JP4319321B2 - 脱ガス装置 - Google Patents
脱ガス装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4319321B2 JP4319321B2 JP2000073480A JP2000073480A JP4319321B2 JP 4319321 B2 JP4319321 B2 JP 4319321B2 JP 2000073480 A JP2000073480 A JP 2000073480A JP 2000073480 A JP2000073480 A JP 2000073480A JP 4319321 B2 JP4319321 B2 JP 4319321B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- molten metal
- decompression
- degassing
- container
- gas
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Degasification And Air Bubble Elimination (AREA)
- Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)
- Treatment Of Steel In Its Molten State (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶融金属を減圧吸引しつつ循環して脱ガスする装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
製鋼分野においては、従来から外側を鉄皮で覆われた耐火物からなる減圧容器を用い、この容器から垂下する両端を溶鋼内に浸漬すると共に、一端から溶鋼に流動用ガスを吹き込みつつ吸引し且つ他端から複流させる循環流から主に水素を脱ガスする脱ガス法が行われている。しかし、この脱ガス法では、脱水素ができる反面、十分な脱酸ができない、という問題がある。
また、脱酸を品質上重要視する金属では、還元性ガス中又は真空中で誘導溶解しつつ、脱酸のためのカーボンを添加する方法が行われている。
【0003】
【発明が解決すべき課題】
しかしながら、上記銅の誘導溶解では、熱効率が低くコスト高になる、という問題があった。一方、熱効率に優れた燃焼バーナーを用いた場合、その燃料に酸素が必須であるため、溶融金属の脱酸が不十分になる、という問題があった。
本発明は、以上に説明した従来の技術における問題点を解決し、溶融金属を効率良く比較的低コストで、脱酸及び脱水素等が行える脱ガス装置を提供する、ことを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するため、溶融金属をカーボン製の減圧容器内に循環させつつ脱ガス処理する、ことに着想して成されたものである。
即ち、本発明による第一の脱ガス装置は、溶融金属を脱ガスする装置であって、溶融金属に流動用ガスを吹き込む等により、当該溶融金属を一端から吸引し且つ他端から復流するカーボン製の減圧容器と、この減圧容器を包囲する外容器と、減圧容器と外容器との隙間に不活性ガスを供給する手段と、を含む、ことを特徴とする。
【0005】
これによれば、溶融金属は、前記減圧容器内を循環する際、積極的に加熱されることなく、当該容器のカーボンと反応して脱酸され且つ同時に脱水素処理をも受ける。このため、例えば溶けた銅を処理することにより、極めて高品質の無酸素銅を低コストで効率良く得ることが可能となる。また、減圧容器は、外容器との隙間に供給される不活性ガスのような非酸化性ガスによって外側を覆われるため、当該容器のカーボンを酸素が透過しないので、溶融金属の上記脱酸効果を十分に保つことができる。しかも、減圧容器は、溶融金属との接触により加熱されても、減圧容器自体の酸化やこれによる劣化も防げ、その寿命を高めることができる。尚、外容器は、上記隙間を形成し且つ減圧容器を保護するために用いる。
【0006】
また、本発明による第二の脱ガス装置は、溶融金属を脱ガスする装置であって、溶融金属に流動用ガスを吹き込む等により、当該溶融金属を一端から吸引し且つ他端から復流するカーボン製の減圧容器と、この減圧容器を包囲する外容器と、を含み、上記減圧容器の外側面にガス不透過層が形成されている、ことを特徴とする。
これによっても、溶融金属は、上記減圧容器内を循環する際、上記同様に脱酸され且つ同時に脱水素処理をも受ける。しかも、減圧容器の外側から酸素が侵入しないため、上記脱酸効果を十分に維持できると共に、減圧容器自体の酸化や劣化を防ぐことができる。従って、低コストで効率良く脱ガスできると共に、脱ガス装置の構造も簡素化でき、且つ装置寿命も高めることができる。
尚、上記ガス不透過層には、例えばガラス状のカーボン膜や熱分解炭素の緻密な膜が含まれる。また、上記外容器は、減圧容器の保護のために用いられる。
【0007】
更に、本発明による第三の脱ガス装置は、溶融金属を脱ガスする装置であって、溶融金属に流動用ガスを吹き込む等により、当該溶融金属を一端から吸引し且つ他端から復流するカーボン製の減圧容器と、この減圧容器を包囲する外容器と、減圧容器と外容器との隙間に不活性ガスを供給する手段と、を含み、上記減圧容器の外側面にガス不透過層が形成されている、ことを特徴とする。
これによれば、減圧容器内を循環する際、上記同様に溶融金属を一層効率良く脱酸及び脱水素処理することができ、且つこれらの脱ガス効果を一層確実に保てると共に、減圧容器自体の酸化や劣化を防ぐことができる。従って、低コストで効率良く脱ガスできると共に、装置寿命も高めることができる。
【0008】
また、前記減圧容器と外容器との隙間内に加熱手段を配置した、脱ガス装置も含まれる。これによれば、減圧容器を介してその内部を循環する溶融金属を保温できるので、溶けた銅やアルミニウム等の循環流が減圧容器内で凝固する事態を防止でき、一層安定した脱ガス処理を行うことが可能となる。尚、ヒータ等の加熱手段を用いる上記脱ガス装置では、係るヒータ等の熱を外部に逃がさないため、その外容器には耐熱(断熱)性を有するものが用いられる。
更に、前記減圧容器内における溶融金属の流路内、又は/及び、減圧容器の両端との間に位置する溶湯保持手段内の位置に、溶融金属が透過可能であり且つカーボンを主成分とする脱酸体を配置した、脱ガス装置も含まれる。
これによれば、減圧容器との接触の他に、上記脱酸体との接触によって、溶融金属を一層確実に脱酸することが可能となる。尚、上記脱酸体には、例えば格子状の構造を有するカーボン製の成形材が用いられる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下において本発明の実施に好適な形態を図面と共に説明する。
図1(A)は、本発明による第一の脱ガス装置1の垂直断面を示す。
この脱ガス装置1は、断面略逆U字形の減圧容器2と、これを包囲し且つ同様の断面形状を有する耐熱性の外容器10とを有する。
減圧容器2は、カーボン(C)から形成され、図1(A)に示すように、一端において溶融金属Mを吸い上げる垂直な吸引部4と、他端において脱ガスされた溶融金属Mを降下し複流する垂直な排出部9と、これらの間に位置する水平部6と、を有する。吸引部4の下端寄りの位置には、その中空部5内に開口する流動用ガスの吹込み口3が設けられ、ここから吸引される溶融金属MにAr等の流動用ガスを吹き込むことにより、溶融金属Mを中空部5の上方へ上昇させている。
【0010】
また、図1(A)に示すように、水平部6は、水平流路7を内設し、その天井部に排気ダクト8の一端が開口している。このダクト8の他端には、図示しない真空ポンプ等の排気手段が取り付けられている。水平部6の水平流路7の他端には、排出部9が連通している。図1(A)で水平流路7を右側から左側に流れた溶融金属Mは、排出部9から降下し複流する。尚、図1(B)は、上記吸引部4、水平部6、排出部9、及び外容器10の概略水平断面を示す。
更に、外容器10は、図1(A)に示すように、減圧容器2の外側を隙間18を介して包囲する耐熱性のものであり、外表面を鉄皮11に覆われた耐火物からなる垂直部12,14と、これらの間をつなぐ水平部13とから形成される。前記減圧容器2の吸引部4と排出部9の下端は、垂直部12,14よりも下方に突出している。また、垂直部12,14には、隙間18内にAr等の非酸化性ガスを供給・流動するための給気口16と排気口17とが個別に取り付けられている。
【0011】
以上の構成からなる脱ガス装置1は、図1(A)に示すように、減圧容器2の吸引部4と排出部9の下端を、保持炉(溶湯保持手段)20内において所定の温度域に加熱された溶融金属M中に浸漬される。保持炉20は、耐火物からなる断面略凹形の本体22と、その外表面を覆う鉄皮23とからなり、この鉄皮23の外側には、誘導コイル24が巻き付けられている。予め、図示しない溶解炉で溶融された金属Mは、保持炉20内に注湯された後、上記誘導コイル24により所定の温度域に加熱・保持(保温)される。
【0012】
次に、以上の脱ガス装置1を用いた溶融金属Mの脱ガスについて説明する。
図1(A)に示すように、保持炉20内の溶融金属M中に、減圧容器2の吸引部4と排出部9の下端を浸漬し、排気ダクト8から減圧容器2内のガスを排気して減圧する。これによって、減圧容器2内は、略真空又はこれに近い状態となる。同時に、吹込み口3からAr等の流動用ガスを、吸引部4の中空部5に吹き込む。これにより、溶融金属Mは、吸引部4の中空部5内を上昇する。
また、減圧容器2と外容器10との隙間18には、給気口16から供給されたAr等の非酸化性ガスが流入し、当初の大気等の酸化性ガスを排気口17から外部に排出する。これにより、減圧容器2の周囲は、非酸化性雰囲気に覆われる。
【0013】
上記中空部5内を上昇する過程で、溶融金属M中に含まれている酸素は、吸引部4を形成するカーボンと反応し、炭酸ガスや一酸化炭素となって上昇する。
次いで、溶融金属Mが水平部6の水平流路7内を、図1(A)で右側から左側に流動する。この際、溶融金属M中に含まれている酸素は、水平部6を形成するカーボンと反応して、炭酸ガス等となる。このガスは、前記吸引部4から上昇した炭酸ガス等と共に、排気ダクト8から外部に排出される。同時に、水平流路7内の減圧雰囲気により、溶融金属Mに含まれていた水素等も、脱ガスされて排気ダクト8から排出される。
【0014】
そして、酸素及び水素等を脱ガスされた溶融金属Mは、排出部9内を降下し、保持炉20内に複流される。この降下する過程でも、溶融金属M中の酸素は、排出部9を形成するカーボンと反応し、炭酸ガス等となって水平部6側へ上昇した後、排気ダクト8から外部に排出される。
以上の脱ガス処理を行っている間、減圧容器2は、外容器10との隙間18を流動するArガスにその外周面を覆われる。これにより、酸素が減圧容器2を形成するカーボンを透過しないため、溶融金属Mの前記脱酸効果は、低下したり阻害されず、安定して得られる。また、減圧容器2自体の酸化や、これによる劣化、又は、燃焼という事態を防ぐことができる。このため、脱ガス装置1の寿命も長く安定させることが可能となる。
従って、以上のような脱ガス装置1によれば、積極的に加熱することなく、溶融金属Mを確実且つ安定して脱酸及び脱水素等ができる。しかも、低コストにて脱ガスでき、装置寿命も向上するので、ランニングコストの低減も可能となる。
【0015】
図1(C)は、第二の脱ガス装置1′に関し、これを構成する減圧容器2の外側面に沿って、ガス不透過層26が形成されている。尚、脱ガス装置1′は、図1(A)において、減圧容器2と外容器10との隙間18を設けることを要しない。また、仮に隙間18を設ける場合でも、前記Ar等の非酸化性ガスのための給気口16と排気口17を取り付けない点で、前記脱ガス装置1と相違する。
ガス不透過層26は、ガラス状のカーボンからなる厚さ約3〜5μmのコーティング膜に厚さ約1mmの上記カーボンの浸漬層を積層した複合膜、或いは、熱分解炭素を気相法(CVD)等で成膜した厚さ約20μmの緻密なカーボン膜からなる。係るガス不透過層26を減圧容器2の外側面に形成することにより、そのガス透過率(K)を、0.1未満〜略0cm2/Sと極めて低くすることができる。
【0016】
因みに、厚さ約20μmの緻密なカーボン膜からなるガス不透過層26を外側面に形成した減圧容器2を含む脱ガス装置1′と、ガス不透過層26を形成していない減圧容器2を含む同様の脱ガス装置(比較例)とを用いて、同じ条件で溶けた銅を脱ガス処理を行ってみた。この結果、脱ガス装置1′を用いた場合は、比較例の脱ガス装置の場合に比べて、処理後の銅中における酸素濃度を半分以下にでき、且つ水素濃度も約半分に低減することができた。
従って、ガス不透過層26を形成した減圧容器2を含む脱ガス装置1′を用いることにより、溶融金属Mの脱ガスを確実に行うことができると共に、減圧容器2自体の酸化や劣化を防ぐことができる。また、効率良く低コストで脱ガスできると共に、装置自体の構造も簡素化でき、且つ装置寿命も高めることができる。
【0017】
尚、脱ガス装置1′の隙間18内に前記給気口16から前記Ar等の非酸化性ガスを循環させ、且つ排気口17から排出するように構成すると、本発明による第三の脱ガス装置(図示せず)を形成することができる。これによれば、溶融金属Mを一層効率良く脱酸及び脱水素処理等することができ、且つ係る脱ガス効果を一層確実に保てると共に、減圧容器2自体の酸化や劣化を防ぐこともできる。
【0018】
図2は、前記脱ガス装置1の応用形態である脱ガス装置1″に関する。尚、以下において前記形態と同じ部分や要素には共通する符号を用いるものとする。
脱ガス装置1″は、図2(A)に示すように、断面略逆U形の減圧容器2′と、これを包囲する耐熱性の外容器10′を有し、且つ保持炉20の上に位置する。減圧容器2は、カーボンからなり、図2(A)及び(B)に示すように、一端にて溶融金属Mを吸い上げる一対の吸引部4と、他端において脱ガス処理された溶融金属Mを降下し複流する一対の排出部9と、これらの間に位置する幅広の水平部6と、を有する。各吸引部4の下端寄りの位置には、それらの中空部5内に開口する流動用ガスの吹込み口3がそれぞれ設けられている。
【0019】
また、図2(A),(B)に示すように、水平部6は、一対の吸引部4と連通する幅広で断面積の大きな水平流路7を有し、その天井部に前記同様の排気ダクト8が連通している。水平部6の水平流路7の他端には、図2(A)で右側から左側に流動した溶融金属Mが降下する一対の排出部9が連通している。
更に、外容器10′は、図1(A)に示すように、減圧容器2の外側を隙間18を介して包囲する耐熱性容器で、外表面を鉄皮11に覆われた耐火物からなる垂直部12,14と、この間をつなぐ水平部13とからなる。減圧容器2′の吸引部4と排出部9の下端は、垂直部12,14よりも下方に突出している。
【0020】
また、上記垂直部12,14には、隙間18内にAr等の非酸化性ガスを供給・流動させるための給気口16と排気口17が個別に取り付けられている。しかも、図2(A)に示すように、隙間18内には、減圧容器2′を包囲するようにして、複数の線状又は面状のヒータ(加熱手段)28が配置されている。
以上のような脱ガス装置1″によれば、前記脱ガス装置1と同様な脱ガス処理が行えると共に、減圧容器2′内を循環して流動する溶融金属Mを保温できるので、溶けた銅やアルミニウム等の非鉄溶融金属Mの循環流が減圧容器2′内で凝固する事態をも防止でき、一層安定した脱ガス処理を行うことが可能となる。
【0021】
尚、脱ガス装置1″における減圧容器2′の外側面に前記ガス不透過層26を形成することによっても、本発明による第三の脱ガス装置(図示せず)を構成することができる。係る第三の脱ガス装置によれば、溶融金属Mを一層効率良く脱ガス処理することができ、且つ係る脱ガス効果を一層確実に維持できると共に、減圧容器2自体の酸化や劣化を十分に防ぐこともできる。また、ヒータ28を前記脱ガス装置1,1′に適用することも可能である。
【0022】
図3(A)は、前記脱ガス装置1の更に異なる応用形態である脱ガス装置30の垂直断面を示す。図3(A)に示すように、脱ガス装置30は、前記同様の減圧容器2と外容器10と備え、且つ保持炉20をも包含している。減圧容器2の水平部6における水平流路7内には、脱酸体32が当該流路7を横切り且つ堰のように配置されている。脱酸体32は、カーボンを主成分とし、これにバインダ等を加えて成形したもので、図3(B)に示すように、直方体を呈する本体33内に、断面矩形の複数の水平な透孔34を、縦横方向に連設した多孔成形体である。
また、図3(A)に示すように、保持炉20内に加熱・保持されている溶融金属M中にも、同様の脱酸体36が保持炉20内で吸引部4と排出部9との間の位置に、当該保持炉20内を横切る堰のようにして配置されている。この脱酸体36にも、断面矩形の複数の水平な透孔38が縦横方向に連設されている。
【0023】
以上のような脱ガス装置30によれば、前記脱ガス装置1と同様に、減圧容器2内を循環する際に溶融金属Mを脱ガスでき、且つ水平流路7内の脱酸体32により更に脱酸できる。しかも、図3(A)に示すように、保持炉20内に複流した溶融金属Mは、当該炉20内を左側から右側に流動する際、脱酸体36を透過しつつこれに接触することにより、更に脱酸される。従って、溶融金属Mに対して一層高い脱酸処理を施すことができる。尚、上記脱酸体32,36は、それぞれ複数個を並列に配置したり、或いは何れか一方のみを配置することも可能である。更に、係る脱酸体32,36の一方又は双方を、前記脱ガス装置1′,1″及び前記第三の脱ガス装置(1)に適用することも容易である。
【0024】
本発明は、以上において説明した各形態に限定されるものではない。
例えば、本発明の脱ガス装置の対象となる溶融金属は、前記銅やアルミニウムに限らず、少なくとも脱酸及び脱水素を目的とする限り、種々の普通鋼、特殊鋼、ステンレス鋼、マグネシウム、又はチタン等も含まれる。
また、前記減圧容器2における吸引部4と排出部9は、それぞれ1つずつ、又は一対ずつとする前記形態に限らず、両者の数が相違する形態も含まれる。
更に、前記形態では減圧容器2の吸引部4に設けた吹込み口3から流動用ガスを溶融金属Mに吹き込み当該金属Mを上昇させたが、上記ガスを用いず圧力差等を利用して、溶融金属Mを減圧容器2内に上昇・循環させることも可能である。
【0025】
また、前記減圧容器2における吸引部4や排出部9内に断面を小さくした脱酸体を配置し、これらの位置で脱酸処理を行うことも可能である。
更に、前記隙間18内に流動させる非酸化性ガスは、前記Arに限らず、酸素を含まないその他の不活性ガスも含まれる。
尚、前記保持炉20に替えて、各種の加熱炉、溶解炉、取鍋、又は加熱手段を有する取鍋精錬炉等の溶湯保持手段を用いることも可能である。
【0026】
【発明の効果】
以上により説明した第一の脱ガス装置(請求項1)によれば、溶融金属が前記減圧容器内を循環する際、積極的に加熱することなく、当該減圧容器のカーボンと反応させて脱酸し且つ同時に脱水素処理等をも行える。このため、溶融金属を処理することにより、極めて高品質の無酸素銅や高純度アルミニウム等を低コストで効率良く得ることが可能となる。しかも、減圧容器は、非酸化性ガスによって外側を覆われるため、当該容器のカーボンを酸素が透過せず、溶融金属の上記脱酸効果を保つことができると共に、溶融金属との接触により加熱されても、減圧容器自体の酸化やこれによる劣化も防げ、その寿命を高めることができる。
【0027】
また、第二の脱ガス装置(請求項2)によれば、上記の各効果に加え、脱ガス装置自体の構造も簡素化でき、且つ装置寿命も一層高めることができる。
更に、第三の脱ガス装置(請求項3)によれば、上記の各効果に加え、一層効率良く脱酸及び脱水素処理等することができ、且つ脱ガス効果を一層確実に保ち得ると共に、装置自体の寿命を著しく高めることができる。
また、請求項4の脱ガス装置によれば、非鉄等の溶融金属を凝固させることなく循環でき、確実に脱ガス処理を施すことができる。
加えて、請求項5の脱ガス装置によれば、減圧容器内での脱酸や保持炉等の内部での脱酸を更に行え、例えば無酸素銅や高純度アルミニウムのような著しく純度の高い金属に精製することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)は本発明による第一の脱ガス装置を示す垂直断面図、(B)は(A)中のB−B線に沿った概略水平断面図、(C)は(A)中の一転鎖線部分Cの拡大断面図。
【図2】 (A)は異なる形態の脱ガス装置を示す垂直断面図、(B)は(A)中のB−B線に沿った概略水平断面図
【図3】 (A)は更に異なる形態の脱ガス装置を示す垂直断面図、(B)は(A)の装置中で用いる脱酸体の斜視図。
【符号の説明】
1,1′,1″,30…脱ガス装置
2,2′………………減圧容器
7………………………水平流路(流路)
10,10′…………外容器
16,17……………給/排気口(非酸化性ガス供給手段)
18……………………隙間
20……………………保持炉(溶湯保持手段)
26……………………ガス不透過層
28……………………ヒータ(加熱手段)
32,36……………脱酸体
M………………………溶融金属
Claims (5)
- 溶融金属を脱ガスする装置であって、
溶融金属に流動用ガスを吹き込む等により、当該溶融金属を一端から吸引し且つ他端から復流するカーボン製の減圧容器と、
上記減圧容器を包囲する外容器と、
上記減圧容器と外容器との隙間に非酸化性ガスを供給する手段と、を含む、
ことを特徴とする脱ガス装置。 - 溶融金属を脱ガスする装置であって、
溶融金属に流動用ガスを吹き込む等により、当該溶融金属を一端から吸引し且つ他端から復流するカーボン製の減圧容器と、
上記減圧容器を包囲する外容器と、を含み、
上記減圧容器の外側面にガス不透過層が形成されている、
ことを特徴とする脱ガス装置。 - 溶融金属を脱ガスする装置であって、
溶融金属に流動用ガスを吹き込む等により、当該溶融金属を一端から吸引し且つ他端から復流するカーボン製の減圧容器と、
上記減圧容器を包囲する外容器と、
上記減圧容器と外容器との隙間に非酸化性ガスを供給する手段と、を含み、
上記減圧容器の外側面にガス不透過層が形成されている、
ことを特徴とする脱ガス装置。 - 前記減圧容器と外容器との隙間内に加熱手段を配置した、
ことを特徴とする請求項1乃至3に記載の脱ガス装置。 - 前記減圧容器内における溶融金属の流路内、又は/及び、減圧容器の両端との間に位置する溶湯保持手段内の位置に、溶融金属が透過可能であり且つカーボンを主成分とする脱酸体を配置した、
ことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の脱ガス装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000073480A JP4319321B2 (ja) | 2000-03-16 | 2000-03-16 | 脱ガス装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000073480A JP4319321B2 (ja) | 2000-03-16 | 2000-03-16 | 脱ガス装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001262243A JP2001262243A (ja) | 2001-09-26 |
JP4319321B2 true JP4319321B2 (ja) | 2009-08-26 |
Family
ID=18591717
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000073480A Expired - Fee Related JP4319321B2 (ja) | 2000-03-16 | 2000-03-16 | 脱ガス装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4319321B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103014363B (zh) * | 2012-12-21 | 2014-04-09 | 江苏中容铜业有限公司 | 在生产桥架母线用无氧铜杆的同时去除炉内杂质的方法 |
-
2000
- 2000-03-16 JP JP2000073480A patent/JP4319321B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001262243A (ja) | 2001-09-26 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4319321B2 (ja) | 脱ガス装置 | |
JP5015053B2 (ja) | 連続鋳造用浸漬ノズルの予熱方法及び連続鋳造方法 | |
JP4231176B2 (ja) | 治金容器のストッパー及び/又は上ノズル | |
JP2969803B2 (ja) | 高融点金属,活性金属の鋳造方法および鋳造装置 | |
FI92295C (fi) | Laite ohuiden metalliliuskojen jatkuvaksi valamiseksi kahden telan välissä | |
JP4456284B2 (ja) | プラズマトーチを用いた溶鋼の加熱装置 | |
JPS59225862A (ja) | 連続鋳造用浸漬ノズル | |
JP4132198B2 (ja) | フロート板ガラス製造装置 | |
JPH1072615A (ja) | 溶融金属の取鍋精錬方法ならびにその精錬装置 | |
JPH0146563B2 (ja) | ||
JP4349224B2 (ja) | 連続鋳造方法 | |
JP4029650B2 (ja) | 真空誘導加熱装置 | |
JP3681292B2 (ja) | るつぼ形誘導炉のガスバブリング方法 | |
JP7067279B2 (ja) | 溶鋼の取鍋精錬方法 | |
JP2674316B2 (ja) | 精錬装置の浸漬管の冷却方法 | |
JPH0656690U (ja) | 製鋼用電気炉 | |
JP2002047510A (ja) | 取鍋精錬装置 | |
JPH04187711A (ja) | 脱ガス精錬用浸漬管 | |
JPH08257708A (ja) | タンディッシュの熱間再使用方法 | |
CN117583585A (zh) | 一种防止钢包钢液二次氧化保护装置及方法 | |
JPS6013017A (ja) | 金属処理用真空槽 | |
JPH0734972B2 (ja) | 取鍋精錬装置 | |
Ovrelid et al. | Hydrogen removal from molten Mg by diffusion through steel walls | |
JP2004358544A (ja) | 溶湯保持炉および給湯用ラドル | |
JP3922231B2 (ja) | 真空精錬用取鍋の蓋 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070105 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20090518 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20090526 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20090528 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120605 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120605 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130605 Year of fee payment: 4 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |