1プラズマ進行路5と第2プラズマ進行19路が同一平面上に形成されているが、第2プラズマ進行路19を紙面に垂直な方向に延設することも可能である。また、第2プラズマ進行路が延設される場合、その屈曲角は90度に限定されるものではなく、第1プラズマ進行路から4π空間の全方位へ第2プラズマ進行路を屈曲して延設することが可能である。
更に、この第1プラズマ進行路5の外側には、第5プラズマ誘導磁界発生部21が設けられている。尚、第3プラズマ誘導磁界発生部14と第4プラズマ誘導磁界発生部16とは、第2プラズマ進行路19側に設けられている。
この第3実施形態によれば、第1プラズマ進行路5から屈曲して延設された第2プラズマ進行路19にプラズマが進行される。このとき、もし第1プラズマ進行路5に進行してくる残存ドロップレットがあれば、このドロップレットを補助ドロップレット捕集部20に捕集することができる。このことにより、更に一層、ドロップレットが第2プラズマ進行路19に進行することを防ぐことができる。
図9は第4実施形態のプラズマ生成装置の内部構造を示す断面構成図である。尚、上記した第1実施形態及び第3実施形態と同一部材、同一箇所には同一符号を付して、その説明を省略する。
図9に示すように、この第4実施形態のプラズマ生成装置は、図6に示す第4実施形態の変形例である。第1プラズマ進行路5から主進行路2の反対側に向けて90度屈曲され、途中部が更に鈍角に屈曲して第2プラズマ進行路19Aが延設されている。そして、この第2プラズマ進行路19Aの分岐部に補助ドロップレット捕集部20が設けられている。
この第4実施形態のプラズマ生成装置によれば、第1プラズマ進行路5が90度屈曲され途中部が更に鈍角に屈曲して第2プラズマ進行路19Aが延設されているので、ドロップレットがこの鈍角に屈曲した部分に進行することが全くなくなり、ドロップレットが第2プラズマ進行路19Aに進入することを防止できる。
図10は第5実施形態のプラズマ生成装置の内部構造を示す断面構成図である。尚、上記した第1実施例と同一部材、同一箇所には同一符号を付して、その説明を省略する。
図10に示すように、この第5実施形態のプラズマ生成装置は、図7に示す第2実施形態のプラズマ生成装置の変形例であって、主進行路2をアーク放電部1から直進向きに第1主進行路2Aが設けられている。そして、この第1主進行路2Aから図にて下向きに屈曲して延設された第2主進行路2Bが構成されている。
更に、この第2主進行路2Bから第1プラズマ進行路5が略T字形に90度屈曲して延設されている。この第1プラズマ進行路5から右周り方向に鋭角(90度未満)に第2プラズマ進行路19が屈曲して延設されている。即ち、第1プラズマ進行路5の方向と第2プラズマ進行路19の方向とがなす角度は90度未満の鋭角に設定されている。
この第5実施形態のプラズマ生成装置によれば、第1プラズマ進行路5が鋭角に屈曲して第2プラズマ進行路19へと連続している。従って、もしも第1プラズマ進行路5に進入してくるドロップレットがあれば、この屈曲部で反射される。そして、その運動エネルギーが消失すると第2プラズマ進行路19までドロップレットが到達することがなく、ドロップレットの第2プラズマ進行路19内への進入を防ぐことができる。
図11は第6実施形態のプラズマ生成装置の内部構造を示す断面構成図である。尚、上記した第1実施例と同一部材、同一箇所には同一符号を付して、その説明を省略する。
図11に示すように、この第6実施形態のプラズマ生成装置には、斜行壁8が設けられていない。即ち、プラズマとドロップレットが混合状態で進行する主進行路2が設けられ、この主進行路2を、ドロップレットが進行するドロップレット進行路4とプラズマが進行する第1プラズマ進行路5とに下向きに略T字形に分岐している。更に、主進行路2の途中部にプラズマとドロップレットの進行を制限するための制限板7A、7Bが内方に向けて前後に2箇所設けられている。この制限板7A、7Bはプラズマやドロプレットの進行量を方位的に制限する部材で、更に段数を増加することによって、特にドロプレット量を低減できる。制限板を1ヶ所以上、特に設けることによって、斜行壁を無くしてもドロップレットをほぼ完全にドロプレット捕集部に捕集することが可能になる。
ドロップレット進行路4の先端部にドロップレット捕集部3が設けられ、第1プラズマ進行路5の先端部に補助ドロップレット捕集部20が設けられている。この補助ドロップレット捕集部20の手前側で第1プラズマ進行路5から屈曲した方向に第2プラズマ進行路19が延設して設けられている。前記緩衝板17が三角柱形状を有し、捕集部開口面20aに対して2つの三角柱側面が傾斜するように前記緩衝板17が配置されている。
この第6実施形態のプラズマ生成装置によれば、主進行路2を2箇所の制限板7A、7Bでプラズマとドロップレットの進行を制限するから、直進するドロップレットの殆どがドロップ捕集部3に捕集される。更に、第1プラズマ進行路5に進入してくる残存ドロップレットは、補助ドロップレット捕集部20に全てが捕集されて第2プラズマ進行路19に進行することを防ぐことができる。
図12は第7実施形態のプラズマ生成装置の内部構造を示す概略構成図である。尚、上記した第1実施例と同一部材、同一箇所には同一符号を付して、その説明を省略する。
図12に示すように、この第7実施形態のプラズマ生成装置は、上記した第1実施形態のプラズマ生成装置の変形例である。この第7実施形態では、ドロップレット捕集部3Aに、奥方に向けて縮径して閉じるテーパー筒状体のドロップレット堆積部3bが延設されている。
従って、この第7実施形態では、ドロップレット捕集部3Aが奥方に向けて縮径しているので、ドロップレットがドロップレット進行路4に向けて乱反射することを低減することができる。即ち、ドロップレットをドロップレット捕集部3A内に確実に捕集することができる。
図13は第8実施形態のプラズマ生成装置の内部構造を示す概略構成図である。尚、上記した第1実施例及び第6実施形態と同一部材、同一箇所には同一符号を付して、その説明を省略する。
図13に示すように、この第8実施形態のプラズマ生成装置は、主進行路2の先端のドロップレット捕集部3Bに湾曲筒状体のドロップレット堆積部3bが形成されている。この湾曲筒状体のドロップレット堆積部3bの内周面で乱反射を繰り返し、奥部へと進み、やがて運動エネルギーを失って、末端で停止する。更に、補助ドロップレット捕集部20Bに奥方に向けて縮径して閉じるテーパー筒状体のドロップレット堆積部3bが延設されている。
このテーパー筒状体の補助ドロップレット捕集部20Bが奥方に向けて縮径しているので、ドロップレットが第2プラズマ進行路19に向けて乱反射することを低減することができる。即ち、ドロップレットを補助ドロップレット捕集部20B内に確実に捕集することができる。
本発明は、上記実施形態や変形例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲における種々変形例、設計変更などをその技術的範囲内に包含するものであることは云うまでもない。
この発明に係るプラズマ生成装置は、主として工業用に用いられるプラズマ加工装置に使用できる。例えば、金属製又は非金属製の被処理物表面に被膜を形成する表面処理加工に好適に用いることができる。これら被処理物の材質・形状は任意でよく、この被処理物表面に保護被膜を秀麗に形成できる。
本発明に係るプラズマ生成装置の第1実施形態の断面構成図である。 本発明に係るプラズマ生成装置の第1実施形態においてその変形例の断面構成図である。 本発明に係るプラズマセンタリング絞り部15及びプラズマ加工部6におけるプラズマ制御機構の説明図である。 同装置におけるアーク放電部から進行するドロップレットが主進行路の側壁で1回も反射されずに進行する状態を示す説明図である。 同装置におけるアーク放電部から進行するドロップレットが主進行路の側壁で1回反射されて進行する状態を示す説明図である。 同装置におけるアーク放電部から進行するドロップレットが主進行路の側壁で2回反射されて進行する状態を示す説明図である。 第2実施形態のプラズマ生成装置の内部構造を示す断面構成図である。 第3実施形態のプラズマ生成装置の内部構造を示す断面構成図である。 第4実施形態のプラズマ生成装置の内部構造を示す断面構成図である。 第5実施形態のプラズマ生成装置の内部構造を示す断面構成図である。 第6実施形態のプラズマ生成装置の内部構造を示す断面構成図である。 第7実施形態のプラズマ生成装置の概略構成図である。 第8実施形態のプラズマ生成装置の概略構成図である。 従来のプラズマ加工装置を示す模式図である。
符号の説明
S 真空チャンバー
T 被処理物
D ドロップレット
P プラズマ流
Ph 高密度プラズマ流
b 磁界
1 アーク放電部
1a 陰極
1b 陰極プロテクタ
1c 陽極
1d トリガ電極
1e アーク安定化磁界発生器
1f アーク安定化磁界発生器
1h 絶縁導入端子
1i アーク電源
1m 制限用抵抗
2 主進行路
2A 第1主進行路
2B 第2主進行路
3 ドロップレット捕集部
3a 捕集部開口面
3b ドロップレット堆積部
3A ドロップレット捕集部
3B ドロップレット捕集部
4 ドロップレット進行路
5 第1プラズマ進行路
6 プラズマ加工部
6a 加工部前方
6b 加工部後方
7 制限板
7A 制限板
7B 制限板
8 斜行壁
9 反射板
10 第1プラズマ誘導磁界発生器
11 第2プラズマ誘導磁界発生器
12 第1ガイド部
13 第2ガイド部
14 第3プラズマ誘導磁界発生部
15 プラズマセンタリング絞り部
16 第4プラズマ誘導磁界発生部
17 ドロップレット緩衝板
18 第1補助プラズマ誘導磁界発生器
19 第2プラズマ進行路
19A 第2プラズマ進行路
20 補助ドロップレット捕集部
20a 捕集部開口面
20B 補助ドロップレット捕集部
21 第5プラズマ誘導磁界発生部
22 偏向コイル
22a、22b、22c、22d 電磁石
24 プラズマ流走査部
26a 磁界発生器
26b 磁界発生器

Claims (4)

  1. 真空雰囲気下に設定されたアーク放電部で真空アーク放電を行ってプラズマを発生させ、プラズマの発生時に陰極から副生する陰極材料粒子(以下「ドロップレット」という)をドロップレット捕集部に捕集するようにしたプラズマ生成装置において、前記プラズマと前記ドロップレットが混合状態で進行する主進行路を設け、この主進行路の途中部に前記プラズマと前記ドロップレットの進行を制限するための制限板が内方に向けて設けられ、この制限板を通過後に前記主進行路を、前記ドロップレットが主進行路方向に進行するドロップレット進行路と前記プラズマが磁界により屈曲されて進行する第1プラズマ進行路とに略T字形に分岐し、前記ドロップレット捕集部前記アーク放電部が前記第1プラズマ進行路の両側に位置するように前記第1プラズマ進行路の一端に夫々が前記ドロップレット進行路と前記主進行路を介して接続され、前記分岐部分における前記ドロップレット進行路の側壁部と前記第1プラズマ進行路の側壁部の接続部に傾斜配置された斜行壁が設けられ、前記斜行壁により反射されたドロップレットが回収されるように前記ドロップレット捕集部が前記接続部に対向する側にある前記ドロップレット進行路の側壁部に配置され、前記ドロップレット進行路における前記ドロップレット捕集部の近傍に、反射板が前記斜行壁に対し折曲して連続するように配置され、前記第1プラズマ進行路にプラズマの進行路の断面径が徐々に縮径するプラズマセンタリング絞り部が付設され、前記プラズマセンタリング絞り部の出力側に偏向コイルが付設され、前記制限板を通過し、前記分岐部分に進入したドロップレットを前記斜行壁と前記反射板により前記ドロップレット捕集部に向けて反射させ、前記プラズマセンタリング絞り部によりプラズマ流の断面径を絞り込み、プラズマの進行方向をz軸方向、垂直な平面をxy平面とした場合において、前記偏向コイルにより前記プラズマセンタリング絞り部を通過したプラズマをxy平面上に走査することを特徴とするプラズマ生成装置。
  2. 前記プラズマセンタリング絞り部の外側に絞り磁界発生器が設置され、この絞り磁界発生器を構成するコイルの巻数がプラズマの進行方向に従って増加する請求項に記載のプラズマ生成装置。
  3. 上記した請求項1又は2に記載のプラズマ生成装置において、プラズマ進行路の進行方向最終端部に、このプラズマ進行路を進行したプラズマを流入させるプラズマ加工部が配置され、このプラズマ加工部に配置された被処理物に対し前記プラズマにより表面処理加工が行われるようにしたことを特徴とするプラズマ生成装置。
  4. 前記プラズマ加工部に被処理物を配置する場合に、プラズマの流れに沿った被処理物の前後の外周に磁界発生器が付設される請求項に記載のプラズマ生成装置。
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